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posted:2014.12.9 from:青森県弘前市 genre:食・グルメ
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
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writer profile
Yu Ebihara
海老原 悠
えびはら・ゆう●コロカルエディター/ライター。生まれも育ちも埼玉県。地域でユニークな活動をしている人や、暮らしを楽しんでいる人に会いに行ってきます。人との出会いと美味しいものにいざなわれ、西へ東へ全国行脚。
青森県弘前市は言わずと知れたりんごの名産地。
りんご狩り体験や、りんごを使ったランチが楽しめる、弘前市りんご公園内に、
今年誕生したのが、シードルのブランド「kimori(きもり)」の工房です。
シードルとは炭酸発酵させたりんごのお酒。
フレンチの食前酒としてポピュラーな飲み物です。
甘酸っぱい風味とピチピチとした細かな炭酸が特長。
最近では、シャンパン代わりに楽しむ人も多いのではないでしょうか。
「kimori」のシードルは、この工房の醸造タンクでつくられます。
絞りたての果汁を酵母によってゆっくり発酵させて、炭酸を発生させます。
人工的に炭酸を充填せず、タンクを密閉して二次発酵させることにより、
発酵時に発生する炭酸をそのまま果汁に溶け込ませる、自然な製法を採用しています。
シードルの製造を主導するのは、高橋哲史さん。
2008年の降雹被害で津軽一帯のりんご農家は大きな被害を受け、
多くのりんごが廃棄になってしまったことを高橋さんは目の当たりにし、
1年間大切に育てて最後に捨てるなんてやりきれない。
この現状を少しでも変えたい。
そうした想いから「kimori」のプロジェクトをスタートさせたそうです。
「kimoriはりんご農家がつくる“どぶろく”のようなイメージ」と話す高橋さん。
りんごの収穫・工房までの運送・シードルの醸造・商品出荷まで、
りんご農家のひとたち自身が行うそうです。
だから、むかしは自分の家で醸造していた“どぶろく”に例えたのだとか。
テーマは「農家の庭先でシードルを」。
「りんごの樹の下に仲間が集まって、りんご箱に腰かけて、
みんなでシードルを楽しみたい」と高橋さんは話します。
工房で、「kimori シードル スイート」を試飲すると、
さわやかな酸味と、やさしい炭酸の舌触りがなんとも美味。
二度の発酵を経た「kimori」のシードルは、りんごジュースのように口当たりよく、
アルコールだということをついつい忘れてしまいそう!
りんごをよく知るりんご農家だからこそできたシードル。
現在は、通販などはなく、
弘前りんご公園の売店など、弘前市内の限られた場所でしか販売されていないそうなので、
弘前で見つけたら必ずゲットしたい逸品です。
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