世界的建築家・藤森照信が手がけた 日本初の宿〈小泊Fuji〉の ローカルな魅力!
のどかな富士見町に佇む美しい宿
南アルプス、富士山、八ヶ岳と、
四方を美しい山々に囲まれた長野県諏訪郡富士見町に、
世界的建築家・藤森照信氏が設計を手がけた
日本初の宿泊施設〈小泊Fuji〉が誕生しました。
昨年、同宿のクラウドファンディングを紹介しましたが、
そこで集まった金額はなんと1000万円以上。
そんな、多くの人々の期待を背負って誕生した
〈小泊Fuji〉のローカル的魅力を紐解いていきます。
自然と調和した建物



360°見渡す限り広がる青々とした田んぼ。
長野県と山梨県の県境に近い、小さな集落の
4000平米の敷地にある高台に〈小泊Fuji〉はあります。
コンセプトは「いのちの中で呼吸する」。
“人と自然が織りなす里山の風景に、
ゆっくりと心を満たす滞在”を目的として建てられたここは、
1日1組限定(定員5名)の完全プライベートな宿。
「小泊Fuj」という名前は、藤森さんや
所在地である富士見町、デッキから富士山が見えることから、
4つの「フジ」を採用して命名されたもの。

田園風景にポツンと佇むメルヘンな建物は、
まるで妖精のお城のようです。
「一見すると奇抜な建築ですが、田畑から南アルプスへと続く
周囲の景観に溶け込んでいると、みなさま驚かれます。
全国の藤森建築でも言えることかもしれませんが、
元々この土地に在ったような佇まいになっているんです」
と、オーナーの山越典子さん。
藤森氏は自身の建築において「自然との調和」を
大きなテーマとして掲げていますが、それは小泊Fujiでも健在です。
銅板の屋根の上には、近くの樹齢300年の枝垂れ桜にちなみ、
フジ桜が植えられ、外壁には焼杉を使用。
室内は壁を漆喰、床や家具などはクリの材で仕上げられています。

特に屋根は、銅板の経年変化と季節の植物の移ろいが相まって、
四季を通してさまざまな表情を見せるでしょう。


この屋根に貼られた手曲げの銅板や外壁の焼杉は、
クラウドファンディングのリターンであるワークショップで、
のべ150人の協力を得てつくりあげたもの。
「建築は誰にでも関われるところがあるから面白い」
と、藤森氏。あえてさまざまな人の手を介して建築する、氏らしい一言です。
白を基調とした温かみのある室内

シンプルで木の温もりが漂うベッドルーム。

開放的なデッキから美しい田園風景を眺められるダイニングルーム。


同宿では、朝食は宿泊者自らが用意します。
キッチンを利用した方からは、
「お家のように建物との距離が近くなる!」
「住みたい!帰りたくない!」という声が。
一晩プライベートに過ごすことで、
みなさん建物と親密になり、愛着が湧いてしまうそうです。

朝食に用意されているホットケーキミックスは、
長野県産の小麦粉・玄米粉・蕎麦粉などをブレンドしたもの。
洋とも和ともつかない素朴な味わいが、小泊Fujiで迎える朝にピッタリです。


オプションのしゃぶしゃぶセットは、
小泊Fujiから見える田んぼで育ったお米、地元の旬の野菜、
ご近所の平飼いの卵、松本で作られたお醤油や出汁、ごまだれの一式が揃っています。
季節の野菜がたくさん食べられるため、通販して欲しいという声もあるほど。
宿に併設された宿泊者専用のパントリーストア(売店のような役割)では、
地元のクラフトビールやお酒、近隣の農家さんから仕入れたお米や
トマトジュースなど、地元の食品やお酒などが購入できます。
また藤森氏の建築は、
漆喰の天井に炭を貼る意匠がありますが、
小泊Fujiでもそれは健在。希望者は、寝室の天井に
小さな炭のピースを貼り付ける炭張り体験ができるそう。
2024年8月まで実施予定。(希望者のみ1人様1ピース)



山越さんにおすすめの宿泊時期を聞くと、以下の答えが。
「どの季節にもそれぞれの良さがあるのですが、
個人的に好きな季節は新緑の5月初め頃です。
みるみると山の景色に立体感が出て生命力に感動します」
富士見町に新たな風景をつくった小泊Fuji。
できれば季節が移り変わるごとに、
泊まりに行ってみたいものです。
information

小泊Fuji
住所:長野県諏訪郡富士見町(プライベート施設につき住所は非公開)
宿泊料金:一棟基本料金 66000円(季節変動あり)、大人 8800円、中学生5500円、小学生3300円、小学生以下無料
概要:1日1組限定(定員5名)、朝食付き(セルフサービスでのご用意)、ミニキッチン付き
Web:小泊Fuji 公式サイト
*価格はすべて税込です。