ヨーロッパ目線のデントウコウゲイ
京都で伝統工芸や芸能に横串を通し、新しい動きを生み出している〈GO ON〉。
そのプロデューサーとして活動しているのは、各務(かがみ)亮さんだ。
広告代理店に勤務し、かつては海外に赴任。
日本の大手メーカーの商品をPRする役割を担っていた。
「10年間、海外、特にアジアで働いていました。
行った当初は、クルマが増えることで移動が自由になるとか、
冷蔵庫があることで食の安全が保たれるといった、
その国における日本のものづくりの意義を感じていました。
でもだんだんと国が発展してきて、状況が変わってきたんです。
これからの日本はクルマや家電を届けるだけはなく、
世界に対して新しい役割を果たすべきなのではないかと感じるようになりました」
そんなタイミングで日本に帰国することになった各務さん。
京都に赴任し、これまで海外で感じていたような、
これからの日本の役割を具現化する〈GO ON〉(ゴオン)というプロジェクトを
2012年に始める。それは日本、特に京都の伝統工芸に光をあてること。
京都であっても、日本全国と同様に、伝統工芸は衰退気味。
呉服などは、この20〜30年の間に10分の1規模まで落ち込んでいるような現状がある。

GO ONのプロデューサーである各務 亮さん。さまざまなプロジェクトを企画している。

〈Japan Handmade〉の商品。(写真提供:GO ON)
まずはGO ONのなかで、海外向けの商材をつくる
〈Japan Handmade〉というプロジェクトを、6社の職人たちへ提案した。
西陣織の〈細尾〉、竹工芸の〈公長齋小菅〉、木工芸の〈中川木工芸〉、茶筒の〈開化堂〉、
金網工芸の〈金網つじ〉、茶陶の〈朝日焼〉の6社で、
なかでも若手後継者で構成されている。
それぞれ個別には海外に打って出たり、現代的解釈の商品なども開発していた。
それでも、各務さんのような外部の存在には、構えてしまうのが京都人。
「金網つじの辻くんからは、“最初に話をもらったときは、あり得ないと思った”
と言われましたよ」
それでも地道に活動して、6社の気持ちを揃えていった。
つくられた商品は、たとえば中川木工芸のスツールや、公長齋小菅のiPhoneケース、
開化堂のティーポットやプレートなど。
「海外に持っていくときは、海外のライフスタイルに溶け込むように編集しないと」
と各務さんが言うように、
日本の技術を使い、ミニマルな美意識をうまく海外向けにアレンジしている。
プロダクトのデザインは、デンマークのデザインスタジオ〈OeO〉が参画している。
各務さんとOeO、そして職人さんと3者ですり合わせていった。
「最優先しているのは、職人や工芸会社が何をしたいのか、ということ。
本人がどうなったら一番ハッピーだと思っているのか。
5年後、10年後、100年後、どういう会社になっていきたいのかという挑戦への
第一歩になっていないと意味がないと思っています」

中川木工芸のスツールとシャンパンクーラー。(写真提供:GO ON)
まずは、当時勢いのあった上海に進出する。
ラグジュアリーなホテルに、部屋に6社のすべての商品を置き、
全部まとめて購入できるような仕掛けにした。
「でも、結果的に中国よりも、
そこに来るヨーロッパのバイヤーたちが興味を示してくれることが多かった。
そこで軸足をヨーロッパに移していきました」
現在ではミラノやパリなどに発表の場を移している。

開化堂のティーポットやウォーターピッチャー。(写真提供:GO ON)








































































