弘前公園の桜の命を管理する樹木医「桜守」の制服をTAKEO KIKUCHIがリ・デザイン

菊池武夫氏、伊勢谷友介氏

青森県弘前市の中心部にある、
総面積約49万2000平方メートルを誇る「弘前公園」。
ここはもともと「弘前城」があったところ。
いまは市民の憩いの場として親しまれる弘前公園は、
桜の名所として県外からも広く知られる場所。
毎年、春にはさくらまつりが開催され、
多くの観光客で賑わっているんです。

桜満開の弘前公園

この桜を守るため、弘前公園には桜の命を管理する
樹木医=「桜守(さくらもり)」がいます。
現在の樹木医は弘前市公園緑地課職員の小林勝さん。
ほか、公園には公園緑地課職員が桜守として勤務していて、
小林さんの指導のもと、今年の春も弘前の桜を美しく咲かせてくれました。

まちの誇りである弘前公園の桜を維持管理し、後世へとつなぐ「桜守」。
彼らの使命である「桜の命をつなぐ」ことに共感した、
TAKEO KIKUCHIほか数ブランドのファッションデザイナー 菊池武夫氏が、
伊勢谷友介氏が代表を務める株式会社リバースプロジェクトと
ともに桜守の制服のデザインを手がけることに。
候補となるデザイン画、2種類×2色の4パターンを発表しました。
ここから一般の投票によって、採用する制服を決定します。

投票はこちら

新制服は、新しいワーキングスタイルを提案するべく、2つの型をデザイン。
ひとつはタケオキクチが得意とするテーラードジャケットを
動きやすくアレンジしたスタイル。
もうひとつはスポーティなデザインのなかに、
大人きちんと感を取り入れたブルゾンタイプ。
色は弘前を象徴する木であるりんごの赤からインスパイアされた
レッドと、”伝統”を感じさせながら、技術に裏打ちされた”実直さ”を
インスパイアするクラシカルなネイビーの2色。
決定された制服は、弘前の縫製工場で製造されます。

投票の方法は、弘前市内2か所に設置された投票所に行くこと、
もしくはWebで投票すること。
青森だけでなく、日本全国すべての人に投票権があります。
詳しくは全日本制服委員会のFacebookページをご参照ください。
新制服は2015年春頃より着用を予定しています。

 

■弘前公園「桜守」制服デザイン 投票概要
期間:2014年11月1日~11月9日(弘前城菊と紅葉まつり会期中)
投票場所:
1.弘前公園内 弘前城植物園(青森県弘前市大字下白銀町1)
2.ヒロロ3階 ヒロロスクエア(弘前市大字駅前町9-20)
3.全日本制服委員会のFacebookページ
時間:9:00~17:00
対象:投票意思があり、投票所で投票できる方・web投票の環境にある方

これからのオハナシ。 ビルススタジオ vol.10

ビルススタジオ vol.10
観光地、日光に「HOTEL NIKKO」を計画中

この連載も最後なのでこれからのお話をしたいと思います。
世界遺産があるまち、栃木県の「日光」にホテルをつくりたいんです。

世界遺産「日光の社寺」の象徴、陽明門。

国内外から年間約1,000万人の観光客が来るにも関わらず、そのほとんどが日帰り。
かく言う私自身も県外からの友人が来る時は連れては行くものの、
食事もせずに宇都宮市へ戻ってきます。
そう、気軽に泊まれる、居心地のよいホテルが少ないんです。
あるのは激安の素泊まり宿、または一泊ひとり3万円以上のホテルか旅館。
それだったら都内からでも日帰りも無理はない距離だし、
飲食店やコストパフォーマンスの良い宿が集まるまちへ戻るでしょう。
いやしかしそれじゃあもったいない。
せっかくはるばる違うまちに来たのに泊まらずに、
つまりは土地の体験をせずに帰してしまうなんて、
日光に栃木に来たことがある、と言えるのでしょうか。
そう、やはり、旨い食事が食べられ、なんだか居心地のいいホテルが必要。
そこで目をつけたのが、「日光の社寺」エリアのほんの150m手前にある、
鉄筋コンクリート造の廃ホテル。

ここをこんな風にしたい。

ACE HOTEL PORTLAND(http://www.acehotel.com/)。

ひと言で言えば「ロビー活動が充実したホテル」。
宿泊客、観光客、更にはまちの内外の人が自由に出入りできるロビーをまず設けます。
ここにはもちろんコーヒースタンドを併設します。
偶然の同席での出会いのみならず、
定期的に勉強会や交流会を開催し、能動的に内外の人や情報を繋げることもしていきます。
日光のまちはもちろん、栃木県内の人や情報にも触れてもらう。
そうすることでまちの体験をしてもらいたい。
そんなホテルです。

まず大切なのは人。誰と一緒にやるのか、です。
おいしい料理とドリンク、グラフィックデザイン、そしてホテル経営と、
さまざまなジャンルのプロが必要です。
そこで、
「栃木をフィールドに発進力の高い実践を行なっている」メンバーを勝手に設定しました。

カフェ、料理、グラフィック、それぞれの分野をクオリティ高く、
しかも横断しながら地域価値創造を実践している20〜30代のメンバーです。
そこに建築設計として当社もこっそり参加させてもらっちゃいます。
なんか、楽しくなってきました。
そこで周辺調査、建物調査などをし、収支含めた企画書をつくってみました。
うん、いけるんじゃないか。よしっ。

これで県外から友人が遊びに来た時に一緒に泊まれるホテルができます。
これがあれば自宅でおもてなしをしなくても済む。
尚よしっ、ですね。

「もみじセントラルビル」古いビルの活用法を模索中

で、近所のハナシ。
ビルススタジオがあり、私自身の住まいもある宇都宮市にあるもみじ通り(vol.1
その真ん中辺りにある3階建ての建物が売りにでました。

オーナーさんの高齢化に伴い、引越しを考えているとのこと。
実は購入を検討している知人がいまして、
現在オーナーさんの自宅部分である2、3階の生かし方を考えています。
そのまま貸家? いや、広すぎる空間と
家賃的にも、それだけ払えれば宇都宮だったら家を買えてしまう。
無いか。テナントとして? いや事務所ニーズはそもそもないし、
店舗だとしたら、入り口が2階という点をどう生かすか。
美容室やマッサージ系のニーズはありそうだけど、
その業の方たちにヒアリングしたところ、広さ、家賃などからしてもバランスが悪いらしい。
これも無いか。

じゃあいつもの考えに戻ろう。
目の前の風景に何が足りないか?
目の前の風景でおかしなトコロはないか?

まず、周辺の新規店舗を振り返ってみると、
子ども服も扱うファッション雑貨店など、
小さい子連れの世代が好きそうな感じの店が集まっているのに、
不動産物件(売/貸とも)がほとんど出ないので、近くに住むという選択肢が取れない。
でも好きなので郊外からも車でお店へ通ってくる。近くに住めれば歩いて通えるのに。

そして周辺の住宅。
ゆったりした敷地に高齢の夫婦またはひとり暮らしが目立つ。
聞くと広さを持て余しているのだが、慣れ親しんだこの土地と近所付き合い、
年1回帰って来る子ども家族などの理由から動くに動けない。
そもそもこの古い家を使いたい人はいないだろう、と思っている。

さらにじぶんち。
小さい子連れ世代。ママ友と遊ぶのに、誰かの家を順番に巡っている。
人の家は子どもが汚すとかで気が引けるし、
自分の家はその前の片付けやお茶お菓子の気遣いで疲れる。
かと言ってお店に行くのはもっと疲れる。近くに同じ世代の住民も非常に少ないので、
会場になる人以外は結局車で移動する。なんか、遊ぶのも大変。
その日は母親も疲れて夕飯づくりもサボりたい。

うん、こんな場所。
http://kazoku-no-atelier.com/

子連れのお母さんたちが遊びに来てゆっくりできる場所。
それをもみじ通りという狭いエリアの利用者を対象にやってみよう。
もちろん飲食の持込みもOK。
十中八九、通りにあるドーナツ屋やお惣菜屋を使ってくれるだろう。
カフェやお蕎麦屋さんからの出前もアリだろう。
もともと住宅だったこのビルにはキッチンもあるし、セルフで料理してもいいだろう。
近所の高齢者さんたちの趣味の集まり所としても機能しそうだ。
そしたら子どもと高齢者の接点もしかけられるかもしれない。
近所の商店主や住民さんを先生に招き、
ワークショップなんか開催してみてもいいかもしれない。

並行して自分の土地建物を持て余している住民の方々へ近隣移住のしかけをしてみよう。
そうしないと新たな移住のニーズをしかけても無駄になってしまう。

よし、なんか見えてきたぞ。
これでママ友と遊んでいたらしい日に家に帰っても疲れた顔で迎えられなくて済む。
つまり家庭円満に日々を過ごすことができる。
先には、目を付けていた近所のいい感じの家に引っ越すことも叶うかもしれない。

これまで目を付けていたのに、解体されてしまった住宅がありました。

妄想中のあれこれ

他にも、あれやこれや考えていることはたくさんあります。

たとえば、もみじ通りから歩いて10分くらいの所に、
奥州街道と日光街道の追分だった場所があります。
そこに築数十年くらいの店、蔵を含めたお屋敷があります。

ここ、ずっと使っていないんです。
こんな良い場所に格式ある建物群があって、それが遊んでいる。
うちの企画を待っているんじゃないか。と勝手に思ったので
近々、ここを活かす企画を立ててみようと思っています。
ゆっくり友人と飯の食べられる場所。
じっくり仕事のお客さんと話せる場所。
かつ、偶然の出会いも時折起きる場所。
そんなんがいいです。

さらに、うちのオフィスの話です。
わがビルススタジオの事務所はもみじ通りに面しています。

でも業種上、通りに面している必要はほぼないんです。
それはここに移転してきた時から思っていることで、
次にここにオフィスを動かしたいな、と考えています。

現オフィスから徒歩15秒にある、元診療所2棟。

今のオフィスよりもだいぶ広いです。
とはいえ、スタッフ数を何倍にもしたい訳ではなく、
複合した場所にしたいんです。
モデルはロンドン留学時に通ったICA

ひとつの施設内にギャラリー、ライブハウス、映画館、本屋、CD屋、カフェが入っています。
ここに来ると何かしら見るべきものがあるし、
特段イベントがなくても本とコーヒーで何時間でも過ごせる。
ロンドンみたいな大都市だけではなく、
イギリスの中規模都市にはだいたいこんな施設がひとつはありました。
栃木だとどうかな、成り立つかな。来る人いるかな。
でも収支がトントンだったら自分で設ける価値はありそうだな。
なによりも出入りする人々が面白そうだな。
その人たちと友だちになりたいな。
そうすればここでの生活がもっと楽しくなりそうだな。
もうオフィスは2階で引っ込んでもいい。
余ったスペースにカフェ、本屋、多用途なシアターあたりをつくろう。
うん、そうしよう。

こうなればいいなというスケッチ。

仕事でやっている「場所づくりのお手伝い」だけではなく、
自分で自分が楽しむための場所をつくってみよう。
そこで得られることは必ずお客さんのメリットとして還元できるハズなんです。

結局、こういう言い訳を入れないと始められないんです。
そして公に言ってしまわないと先に進まないんです。

これらは今、全て妄想です。
でも、妄想で終わらせたくない。
だって自分のためですから。

リノベーションって、ただ古い建物を見た感じかっこ良くすることではありません。
空いている、遊んでしまっている建物を利用して
新たにその建物がある界隈の価値をつくり出すこと。
それはただきれいになればいいのではなく、
そこに入るコンテンツが重要だと思っています。
既存の建物の魅力、界隈の魅力、コンテンツの魅力、そこに居る人々の魅力、、。
それらの相乗のからみ合いをもつれさせること。
そこにはもちろん自分も入り込みつつ、でないと楽しくないですよね。

P.S.
そんな(?)株式会社ビルススタジオ、現在「設計メインのスタッフ募集中」です。
興味ある方は連絡下さい。

information


map

ビルススタジオ

住所 栃木県宇都宮市西2-2-24
電話 028-636-5136

超貴重!日本に3人しかいない銭湯ペンキ絵師たちが高円寺フェスでライブペインティングを披露!

11月1日(土)、2日(日)におこなわれる「高円寺フェス 2014」にて
日本でわずか3名となった銭湯ペンキ絵師たちによる
ライブペインティングが開催されます!
会場となるのは高円寺駅前南口広場。
銭湯ペンキ絵師の丸山清人さん、中島盛夫さん、田中みずきさんが
三者三様の富士山を描き、その巧みな技術を生披露します。
細かい下書きもないまま短時間のうちに描きあげる職人技は必見!

今年で第8回目となる秋の大文化祭イベント、高円寺フェス。駅前広場や商店街、ホールなどを使って大道芸やワークショップなど2日間大盛り上がり。昨年は11万人も訪れたのだとか

銭湯の壁に描かれているものといえば富士山の絵、
というイメージが強いですが、どこでも見られる訳では無く
実は東京の銭湯ならでは。
その東京の銭湯も、内風呂の発達や経営者の高齢化などを理由に
昭和40年代の約2,700軒をピークとして700軒弱へ減少。
いまではなんと週に1軒のペースで減リ続けているんです。
今回は、そんな厳しい状況の中でも描き続ける職人たちの仕事が見られる、
とても貴重な機会。
「いま銭湯や絵に興味がない人にとっても、
人生経験として見ておいて欲しいです」と主催者もイチオシです。

実演の様子

ローラーや刷毛を使い一気に描きあげます!

ご近所さんとの語らいの場、癒しの場、
日本の良き文化を残している場である銭湯。
減り続けている現状ではあるものの、
その一方で、銭湯独特の外観や内装、今回のペンキ絵などの見所が
若い世代や外国人観光客に改めて注目されている動きもあります。
今回のライブペインティングも、クラウドファンディングを使って資金を募集し、
みごと目標金額を達成したことで実現することができました。
今後の銭湯業界を応援しつつ、
職人それぞれの描き方の違いと
美しくもダイナミックな富士の絵をジックリ堪能してみてください。

高円寺フェス2014
ライブペインティング詳細

写真家・石川直樹さんが見た日本。『まれびと-海から現れし者たち-』岩手県の大船渡市立博物館にて開催!

岩手県の大船渡市立博物館にて、
写真家の石川直樹さんの写真展
「まれびと-海から現れし者たち-」が開催されています。

17歳の時から未知の場所に惹かれ、
世界最高峰の山々や北極、
アジア、アフリカなどを旅してきた石川さんが
日本で目を向けたのは、
海からやってきた来訪神を迎える、祭祀儀礼。
日本列島には、
民俗学者の折口信夫さんがいうところの「まれびと」、
すなわち異形の神を迎える儀礼が
数多く残されているそうです。
石川さんは10年以上前から
北陸や東北、九州、沖縄の海沿いの村を訪れ、
そうした来訪神儀礼を撮りつづけてきました。

© 石川直樹 アマノハギ(秋田にかほ市象潟石名坂)

今回の展示では、
大船渡市三陸町吉浜のスネカ、
秋田県男鹿半島のナマハゲ、
新潟県村上市のアマメハギ、
鹿児島県トカラ列島悪石島のボゼなど、
約90点を一挙に展示。

深い闇の中を歩く来訪神の姿や、
村の人と交流する姿、
白昼夢のような儀礼の様子など、
民俗学や人類学などの領域に興味をもち、
世界の辺境を旅してきた石川さんでなければ
撮れない写真ばかり!

© 石川直樹 アマハゲ(山形県遊佐町)

写真を通じて新しい地図を
つくりあげていく石川さん。
その写真を手がかりに“異人”たちの足跡を
たどっていくと、
日本の未知なる風景が見えてきそうです。

本物のプリントで見る迫力も、また格別。
展示は12月21日(日)まで。
ぜひ会場でご覧になってみてください。
先着900名には、特製ZINEをプレゼント!
期間:2014年10月18日(土)〜2014年12月21日(日)
会場:大船渡市立博物館 特別展示室 多目的ホール
時間:午前9時〜午後4時30分まで(受付は午後4時まで)      
休館日:毎週月曜日及び祝日 ※文化の日(11月3日)は特別開館
入館料:300円(高校生以下無料)
まれびと-海から現れし者たち-

※「アマノハギ」を「アマメハギ」と間違って記載しておりましたので、修正いたしました。(10月27日 17:35)

新聞紙面から始まる「富山もようプロジェクト」。富山の魅力をテキスタイルデザインに!

北陸の富山県で、「富山もようプロジェクト」という
ユニークなプロジェクトが行われています。
これは、富山の魅力を表すテキスタイルデザインで、
富山を彩り、豊かな暮らし・素敵な街づくりを目指す
というプロジェクト。
「マリメッコ」でも活躍するテキスタイルデザイナー・鈴木マサルさんが
富山を訪れて受けたインスピレーションをもとにデザインした図案から、
さまざまな展開が生まれています。

2014年8月には、北陸で25万部を発行する「北日本新聞社」の
130周年記念として、富山の魅力をモチーフにしたテキスタイルデザインの
ラッピング紙面を4日連続で披露したんです。

日替わりのテーマは4つ。
富山を代表する自然「立山連峰」、食の「シロエビ」、
富山の豊かな水「水流」、そして文化の「ガラス工芸」。
そして先日、「合掌造り集落」を
モチーフにしたラッピングが登場しました。

立山連峰を描いた「tateyama」

シロエビを描いた「shiroebi」

富山の豊かな水を描いた「mizu」。富山の山の水流は、ほんとうに、こんな色をしているのだそうです。

ガラス工芸を描いた「garasu」。

秋の美しい世界遺産五箇山の合掌造り集落がモチーフになった新柄「syuraku」

新柄のモチーフになった相倉合掌集落にて。築200年、五箇山合掌の宿・庄七のご主人。

このラッピング紙面を使って、地元の人向けに手提げバッグを作る
ワークショップなども開かれています。

ワークショップでは自然豊かな高知・四万十から発想された環境的な新聞の活用法、「四万十新聞バッグ」にならって富山もようバッグを作りました。

そのほか、ランチョンマットにも。

ラッピングにも。

新聞紙をフル装備。

今後同プロジェクトでは、これらのデザインを生かし、
日用品、商業施設、交通機関などさまざまな場面で、
地域の暮らしを豊かに彩る展開を図っていくのだそう。
新着情報など、詳細は「富山もよう」Facebookにて。

富山もよう

大館市の秋田犬 「ののちゃん」日記 第6回! 大館・北秋田芸術祭2014 『里に犬、山に熊。』 会期中レポート

みなさん、こんにちのん!

大館・北秋田は秋も深まり紅葉も見ごろ♪
そして芸術祭もいよいよ後半戦のん!!
芸術鑑賞とあわせて風景や食べ物もぜひぜひ満喫しに来てほしいですのん♪

今回は芸術祭前半をハイライトで振り返っていきますのん~

まずは、芸術祭初日!「おしゃれスナップ撮影会」なる
ものが大館会場でおこなわれました~ののも女子なので
おめかしして張り切りましたのん★

おしゃれといえばののロゴ特製Tシャツも大館と北秋田の事務所、
そして東京の3331 Arts Chiyodaで大好評発売中♪
表は顔ロゴ、裏はしっぽロゴ!
限定で表裏逆バージョンも!
お色は白と紺がありますのん!

そして、芸術祭の、ののCM第三弾も絶賛放送中(秋田県内で)!
ののオススメの展示会場をご案内していますのん。
こちらからもご覧いただけますのん♪

パトリシア・ピッチニーニさんのSkywhale(空飛ぶクジラ)も
北秋田、大館で無事に飛びましたのん。ののの生まれ故郷で
またまたおっきなクジラさんに会えて嬉しかったですの~ん!

さらにさらに出展作家で「銀牙」シリーズでおなじみの
漫画家「高橋よしひろ」先生が芸術祭に来られましたのん。
日比野克彦氏の「魚座造船所」がある旧浦田小学校会場で
トークイベントをしていただきました。

夜には現在週末限定オープン中の“囲炉裏きりたんぽ ののや”に
ご来店いただきましたのん。なんと記念に、
WEEDを生で描いていただきました!!
みなさまぜひ観に来てくださいなのん♪
ののも女将としてお出迎えしますのん♪

【のののオススメ★今後のイベント情報】

1)「対談:岩井成昭×中村政人」 
10/26は大館市ゼロダテ アートセンターにて「秋田×東京=秋田−東京だった!?」と
題して対談がおこなわれますのん♪ののがいっつもお勤めしてる事務所が会場なので、
ののもいい子にして聞いてますのん!
詳細はこちら

3)平田オリザ アンドロイド演劇 「さようなら」 
11/1,2は大館市の名画座「御成座」にて平田オリザさんのアンドロイド演劇が!
詳細はこちら

4)正札コンサート 
11/3芸術祭のフィナーレを飾る「正札コンサート」
世界的なジャズギタリスト、小沼ようすけさんをはじめ、
青谷明日香さん、サイトウタクヤさんが出演されます!
会場は大館市旧正札デパート裏 ハチ公小径特設ステージ
詳細はこちら

残りわずかとなった芸術祭、ののもスタッフもサポートスタッフも全員で、
みなさまのお越しをお待ちしておりますのん♪

大館・北秋田芸術祭 2014「里に犬、山に熊。」

ゼロダテ

「モクネジ」石川県・山中温泉の木工ろくろ技術から、プロダクトシリーズが誕生!

工芸の世界で受け継がれてきた木工ろくろの技術と、
精緻なネジ切り技術から生まれたプロダクトシリーズ「モクネジ」。
上の写真は、赤ちゃんのためのガラガラ「TOY Grip with Globe Bottle」です。

赤ちゃんは、心地よい音がするものが大好き。
このガラガラを目の前でふってあげると、
一生懸命目で追ったり、自分でにぎって遊んだりします。
赤ちゃんは何でも口に入れてしまいますが、
塗装に100%天然のえごま油と漆を使用しているので、
なめても安心だそう!

TOY Gripシリーズ デザイン:古庄良匡 丸いペットボトルがセットになった「TOY Grip with Globe Bottle」のほか、市販のペットボトルをくっつけて遊べる「TOY Grip」シリーズもあります

ブナやケヤキの天然木を使用したトイグリップと
丸いペットボトル、お子さんの成長を祈願した
金と銀の鈴や穀物などがセットになっており、
好きな素材を入れて遊ぶこともできます。
プレゼントにしても喜ばれそう。

「モクネジ」は、デザイナーの古庄良匡さんと、
石川県・山中温泉の木工所「たてにる工芸」さんの
出会いから生まれました。

山中温泉は、奈良時代からつづく木工ろくろの一大産地です。
その地で伝統を守りつつ、
新しいことにも挑戦している「たにてる工芸」さんが
古庄さんへ「ネジ切り加工をできるようになったのだが、何かつくれないだろうか」
と相談をもちかけたことがこのプロダクトのはじまり。

古庄さんのプロデュースと
「たてにる工芸」さんの木工加工技術から
数々のすてきなプロダクトが生まれました。
こちらは、プラスチック製のコップでは味気ない、
という思いから生まれた「Bottle」。

「Bottle」デザイン:山崎宏

さまざまな苦労をへて実現した、ステンレスと木の組み合わせ。
ステンレスボトルは、新潟県燕市の
ステンレス魔法瓶等真空容器メーカー「SUSgallery」さんのものです。
中栓は、片手でワンタッチ開閉が可能。
とことん使いやすさ、口当たりの良さを考えたデザインです。
老舗コーヒー用具メーカー「kalita」さんとコラボした
新作「MokuNeji COFFEE MILL」も使いやすいと評判。

「MokuNeji COFFEE MILL」デザイン:山崎宏

挽きやすさときれいな挽き目に定評があり、
長年使えるコーヒーミルです。
伝統工芸と工業技術のコラボレーション、
これはいま、注目すべきものづくりの形かもしれないですね!
「モクネジ」のくわしい情報は公式サイトからどうぞ。

モクネジ

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職人集団、友人、 スタッフ、みなの力を結集! デザイン溢れるゲストハウスへ medicala vol.1

medicala vol.1
住みながら、その土地でリノベーションする。

はじめまして。
僕らは「medicala(メヂカラ)」の屋号で活動している、
主に空間のデザイン(ハード)を担当している、アズノタダフミ(以下アズノ)と
空間の運営やごはん(ソフト)を担当しているアズノカナコ(以下カナコ)の夫婦です。

アズノは1984年生まれの今年30歳。
カナコは1986年生まれの今年28歳。
目がほかの人たちよりちょっと大きなふたりが活動しています。

空間をプロデュースするmedicalaとしての働き方は、
お呼びがかかれば地方都市でもどこでも出向き、
その土地に住みながらひとつのお店を地元の職人さんや仲間とともに、
つくり上げていくというスタイル。
これまでに東京都蔵前、愛知県豊田市、山口県萩市、
長野県下諏訪町と住みながら空間をつくってきました。
現在は夫婦ふたりで大分県の竹田市に住みながらレストランつくっています。

住みながら空間づくりをしているのには理由が3つあります。

まず、空間づくりはデザインだけで完成するわけではなく、
図面があっても実際につくる職人さんたちとの意思の疎通がとれていないと
イメージ通りの空間に仕上がりません。そして、地方の職人さんほど
「一般的な住宅づくり(例えば、伝統的な在来工法の家など)」に慣れていて、
古材を使うことやエイジング加工などは
「やり方がわからない」もしくは「やりたくない」
と思っている人が多いかもしれません。
だから、デザインも兼ね備えた空間を実現するためには
「最悪の場合、仕上げの作業は自分で施工する」という覚悟が必要になってきます。

次に、その土地が持つ風土や気候、素材、風や光の具合などを
できるだけデザインに反映していきたいと思っています。
一度や二度現場に行って調査してもわからないことはたくさんあります。
その場所のまわりに住んでいる人の声から風の通り方など、
住みながらつくることでそういったことに敏感になりながら
工事を進めることができます。

最後に、オーナーや大工さんとみんなで一緒になって
つくっていくことで生まれる空気を大切にしているから。
住みながら空間をつくることは大変です。
慣れ親しんだ自分の家には帰れず、工事中他の仕事はほとんど受けられず、
初めての場所で不便なこともたくさんあります。
それでもやっぱり住みながらつくるということは
オーナーや大工さんと過ごす時間が限りなく長くなり、
普通の打ち合わせではわからないことまでわかるようになってきます。
お店をつくるというしんどいタイミングに、オーナーと共にいることで、
困っていたら助けられるし、オーナーががんばっている姿を見ると
こっちも「いい空間つくるぞー!」という気持ちになり、
お互いが高め合って、結果よい空間につながっていくと思っています。

もちろん、かっこいいだけの空間をつくればよいわけでもなく、
過程が楽しいだけでよいわけでもなく、その両方を大切にしてつくっています。

僕らやオーナーはもちろん、大工さんや職人さん、
手伝いに来てくれた友人たちや地元の人と一緒にごはんを食べて作業して、
好きな音楽を流して、休憩時間はお菓子を食べて、
夜はお酒が好きな人は飲んで、ときには人生の話とかをしちゃったりして、
そうやって空間をつくっています。

その空間と向き合った時間が長いほど、関わった人の想いが強いほど、
よりいい空間ができる。そう信じています。

施行中の休憩写真。

この連載は、基本的には僕アズノが書いていきますが、
物件よってにはカナコも登場しますのでお楽しみに。
まずは、僕アズノが結婚前に関わった物件から紹介します。
東京の東側、浅草の近くの「蔵前」というエリアにある
ゲストハウス「Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE」(以下Nui)です。

2012年。いまから2年ちょっと前の話。
鉄筋コンクリート造6階建ての元おもちゃ屋さんの倉庫を
1棟まるまる改装して
1階をバーラウンジ、2階以上を主にホステルの宿泊機能に充てる、
というプロジェクト。延べ床面積約960平米です。

改装前の写真。

Nui.を運営する株式会社バックパッカーズジャパン(以下BJ)
のみんなとは2010年に世界一周していたときに
トルコのイスタンブールで会ったのがきっかけで友だちになりました。
当時彼らは、ゲストハウス1号店となる「toco.」をつくるために、
世界中、日本中の宿を見る旅をしていました。
僕はその「世界中の宿を見て回るチーム」と会ったのです。

彼らはtoco.をつくる際にはデザイナーを入れていなくて
大工さんたちと話し合ってつくりあげていました。
しかし今回のNui.はtoco.の5倍程度の規模だったので、
さすがにデザイナーが必要だと思ったのかわかりませんが
とにかく彼らの一番身近にいた空間デザイナーの僕に話がきた、というわけです。

実はこの仕事、独立してから初めてつくる店舗の仕事であり、僕は当時27歳。

ずっと店舗デザインの仕事がしたいと思っていたので、
「ここで全力を出してよい空間がつくれなかったら自分の実力はそれまで。
言い訳はできない」と、プレッシャーはありましたが、楽しさのほうが勝っていたと思います。



Nui.の棟梁は大工チーム「渡部屋」代表の渡部雅寛さん、通称ナベさん。
渡部屋とは、大工衆の集まりです。

しかも、設計士がいなくても、
彼らのつくりあげる空間はとてもかっこいいのです。


大工チーム。

そんな大工さんたちの仕事に「デザイナー」として関わるとなると、
できるだけきちんと信頼関係を築きたいと思い、
「毎日現場に行って、図面も現場で描いて、施工もやる」
という働き方になりました。
これが今の仕事の進め方の原点になります。

最初に施主であるBJ代表の本間貴裕さんと
完成イメージを共有するため、

青山にある「嶋田洋書」という洋書屋さんに行きました。
いろんな海外のデザインの本を見る中で一目見て、
「これだ!」とふたりの意見が一致したのが
『ROUGH LUXE DESIGN』という当時発売されたばかりの本。
(ちょっと高くて15000円くらい)
これを軸にイメージを固めていきました。

参考にした『ROUGH LUXE DESIGN』の表紙。

イメージビジュアルを集めてスケッチを重ねて、
大工さんや会社のみんなとの話し合いを重ねてぼんやりを見えてきたかたちを
スケッチに落とし込みました。

ピアノが置いてある場所を屋内的な静的な空間、そのほかのスペースを屋外的な動的な空間としました。

Nui.のコンセプトは「あらゆる境界線を越えて人々が集える場所を」。
このコンセプトを実現するために気をつけていたことは“ゾーニング”。
1階を平面で見た時に真ん中の柱を中心に4つのゾーンに分けて考えました。

1.立ち飲みする動きのある場所(スケッチ左)。
2.テーブル席のある少しゆっくり話せる場所(スケッチ下)。
3.ソファ席のある長時間ゆっくり話せる場所(スケッチ右)。
4.エレベーター前の人が行き交う交差点のような場所(スケッチ上)。

ゾーンを分けて席を配置することで、
ゲストは気分によって席を選ぶことができ、
幅広いジャンルの人たちがNui.を楽しむことができます。
また、注文を「キャッシュオン」方式にすることで、
空間自体にも動きが生まれて、
「注文のために立った人が、偶然隣り合わせた待ち人と話して仲良くなる」
と、コミュニケーションが生まれやすい空間を意識しました。

空間を自由に使ってくれているお客さん。オープン後のある日の営業風景。

技術もセンスも持ち備えた、大工集団

ここからは実際の施工風景を紹介します。

施工にあたって、大きく分けてふたつの方法がありました。
ひとつは『プロの大工チームの本気でしっかり施工』
そして、もうひとつは『手伝いにきてくれた友人との参加型の施工』。
前者は主に1階のバーラウンジ、後者は2階以上の客室部分の担当です。

まず、『しっかり施工』のバーラウンジ。
大工チームは先ほどご紹介した『渡部屋』を中心に
日本中から10名以上が集まりました。
大工、ログビルダー(ログハウスをつくる大工)、
ツリーハウスビルダー、金属造形職人、左官職人など、
このメンバー、いま思い出してもスゴ過ぎる職人たちです。

1階のシンボルとなる木材を施工しているところ。

とにかく全てに対して真剣で、
そこには「デザイナーだから偉い」「大工だから偉い」など
そういった関係はなく、
お互いがよりよい空間デザインになるために意見を言って、
つくれる人はデザイナーであろうと施主であろうと手を動かす。
そんな気持ちのよい信頼関係ができていました。

毎晩行われていた深夜のスタッフミーティング。

例えば、木材に関して、
Nui.に来たら真っ先に目に入るシンボルツリーや
空間のポイントとなる丸太のカウンターができたのもお互いの理解があってこそ。

使われている木の多くは北海道のニセコで大工さんが選んできていて、
樹種はイシナラ、タモ、キハダ、トドマツ、イタヤカエデなど、
北海道ならではの木材です。
それらは、乾燥しきってなかったり、曲がっていたりして、
普通の職人さんだと敬遠されがちな木材です。
(それゆえ、市場価値が低く、安く手に入ります)
でも、曲がっていることも木は生きているんだから自然なこと、
乾燥しきっていないと、後で反ったり割れたりすることもあるが、
それも木が生きている証拠。
むしろそういった経年変化を「いいよねー!」って言い合える関係性が、
施主、大工、デザイナーの三方で育まれていたからこそ、
この木材の良さを生かせて、実現した空間です。

木材が北海道からやってきた時の様子。

そういった特殊な木材は、やっぱり
現場で判断しながら、生かしていきます。
「現場の空気をかたちにする」という、
手仕事じゃないとできないことや表現できないニュアンスもあり、
もしかしたらデザイナーはデザインを決めすぎず、
職人さんを信頼して任せるという方法もあるのかもしれません。

ただ、Nui.の場合、僕が未熟だったこともあり、
大工さんお任せデザインの部分がたくさんあります。
例えばゲストハウスの受付となる「レセプション」部分。
ここは寸法やサイズ感だけ図面におとして、
あとの細かいおさまり方や素材はお任せ。
本当にかっこいいレセプションができました。
僕自身、ここから学べる技がたくさんありました!

レセプション。カウンター下の木のデザインは大工さんが考えたもの!

施工中、大工さんと話していて印象に残っている言葉があります。
「あいつがそうやってつくるんやったら、俺はこうやってつくろうか!」
「作業しながらも後ろでつくってる仲間のエネルギー感じる!」
大工さんたちはつくりながらも考えて、
そういった現場の空気が、建物に宿っていく気がしました。
職人さんたちはみんながみんな個性的で、
お互いを尊重して高め合っていく現場の空気は、
それはまるでJAZZのセッションをしているかのようでした。

現場でカウンター材を加工。

鉄の加工も現場で行った。

こうして、Nui.の1階のバーラウンジは、
大勢のプロの技術と経験が詰まって完成しました。

素人、プロ、みんなと共有する空間づくりの面白さ

参加型施工部分は、主に2階以上のフロアの左官仕事、
ドアのエイジング塗装、二段ベッドの制作です。
手伝ってくれたのは施主であるBJの社員とその友人たち、
toco.のお客さん、僕の友だち、そして噂を聞きつけてきたはじめましての人など、
本当にたくさんの人に手伝ってもらいました。
募集は主にfacebookで行い、
延べ300人以上の人が手伝いにきてくれたと思います。
これも1店舗目のtoco.があって、生まれたつながりが大きいと思います。

手伝い風景。

お手伝いしてくれる人への、作業内容はとても配慮しました。
ざっくりと作業はこの3つに分けて、お願いしました。

①がんばれば誰でもできる。
②安全。怪我のリスクが少ない。
③大工さんの手を煩わせなくても教えることができる。

地味なことでは掃除、塗装や左官する場所にマスキングテープで養生、
材料運びなど楽しくて人気がある作業では左官、塗装、革縫いなどがあります。

左官作業をしているところ。

なかでも、Nui.の左官は量が多くて大変でした(2階~5階の廊下、客室の壁全て)。
オープン日が迫ってくると、
朝4時まで作業、その後9時から再開! というハードさ。
それでも実際に手を動かす作業の気持ちよさや、
次第に上手になっていくことの嬉しさ、
みんなで同じ作業をしてゴールに向かう楽しさなどがあり、
しんどかったこともひっくるめて全てよい思い出です。

左官仕事のさなかの休憩風景。

素人でもがんばって左官した壁は下手さ具合が絶妙な「味」になっていて
柔らかい印象の壁に仕上がりました。
塗装技術でわざとヒビ割れた仕上がりにした、
ドアのエイジング塗装もいい感じです。
これは専門性が求められそうな分野だけど、
実はやり方さえわかれば初めてでも意外とできるもの。
もちろんプロがやる場合に比べてクオリティは落ちますが、
それでもみんなでやると楽しくて、上手にひび割れした時は嬉しいものです。

ドアエイジング風景。

エイジング塗装を施した廊下。

みんなで一緒になって空間をつくり上げていくということは、
単純に施工費を抑えられるということではなくて、
お店をオープンさせるまでに「ファン」をつくることができます。
例えば左官を手伝ってくれた友人が、オープン後、
友だちを連れてきて「ここ俺が左官したんだよー」
という話をしているのを見ると、嬉しくなります。

そして、オープン後の愛着が一層わきます。
例えば、掃除中に壁を見ては「ここはあの人がつくってくれたなぁ」
と思い出すと、掃除にも熱が入りがんばれるそうです。

Nui.は、プロの職人だけでつくったカッコいいだけの空間でもなく
素人だけでつくったヘタウマなだけの空間でもなく
たくさんの人の手助けがあり、たくさんの人の想いが詰まった空間になりました。

Nui.の完成!

オープニングパーティーの様子。

information


map

Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE

住所:東京都台東区蔵前2-14-13
TEL:03-6240-9854
http://backpackersjapan.co.jp/nui/

寿命を迎える星の電波をオルゴールに変える!国立天文台×クリエーターが挑む「ALMA MUSICBOX:死にゆく星の旋律」東京ミッドタウンで

人間にたとえると視力6000にもなるという
「アルマ望遠鏡」をご存知でしょうか。
(視力6000とは、東京から大阪に落ちている1円玉が見えるほどだとか…!)
南米チリの砂漠に建設されたアルマ望遠鏡は、
日本をはじめ世界21か国が共同で作った史上最大規模の高性能電波望遠鏡。
光学望遠鏡では捉えられない短い波長の電波を捉えることができ
なんと126億光年以上彼方の電波もキャッチ。
星や惑星の誕生、宇宙における生命の起源の謎に挑む役割を担っています。

そんな世界のものづくりの結晶ともいえるアルマ望遠鏡の観測データを、
「芸術」の視点で表現してみようというプロジェクトがスタート。
その第一弾目が10/24(金)より東京ミッドタウン・ガーデン内で開催される
『ALMA MUSIC BOX:死にゆく星の旋律』です。
東京都三鷹市にある国立天文台と、
気鋭のクリエーターたちのコラボによる
音と映像のインスタレーション作品が公開されます。

パラボラアンテナを66台設置し巨大な電波望遠鏡として機能するアルマ望遠鏡。標高が高く雲が出ない、星を観測するのに最高の立地に置かれています

今回注目するのは、地球から950光年彼方にある『ちょうこくしつ座R星』。
寿命を迎えようとしているこの星からの電波を使用し
70の異なる周波数から取得されたデータを
70枚のオルゴール盤に置き換えます。

電波を使って音楽に。いったいどんな音になるのか想像つかない!

死にゆく星から届けられた旋律の音楽。
そして実際の観測データを元に制作されたダイナミックな映像。
想像も及ばないほどの壮大なスケールを
音楽と映像で体感できる世界初のプロジェクトです。
ぜひ訪れてみてください!

◎『ALMA MUSIC BOX:死にゆく星の旋律』
 by 国立天文台+PARTY NY+Qosmo+エピファニーワークス
 「活動のデザイン展」にて世界初公開! 
 会期:2014年10月24日(金) - 2015年2月1日(日)
 会場:21_21 DESIGN SIGHT
(東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン内)
 主催:21_21 DESIGN SIGHT、公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団 

21_21 DESIGN SIGHT「活動のデザイン展」

完全木造の「秋田駅西口バスターミナル」が懐かしくて新しい! 秋田杉をふんだんに使用

まちを訪れる人の玄関口であり、家路に繋がるバスターミナル。
そこに木のぬくもりがあると、すごくほっとしますね。
秋田県秋田市にある「秋田駅西口バスターミナル」は、
地元産の「秋田杉」をふんだんに使った木造のバスターミナル。
日本三大美林の一つに数えられ、全国一の蓄積量を誇る秋田杉の材木のほか、
鉄・ガラスも天然の原料を使い、2013年10月に完成しました。

デザインのコンセプトは、「秋田杉によるお出迎え空間」。
ベンチには暖かくやわらかい杉の質感を味わえるように
大断面の秋田杉を使用。また裸電球が連なる懐かしいバス停の
雰囲気を表現するべく、省電力のクリヤー電球型LEDを使った
ペンダントライトが照明として使われています。

デザイナーは、ナグモデザイン事務所の南雲勝志さんら。
戦後の植林によって杉だらけになった日本の山林を
きちんと評価する活動「日本全国スギダラケ倶楽部」が
きっかけになってこのバス停が実現したのだそう。
いつか訪れてみたいバス停です。

秋田杉を使ったものづくりについては、
コロカルの特別企画「木のある暮らし Life with Wood
でもご紹介しています。こちらもぜひ!

名称:秋田駅西口バスターミナル
住所:秋田市中通2丁目7番地
写真撮影:シブヤスタジオ

千葉県のMAD Cityにて「DIYリノベ」体験ツアーを開催!手づくりのプランターでボタニカルライフをはじめよう。

千葉県松戸市のMAD Cityにて、
DIYリノベ見学会と
プランターづくりのワークショップが開催されます。

MAD Cityとは、千葉県の松戸駅西口駅前で展開している
まちづくりプロジェクト。
アーティストやクリエイターが集まり、
魅力的なコミュニティづくりを進めています。
そんなMAD Cityには、
DIYされたすてきな部屋がたくさんあるそう。
次回のワークショップでは
MAD CityのDIY事例を見て歩き、
セメントのプランターづくりに挑戦します。

西尾健史さん

先生は、コロカルの「リノベのススメ」にもご登場頂いた
建築家・デザイナーの西尾健史さん。
森アーツセンターギャラリー「スヌーピー展」の物販スペースの設計や
ポップアップショップ「POPMOTTO du CAT LOVER」の設計などを手がけ、
MAD Cityでは「知恵袋的存在」として頼りにされています。
ユニークなアイデアが教われそうですね!
西尾さんの「リノベのススメ」記事はこちら

前回のワークショップでは、
2×(ツーバイ)材を使用したスツールをつくりました。

ワークショップで制作したスツール。次回は好きな多肉植物とプランターの型枠を選んでプランターをつくり、つくったものは持ち帰れます。

前回のワークショップが好評だったため、
次回は少し定員を増やして開催されます。
定員15名となっていますので、お申し込みはお早めに!
ご予約は、下記サイトからお申し込みください。

MAD City「DIYリノベ」体験ツアー
開催日:2014年10月19日(日)13:00~19:00(※予定時間のため、定刻に終了しない可能性があります。)
講師:西尾健史(DAYS.主宰、DIYアドバイザー)
定員:15名
参加費:2,500円(材料費、多肉植物、指導料込)
会場:FANCLUB
アクセス:千葉県松戸市本町20-10 ルシーナビル7F(JR常磐線/新京成線松戸駅から徒歩2分)
主催:MAD City(株式会社まちづクリエイティブ)

過去最大規模!秋田出身の版画家・池田修三作品が200点超展示『センチメンタルの青い旗』

10月18日(土)より、秋田県出身の木版画家・池田修三さんの
過去最大規模の展覧会「センチメンタルの青い旗」が
秋田県立美術館にて入場無料で開催されます。

にかほ市象潟(きさかた)町うまれの池田修三さんは、
主に子供たちの情景や風景画を手がけ
可愛くも、どこか郷愁ただよう作品が特徴的。
秋田県発行のフリーマガジン「のんびり」で特集が組まれたのをきっかけに
全国で多くのファンを魅了しています。
今回の展覧会では少女やこどもをモチーフにした多色刷り版画の代表作をはじめ、
初期のモノクロ作品など、200点以上が並びます。

可愛くもどこかノスタルジック。心がつかまれるような作品が並びます

開催期間中には、美術館前に用意された巨大な女性の横顔に
全国から寄せられた花を並べて、
フリーマガジン「のんびり」09号の表紙を飾った
池田修三の代表作「花のプロフィール」
を完成させようというプロジェクトが平行して行われます。
場所は秋田県立美術館入口外物販テントのんびり・修三展ブース前。
参加の方法は、お花を持ってご来場いただくだけ。
お花の種類や大きさなどに決まりはありません。
詳細はこちらの資料をご参照ください。

さらに、18日(土)と25日(土)には
「のんびり」編集長の藤本智士さんをはじめ
にかほ市象潟郷土資料館館長の齋藤一樹さん、フリーアナウンサーの伊藤綾子さん、
放送作家・ミュージシャンの倉本美津留さんによるトークイベントも開催。
また、今回の展示にあわせて制作されたグッズや、
生前、池田修三さんが唯一認めたという木版刷り師・竹芳洞小林義昭さんが刷った
木版原画『池田修三小品コレクション』なども
枚数限定で販売されるそう。
木版画ならではのぬくもり、繊細さ、彩り。
ついつい魅入ってしまう作品たちをこの機会に味わってみては。

■池田修三作品展「センチメンタルの青い旗」
期間:2014年10月18日(土)〜26日(日)
場所:秋田県立美術館 一階 県民ギャラリー
料金:入場無料
開館時間:10時〜18時

○オープニングイベント
「センチメンタル宣言〜オープン!〜」
日時 :2014年10月18日(土)15時〜(16時終了予定)
会場 :エリアなかいち特設ステージ(入場無料)
出演 :齋藤一樹(にかほ市象潟郷土資料館館長)
    藤本智士(本展プロデューサー、『のんびり』編集長)
ゲスト:伊藤綾子(フリーアナウンサー)
○クロージングイベント
「センチメンタル宣言〜クロージング前夜〜」
日時:2014年10月25日(土)18時〜(18時45分終了予定)
会場:エリアなかいち特設ステージ(入場無料)
出演:倉本美津留(放送作家、ミュージシャン)
   藤本智士(本展プロデューサー、『のんびり』編集長)

木版画家 池田修三オフィシャルサイト

猫好き必見! アートになった猫コレクション 290点が秋田県立近代美術館で 「猫まみれ展」

永島春暁「猫の温泉あそび」

あなたは猫派?犬派?
現・秋田県知事の佐竹敬久さんは、
猫好き界でも有名な方。
以前、秋田犬をロシアのプーチン大統領に贈ったお礼に
譲り受けたシベリア猫「ミールくん」を含む8匹の猫と知事公舎に
暮らすほどの愛猫家なんです。

そんな秋田県の横手市で、猫好きにはたまらない展覧会
「招き猫亭コレクション 猫まみれ展」が開催中!
猫作品を愛するコレクター「招き猫亭」さんご協力のもと、
江戸時代から現代までの猫にまつわる作品約290点を展示しています。

小林清親「猫と提灯」

高橋弘明「ジャパニーズ・ボブテイル」

テオフィル・アレクサンドラ・スタンラン「猫と少女」

会場では、かわいがっている猫の写真(L版以下・紙焼きのみ)を
受付にお持ちいただくと、当日料金から100円割引される「猫割」や、
「猫まみれ展オリジナルしおり」のプレゼントも。
他、ジャズコンサート(10月18日)やワークショップ(10月19日)、
猫作品コンテストの作品展示、ギャラリートークなどのイベントも開催されます。
詳細はWebサイトにて!

■秋田県立近代美術館開館20周年
「招き猫亭コレクション 猫まみれ展
アートになった猫たち―浮世絵から現代美術まで」
会期:11月24日(月・休)まで※会期中無休
時間:午前9時30分~午後5時(最終入館 午後4時30分まで)
会場:秋田県立近代美術館
住所:〒013-0064 秋田県横手市赤坂字富ヶ沢62-46 
TEL:0182-33-8855
Webサイト

Made in 旭川! 樹齢100年を超える木を使った 木の家具・道具に会える 「コサイン青山」

北海道・旭川で、木のものづくりに取り組む「コサイン」。
樹齢100年を超える木を材料に使い、それらを大切に使いきる工夫を
しながら、家具やおもちゃなど、さまざまなプロダクトを作っています。

そんなコサインが、このたび東京に直営店「コサイン青山」をオープン!
明るい店内で、既存の製品のほか、新しく誕生したソファやテーブルなどの
新製品が紹介されています。

こちらが「コサイン青山」の外観。

ガラス張りの明るい店内です。

製品を作る工程で出た木っ端で作られた店名のサイン。

歯がため「ベーグル」

「コサイン」のプロダクトには、
道産材のサクラ材を使っているものも。
なかでも歯がため「ベーグル」は、赤ちゃんのためのユニークなおもちゃです。
かたちはベーグルそっくり! 赤ちゃんの手にピッタリ収まる大きさで、
赤ちゃんが噛んでもなめても安全。
コサインの工房から出る短い材料を活かして、
小田原の「挽き物」職人さんとのコラボレーションして創りあげたのだそう。
などなど、店内ではいろいろな木のプロダクトに出会う事ができます。

コサイン青山
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-5-4 SEIZAN 外苑101
営業時間:11:00~19:00 
定休日:水曜日・年末年始他
TEL.FAX:03-3470-7733

解体決定の建物が一転、 最小文化施設に! HAGISTUDIO vol.2

HAGISTUDIO vol.2
萩荘の解体がなくなったわけ

みなさんこんにちは!
vol.1に続き、東京谷中の最小文化複合施設「HAGISO」について書いていきます。
HAGISOの前身である木造アパート「萩荘」は解体することとなり、
僕らは最期の晴れ姿としてアートイベント「ハギエンナーレ2012」を開催(vol.1参照)。
このアートイベントが、予想以上の盛り上がりを見せたのです。
イベントと並行して、萩荘の大家さんは解体・駐車場化の段取りを進めていました。

萩荘の大家さんは、隣接する寺院、「宗林寺」さんです。
住職は常々、地域に対する、現代的な寺の文化的貢献に対して考えていらしたそうで、
萩荘を舞台にしたアートイベント、ハギエンナーレには大変共感していただきました。

宗林寺。通称萩寺。萩の花が境内に咲く。

私は展示の片付けをしつつ、大家さんと後始末について話していると、
大家さんの奥さまがぽつり、とつぶやきました。
「ちょっともったいないかしらね〜」
おや? と。これはもしかすると少し風向きが変わってきたのかな?
と思い、よくよくお話を伺ってみると、
「ハギエンナーレ2012」を通して、大家さんたちご自身も、
ただのボロアパートだと思っていた建物に多くの若者が集まった光景を目にして、
場所のポテンシャルに気が付いたとのことでした。
「これは萩荘にとって最後のチャンスかもしれない」
僕は早速リノベーションのアイデアを提案しました。
デザインをずっと学んできた僕にとっては、提案書をつくるなど全く素人でしたが、
簡単な事業計画と、経済的なリノベーションのメリットに関しても説明しました。
「駐車場として運用する場合」「新築の集合住宅を作る場合」「リノベーションする場合」、
と3つのシミュレーションを仮定して、それぞれの事業を比較します。
このとき役に立ったのは、
広瀬郁著『建築学入門-おカネの仕組みとヒトを動かす』(彰国社)という本で、
実際の事業を動かしていく上でも非常に重要な基礎知識を学ぶことができました。

一生懸命考えたものの、独立したてで何の実績もない僕のような若造の提案ですから、
事業の採算性というよりは、ほとんど情熱を買っていただいたようで、
最終的にリノベーションという選択肢を選んでいただけました。
後から大家さんに聞いた話によると、展示をある程度無事に成功させたことで、
大家さんから一定の信頼を置いていただけるようになっていたようです。

大家さんにプレゼンした際の萩荘の模型。

さて、とはいえ萩荘で一体何を始めるのか。
最初は設計だけして、誰か外からテナントを募集しようと思っていたのですが、
それだけではなにかが失われてしまうような気がしました。
継続的な思いというか、熱量の持続性のようなものかもしれません。
場所のポテンシャルを最大化する試みを、
建物のデザインだけではなくて運営することも含めてデザインしたいと思い、
全体を丸ごとお借りして、自ら施設の運営にチャレンジすることにしました。

ヒントは、上海のまちでの経験から

ところで、私はこの萩荘の改修にとりかかる前、
2011年までは設計事務所に勤めていました。
主に海外の大規模施設の設計がほとんどで、まだ何も知らない僕らのようなスタッフに、
ありえないくらい大規模の設計をチャレンジさせてくれました。
設計者として、そのような大規模な施設の設計に携わることができるのは
貴重な経験ですが、一方で、
どうしても自分が携わる建築の必然性のようなものが掴めないまま、仕事をしていました。
日本における公共建築は、本来的な意味で公共空間として使いこなされず、
「箱もの」としてお荷物になっている建物が多い状況を目の当たりにしてきた世代として、
一体誰のために、何のためにつくっているのか、
ということをリアルに実感したいと感じていました。

出張で中国の上海に半年ほど滞在していたのですが、
当時、上海なんかはそれはそれはもう開発がまっさかりで、
新しい高層マンションが次々と建ち並んでいくわけです。
しかし、上海のまちの中には、
取り残されたように「里弄(リーロン)」と呼ばれる古い路地に
住居がひしめき、いまだに多くの人が住んでいました。
どうしても僕にとってはそちらのほうが100倍魅力的に見えていました。

新しくそびえる高層マンションと取り残された住居。

滞在先がこのような古い住宅を意味する「老房子(ラオファンズ)」と呼ばれる
共同住宅だったこともあり、そこでの日常を目にする機会が多かったのです。
例えば、もうこっちは寝てる時間なのに廊下で炒め物を始める住人がいたり、
向かいの家で夫婦喧嘩を始めたりと、むちゃくちゃなわけです。
でも毎朝路地のおばあちゃんは親しげに挨拶してくれたり、
バルコニーで一斉に干された洗濯物を目にする日々は、
なにか自分が古くから脈々と続くまちの一員になった気がしました。

何故スラムのような古い路地のほうが最高に魅力的で、
清潔で経済的価値の高い高層マンションが絶望的につまらなく見えてしまったのか。
単なるノスタルジーや雰囲気によるものなのか。
ずっと考えてきましたが、最近になってだんだんわかってきたことがあります。
新しくつくられるまちは、人が建物に収納されているように見えるのと対照的に、
老房子などが残るまちは、
人が自分の生活空間を獲得しようとする意志と自由をもっているということです。
まず生活があり、それに合わせて必要な空間につくり替えていくたくましさが
生き生きと見えたのでした。

路地と少女。

老房子のように上海には意図的に古い建物を利用した場所が多くあります。
経済成長のまっただ中にありますので、一見乱開発のみが行われるように見えますが、
昔からの路地を利用した街区や工場をリノベーションした商業施設、
地下防空壕や租借地時代の洋館を利用したナイトクラブなど、
古い建物をコンバージョン(用途変更)した場所が実はいたるところにあります。
多くの中国人は新しいもの好きなのですが、
こうした古い建物が持つ価値を利用することで、
エリア価値が高まることを彼らは知っています。
それがたとえ商業的な目的を意図するものだとしても、
もともとのポテンシャルを生かしきっていこうとするしたたかさをもって
新たな魅力的な場所として生まれ変わっているのは、全然アリだと思えました。

田子坊。古い路地にアーティスト「陳逸飛」がスタジオを構えたことをきっかけに小規模な店舗やギャラリーが徐々に増え、路地空間を残した非常に魅力的な街区をつくっている。

1933老場坊。1933年に竣工した屠殺場を改修した複合施設。屠殺場という機能に忠実な建築で、かつて加工された家畜の通路が現在は人のための通路となっている。

翻って東京のことを考えてみますと、
そもそも震災や戦災の影響で、残っている古い建物自体少ないという一面もありますが、
戦後に建てられた建物に関しても基本的には価値を見出さず、
新しく管理のしやすい建物を好む傾向が強いと僕には思えます。
このまま東京が時間的な奥行のないつまらない都市に向かってしまうのではないかと、
危機感を感じるのです。

萩荘からHAGISOへ

少し脱線しすぎました。しかしこのような経験を経て、
萩荘を新しくどのような場所としていくかを考えたとき、
最初に描いたイメージが以下のものです。

萩荘はHAGISOと名前を変え、「最小文化複合施設」として生まれ変わります。
東京には多くの公的な公共施設や、巨大資本による複合施設が存在しますが、
その末席に肩をならべるパブリックな空間を、
「私営の公共施設として運営したい」と思ったのです。
上の図は、そんな思いから若干の自虐的なヤケクソ感とともに描いてみました。
小さいかわりに、東京ならではの、「ここにしかない場所にしたい」と心に決めました。
正直、大規模な複合施設は世界のどの都市にも似たようなものがあります(ボソッ)。
しかし萩荘のように、近年どんどん空き家化している、
戦後の典型的な木造アパートだからこそできるスケール感で、
東京というコンテクストの中での存在感を示せるのではないかと思いました。

具体的には、人が集まるための場として1階にカフェとギャラリー、
2階にはヘアサロンとアトリエ、事務所を計画しました。
カフェとギャラリーは一体の空間として、
イベント時などに複合的な使い方ができるようにします。
ギャラリーという空間は、機能的にはただの空間でしかありませんが、
さまざまな活動を受け止める「あそび」をもたらしてくれるので、
ステージになったりロビーになったりと、新たな使い方を誘発します。
ギャラリー上部は「ハギエンナーレ2012」時に鳥小屋にするために、
二階床をぶちぬいていましたので、そのまま吹き抜けとすることにしました。

Before-Afterの図。

工事費用は、建物の構造やインフラに関わるところは大家さんにご負担いただき、
内装や設備は私が負担しました。
どちらの費用も5年で回収できるよう、家賃設定を定めます。

工事開始!

改修計画をまとめ、見積りをとり、いよいよ工事が始まりました。
工事は、リノベーションの工事を多く手がけている、
「工務店ROOVICE」さんに協力をお願いしました。私たちはできるだけ自分たちや、
協力してくれる人たちの手もお借りしてつくりたかったということもあり、
大工さんや職人さんたちと一緒に、
自分たちができるところは自分たちでつくる方法をお願いしました。
工務店にとっては全体の作業量が把握しづらかったり、
工期が読みづらかったりという手間をかけさせてしまいましたが、
おかげで多くの人に工事プロセスにも参加していただくことができました。

まず築60年の古い家ですので、とにかくたまりにたまったものの廃棄と、
不要な部分の解体が大変です。この部分には、お手伝いいただける一般の方を公募。
アーティストや、ギャラリスト、雑貨屋さん、フォトグラファー、学生など、
HAGISOに興味をもってくれた方々が参加してくれ、
大工さんに解体の仕方を教えてもらいながら、一緒に作業しました。
約1週間かけて部分解体・廃棄を完了できました。

宗林寺住職による工事安全祈願のお祓い。

廃棄物。これの3倍くらいの廃棄物がでました。

解体の結果を受けて、現場でイメージしながら図面を引きました。

ひととおりの部分解体・掃除が終わると、本工事に入ります。
もともと竹木舞にしゅろ縄がはられた土壁ですので、
全体的に構造用合板で耐力壁をつくり、金物で補強していきます。
1階の天井はすべて剥がして、
もともとの2階床根太(床の補強となる部分)が見えるようにしました。

一階天井はすべて剥がして根太が現しになるように。

吹き抜け部分。

リノベーションの場合、開けてみないと土台の腐れなどがわからない部分が多いのですが、
今回は湿気のたまりやすい北側以外の構造部分はほぼ無事でした。
腐れのひどいところは、
大工さんが仕口(2種類の木材を継ぐための加工)をつくって差し替えてくれました。

腐食部分にぴったりと差し替えた柱。

コンクリート土間の左官仕上げ。

柱のやすりがけや壁の塗装は、自分たちや、アーティスト、
建築学生サークルのみなさんの手を借りてゆっくりと進めました。

色選びを失敗して塗り直し。

こうして徐々に萩荘はHAGISOへと生まれ変わっていきます。

うーん、予想以上に長くなってしまいました。
予定ではもうHAGISOオープンのところまでいくはずだったのですが、
あまり長くなってもアレなので今回はここまでにします!

次回は、工事中開催してしまったイベントやカフェの開店準備や
そして、僕らが利用したクラウドファンディングのことについてもお話します。
みなさん、お楽しみに!

information


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HAGISO

住所:東京都台東区谷中3-10-25
TEL:03-5832-9808
営業時間:カフェ12:00〜21:00 (L.O. 20:30)
http://hagiso.jp/

YCAM「地域に潜るアジア:参加するオープン・ラボラトリー」後編

地域にやって来たエイリアンとして。

山口情報芸術センター[YCAM]で開催されていた
「地域に潜るアジア:参加するオープンラボラトリー」で、
最も長い期間、山口に滞在していたアーティストが
「竹のラボラトリー」のヴェンザ・クリスト。
彼はインドネシアで「HONF Foundation」というコミュニティを立ち上げ、
さまざまな活動を展開している。

「MICRONATION / MACRONATION(ミクロネーション/マクロネーション)」
というプロジェクトは、アーティストをはじめ、科学者、ハッカー、
活動家、学生、農家など、多様な人たちがそれぞれの専門知識を生かし、
新しい農村運営モデルをつくっていくというもので、
実際に100人ほどの人が暮らす規模の農村をつくり上げた。
「自分の仕事は、さまざまな専門性や職業を持った人々を集め、
ビジョンを共有すること。集まることで、
自分たちだけでは実現できないことも実現可能になる」と話していたという。

今回のラボラトリーも、まず課題を共有することからスタートさせようと考えたようだ。
まずヴェンザは山口に入る前に、リサーチのために岡山県の美作市上山地区を訪れた。
限界集落での棚田の再生活動など、山間地域の再生の成功例として知られている地域だ。
そこで耕作放棄地などの問題に触れ、山林にあふれる竹の問題に目を向ける。
ヴェンザは、それが日本の山間部の状況を最も端的に示す題材だと考えたようだ。

阿東文庫の音楽室にて、自身のプロジェクトを説明するヴェンザ・クリスト(右)。

公開ミーティングに集まった阿東地区の人々。

そして山口市の阿東地区へ。
YCAMから車で1時間ほどの阿東は、豊かな自然が広がる農村地帯。
米作や酪農も行われてきた資源の多い土地である一方、
美作と同じように竹が田畑や森林を浸食しているという問題を抱えていた。
そこで、竹という自然資源をキーワードに、
地域の人たちと話し合いながら、課題を浮き彫りにしていった。
そのなかで出会ったのが、さまざまな知識と経験を持つ、地域のキーパーソンたち。

「私たちが一方的にワークショップや活動を行うというより、
こういう方々の知識や経験を取り込み、私たちが得意とすることとかけ合わせていく、
ハイブリットな知性をつくっていけないかという考えが根幹にありました。
そこにはヴェンザのような、海外からの他者の視点というものも、
重要な役割を果たせるのではないかと思いました」
と、今回の展覧会を企画したYCAMの井高久美子さん。
ヴェンザや井高さんたちは、アーティストによるエイリアン(異国人)としての視点が、
日本の地域を俯瞰するうえで重要なのかもしれないと考えたのだ。
ヴェンザと地域の人たちはとりわけ農業の問題について議論を重ね、
ヴェンザは、農業を若い人たちにとってセクシーな(魅力的でかっこいい)
ものにすることが重要だと話していたという。

また、7月の下旬から約3週間にわたり、
阿東の旧亀山小学校で出張ラボラトリーを展開。
YCAMにあるレーザーカッターや3Dプリンターなどのデジタル工作機材を、
バスを改造したモバイルミュージアム「MOBIUM」に積み込み、
週末にはワークショップを開催した。阿東で伐採した竹を使って
楽器をつくるワークショップなどにたくさんの人が参加し、
イベント以外の日は、地元の人たちが自由に使える
ものづくりのための実験工房として機能した。

この運営の中心を担ったのが、阿東に暮らす明日香健輔さん。
明日香さんは、MOBIUMが置かれた旧亀山小学校内の私設図書館
「阿東文庫」の運営にも携わっている。明日香さんが中心となりながら、
YCAMと、今回の展覧会に共同リサーチ・プランニングとして関わる
大阪の「ファブラボ北加賀屋」のメンバーたちが、技術的にサポートした。

7月21日にファブラボ北加賀屋が行った「竹楽器をつくろうワークショップ」の様子。地元の竹細工の名人の技術と、デジタル工作機器の技術の双方を使って新しい竹楽器をつくっていく。

3Dプリンターやレーザーカッター、カッティングプロッターなどを搭載したバス内部。

ヴェンザは、YCAMで行われた最後のミーティングで
「日本の中山間地域で、さまざまな専門的知識と経験を持った人たちとの対話が、
大きな収穫だった」と話していたという。
インドネシアに帰国してからも竹のプロジェクトを行っており、
山口での経験がまた別の場所で生かされそうだ。

「阿東文庫」が秘める可能性。

今回の阿東地区での活動においてキーパーソンとなった明日香さんに話を聞いた。
明日香さんは、大阪出身のIターン者で、8年ほど前に阿東に移り住み、
IT関連会社を経営する傍ら、阿東文庫の運営に携わっている。
明日香さんは個人的に、ものづくりの世界的なネットワークである
ファブラボに興味を持っていたという。

「ものすごいムーブメントが起きているということは、
本やウェブなどを通じて感じていました。
それで1年半くらい前に、全国のファブラボを見て回ったんです。
これは面白い、と感じました。阿東にみんなが来て楽しめるような
ものづくりの拠点ができたら。ぜひここでやってみたいと思っていました」

いろいろなところにかけ合ってみたがなかなか実現のめどがたたず、
もう自分で3Dプリンターを買って始めようかと思っていたところへ、
ひょんなことからYCAMの企画チームとつながり、今回の活動に発展していった。
ファブラボは現在日本でも広まりつつあるが、多くは都市部にある。
中山間地域であるこの阿東に、移動式のファブラボが出現したのは面白い現象だ。
期間中は阿東文庫にさまざまな人たちが訪れ、ものづくりを楽しめる場となった。

たとえば「こんな表札がほしい」とパソコンで作成したデータを持参した女性が、
3Dプリンターで表札をつくり、喜んで帰っていったそう。
「意外と女性が積極的に来てくれました。若いお母さんがお子さんと一緒に来たり。
みなさん楽しそうにつくっているので、手伝うほうも
一緒になってわいわいやって、とても楽しかったです」

全国のファブラボを見て回っているなかで、
老若男女に偏ることなく利用者がいるということに、
明日香さんは可能性を感じていたそうだ。

「このあたりでは3世代で同居している世帯も多いですが、
実は世代間で分断が起きていることが多い。
でも、ものづくりがきっかけになって会話が生まれる。
たとえば孫が70代のおじいちゃんに3Dプリンターの使い方を教えたり、
その逆のことも起きたりする。そういう光景を目の当たりにして、
こういうことがこれからの地域に必要なんじゃないかと直感的に感じたんです。
ものづくりは集落や世代を超えていく。
ここに、これからの地域再生のヒントがあるんじゃないかと思いました」

「阿東文庫」の可能性について語る代表の吉見正孝さん(左)と、明日香健輔さん(右)。

阿東文庫内の様子。

今回の活動がYCAMを飛び出し、阿東地区の、しかも阿東文庫という場所で
行われたことには、大きな意義があるように思われる。
阿東文庫という場所が、大きな可能性を秘めている場所だからだ。
もともと阿東文庫は、現在代表を務める吉見正孝さんが、
8年ほど前から地域で捨てられる本を集めるようになったことから始まった。
当時清掃業に携わっていた吉見さんは、
毎日いい本がたくさん捨てられていくのを見かねて
その一部を集めていたが、さすがに置き場所に困った。
そのうち、休校して使われなくなった旧亀山小学校の一室に置かせてもらうように。
4年ほど前から有志を募って本を整理するようになり、地域の人たちに開架している。

図書館のようだが、公共の図書館と違うのは、
有志が残していきたいということから始まっていること。
市立の図書館は、市民が読みたい本を揃えなければならないため、
専門性は低くなってしまいがちだという。
蔵書の数やスペースにも限りがあり、残したくても残せない本が出てくる。
阿東文庫では、亡くなった方の遺品整理に困った遺族が寄贈したり、
退官する大学教授が大学図書館では引き取ってもらえないからと譲ってもらうこともあり、
その結果、個人の趣味や研究が色濃く出るような本が集まってきた。

「会ったことがない人でも、こんな本を読んでいたのか
ということがわかることによって、その人の人となりや、
阿東でこういう生活をしていたんだろうなということが、うっすら見えてきます。
この地域で生きてきた人たちの歴史や情報が凝縮されている。
それに感動することがあるんです。ここでどんな人が生きて、
どんな生活をしていたかを残していくというのは、
地域としては大きな財産になるんじゃないか。
こういう地域の歴史の残し方は、新しいのではないかと思うのです」

明日香さんは、地域には自分たちがやっていくことを考えるための
シンクタンクが必要だと、以前から考えていたという。
「自分たちの地域に誇りを持って生きていくために、
何を残したり、何をやっていかなくてはいけないか。
自分たちの足で自立して考えていくためには、
ここに本があるというのは大きな意義があると思います。
実は地域のことについて、地域の人がいちばん無関心だったりする。
それでは地域はよくならない」

地域には、明日香さんのようなIターンの目線が必要なのかもしれない。
それはまた、今回アジアに潜ったアーティストたちのエイリアン的な視線とも重なる。
今後はもっと地元の人にたくさん阿東文庫を利用してほしいと語る明日香さん。
そして、阿東文庫が単なる本を集めた場所以上の場になることを考えている。

「この場所を、これからの中山間地域をどうしていこうかということを考えられて、
実践していける場所にしていきたいと思っています。
東京も50年後には、65歳以上の高齢者の占める割合が、現在の中山間地域と
同じくらいの比率となる時代を迎えるといわれていますが、
そう考えるとここは最先端(笑)。ここで起こるいろいろな問題を
どう解決するかというノウハウが、指標になる可能性が大いにあると思っています」

YCAMがあり、阿東文庫があり、そういうハブがいくつもできてきて、
それらがつながっていけば、地域は少し変わっていくかもしれない。
阿東文庫はそんな希望が持てる場所だった。

「地域に潜るアジア」展は、何か目標が達成されたり、
完成された作品が展示されるような展覧会ではないが、
地域でいろいろなことが行われ、考えられるような状況を育んでいる。
今回の展覧会は、そのきっかけにすぎないのだ。

「TRANS ARTS TOKYO 2014」東京・神田にて開幕! 都市のスキマを舞台とするアートプロジェクト

9月20日(土)~ 11月3日(月)、
東京・神田にて「TRANS ARTS TOKYO 2014」が開催されます。

このプロジェクトは、開発にともなって生まれた
“都市のスキマ”を舞台とするプロジェクト。
2012年に旧東京電機大学校舎でスタートし、
今年は更地となった旧東京電機大学跡地と
3331 Arts Chiyoda、ワテラスコモンなどで開催。
音楽ライブ、巨大アート作品展示、
キャンプ体験など、大規模なプログラムが目白押しです。

■「TRANS ARTS TOKYO 2014」の見どころ

池田晶紀 「神田っ子ポートレイトプロジェクト」開催地:ワテラスコモン3F

10月25日(土)・26日(日)は、旧東京電機大学跡地にて
幻想的な屋外シアター「CAVE -KANDA PROJECTION-」。
映像作家23名による映像が
神田のビルの谷間にぽっかりと浮かびます。

11月1日(土)〜3日(月・祝)は
旧東京電機大学跡地にて「アーバンキャンプ・トーキョーホテル」。
神田に、3日間だけキャンプ場が出現します。
都市のど真ん中でキャンプできる、またとないチャンス!

10月19日(日)・20日(月)は、
神田警察署のとなりに、現代美術作家の椿昇さんと
哲学者の室井尚さんによる巨大なバルーン作品
「インセクト・ワールド-飛蝗」が出現。
全長50mのバッタの体内をめぐれるツアーもあります。

10月12日(日)は、旧東京電機大学跡地にて
ライブストリーミングスタジオ/チャンネル「DOMMUNE」の
キュレーションによるプレミアムライブを開催!
NINA KRAVIZ、Oval feat. Ametsubらによる
最前衛エレクトロニック・ミュージック・イベントです。

そのほか、期間中は神田、お茶の水、神保町一帯で
さまざまなイベントが開催されます。
イベントによって開催日・場所が異なりますので、
詳細は各プログラムページをご覧ください。→こちら
TRANS ARTS TOKYO
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木造旅館が、 ゲーム制作会社の社屋へ大変身! シーンデザイン一級建築士事務所 vol.03

シーンデザイン一級建築士事務所 vol.03 
アソビズム長野ブランチプロジェクト

今回は、東京に本社を置く会社「株式会社アソビズム」の
長野支社にまつわるリノベーションのお話です。
このプロジェクトでは、リノベという“つくりかた”をより意識したものになりました。

株式会社アソビズムは「ドラゴンポーカー」「ドラゴンリーグ」といった
スマホ向けのアプリを手掛ける、秋葉原に本社を構えるゲーム制作会社です。

2012年、代表の大手智之さんは、理想の子育てを求め、
ご家族そろって長野に移住してきました。
お子さんと一緒に参加した体験キャンプで触れた自然体験から、
「長野こそ“未来の教育”へ向けたチャレンジに向いている地である」
との思いが強くなったそうです。

さらに大手さんは、秋葉原にある本社はそのままに、
アソビズム長野支社(通称:長野ブランチ)の設立準備をはじめました。
最初は、駅前の貸事務所ビルといった物件を見ていたそうですが、
せっかく長野に来るのに東京と変わらない環境ではつまらないと、
善光寺門前界隈の空き家物件に興味を持つようになり、
マイルームの倉石智典さんと出会いました。

大手さんから聞く、アソビズム長野ブランチの構想は、
これまで門前界隈で行ってきたリノベ物件より規模が大きく、
建築や設備に対しても、より専門的な分野の経験が必要であることが予想されました。
そうしたことから、2013年、物件探しの段階からシーンデザインも加わり、
CAMP不動産としてプロジェクトを進めることになりました。

早速、大手さんと善光寺門前界隈のいくつかの物件を一緒に見てまわった末、
善光寺の西に位置する桜枝町に建つ元旅館「飯田館」を
アソビズム長野ブランチとしてリノベーションすることが決まりました。

長い間、放置されてきた空き家たちは、よほど想像力を豊かにそのまなざしを
向けない限り魅力的には見えないと思います。
ましてや建築を専門としていない方にとっては、なおさらだと思いますので、
大手さんには、よくご決断して下さったと感謝しています。

リノベ前の元旅館「飯田館」の外観。

現場に何度も足を運んでは、どのように使えるか想像します。

先ずは実測調査。既存平面図を作成します。
それをもとに大手さんからの要望を整理し、
場所の使い方の簡単なスケッチを数枚描いてイメージの共有を図ります。

あくまでイメージ。状況に合わせて現場はどんどん変わっていきます。

そのほか、建物のスペックについて打ち合わせを重ね、
ある程度内容が見えてきたところで、概算を提示して工事を始めちゃいます。

相変わらず、この時点で詳細図面がありません(汗)。

CAMP不動産的工事スタイル

前回で紹介した、「藤田九衛門商店」の“つくりかた”は、いろいろなことが手探りでした。

こうした工事の進め方は、マイルームの倉石さんがそのベースをつくってきました。
図面がほとんどない状態で工事が始まるスタイルはドキドキですが、
一方では、より自由度が増し、リノベ工事には合っていると思います。

考えてみれば、かつて大工の棟梁は、必要最低限の図面だけで、
旦那との信頼関係のもと、職人を束ねて建物を建てて、
その仕事に見合う報酬を得ていたのですから、
工事の進め方として全く新しいわけではないのかもしれません。

しかしながら現代では、細切れになった工業部品を、
設計図をもとに、これまた細部に分業化された専門職によって
順序良く組みあげていく“つくりかた”が大半を占めています。
建築工事の場合、“もの”ができる前に工事費を決めて契約をするので、
できるだけ予定通りに進んでもらわなくては大変です。

現場では、事前に描かれた図面に即した施工がされているか、
チェックすることに力点が置かれ、工事の責任の分界点もはっきりしています。
それは、とても合理的な“つくりかた”ではあるのだけれど、実は、こうした“つくりかた”が、
現場から想像力を奪っているのではないだろうかと思うことがあります。
指示された通りにきれいにつくることはできても、
細かい部分で判断を迫られたとき、手が止まってしまいます。
つくり手が現場の状況や施主の要望などから、
なにをどうつくるべきかを「想像する」ことに慣れていないのです。

そういうこれまでの“つくりかた”に対して、CAMP不動産的なリノベ工事のスタイルは、
工事費も、工期も、内容もすべてがあいまいなまま工事がすすんでいくので、
これまでの感覚でいると、施主にも設計者にも施工者にも理解され難いスタイルだと思います。

そんななか、自分たちの仕事場は自分たちでつくっちゃおうという、
アソビズムの真にクリエイティブな思想とCAMP不動産との相性が合ったのだと思います。

工事を振り返り、アソビズムの大手さんはこんな風に話していました。

「今回、本当に設計図も完成予想図もなしでのスタート。
共有したのは軽いラフスケッチと、コンセプトだけ。
これまでのオフィスづくりではあり得ないやり方で、正直不安の方が大きかったですが、
考えてみれば、僕らのゲーム制作も、コンセプトを決めたら後は
ひたすらビルド&クラッシュで、仕様書などつくらずに進めていきます。
その方が観念や余計な重力に引っ張られずに、
素直に核の面白さだけを考えて進める事ができるからです。
そう考えれば、リノベーションのようなアドリブが入り込む余地のある建築スタイルでは、
この方法がむしろ適しているのかもしれませんね」

大手さんにおいては、さぞかし不安であったろうなと思います。
しかし最終的には、分野は違えど、クリエイティブな仕事をされている方に、
ものづくりという点で共感していただけたのならうれしい限りです。

壊しながら考え、つくりながら考える

さて、いよいよ工事が始まります。
先ずは、解体工事から。

設計者は、解体業者に、どこを解体してどこを残すか図面で指示することが一般的ですが、CAMP不動産では、現場で要るものと要らないものを判断して、
どんどんしるしを付けていきます。

壁や長押(なげし)に貼られた〇×△テープ(ちょっとわかりづらいですが・・・・・・)。

〇は残す。×は壊す。△はそっと外して再利用。
至る所にしるしが描かれたテープが貼られていきます。

おぼろげな平面プランはありますが、そもそも詳細な図面がないのですから、
現場で思考が止まることがありません。

壊しながら考え、つくりながら考えます。
その都度、クライアントの用途要求に対して最適最善と思われる方針を見つけ出し、
どんどん施工していきます。

解体工事が一通り済むと、空間のボリュームが見えてくるので、
よりその先をイメージしやすくなります。

飯田館の2階、客室押入れの天井の一部から天井裏を覗くと、そこには、
トラス構造の小屋組み(三角形をつくるように部材を連結して構成された構造形式)が
ありました。

門前界隈の旅館や倉庫建築によく見かけるこの構造は、
内部に柱がない大きな空間をつくることができます。

解体工事前の飯田館の2階は多くの小さな部屋に小分けにされていましたが、
この洋小屋組みを確認できたので、壁を取り払い、
執務室を大きな一つの空間にすることが可能だと判断できました。

あわせて、このトラス構造も空間を特徴付ける要素として是非見せたい!
ということで、天井を取り払い洋小屋組を現すことにしました。

飯田館の天井裏から現れた洋小屋構造。

そこには何ともダイナミックな空間が出現。
空間の変容ぶりに、関係者一同一気にテンションが上がります。

現場を見ながら、
トップライトやサイクルファンの最適な位置を検討できるのもリノベならでは。

光の入り方や、空気の流れなども、机の上で考えるのではなく、
現物を見ながらだから間違いがありません。

屋根断熱と天井板を張って、部屋の奥まで陽が入り込む、
とっても気持ちのいい天井のできあがり!

新しい天井のかたちが見えてきました。

木製OAフロア

“OAフロア”っていう言葉。
聞いたことがある方は多いのではないかと思います。
フリーアクセスフロアなんて言い方もします。
オフィスにおいて、パソコンなど多くの配線を必要とする場所に設置される床のことで、
これを使えば机や家具類の配置に影響されずに配線ができて足元がすっきりします。

一般的なオフィスビルに施工されるOAフロア。

当然アソビズムも、ゲーム制作会社ですからパソコンをたくさん使います。
なので、長野ブランチにもこのOAフロアをご希望されていました。

ただ、上記のような既製品のOAフロアを使うとなると、
床仕上げはタイルカーペットかビニルタイルになってしまいます。

床がタイルカーペットでは、せっかくの木造老舗旅館リノベなのに面白くない。
まるでオフィスになっちゃう(いや、オフィスなのですが・・・…)。

ということで、アソビズム長野ブランチでは、
根太(床下地)で配線ピットをつくって板で蓋をしてOAフロアの代わりとしました。

真ん中が配線ピットになります。
そして、ピットの壁際の下階は押入れを改造したサーバールーム。

仕上げはフローリングの巾と合わせた板で蓋をしました。

根太方向を工夫して配線を通すスペースを確保。

手掛け(板を外すために指を入れる穴)兼配線出しのための穴を等間隔に開ければ、
立派なOAフロアになりました。機能的にはこれで十分。

古くて新しいオフィス

そんなこんなで、ローテク満載でハイテクIT企業のオフィスを考え、工事が進みました。
見た目は古いけど、実は近代的な、ここにしかないオフィスの完成です。

基本的には外観を変えることなく再塗装のみを施しました。

輻射冷暖房と真空ガラスの採用で、快適な執務空間。

一階はスタッフのサロンであったり、応接や地域交流の場として活用されています。

根太表しの天井は、旅館だった頃の天井そのまま。

お風呂と洗面所だったスペースはバーカウンターになりました。

014年2月14日、記録的な大雪の中、
アソビズム長野ブランチはようやくオープニングを迎えることができました。
当日は県内外から、交通機関の乱れにも関わらず、
たくさんの方がお祝いに駆けつけてくださり、
アソビズムという魅力的な企業が長野に支社をつくったというインパクトと、
そんな企業が木造旅館をリノベした建物をオフィスにしたことが
地元メディアにも大きく取り扱われたりもしました。

リノベ工事の様子は、シーンデザインのブログでも紹介していたこともあり、
うわさを聞きつけて、かつての飯田館の所有者から
以下のようなコメントをいただきました。

「飯田館は私の実家でした。数年前ある住宅会社に売却しました。
買主は解体して駐車場にすると言っていたのですが、
さっぱりその様子がなく近年は放置されているような感じで、とても心配しておりました。
少し前に地元在住の同級生から、NHKや信濃毎日新聞で
お前の実家のことが出たと知らせを受けており、
このたび貴社のHPで懐かしい飯田館の改修工事の様子を拝見し、
とても嬉しくまた安心いたしました。
いつか兄弟で生まれ変わった飯田館を見に行けることを願っています」

とてもうれしいコメントでした。

まちには、合理的でわかりやすいことだけではなく、
さまざまな割り切れない気持ちがたくさん潜んでいるのだと思います。
私たちは、そのことを、まるでなかったことのように消してしまうのではなく、
いったん引き受けてみる態度をとることは、
実はとても大切なことなのではないでしょうか。

積み重ねてきた記憶を受け継ぎながら活用していくことが、
まちの“奥行”をつくっていくのだと信じています。

information


map

株式会社アソビズム 長野ブランチ

http://www.asobism.co.jp/nagano/

YCAM「地域に潜るアジア:参加するオープン・ラボラトリー」前編

「場」を見せる、という展覧会。

山口市にある山口情報芸術センター[YCAM]では、7月5日から9月28日まで、
展覧会「MEDIA/ART KITCHEN YAMAGUCHIー地域に潜るアジア:
参加するオープン・ラボラトリー」が開催された。
これは、東南アジア4か国で開催された国際交流基金主催の展覧会の
山口版ともいえる展覧会で、アジアからやって来たアーティストたちが
山口の各地域に潜り、さまざまなフィールドワークをもとに、
地域の人たちとつくり上げるような展覧会だ。
展覧会といっても、ふつうの展覧会と少し違うのは、
会場に行っても完成された作品が展示してあるわけではなく、
そこにあるのは「場」でしかない。
タイトルにもあるように、ラボラトリー、つまり作業場のようなスペースがあり、
アイデアや活動が生まれていく場が開かれている、という企画展なのだ。

会場には5つのラボラトリーが開設された。
「竹のラボラトリー」では、ヴェンザ・クリストとユディ・アスモロという
インドネシアのアーティストが活動。
彼らはインドネシアのジョグジャカルタで、
テクノロジーとアートのためのラボ「HONF Foundation」を設立していて、
アーティストと専門家や学生などによる緩やかなコミュニティが、
地域課題に取り組むプロジェクトを展開している。
インドネシアでは建材として利用されている竹が、
山口ではほとんど利用されていないという現状に目を向けたヴェンザたちは、
地域の人たちと一緒に竹の問題について考えていった。
またそこから、大阪の建築グループ「ドットアーキテクツ」による
会場デザインのアイデアも生まれ、実際に竹を利用したラボラトリーが会場に出現した。
今回ヴェンザが潜った山口市の阿東地区での展開については、
後編で詳しく紹介していく。

今年3月に山口市の阿東地区の農家、吉松敬祐さんを訪問するヴェンザ・クリスト(写真左)。活動に共通点が多く、話が盛り上がるふたり。

「食物のラボラトリー」では、マレーシアのリム・コクヨンとヤップ・ソービンによる
「オペラシ・キャッサバ」というプロジェクトが展開。
キャッサバは、タピオカの原料としても知られる南米原産の作物で、
東南アジアでは一般的な食べ物のひとつ。
第二次大戦下に、旧日本軍が主食である米を独占してしまったために、
現地では重要な食糧となって一般的に定着したという経緯がある。
オペラシ・キャッサバは、キャッサバを通して
マレーシアの文化的アイデンティティを探るプロジェクトとして、
キャッサバにまつわる記憶やレシピを投稿できる「キャッサバ・ミュージアム」を、
2012年にインターネット上に立ち上げた。
今回はキャッサバ・ミュージアムのYCAM版を制作したほか、
実際にYCAM内に小さな畑をつくり、キャッサバを栽培している。
また、山口市で食文化について考える活動を展開する
津田多江子さんによるワークショップも開催された。
実際にキャッサバを調理し、リム・コクヨンのおばあさんのレシピを再現することで、
個人の記憶を追体験するようなワークショップになった。

YCAM内の中庭にキャッサバ畑が出現。

会期直後に開催されたワークショップ。キャッサバを調理するヤップ・ソービン(写真右)とリム・コクヨン(写真左奥)。

「穴のラボラトリー」は、田村友一郞による「話」のラボラトリー。
人の口から耳へ、そしてまたその人の口から別の人の耳へと
「穴」を通して話が広がっていくことをイメージしている。
館内ツアー「Y市の出来事」では、普段よりYCAMの展覧会ナビゲーターを務める
サポートスタッフと呼ばれる女性たちが案内人となり、
来場者から山口にまつわるさまざまな話を、日々聴取している。
ツアーの導入では、田村自身が取材した、日本で唯一、民間で継承されている
山口鷺流狂言にまつわる話を紹介しながら、来場者から話を引き出している。
ツアーを介して、サポートスタッフの女性たちにより集められた話は160話にのぼり、
経過報告会「名勝 Y市の穴巡り」の中で、
女性たちのドキュメント映像とともに、一部の話が公開された。

「Y市の出来事」経過報告会「名勝 Y市の穴巡り」の様子。

「名勝 Y市の出来事」で公開された、集められた話の一部。

「音のラボラトリー」では、山口にまつわる音源が公開されていた。
ひとつは山口市在住の民謡研究家、伊藤武さんが
山口県の各地で録音、保存してきた「作業歌」。
作業歌とは、昔の人が農作業などさまざまな作業をしながら
作業効率を上げるために歌っていた歌で、
山間部では農業や林業にまつわるものが多く、
沿岸部では塩や石材産業にまつわる歌が多い。
いまではほとんど失われてしまった作業歌を、50年にわたり、
伊藤さんが歌い手を訪ねて録音、収集したこのライブラリーは、とても貴重なものだ。
もうひとつは、YCAMと坂本龍一のワークショップ
「walking around surroundー山口の音に耳を傾ける」のために、
2012年に山口市の小学生たちが行ったフィールドレコーディングの音源で、
現代の山口市のさまざまな風景が音によって浮かび上がってくる。
これらの音源を参照しながら、シンガポールのミュージシャン、
バニ・ハイカルが地域に潜り、音という切り口でフィールドワークを行った。

8月2日、3日に開催された大友良英FENオーケストラでのバニ・ハイカル。

そして5つ目のラボラトリーが
「メディア・テクノロジーと地域をつなぐラボラトリー」。
担当するのは「YCAM地域開発ラボ」だ。
YCAMが培ってきた技術やノウハウを、「地域」を通じて考え、
応用していくためのラボラトリー。
会場内に何でも投函できるポストを設置して、
地域の人たちから寄せられた課題や生活の知恵を貼り出し、
まずその共有からスタートして、人々がアイデアを交わしたり、
話し合ったりできる場を提供している。

5つのラボラトリーのひとつである「地域開発ラボ」。

竹筒でできた何でも投函ポストは、山口市の形になっている。

「YCAM地域開発ラボ」がめざすこと。

最後に紹介したラボが、実は現在の、そしてこれからのYCAMの姿勢を象徴している。
昨年10周年を迎えたYCAMで、11年目の今年、「地域開発ラボ」が発足した。
といっても、それはゼロからのスタートではなく、
YCAMがこれまでも教育普及プログラムなどを通じて
地域と関わってきたなかでやってきたこと。
YCAMの持つ技術や蓄積を地域社会に還元していくことに、
より力を入れていくということだ。ひとつの決意表明にもとれる。
まずは異なる地域、分野、年代の幅広い人材が、YCAMを介して関係性が持てるような、
いい意味で混沌としたプラットフォームづくりが大事だと、
地域開発ラボの菅沼聖さんは話す。

「今回の展示でもその姿勢を表しています。
ポストに山口の人たちが持っている地域の知恵を投函してもらう。
もしかするとそれはYCAMにとって新鮮な“知識”や“アイデアの種”になるかもしれません。
異なる分野の知識を集めて、生活や地域に根づく“知恵”をつくっていく、
YCAMはそんな場所になれる可能性を秘めていると思います」

「YCAM!知恵袋」に投稿された内容について、寄り合い形式で話し合うワークショップ。

たとえばこんなものがほしいとか、これをつくってほしいというような声に対して、
全部打ち返すことが正解ではない。地域課題に対して、
YCAMの技術で解決できるとしても、安易にそうしてしまうことが
必ずしも地域に貢献することにはならないと、菅沼さんは考えている。

「ひと言で地域課題といっても、その内容は多種多様。
当事者が高いモチベーションを持って原動力とならなければ、
解決することも、持続することも難しいと思います。
YCAMができることは、当事者とのコラボレーションが起きやすい
環境づくりに専念すること。地域、職業といった隔たりを超えて、
アイデアや課題を共有できる場所になれればと思います」

キッズ向けのものづくりワークショップも定期的に開催。

YCAMが以前から取り組んでいることのひとつに、
プロジェクトのオープンソース化がある。
坂本龍一と共同制作した「フォレストシンフォニー」は、
木の生体電位を採取してそれを音に変換するというものだが、
その制作に使ったハードウェア、ソフトウェア共に
インターネット上で公開して世界に発信している。
これは別の分野の人、たとえば農業に従事している人が知識としてとりこんだ場合、
まったく違う発想になるかもしれない。
また、プロジェクトのオープンソース化と同様に、
共同研開発の契約書までもオープンにしているのだという。
そのように活動を世界に発信したりオープンにしていくことは、
YCAMが培った技術や知恵が世界のどこかで有効利用され、
さまざまな可能性を生むことにつながる。

「地域課題というと内向きの印象を受けますが、
似たような課題を抱える地域は世界中に多く存在します。
世界規模で連鎖的に知識の応用が行われた結果、
地域の知恵がポンと生み出されるような事例をYCAMでつくりたいですね。
今後も公共文化施設と地域との新しい関係性を模索し、その手法が他施設のモデルとして
参照されていくような試行錯誤を続けていきたいと思います」

11年目から決意も新たにスタートした「YCAM地域開発ラボ」。
今回の展示に限らず、その可能性に今後とも注目していきたい。

「高田馬場新聞月間」この1か月間は高田馬場がオモシロい!朗読劇からハロウィンまでイベント目白押し

高田馬場のあらゆる情報を紹介するwebマガジン「高田馬場新聞」が
10月4日(土)から11月3日(月・祝)までの1か月間、
様々な切り口でまちの魅力を伝えるイベントを開催します!

高田馬場に関わる人たちが中心になり、先生となって
歴史・文化・教育・グルメ・エンタメと多岐にわたるイベントを続々開催。
6人の声優たちによる朗読劇、
高田馬場で育てた江戸野菜“内藤とうがらし”を使ったメニューが
楽しめる「バル辛フェスタ」を皮切りに、
いま流行のアメリカ発の週末起業体験イベントや、ナゾ解き、
プロのメイクと食事が楽しめるハロウィンイベントといった大人向けのものから、
無料の料理教室、宇宙教室、染色体験など
子供たちと一緒に楽しめるものまでもりだくさん。
(なんと子供向けプログラミング教室も!)
これだけあればひとつくらい興味がわいてくるものがあるはず。
これからの1か月は高田馬場に注目です!

「高田馬場新聞月間」イベント詳細
■朗読劇 R Rangerz ~first mission~
コンビニ強盗との奇妙な共同作業。謎の鍵にあう鍵穴をさがす冒険。
集英社WEB文芸「RENZ ABURO」の人気企画「オツイチ小説再生工場」から生まれた
乙一の著書「箱庭図書館」より2つの物語を6人の声優たちが声でお届けします。
日時:2014/10/04 sat.15:30〜 /19:30〜
※2回公演。開演30分前に開場。
会場:四谷天窓
東京都新宿区高田馬場3-4-11 BaBa hatch3F
費用:¥2,000(+ワンドリンク)

■バル辛フェスタ
江戸野菜「内藤とうがらし」再興プロジェクトで育てた唐辛子を使った
街バルイベント。チケット1枚でワンドリンク、ワンフード。
辛いものが苦手な方用のメニューもご用意しています。
日時:2014/10/04 sat.〜10/08 wed.17:00〜
※参加各店舗の営業時間(定休日の場合もあります)
会場:参加30店舗
費用:¥3,000(当日券¥3,500)
4シート1枚綴りのチケットをご購入ください。

■ババゼミ「不動産賃貸の知っておくと得するセミナー」
「退去費用」などの検索ワードでgoogle 検索ランキング1位のブログを運営する
高田馬場の不動産屋さんによる部屋探しと退去時に役立ち情報をお届けします。
日時:10/05 14:00〜16:00・10/17 19:00〜20:30
会場:Linesman
東京都新宿区高田馬場3-16-2
費用:無料(各回定員10名)

■ババゼミ「本場のキムチ作り方教室」
高田馬場の人気韓国料理店「味音(みそり)」で教わる、秘伝のレシピ。
これであなたもキムチマスターになれる、かも!
日時:2014/10/07 tue.14:30〜16:30
会場:韓国料理 味音(みそり)
東京都新宿区高田馬場1-31-8
費用:無料(各回定員10名)

■ババゼミ「パティシエに教わるスコーンの作り方」
戸山公園近くにあるかわいいカフェ「リスカフェ」では、
オーナーパティシエ前田峻行さん直伝の、おいしいスコーンの作り方教室を開催します。
日時:2014/10/08 wed.10:00〜11:30
会場:リスカフェ
東京都新宿区大久保3-9-5
費用:無料(定員10名)

■ババゼミ「むくみ予防・痩身のセルフケア」
むくみ予防のセルフケアや、美脚になる歩き方、ホットジェルを使って
気になる部分のセルフマッサージを整体のプロが教えます。
※ホットジェルのプレゼントがあります。
日時2014/10/10 fri.15:00〜16:00
会場:おからだ整備処DOCK
東京都新宿区高田馬場1-28-6 清光ハイム704
費用:無料(定員5名)

■Startup Weekend Tokyo COMICS
アメリカ発、世界中で開催されている週末起業体験イベント
「StartupWeekend」が高田馬場に上陸!
テーマは「COMICS」。高田馬場から新たなビジネスが生まれます。
日時:2014/10/11 sat.〜10/13 mon.
会場:CASE Shinjuku
東京都新宿区高田馬場1-28-10 三慶ビル4F
費用:¥9,000

■Coder Dojo Shinjuku vol.5
小中学生を対象にしたプログラミング体験教室。
子供向けのプログラミング言語「Scratch (スクラッチ)」を使用します。
イベントの詳細・お申し込みはコチラから
日時:2014/10/18 sat.10:00〜11:00
会場:CASE Shinjuku
東京都新宿区高田馬場1-28-10 三慶ビル4F
費用:大人¥1,000 子ども¥500(会場払い)

■親子で楽しむ 高田馬場☆秋の宇宙教室
毎回80名規模の親子が集まる、大人気の天文イベント。大迫力の3D映像で、
子供たちと一緒に「秋の星空」と「宇宙」を楽しんでみませんか?
日時2014/10/19 sun.14:00〜16:00 (13:30開場)
会場:CASE Shinjuku
東京都新宿区高田馬場1-28-10 三慶ビル4F
費用:無料(定員80名)

■Light Painting Workshop〜光で描くアートの教室〜
暗闇の中でペンライトを絵筆のように使って絵を描く“ライトペインティング” ワークショップ。
カメラの仕組みを学びながら素敵な光のアート作品をつくりましょう。
日時:2014/10/19 sun.18:00〜20:00
会場:CASE Shinjuku
東京都新宿区高田馬場1-28-10 三慶ビル4F
費用:無料

■和文化体験「染色体験」
東京の伝統産業である染め物工房で、外国人も楽しめる染色体験を開催。
日本文化を海外へ発信します。
日時:2014/10/20 mon.14:00〜16:00
会場:東京染ものがたり博物館
東京都新宿区西早稲田3-6-14
費用:¥2,000

■高田馬場寄席 落語「高田馬場」ほか
高田馬場にゆかりの古典落語「高田馬場」。
高田馬場にお住まいで“たかたのばば寄席”を定期開催している
三遊亭金朝師匠をお招きして楽しみます。
日時:2014/10/22 wed.18:00〜19:30(17:30開場)
会場:東京三協信用金庫本店
東京都新宿区高田馬場2-17-3
費用:¥1,500(定員100名)

■起業家のためのプレゼンテーション教室
起業を目指す起業家必見。
絶対に眠くならないプレゼンのコツの伝授と実地訓練を、
研修講師うだがわおさむがお届けします。
日時:2014/10/24 fri.19:00〜21:00
会場:消費生活センター分館
東京都新宿区高田馬場1-32-10
費用:資料代実費¥500(定員30 名)

■高田馬場の写真集をつくりませんかプロジェクト
高田馬場の本当の魅力ってなんでしょうか?みんなで高田馬場のお勧めしたいところ、
わくわくするところをみつけて、写真集にしてみませんか?
日時:2014/10/25 sat.13:30〜17:00
会場:戸塚地域センター地下1階 集会室1
東京都新宿区高田馬場2-18-1
費用:500円

■ババゼミ「肩こり・腰痛・体の歪みのセルフケア」
普段の生活や仕事で凝り固まった肩甲骨や股関節にアプローチ。
バスタオルや椅子を使ってでできる、簡単なストレッチを中心としたセルフケアを行います。
日時:2014/10/25 sat.15:00〜16:00
会場:おからだ整備処DOCK
東京都新宿区高田馬場1-32-10
費用:無料(定員5名)

■親子で楽しむ 高田馬場落語会
立川談幸師匠の「親子で楽しむ子供寄席」。子供も大人も楽しめる噺を2席!
日時:2014/10/26 sun.
時間:11:00〜12:30
会場:CASE Shinjuku
東京都新宿区高田馬場1-28-10 三慶ビル4F
費用:大人¥1,000 子ども(小学生まで)無料
(5歳以上・保護者同伴にて)

■ババデハロウィン〜本気メイクとおいしいごはん〜
メイクアップアーティストMANAMIの手で、高田馬場が大人の遊び場に!
本気メイクとおいしいごはんをセットにしたチケットをご用意しています。
コスプレだけでの参加はもちろん自由!
日時:2014/10/31 fri.16:00〜19:30(要予約)
メイクの開始時間と食事の時間をご予約頂きます。
メイク会場:消費生活センター分館
東京都新宿区高田馬場1-32-10
会場(食事):3店舗からお選び頂けます。
費用:¥5,000
※メイクとお食事代を含みます。衣装は各自ご用意ください。

■リアル謎解きin高田馬場
テーマパークなどでも話題の「ナゾ解きイベント」が高田馬場に登場!
街のあちらこちらに仕掛けられたナゾを解いた先には……?!
日時:2014/11/01 sat.〜11/03 mon.
受付:CASE Shinjuku
東京都新宿区高田馬場1-28-10 三慶ビル4F
費用:¥2,000

高田馬場新聞
高田馬場新聞月間特設ページ
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大館市の秋田犬 「ののちゃん」日記 第5回 。 大館・北秋田芸術祭2014 『里に犬、山に熊。』 直前レポートですのん。

朝晩、めっきり寒くなってきましたのん。
みなさんお元気にお過ごしですか?のん。
ののはいつも事務所の、のののテラスで街の様子を
伺いながら広報戦略を考えてますのん。

秋田市のガラス工房 「ヴェトロ」の看板娘さん ムーコちゃんせんぱいとおさんぽ!

いよいよ10月4日(土)から開催される
大館・北秋田芸術祭2014 『里に犬、山に熊。』」!
ののも毎日多忙に広報戦略室のお仕事頑張ってますのん。
青森県八戸市や秋田市のラジオ(犬初!)に出演したり、
芸術祭のテレビCMにも主演で張り切りましたのん♪

八戸でラジオ出演!

CMでは、サイトウタクヤさんに作ってもらった「のののうた」をバックに
根子-ねっこ-トンネルをぴょんこぴょんこと走ってますのん。

オープニングイベントは「根子フェス2014+DOMMUNE」。
会場をいっぱい走って、オレンジ色の異次元の雰囲気を
お伝えしましたのん。ここでしか味わえない空間、
ぜひご自分の目と耳と肌で感じてください!
イベントの詳細は→こちら

会期1週間前の各展示会場では、作家さん、スタッフさん達の
設営と搬入、制作ラッシュですのん!
朝から深夜までお疲れ様ですのんのん。ののも応援でお水の
差し入れ持って行ったり、会場周辺を巡回したりしてますのん。
室長として責任意識も強くなってきましたのん。

大館エリア:「栗真由美×街の記憶「builds crowd」」ごくろうさまです!お水をどうぞ~!

大館エリア:ののパパの展示会場、正札竹村前ここでは10/4にどなたでも参加できるストリートスナップの撮影イベントもやりますよ!

大館エリア:「藤浩志×秋田犬×こどもの遊び場」 ののも遊びたい!

【ののからのお知らせ】
大館・北秋田芸術祭 全国公募展では、
「のの」をテーマにした作品展も開催します。締切は10月7日(火)まで!
みなさん、ののの作品~絵、ぬいぐるみ、お菓子、お洋服、写真~なんでも
お待ちしておりますのん。全国公募展以外の作品展もあるので、
いっしょに楽しんで欲しいですのん。

■芸術祭全国公募展 公開講評会
ゲスト講師があなたの表現に向き合い対話する公開講評会!
日時:10月13日(月・祝)11:00-
会場:大館市樹海体育館
講師:藤浩志(美術家・十和田市現代美術館 館長)
中村政人(アーティスト・東京藝術大学准教授)

■ポコラートシンポジウム
日時:10月13日(月・祝)14:00-
会場:大館市樹海体育館
同時開催:生(き)の芸術・展
同時開催:ポコラート宣言2014/大館展

こちらは、先日の東京出張でパトリシア・ピッチニーニさんの
作品「Skywhale」と記念撮影パシャリしましたのん。でっかいのん!
左がパトリシア・ピッチニーニさん。
秋田でもおっきなクジラさんが飛ぶの!楽しみですのん。

「パトリシア・ピッチニーニ×環境」 巨大なクジラが景色とコラボ。
会場:北秋田市 阿仁合/阿仁河川公園
時間:10月4日(土)/10:00〜14:00 16:30〜20:00
   10月5日(日)/10:00〜17:00
会場:大館市 桂城小学校グラウンド
時間:10月11日(土)、12日(日)/10:00〜14:00 16:30〜20:00
   10月13日(月・祝)/10:00〜17:00

まだまだ、みなさんにお伝えしきれないイベント・展示がありますのん。
次回は、会期中の様子をののがしっかりと報告いたしますのん。
お楽しみに~ののん。

大館・北秋田芸術祭2014「里に犬、山に熊。」
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ゲストハウスに長屋、 緑豊かな庭に交差する それぞれのストーリー。 HAPS vol.2

HAPS vol.2
空き家だったお屋敷が、ゲストハウスとアーティストのアトリエへ

京都市東山区、HAPSのオフィスからも徒歩10分くらい。
清水寺や三十三間堂にも近く、五条通りと東大路という
観光客の行き交う大きな交差点から路地を少し入ると、
「常松庵」という看板がかかった日本家屋が見えてきます。
敷地の中に入ると、目に飛び込んでくるのは中心にある緑濃い庭です。
約400坪という、常松庵の広い敷地には池泉庭園を囲むように、
母屋であるおよそ築100年ほどの日本家屋や、
さらに、築100年ほどの長屋5軒も並んでいます。
庭の一角には小さなお稲荷さんも祀られています。
入り組んだ路地に沿って細長い町家が並ぶこのエリアで、
池を伴う広い庭園があるのもなかなかない物件です。

これらの建物が10年以上ほぼ手つかずのまま空き家となっていたところを、
昨年末にこの物件に出会った女性が、今年に入ってから改修に取りかかり、
母屋は2014年8月にゲストハウスとしてオープン。
長屋には、HAPSのマッチングで、春から夏にかけて、
この場所に惹かれたアーティスト2名が入居しました。
自分たちでリノベーションをしつつ、暮らしています。
ちなみに、そのうちのひとりは、
前回紹介したHAPSの壁づくりワークショップをはじめ、
脚本執筆から映像・舞台制作、アート媒体の編集など、
多方面で活動しているアーティスト、山田毅さんです。

常松庵を運営する大門さん。この日は庭の池近くに、ススキを植えたばかり。

常松庵全体の借り主となり、賃貸や宿泊施設の運営を行うのは、
HAPSのオフィスのご近所、松原通りで
おばんざい屋「ゆたか屋」を営む大門美鈴さん。

大門さんは、もともと賃貸業を手がけていましたが、
ご家族や生活の変化を経て夢を追いかけていこうと考えていたころ、
この場所に出会いました。
それが、ちょうど1年前の2013年夏。
最初に常松庵を見たとき、ジャングルのように生い茂った庭と、
古い家財やごみ一杯のお屋敷の中で、光が見えたそうです。
「夢がここにあった」と。
古いものが好きで、ガーデニングの資格も持つ大門さんにとって、
古い家がそのまま残され緑豊かな日本庭園がある常松庵は理想的な物件でした。

年明けて2014年1月から、庭や建物の片付けを開始。
母屋を宿泊施設として稼働すべく、
春から工務店による改修工事が始まりました。
自身も、それまで住んでいた高雄の古民家から、常松庵の住居に移りました。

部屋を仕切る襖を壁に作り替え、客室を確保。
浴室や洗面所を新設して宿泊施設として改修していきました。
バリアフリーに対応するよう手すりも設置。
5月頃からは、草取りにはじまり、
毎日庭の植物に手を入れ、石を並べ玉砂利を敷き、整えていきました。
約半年の改修期間を経て、ゲストハウス「常松庵」として無事オープン。

改修中、近くに住む大家さんが見にいらして、
「こんなにきれいにしてもろて」とおっしゃったり、
ご近所の方々からも「是非中を見せてほしい」
と言われているところだそうです。

当初の状態からは見違えるような、
しかしおそらくは、建物や庭が本来持っていた力が見事蘇り、
新しい住人たちとともに新たなサイクルが始まっているようです。

かなりの大事業となった改修ですが、
「私たちが楽しんでいればそういう場所になっていくと思うし、
縁があって集まった方を大事にしたい」と語る大門さん。
実際に、緑豊かな庭を眺めながらお話していると、
時を忘れてしまうような独特の空気に満ちた空間です。

一方、長屋の一角に住みながら、現在も改修を自らの手で継続中の山田毅さん。
東京都出身で、京都に移り住んでからはまだ1年半ほど。
常松庵以前は二条城近く、京都タワーと大文字山も見通せる、
眺めのよいマンションに住んでいました。
2014年の年明け頃、心境の変化もあって環境をがらっと変えてみたいと、
HAPSにご相談いただきました。

現在の山田さんの住居部分。前に広い屋根付きスペース、奥に工房スペースがある。

実は、山田さんから相談を受けた時期に、
HAPSでもちょうど大門さんから「面白い場所を見つけたの」
と、常松庵のお話をいただいた頃。母屋はゲストハウスへの改修を考えていて、
同じ敷地にある長屋は活用方法を検討中でした。
5軒ある長屋のうち東側2軒は、
倉庫として使われていた土間のスペースが隣接。
「生活とともに手を動かせる場所、作品をつくれる工房を探している山田さんに、
うってつけなのでは」と、早速紹介しました。
最初の見学で、山田さんも「ここだ!」と直感的に感じたということで、
トントンとお話が進みました。
HAPSにとっても、ご近所にまたひとつ面白い場ができていく、
嬉しいマッチングとなりました。

改修前の台所の様子。

床の表面を剥がしてやすりがけし、明るくなったキッチン。業務用冷蔵庫も導入(2014年7月)。

京都ではまだ寒い春、4月を待って山田さんは引越し。
その前に、まずは寝室となる和室の床から、リノベーションを始動。
前回の記事にも登場いただいた、建築士の木村慎弥さんとともに、
作業を進めていきます。
改修にあたっては、「作品としての家づくり」ということを考えたそうです。

普通にしない。世界観のカタチ化。

住まいとしての構造はしっかり保ちつつ、意匠の部分は、
不便だったり時間がかかったりしても、面白いことをしてみようと。
そこで、本来ならば新しい床板を張ってしまうような台所も、
元の駆体を生かしつつ、
床をディスクグラインダーで丁寧に剥がして、
ガラスショーケースの業務用冷蔵庫を設置しました。

和室の床の構造をつくり直す。

和室の畳を上げると、床がシロアリに食われて、
ダメになっていたので、床下から手を加えました。
壁には作品を掛けられるよう、板を貼り重ね、壁を厚くして白く塗装しました。
電気工事も入れて、エアコンを取り付けました。
この工事は結構大変で、業者に依頼しました。

続いて、もともとは陶芸職人の倉庫として使われていたという、
隣接する土間スペースも、不要物は取り除き、徐々に工具などを導入して、
工房として機能し始めています。
このあたりから、つくりながら生活するカタチがなんとなく見えてきたようです。

寝室の壁面を新たにつくり、ペンキを塗る山田さん。(2014年7月)

最初に整った寝室部分。周りにはものづくりをする人たちが多いので、新たにつくった白い壁は作品展示スペースに。

住居に隣接する土間スペースは工房へと改修。

山田さんに今後のリノベーション計画を尋ねると、こんな答えが。
「今は自分が生活する最低限のスペースが完成しただけなので、
自分の周りにいる好きな作家さんの作品などをきちんと飾ったりして、
もう少し手を入れてお客さんを招ける家にしたいです。
この空間を生かして展示や、ワークショップなども開催したいし、
もっとこの場所を知ってもらいたいですね」

さらに、常松庵に住み始めてからの変化として、
家づくりを一緒に行った建築家の木村さんと、
同じ景色を見ている」というユニットでも動き始めました。
何かを「つくること」が身近になり、
個人での制作だけでなくワークショプなど活動の幅が広がったと言います。
山田さんは、実家は材木屋さんで幼い頃から工作に親しみ、
長じては映像や舞台の制作を手がけ、進学した美術大学では、
物語を空間に落とし込んで表現する作品制作をしていた山田さん。
「古いものに宿るストーリー性をカタチにしたい」
と最近は考えているそうで、
これにもまた常松庵での暮らしも少なからず寄与しているようです。
母屋の改修時に出た廃材や敷地内にあった古い家具などを貰い受け、
それらに手を加えて、新たな「もの」として活用することも計画中。

敷地内で見つけた古い階段を利用し、育てているハーブをディスプレイ。

山田さんは、ここに移り住んでから、
大門さんの「ゆたか屋」によくご飯を食べに行くようになりました。
そこで、私たちHAPSスタッフとばったり顔を合わせることも。
また、大門さんから家庭菜園の野菜をいただいたり、
庭木の剪定をお願いされたり、
先日も常松庵ウェブサイト用の写真を撮影したり。
敷地内にいる人々と日常的に会話があり、交流があるというのは、
今までの生活にはなかったことで、それが刺激的であり、
この場所の魅力なのだそうです。
さらにはゲストハウスもあるので住人以外にも、
たった数日だけここに滞在する人や、ロングステイで長く滞在する人もいます。
7月に来日したグアドループのアーティストも1か月滞在していました。
生まれた国もここにいる目的も違う人々がすれ違う、
交差点に立っているような感覚もまた面白いと、
常松庵での暮らしを楽しんでいます。

ウェブサイト用に写真撮影中の山田さんと常松庵マネージャー・水野さん。

庭木の葉が色づく頃、観光シーズンの京都で、
常松庵もこれからまた多くのゲストを迎えるはずです。
蚊が少なくなったら、庭でハンモックを吊るしたいと、
大門さんは計画しています。山田さんの住まいはどう変化していくのでしょう。
この豊かな場所から生まれるものや出会いを、
私たちもこれからも見守っていきたいと思います。

information


map

常松庵

住所:京都市東山区慈法院庵町594-1
TEL:075-525-0811

http://joshoan.com

「TOmagazine 品川区特集」広末先輩登場!東京のローカルを新鮮な視点で斬るタウンマガジン

実は脚光を浴びることが少ない、東京都内の
ローカルタウン。タウンマガジン「TOmagazine」は、
東京都内から毎号1つの区をターゲットにして
ディープに街を紹介していく画期的な雑誌です。
このたび、足立区、目黒区、中野区に続く
最新号「TOmagazine 品川区特集」が発売されます。

品川区といえば東海道新幹線の品川駅やオフィス街という
イメージがありますが、「TOmagazine」ではこれまでにない
視点から品川区を取り上げています。
まず注目は、表紙の女優・広末涼子さん!
広末さんが女優のスターダムを登り始めたころ、高知県から上京して
通っていた母校「品川女子学院」で撮影しました。
撮影は写真集「未来ちゃん」(ナナロク社)などでお馴染みの川島小鳥さん。
プロインタビュアーの吉田豪さんが、広末さんの内面を掘り下げるインタビューを
しています。ほかにも「愛の品川」というテーマのもと、多彩な記事が。

品川駅から徒歩0分の水族館、「しながわ水族館」をグラビアで。

花街・五反田のいま、むかし。

「空飛ぶ円盤」を探し続けた男・荒井欣一さんについて、「奇界遺産」著者の佐藤健寿さんが徹底取材。UFOと五反田の関係とは?!

ほか、古今亭志ん輔さん、まつ乃家栄太朗さんによるお座敷遊びや、
「初めての大井競馬場デートのために知っておきたい10のこと」
「デパート研究家、寺坂直毅が案内する、魅惑のTOCビル」
「区内在住者がおすすめ! ハイパーローカルな品川グルメINDEX 50」
など、知らない品川区の顔が盛りだくさん。
お買い求めは書店、もしくは通信販売で!

・TOmagazine 品川区特集号
発行:株式会社 双葉社
制作:東京ピストル
価格:本体¥1,300+税
URL:https://www.facebook.com/TOmagazine.tokyo

料理も家も、生活まるごとDIY! みんなの食堂のような空間です。 MAD City vol.12

MAD City vol.12
マンションのなかに「食堂」を作りたい!

大がかりな工事ではなくとも、ほんのちょっとの工夫で部屋の雰囲気をガラっと変える。
それが、DIYの特徴でもあります。
MAD City最終回となる今回は、
「まったく変哲のない部屋も、DIY次第で部屋の雰囲気だけでなく、
その部屋の持つ役割も大きく変えてしまう」という事例をご紹介したいと思います。

今回登場するのは、フードユニット・Teshigotoの古平賢志さん。
古平さんは、コロカルでもご紹介した「MAD マンション」の住人です。

彼はもともと彼はもともと飲食業界のサービスマンで、
現在はフードコンサルタント、プロデューサーとして、
飲食店のコンサルタントやケータリングのお仕事をしています。

MAD Cityでは、「食」のプロフェッショナルである古平さんと、
さまざまなイベントを開催しています。
たとえば、今年3月に開催したのは、発酵食品を自ら作るイベント「MISO WORKSHOP」。
これは、古平さん(Teshigoto)たちと一緒に、
味噌をはじめとした発酵食品を作るというワークショップでした。

MISO WORKSHOPの最後には、お弁当を持って、参加者みんなでお花見にいきました。

「食べものを作ることも、DIYのひとつだと思うんです。
だから、日頃はお店から買ってきてしまいがちな味噌などの発酵食品を、
自分で作る……という体験をしてもらいたいな、と。
味噌のほかに、キムチやベーコンなんかも作りました。
添加物たっぷりだけれども安価に売られているものを買うのと、
昔みたいに全部自分たちで手作りしてみるのは全然ちがう。
もちろん毎回やるのは大変だけれども、
たまにこういうワークショップを通じて、
かつて料理をなんでもDIYしていた時代のことを、
ほんの少し思い出してみるのもいいんじゃないかなって思ったんですよ」

そして、こちらはMAD Cityの物件のひとつである「FANCLUB」にて。
ビルのオーナーさんがおこなったパーティーでも、
Teshigotoさんがお料理を作ってくれました。

当日の様子。

ほかにも、同じくイベントスペース「FANCLUB」を使って、
MAD Cityが定期的に行っている「MAD Cinema」でも、
Teshigotoさんに映画をイメージするお料理を作ってもらっています。

5月にバンクシーの『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』を上映したときは、特製スパイシーチリドックとピクルス、オリジナルのコールスローを作っていただきました。絶品!

群馬県出身だという古平さんが松戸に住み始めたのは、2012年12月頃。

「松戸に住み始めたのは、友達が住んでいたというのがひとつ。
あと、もうひとつはMAD Cityのように、
『地元民じゃないけれども、そのまちを使って面白いことをやりたい』
という人たちが集まっている場所だな、と思ったんですよ」

MAD Cityが運営する「MAD マンション」は、DIYがOKな物件なので、
住民それぞれの個性が非常に部屋に反映されます。
そんななか、食のプロフェッショナルである古平さんの部屋は、
まさに「バー」のような空間にリノベーションされました。

古平さんの住まいは、もともとはこんな感じのお部屋でした。

真っ白なシンプル空間には、いつしか木製のカウンターが!
これは、以前ご紹介した建築家の西尾さんが作ったカウンターバーです。

実はこれ、屋外のイベントで使用していたものですが、
組み立て式なので、簡単に移動できるカウンターなのです。
「イベントだけで使うのはもったいないので、そのまま部屋に再利用しました」

使用したイベントでの設営時の様子。

台所には所狭しと食器や調味料が並び、
洗面所への入り口となるドアは、黒板になっていて看板のような印象も!

もはや、完全にお店にしか見えないこの部屋。
それゆえ、仕事帰りや土日などには、このバーカウンターの周辺に、
MADマンションの住人たちが集まってくるそうです。
MAD Cityのメンバーも時々お邪魔しています!

そして、奥の部屋はたくさんの観葉植物にソファと、まるでカフェのような佇まい。

「この部屋には本当にいろんな人が来るので、
部屋のなかはできるだけ生活感を排除しているんです。
テレビもないし、無駄な雑貨もおきません」
また、アウトドア好きな古平さんの趣味が高じて、なぜか壁にはボルダリングが!

山登りが趣味だという古平さん。それゆえ、部屋のテイストは「山小屋風」。

「これはベニヤ板を貼った上に、ボルダリングのネジを打ち込んでいます。
そして、友達を呼んで、一緒にのぼってみたり(笑)。
ベニヤを壁の上から貼っただけではありますが、
意外と頑丈で耐久性があるので、全然問題ないですよ」

癒され空間+エンタメ要素抜群なこの古平さんの部屋は、
実はMADマンションの住人にとって「食堂」的な機能も兼ね備えているんです。

「ひとり暮らしだと、あまり料理しませんよね。
だから、みんな、実家から野菜なんかの食べ物が送られてくると、
僕の部屋に持ってきて『なにか作ってくれ』というんです。
そういうときは、メーリングリストを回して、
『週末に○○さんのところからもらった野菜を使って料理をするので、
良かったら来ませんか?』と食事会のお誘いをしています」

誰かが来たら、いつでも快く迎えてくれる古平さんの部屋。
あまりの居心地の良さに、ついつい長居してしまう人が多いのも頷けます。
でも、本来、部屋というのはプライベートなもの。
それをいつもほかの人に開放するのに、抵抗感をもったりしないのでしょうか?

「このマンションに住む人は、デザインができる人、イラストが描ける人、
美術家、家具をDIYする人それぞれにさまざまなスキルを持っている人が多いんです。
だから、ちょっとなにか困った時には僕もそれぞれの専門家に相談しにいきます。
住む人それぞれで役割分担ができているなかで、僕の担当は『食堂』だと思っている。
だから、ほかの住民に自分の部屋をシェアするのは、全然問題ないんですよ」

そして、先日このMADマンションを使って行われたのが、
「SUNDAY BEER GARDEN」。
日頃、使われずに放置されてしまっているマンションの屋上。

“このスペースはもったいない! それをなんとか有効活用できないか”
と考えた末、我らがMADマンションの屋上を使って、
ビアガーデンを開催することになりました。
MAD Cityが屋上使用のルールを作成。
ビルのオーナーさんと近隣住民の方に許可を取り、
Teshigotoさんが主催者となって作るオリジナル料理とビールを楽しみました。

当日のビアガーデンへの入り口はこんな感じで。

「実際に住んでみて思いましたが、松戸の地元民や行政の人たちは、
本当に僕らの活動に寛容なんですよ。
ほかの地域だったら断られそうなことも、OKしてくれることがある。
『まちを使ってこんなに遊ぶことができるんだ!』と、驚くことも多いです。
現在、MAD Cityに関わっている人の半数以上が、地元民以外の人々だと思うんです。
ひとりではなにもできないかもしれないけれども、
みんながそれぞれ役割分担することで、
大きななにかを作っていくことができる。
地元民の方、MAD Cityの人たち、そして松戸に興味を持ってくれる人たち。
みんなの工夫でもって、まちを作っていけたらすごく楽しいですよね」

今回で最終回となる本連載ですが、Teshigotoの古平さんをはじめ、
この連載に登場してきてくださったクリエイターの方々と一緒に、
MAD Cityではさまざまな取組を考えています。
「DIYをしたいけれども、どうすればいいのかわからない」
という人のお手伝いをしてみたり、
ほかのまちではできないような面白いことを松戸でたくさんやっていきたい。

そんな僕らの様子をみて、ちょっとでも松戸やDIYに興味を持ってくださる方がいたら、
ぜひいつでも松戸に遊びに来てくれたら嬉しいです。

なお9月末からMAD Cityではこれまでの連載に登場した入居者たちが参加する、
DIYでのリノベを広めたり施工を請け負ったりするプロジェクトを開始します。
9月28日(日)には物件ツアー&ワークショップを予定しています。
次回は、10月19日(日)。今後の活動もどうぞお楽しみに。