萩の小さな美容院「kilico」。 medicala vol.6
medicala vol.6
縁のあるまちの、もうひとつのリノベーション
前回は大分県竹田市のイタリアンレストラン『Osteria e Bar RecaD』を紹介しました。
オープン以来、大盛況みたいで地元の人はもちろん、
遠方からのお客さんもたくさん来ていて盛り上がっているみたいです。
さて、今回は山口県萩市に先日(2015年3月1日)オープンした、
美容院「kilico(キリコ)」についてご紹介します。
RecaDが完成したのが2014年の12月で、
kilicoの着工をしたのが2015年1月4日。
僕らmedicalaは2日遅れて6日から萩に入りました。
kilicoのオーナーは内田直己(通称うんちょ)。28歳です。
2014年12月末まで山口市内の美容院に勤め、店長を経験後、
地元の山口県萩市にて独立して美容院を開業するためにUターンしてきました。
僕とうんちょとの出会いはゲストハウス「ruco」の改装工事中に
髪を切りにきてくれたことが始まりでした。

うんちょに髪を切ってもらってる写真。
萩にrucoができたからかどうかは定かではありませんが、
rucoがオープンしてほどなく彼は独立を決意して萩市内で物件を探し始めたようです。
そんな時、
「rucoができて、通りが明るくなって嬉しい!
という話を地元の人たちからよく聞くようになった。
実際rucoができるまではこの通りは、夜は暗いし、何も無い通りになってしまっていた。
rucoがきっかけで萩の中のこの近辺にお店ができて、少しずつまちに明かりが灯りだす。
そういう風景を夢見ている。ここから萩を元気にしたい」
というrucoのオーナーのひとり、塩くんの思いを聞いて、
うんちょはrucoから徒歩1分以内の空き店舗に出店を決めました。

rucoとkilicoの位置がわかる写真。左奥の赤っぽく錆びている店舗が工事前のkilico。右の茶色い4階建てのビルがruco。
実は今回の物件はrucoの改装当時は塩くんの友達が営んでいた古着屋さんで、
改装中に塩くんや僕がうんちょに裏庭で青空カットしてもらっていた場所。
なんだか幸先がいい感じです。
コンセプトは「めんどくさい店」
今回の施工メンバーは僕らmedicala、
rucoの棟梁だった大工の入江 真さん(通称マコさん)、
家具は同じくrucoでも家具をつくってくれた中原忠弦さん(通称チュウゲンさん)、
rucoのオーナーのひとり、秋本崇人(通称アッキー)、
そして信州大学の大学院生の福田真享くん(通称ふくちゃん)が
インターンとして来てくれました。
着工の1か月ほど前、rucoの2階にマコさん、チュウゲンさん、
medicala、そしてオーナーのうんちょの5人で集まって打ち合わせをしました。
デザインや工事の前に、
「どういうお店にしたいのか?」という根本的な部分をメインに話をしました。
どういうお店にするのか? どういう人に来てほしいのか? どうして独立するのか?
何年続ける覚悟があるのか? どんな接客をしたいのか?
そんなことを話しました。

rucoの2階での打ち合わせ風景。
打ち合わせが進んでいくなかで、medicalaにとって初めての美容院ということもあり、
必要な設備や導線などについて、うんちょにヒアリング。
美容備品の収納、バックヤードの広さ、など使い勝手について話が進むなか、
大工のマコさんからゆっくりと出た言葉は、
「内田君、めんどくさい店にしよう」
このマコさんのひと言がkilicoをどういうお店にするか決定づけ、
プロジェクトが目指す方向を見つけて動き出した瞬間でした。それは、
「どういう内装のお店にしたいか?」ということよりも、
もっともっと大切なこと。
kilicoは、カット席ひとつだけの小さな美容院。
シャンプーから、カットもカラーもパーマもブローまで、
全部うんちょがひとりでやる美容院です。
地元の萩市で、これから多店舗展開することなく、
ひとつのお店を何十年も守っていく覚悟のうんちょ。
だから、大事なのは働き手が便利で効率がよく生産性が高いことではなく、
働き手の所作ひとつ、お店のつくりひとつで、お客さんのことを、お店のことを
大切に思っていることが訪れたひとに伝わること。
来てくれたお客さんに対して、何ができるか? どう過ごしてほしいのか?
それをゆっくりと考えたお店づくりをしていこう。