江戸箒の老舗・白木屋傳兵衛の「掛けほうき」。どこにでも掛けておけるほうきで掃除が好きになる。

今日ご紹介するのは、ステッキのような柄がついた珍しいほうき。
創業1830年の江戸箒の老舗・白木屋傳兵衛のほうきに惚れ込んだ
掃除用具ブランド「掃印(そうじるし)」のデザイナー・大治将典さんが
企画を持ち込み商品化したものです。
ドアのぶや机、棚、椅子の背もたれなど、
すぐ手の届くところにかけておくことができます。
綺麗好きなのに、ちょっとした埃が気なっても
「掃除機を引っ張り出すのが面倒」だった大治さんも
すぐ手の届くところにこのほうきを置くことで、
こまめに掃除する習慣がついたそう。

柄があると掃除もしやすそう。

こちらは「掛けトサカほうき」。「トサカ」という昔からある伝統的なカタチで編み上げた、棕櫚(しゅろ)の箒。「限られた材料の量」で「箒の幅」を効率よく広げるために発案されたもの。

すぐに使える便利さのみでなく、
熟練の職人さんたちに丁寧に編み上げらたほうきは
掃除道具ながら、部屋に置いておきたくなる美しいたたずまい。
江戸箒は当たりが柔らかくコシがあり、
力を入れなくてもササッと掃き出しやすいのが特徴。
洗面所・キッチン・仕事部屋など生活の場でたくさん活躍してくれます。
掃除が好きになるほうき、ぜひ。

《そばに置いておきたい掃除道具》「掃印(そうじるし)」
白木屋傳兵衛

〈obisugi design〉 地域の人の手で、未来へとつなぐ 地域の財産。

obisugi designからつながる宮崎の森のはなし

日本一の杉景観と称される飫肥杉(おびすぎ)の人工林。
ぐるりと見渡す限り、手入れが行き届いて美しく
まっすぐに空に向かって伸びている立派なスギの木立。
ところどころに、未来のこの美しい景観を担うであろう
植林されたばかりのスギを見ることができる。
宮崎県の森林面積は、県土の76%を占めている。
なかでもスギの生産量は全国有数で、宮崎県産材として
杉丸太生産量が過去23年連続、日本一を誇っている。

展望所から一望する飫肥杉の人工林。見渡す限りスギが続くこの景観は、宮崎県の林業地を代表するもの。

地域の経済と密接に関わる、飫肥杉

樹脂分が多く、成長が早いため、しなやかでやわらかい飫肥杉。
江戸時代初期に、飫肥藩財政の窮乏を救うために
山林原野にスギを植林したのが、飫肥杉のはじまりといわれている。
400年以上ものあいだ、この地域の貴重な財源であったわけだ。
飫肥杉が持っている特徴から、木造船の材料として重宝され
「囲炉裏端にいるだけで、商売が成り立つ」と言われたくらい
昭和後期まで日南市の経済と活力を支えていた。
しかし、船の材料としてFRPが台頭すると
とたんに飫肥杉の船の材料としての需要が減り価値が下がっていくとともに
地元の経済と活力に対しての危機感がつのっていた。

飫肥杉と地域の経済は密接につながっている。地域にとって、守るべき財産でもある。

先人たちから受け継いできた、飫肥杉の人工林。
歴史、経済、景観など、あらゆる観点からみて、
地域にとってなくてはならない、大切な存在である。

「飫肥杉を生かして、日南市を活性させよう」

いまから約8年前、最初に声を上げたのは、日南市役所だった。
その声に賛同した地元の企業が集まり
業種を超え、なにができるか知恵を出し合った。
飫肥杉を材料にして、商品をつくることはできる。
ただ、つくった商品を売るだけでなく、飫肥杉の魅力を伝えると同時に
日南市という地域を発信することが大切だと考えた。
そこでたどり着いたひとつの方法が
東京で活躍するデザイナー、商社との協同プロジェクトだった。

obisugi designプロジェクト発足当時から関わる、日南家具工芸社の代表・池田誠宏さんと、工場長・長渡正次さん。

八海山 魚沼の里

たっぷり積もった雪が、豊かな恵みをもたらしてくれる

新潟県の魚沼といったら、真っ先に思い出すのはお米、魚沼コシヒカリ。
お米の中でもトップブランドである。
実際に魚沼地方を訪ねると、まわりは見渡す限り果てしなく田んぼで、
秋には豊かな実りの姿を見せる。一面が黄金の絨毯だ。
しかし、そのほんの数か月後には、あっという間に真っ白な銀世界が広がる。
魚沼はまた、日本有数の豪雪地帯なのである。
魚沼に住む人たちは、厳しい雪の中での生活に日々向き合って生きてきた。

雪室館内にある試飲コーナーでは八海山がつくる日本酒や焼酎が試飲できる。

八海醸造は大正11年に創業した、比較的若い日本酒の会社である。
八海山、というお酒の銘柄を知っている人は多いだろう。
「とにかくいい酒を」と品質を徹底的に見極め、
素材や手間、設備などに惜しみない努力を注いできた。
麹造りや櫂入れ(もろみなどをかき混ぜる作業)はすべて人の手で行う、
というこだわりを貫きつつも、決して手に入りにくい希少なお酒ではなく、
いい酒を日常的に楽しめるよう、供給体制にも力を入れている。

毎年1月には、杜氏・蔵人が一丸となって「特別な酒」を造る。
酒造りに最も適した一番寒い季節に、最高の素材を惜しみなく使い、
最良の人材によって全身全霊を酒に注ぎ込む。
八海山の志を象徴するような、最高峰の酒である。
こちらは少量しか造れない希少な酒のため、一般には出回らないが、
そのときに体験した技術と味わいは、社員全員の心に刻み込まれる。
この「特別な酒」造りが、すべての酒への心構えとなり、
品質目標となって、常に高い志へと導いている。

麹造りの作業。重労働だが全量人の手で行われる。

雪の多い魚沼地方は空気が澄み、清冽な水をたたえ、
お酒造りには適した地である。
雪は空気中の雑菌を包み込み、地面に落としてくれるそうで、
たくさん雪が降ると杜氏の機嫌がいい、と魚沼の蔵人たちは言う。
冬には3メートル、4メートルとどんどん雪が積もる厳しい暮らしの中で、
雪に感謝し、雪のいいところを活用して、雪と共に生きている。

八海醸造の先代社長夫人である南雲 仁(なぐもあい)さんは、
雪の少ない沿岸部より、結婚をきっかけにこの地へやってきた。
最初の頃は、雪深くて何もないこの場所がいやだったそうだが、
あるとき、この地に住む高齢のおばあさまの言った言葉にはっとさせられたという。
「冬になると、雪のお布団が畑をゆっくり眠らせてくれる、とおっしゃったんです。
魚沼の人の心の豊かさ、文化度の高さに圧倒されました」
冬がとても寒く、雪深いことは、決して悪いことばかりじゃない。
海から離れた山奥深く、寒さの厳しい地域だからこそ、
豊かに育った郷土の文化がある、と気づいた。

「そば屋長森」で出される季節のお漬物。魚沼には冬を豊かに暮らすために様々な保存食がある。

冬の真っ白な世界から、雪が溶けると草花は一斉に芽吹き、鮮やかな春が訪れる。
夏の気温の寒暖差によって、野菜や果物は一層甘みを増す。
乾燥、塩漬け、発酵など、冬を少しでも心地よく過ごすために保存食が工夫される。
四季折々、自然と寄り添いながら暮らすことの素晴らしさ。
酒蔵を訪ねてきたお客さんに、仁さんは、
この土地ならではの郷土料理を惜しみなく振る舞ってもてなした。
自然に対する感謝の気持ちを料理で表現したという。

現在、仁さんの想いは、八海山の厨房を取り仕切る
関 由子さんに引き継がれている。
生まれも育ちも生粋の魚沼人で、料理が大好き。
みんなから慕われるお母さんである。
春になれば、近くの山までひょいひょいと気軽に山菜採りに出かけ、
滋味深い郷土料理を、ささっと振る舞ってくれる。
(お酒にも、もちろんよく合う!)
地元の素材を丁寧に扱い、手間暇を惜しまず、
でも決して凝ったものというのではなく、素朴で気どらない、安心感のある家庭料理。
それがずらりと並んだテーブルには、誰もが目を輝かす。
その土地のものを、その土地らしくいただくことが、一番のごちそうなのだ。

魚沼という地の、雪国独特の豊かで安らぎのある、素顔のままの文化を、
少しでも多くの人に伝えたい。
ここを訪ねてくれた人たちに、この土地らしいおもてなしをしたい。
そんな想いがベースとなって、「魚沼の里」は誕生した。

さらに、塩漬けや発酵など、保存食を中心とした、
寒く厳しい冬を豊かに過ごすための先人の知恵や工夫による
この土地ならではの味わい深い食文化を紹介したい、との想いから
魚沼地方の伝統食や厳選した食材、発酵食品を揃えた
八海山独自のブランド「千年こうじや」も生まれた。

左:先代社長夫人・南雲 仁さん、右:八海山の厨房担当、関 由子さん。

酒、食を通じて、魚沼の魅力をさまざまな角度から発信

魚沼の里は、1日いても楽しめてしまうスポットだ。
広大な敷地内には、清酒八海山を仕込む酒蔵(こちらは見学不可)があるほか、
そば屋長森、うどん屋武火文火、菓子処さとや、つつみや八蔵、
そして雪室など、さまざまな施設が点在している。
雪室に併設する館内には、日本酒の試飲コーナー、焼酎貯蔵庫、カフェや売店、
キッチン用品を中心とした雑貨店なども入っている。

魚沼の里より、雪室の外観。

背後には八海山をはじめとする山々が悠然とそびえ、
青々と緑の眩しい森と、穏やかな田園風景を眺めているだけでも気持ちがいい。
古民家を移築し改修した趣ある店、「そば屋長森」を訪れてみると、
蕎麦はもちろん種類も豊富に楽しめるのだが、
それと一緒にちょっとつまめるおかずとして、
ニシンの山椒漬け、巾着なすのお漬物、神楽南蛮の辛い調味料、
やたら漬けなどなど、雪国伝統の季節の郷土料理がメニューに並んでいる。
一口かじるとほっと顔がほころぶようなやさしい味がして、
素朴なおもてなしの心を感じる。

「そば屋 長森」のメニュー。

2013年の夏にできた「雪室」は、雪の力を最大限に利用した施設である。
1000トンの雪を収容できる貯蔵庫で、
電気の力は一切使っていない、天然の冷蔵庫である。
冬に建物内に集められた大量の雪は、夏になっても
1日バケツ数杯分くらいしか溶けないのだそうだ。
雪室の中に実際に入ってみると、
倉庫のような大きな部屋に、山のように雪が積まれていた。
雪がただそこにあるだけだというのに、本当にひんやりと冷たく、
寒くてとても長時間は中にいられない。

雪室内のショップスペース。

一年中、常時だいだい4℃前後に保たれているのだそうだ。
雪室は、当日予約すれば誰でも見学することができる。
「この土地の一番の特徴といえば、やはり雪なんです。
雪ならいくらでもあるので、その自然を生かした施設をつくりました」
と八海山広報の勝又沙智子さん。
勝又さんもまた、生まれも育ちもこの近くのまちだとか。
一旦東京へは出たものの、やっぱり地元が好きだからと故郷へ戻ってきたという。
建物内を案内し、説明してくれた言葉の端々にも、
この土地への愛情がひしひしと感じられた。
地域の魅力を独自の視点で発信する
「南魚沼市女子力観光プロモーションチーム」という団体にも所属し、
さまざまな活動をしているそうだ。

八海山広報を務める勝又沙智子さん。

さて話を戻すが、雪室では日本酒を最長5年間貯蔵するほか、
空きスペースで野菜なども貯蔵している。
冷気を別室へ送って、お菓子やコーヒー、肉の熟成などにも利用している。
併設されたショップでは、雪の力を活用した食品などが販売されていた。
低温多湿な環境が、野菜のデンプンを糖に変え、甘みが増すそうで、
試しにジャガイモを買って、家で調理して食べてみたところ、
甘みがぎゅっと濃く、ほっくりとした、おいしいジャガイモになっていた。
肉はアミノ酸成分が増えて旨みが増し、
お酒やコーヒーも深みが出てまろやかな味わいになるという。
電気を使わないエコロジーなシステムであるばかりでなく、
保存する食品によい影響をもたらしてくれるのだから、
自然の力には感謝するばかりである。

「つつみや八蔵」の店内の様子。

2014年には、さらに新しい店「つつみや八蔵」も完成した。
日本古来の贈り物の習わしである折形の礼法に沿った包みや、
四季折々のさまざまなラッピング用品を扱う。
ここで開発されたオリジナルの熨斗には、
魚沼の誇り、そして酒蔵の象徴でもある稲の穂があしらわれており、
この土地への限りない感謝の気持ちが、ここにも表れている。

魚沼の里は、今後もまだまだ新しい計画があるらしい。
雪、発酵、保存食……伝えたいことはたくさんある。
魚沼の魅力をさらに発信すべく、進化を続けている。

information


map

魚沼の里

住所:新潟県南魚沼市長森
営業時間:9:30~16:30
定休日:無休
http://www.uonuma-no-sato.jp

〈G.WORKS〉なめらかで、 ふくよかで、あたたかい。 龍神杉のふところの深さに 触れるイス。

G.WORKSからつながる和歌山の森のはなし

かつて、紀伊国(きのくに)と呼ばれた和歌山。
その由来は“木の国”で、古くから木の神様が住むところとされてきた。
高野山や熊野三山など、ふかい森に包まれた聖地があり、
南方熊楠を虜にした那智原始林など、広葉樹が茂る天然林も現存する。
一方で、県土の77%を占める森林のうち、61%は人工林。
いまかいまかと出番を待つスギやヒノキの宝庫ながら、
木材の需要低迷や価格低下により、森林の荒廃は続く。
そんな現状を打開するべく、県は企業とともに森林保全に取り組む事業、
「企業の森」を全国に先駆けて開始。
子どもたちの林業体験、温泉施設を中心とした木質バイオマスの利用促進、
さらに色つやがよく、木目が美しい紀州材の魅力を伝えるなど、
幅広い活動を行っている。

ものづくりの原点に立ち返った家具づくり

和歌山県のほぼ中央に位置する田辺市龍神村。
ここは、高野・熊野の二大聖地をつなぐ、
まるで背骨のような山岳地帯のなかほどにある山村。
森林率95%と、驚くべき自然に恵まれた場所だが、
その71%は人工林。植林される樹木の多くがスギだという。
紀南の温かい風と寒暖差の激しい山の気候に育まれたスギは、
木目の詰まりが良く、その強度と美しさから建材にも最適。
「龍神杉」なる優秀な木材として、知られている。
そんな龍神杉をふんだんに使った家具づくりを行うのが「G.WORKS」だ。

龍神村生まれの松本泉さんが、ふたりのお弟子さんとともに1点1点家具をつくり上げる。

椅子の型紙だけで、こんなにたくさん。定番だけでも10数種類がある。

G.WORKSの家具は、すべて受注生産。
定番のテーブルやチェストなどもあるけれど、
「一番の得意」と、代表の松本泉さんがささやかに胸を張るのは、イス。
シンプルなフィットチェアに、ロッキングチェア、スツールやベンチなど
種類はさまざまだが、すべての座面と背面に使われているのが、龍神杉。

工房裏で乾燥中の龍神材。湿気を多く含む龍神の木は、天然乾燥ではなかなか水分が落ちず、数年前から乾燥機も導入。

「樹種によって適した発育環境は違うけど、
スギは多雨多湿で寒暖の差が大きい場所で良質なものが育つ。
龍神は、まさに絶好の環境。山あいの厳しい気候に耐えながら、
じっくり育つから、身が引き締まっているというか。
それでいて、スギ独特の削りやすさがあって、
手間をかければ自由な形がつくれるんです。
昔は輸入材を仕入れたこともあったけど、地元でものづくりをするなら、
やっぱり地域の素材を使いたいと思って。
林業をやっている仲間がいるので、いまは彼らから原木を買ったり、
隣村の製材所から木材を仕入れたりしています。
地域のつながりから生み出す。
いつしか、それがものづくりの原点のような気がしてきました。
スギは、たっぷり使っても圧迫感がないし、肌触りなめらか。
桜などの広葉樹でつくった座面は、硬くて冷たいけど、
スギは、ふわりとして温かい。
僕のなかでは、椅子をつくるのにぴったりの木ですね」

座面は数枚の材を接ぎ合わせた後、ベルトサンダーなどでなめらかに削り、さらにのみを使って手作業で微妙な凹凸つくる。

「日本」をダウンロード。ルーカス・B・B編集長の新感覚アプリマガジン「japan jikkan」

日本で育まれた伝統や文化、精神に触れるトピックを
紹介したタブレット・スマートフォン向け
アプリマガジン「japan jikkan」の002号が公開されました。
「japan jikkan」の編集長は、「TOKION」や「PAPERSKY」を
手がけるルーカス・B・B氏。
タイトルの「jikkan」とは、「時間」と「実感」のこと。
写真・映像・音・デザインなど多角的なコンテンツによって、
日本を捉え、見て、聴いて、読んで、
感じることのできる新感覚のアプリマガジンです。

「japan jikkan」の特徴は、毎号、テーマとなる色と音が設定されれていること。
002号のイメージカラーは、実りの秋を象徴する、よく熟れた柿の
鮮やかな色である日本の伝統色「kaki-iro=柿色」。
山形県羽黒山にて収録された、現役山伏によるホラ貝の響きのサウンドとともに、
日本の過去・現在・未来をテーマにした記事をお届けします。

その内容は、明治6年に創業し、伝統的なゴム底靴メーカーとして
知られる「ムーンスター」の手仕事の紹介や、
いとうせいこう氏とユーグレナ社出雲充氏がミドリムシを
テーマに地球の未来を語る記事など。

過去から現在、未来までの時間を旅する感覚で日本を実感できる
アプリマガジン「japan jikkan」。
自国の文化に様々な形で触れることで、普段、日本の暮らしに慣れ親しんだ
私たち日本人にも日本を実感させてくれるのではないでしょうか!

japan jikkan ウェブサイト

本の使い方、出版から提案する 新しいライフスタイルビジネス。 「コンテンツワークス」前編

自分の読みたい本を一冊からでもつくってもらえるサービス

コンテンツワークスはオンデマンド出版のリーディングカンパニー。
絶版本の復刻サービスから始まり、
さまざまなスタイルを叶える個人のフォトブックサービスで知られている。

いま高齢者のインタビュー本や地域ジャーナルなど、
オンデマンドを使った新しいライフスタイルを提案する会社へと進化してきている。

オンデマンド出版とは、ユーザーの注文に応じて印刷・製本をする
オーダーメイド型の出版方法。書店で売られる本と異なり、
自分の出したい本や自分の読みたい本を一冊からでもつくってもらえるサービスである。

荻野明彦さん

コンテンツワークス。代表取締役社長の荻野明彦さん。

コンテンツワークスの起業は2001年。
ブック・オン・デマンドによるコンテンツの販売の先駆けとして始まった。
代表取締役社長の荻野明彦さんは
オンデマンド業界では一番の経験と知見を持っているひとりといわれている。
そもそもの起業のきっかけについてお聞きした。

「もともと大手コピー機メーカー、富士ゼロックスの社員だったんです。
ゼロックスの社内プロジェクトから始まり、
大手の出版社とで合弁で会社が生まれました。
私はMBO(マネージメントバイアウト)で会社の社長になりました」

荻野さんからみた出版業界の変化はどのようなものだろう。

「日本で1年間で7万点の書籍が出版されますが、その多くが絶版になる。
絶版本をなくすためにオンデマンド出版を進めてきました。
はじめはコミックや文芸書、
やがてロングテールというビジネスモデルが出てきました。
一冊が1万冊売れるのではなく、
一冊ずつ1万種類の本を売るビジネスモデルなんです」

書店の店頭は毎月刷新される。
売れ筋でないものは3か月ほどで書棚から消えていく。
書店から消えていき、絶版になったものを
Webで再び購入できるようにするサービスだ。
少部数でも末永く売れ続ける良質の書籍をWebで提供するというわけだ。

〈上野村森林組合〉 地域資源の付加価値を高める ものづくりで村と森を元気に

上野村森林組合からつながる群馬の森のはなし

東京から100km圏内と恵まれた立地条件にある群馬県は、
総面積の3分の2を森林が占めている。その広さ、約42万5000ヘクタール。
森林面積、森林率ともに関東地方随一の「森林県」だ。
森林の4割にあたる人工林のうち75%は民有人工林で、
伐採して利用可能な40年生以上の森林が3分の2を占めている。
なかでも、その7割を占めるスギは1ヘクタールあたりの蓄積量が
500㎥を超えていて、活用がこれからの課題だ。
一方、群馬県の西南端に位置する上野村は、
森林の6割をケヤキやシオジ、トチといった広葉樹林が占める貴重なエリア。
「木工の里」として知られ、県内でも先駆けて地域材の活用に力を入れてきた。
今回は、そんな上野村にある森林組合の取り組みを紹介したい。

間伐が進み、太陽光が地面まで十分に届くことで豊かに育っている群馬の森。

地域資源を生かして過疎から脱却!

人口1300余人。群馬県内で最も人口が少ない自治体である上野村は、
南は埼玉県、西は長野県と接し、
標高1000mから2000mの険しい山々が連なる山岳地帯にある。
広い村土の94%は森林で、人々は昔から森とともに生きてきた。
この緑豊かな上野村で、森から木を切り出して製材し、乾燥、加工、製品化から
販売に至るまで一貫した木工品づくりを行っているのが、上野村森林組合だ。

工場と製材所が併設する組合の敷地内には、村内で伐採されたさまざまな種類の木が積まれている。

工場をのぞくと、若い職人たちが慣れた手つきで製材をしたり、
木工品の加工に精を出している。
「あの職人は東京出身、こっちは福岡出身なんですよ」
そう紹介してくれるのは、木工課課長の仲澤佳久さん。
自身は上野村育ちだが、ここで働く職人のうち6割以上はIターンの若者だという。
正直、驚かされてしまう。だって、ここまでの道中は山また山。
コンビニはもちろん、買い物をするような場所すらなく、
人家は村の真ん中を流れる川の両側にわずかに点在していただけだったから。

「美術大学や職業訓練校でデザインや木工を学んだ職人も多いんですよ。
平均年齢は30代」と仲澤さん。
皆さん、木工業に就くために、上野村に移住してきたそうだ。

朴訥な人柄の仲澤さん。上野村で生まれ育ち、高校は県外に進学して、卒業と同時に村に戻って森林組合に入った。当時、木工の技術は見て覚えたそうだ。

工場の中には若い女性職人の姿もちらほら。新卒者も多い。

そもそも森林組合の主たる業務は素材生産。
では、なぜ上野村森林組合は木工業を始めたのか。

「もともとは、全国的にも有名な黒澤村長が
村の事業として開始したんですよ」(仲澤さん)

この「黒澤村長」とは、1965年から2005年までの10期40年にわたって
上野村の村長を務めた黒澤丈夫氏。村長在位年数は全国最長で、
村の産業振興や1985年に同村で起きた日航ジャンボ機墜落事故の際の
迅速で的確な対応など、多大な功績を残した名物村長として知られている。

木工業は黒澤村長が力を入れた産業のひとつ。かつては関西方面への丸太素材の販売が中心だったが、加工・販売まで一貫して手がける新たな産業にシフトした。

長崎・波佐見焼の窯元20社が作る、現代のくらわんか碗「DAYS OF KURAWANKA」

長崎県東彼杵郡波佐見町で、400年以上続く波佐見焼。
その長い歴史の中でもたくさんの人に愛されたのが「くらわんか碗」。
江戸時代から、ご飯やおかず、お酒などを入れるために
使われている、ふだん使いのうつわのことです。
淀川の労働者たちに「飯、食らわんか~」と
呼びかけて、このうつわに持ったご飯を売っていたことが
名前の由来だそう。

このたび、そんな「くらわんか碗」の精神を受け継ぎ、
現代のライフスタイルに合わせて波佐見の窯元20社がつくりあげたシリーズ
「DAYS OF KURAWANKA(デイズ オブ クラワンカ)」が登場しました。
プレート、マグ、ボウルなど、新しいスタイルのくらわんかの器たちが、
2014年12月27日(土)から、東京・渋谷ヒカリエ8F「8/COURT」にて
お披露目されます。

「DAYS OF KURAWANKA」に参加する窯元はこちら。
(有)ふじた陶芸、重山陶器(株)、(有)光玉陶苑、聖栄陶器(有)、
(株)西山、(株)利左ェ門、(株)一龍陶苑、(株)和山、
(株)永泉、(有)和泉製陶所、(株)清山、(有)一誠陶器、
(有)藍染窯、(有)翔芳窯、(株)中善、(有)鐵山陶器、
福峰陶苑(有)、(有)筒山太一窯、(有)天龍製陶所、永峰製磁。
いずれも職人の意匠が凝らされた、ふだん使いのうつわたち。
会場で展示・販売を行いますが、その後の販売は未定とのことです。

また渋谷ヒカリエ8階では、12月27日(土)から2015年1月5日(月)
まで長崎県の伝統工芸品「みかわち焼」を紹介する
長崎 みかわち焼 展」も開催。
こちらも合わせてどうぞ!

「波佐見焼 DAYS OF KURAWANKA」
会期:2014年12月27日(土)~12月31日(水) 
時間:11:00~20:00※最終日 12月31日のみ17:00 close
会場:渋谷ヒカリエ 8/COURT 東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ8F 
Tel: 03-6418-4718
入場:無料
主催:波佐見焼振興会
プロデュース:村上美術株式会社

木が好きでたまらない!愛媛県の「大五木材」が生んだ、木のカタログ 「森のかけら」

愛媛県の「大五木材」さんが作る「森のかけら」は、
日本だけでなく、世界中から集めた木材のかけらのコレクション。
珍しい樹種や高価な樹、数が減少していまでは伐採・輸入が難しくなった
樹など、約200種類以上のかけらがラインナップしています。
これらを、「100個入り」や「36個入り」のパッケージで、
お好きなかけらを選んで購入することができるんです。
木育・環境教育の教材やおもちゃ、ディスプレイなど
いろいろな用途に使えます。大五木材の高橋照国さんに、
この「森のかけら」についてお伺いしました。

ーー「森のかけら」を作った理由は?
高橋さん:住宅の造作や家具の製作工程で発生する
端材を捨てるのがもったいなくて、どうにかしたいという思いと
世界中の木を見てみたい、触れてみたいという好奇心から
生まれました。
この商品の仕組みは、国内外の樹木240種の中からお好きなものを
100種(あるいは36種)選べるというシンプルなものです。
でも、今まで誰も作ろうとはしませんでした。
いまでは、馬鹿がつくほど木のことが好きで好きでたまらない
木の愛好家、木材フェチの皆様に愛されています。

かけらには木の名前が。

迫力の100種類。ブログ「今日のかけら」にて、個別の木の物語について紹介中。

イギリスの子どもたちにも人気

ーどんな反響がありますか?
高橋:お陰さまで発売以来累計で650セットが販売出来ました。
海外向けのサイトでも販売をしていいて、世界の木の愛好家、
木材フェチにまで届けたいと張り切っています!
この商品は弊社にとって、森の出口の1つと考えていますが、
木の好きな方にとっては、森への入口の1つになっていただければ
嬉しいです。

集めた木材でつくったプロダクト「森のりんご

誕生木・12の樹の物語

大五木材では、このほかにも、日本の木の中から
各誕生月に合わせた「誕生木(たんじょうもく)」などを決めて
商品化した「誕生木・12の樹の物語
など、木材を使った「物語のあるものづくり」
を行っています。
究極の目標は「伐らない林業」なのだそう!
今後も木材への愛情あふれる面白いプロジェクトが
続々誕生しそうです。

大五木材「森のかけら」

〈WISE・WISE〉 素材に正面から向き合うことで 生まれたKURIKOMA

WISE・WISEからつながる宮城の森のはなし

県土の約58%=約42万ヘクタールが森林に覆われている宮城県。
6500万平方メートルの森林から、毎年50万平方メートルが伐採され
木材として生産されている。
山々はスギやアカマツなどの針葉樹を中心に、
ブナやナラなどの広葉樹も広く分布している。
鳴子杉や津山杉など、美しい文様のスギが育つことでも知られている。

スギのベテランたちがつくるKURIKOMA

全国の地域材を使って家具をつくっているWISE・WISE。
東北大震災がきっかけで生まれたのがKURIKOMAシリーズだ。
震災1か月後、被災地を訪れたWISE・WISEの佐藤岳利社長は、
「中長期的にみて、これからは仕事がほしい」という現地の声を聞いた。
家具というジャンルでできることは、
地元の木を使って、地元の職人さんにつくってもらうこと。
そうすれば雇用が生まれ、100%現地にお金が落ちる。
そこで会いに行ったのがスギ専門の製材所、栗駒木材だ。

「実際に行ってみたら、すばらしい製材所でした。
おもに建築材をつくっているのですが、防腐剤を使っていません。
乾燥も木の皮や端材を熱源にした薫煙乾燥。
重油を使わず、木のエネルギーだけを使用していたのです」

栗駒木材では、製材、パルプ、ペレット製造などに関わっている。

このとき栗駒木材の大場隆博さんに
「この人の仕事をつくってあげてほしい」といわれて、
ちょうどかたわらで作業している職人がいた。

「それまでは、“東北を救う”というような漠然としたもので、
ある意味でひとごとだったのかもしれません。
でも、この人を救うんだと思うと、すごくリアルかつクリアになりました」

とはいえ栗駒木材は製材所であって、木工技術はない。機械もない。
しかもスギは家具には不向きといわれる木材。
そこでスギの間伐材を使った家具を研究している榎本文夫さんに話をもちかけた。

榎本さんはすでにプロトタイプをつくっていた。
スギをタテとヨコでサンドイッチ状態にする
CLT(クロス・ラミネート・ティンバー)という、建築で使われる技術を応用したもの。
栗駒木材では、野地板という建築下地用の板をつくっていたので、
「これならできるかもしれない」と思った。
その板をプレス機械でくっつける。
そのパネルがイスのサイドの部分になり、座面と背面でパネルをつなぐようにした。
そうして開発を進め、KURIKOMAラインが立ち上がった。

もともとスギを見る目は超ベテラン。スギに対する愛情や思いは強い人たちだ。
現在では、「サスティナライフ森の家」という別会社を立ち上げ、
5人の専従スタッフがKURIKOMAのイスとテーブルの製作にあたっている。
生産が追いつかないくらい好調だ。

背柱、座面、脚を一体化させ、強度をもたせた。

クリスマスにまだ間に合う!岐阜県高山市オークヴィレッジの国産材で作ったオルゴールツリー

もうすぐクリスマス!
本日ご紹介するのは、岐阜県高山市の「オークヴィレッジ」
がつくる「オルゴールツリー」。
日本の木を使い、無垢の木を木組みして作ったクリスマスツリーです。
ゆっくりと回転しながらオルゴールのやさしいメロディを奏でます。
サイズはプチとスタンダードの2種類。
テーブルや台の上に置くと、メロディがより大きく朗らかに響きます。
本日から開催する「森林(もり)からはじまるエコライフ展2014」の
コロカルブースでも展示します!
コロカルのInstagramでもブースの
様子をお伝えいたしますのでお楽しみに。

グリーンとナチュラルの2色があります。

ツリーの飾りは、オークヴィレッジの敷地内でひろった木の実たち。

「オークヴィレッジ」は、全て本物の木である「無垢板」だけにこだわり、
身のまわりの小物から漆器類、家具、そして木造建築まで、暮らし全般の
ものづくりを手がけるメーカー。
活動の理念は、「100年かかって育った木は100年使えるものに」ということ。
木は伐られても、それだけの年月を作品として生き続ければ、
森を育てることができるから、なんです。

ここで作られています

12月20日までの注文で、クリスマスのお届けに間に合うそう。
木のぬくもりと、心温まるオルゴールの音色に
包まれたクリスマスをお楽しみください。

オークヴィレッジ「クリスマスフェア」

ハートツリーが作る、新感覚の紙「きのかみ」。奈良県吉野の「吉野杉」で折り紙が出来る。

木目がきれいで、香り豊かな奈良県吉野の「吉野杉」。
この吉野杉のスギ材を薄くスライスした、新感覚の紙「きのかみ」。
木で出来ているのに柔らかく、紙のように折ったり
切ったりすることが出来るのがスゴイ!
間伐材を使用していて、森にもやさしい。
折り紙にぴったりな「正方形」、
手紙を入れて郵便に出せる「ミニふうとう」、
いろいろなクラフトに使える「A4サイズ」の3タイプがあります。

日本は国土の62%が森林で、木材資源が豊富な国。
その森林の4割が、戦後に作られた「人工林」。
なのに、国産材の自給率は2割にとどまります。
8割以上は安価な外国材を使用しているため、
国内の林業が疲弊してしまっているのです。
「ハートツリー」では、日本の木材を活用するべく、
この「きのかみ」や間伐材を使用した「木糸(もくいと)」などを
展開しています。

天然の木の一つ一つ違う木目や手触り、
ほのかな香りが魅力の「きのかみ」。
プレゼントにも喜ばれそうです。
ご購入はこちらから。

ハートツリー「きのかみ」

〈straw farm〉 子どもが自由な発想で、 安心して遊べる木のおもちゃ

straw farmからつながる高知の森のはなし

太平洋に面した高知県だが、すぐそばには雄大な山々が迫る。
県土の84%を森林が占め、森林率は全国1位。
清流・四万十川や仁淀川、豊富な資源を有する海も、
この大きな森林によって守られてきた。
だからこそ、人と森林の関わりも密接。
人工林率は65%とこちらも全国2位の高い割合だ。
しかし、木材価格の低迷によって森林環境は荒廃。
森はもちろん、川や海にも悪影響を与え始めていた。
そこで、全国に先駆けて平成15年に「森林環境税」を導入。
森の保全だけでなく、子どもたちの森林環境教育や、
県産材の利用支援などにも活用されている。
また、県産材にこだわったプロダクトも数多く誕生。
安芸郡馬路村を中心に自生する「魚梁瀬杉」や
鮮やかな色と香りが特長の「土佐ヒノキ」など良木の生産地である誇りと、
高知らしい自然環境を守るため、今日もだれかが森を思い、木と向き合っている。

間伐が進み、上からは太陽の光、下からは新しい命が芽吹く高知の森。

「ものづくりをしたい」。その思いに帰る

高知県東部、安芸市の長閑な住宅地に豊かな木の香りが漂っている。
昔懐かしい佇まいの工房で乳幼児向けのおもちゃをつくる
「straw farm(ストローファーム)」。

オーナーの萩野和徳さんは大阪出身で、以前は新聞制作の仕事に携わっていた。
「高校生の時に宮大工になりたいと悩みながら、別の道に進んだんです。
でも、やっぱり『ものづくり』が好きで、その仕事がしたかった」
退職し、職業訓練学校へ通いながら大工の技術を取得。
「田舎も好きだった」ことから、両親のふるさとである安芸市にIターン。
親戚が暮らしていた建物を工房にし、平成12年に創業した。

「木を使ったものづくり」とひと口に言っても選択肢はいろいろある。
工房や自宅の修繕を自らの手で行った萩野さんだけに
大工か? 家具づくりか? と生き方に悩んだ。
そして、最終的に選んだのは「木のおもちゃ」。
その選択には「ものづくりで生きていく」という萩野さんの覚悟が垣間みられる。

straw farmオーナーの萩野和徳さん。ものづくりの話になると表情が輝く。

「いまの日本において国産木で家をつくることは、本当に少なくなっている。
それに、家具づくりにはすでにたくさんの匠がいるから
自分が新しく参入したところで勝負はできない。
でも、木のおもちゃはライバルが少なかった。それがスタートの理由です」
取材だからといってキレイごとでごまかさない正直で真摯な萩野さん。
その性格は製品にも表れている。

自身にもかわいい子どもがいるから、
子どもに安全なものを持たせたい親の気持ちがよくわかる。
だからこそ、製品の安全性には絶対の自信を持つ。
使う木材は高知県産のヒノキ、桜、ケヤキなど。
研磨をしっかりかけて、子どもの柔肌を傷つけないなめらかさに。
着色はせずに、亜麻仁オイル(クリア)でコーティング。
赤ちゃんが舐めても、少しの不安も抱かなくてすむ。

「お子さんがこんなふうに遊んでいたとか、
親御さんから『安心して遊ばせられる』とか、
感想の電話やはがき、製品レビューをいただけるのが嬉しい。
自分が楽しいし人にも喜んでもらえることが、ものづくりの魅力ですね」

優しい光りの中で仕事をする。作業中はおしゃべりも封印し、真剣そのもの。

土地の自然、文化、ものづくりを 楽しく学ぶ山歩きツアー 「YAMAMORI PROJECT」後編

前編:[ff_titlelink_by_slug slug='tpc-thi-tsukuru-031' append=' はこちら']

土地の文化を、土地のひとに聞く

朝9時、山形県南陽市の赤湯駅から車で10分ほどのぶどう園「紫金園」に
30人ほどが集まっている。
ここは盆地なので、霧がたまりやすく、朝もやのなかといった風情だ。
これから始まるのは、
YAMAMORI PROJECTが行っているYAMAMORI TRAVELの9回目。
目の前にある、斜面をブドウ畑が覆っている
十分一山(じゅうぶいちやま)を登っていく予定だ。

YAMAMORI PROJECTは、一級建築士の井上貴詞さんと、
家具製作に携わる須藤 修さんによって立ち上げられ、
山形県内で山や森を舞台にしたツアーの企画やプロダクト製作などを行っている。
その一環として取り組まれているのがYAMAMORI TRAVEL。
前編でも紹介したように、各市町村を代表する山の文化を勉強し、植生を学ぶツアーだ。

といっても、小難しい勉強や本格的な登山が待っているわけではなく、
ハイキングのようなもの。おいしいランチやデザートがついていたり、
ワークショップ形式で木工製品がつくれたりと、
自然のなかで楽しむことができるような仕掛けになっている。

井上貴詞さんと須藤修さん

井上貴詞さん(左)と、須藤 修さん(右)による朝のごあいさつ。(撮影:編集部)

この日集まったのは、県内を中心に30名程度。常連さんも少なくない。
リピーターになりやすいほのぼのとした空気なのだ。
ツアーを仕切る須藤さんの挨拶のあと、全員が輪になって簡単な自己紹介。
そして早速、紫金園の須藤孝一さん・龍司さん親子による話が始まった。

南陽市はぶどうの産地で、この周囲にもぶどう狩りができるぶどう園がたくさんある。
十分一山は、斜面に沿うようにしてぶどう畑が広がっている。
その理由を参加者に説明してくれた。

「水はけと日当たりがよく、寒暖の差があるので、ぶどう栽培には適している土地です。
しかし石が多く、土を掘っても大きな石ばかり出てきます。
だから立ち木は難しかったんだろうと思います。
ぶどうはつる性なので、育てやすかったのかもしれません」

ほかにも、気候の話、金が採れた話など、土地の話をしてくれる。
これから登る山もだんだん身近に感じてくる。

家族で経営されている4代目・須藤さん夫婦

家族で経営されている4代目・須藤さん夫婦。

次は紫金園のぶどう酒工場へ。
本人たちも「いつからあるかわからない」という手動“ぶどう絞り機”は、
樽の内側がおいしそうなくらいのぶどう色。
長年にわたって染み込んできたエキスに違いない。
栽培、収穫から醸造や瓶詰めまで、家族の手で行われている。
これから山を歩くため、みなワインの試飲は控えめだったが、
ぶどうジュースの試飲には感激の声があがる。実に濃厚なのだ。

紫金園のぶどう酒工場の樽

染み込んだ色の濃さが年代を物語る。

〈協同組合ウッドワーク〉 「産地認証スギ」から家具を つくり出す建具職人たちの挑戦

ウッドワークからつながる新潟の森のはなし

新潟県はその約7割にあたる86万ヘクタールを広大な森林が占めており、
木材の供給をはじめ、県土の保全や水源の涵養、心の癒しや休養など、
県民の生活に大きな役割を果たしてきた。
一方、高齢化や森林管理の担い手の減少に伴い、
管理の行き届かない森林が増加しているのも事実。
こうした状況を踏まえ、県では森林・林業・木材産業分野の推進計画を策定し、
森林の多面的機能の発揮や林業の持続的かつ健全な発展に向けた
さまざまな取り組みを進めている。
近年はスギ材の生産が盛んで、雪国の厳しい環境で育った強くたくましいスギを
「越後杉」としてブランド化し、全国に発信する動きも見られる。

積雪量が多い新潟県に広がるスギ林。山の斜面のスギは、日本海側特有の湿った重い雪により根元に強い負荷がかかって「根曲がり」となり、加工は難しいが丈夫とされる。

建具職人による家具づくりのはじまり

新潟県南西部に位置し、日本海に面する上越市。古くから陸海交通の要衝として栄え、
市の中央部を流れる関川、保倉川に広がる平野を取り囲むように山々が連なる。
こうした環境のなかで“森に還る家具”をキーワードに、
スギの間伐材を利用した家具づくりを行っているのが協同組合ウッドワークだ。

ウッドワークの組合員は、市内全域に分散する4社の建具職人たち。
もともと上越市は地場産業として木製建具産業が発展し、
最盛期には建具組合に200社を超える建具屋が加盟していたそうだ。
しかし、他地域の産業と同様、平成に入るころから徐々に
後継者不足や技術者の高齢化などが深刻化。
さらにアルミ製の建具やハウスメーカーの既製品などが市場に登場し、
追いうちをかけるようにバブル経済が崩壊して、
多くの建具職人たちは廃業を迫られたという。
そこで平成3年、打開策として組織されたのが、ウッドワークの前身で、
建具組合の青年部を中心とした「上越木工活性化研究会」だった。

「これからは、建具一本やりでは通用しないと感じました」
こう話すのは、当初からのメンバーで、
現在、ウッドワークの代表理事を務める米山 均さん。

「研究会では建具の基本に立ち返り、何か木製品をつくってみようと考えたのです。
市内の山に入ってみたところ、あちこちにスギの間伐材が放置され、森は荒れ放題。
間伐材を利用して何かしなければ、と思いました。
節が多い間伐材は細い建具には向きません。でも、家具なら使えるのではないか。
こうして建具職人たちの家具づくりが始まりました」

平成6年、研究会というゆるやかなつながりから組織を変え、
資金を出し合って仕事を分け合う協同組合としてウッドワークを設立した。

米山さん(左)と、家業を継ぐ息子の優也さん。当初は24社いたウッドワークのメンバーも、後継者問題などでいまは米山さんたちを含め4社しかいない。

〈土佐龍〉 四万十ヒノキの名付け親は 次々と商品を生み出す 「木の料理人」

土佐龍からつながる高知の森のはなし

太平洋に面した高知県だが、すぐそばには雄大な山々が迫る。
県土の84%を森林が占め、森林率は全国1位。
清流・四万十川や仁淀川、豊富な資源を有する海も、
この大きな森林によって守られてきた。
だからこそ、人と森林の関わりも密接。
人工林率は65%とこちらも全国2位の高い割合だ。
しかし、木材価格の低迷によって森林環境は荒廃。
森はもちろん、川や海にも悪影響を与え始めていた。
そこで、全国に先駆けて平成15年に「森林環境税」を導入。
森の保全だけでなく、子どもたちの森林環境教育や、
県産材の利用支援などにも活用されている。
また、県産材にこだわったプロダクトも数多く誕生。
安芸郡馬路村を中心に自生する「魚梁瀬杉」や
四万十流域で生産される「四万十ヒノキ」など良木の生産地である誇りと、
高知らしい自然環境を守るため、今日もだれかが森を思い、木と向き合っている。

間伐が進み、上からは太陽の光、下からは新しい命が芽吹く高知の森。

四万十ヒノキの名付け親

最後の清流「四万十川」。
高知県津野町に端を発し、蛇行を繰り返しながら、土佐湾に注ぎ込む。
流域の年間降雨量は、東京の2倍、大阪の3倍にも達し、
空からの雨の恵みが豊かな天然林と広大な針葉樹林を育んできた。
この流域で生まれたヒノキは、いま「四万十ヒノキ」とよばれている。

赤みを帯びた四万十ヒノキ。独特の心地よい香りが辺りに立ち込めていた。

名付け親は、土佐龍の創業者で社長の池龍昇さんだ。
約30年前。同じヒノキでも育った環境や地域によって、
その成分が大きく異なることに気がついた。
「雨の多い四万十川流域で育まれたヒノキは油脂分が多く、
水をはじきやすい。とても使いやすいんです」

製材された四万十ヒノキは、南国・高知の空の下、ゆっくりと時間をかけて乾燥されていく。

建材にも木工品にも、どんなものにでも使える、
この四万十産の良質のヒノキの存在をもっと知ってもらいたい。
その強い思いから、池さんは清流四万十川の名前を冠した。

 

「私は木の料理人」と語る土佐龍の池龍昇社長。新しいアイデアを次々と生み出してきた。

モダン常滑焼「TOKONAME」が大分県中津市の「丹羽茶舗喫茶室」に登場。お茶の入れ方教室も

愛知県に伝わる「常滑焼」。
TOKONAME」は、
常滑焼の長い伝統と、ここで培われた職人の技術をもちいて、
伝統を更新する、若いクリエイターと職人たちによるプロジェクトです。
特徴は、釉薬を施さず焼成するため、色や質感は土そのものというところ。
マットな質感とミニマムなデザインが魅力的な
ティーポット、カップ、プレートなどがラインナップするブランドです。
詳しくはコロカルニュースの記事こちらをどうぞ!

その「TOKONAME」が、大分県中津市にある、「丹羽茶舗喫茶室」に登場。
イベント「OITA / TOKONAME / NIWACHAHO, CHOCHOKAKU」にて、
「TOKONAME」の茶器シリーズを展示販売します。
そのほか、丹羽茶舗喫茶室店主であり、明治創業の老舗「丹羽茶舗」の5代目
である丹羽真一さんが「TOKONAME」を使って
お茶の入れ方を指導するワークショップ「お茶の入れ方教室」も。
喫茶室のほか、大分県別府市の「聴潮閣(佐藤渓美術館)」でも開催します。

丹羽茶舗喫茶室

聴潮閣(佐藤渓美術館)

聴潮閣は、1929年に建立した近代和風建築。
空間とのコラボレーションによって、TOKONAME が「焼きものの街」常滑で
生まれた、懐かしくもあり新しい、「伝統を更新する」茶器で
ある事を明らかにしたい。そんな狙いがあるそうです。
ワークショップの参加には事前にお申込みが必要。
詳細は「TOKONAME」Webサイトにて。

展示販売会「OITA / TOKONAME / NIWACHAHO, CHOCHOKAKU」
会期:2014年12月13日(土)〜12月21日(日)
会場:丹羽茶舗喫茶室
住所:大分県中津市京町1-1530-1

■ワークショップ
講師:丹羽茶舗喫茶室 店主 丹羽真一
2014年12月13日(土)、14日(日) 
会場:丹羽茶舗喫茶室、聴潮閣(佐藤渓美術館)

コロカルとソトコトのコラボレーションブースも!「森林(もり)からはじまるエコライフ展2014」

2014年12月11日(木)から13日(土)までの3日間、
東京ビッグサイトで開催される日本最大の環境展示会「エコプロダクツ2014
にコロカルが出展いたします!
展示会内の「森林(もり)からはじまるエコライフ展2014」にて、
ブースの出店やトークショーなどを開催。
ここでは森づくり・木づかいに取り組む
約50の企業・NPO等が出展。会場のエントランスやメインステージ、お休み処は
木質化され、メインステージでの「トークショー」や「スタンプラリー」
等が開催されます。

コロカルはコマ番号4-904に展。
展示内容のひとつめは、ソトコトとコロカルがコラボレーションしたブース、
「木のある暮らし Life with Wood」ROOMS。
こちらでは、日本の木を使う暮らしを、
生活シーン別にインテリアコーディネートしてご紹介します。
手がけるのはインテリアスタイリストの荻野玲子さん。
お部屋に木のフローリングを敷き、
リビングルーム、ダイニングルーム、キッズルームをコーディネート。
また、12日(金)には、食空間コーディネーターの慈道美奈子さんによる、
テーブルコーディネートを使ったワークショップ
「私の「おいしい!」を演出! 木の器のテーブルコーディネート」を開催します。

高知県安芸市「ストローファーム」の木のおもちゃ

もうひとつは、コロカルのブース
「木のある暮らし Life with Wood」GALLERY。
コロカルのシリーズ「木のある暮らし Life with Wood」で取材している
全国各地のメーカーのプロダクトや家具を展示するギャラリーです。
選りすぐりの、グッドデザインな木の製品を実際に見ていただけます。

さらにトークイベントも開催!
12月12日(金)の15:30〜16:15には、
東5ホールのステージイベントにて、モデルのKIKIさん、
食空間コーディネーター慈道美奈子さん、
ソトコト編集長指出一正さん、コロカル編集長及川卓也の
4名が出演するトークイベントを行います。

昨年の模様

また同会場では、「森とつながる、「都市での木づかい」シンポジウム」も開催。
今井敏 林野庁長官らが参加し、
CSV時代の“企業の森”等を活かした オフィス・店舗での木づかいを語ります。
こちらは2014年12月11日(木)の14:00~16:30、
『東京ビッグサイト』レセプションホールAにて。
参加方法についてはシンポジウムのWebサイトをご覧ください。

エコプロダクツ2014
「森林(もり)からはじまるエコライフ展2014」
主催・「フォレスト・サポーターズ」運営事務局(日本経済新聞社)
【会期】2014年12月11日(木)〜2014年12月13日(土)
【会場】東京ビッグサイト東1〜6ホール

大森伃佑子さんディレクションのおしゃれなきもの「ドゥーブルメゾン」が福岡で展示販売会

トップスタイリスト大森伃佑子さんと、きものメーカーの「やまと」
によるブランド「ドゥーブルメゾン」。
雑誌「オリーブ」のスタイリングを手がけた大森さんが
ブランドディレクションを手がけるだけあって、
既存のきものの概念を覆す、ガーリーなアイデアがいっぱい。

例えばきものの色がメロンシャーベットミルクがけのようだったり、
ギンガムチェックにシルバーラインの手鞠を重ねた柄だったり、
アイボリーのリネンで仕立てていたり。
着物に組み合わせる小物も、レースの二部式襦袢や、
着物とおそろいの生地でつくった草履など、
乙女ごころをくすぐる仕掛けがたくさん。
まるで洋服でおしゃれするような感覚で、きものを楽しむ事ができる
かわいらしいアイテムがたくさん揃っているんです。

そんな「ドゥーブルメゾン」が、このたび九州に初上陸。
12月5日から7日の3日間、
福岡市中央区にある「WEEKS GALLERY」にて
展示販売会「はじめまして、福岡」を行います。

規則的に続くレースの端に、小さな花々が咲いています。

ギンガムチェックにゴールドラインの手鞠を重ねました。えんじ色のチェックはまるで、シルクシフォンのリボンを重ねてつくったような、ゆらぎのある繊細な図案です。

「はじめまして、福岡」展では、
表地のレースと裏地のカラーの組合せを自由に選んで
自分だけのオリジナル着物を仕立るスペシャル企画も開催。
大森伃佑子さんも毎日いらっしゃるそう。
12月7日(日)の12時〜13時には、会場となる
WEEKS GALLERY前にて雑誌「GINZA」のスナップ隊が撮影を行います。
詳しくはこちら

■「はじめまして、ドゥーブルメゾンです、福岡。
期間:2014年12月5日(金)〜7日(日)
時間:11時~19時 ※20時までご覧いただけます。
会場:WEEKS GALLERY
住所:福岡市中央区薬院1-8-8 WEEKS BLD 5F
Tel:090-4914-2605(会期中のみ)
お問合せ 株式会社やまと お客様サポートセンター
0120-18-8880(9:00-18:00 無休)

新ブランド「KIKOF」のグラフィカルなうつわ。琵琶湖のものづくりとKIGIのデザインの出会い。

陶器、縮緬、麻、木工、漆、仏具などの製造を生業とする職人さんが
多く住む、滋賀県琵琶湖近隣。
この琵琶湖近隣のものづくりのシーンと、
東京でD-BROSをはじめとした商品デザインを手がける「KIGI(キギ)」が出会って、
このたび新しいブランド「KIKOF」が生まれました。

名前の由来は、水を満々と湛えた琵琶湖が「日本の大きな器」で
あるということから、「器湖」という器を作ったこと。
この「丸滋製陶」との信楽焼のテーブルウェアは、
グラフィックデザインがベースにあるキギらしく、
まるで紙で成型したような、直線のみで構成されたシンプルなデザイン。
250万年から琵琶湖の湖底に溜まってきた土砂やプランクトンが隆起して、
粘土化してできた土を材料にした信楽焼ならではの、
非常に薄く、軽いうつわたちです。

プレート、ボウル、マグ、ピッチャーに加えて、新たに大皿やスプーン、カップ&ソーサーなども。

このほか「KIKOF」では、
琵琶湖周辺の杉の木を使用した「COUSHA FURNITURE」との家具、
コロカルでもご紹介した北川織物工場(ファブリカ村) との座布団、
シルクライフジャパンによる長浜の浜ちりめんのサシェなどの
プロダクトが誕生しました。
歴史的に、「使い手に喜ばれる質の良いものを効率良く」
という精神でものを作って販売してきた近江商人だけに、
どの職人さんもチャレンジ精神にあふれているんだそう!

もともと、立命館大学の佐藤典司先生が立ち上げた
「Mother Lake Products Project」という活動がきっかけで
生まれた本プロジェクト。琵琶湖周辺の伝統文化や技術が
脈々と受け継がれていくことを願い、
長く愛用されるプロダクトを目指しています。

KIKOF

パトリック・ツァイ×うかぶLLC『The World Above』。鳥取の山々をめぐる幻想童話写真集。

写真家パトリック・ツァイによる、
鳥取の山々を撮りおろした幻想童話写真集「The World Above」が刊行されます。
これは、パトリック自身が書き下ろした
「ひとりの青年がある山に挑み 一年間の冒険をする」という
壮大なストーリーをもとに、鳥取の山々で撮影された12枚の写真によって
ダイナミックに綴られた作品です。
写真集仕様のものと、2015年のカレンダー仕様の二種類で発売され、
実際の季節感とともに楽める仕掛けも施されます。

『The World Above』より

写真集のプロデュースは、
鳥取で活動する「うかぶLLC」。
ゲストハウス&カフェ機能のある滞在スペース「たみ」の運営の傍ら、
印刷媒体を中心としたデザイン、また地域おこし、
文化おこしを目的とした企画制作など、多岐に亘る活動を広げる組織です。

「The World Above」は、規格外サイズ(横60cm縦48.5cm)の大型写真集。
地域にある資源を題材に「いま、ここにしかない、この瞬間の風景」を
創り出すことで、人々の「暮らし」へ届けていくことを目的に制作。
写真家が「山」と対峙し、そこで得た霊感と、自身のイマジネーションによって、
新たな風景の創出を試みます。
ご購入はこちらにて。

うかぶLLC

■「パトリック・ツァイ”The World Above” 刊行記念サイン会」開催

そして本日、「The World Above」刊行記念サイン会が、
東京・表参道のユトレヒトにて開催されます。
18時から20時まで、作家本人が在廊し、写真展示も行われます。
ぜひ、この機会におこしください。詳細はユトレヒトWebサイトにて。
また、12月20日(土)には東京・下北沢のB&Bにて
「The World Above」刊行記念イベントを開催!
飯室織絵(1166backpackers オーナー)と
蛇谷りえ(うかぶLLC)が出演します。
こちらのイベントの詳細は、近日B&Bのサイトにて公開予定です。

「The World Above」Patrick Tsai (produced by ukabu LLC)
・カレンダー仕様と写真集仕様の2種類
発売日:2014年11月21日
サイズ:600mm×485.8mm 
13ページカラー
3,200円+税
発行元 うかぶLLC
言語 日英バイリンガル
通信販売はこちら

森から木工製品まで、すべてを循環し、 つなげるプロジェクト 「YAMAMORI PROJECT」前編

山形の森を、まちにおろす

YAMAMORI PROJECTはその名の通り、
山形県内で山や森を舞台にしたツアーの企画やプロダクト製作などを行っている。
一級建築士の井上貴詞さんと、
家具製作に携わる須藤 修さんのふたりによって、立ち上げられた。

ことの発端は須藤さんのある体験だ。

「数年前から、“県産材を使いたい”という声が増えてきました。
あるとき、“県産材の天板でテーブルをつくりたい”というリクエストがあったので、
市場に行ってみたら、テーブルをつくれるような県産材がなかったんです。
ではどこにあるのだろうと思って、
林業、製材業など訪ね歩いたら、たくさんあるにはあったのですが、
パルプや木材チップ用の木材でした。
せっかく技術を持っている日本の木工業界なので、そういう活用だけでなく
加工して循環をつくれたらいいのにと感じたんです」(須藤さん)

それぞれの業種がバラバラになってしまっている状況に、
「林業家、製材屋、デザイナー、加工業、売り手、買い手までつなげれば、
うまく循環できるのではないか」と須藤さんは思い、
井上さんに声をかけ、デザインユニットLCS(ルクス)を立ち上げた。
Link、Cycle、Surviveの頭文字だ。
その活動のひとつがYAMAMORI PROJECTである。
山形県の「みどり環境公募事業」にも採択されている。

須藤修さんと井上貴詞さん

須藤 修さん(左)と井上貴詞さん(右)。色が揃ったのは偶然の産物。

活動を始めるにあたって行政の助成事業などを調べてみると、
たくさんのことが行われていることがわかった。
素晴らしい取り組みがたくさんあるのに、
「山」で終わっていて、「まち」に下りてきていないと感じた。
だから一般市民に伝わっていない。山とまちをつなげる動きを目指し、
一日で山からものづくりの現場までめぐる現状のツアー、
YAMAMORI TRAVELがつくられた。

紫金園

第9回目のYAMAMORI TRAVELで訪れたぶどう園、紫金園。

山の自然とものづくり、そして文化をめぐる

YAMAMORI TRAVELのひとつのフォーマットは、
県内の里山を舞台に、まずはその日の山の歴史や文化を勉強する。
そして実際に山へと登り、植生などを見て触って感じる。
最後に木を使ったプロダクトをつくるワークショップを行う。
これまで9回開催された。
記念すべき第1回目は2012年の7月、山形市の千歳山へ登った。
以降、米沢市の斜平山(なでらやま)、真室川町の砥山(とやま)、
鶴岡市の鷹匠山(たかじょうやま)など、
各市町村からひとつの山を選ぶ。山コレクションのようでおもしろい。
山形には35の市町村があり、もちろんそれをすべて制覇したいという。

木工のワークショップの様子

木工のワークショップでは、糸のこぎりやベルトサンダーを使うことも。

「ひとから入ります」と須藤さんは言う。
まず彼らが会いたいと思うひとがいて、訪ねていく。
「ひとがおもしろいと、いい素材といい場所がついてくるように思います。
毎回、初めて会うひとたちばかりですが、準備段階からとても楽しいんです。
つながっていくことで、まずぼくたちふたりが学んでいる。
始める前から、“今回はヤバいよ”って毎回思ってますよ」と須藤さんは笑顔で語る。
こうして場所とプランが決まっていく。

山という自然とものづくり、そして文化の側面が
YAMAMORI TRAVELには欠かせない。
山のふもとにある神社やお寺に話を聞きにいくことが多い。

「同じ山形県内ですが、市町村をまたぐだけで、ぜんぜん違ってきます。
土地が歩んできた歴史と積み重ねがあって、いまがあります。
それを各地で感じますし、毎回感動するものをみつけます。
それらをなんとか伝えたいと思うんです」(井上さん)

グッバイマーケット「Origami Fuji」。鶴や金魚の背に富士山が浮かぶ!折る楽しみが2倍に

富士山をモチーフにした製品を数多く出している
「goodbymarket(グッバイマーケット)」で折り紙を発見!
静岡県出身のプロダクトデザイナー・池ヶ谷知宏さんによるもので
デザインはとてもシンプル。
色紙の真ん中に、驚いたときの吹き出しのような白いスペースがあるだけです。
それだけなのですが、たとえば鶴を折っていくと…
最後には背中に富士山が浮かびあがります。

2回折っただけでもすでに富士山ですが

鶴の背中にも富士山が現われました!

ほかにも兜や金魚を折ってみたところ
こちらも頭の部分にみごとに富士山が浮かび上がりました。
これ、できあがるとかなり嬉しいです。
さらに、普通の折り紙よりも少し厚みがあるため、
ちょっとした高級感があります。
こうして折り紙として遊んで飾るのもいいですし、
兜なんかはおもてなしのときにお箸置きとして使っても面白いかもしれませんね。
ぜひお試しください!

コロカル商店でもグッバイマーケットの製品を扱ってます。こちらは人気のティッシュケース

Origami Fuji

「writtenafterwards」の新ベーシックライン「written by」は山陰がテーマ!デザイナーの山縣良和さんが明治大学にて新作インスタレーション&トークセッションを開催

鳥取市で生まれ育ち、
ロンドンでファッションの勉強をしてきた
デザイナーの山縣良和さんが今年、
新しいライン「written by(リトゥン バイ)」を発表しました。

「written by」は、これまでファーストラインの
「writtenafterwards(リトゥンアフターワーズ)」にて
実験的でアーティスティックな服を発表してきた山縣さんが
ベーシックラインとして届けるリアルクローズ※。

山縣良和さん

生産はすべて国内で行い、
デビューコレクションでは山縣さんの生まれ故郷である
山陰をテーマとした服を発表しました。

来る12月6日(土)、明治大学にて
山縣さんの講演と、明治大学商学部特任講師の
鈴木順之さんとの対談を開催します。

当日はトークに加えて、
2015 SSコレクションのインスタレーションも発表!
鳥取出身で自由律俳句の詩人、尾崎放哉の人生をテーマとした
インスタレーションが見られる、貴重な機会です。

もともとファッションはその土地に根ざし、
何千年、何万年とかけて育まれてきたもの。
講演では、山縣さんが「written by」を立ち上げるにあたり、
地域とのかかわりをどのように考え、実行していくか、
実体験をもとにお話しをします。

今年の春に発表されたデビューコレクションでは、
鳥取砂丘をイメージしたキャメル色のコートや
鳥取名産の松葉ガニの刺繍がほどこされたスウェットなどを発表した「written by」。
2015 SSコレクションでは、どんな新作が登場するのでしょうか?
お申し込みはこちらから!

明治大学・鳥取県連携講座 ―山陰とファッションの融合―
日時: 2014年12月6日(土)
時間: 13:00〜15:00(開場 12:30)
場所: 明治大学 駿河台キャンパス リバティタワー1階 リバティホール

明治大学・鳥取県連携講座
writtenafterwards

※リアルクローズ : オートクチュールやプレタポルテのような、創造性が高く非実用的な服ではなく、日常的に着られる服のこと