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柳宗悦も滞在した
富山の歴史ある寺院にオープン
“泊まれる民藝館” 〈善徳寺 杜人舎〉

コロカルニュース

posted:2023.12.22   from:富山県南砺市  genre:旅行 / アート・デザイン・建築

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writer profile

Saori Nozaki

野崎さおり

のざき・さおり●富山県生まれ、転勤族育ち。非正規雇用の会社員などを経てライターになり、人見知りを克服。とにかくよく食べる。趣味の現代アート鑑賞のため各地を旅するうちに、郷土料理好きに。

柳宗悦が表現した土地の風土「土徳」に触れる複合施設

富山県南砺市の城端地区にあり、550年もの歴史を持つ城端別院善徳寺。
その敷地内に宿泊を中心とした複合施設
〈善徳寺 杜人舎(ぜんとくじ もりとしゃ)〉がオープンします。
民藝運動の創始者、柳宗悦が「土徳(どとく)」と表現した
土地の人々が持つ精神風土に触れる集いの場として活用される予定です。

城端別院善徳寺

城端別院善徳寺は、室町時代に創建されたと伝わる浄土真宗の寺院です。
戦国時代は越中一向一揆の拠点のひとつとなり、
昭和時代には民藝運動の創始者である柳宗悦が
民藝運動思想の集大成である『美の法門』をこの寺で書き上げました。

善徳寺の敷地には柳の弟子で
富山県立山町出身の木工家・建築家、安川慶一が設計した
2階建ての研修道場があります。

杜人舎は、主にその研修道場が改修されて利用されます。

1階には地域の人も気軽に利用できるカフェやショップと
仏教や民藝に関する講座が開催される講堂を配置。

2階は長期滞在も可能な全6室のホテルに。
また善徳寺の書院がテレワークスペースとして活用されます。

客室にも民藝品がしつらえられています。

客室にも民藝品がしつらえられています。

杜人舎では館内や客室に、やはり富山にゆかりのある棟方志功のほか
濱田庄司、河井寛次郎といった民藝作家の作品や
世界各国から集めた民藝品をしつらえます。
民藝美に囲まれて滞在できる、いわば泊まれる民藝館です。

旅の宿泊以外にも杜人舎の利用方法はさまざま。
ワーケーションの場所として滞在したり、
お茶や買い物のために立ち寄ったり、
開催される講座に参加したりと、さまざまな形で足を踏み入れられる開かれた場所です。

講堂で開かれる講座には
柳宗悦が「土徳」と表現したこの土地の精神風土に触れられる機会にもなります。

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地域の工芸作家を訪ねる体験も準備される予定です。

地域の工芸作家を訪ねる体験も準備される予定です。

講師になるのは善徳寺の僧侶のほか、
善徳寺名物「さば鮨」など地域の郷土料理をつくり続ける女性たち、
陶芸や木彫など伝統産業を担う職人、
有機・自然栽培に取り組む農家など地域の人々です。

他にも本堂での朝のお勤めや念珠づくり、
パラグライダーで砺波平野の伝統集落、散居村を上空から眺める体験、
城端地域に伝わる曳山祭やむぎや祭りといった
当地の祭りを体験するプログラムも予定されています。

浄土真宗の考えや砺波平野の自然と文化のつながりを垣間見ることができます。

チェックインスペースとして使われる場所には囲炉裏があります。Photo by Yuki Tanaka

チェックインスペースとして使われる場所には囲炉裏があります。Photo by Yuki Tanaka

学びがあり、コミュニティともつながり得る滞在体験

2023年12月1日からプレオープンとして
企業や大学の研修・合宿を目的とした団体の受け入れが始まりました。
2024年春から個人の宿泊者の受け入れを予定しています。

講堂兼ラウンジとして使われるスペース

講堂兼ラウンジとして使われるスペース

善徳寺 杜人舎が目指すのは滞在体験そのものが学びとなり、
日々の糧となるような豊かな集いの場です。

柳宗悦は62日間も善徳寺に滞在したそう。
柳が滞在していた当時も、棟方志功をはじめ
詩人の吉井勇や俳人の前田普羅(ふら)等が出入りし
善徳寺はさながらサロンのようでした。

杜人舎もかつての善徳寺と同じように
出会いやつながりを作り、
「土徳」に触れた人が仲間となるコミュニティ拠点としても活用される予定です。

information

map

善徳寺 杜人舎

住所:富山県南砺市城端西上405 善徳寺内

tel:076-377-3732

客室数:6室

1泊料金:1名14000円から

Web:善徳寺 杜人舎公式サイト

*価格はすべて税込です。

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