目黒区青葉台のワークスペース みどり荘に
〈メディアサーフコミュニケーションズ〉を訪ねた。
青山国連大学前で毎週末行われている〈Farmer's Market @ UNU〉や
南青山のコミュニティ型空間〈COMMUNE246(コミューン246)〉、
2015年は10月に開催され、盛況を見せた〈青山パン祭り〉など、
さまざまなイベントやメディアを仕掛けている、今注目の若者メディアチームだ。
さらに、都市の野良仕事カルチャーを発信する雑誌『NORAH(ノラ)』を発行したほか、
最近では話題のパン本『CRAFT BAKERIES』もクラウドファンディングで刊行を実現させた。
創業メンバーの堀江大祐さんにお話をうかがった。
まずはメディアサーフコミュニケーションズという会社はどんな会社なのか。

メディアサーフコミュニケーションが企画・運営し、2009年9月より青山・国連大学前で開催されている〈Farmer's Market @ UNU〉。そこで日本各地からパンの名店が集う〈青山パン祭り〉が行われた。写真提供:メディアサーフコミュニケーションズ
「メディアサーフコミュニケーションズの構想は
元IDEE、現在は流石創造集団株式会社の黒﨑輝男さんが
10年くらい前から考えていたことです。
当時まだ本や雑誌など紙媒体がおもしろかった時代。
でもこれからはWebやSNS、映像やイベントなど、表現方法はいろいろあって、
それを組み合わせることによってより効果的な状況も生み出せるし、
伝えたいことによってメディアも選べるはず。
だからメディアをサーフィンするように有機的につないでいくことをする会社を
つくろうと考えたんです」
“メディア”をつくるだけでなく
“メディア”をサーフして“コミュニケーション”をつくる会社。
「僕はもともと黒崎さんのIID(世田谷ものづくり学校)での学びの場
〈スクーリング・パッド〉の学生だったんです。
そこでスクーリング・パッドの書籍の編集を手伝わせていただいて、
その流れで2008年にメディアサーフコミュニケーションズを立ち上げるときに参加しました。
最初はほんと仕事がなくて、毎月イベントをやったり、
そのコンセプトをもとにフリーペーパーをつくったりしていました。
そのうちに〈Farmer's Market @ UNU〉が始まって、
それが広がっていったんです。
会社の多くの力を〈Farmer's Market @ UNU〉や〈COMMUNE246〉に割いています。
僕は会社の中ではメディアづくりや、
あとは紙媒体やWebなどの制作系の仕事をやっていますね」

メディアサーフコミュニケーションズ内のプロジェクトチーム〈Bread Lab〉が運営する〈青山パン祭り〉。土日で約2万人を動員する。もともと2011年に世田谷・三宿エリアで始まった〈世田谷パン祭り〉から発展した。写真提供:メディアサーフコミュニケーションズ
〈Farmer's Market @ UNU〉のコンセプトを発信しているのが季刊誌『NORAH』。
これまでに紙媒体『NORAH』を5冊出しているほか、連動するWebサイトも立ち上げた。
「NORAHとは都市を耕す、ということなんです」
Culture(文化)の語源はCultivate(耕作)にあるという。
土を耕し、豊かにすることで、生まれ育つものを収穫し、楽しむということ。
それがNORAHだ。
「野良って、野を良くするって書くのだけれど、
それが僕たちのコンセプトをよく表していると思っています。
そして〈ファーマーズマーケット〉を
都市のなかに根ざしたものにしたいと思ったので、
催事的にやるだけではなく、メディアをつくることを考えました。
メディアというと最近はまずウェブマガジンになるんですが、
紙媒体としてかたちに残るものにしたいということで、季刊の紙媒体にこだわりました」
年4回発行する季刊誌『NORAH』とWebサイトは連動している。
エディター自ら掘り起こしてきた情報をWebサイト上にストックし、
その中から多くのユーザーの関心と意見を集めたトピックや、
今伝えるべきテーマをさらに掘り下げて雑誌に編集している。
野良的な感性を磨き、野良的な生活を志向する、そんなコンセプトブックだ。
「食や農に興味がある人だけでなく、
ファッションやデザインに興味がある人にも
“いいな”と思ってもらえるものにしたいと思っています。
海外の農家さんって野菜や作物にこだわるだけでなく、
家に行ってもインテリアも音楽も本も趣味がいい。
ライフスタイルそのものがかっこいい人が圧倒的に多いんです。
日本の農家さんでもやっていることや思想がかっこいい人はいらっしゃる。
でも趣味や生活まで羨ましいと思える人は数少ない。
日本の農家さんも憧れられる、
“生き方としてのファーマー”というものを発信していけるといいなと思います」
次は“種”の特集で、3月に出版予定だという。

メディアサーフコミュニケーションズの季刊誌『NORAH』。

2万人に愛される〈青山パン祭り〉から生まれた〈Bread Lab〉が送る、パン好きによる、パン好きのためのパンの本『CRAFT BAKERIES』。