一般社団法人ノオトvol.02
みなさん、こんにちは。一般社団法人ノオト代表の金野(きんの)です。
弊社はどうやらフラットな組織のようで、入社したばかりの担当者から、
連載第2回目を執筆するよう指示がありました。
〆切厳守とのことです。
そんなわけで、弊社スタッフもあまり知らない創業期のことを書くことにします。
空き家と景観
昨今は、全国で「空き家問題」が取りあげられるようになってきましたが、
ノオトが創業した平成21年頃はそうでもありませんでした。
私はまだ兵庫県の篠山市役所に籍があって、
景観まちづくりの仕事もしていたので、
景観条例に基づく景観地区、景観重要建造物の指定に向けて、
その候補地、候補物件を探していました。
実は、ここから、空き家問題、空き家活用事業の創業に辿り着いたのです。
役所のことを書き始めると文章がどうしても固くなりますね。
篠山市のほぼ中央に位置する篠山城から北に車を走らせると、
多紀連山に向けて、小さな谷筋に入って行きます。
7分も走れば、もう行き止まるのですが、
そこに「丸山集落」があります。
ほとんどの家屋が、茅葺き屋根にトタンを葺いたもので統一されていて、
家と家との距離感や、各家の配置が何とも絶妙なんです。
石積みや水路や樹木も、その景観を構成しています。
計算され尽くしたような、と言いますが、
昔の人は本当に計算し尽くしたのだと思います。
土地を読み、気候を踏まえ、暮らしを想像し、
名もなき人たちが長い時間をかけて
ひとつの有機体として設計し続けてきたのでしょう。
それは現代社会の「計算」とは違う計算の方法です。
私は最初、この美しい集落の景観地区指定のことを考えていました。
平成20年春のことです。
しかし、よく眺めていると空き家が多数あることに気がつきました。
空き巣が入った形跡も見受けられ、少しすさんで残念な印象をもったのを憶えています。
後日、自治会長であった、
佐古田直實さん(現在はNPO法人集落丸山の理事長)と話をする機会があり、
全12戸のうち7戸が空き家であること、
かつては城下町水源を守る「水守」の集落であったこと、
集落の未来に危機感を抱いていることなどを伺ったのでした。
法令に基づく景観地区指定やルールづくり(景観形成基準など)は
とても重要な政策ですが、
それだけでは美しい景観を守ることができない。
私たちはそういう時代に生きている。
ルールをつくっても開発が押し寄せてくるわけではない。
ルールを使うシーンはあまりなく、建物が空き家となり、農地が放棄地となり、
景観は内側から朽ちていく。
だから、何かその空間にエネルギーを注ぎ込む政策がなければ、
景観を守れない。何より地域を守れない。
私たちは、そのことを丸山集落で学んだのでした。

活用の対象となった古民家(奥の3戸)。






























































