イマトコからつながる京都の森のはなし
京都府の総面積のうち、74%が森林。
意外かもしれないが、京都市内においても73.7%と割合はほぼ同じ。
その市街地から車で約20キロ、北山エリアでは
京都を代表する地域材、北山杉が育林されている。
これは茶室や数寄屋づくりの建築に使用されてきた。
つまり古都・京都には欠かせない地域材だ。
しかし伝統的な和風建築のみならず
北山杉の魅力を、現代の都市生活の視点から捉え直すという
地域連携型のプロジェクトも始まっている。

丸太の模様は“天然のテクスチャー”
北山スギプロジェクト〈イマトコ〉の発足は2010年。
地元生産者をはじめ、京都に縁あるさまざまなポジションで
活動するメンバーによって構成されている。
発起人はインテリアショップのカギロイ(コクヨファニチャー)と
建築設計事務所の里仁舎。
従来の北山杉に新たな観点を、ということで片仮名表記の「スギ」。
長年、床柱として使われてきたスギを、
現在(イマ)の床(トコ)に、ということでイマトコと命名されたのだそう。
北山杉、それを細かい砂で磨いた北山丸太。
なによりの特徴は、絞りと呼ばれるデコボコした天然の模様と
木肌の滑らかな光沢にある。しかも干割れしにくい材質。
それらは桂離宮や修学院離宮など、
数寄屋づくりを代表する建築で使用されている。
その歴史は約600年。磨き丸太は京都府伝統工芸品に指定され
育林と加工の生産技術は、いまも北山エリアを中心に保たれている。
しかし近年、そんな銘木が
「まったく売れずにどうしていいか困っている状況だった」というのは、
もともと北山杉の利用促進の研究に携わっていた里仁舎の南 宗和さん。

イマトコの2人掛け用ソファに座る建築設計事務所〈里仁舎〉の南 宗和さん。
「北山丸太は昔から一家に一本の化粧材なんです。
日本の伝統的な建築だったり、日本の美学の中に入っているものだったんですね。
しかしいま、和風建築が少なくなってきたので、使う場所がない。
骨組みに使うにも加工が難しい。
それに、独特な絞りがあって、現代のミニマムなデザインからすると、
いまのデザイナーには処理しづらい。素材に主張があり過ぎるんですよね。
そこで、単なる従来の民芸調の家具ではなく、
もっと現代的な都市生活者のリビングのテーブルやソファなどに使えないだろうか?
と話し合ったのがイマトコが生まれた発端です」

枝を約6割落とし、成長を抑え年輪を密にする。写真は皮をむき乾燥させている本仕込み中の様子。

写真左側のまっすぐなものが磨き丸太。そして絞りにも天然、加工を含めこんなにも種類が。
「最初は天然絞り丸太の模様“出絞(でしぼ)”がグロテクスに見えていたんですけど、
いろんな種類があることを知るうちに、ずっと見ていると味わい深いし、
不思議とかっこよく見えてくるんですよ。
もはや通常の磨き丸太では、アクリルのパイプと同じように
味気ないと思ってしまうくらい。
この絞りは天然のテクスチャーで、世界に1本しかない模様なんですね」





















































































