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writer profile
Yu Miyakoshi
宮越裕生
みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。
オレゴン州ポートランドの小さな集いから始まった
ライフスタイル季刊誌『KINFOLK』。
2011年に創刊後、美しい写真や彼らのつくるライフスタイル、
親しい人たちとの時間を大切にする価値観などが支持され、
世界的に人気が広がりました。
2014年春、そんな『KINFOLK』の編集長、ネイサン・ウィリアムズさんが
〈Ouur(アウアー)〉というブランドをスタートさせました。
これは、“ありのままの、美しいくらし”をコンセプトとするブランド。
人の手を介したシンプルで上質なものづくりを行っているつくり手たちを
パートナーに選び、洋服やテーブルまわりの雑貨などを手がけています。
そうしたものづくりは、『KINFOLK』のスタッフが
かねてより挑戦したかったことだったのだとか。
じつはこの〈Ouur〉には、陶芸家の青木良太さんや城戸雄介さん、
ガラス職人の辻野剛さんなど、日本の作家や工房とコラボレートした
プロダクトがたくさんあるんです。
以前から北欧や日本のものづくりに共感していた
『KINFOLK』のクリエイターたちは、
日本には彼らの求めるものに応えるつくり手がいると考え、
日本のインテリアメーカー/ショップ〈ACTUS(アクタス)〉と
パートナーシップを組み、さまざまなプロダクトを手がけてきました。
〈RYOTA AOKI for Ouur〉は、『KINFOLK』本誌でも
“クレイマスター”として紹介された陶芸家・青木良太さんによるシリーズ。
青木さんは岐阜県土岐市に工房をかまえ、
新しい釉薬や技法にこだわりながら作品をつくり続けています。
〈Ouur〉では、SLOW LIVINGという言葉から連想される質感や
土っぽさを生かしたカップとプレートを手がけました。
日本の工芸に見られる、手ざわりや陰影などといった表情の奥深さは、
『KINFOLK』チームが特に重視ししている要素の1つ。
そうしたこだわりが、火山灰の釉薬を使った陶器や、長年使いこんだような味わいのある
真鍮の皿などのプロダクトにあらわれています。
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タヌキの置物が有名な滋賀県・信楽といえば、信楽焼。
信楽焼は、石が多く粗い土を使用することが多いため
一般的にはごつくてもろく、重いものとされています。
ところが今回は、改良を重ねて生まれた“強化土”という生地を使用し、
薄くて強く、しかも軽いボウルをつくりました。
これは、何とも現代的な信楽焼!
ミニマルなかたちが美しいキャニスターとコーヒープレスも、
信楽焼でつくられています。
積みかさねても美しいかたちは、アンデスの大地から
インスピレーションを受けたものなのだとか。
肌触りも良く、使いやすさも抜群です。
〈fresco for Ouur〉は、大阪のガラス職人・辻野剛さん(Studio fresco)による
ガラスの器シリーズ。
『KINFOLK』チームのイメージから生まれたという“歪みグラス”は、
手になじみ、空気をつかんでいるような感触を味わえます。
極力道具を使わず、遠心力でフチを広げ仕上げているため、
生産量には限りがあります。
このほかにも、富山でつくられた真鍮素材のトレイや、
鹿児島在住の陶芸作家・城戸雄介さんが手がけた陶磁器など、
日本のつくり手たちによるプロダクトがたくさん。
どれもメイド・イン・ジャパン、と肩に力が入っているわけでもなく、
シンプルで機能的で、自分たちの暮らしに沿うからそこにある——そんなプロダクトばかりです。
また、洋服ラインの2016年春夏コレクションには、
岡山県でつくられたインディゴ生地のシリーズが登場するそう。
こちらも楽しみですね!
〈Ouur〉は〈アクタス〉直営店や〈スローハウス〉、
オンラインショップで発売中です。
くわしくは、ホームページをご覧ください。
・Ouur
information
スローハウス二子玉川
住所:東京都世田谷区玉川2-27-5 玉川高島屋 S・C マロニエコート2F
TEL:03-3708-9515
営業時間:10:00 〜 21:00
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