日本海を臨む絶景ヴィラ 〈One Story〉が 新潟・安田瓦を使った サウナを新設

美しい日本海と夕陽を臨む新潟・出雲崎町の絶景ヴィラ

東京駅から上越新幹線「とき」で約100分、長岡駅からレンタカーで約30分の
新潟・出雲崎町にある〈One Story〉。

海から歩いて10秒の場所にあり
客室の大きな窓やテラスから、美しい日本海と夕日が一望できる
1日2組限定の絶景ヴィラです。

ブルーを基調とした「海の間」

客室はブルーを基調とした「海の間」とオレンジをベースにした「夕日の間」の全2室。
「海の間」はブルーを基調にしており、流木を土台に使ったテーブルが配置され、
波を思わせる壁模様が施されているなど夏の海辺をイメージしたあしらいです。

オレンジをベースにした「夕日の間」

「夕日の間」は夕日を思わすオレンジの壁面が印象的で
ベンチシート付きの大きなテーブルもあり、家族連れも使いやすいつくりです。
両室共に床には無垢の木を使用し、壁は化石珊瑚の塗り壁になっています。

リビングだけでなく、お風呂場もオーシャンビュー

さらにリビングだけでなく、お風呂場もオーシャンビュー。
潮風と波の音に包まれる、贅沢なひと時を過ごせます。

まち歩きに干物づくり体験も。 地元愛あふれる地域サポートチームと 巡る「熱海ソウルフードツアー」

地域活性サポーターが紹介、熱海のおいしい“推し”を巡る

東京駅から東海道新幹線で約40分。
古くから別荘地やビーチリゾートとして栄えてきた熱海は、
関東周辺に暮らす人々にとってなじみ深い観光地だ。
旅館や観光ホテルが立ち並ぶ温泉地でもあり、おこもり旅が定番だが
「実は、まち歩きが楽しい」と、地域を知る人は言う。

地元に愛される新旧の名店巡りに、鮮魚店に教わる干物づくり体験など、
知られざる熱海を楽しむツアーが、2024年1月20日に開催された。
題して「地域活性ビジネスアドバイザーと巡る、熱海のソウルフード実食ツアー」
(以下、「熱海ソウルフードツアー」)。地域の食を支える老舗食材店を巡り、
「暮らす人の目線」で熱海の魅力を再発見するのが目的だ。

この「熱海ソウルフードツアー」は、
“旅を介して、地域の活性化や人々の交流に貢献する”ことを目指す
〈NICHER TRAVEL(ニッチャートラベル)〉が主催する旅のひとつ。

ニッチャートラベルは、旅行会社の〈阪急交通社〉と
ナビゲーションサービス〈ナビタイム〉が2022年にスタートさせた共同プロジェクトで、
「愛する地元を盛り上げたい」と願う地域の人々と一緒に、
新しい旅の提案を行っている。

これまでDJのMUROさんと巡る渋谷レコードショップツアーや、
写真家の平野太呂さんと行く渋谷フォトセッションツアーなど、
ユニークなツアーを催行してきた。
三重県松坂市で実施された「松坂偏愛ツアー」の模様は、コロカルでもレポートしている。

今回、「熱海ソウルフードツアー」を企画し、当日のガイド役も務めたのは、
熱海市役所の産業支援窓口〈A-supo(エーサポ)〉で活動する
茨木彩夏さんと高原すずかさん。
市内の事業者や起業希望者をサポートし、地域活性を支えている。

熱海愛あふれる〈A-supo〉のふたり。左が熱海出身・在住の茨木彩夏さん、右が新幹線で週2日熱海に通う高原すずかさん。

熱海愛あふれる〈A-supo〉のふたり。左が熱海出身・在住の茨木彩夏さん、右が新幹線で週2日熱海に通う高原すずかさん。

高度経済成長期に急成長した観光地・熱海は、バブル経済崩壊後、衰退の一途をたどり、
2006年は市が財政危機宣言をするほどの落ち込みを見せた。
が、近年、企業などの再開発により、活気を取り戻しつつある。
あまりに有名な観光地ゆえ、その栄枯盛衰ばかりが語られるが、
地域の人々が“暮らす熱海”と、旅人をつなげるのが目的だ。

観光客が集中する熱海銀座商店街。駅周辺と熱海銀座以外のエリアの集客も現在の課題だ。

観光客が集中する熱海銀座商店街。駅周辺と熱海銀座以外のエリアの集客も現在の課題だ。

ツアーの集合場所は、〈熱海魚市場〉。
海から少し離れた、まちなかにある珍しい魚市場で、創業から80余年の歴史を持つ。
ふだんは仲買人しか入れない場所だが、この日はツアーの会場として特別に開かれ、
カラフルな大漁旗が参加者を出迎えた。

和室の集会所に集まり、アイスブレイク。
エーサポのふたりから、コースの説明や各店の魅力が熱く語られ、
期待値がぐっと高まる。続いて15人の参加者の自己紹介。
東京近郊のみならず、長野や大阪など各地から集まった参加者の中には、
ニッチャートラベルのリピーターも数組。
男女混合、40代から70代と年齢層も幅広いチームが1日の旅を共にすることとなった。

アイスブレイク。ツアーのテーマや訪問先の魅力をエーサポのふたりが熱く語る。

アイスブレイク。ツアーのテーマや訪問先の魅力をエーサポのふたりが熱く語る。

プログラムは以下。
まずは地元に愛される4軒の個人商店訪問を軸に、まちなかを散策。
次に、熱海鮮魚市場で、干物づくり体験。
そのあとは、でき上がった干物や漁師鍋をメインに、
各自、散策中に買ったもので食卓を囲む交流会が予定されている。

清酒の旧酒蔵が21年ぶりに復活。 歴史的複合施設〈伊東合資〉が 愛知県半田市にオープン

愛知県西部の小さな港町・亀崎に誕生した新スポット

愛知県の西部に位置する知多半島。
海に囲まれた、温暖な気候で知られています。
いくつもの市や離島からなるこの地域で、漁業や醸造業、海運業で栄えたのが
半田市の「亀崎(かめざき)」エリアです。

2024年1月20日、この亀崎で200年以上続く老舗の日本酒醸造元・伊東株式会社の
旧酒蔵が歴史的複合施設としてオープンしました。

かつては、40ほどの酒蔵や百貨店、劇場があるような繁華街だった亀崎。
1788年からつくられ、全国の人々に愛される銘酒もありました。
それが、〈敷嶋〉です。

〈敷嶋〉は仕込みにミネラル豊富な井戸水を使っており、独特のキレが特徴。
かつては江戸へ大量に出荷された、亀崎と中部地方を代表するお酒でした。
敷嶋を製造していた伊東合資会社は亀崎のどこよりも広大な酒蔵を持ち、
敷地内に銀行を併設していたことも。
地域のシンボルであり、地元の人々が集まる寄り合いどころでもあったのです。

しかし近年の清酒需要低下を受け、伊東合資会社は2000年に酒造免許を返納。
酒蔵も売却され、〈敷嶋〉の歴史も幕を閉じました。
時は流れ2014年。祖父の死をきっかけに酒蔵の復興を決意したのが9代目・伊東優さん。
11年間勤めた会社を辞め、〈敷嶋〉の復活を目指して、酒造りの道へ飛び込みました。

2021年には酒造免許を再取得し、酒蔵も買い戻しました。
新たに製造工場も建てて、再び酒造りをスタートさせます。
そして今回、「建物の一部だけでも活用し、再びたくさんの人が集まる場所にしたい」
との願いで、複合施設のプロジェクトをスタート。
旧酒蔵を改修して、3つの店舗が入る複合施設へと生まれ変わらせたのです。

福岡城に「幻の天守閣」が出現。 歴史のロマンに思いを馳せてみませんか

夜桜とともに浮かび上がる「幻の天守閣」

日本各地の城跡では、季節のイベントや記念日などにあわせて
ライトアップを行っているところも多いですよね。
福岡市の中心地・天神にほど近い〈福岡城〉でも、
今年初めて「天守閣のライトアップ」が計画されています。

日本の城に詳しい人、福岡城を訪れたことがある人なら
「おや?」と思うのではないでしょうか。
そう、福岡城の天守台には「天守閣がない」のです。

そんな福岡城にこの春、「幻の天守閣」が出現します。

福岡城に「天守閣」はあったのか?

福岡城の天守台。現在は展望台として利用されています。写真提供:福岡市

福岡城の天守台。現在は展望台として利用されています。写真提供:福岡市

関ヶ原の戦いで戦功をあげ、筑前国ほぼ一国を与えられた黒田長政。
福岡藩初代藩主となった黒田氏によって、1601年から7年の歳月をかけて
築城された福岡城は、約12万4千坪という広さを誇ります。

日本のお城をイメージするときに思い浮かべるのは、
「白壁と瓦屋根をもつ天守閣」ではないでしょうか。
しかし現在、福岡城の天守台に天守閣のすがたはありません。

これまで、福岡城を描いた絵図『福博惣絵図』(1646)などの史料から
黒田官兵衛・長政は「天守閣を建てなかった」と考えられてきました。
それが近年、福岡城に天守閣があったことをうかがわせる文書が発見されたことにより、
その存否についての議論が再び注目を集めているのです。

福岡城の天守台から望む福岡のまち。写真提供:福岡市

福岡城の天守台から望む福岡のまち。写真提供:福岡市

天守閣が「あったけどなくなった」城も、「元からなかった」城もあるなかで、
「あったかなかったかさえわからない」福岡城の天守閣。
築城当時の史料がほとんど残っておらず、今もなお謎に包まれています。

春の夜空に浮かび上がる幻の天守閣を眺めながら、その歴史に思いを馳せてもらいたい。
そんな思いから生まれたのが、「福岡城 幻の天守閣ライトアップ」なのです。

写真提供:福岡市

写真提供:福岡市

ライトアップは2024年3月27日(水)、〈福岡城さくらまつり〉の開会に合わせてスタート。
天守台には、仮設の天守閣が設置されます。
(ライトアップ期間および仮設工事期間中、天守台は立ち入り禁止になります)
日時や時間帯によって、色や光り方を変える演出も予定されているそう。
屋根や破風、窓のかたちを強調したアウトラインにLEDライトを設置、
本丸の桜並木の上に「幻の天守閣」が浮かび上がります。

移住して魅了された! 「わたしのまちの魅力」


今月のテーマ 「まちの魅力」

本連載に寄稿してくれる全国各地にお住まいのみなさんは
生まれ故郷から移住した人ばかり。
今回は、実際に住んでみて気づいた「まちの魅力」を紹介します。

自然豊かなまちや人のあたたかさを感じられるまち、
利便性の高いまち、半世紀ぶりに生まれ変わる様子を楽しめるまちなど、
それぞれの地域の魅力について教えてもらいました。

新生活に向けて準備をはじめている人も少なくないはず。
先輩移住者たちのように、
新しく住むまちでわくわくするような「まちの魅力」を発見してみてください。

【北海道羅臼町】
世界自然遺産 知床羅臼は、日本で唯一無二の場所!

2月5日、羅臼は「流氷初日」を迎えました。
はたして、流氷を生で見たことのある人はどれくらいいるでしょうか?
ちなみに私は羅臼に来てはじめて見ました。

正直、はじめは流氷なんて氷の塊が海に浮かんでいるだけだろうと
考えていましたが、実際体験すると見飽きることがなかったです‼︎ (笑) 
特に朝日が昇る少し前から日の出の数分間に見られる
コーラルピンクのような空の色と流氷のグラデーションがすごい。
空と流氷がコラボしたかのような景色は本当に美しいです。

世界自然遺産である羅臼町にはこの季節、
オオワシやオジロワシなどの希少な鳥たちが飛び交っています。
運が良ければ、トドや冬はあまり見ることができない
シャチたちを観察することもできます!

私が羅臼に住みたいと思った理由のひとつがこの自然環境にあります。
正直、地元である九州に住んでいると夏は気温が高すぎるため、
秋との違いが感じられず「四季」というものを
体験できなくなってきたような感覚がありました。
日本の最北東端である知床エリアの羅臼町にはそれぞれの季節に
はっきりとした違いがあり、その時々の風景を楽しめると思います。

日本の自然が持つ魅力を全力で感じられる場所、
それが知床にある羅臼町だと思います。

profile

近藤雨 こんどう・あめ

今年5月より、北海道羅臼町の地域おこし協力隊に着任し、まちの魅力発信などの仕事をしています。出身は大分県です。ドラマ『北の国から 遺言編』のロケ地である羅臼に住んでみたいと思ったのが何よりの応募理由でした(笑) 大分とはいろんな面で異文化なことがあり、だからこその視点で情報発信をしたいと思っています。
Instagram:@kondo_ame

【コロカルSNS連動企画】みんなの思う「これぞ、ご当地パン」大集合! 

2月の特集『会いに行きたいパンがある。』はご覧いただけましたか?
今回のパン特集にちなみ、 instagramX(旧Twitter)
コロカル公式アカウントを通して、
みなさまから「これぞ! ご当地パン」というイチオシパンを募集しました。

どれも個性的で、編集部も知らなかったパンも多数ありました。
あらためて、投稿いただいたみなさまありがとうございます。
そんななかでも、編集部が「会いに行きたい!」と思ったパンを厳選。
北から順にご紹介します!

青森県・工藤パン〈イギリストースト〉

ご当地パンとして有名な〈イギリストースト〉は、
しっとりふわふわのパンにマーガリンと砂糖というベーシックな味のみならず、
限定商品をふくめてたくさんのパリエーションがあるのが楽しいですね。
工藤パン公式サイトでは230種類を超える歴代のラインナップを見ることができます。

岩手県・福田パン〈コッペパン〉

1948年(昭和23年)創業、盛岡のソウルフードというべきご当地パン。(写真提供:cdtrkdさん/@cdtrkd )

1948年(昭和23年)創業、盛岡のソウルフードというべきご当地パン。(写真提供:cdtrkdさん/@cdtrkd

「どこか懐かしさを感じる」と地元の方からのコメントがありましたが、
地元でない人でも、確かに、ノスタルジーを感じます。
〈福田パン〉については特集『会いに行きたいパンがある。』でも
取り上げていますので、まだという方はぜひご一読を。

注文すると、目の前で具材を塗ってくれる。詳しくは、特集『会いに行きたいパンがある。』へ。

注文すると、目の前で具材を塗ってくれる。詳しくは、特集『会いに行きたいパンがある。』へ。

秋田県・たけや製パンの〈アベックトースト〉

1951年(昭和26年)創業の秋田の製パン業界をリードする老舗〈たけや製パン〉。定番なのがこの〈アベックトースト〉。(写真提供:にっぽん食べる旅/@umaimon888 )

1951年(昭和26年)創業の秋田の製パン業界をリードする老舗〈たけや製パン〉。定番なのがこの〈アベックトースト〉。(写真提供:にっぽん食べる旅/@umaimon888

2種類の味を合わせているから「アベック」なのだとか。時代を感じますね。
投稿者の方から「コスパ最高」とありますが、
日常的に食べるものだから、コスパも重要ですよね。
サンドされてる食パンにはマーガリンとジャムがそれぞれ半分ずつ塗られており、
どうやって食べ進めるかについて話が盛り上がることがあるそうです。

新潟県・中川製パン所〈カステラサンド〉

1952年(昭和27)創業の歴史を刻むご当地パン。(写真提供:YOSABEIさん/@yosabei_sado )

1952年(昭和27)創業の歴史を刻むご当地パン。(写真提供:YOSABEIさん/@yosabei_sado

投稿写真は、佐渡の「あめやの桟橋」でしょうか。
ご当地パンはその土地の景色と一緒に味わいたいですね。
カステラサンドのオリジナルTシャツ(?)まであるとは……。
気になるお味は、素朴な甘さとのこと。
佐渡に行ったらぜひ、食べてみたいと思います。

東海道川崎宿の歴史を体感するホテル 〈SAKE Kura Hotel 川崎宿〉

400周年を迎えた東海道川崎宿

日本初の旅の大ブームは、いまからおよそ200年前の
江戸時代の後期に起こったと言われています。
火付け役は歌川広重の描いた「東海道五十三次」の浮世絵。
広重の絵の風景を一目みようと、旅人は東海道を旅していたのだとか。

江戸時代に整備された江戸と京都を結ぶ街道の一つ、東海道。
江戸・日本橋から続くその道は品川宿を経て「川」を渡り、その次が川崎宿でした。
宿場町とは、大名や各地を移動する旅人のために
宿屋や飲食の提供を行う人々が集まる場所です。
当時、川崎大師への参拝客で賑わっていた川崎宿は、
旅人に宿を提供し江戸の人々やローカル民が交差する場所でした。
そして2023年。
文化を発展させながら、人と人、ものとものを結ぶ役割をしてきた
東海道川崎宿は400周年を迎えました。

蔵元直営〈酒蔵Bar〉でチェックインを行う〈SAKE Kura Hotel 川崎宿〉

〈SAKE Kura Hotel 川崎宿〉

これまで保存されてきた川崎宿の歴史を背景に、
日本酒をテーマにした現代の価値観に合う「宿」として
2024年2月9日にオープンしたのが〈SAKE Kura Hotel 川崎宿〉です。

日本酒をテーマにした現代の価値観に合う「宿」

宿があるのは京急本線「京急川崎」駅から徒歩約7分、
JR東海道線、京浜東北線、南武線「川崎」駅から徒歩10分ほどの場所。
チェックインはホテル1階の吉川醸造直営〈酒蔵Bar〉にて。
400年かけて築かれた川崎宿の歴史と、日本酒や米の奥深さに酔いしれる
ひとときが待っています。

ホテル1階の吉川醸造直営〈酒蔵Bar〉

〈酒蔵Bar〉では吉川醸造の日本酒「雨降///あふり」を思う存分
呑み比べすることができます。
「雨降///あふり」シリーズは、丹沢大山(雨降山)の伏流水を
仕込み水として使用する、新ブランドとして誕生しました。
国内では珍しい硬度150~160の硬水が使われ、原料のお米を「削らない」製法、
低精白醸造や低アルコールなど、さまざまな挑戦を続けている日本酒です。

おでんや乾き物を中心とした軽食

このほか雨降ハイボール、雨降カクテルなどもラインナップ。
おでんや乾き物を中心とした軽食も、全て宿泊料金に含まれています。

吉川醸造の日本酒「雨降///あふり」

〈酒蔵Bar〉は宿泊者以外も2時間3000円(金曜3500円、土曜4000円)で
季節の酒、その日のオススメ酒4〜5種類をフリーフローで味わえます。
かつて宿場町として人々が行き交い、いまでも多くの出逢いがある
この川崎の地だからこその、日本酒の新たな楽しみがありそうです。

北海道上士幌町の地元食材が 十勝の人気シェフの手で 極上フレンチに! 「Farm to Table かみしほろ」

ユニークな挑戦を続けるまち・上士幌町は、自慢の食材の宝庫

上士幌町(かみしほろちょう)は、とかち帯広空港から車で約1時間20分、
北海道十勝エリアの北部に位置するまちです。
人口は約5000人ながら、面積は東京23区以上!
無人のスマートストアの設置、自動運転バスやドローンを活用した施策など
ユニークな試みを多く行っていることでも知られています。

羽田空港→とかち帯広空港は約1時間35分。意外と近い!?

羽田空港→とかち帯広空港は約1時間35分。意外と近い!?

全国で初めて大会が開かれた、“熱気球のまち”としての顔も。

全国で初めて大会が開かれた、“熱気球のまち”としての顔も。

広大な十勝平野と恵まれた気候をいかし、古くから農業や酪農が盛んですが、
近年は、大規模農業と並行して、個性ある野菜作りに取り組む生産者も見られるように。
また乳牛だけでなく肉牛の飼育も増えつつあります。
(ちなみに町内の牛の数は、人口のおよそ7.5倍!)

そんな上士幌町の食材を、
もっと多くの人に知ってもらい、味わってもらいたい!
というプロジェクトが計画されています。
そのキックオフイベントとして、生産者の方々を招いて、
「Farm to Table かみしほろ」が開催されました。

人気フレンチのシェフが参加し、極上の品々が完成

今回お招きした生産者さんは3組。
希少品種を含む、多彩な豆を生産する〈オリベの豆や〉の関口孝典さんと嘉子さん、
最新の農業理論と祖父の代から続く知恵を総動員して、
“最上級においしい野菜”をつくる〈須田農場〉の、須田侑希さん、和雅さん兄弟、
そして上士幌町ブランドの黒毛和牛「十勝ナイタイ和牛」を扱う、
〈片原商店〉の中山浩志さん。

今回の主役はこちら。和牛と豆、そしてじゃがいも&さつまいもです。

今回の主役はこちら。和牛と豆、そしてじゃがいも&さつまいもです。

左から、関口さん夫妻、中山さん、須田和雅さん、侑希さん。

左から、関口さん夫妻、中山さん、須田和雅さん、侑希さん。

料理を担当したのは、
同じ十勝エリア・帯広のフレンチレストラン〈マリヨンヌ〉の小久保康正シェフ。
十勝の恵みを最大限にいかし、十勝の食材で完結させることを目指したフレンチは
名だたるレストランガイドに選出されるなど、高い評価と人気を博しています。

そんな小久保シェフが、このイベントのために生み出したのは4皿。
丁寧な作業とフレンチの技が光る、目にも楽しい品が並びました。

〈オリベの豆や〉福白金時のムースと5種の豆のサラダ ホゲット添え

〈オリベの豆や〉福白金時のムースと5種の豆のサラダ ホゲット添え

〈須田農場〉紅はるか(さつまいも)とホタテのミルフィーユ仕立て

〈須田農場〉紅はるか(さつまいも)とホタテのミルフィーユ仕立て

〈須田農場〉ホッカイコガネ(じゃがいも)のガトー リードヴォーと共に

〈須田農場〉ホッカイコガネ(じゃがいも)のガトー リードヴォーと共に

〈片原商店〉十勝ナイタイ和牛サーロインスライスのすき焼き見立て

〈片原商店〉十勝ナイタイ和牛サーロインスライスのすき焼き見立て

愛知県産の新品種ブランドが誕生! 今が旬のイチゴのおいしさを 味わいつくす!

5年間の開発を経て、愛知県産の新品種ブランド「愛きらり」が誕生!

現在、約300種もの品種があるといわれている日本のイチゴ。
よく知られている「あまおう」や「とちおとめ」といった人気ブランドだけでなく、
大粒の「スカイベリー」や白色イチゴ「天使の実」など、
新品種ブランドも次々と誕生し、市場競争も激化。
そんななか、愛知県農業総合試験場とJAあいち経済連が、
5年にわたり共同開発した新品種ブランド「愛きらり」の販売が
2023年2月1日よりスタートしました。

糖度13~14度の大粒イチゴ。かたちも整っていて色鮮やかで美しい。

糖度13~14度の大粒イチゴ。かたちも整っていて色鮮やかで美しい。

新品種ブランドの誕生はイチゴの素材を何回もかけ合わせて改良

愛知は、栃木や埼玉、九州地区ほどイチゴの生産が有名ではありませんが、
実は生産量全国6位を誇るイチゴの名産地です。
特に三河エリアは、温暖な気候と日照時間の長さで、
おいしいイチゴを栽培するのに適した地域といわれています。
この愛きらりは、人気の作付品種「章姫」や「かおり野」といった品種の素材を使い、
改良を重ねて開発されたもの。このかけ合わせがとても難しく、
5年間で開発できたのは幸運なのだとか。
現在、愛知県下では約60名の農家が試験栽培し、市場へと出荷させているそうです。
ツヤがあり、濃い赤色が特徴で、太陽を浴びてキラキラ光る様子はまさに「愛きらり」。

実際に生産農家を訪ね、「愛きらり」のおいしさを体感してみた

「愛きらり」の試験栽培をしている農家が多い豊川市で、
代々イチゴ専業農家を営んでいる日恵野克好(ひえの かつよし)さんに、
生産者から見た「愛きらり」についてお話をうかがいました。

「イチゴは1本の苗からどれだけ多くの実が採れるかが勝負なので、
農家はその点でいろいろと苦労しています。
今まで旬といわれるクリスマスシーズンや1~2月は、
イチゴの収穫量が減ってしまうことも悩みのひとつでした。
その点、この愛きらりは育てやすいうえ、冬場でも生産量が安定していて、
1本の苗からたくさんの収穫量が見込めるのがうれしい」と日恵野さん。

約150坪の広さのハウス内で「愛きらり」を栽培している日野恵克好さん。

約150坪の広さのハウス内で「愛きらり」を栽培している日野恵克好さん。

実際に、ハウスの中で「愛きらり」をひと粒いただきました。
まず香りが強く、食べる前から甘い匂いが漂います。
ひと口かじると、「これは、イチゴ革命!」と思えるほど、
スイーツを丸かじりしているような甘さが口中に広がりました。
4Lサイズと大粒なうえ、ヘタの部分ギリギリまでたっぷりと甘く、
ひと粒で充分、満足感が得られました。
愛きらりは、11月から6月と長期間の栽培が可能で、
どの時期に食べても糖度13~14度の甘さが楽しめるとか。

4Lといわれるサイズの大粒のイチゴ。

4Lといわれるサイズの大粒のイチゴ。

新規就農者も増加。若手農業従事者に期待が集まる

愛知県ではイチゴの専業農家の新規就農者が増加しているそうです。
愛知県内のJAが新規就農研修を開催したり、先輩農家のもとで、
実務研修できるなど、バックアップ体制もしっかりしています。
研修後は「新規就農サポートセンター」が、
農地やハウスを借りるための支援も行っているとか。

「4~5年前ぐらいから、行政も力を入れて研修制度を充実させ、
毎年1~2人の新規就農者が誕生しています。
うちでも現在、研修生を受け入れており、1年かけてイチゴ栽培を指導しています」
と日恵野さん。
農業離れが叫ばれるなか、新品種ブランドの誕生と新規就農者の話は、
きらりと光る未来を感じさせてくれました。

「愛きらり」はまだ試験販売のため、一部県内の量販店で
販売がスタートしたばかりですが、愛知県内には旬のイチゴが楽しめる
スポットやスイーツがたくさんあります。その一部をご紹介します。

人気の品種を食べ放題、今が旬のイチゴ狩りを堪能。〈あいのいちご農園〉

愛知県常滑市で2022年12月にオープンした〈あいのいちご農園〉は、
脱サラして農家となったオーナーの稲葉力三(いなばりきぞう)さんが始めた農園です。
広々としたハウスの中で、人気の「章姫」と愛知県のオリジナル品種「ゆめのか」を
45分間食べ放題で味わえます(品種は選べません) 。

ナイターイチゴ狩りのハウスの様子。

ナイターイチゴ狩りのハウスの様子。

ハウス内は広いレーンとなっているので、車いすやベビーカーでも安心。
金土曜日には、ナイターイチゴ狩り(17:00~20:00 最終受付19:00)
も行っていて、仕事帰りや常滑観光の帰りにも楽しめるのがうれしい。

information

map

あいのいちご農園

住所:愛知県常滑市樽水字大坪174

TEL:090-6585-1781

営業時間:9:00~15:00(最終受付14:00)、金・土曜のみナイター営業17:00〜20:00(最終受付19:00)

定休日:月曜

Web:あいのいちご農園

〈ハチカフェ〉では愛知県産イチゴを使ったタルトやパフェが食べられるイチゴフェア開催中!

愛知県名古屋居を拠点にカフェやフリースペースを運営する
建築デザイン会社〈エイトデザイン〉。
ここが手がけるタルトとサンドイッチの店〈ハチカフェ〉では、
すべてのタルトがイチゴタルトとなってショーケースに並ぶ
イチゴフェアを3月末まで開催中です。
愛知県内の農家から直接仕入れた「すず」「かおり野」「おいしいベリー」
「紅ほっぺ」など5~6種類のイチゴを使用。
人気のイチゴパフェもあり、イチゴづくしを堪能できます!

information

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ハチカフェ 鶴舞店

住所:愛知県名古屋市昭和区鶴舞2-16-28

TEL:052-613-8548

営業時間:10:00~18:00

定休日:火曜

Web:ハチカフェ

おいもスイーツ専門店〈いもや和真〉が手がける「大きな苺大福」が人気!

サツマイモのスイーツ専門店として人気の〈いもや和真〉では、
3月中旬ごろまで「大きな苺大福」を販売(1日50~60個売り切れ次第終了)。
地元の農家から直接仕入れた大粒イチゴが大福から飛び出している様子が話題になっています。
餡を包むぎゅう肥のやわらかさと、もちもちとした食感に、
ジューシーなイチゴ果汁が口の中で溶け合います。

information

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いもや和真 豊田本店

住所:愛知県豊田市大林町10-20-12

TEL:0565-42-3181

営業時間:10:00~19:00

定休日:月曜・臨時休業あり

web:いもや和真

山形の自然を五感で感じる、 かみのやま温泉〈おやど森の音〉。 お花見ディナーにも注目

ワインの郷・かみのやまを発信する新レストランも

山形県内4か所の旅館とグランピング施設を展開する古窯グループ。
山形県初のプリン専門店〈山形プリン〉を開業、2022年12月には東北初の日帰り温浴施設
〈おふろcafé yusa〉と山形プリンの姉妹ブランドとなるフルーツアイスクリーム専門店
〈MOGY〉をオープンするなど、山形のファンをつくるための魅力づくりや
発信を積極的に行っています。

そんな同社が山形県上山市で営むのが、かみのやま温泉の〈おやど森の音〉です。
〈おやど森の音〉は「森にも、人にも、心地よい宿へ。」をコンセプトに
忙しい毎日を離れ、普段とはひと味違った森の時間を提案する
全14室の大人だけが滞在できるおやどです。

かみのやま温泉〈おやど森の音〉

館内は、木製家具やドライフラワーなど自然素材をふんだんに使い
シンプルな色調で統一されています。
これは中庭や、ダイニングと客室の窓の外に広がる
豊かな自然を存分に楽しんでほしいという想いからです。
宿全体が「森へ続く庭」のような空間となっています。

全室和室の客室は28平米のスタンダードルームから
約60平米のジュニアスイートまで5タイプを展開。
桜の樹々や山々など、山形ののどかな自然を借景にした贅沢な空間です。
また、和室ならではの心地よさを際立たせるために
床の間には異国の要素を現代的に取り入れています。

館内には、かみのやまの大地から湧き出る温泉を引いた大浴場も完備。
窓辺に揺れる木漏れ日が心地よい「陽」と、
夜空を望む露天風呂付きの「月」に分かれています。
それぞれ脱衣場も落ち着いたアースカラーで統一され、
洞窟のような安らぎが味わえます。

施設内のレストラン〈森の音dining〉

2024年2月11日には、自然に寄り添ったサステナブルステイを提案すべく、
施設内のレストラン〈森の音dining〉がリニューアル。
山形の自然文化や地域との共生を目指し、山形の風土を空間からデザインするとともに、
コンセプトである「森にも人にも、心地よい宿へ」をより一層体現しています。

提供する料理、飲み物からインテリアデザインまで地元素材にこだわり、
より山形の自然を五感で感じられる空間に仕上げています。

レコード屋にバーを併設。 〈LIVING STEREO〉は とびきりのコンプレックス

音楽好きコロンボとカルロスが リスニングバーを探す巡礼の旅、
次なるディストネーションは 福岡県福岡市。

どこでもドアを開けるとそこはとびきりのアンビエント・ワールド

カルロス(以下カル): なんだか、ドラえもんのどこでもドアみたいな入口だね。

コロンボ(以下コロ): カラフルなだけではなくて、これドア全体も回るんだよ。
回転ドアと普通のヒンジドアの2WAY。

カル: ここレコードも買えるんでしょう? 
お酒が飲めて、レコードも買えるお店があるといいなと思ってたんだ。
福岡にあったとは。

コロ: その手のお店って、ありそうでないよね。
伝説のレコ屋、青山の〈パイド・パイパー・ハウス〉も
最初の頃はコーヒーが飲めたりしたけど。

カル: 〈LIVING STEREO〉はレコ屋なの? カフェなの? バーなの?

コロ: お客さんは入ってくるなり、レコードコーナーを一周してから、
バーカウンターにって流れだから、建てつけとしてはレコ屋なのかな? 
うーむ…。

カル: 飲めて、買えるんじゃ、滞留時間が長くなりそうだね。

コロ: エスプリの効いた品揃えからもわかるように、
お客さんもその辺はわきまえてて、平均1時間くらいらしい。

カル: レコードの基本ラインナップはどんな感じなの?

コロ: 9割が中古だけど、新譜のセレクトがとんがってていいんだ。

カル: ミッドセンチュリーの空間に、面出しのレコードが華やかでいい感じだね。

コロ: 店内のデコレーションとしても面出しにはこだわっているそうだよ。
どこでも売っているものより、
とんがった〈LIVING STEREO〉ならではのものを仕入れる方針らしい。

カル: だからOgawa & Tokoro推しなんだ。バレアリックの日本人デュオだよね。
やわらかくて気持ちいい。

コロ: そう、かなり狭いところだけど、センスのいいところを突いてる。
新譜に関してはアンビエントやラウンジ系など、気分ものが中心で、
サバービアな感じかな。

カル: 韓国のアンビエントデュオのサラマンダもちゃんとフックアップしている。

コロ: LAベースのローレル・ヘイローの新譜『ATLAS』も推してたりね。

カル: 目利きの賜物だ。

コロ: アンビエントといえばブライアン・イーノくらいの薄い知識だからなー。
12.1.4chの空間オーディで聴いた
彼の『FOREVERANDEVERNOMORE』はすごかったぞ。
まさに音が降ってくるようだった。

カル: ボクはダンスミュージック流れのアンビエントは好きかな。
フェスや野外パーティで日の出とともに寝そべって聴いてるとたまらなく気持ちいい。

コロ: たしかに。朝のアンビエントもいい。

日本最大級の商店街〈大須商店街〉で、 人気名古屋メシを探せ! あなたのまちの焼酎ハイボール アテ探し旅

個性的な名古屋メシは、焼酎ハイボールに合うのか!?

焼酎ハイボールのアテ探し旅。
回を重ねて、相性が良さそうと予想できるもの、
冒険かなと思いながら思わぬ喜びが得られたものなど、
いろいろな体験を重ねることができた。
そのなかで、相性が良さそう、でも実際は冒険?
と思いを巡らせていたのが“名古屋メシ”だ。

伝統と新しさが感じられる赤味噌を使った酒場メニューや、
意外な食材の組み合わせによって生まれる、
ちょっと想像の斜め上を行くB級グルメの数々が、
焼酎ハイボールを待っている……ような気がしていた。
ということで、向かうのは〈大須商店街〉。
さて、どんな不思議な出合いが待っているのか。

名古屋駅から地下鉄で10分ほど。徳川家康によって岐阜から移設された大須観音を中心に東西南北に広がる商店街。商店がひしめくメイン通りだけでも8本を数え、のんびり歩いたら1日がかり。徳川時代から寺町として発展。大正元年から娯楽、歓楽街として繁栄し、時代の新風を巻き込みながら現在に至る。秋葉原、大阪・日本橋とならぶ日本三大電気街でもある。

名古屋駅から地下鉄で10分ほど。徳川家康によって岐阜から移設された大須観音を中心に東西南北に広がる商店街。商店がひしめくメイン通りだけでも8本を数え、のんびり歩いたら1日がかり。徳川時代から寺町として発展。大正元年から娯楽、歓楽街として繁栄し、時代の新風を巻き込みながら現在に至る。秋葉原、大阪・日本橋とならぶ日本三大電気街でもある。

大須商店街は総称というか愛称で、その実態は大須観音を中心とした、
8つの振興組合からなる実に大きな商店群だ。
東京だと浅草寺を中心とした、浅草エリアをイメージするとわかりやすいだろうか。
グルメ、服飾、日用品、雑貨、娯楽、サブカルなどなど、
名古屋の伝統的な食文化から流行までが混在し、
観音様ならではの明るい賑わいがあり、
でも、どこかカオスな空気感もある。
旅酒人とすればなんともワクワクさせられる場所だ。

伝統と新しさが融合した赤味噌の酒場メニュー

まずは、ということで向かったのは〈矢場とん〉。
名古屋独自の食“みそかつ”を全国区にした人気店だが、
ここ大須店は、〈昔の矢場とん〉という名の酒場感たっぷりな店で、
売りはみそ串かつとみそおでん。

大須観音から歩みを始めればすぐに目に入る〈昔の矢場とん〉。

大須観音から歩みを始めればすぐに目に入る〈昔の矢場とん〉。

名前通り昔ながらの雰囲気を見せつつ、内装には気鋭のアーティストのイラストも飾られ、いい具合の混沌。

名前通り昔ながらの雰囲気を見せつつ、内装には気鋭のアーティストのイラストも飾られ、いい具合の混沌。

矢場とん広報部で味噌ソムリエでもある片山武士さんに聞けば、
「戦後、矢場とんが創業した1947(昭和22)年頃、
名古屋の屋台では赤味噌を使った土手焼、土手煮が人気で、
そこに串かつを入れたところ好評で、それがのちに、味噌かつへと進化していきました。
そこで、温故知新といいますか、
あえて味噌かつのルーツを掘り下げていったのがこの店です」

入社のきっかけは矢場とんの社会人野球チームへの入部。それまでは「とんかつには塩でした」と笑う片山さんだが、入社以来、矢場とんの味噌かつにはまり、味噌ソムリエも取得。自社にとどまらず「名古屋の文化としての味噌かつ」を発信するべく奮闘中。

入社のきっかけは矢場とんの社会人野球チームへの入部。それまでは「とんかつには塩でした」と笑う片山さんだが、入社以来、矢場とんの味噌かつにはまり、味噌ソムリエも取得。自社にとどまらず「名古屋の文化としての味噌かつ」を発信するべく奮闘中。

酒場×味噌の基本中の基本であるメニューにフォーカスしつつ、
次の主力になりそうな角煮や玉子なども加え、
まさに古きを知りつつ新しさも楽しめる場所。
そういえばと思い出したのは、矢場とんのみそかつのみそタレ。
ほかの店の味噌とちょっと違うな、という感覚があって。

それを尋ねると片山さんは笑顔で、
「そうなんです。まず甘さは控えめです。甘みがあるかなぁぐらいの感じ。
そしてドロッとしたものが多いなか、さらっとしています」

これは、味噌かつにかけるものをつくったのではなく、
土手鍋、土手煮にかつをつけた感覚を大切にしているからだそう。
原点の追求、こだわりだったわけだ。
それでも味わいが深いというのも特徴。理由は出汁にあった。
「普通の味噌だれの出汁は、カツオや昆布といった魚介。
これを味噌に溶かし込んでいき、ドロっと仕上げます。
ですが、矢場とんは、まず出汁のベースが豚肉。
かたいスジを煮込んで、煮込んで、凝縮し、
そこにこだわりの豆味噌を溶かし込んでいきます」

なるほど、タレというよりスープ感覚。
さらりとしたなかに豚肉のコクと旨みも感じられる。
さすが味噌が食文化に溶け込む名古屋、愛知ならではのこだわりだなと
感心していたところで、片山さんからうれしいひと言。
「だから、焼酎ハイボールにも合いますよ」
ニヤリと自信の笑顔。にぎわう店内を見れば、
月曜の昼からいろいろなお酒とともに楽しむ人たちを見て、早く自分も味わいたいと、
テイクアウトで袋に入れてもらった、串かつとみそおでんを二度見してしまうのだった。

みそおでんの大根(320円)、たまご(160円)、豚角煮(320円)とロース串かつ(4本640円)。大根は味噌をかける、ではなく、しみしみで芯から味わい深く、たまごはしっかり煮込まれながらもとろり半熟。

みそおでんの大根(320円)、たまご(160円)、豚角煮(320円)とロース串かつ(4本640円)。大根は味噌をかける、ではなく、しみしみで芯から味わい深く、たまごはしっかり煮込まれながらもとろり半熟。

食痕から野生動物との 共生について考える。 真冬の北海道の森が教えてくれること

「今日の森にはどんな発見があるだろう?」

北海道の東側、阿寒摩周国立公園の中にある、弟子屈町・川湯温泉。
温泉街の入り口には、いまなお噴煙を上げ続ける硫黄山があり、
その麓には、アカエゾマツの森が広がっている。

標高508メートル。弟子屈町の「特定自然観光資源」に指定されている硫黄山。

標高508メートル。弟子屈町の「特定自然観光資源」に指定されている硫黄山。

北海道を代表する木、アカエゾマツは、
火山灰が降り積もった酸性の土壌でも生育できる樹種。

国立公園の中にあるこの地では、
樹齢約200年にもなるアカエゾマツの純林が、
「アカエゾマツの森」として保護されている。

川湯ビジターセンターの裏には「アカエゾマツの森散策路」がある。マップ中、赤いラインがロングコース(約2.2キロ)、緑のラインが今日歩くショートコース。

川湯ビジターセンターの裏には「アカエゾマツの森散策路」がある。マップ中、赤いラインがロングコース(約2.2キロ)、緑のラインが今日歩くショートコース。

2月中旬の雪に包まれたアカエゾマツの森。
午前9時30分、現在の気温はマイナス10度。
約0.8キロのショートコース、通称「ゴゼンタチバナコース」を往く。

今シーズンは12月中旬にどっさり雪が降り、
その後も何度か重なって、積雪は20センチを超えるだろうか。

最初の標識まできたら、ここでまず深呼吸。
今日の森には、どんな発見があるだろう?

森の入り口には、アカエゾマツの丸太を利用した手づくりの標識がある。

森の入り口には、アカエゾマツの丸太を利用した手づくりの標識がある。

最初の直線コースは、名付けて「稚樹(ちじゅ)ロード」

長い年月をかけて高さ30〜40メートルにもなるアカエゾマツだが、
ここには高さ1メートルにも満たない木が並んでいる。
それでも樹齢15年ほど。人間にたとえれば中高生くらいだろうか。

「アカエゾマツの森」の中で、いちばん日当たりのいい場所が「稚樹ロード」。

「アカエゾマツの森」の中で、いちばん日当たりのいい場所が「稚樹ロード」。

手が届く高さに葉っぱがあるので、ここを通るときは
その先をつまんで擦って、アカエゾマツの香りを楽しむことにしている。

ほっとする木の香り。

ところどころにトドマツの稚樹もあるので、
嗅ぎ比べてみる。

トドマツは、もう少し爽やかな印象。

三重県いなべ市にある 休館中の温泉施設を サウナ・食堂・ホテルが入る 複合施設へ。 クラウドファンディングが実施中

温泉・サウナ・食堂・ホテルが揃った施設でまちに活気を

三重県の北端に位置し、滋賀県と岐阜県に隣接するいなべ市。

美しい自然と昔ながらの景観を求めて、登山客やハイキング客、
レトロ好きの人で賑わうまちです。

登山客やハイキング客が多く訪れる鈴鹿山脈の藤原岳。

登山客やハイキング客が多く訪れる鈴鹿山脈の藤原岳。

そんなこのまちの阿下喜(あげき)という場所にある、休館中の温泉施設
〈阿下喜温泉 あじさいの里〉をリニューアルしようと、〈CAMPFIRE〉で
クラウドファンディングが行われています。

コロナ禍や施設の老朽化がきっかけとなり休館していた〈阿下喜温泉 あじさいの里〉。

コロナ禍や施設の老朽化がきっかけとなり休館していた〈阿下喜温泉 あじさいの里〉。

仕掛け人となるのは、三重県や紀伊半島を拠点に“おふろ”の再生を通じて、
地域活性に取り組む〈旅する温泉道場〉という企業。

これまでにも、四日市市で親しまれてきた温浴・温泉施設を〈四日市温泉
おふろcafé 湯守座(ゆもりざ)〉として、2017年にリニューアルオープンするなど、
“地域を沸かすアイデア”をもとに活動を行っています。

三重県1号店となる〈おふろcafé湯守座〉。

三重県1号店となる〈おふろcafé湯守座〉。

そんな同社の三重県2号店となる新施設の名は〈いなべ阿下喜ベース〉。

自然と健康がテーマの温泉複合施設として、温泉施設となる
〈おふろcafé あげき温泉〉をはじめ、温泉やサウナ後の体に
優しい料理を提供する〈新上木食堂〉、そしてコンテナホテル
〈AGEKI BASE HOTEL〉の3つの施設が入ります。

チャペルサウナやプールで、 東かがわ市の自然を感じる 〈クラフトホテル 瀬戸内〉

東かがわ市の自然をイメージして作られたコンセプトホテル

晴天率が高く、青々とした瀬戸内海とつながる東かがわ市。
2024年3月1日に、東かがわ市ならではの自然をイメージしてつくられた
コンセプトホテル〈クラフトホテル 瀬戸内〉がオープンします。

手がけるのは全国5カ所でグランピング施設〈ザランタン〉を運営するダイブ。

手がけるのは全国5か所でグランピング施設〈ザランタン〉を運営するダイブ。
コロナ禍で閉業した旧〈三本松ロイヤルホテル〉を
「まるで海外!なグランピングホテルを、お手頃な価格で」をコンセプトに
リノベーションしています。

「まるで海外!なグランピングホテルを、お手頃な価格で」がコンセプト

滞在型アウトドア空間をイメージして設計された施設内では
チャペルサウナ、水風呂&水盤での水遊び、香川県のご当地グルメを使った
アウトドアディナー、焚き火などのアウトドア体験を楽しめます。

瀬戸内の海・空を連想させるブルーをモダンに取り入れたシンプルな客室

全35部屋の客室は、複数のタイプを展開。
自然のあたたかみと瀬戸内の海・空を連想させるブルーをモダンに取り入れた
シンプルな客室をはじめ、温かみのあるオレンジ・ブラウン・ホワイトの配色で
居心地よく仕上げたナチュラルな客室、落ち着いたグリーンに果実やオリーブを
思わせるくすんだイエローやグリーンを差し色で取り入れた客室など、
お好みの内装を選ぶことができます。

チャペルサウナと瀬戸内をイメージしたプールでととのう

チャペルサウナと瀬戸内をイメージしたプール

木々に囲まれた中庭は、瀬戸内海を象徴する水盤を中心に
ヨーロッパの中庭・パティオを彷彿とさせる非日常感が漂います。

チャペルは、40平米の広さを誇るフィンランドサウナとして利活用

三角屋根がアイコニックなチャペルは、40平米の広さを誇る
フィンランドサウナとして利活用されています。

チャペルサウナは水着着用で性別問わず利用できる

チャペルサウナは水着着用で性別問わず利用でき、セルフロウリュも可能。
非日常感のある空間で、恋人同士・友人同士でお喋りを最大限楽しめるよう
サウナ内では音楽も流れています。

水深が80センチメートルある水風呂でクールダウン

サウナから上がった後は、水深が80センチメートルある水風呂でクールダウンを。
人工芝が整備されたプールサイドでは、リクライニングチェアで
外気浴をすることもできます。
ひだまりの中、心地よい“ととのい時間”を過ごせそうです。

福井県三國湊に 分散型宿泊施設 〈オーベルジュほまち 三國湊〉が オープン

3月の北陸新幹線延伸で東京からも近くなる福井県・三國湊

2024年3月16日に金沢~敦賀間が開通する北陸新幹線。
新幹線の新たな停車駅となる「芦原温泉駅」から車で約20分の場所には、
江戸~明治時代に北前船の寄港地として栄えた福井県三國湊があります。

豪商が現れた江戸後期には、日本海側有数の北前船の寄港地として栄えた三國湊は、
江戸末期の遊郭番付表に「三國」の地名が掲載されるほどに繁栄しました。
三國湊は、北前交易がもたらした日本の文化や当地ならではの建築様式など、
時代を超えた歴史がいまなお色濃く残っているエリアです。

町家に暮らすように滞在し、土地の歴史や文化を体感する
〈オーベルジュほまち 三國湊〉

〈オーベルジュほまち 三國湊〉

そんな三國湊に2024年1月28日(日)に誕生したのが
〈オーベルジュほまち 三國湊〉です。
徒歩圏内に点在する町家に暮らすように滞在し、
土地の歴史や文化を体感することができる分散型宿泊施設になっています。

名前の「帆待ち」とは北前船が出港前に波が収まり、良い風が吹くのを待っている状態。
船乗りたちは、その間に船に持ち込んだ積み荷を売ったり、
別の荷役をしたりして報酬を得ていました。
これが転じて、三國では子どもたちのお駄賃、ご褒美のことを
「帆待ち」と呼んでいます。
ここから「ゲストが、しばし休まれて次の目的地に向かわれるまで、
この地での滞在が忙しい日常を過ごされているゲストへの『ご褒美』となるように」
と願いを込めて〈オーベルジュほまち 三國湊〉と名づけられました。

土地の歴史や文化を体感することができる分散型宿泊施設

〈オーベルジュほまち 三國湊〉は、宿泊棟(開業時9棟・16室)、
レストラン棟(1棟)、フロント棟(1棟)からなります。
フロント棟を中心とした半径800メートル(徒歩約12分)圏内に点在する
全11棟の施設は、三國湊を象徴する「かぐら建」などの江戸時代から昭和にかけて
建築された町家を、福井県でしか採掘できない「笏谷石(しゃくだにいし)」や
福井県産の木材などを使用して改修しています。

伝統的な町家ならではの風情は維持しつつ、内観のデザイン性と耐震性を進化させて
現代に蘇らせています。

宿泊棟の客室

宿泊棟の客室インテリアは、北陸最大級の祭りの一つである「三国祭」、
「湯屋」、「武道」、「花街」などに着想を得て、
お部屋ごとに異なる世界観を表現しています。
違った角度から三國湊の暮らし・文化・歴史を体感できるので、
連泊や再訪時に別のタイプの客室に滞在するのも楽しみのひとつです。

真鶴で親しまれた〈まるなか旅館〉を リノベーションした宿泊施設 〈HOTEL FARO manazuru〉が オープン

神奈川県西部に位置する真鶴で親しまれた〈まるなか旅館〉

真鶴町は神奈川県の西部に位置し、
都心から電車や車で1時間半程の距離とアクセスは良好です。
冬でも暖かい風を生む相模湾に向かって傾斜している真鶴半島は、
太陽の光を思う存分取り入れて豊かな緑を育んでいます。
漁港で水揚げされる新鮮な魚だけではない豊富な食材にも恵まれています。

神奈川県西部に位置する真鶴

また、1993年に制定された通称「美の条例」により
大規模な建築開発がされなかったため、素朴で生活感のある海辺の景観や
住民のつながりの強さ、生活の豊かさも魅力的なまちです。
近年ではそうしたまち並みや暮らしに惹かれ、都心部からの移住者も増えています。
一方で、観光客や旅行客にとっては過ごし方のイメージが湧きにくかったり、
誰もが気軽に立ち寄れるようなカジュアルな飲食店が少なかったりを理由に、
観光客が湯河原、箱根、小田原に流れていくようになりました。
人口は年々減少し、将来的にも減少傾向が続く見通しで、
ほかの地方都市と同様に、空き家の増加が懸念されています。
真鶴町も人口減少、少子高齢化、空き家問題に悩まされているのです。

〈HOTEL FARO manazuru〉

コロナ禍では地元の方々や観光客に惜しまれつつ
〈まるなか旅館〉が閉館しました。
〈まるなか旅館〉は全室相模湾が見渡せるオーシャンビューの旅館で
新鮮な魚介類がいただける魚がし料理が自慢の宿でした。
そんな〈まるなか旅館〉をリノベーションした宿泊施設
〈HOTEL FARO manazuru〉が2023年12月にオープンしました。

淡路島の民宿〈南海荘〉で焼く 圧巻のバゲットとカンパーニュ。 14年の日進月歩

パンのおいしい民宿が、南あわじにある

2012年夏に淡路島の南端、南あわじ市の〈南海荘〉のご主人・竹中淳二さんを訪ね、
イタリアンがおいしい民宿の秘密を密着取材した。
この様子はコロカルのエリアマガジンで公開されている。

当時から竹中さんの地産イタリアンとワインのペアリングは抜群のセンスだったが、
この12年間で進化しているのが、
コース料理の序盤と終盤に料理のおともとしてサーブされるバゲットとカンパーニュだ。
より芳醇に、より余韻が長く。
単体で食べたとき、白身の魚と合わせたとき、ジビエと合わせたときで印象が変わるが、
特に皿に残った濃厚な旨みのソースを拭ったバゲットの旨さたるや!

2015年に食事処の和室から離れで食べるというスタイルに変え、
より非日常感を味わえるようになったが、
和の装いのシンプルな個室で、箸で食べるイタリアンがこれほどまでに印象的なのも、
バゲットとカンパーニュという名脇役がいるからだ。
そんなパンを生み出す竹中さんに、南海荘流のバゲットとカンパーニュの極意を聞いた。

「パンをたくさん食べてほしい」

「『パンがおいしい』って言ってもらえるのはうれしいですね。
料理やソースと一緒にパンを食べてもらうことで
味わいがいっそう膨らむように考えています。だからたくさん食べてほしいんです」
今日自家製のパンを提供するフレンチやイタリアンは珍しくないが、
竹中さんのパンにはコース料理にもみられる一貫した哲学や美学を感じられる。

竹中さんが自分でパンを焼き始めたのは2010年頃のこと。
それまでもパンを焼いた経験はあったものの、
農家の橘真さんが育てた小麦を炒ってバゲットを焼いてみたことで
開眼したのだという。
同時期に洲本市でパンや菓子を焼く〈アムリタン〉のチカコさんが、
レーズン酵母で焼いたパンを食べさせてくれたことも大きかった。
「そのパンが本当においしくて衝撃的で。
チカさんから本を借りて参考にしながら
レーズン酵母を起こしてパンを焼きました。
当然最初からうまくは焼けませんでしたが、とても楽しかったのを覚えています」

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そこから創作意欲がむくむくと湧き、パンづくりにのめり込んでいった。
地元産にこだわってつくり始めた玄米米粉のバゲットは、
もっちりとしすぎる傾向にあるので、
米の品種や小麦との配合を工夫しながら試作を続けてきた。
天気や気温で微妙に変わる水分量や酵母種の量も
「感覚だよりなところがあって、細かくは気にしていない」と笑いつつ、
料理人の勘と試作の手応えでレシピをつくりあげた。

淡路島の食のプロフェッショナルたち
(竹中さんにとっては「友人」でもある)から知見を得て、
それを竹中さん流にアレンジできてしまうのだ。
宿でパンを出すようになってから13年。今もレシピはほとんど変わらないのだという。

ほぼ完成型かと思われたパンづくりだったが、そこからブレイクスルーが起きた。
きっかけはコロカルのエリアマガジンで南海荘を撮影した写真家の在本彌生さんが
埼玉の天然酵母のパン屋〈タロー屋〉の本を竹中さんに献本したことだった。

「その本を読んでタロー屋さんが野菜や果物で酵母を起こしているのを知り
やってみたくなったんです」
2016年頃のことだった。「酵母で淡路らしさを出せるかも」とすぐさま取り入れた。

さまざまな果実を試すなかで、特にお気に入りの酵母は、梨と柿。
地元の産直やご近所から仕入れた柿で起こした酵母でパンを焼くと、
チーズのような乳酸発酵の香りがしたそうだ。
「柑橘も特徴が出ておいしいのですが、僕はこのふたつが好き。
梨と柿は同じような乳酸発酵の風味が出るのでおもしろいですよね」

この冬は柚子と金柑で酵母を起こした。
柚子酵母のカンパーニュは、
開栓したてのオリーブオイルのようなフレッシュな酸味とビターな後味が印象的だ。

金柑の酵母を起こすところ。「なるべく自然のもので起こしたい」というのが竹中さんのこだわり。夏場は3日ほどで酵母が起こるが、冬場は1週間以上かけてじっくりと様子を見ていく。

金柑の酵母を起こすところ。「なるべく自然のもので起こしたい」というのが竹中さんのこだわり。夏場は3日ほどで酵母が起こるが、冬場は1週間以上かけてじっくりと様子を見ていく。

元気に発酵中。果物を多く入れれば入れるほど発酵は早いそうだが、「量は計らず感覚」なのだという。

元気に発酵中。果物を多く入れれば入れるほど発酵は早いそうだが、「量は計らず感覚」なのだという。

竹中さんがイタリアンのコースで提供するのは、
主に玄米米粉のバゲットとカンパーニュの2種類(日によってはフォカッチャも)
バゲットは、その日近所の漁港であがった魚のカルパッチョと合わせて3皿目に出される。
南海荘のイタリアンコースは竹中さんのオリジナリティ溢れる構成で、
1皿目に1貫の握り寿司、2皿目にすまし汁と懐石料理的な前菜が続くのだが、
次が鮮魚のカルパッチョだと和からイタリアンへ一足飛びになってしまうものを、
玄米バゲットの存在があるから和のトーンを残したまま、
ゲラデーションのように本格的なイタリアンへ移行していくのだ。

一方カンパーニュはコースの中頃、
強い風味を持ったメイン級の素材とともに提供される。
あるときはカンパーニュのパン粉で揚げた鹿肉のカツ、
またあるときは〈3年とらふぐ〉の白子のソテーが乗せられ軽やかな日本ワインと一緒に。

そして終盤、魚料理と一緒にまた玄米バゲットが添えられてくる。
「ほんまパンを食べてもらうコースですね」と竹中さんは笑う。
2012年の取材当時も、美食家たちがこの竹中さんのイタリアン目がけて
全国からやってくると評判の宿だった。
行かないと味わえないというのが、淡路島にわざわざ足をはこぶ理由になっている。
すなわち、このパンに惹かれて来るのだ。

竹中さんは、ふとパンの奥深さを感じるときがあるという。
「おいしいパンを焼くための要素が無限にありすぎて、
その日その日でこんな感じかーと自然任せなんです。
だから、ゴールが“これ”というのがない。おいしかったらそれでいいんですよ。
気にしていることといえば口溶けですね。
口の中で団子にならないようにと気を使っています」

甲斐みのりの 「いま食べたい、もう一度食べたい、 何度でも食べたい地元パン®️」

著書での紹介は200点超え。
全国のパンを食べてきたなかでも衝撃を受けた「地元パン®️」は?
また食べたい! 何度でも食べたい! と心躍る「地元パン®️」は?
エッセイストで『地元パン手帖』著者の甲斐みのりさんが
「地元パン®️」との出合いを綴ります。

それぞれのパンに、豊かな物語が潜んでいる

主には昭和20年~30年代に創業した店や、地域の学校給食を手がけ、
戦後の食糧難の時代から地元の食を支えてきた店がつくるパン。
それから、材料、かたち、ネーミング、パッケージに、
地域性や時代性があらわれていたり、独特の趣があるパン。
これらを「地元パン®️」と呼称し、研究や採集を始めてから20年近くが経ちました。
その間、『地元パン手帖』や『日本全国 地元パン』などの本を出版したり、
実在する地元パンのミニチュアカプセルトイや地元パン文具の監修、
講演会やワークショップの機会も増えてきたため、
「地元パン」で商標登録も行いました。

もともとは、和菓子でも洋菓子でも、日本各地に根づく郷土菓子が好きで、
味や素材だけでなく、成り立ちや意匠、パッケージのデザインにも魅力を感じ、
“お菓子の旅”と称して全国を巡りながら、独自に研究を重ねていました。
旅先では、チェーン店から個人店まで大小の菓子店、百貨店、スーパー、道の駅に立ち寄り、
新たなお菓子を探し出すことができると心が満たされます。
そうするうちに地域の老舗パン屋も、
和洋の菓子を販売していることが多いため訪れるようになったのですが、
そこで日本には、その土地土地に根づくパンがあり、
それぞれのパンには豊かな物語が潜んでいると気がついて、
ローカルパンに魅了されていきました。

甲斐みのりさんの著書『日本全国地元パン』(エクスナレッジ刊)、『地元パン手帖』(グラフィック社刊)。

甲斐みのりさんの著書『日本全国地元パン』(エクスナレッジ刊)、『地元パン手帖』(グラフィック社刊)。

日本のパン屋は世界に誇れる多様な技術を身につけています。
ただパンを焼くだけでなく、
サンドイッチに挟むポテトサラダやトンカツなどの惣菜も自家製。
パンとともに販売する、プリンやクッキー、まんじゅうや
羊羹までも手づくりのものを並べています。
関東の昔ながらのパン屋でときどき見かける、
もはやパンというよりお菓子といえる、
カステラで羊羹を挟んだ明治時代から親しまれる「シベリア」を見つけたときには、
日本のパンの“菓子パン”というジャンルは、
世界的に見て大変珍しいのでは? と思い至りました。
どうやら日本において、菓子とパンは親戚関係にあるようだ……
とますますパン研究にのめり込み、そのうち甘辛の垣根を越えて、
惣菜パンや袋パン……土地土地で長年愛されるパンの研究に没頭していったのです。

日本に初めてパンが伝わったのは、鉄砲伝来と同じ安土桃山時代。
しかし当時のパンは非常にかたくて日本人の口に合わず、
実際に食べていたのは外国人の商人や宣教師に限られていたそうです。
その後、日本人による日本人のためのパンを最初につくったのは、
日本のパンの祖といわれる軍学者・江川太郎左衛門。
携帯しやすく日持ちがする兵糧としてパンの生産を行いましたが、
それもまたかたくておいしさとはほど遠く、日常食として根づくことはありませんでした。

やがて開国した港町・横浜に、外国人がつくる外国人に向けたパン屋が誕生します。
それを見て「これからの日本はパンの時代がやってくる」と先を見越して、
明治2年に日本人初のパン専門店を開いたのが、〈木村屋總本店〉の創業者。
日本人でも食べやすい食感となるように、
酒まんじゅうに着想を得て酒種酵母菌で発酵させた生地にあんこを合わせ、
あんぱんを売り出しました。
そうしてあんぱんは、「文明開化の味がする」と大流行。
日本のパン食文化の幕開けはあんぱんにあるように、
日本でパンとお菓子は、切っても切れない縁があるというわけです。

とはいえ第二次世界大戦前は、まだまだパンは贅沢品。
私たちが今のように、朝や昼、ときに夜の食事として、
当たり前にパンを食べるようになったのは戦後から。
食糧難の時代に学校給食制度が導入され、
子どもたちの昼食にコッペパンが配膳されたのが大きな契機となりました。
学校給食用のパンを焼いたり、地域の人々の食生活を支えるため、
和菓子店・洋菓子店はじめ、さまざまな業種の人たちがパン屋に転業し、
各地にパン屋が急増。戦後まもまく創業したパン屋に、
和菓子や洋菓子を販売しているところが多いのも、こんな歴史につながっています。

地元パンのたのしみは、材料、かたち、ネーミング、パッケージを知るほかにも、
日常を豊かに彩るさまざまな広がりがあります。
ここからは私が日々心躍らせる、地元パンを楽しむ視点を紹介します。

パンのふんわりとした風合いまで再現された地元パンのカプセルトイ。

パンのふんわりとした風合いまで再現された地元パンのカプセルトイ。

〈トキエア〉就航で 札幌からも行きやすく。 温泉・食・宿 佐渡旅のススメ

写真提供:SADO RESORT HOTEL AZUMA

佐渡で何する? 『新潟のつかいかた』で見つけた佐渡の過ごし方

2024年1月31日に新潟と札幌(丘珠)を結ぶ〈トキエア〉が就航しました。
新潟・札幌間が100分~105分と感覚的に近くなり、
互いのグルメやレジャーなどがより気軽に楽しめるようになります。

新潟と札幌(丘珠)を結ぶ〈トキエア〉

実は北海道と新潟県は歴史的にも意外と深い繋がりが。
新潟県は北海道開拓の歴史において、移民数が青森県と秋田県について第3位なのです。
さらに北前船の歴史においても佐渡は要所でした。
北前船の寄港地として発展した小木海岸の入り江の宿根木という集落は、
廻船業で栄えた江戸時代の面影を今に伝えます。

現在、トキエアは地域連携プロジェクトの第1弾として、
佐渡汽船や佐渡観光交流機構などと連携し、
北海道から佐渡市に訪れる個人旅行者向けのパッケージツアーを発売しています。
これは、トキエアと佐渡汽船(佐渡市)それぞれの往復チケットと、
宿泊がセットになったもの。
ますます佐渡への旅行が身近になりました。

そこで今回は、これまでに『新潟のつかいかた』で掲載された
佐渡の観光スポットや、おすすめグルメを厳選してご紹介します。

世界的建築家・藤森照信が手がけた 日本初の宿〈小泊Fuji〉の ローカルな魅力!

のどかな富士見町に佇む美しい宿

南アルプス、富士山、八ヶ岳と、
四方を美しい山々に囲まれた長野県諏訪郡富士見町に、
世界的建築家・藤森照信氏が設計を手がけた
日本初の宿泊施設〈小泊Fuji〉が誕生しました。

昨年、同宿のクラウドファンディングを紹介しましたが、
そこで集まった金額はなんと1000万円以上。

そんな、多くの人々の期待を背負って誕生した
〈小泊Fuji〉のローカル的魅力を紐解いていきます。

自然と調和した建物

四方を美しい山々に囲まれた長野県諏訪郡富士見町

360°見渡す限り広がる青々とした田んぼ。

〈小泊Fuji〉

360°見渡す限り広がる青々とした田んぼ。
長野県と山梨県の県境に近い、小さな集落の
4000平米の敷地にある高台に〈小泊Fuji〉はあります。

コンセプトは「いのちの中で呼吸する」。
“人と自然が織りなす里山の風景に、
ゆっくりと心を満たす滞在”を目的として建てられたここは、
1日1組限定(定員5名)の完全プライベートな宿。

「小泊Fuj」という名前は、藤森さんや
所在地である富士見町、デッキから富士山が見えることから、
4つの「フジ」を採用して命名されたもの。

1日1組限定(定員5名)の完全プライベートな宿

田園風景にポツンと佇むメルヘンな建物は、
まるで妖精のお城のようです。

「一見すると奇抜な建築ですが、田畑から南アルプスへと続く
周囲の景観に溶け込んでいると、みなさま驚かれます。
全国の藤森建築でも言えることかもしれませんが、
元々この土地に在ったような佇まいになっているんです」

と、オーナーの山越典子さん。

藤森氏は自身の建築において「自然との調和」を
大きなテーマとして掲げていますが、それは小泊Fujiでも健在です。

銅板の屋根の上には、近くの樹齢300年の枝垂れ桜にちなみ、
フジ桜が植えられ、外壁には焼杉を使用。
室内は壁を漆喰、床や家具などはクリの材で仕上げられています。

銅板の屋根の上には、フジ桜が植えられ、外壁には焼杉を使用。

特に屋根は、銅板の経年変化と季節の植物の移ろいが相まって、
四季を通してさまざまな表情を見せるでしょう。

手曲げの銅板

クラウドファンディングのリターンであるワークショップで、のべ150人の協力を得て作りあげた

この屋根に貼られた手曲げの銅板や外壁の焼杉は、
クラウドファンディングのリターンであるワークショップで、
のべ150人の協力を得てつくりあげたもの。

「建築は誰にでも関われるところがあるから面白い」
と、藤森氏。あえてさまざまな人の手を介して建築する、氏らしい一言です。

土足厳禁! 新宿三丁目の名物マスターが行き着いた 福岡の理想郷〈Barデラシネ〉

音楽好きコロンボとカルロスが
リスニングバーを探す巡礼の旅、次なるディストネーションは
福岡県福岡市。

さり気なくも、どっぷりと深い選曲と旨い酒。
リスニングバーの究極のカタチ

カルロス(以下カル): 〈Barデラシネ〉の店主の深田祐規さんって、
新宿三丁目界隈ではかなりの名物マスターだったんだよね。

コロンボ(以下コロ): そう、当時はガジロウさんって呼ばれていて、
老舗レコードバーを切り盛りしたのち、自身の店〈Bar Pain〉をやったりと、
新宿三丁目を根城にする業界人では知らない人はいなかったんだ。

カル: 新宿三丁目というと、昔からレコードバーのメッカだけど、なぜだ?

コロ: 今も昔も、表から裏方まで業界人の溜まり場。
とくに当時はソニーレコードをはじめレコード会社が近くにあったり、
フジテレビが河田町、日本テレビが番町と
業界関連の会社からのアクセスがよかったのも関係あるかな。

カル: 出版社も多いしね。そのガジロウさんがなぜ福岡に?

店主のガジロウさんこと深田祐規さん。ガジロウの由来は『探偵物語』松田優作に憧れてアフロヘアにしたものの、むしろ佐藤蛾次郎に近いとういことから命名されたと。

店主のガジロウさんこと深田祐規さん。ガジロウの由来は『探偵物語』松田優作に憧れてアフロヘアにしたものの、むしろ佐藤蛾次郎に近いとういことから命名されたと。

コロ: 新宿三丁目のお店は順調だったんだけど、
お母さんが大病したとかで実家の宇和島に戻り、その後は各地を転々として、
酒場の仕事の30周年を機に引退。
その後は釣りばっかりの人生だったようだよ。
でも酒場の魅力というか、弟子たちが楽しそうにお店をやっているのを見て、
またやろうと復帰、福岡に来て、この店が2軒目。

カル: それでデラシネ(根無し草)。ガジロウさんらしい、いい屋号。

コロ: ちなみに福岡の1軒目はブルース・スプリングスティーンと
好きな釣りからとって〈リバー〉。

カル: 新宿三丁目っぽく、大声を出しちゃいけないとか、
規律が厳しい感じなの?(笑)

コロ: いやいや、さすがに。
20代の頃は「いまかかっている曲を黙って聴け!」って感じだったけど、
心地良さ優先。ボクらが行ったときは山弦が静かにかかっていたな。

〈三俣山荘図書室〉伊藤圭さん 大町を再び登山のまちに。 北アルプスの“秘境”の復興に挑む

山と人とまちをつなぐサロン

長野県大町市。『北アルプス国際芸術祭』の舞台でもあるこのまちも、
普段はさすがに開催時期ほどのにぎわいはない。
しかし、かつて戦前~1960年代まで、
このまちは登山文化の発信地のひとつとして、全国から客足が絶えなかったという。

〈三俣山荘図書室〉。店の使用電力は屋上に設置したソーラーパネルで賄う。完全オフグリッドだ。(写真提供:三俣山荘図書室)

〈三俣山荘図書室〉。店の使用電力は屋上に設置したソーラーパネルで賄う。完全オフグリッドだ。(写真提供:三俣山荘図書室)

同じく〈三俣山荘図書室〉店内。バーカウンター脇に登山ギアとウェアのポップアップ。

同じく〈三俣山荘図書室〉店内。バーカウンター脇に登山ギアとウェアのポップアップ。

「山と人とまちをつなぎたい」
北アルプス・黒部源流の稜線にある〈三俣山荘〉と〈水晶小屋〉のオーナー、
伊藤圭さんは、往年の登山文化の復興を目指して、
2022年、大町のシャッター街となった商店街の一角に、
〈三俣山荘図書室〉をオープンした。

空き店舗になっていた元呉服店の3階部分を、
1年かけてDIYでリノベーション。
当時を伝える登山道具や山の写真がディスプレイされた階段と通路を抜けると、
アウトドアのウェアやギア、登山やエコロジーなどをテーマにした
約400冊の本がずらりと並ぶカフェに到着する。
大きく開いた窓から飛び込んでくるのは、北アルプスの山々だ。

店のテラスに出ると北アルプスが望める。取材時は11月、早くも雪に彩られて美しい。

店のテラスに出ると北アルプスが望める。取材時は11月、早くも雪に彩られて美しい。

「いろいろなカルチャーを持った人たちが山と出会う、
ハブになるようなサロンにしたいんです。
そうすることで登山も新しいカルチャーに生まれ変わる。
そうでもしないと、登山に興味のある人の数は増えないと、僕は思うんです」

伊藤さんがそう考え、三俣山荘図書室をオープンさせるに至った背景には、
登山文化や山小屋、まちという地域が抱える、さまざまな課題があった。

にぎわいを失った登山のまち

伊藤さんは、東京出身。
四谷育ちの都会っ子でサブカルチャー好きと、山とは縁遠い生活を送っていたが、
先代で日本の登山文化の黎明期を担った父・正一さんのあとを継ぎ、
山小屋のオーナーになった。

戦後の時代、正一さんは荒れ果てた山小屋の権利を買い取り、
土地の猟師たちと小屋を再建。
その経緯を綴った正一さんの著書『黒部の山賊』(ヤマケイ文庫)は
現在も山岳文学の名著と謳われるほどで、まさにまちの登山文化の発展に貢献した人物だ。

〈三俣山荘図書室〉店内ディスプレイより、伊藤さんの父であり開拓者、正一さんの年譜。

〈三俣山荘図書室〉店内ディスプレイより、伊藤さんの父であり開拓者、正一さんの年譜。

事実、かつて大町は“登山のまち”だった。
都市の文化人たちがこぞって山を目指し、
北アルプスの象徴である槍ヶ岳から烏帽子岳までの黒部源流域に伸びる
〈裏銀座ルート〉を登るために、登山客でにぎわった。
彼らは、地元旧家の出である百瀬慎太郎の旅館〈對山館〉(1892頃~1943年)に集い、
さながらサロンのように交流していたという。伊藤さんはこう解説する。

「1950年代には、登山客が駅前でぎゅうぎゅうになって雑魚寝したとか、
登山口行きのバスが満席だったとか、そういう話が残っています。
その後もいわゆる「登山ブーム」でにぎわいましたが、
1979年に大町の登山文化は一旦途絶えてしまうんです」

〈三俣山荘図書室〉入口までの階段にディスプレイされた往年の登山道具。

〈三俣山荘図書室〉入口までの階段にディスプレイされた往年の登山道具。

原因には、まちにある北アルプスへの入山口に高瀬ダムが完成し登山道が途切れたこと、
上高地や新穂高のようなほかの入山口が充実し登山客が流れたこと、
そしてまち自体の過疎化などが挙げられるという。
その結果、「裏銀座ルートはすべて寂れてしまい、
ここ40年間は下降線の一途をたどっている」と伊藤さんは語る。
追い打ちをかけたのが、新型コロナウイルスによる登山客の激減=山小屋の減収だ。
「収益が例年の25%くらいに落ち込んで、このままじゃつぶれる、
なにかやらなきゃって、考え始めたんです」

〈三俣山荘図書室〉店内。父・正一さんの著書や登山ファンにはお馴染みの本も。

〈三俣山荘図書室〉店内。父・正一さんの著書や登山ファンにはお馴染みの本も。

今年どんな買い物した? コロカル編集部厳選 2023年ベストバイ

ローカルのいいモノをたくさん知っているコロカル編集部のメンバーに、
今年1年で出合った、心から買ってよかったものを聞きました。
個性豊かなラインナップと、熱のこもったエピソードをご覧ください。

●飲食部門

辛党のメンバーからはちょっと変わった日本のローカルなお酒を。
SNSで話題となった調味料や、思わずパケ買いしたくなる食品も集まりました。

〈新潟銘醸〉の「機那サフラン酒」【新潟県小千谷市】

新潟県越後湯沢での仕事を終えて
編集部のプチ打ち上げで立ち寄ったのが、
編集部・海老原さんおすすめの〈たつのや商店〉でした。

越後湯沢駅から徒歩5分の場所にあり、
店先に置かれた「ちょこっと飲める酒屋100円から」の看板が目印です。
そう、ここは希少な生酒や果実酒、県外や酒屋には出回らない銘柄などが
一杯100円で飲むことができる、有料試飲・酒販店兼土産物屋。

日本酒の販売はもちろんですが、
酒器や新潟県産のおつまみなども店主の目利きが光るラインナップです。

そこで目に止まったのが、〈新潟銘醸〉の「機那(きな)サフラン酒」。
サフランをはじめ、桂皮(けいひ)や丁子(チョウジ)などを
ブレンドした薬用酒で、ひと口飲んですっかり気に入ってしまい、
お土産用も含めてその場で数本購入してしまいました。

味は想像にお任せしますが、そのまま飲んでも良し、
レモンを加えて水やソーダで割っても良し、
リキュールとして使っても良しと、ずっと飲んでいられる癖になる味わいです。

あとになって調べると、
その歴史は古く明治時代にお酒に代わるものとして販売され、
女性ウケを狙ったハイカラな嗜好品として大ブレイクしたそうです。

当時、長岡の醸造屋・摂田屋の吉澤仁太郎氏が発明し
現在は、小千谷市の〈新潟醸造〉が製造を引継ぎ販売しています。

深掘りすると、かなりストーリーがあるようなので
いつか取材してみたいトピックです!

編集・卓立

〈VinVie(ヴァンヴィ)〉の「シードル」/〈kimori(キモリ)〉の「シードル」【長野県下伊那郡松川町/青森県弘前市】

最近では、マイクロブルワリーやクラフトジンなども人気ですが、
私は国産シードルがイチオシです。定期的に買ったり、
お世話になった方に贈ったり、
お店にあれば「とりあえず、シードル」にしています。

なかでも、2014年の立ち上げ当初からファンなのは、
青森県弘前市のシードル〈kimori〉
創業者であり、りんごの語り部である高橋哲史さんの
ファンと言っても過言ではないかもしれません。

しかし、先日ご縁があってうかがった南信州で、
ワイン・シードル醸造所〈VinVie〉に出合ってしまいました。

工房でお話を伺いながら試飲させていただきましたが、ひと口でファンに。
お気に入りはドライタイプで、すっきり飲みやすく、
食中酒にもピッタリです。

南信州の中心である長野県飯田市は、「焼肉のまち」なのだそうですが、
お肉にも合うシャープさ。
焼肉とシードルのマリアージュもアリなのではと。

青森も長野もりんごの産地ですが、
各地で盛り上がっている「国産シードル」が
もっと気軽に楽しめるようになるとよいなと思って、
2023年私のベストバイとします。

編集長・山尾

〈魚商 小田原六左衛門〉の「おだわら城前鯖 さばのオイル漬」【神奈川県小田原市】

2020年に小田原駅にできた〈minaka ミナカ小田原〉の一角に店舗がある
〈魚商 小田原六左衛門〉

創業430余年の魚の卸会社が始めた直売ブランドのお店で、
おいしい魚をつかった加工商品が数々並びます。
海なし県で生まれ育った身としては行くたびにテンションあがり気味、
パッケージデザインにも力を入れていて、商品のならびを眺めるだけでも楽しいです。

さまざまな商品が並ぶなかで、
朝ごはんのお供として&お酒のつまみとしてよく選んでいるのが「さばのオイル漬」。
小田原産のさばを使っていて、山椒・ねぎ味噌・ガーリック・生姜、
4つの味が楽しめます。

自宅用としてはもちろんですが、ブランドロゴやラベルデザイン、
小瓶1本ずつのギフトパッケージも可愛らしく、
ちょこっとの手土産としても重宝させてもらっています。

デザイナー/エンジニア・絹川

〈阿部幸製菓〉の「柿の種のオイル漬け にんにくラー油」【新潟県新潟市】

越後湯沢駅構内の〈CoCoLo湯沢〉で発見し、
POPでも激推ししていたので、試してみたらどハマりしました。
ご覧の通り底見え調味料です。
オイルに柿の種がとっぷりと浸かっているのに、
なぜか柿の種のカリカリが保たれたまま。
だから、食感がとてつもなくいいのです!

卵かけご飯、和え麺などへのちょい足しもいいのですが、
ぜひ試していただきたいのは「柿の種納豆チャーハン」。
にんにくのガッツリ感もプラスされて、
米の量が少なくても満足感があるので実質ダイエット飯です!
柿の種との食感の違いを楽しめる大粒の納豆がおすすめです。

編集・海老原