名古屋のシンボル・テレビ塔が ギャラリーになる! 地元民手作りの展覧会 「くうちゅう美術館」

愛知県名古屋市のシンボル、「名古屋テレビ塔」が
美術館になる!
そんな楽しいプロジェクト、「くうちゅう美術館」が
2013年11月16日にオープンします。

名古屋テレビ塔は、名古屋の中心街の
ショッピング地域に突如現れる、
白い姿が優雅な元・電波塔。いまでは
電波塔としての役割を終え、名古屋のシンボルとして
メインストリートにそびえたっています。

「くうちゅう美術館」においてはこのテレビ塔の2Fと3Fを使用。
名古屋を中心に活動する先鋭的なアーティストたちの
斬新な作品展示をはじめ、ユニークなグループによる展示ブースや、
参加型の作品、ワークショップ、ライブ、パフォーマンス等を行います。
ほかにも出展アーティストの作品をツアー形式で回ったり、
アートフリーマーケット、光と音楽によるライブイベント「電と池/塔/ライブ」
など盛り沢山です。

「くうちゅう美術館」は、一般公開型のオープンミーティングを重ねることで企画を進めてきました。こちらはミーティングの光景。

展覧会自体も、アーティストやクリエイティブな活動団体、
趣旨に賛同した一般の方といっしょに手作りで作り上げたプロジェクトなんです。
15日までは公開制作期間となっており、
アーティストたちが作品を制作、設置する生の現場を見ることができたり、
実際に制作に参加することもできます。

このプロジェクトは、あいちトリエンナーレのパートナーシップ事業。
トリエンナーレをきっかけに、アートが根付いていくのは素晴らしいことですね。
詳細は下記Webサイトにて。

みんなでつくるくうちゅう美術館

Cloud MUSEUM 2013

〜未来への“つながり”のはじまり〜

kvinaが東北を旅して 出会った、素敵なもの。 「Mi amas TOHOKU AL MARBORDA URBO」

東京で活動するアートユニット「kvina」による、
東北の旅をモチーフにした展覧会、
「Mi amas TOHOKU AL MARBORDA URBO 海辺の街へ en TOKIO 東京」が
本日より東京・渋谷のロゴスギャラリーで開催されています。

kvinaは、小林エリカ(作家・マンガ家)、田部井美奈 (グラフィックデザイナー)、
野川かさね(写真家)、前田ひさえ(イラストレーター)ら、
いまをときめく女性クリエイターによるクリエイティブユニット。

みなさん作品も素敵なら人柄も生き方も素敵で、
全国にファンがいらっしゃるクリエイター/アーティストさんたちです。

本プロジェクト「Mi amas TOHOKU 東北が好き」は、
そんな彼女たちと、仙台を拠点とする編集プロダクション「SHOE PRESs」が立ち上げたもの。
kvinaさんたちが東北各地を訪れて、東北への想いと絆を強める
プロジェクトです。昨年3月に渋谷パルコのロゴスギャラリーにて
行われた企画展の後、何度も東北を旅し、
さらに様々な人や場所と出会ってきました。

今回展示されるのは、三陸を含めた海辺のまちへの旅のこと。
この旅から生まれた写真、イラスト、映像、デザイン、
音楽などのアートワークの展示や、
ボーダーこけしグッズ、
気仙沼の「MAST帆布KESEN-NUMA」とのコラボレーションによる
トートバッグ&ポーチを販売します。

さらに、Mi amas TOHOKUで旅した
海辺の街で見つけた東北の美味しいものや、
東北で活動する作家の方の作品なども合わせてご紹介。

こちらは、山形で活動されているカワチ製菓(川地あや香)さん
の作品。川地さんは、スプーンや焼き印などの食にまつわる金属の道具
を自作し、その焼き印を手作りのお菓子に押すという
ユニークなアーティスト。お菓子はクッキーからグラノーラまであります。
自分焼印のご注文もうけたまわっているそうです。カワイイですね〜。
ほか、秋田の「暮らしの道具と紅茶 みつばち」さんのグッズも取り扱っています。

さらにさらに、渋谷にあるNidi galleryでは、
「旅するスノードーム Vojaĝante Neĝo-Kupolo」展を開催。
東北の旅先で出会った大好きな物たちをモチーフに、
kvinaが手作りした6つのスノードームです。
りんごはちみつの瓶に入った青森、とんぶりの瓶に入った秋田、
マーマレードジャムの瓶に入った岩手、
ブルーベリーシロップの瓶に入った宮城、
ラ・フランス シロップ漬けの瓶に入った山形、
桃シロップ漬けの瓶に入った福島、がご覧頂けます。
各展覧会の詳細は下記Webサイトにて。

Mi amas TOHOKU AL MARBORDA URBO 海辺の街へ  en TOKIO 東京

Nidi gallery 企画展「Mi amas TOHOKU 旅するスノードーム 展」

ビルススタジオ vol.2: もみじ、それぞれの事情。

ビルススタジオ vol.2
巻き込み、巻き込まれ、できてゆく

2013年10月12日快晴。「あ、もみじずき」イベント当日、
閑静だったもみじ通りに人が溢れてしまいました。
いや、通りではなくそれぞれのお店、
その内外に人が溢れていました、と言ったほうが正しいかもしれません。
その様子を眺めながら、
数年前にそれぞれのオーナーさんと出会った頃をしみじみと思い出していました……。

あ、もみじずき当日の様子。

まずはドーナツ専門店「dough-doughnuts」(ドー・ドーナツ)の石田友利江さん。
今や県内随一のドーナツ店となりましたが、
思えば彼女は、もみじ通りでもなく当社で扱ってもいない物件についての相談で、
いきなりオフィスに現れたのでした。

石田さんは思い立ったら変な確信をもって、ガッと動いてしまう方。
正直、人とそんなにいきなり距離を縮めたいとは思わない私とは水と油のはずが、
私とは何も関係ないその物件での出店にいつのまにか協力することになり、
巻き込まれていきました。
栃木にUターンしてくる彼女からは地元のブランクを埋めるべく、会うたびに質問攻め。
しまいには「栃木でドーナツ専門店ってどうなの?」という、そもそもの相談までされる始末。

しかし、そんなふうに色々と意見交換しているうちに数か月経過。
なんだか悪くない気がしてきた頃、
「もみじ通りに出店できるトコあるの?」との問いが不意にでてきました。
“えっ!?”とは内心思いつつ、「そうだ、そういう人だった、この方は……」と再認識。
慌てて空き物件を探してみると、私のオフィスの3軒隣に空いているコが。
特になんの変哲もないビルのテナントっぽい物件でしたが、
先に出来たカフェ食堂は私のオフィスより西に3軒隣、こちらは東に3軒隣。
……ここだっ!
という説得力のない確信を元に、上に住んでいる大家さんに相談。
話はひとまず聞いてくれたのと、
石田さんに似てさばさばした感覚を持っている大家さんだったので、
“本人に会ってもらえれば大丈夫かな”と思い、
勝手に次週連れてくると約束してしまいました

早速石田さんへ報告し、「来週大家さんに会うから、ドーナツの試作品持ってきて!」と依頼。
「うんっ、わかった」
と、きっと彼女は意味も分からないまま了承(←こういうトコも凄いです)。
当日、大家さんへの紹介はそこそこに「下でこんなものを売りたいので、食べてみてほしい」と、ドーナツを数点差し出しました。
そんなこんなで、入居が決まりました。

元やきとり屋のこの物件。

欧州アンティークな家具建具を贅沢にあしらっているな、と思ったら、なんとお姉さんが目黒区のFOUNDの方でした。

コンビニより近い所で毎日でも食べたくなるおやつが買える。
手土産にもちょうどいいし、子どもだけで食べにきている風景もほほえましい。
自分の生活する近所にこんなお店がある人って実はあまりいないんじゃないか、と思います。

前回で紹介したカフェ食堂「FAR EAST KITCHEN」ができた頃、
行くと必ずと言っていいほど居る、「梅園さん」という方がいました。
ひとり客同士だったので、なんとなく同じテーブルに通され、
オーナー藤田さんに紹介され、自然と話すように。
梅園 隆さんは、生まれも育ちもこのもみじ通り界隈。
もともとは自分で豚と卵の生産と直配をしていて、
今は契約農家も巻き込み、野菜も扱っているとのこと。
話では、せっかく良い食材を売ってもそれを上手に調理してもらえてない、とか、
近所には単身の高齢者が多く、
デパートやコンビニで食事を買っているので身体が心配だ、とか、
不満が溜まっているようでした。
さらには、お母さんたちが働ける場所がもっと必要だ、との想いも持っていました。

その頃には私は自宅ももみじ通りに移し、完全なるもみじ住民になっていたこともあり、
家メシのお供においしいおかずの必要性を感じていた頃でした。
そこで私は「この界隈にはきちんとした総菜屋さんが求められているんじゃないか」と
ことあるごとに梅園さんに言ってみました。

気がつけば、梅園さんがどうやらソノ気になってくれたので、
候補物件の大家さん(実はドーナツ店と同じ)にこれまた総菜の試作品を持って、
相談しにいきました。
この大家さんは毎日の食事事情に苦労している単身の高齢者さん。
まさに、今回オープンする総菜屋のターゲット。
当の総菜は塩分・油分を極力減らしつつも味わいのあるもの。
しかし、オーナーさんと梅園さんは、
私そっちのけで、この界隈の昔話で盛り上がっていました。

そうして総菜店「ソザイソウザイ」の出店も、決まりました。

元カラオケスナックだった当物件。解体作業と漆喰塗装は自分たちで行っていました。モルタルだった床には墨汁を塗り込んでいました。

梅園さんが、キャッチコピーとして掲げている、
「まじめなソザイとまじめにつくったおいしいソウザイ」の通り、
いい素材を使い、塩分ではなくダシでその素材の旨味を引き出しています。
……というとなんだか難易度の高い味のようですが、そのままが本当においしい。
毎日いや、毎食いけます。
まさに近所に一軒、欲していた総菜屋さんが誕生したのです。

こちらが、梅園さん。

出店・入居までの事情や流れはそれぞれにもっともっと語り尽くせない物語があるのですが、
ざっとこんな感じで出店してきています。
徒歩3分圏で質のよいお店が集まりつつあり、生活者としてはとても良い状況にあります。

改めて思ったことは、“まちは人”だなと。
単に店舗だけがオープンしても、
これらの良いお店たちを日常で使い倒す(リピーターになる)、お客さんが必要です。
積極的にこの地域を「選んで住まう」住人がまちには増えてこないと意味がないのではないか。
という新たな課題が見えてきたわけです。
では、その地域を気に入って住民となる人たちはどういう住まいを欲しているのか。
そんな想いで悶々としていた2012年夏、
後に栃木県初のシェアハウス「KAMAGAWA LIVING」のオーナーに意図せずしてなってしまった、
森さん(仮名)との出会いがあったのです。

つづく

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ビルススタジオ

住所 栃木県宇都宮市西2-2-24
電話 028-636-5136

まちの名レトロ建築を 大阪市が選定! 「生きた建築ミュージアム・ 大阪セレクション」

いつもは見過ごしてしまいがちですが、
実は、まちなかには歴史ある魅力的な建物がたくさんあります。
有名な建築家の作品だったり、変わった方法で作られていたり、
ちょっと注意してみると、いつもとは違ったまちの側面が見えてきたりするんですよね。

このたび大阪市では、そんなまちの魅力的な建物を
「生きた建築ミュージアム・大阪セレクション」として28箇所選定しました。

「生きた建築」とは、かつての都市の営みの証を、
いまも生き生きと残す、魅力的な建築物のこと。
梅田吸気塔、大阪ガスビル、ダイビル本館、そして
喫茶アメリカンなどの数々の歴史ある建物が仲間入りしています。

このプロジェクトでは、大阪の御堂筋エリア全体を
1つの大きなミュージアムと捉えました。
そこに存在する「生きた建築」を通して、国内外の人
を惹きつける新しい魅力を創造・発信していくのが目的なのだそう。

ホワイティうめだ吸気塔 写真:Temmei Yamadaさん 

11月23日(土曜日・祝)、24日(日曜日)には、
普段はめったに入れない建物が特別公開される「生きた建築×特別公開」や、
建築家によるトークなどのイベントも開催されます。※イベントの詳細はこちら
生きた建築とまちに出会える二日間、ぜひお出かけしてみてください。

生きた建築ミュージアム・大阪セレクション

11月23日、24日のイベント詳細

見学歓迎!千葉大学の 学生たちによる、千葉・館山 「茅葺屋根ふきかえプロジェクト」

失われつつある、日本の昔ながらの茅葺屋根の風景。
現在では茅葺屋根を維持するのにすごくコストがかかることや、
住みてがいなくなること、また人手不足によって
修繕されないままになっている民家も多いんです。

そんな茅葺屋根の保護のために活動しているのが、千葉大学「岡部研究室」。
5年に渡って、千葉県館山市で茅葺き屋根のふきかえを行っています。

彼らの活動では、ただ建築的なメンテナンスだけでなく、
実際に集落の集まりや畑仕事に参加することで
「里のライフスタイルと一体化したケア」を目指しているのだそうです。

そして使う茅も、冬場に自分たちで刈り貯めた茅束を使って毎年葺き替えをしています。
1度でとれる茅は非常に限られていて、屋根を全面葺き替えることはできないため、
毎年毎年、すこしずつ葺き替えをしているのです。

今年も、本日から15日まで葺き替えを行う予定。
茅葺職人の野村泰三氏(屋根屋かやぞう)をお招きし、
学生たちと茅葺き作業を行います。見学も歓迎とのこと。
場所は千葉県館山市塩見349の「かやぶきゴンジロウ」。
お近くの方はぜひ応援におでかけしてみてはいかがでしょう。

茅葺き古民家ゴンジロウの「第3回かや屋根葺き替え」

佐賀県の ユニバーサルデザイン作戦。 トイレ洋式化計画スタート!

佐賀県がユニークな取り組みを始めました。
それが、和式トイレの洋式化。
来客用トイレがある民間施設や公共施設
が洋式トイレに取替えたり、増設する際に補助金を出す
「身近なユニバーサルデザイン(トイレ洋式化)推進事業費補助金」
を行います。高齢化が進む中、誰もが外出しやすい
環境づくりをすることが目標です。

佐賀県では「三世代みんなが安心して暮らせる県」をめざし、
ユニバーサルデザイン(すべての人にとって使いやすいように
意図したデザイン)を推進しているのだそう。すてきな取り組みですね。

佐賀県 身近なユニバーサルデザイン(トイレ洋式化)推進事業費補助金

映画と食を楽しむ 「ごはんつき上映会」も! 映画と食をつなぐ 「大阪中之島ごはん映画祭」開催中

人と食のつながりを描いた、
『おいしい』映画を選りすぐって上映。
それだけでなく、映画にちなんだ食を体験し、
人と語らうスペシャルなイベント「大阪中之島ごはん映画祭」が、
ただいま大阪・中之島BANKSを中心に開催されています。
人と食のつながりを、目で、心で、舌で、
感じて楽しむというコンセプトの映画祭です。

注目は、映画を上映後、その内容に沿った
フードをいただく「ごはんつき上映会」。
2013年11月3日(日)には、
インテリアスタイリスト:下嶋ひとみさんによる
テーブルセッティングされた空間でイランディナーをいただく
「ごはんつき上映会 イラン式料理本」。
11月2日(土)~4日には映画「アメリ」を見ながら、
アイシングクッキーやポーセラーツの
プロデューサーによるスイーツをいただく
「ごはんつき上映会 アメリ」も。

ごはんつき上映会の会場は、
オシャレな堂島エリアの
堂島リバーフォーラム[CAFE]、
中之島BANKSの
「中之島デザインミュージアム de sign de >」、
「SAINT-LOUIS AMUSE」、「Tous les jours」。
11月4日(祝)にはネギマンも会場にやってきます。
映画と食の繋がりを体感しにおでかけしてみては?

大阪中之島ごはん映画祭

YCAM10周年記念祭 第二期 現場レポート

山口情報芸術センター、通称「YCAM(ワイカム)」の
10周年記念祭の第二期が、11月1日より開催。
YCAMスタッフの田中みゆきさんによる現場レポートをお届けします。

長い時間をかけ、新しい表現として昇華した作品。

坂本龍一さんをアーティスティックディレクターに迎え、
<アート><環境><ライフ>をキーワードに展開してきた10周年記念祭。
館内だけでなくまちなかにも展開し、ツアーパフォーマンスや爆音上映会など
イベントも盛りだくさんだった賑やかな夏の第一期から、
第二期は坂本龍一さんの作品を中心に厳かなムードで開催される。
坂本さんは2年前の冬から定期的に山口を訪れ、10周年のプレイベントとして
地元の小学生とのワークショップやライブイベントなどを行いながら、
作品制作のためのリサーチやディスカッションを重ねてきた。
第二期では、坂本さんがもともと持っていた自然観と
メディアテクノロジーに対する感性に裏打ちされた作品群が、
今回のYCAMとのコラボレーションの集大成として披露される。

坂本さんが第二期で発表する作品は計3点で、ズバリ10周年記念祭のテーマである
<アート><環境><ライフ>の名を冠する大規模な展覧会として構成される。
第一期で既に公開されていた『Forest Symphony』は、
木の生態電位を音楽に変換するプロジェクト。
国内外の木に取り付けられたセンサーから送られたデータが
YCAMのホワイエで一堂に会し、シンフォニーを奏でるという作品だ。
それに加え、2007年にYCAMの滞在制作を経て発表された
『LIFE-fluid, invisible, inaudible...』(以下『LIFE-fii』)を
大幅にアップデートした『LIFE-fii Ver.2』、
そして『LIFE-fii.』を共同制作したパートナーである高谷史郎さんとともに、
水を使った新たな表現に挑む『water state 1』が同時に公開される。
3作品に通底するのは、坂本さんの水への深い関心だ。

坂本龍一さんと高谷史郎さんによる『LIFE-fii』はバージョンアップした『LIFE-fii Ver.2』として展示。

『Forest Symphony』をつくるきっかけも、水とは無縁ではない。
坂本さんが40年近く前に読んだ本に、こんなことが書かれていたそうだ。
昔、樹に嘘発見器を取り付けて樹がどういう反応をするか調べた人がいた。
すると、樹のそばでほかの生物が死ぬと樹が反応したり、
ある種、樹にも感情があるかのような反応が見られたという。
その描写が強く印象に残っていた坂本さんは、
その後more treesの活動を通して森や樹についてより深く学ぶようになり、
「樹は直立している水の柱である」という竹村真一さんの言葉で、
それまでの樹の見方が変わった。
そのことが『Forest Symphony』をつくる大きなきっかけになったと語る。

木にセンサーを取り付け、生態電位を音楽に変換する『Forest Symphony』。

ただ、坂本さんはそのように以前から水に興味を持っていたが、
水そのものを具体的な作品としてどう扱っていいかは考えあぐねていたという。
しかし今回新作を制作するにあたり、高谷さんとの話し合いの中で、
水のさまざまな異なる様態を扱う、シリーズ化したインスタレーションを
つくりたいと思うようになった。
その始まりとなる『water state 1』の制作にあたり
インスピレーションを受けたのは「自然への窓」であり、
日本人の自然観をとても良く表している表現形式でもある「庭」。
さまざまな音や光の変化が詰まった、庭を見て楽しむような
空間をつくりたいという思いから制作を進めてきた。

6年前にYCAMで制作された作品『LIFE-fii』も、
霧をスクリーンに見立てて映像を鑑賞するという
水の要素が含まれた作品形態をとっていた。
20世紀そのものをオペラの台本に見立て構成し制作された舞台公演『LIFE』。
それをインスタレーションとして構築し直し、YCAMでの滞在制作を経て
2007年に公開されたのが『LIFE-fii』だった。
その下でいつかピナ・バウシュに踊ってもらいたいという夢を描いていた坂本さん。
その夢は残念ながら叶わなかったが、今回は野村萬斎さんという、
現代において能・狂言をアートと結びつけ表現するのに最高のパートナーを中心に、
能楽コラボレーション『LIFE-WELL』(WELLは井戸やわき水といった意味)
というかたちで上演することとなった。

能楽コラボレーション『LIFE-WELL』は、『LIFE-fii』の下で10月22日に上演された。

公演は二部構成で、第一部は水に関係する3つの演目が上演された。
狂言の「田植」、舞囃子「賀茂」という古典に始まり
坂本さんの即興演奏と囃子方たちのコラボレーションによる素囃子「猩々乱」。
そして第二部には能に影響を受けたアイルランドの詩人・劇作家の
W・B・イェイツによる戯曲「鷹の井戸」と、
それが能に翻訳された「鷹姫」を融合させた、まったく新しい演目を披露した。
『LIFE-fii』の9つの水槽の下で、能の装束をまとった
シテ方の梅若紀彰さんと、洋装の野村萬斎さんが相見えるという、
時空や表現形式を超えた非常に刺激的な試みとなった。
『LIFE-WELL』の世界観はインスタレーションとしても展開され、
市内の野田神社の境内の、坂本さんが惚れ込んだ古池の中で、
霧を発生させる装置と霧の量に反応して音が変わるサウンドシステムが
幻想的な空間を生み出している。
宮司さんが「初詣以来」と喜ぶほどの人出で、地元の市民たちが多く詰めかけている。

幻想的な光景の中で展開する『LIFE-WELL』インスタレーション。

<アート><環境><ライフ>について、坂本さんは以下のように語る。
「メディアアートというものがコンピュータや
プロジェクターを使った先進的なものだけでなく、
自然災害やそれに大きな影響を受ける私たちの生活そのものと
どう関係をとり結んで表現をしていけるかというのは、
メディアアートという新しいアートの形式にとって大きなチャレンジでもあり、
大きなステップともなるだろうと感じています」

継続しながら、進化するプロジェクト。

第一期で市民や来場者を巻き込んでまちを賑わせた
まちなかでのプロジェクトも、引き続き展開している。
メディアを生活の中で捉え直す作品を公募した『LIFE by MEDIA』は
その中心となるプロジェクトだ。

「服の図書館」を運営した西尾美也さんの『PUBROBE』は、
装いを新たに「服の家」を公開制作する。
市民から集めた服飾品を解体し、かつて展示会場に存在した家を
市民と共に再建することで、まちの記憶に新たな装いを与える試みとなる。

西尾美也さんは「服の家」を新たに公開制作する。

また、お金ではなく利用者が得意とすることを取り扱う、
深澤孝史さんの『とくいの銀行 山口』は、
第一期の間に約700個もの“とくい”を集めた。
7つの管轄に分かれた商店街を「ななつぼし商店街」と呼び、
小学生を中心とした「ちびっこ銀行員」やボランティアスタッフが
各店舗を回りながらとくいをコツコツ集め、「ななつぼし商店街MAP」を完成させた。
『とくいの銀行』は第一期が終わってから
第二期が始まるまでの休止期間もボランティアスタッフで運営され、
ちびっこ銀行員の間では「頭取(深澤さん)がいない間、
どうやって銀行を守っていくか」という話し合いまで行われたようだ。

女子大生が、神社の神主さんの「お祓いします」という“とくい”を引き出し、銀行に一日だけ神社を開くというお祓いイベントを開催。

最後に、これまで走った人や動物、自分の過去のデータとかけっこで対戦できる、
犬飼博士さんと安藤僚子さんの『スポーツタイムマシン』。
第一期で7888回体験され、第二期に向けて、コミュニティの中で
データを残していく方法についてみんなで継続的に話し合うイベントを準備中。
会期中に歩けるようになった子どもを連れて親子が走りに来たり、
作品をきっかけに子どもの人見知りが直ったと感謝されたり、
こちらも子どもたちに愛される作品となった。
第二期の準備中にそわそわと中の様子を覗く子どもの姿も見られた。

スポーツタイムマシンでは、第一期の最後に「スポーツタイムマシン大メディア運動会」を開催した。

子どもたちがつくるメディア公園『コロガルパビリオン』も
2回の「こどもあそびばミーティング(子どもたちが集まって
公園の機能について話し合うワークショップ)」を経て、
公園の遊び方にさまざまな広がりを見せている。

「こどもあそびばミーティング」では、子どもたちが公園をもっと楽しむための機能を考え話し合った。

先日、横浜黄金町でも再演された、
街を漂うように映画を体験する『5windows 山口特別編』や
『架空の映画音楽の為の映像コンペティション』受賞作品上映も引き続き開催中。
日々、世界の脈打つ生の空気を配信する
宇川直宏さんによるライブストリーミングチャンネルDOMMUNEの
期間限定アーカイブシアター&スタジオ『YCAMDOMMUNE』も、
会期中3回のスタジオ配信を予定している。

<アート><環境><ライフ>のテーマに迫り、
アーティスティックディレクターの坂本さんの思想を色濃く反映した第二期。
会期は27日間だが、坂本さんの3作品は来年3月2日(日)まで公開される予定だ。
メディアテクノロジーを軸に展開してきたYCAMの
次なる10年に向けた新しいアートのかたちを感じに来てほしい。

NO ARCHITECTS vol.1: 住みながらつくる家

NO ARCHITECTS vol.1
“このはな”で出会った、風呂なしの木造二階建て

はじめまして。NO ARCHITECTSの西山広志です。
大阪の此花(このはな)区梅香というところで建築の仕事をしています。
このあたりは、大阪の中でも昭和の下町情緒あふれるまち並みが残る地域で、
ここ数年、アーティストのアトリエやギャラリー、
カフェやショップ、住居、事務所など、
リノベーション物件が、少しずつ増え始めています。
ぼくらもこのはなで開催されるイベントのお手伝いや地域情報の広報活動、
内装の設計やデザインで何軒か関わっています。

「このはなの日2013」というまちなかイベントのときのマップです。「このはな」と呼んでいるエリアはこんな感じです。

ぼくらの自宅もこのはなにあり、「大辻の家」と呼んでいます。

外観。外装は廃材の銀色の波板を使っています。このはなのまちなかでよく見かける素材です。家の脇にある路地の奥にアパートと屋上への階段があります。

この家と初めて出会ったのは、2009 年。
「見っけ!このはな」というイベントの中の空き物件ツアーでした。
当時の印象は、玄関が北を向いていてどんよりした感じ。
中に入っても、雨戸が閉まっていたせいもあって真っ暗。
お風呂もありませんでした。

かろうじてキッチンのタイルはいいなあと何となく覚えていた程度。
立地もT字路に面していて、窓をあければ目の前は道路が奥に伸びています。
つまり、全く惹かれない物件でした。
まさか、自分が住むことになるとは、想像もつきませんでした。

こちらが大辻の家のビフォー。

しかし、2011年 に事務所をこのはなに移したことをきっかけに、
ここに住む人たちとの関係を深めていく中で、
このはなに住むことを考えるようになりました。
賃貸なのに改修可能で、
辻(十字路やT字路のこと)に面していることは、
逆に言えば、見通し、風通し良好ということ。

いつのまにかこの物件を魅力的だと思うようになっていきました。
そして、自分たちが住み、リノベ−ションしていくことで、
この物件の特性を活かしながらも、
理想的なライフスタイルを表現できると確信しました。

さらに、「大辻の家」と呼ばれるこの一軒家は、
裏にあるアパートとは、階段室で繋がっていて、少し特殊な建ち方をしています。
全体をまとめて借りることで、アパートの屋上が自由に使えたり、
コストも抑えられた事から、友人とともにシェアすることになりました。

自分たちの暮らしに合わせて、
ひとつひとつリノベーションを考えていきました。

1F奥のアトリエ。事務所で終わらなかったデスクワークをしたり、簡単な木工作業場として使っています。

暮らしを豊かにする方法

引っ越す前に、トイレとお風呂とキッチンの整備などの大規模な工事だけは、
工務店と大工さんにお願いしました。

このはなには、素敵な銭湯がたくさんあるので、
お風呂をつけるかどうかは最後まで迷ったのですが、
結局、洗濯機置き場だったところにお風呂の小屋を増築しました。
理由は、3年間銭湯に通ったときのコストの比較の結果と、
お風呂にまつわるおもしろいプロジェクト「風呂ンティア」を続けている、
画家の権田直博さんに銭湯画描いてもらいたかったから。
彼は、個人宅のお風呂に銭湯画を描いています。いろいろ要望にも応えてくれて、
ぼくらは大小の円形のフレームの中に、「宇宙インコ」と、
「富士山とシカ」を描いてもらいました。

お風呂の内観。小さなユニットバスですが、とても広く感じます。

トイレはタイル敷きの和式便所が窮屈だったので、
洗面スペースと一体にして洋式の便座を入れました。
床を敷き直して、壁も塗り直すと、とても清潔感のあるトイレになりました。
窓からは磨りガラス越しに隣のおばあちゃんが毎日手入れしている
庭の植木が見えます。
たまに枝切りばさみのカチカチという音がして、ほっこりします。

1F内観。もともと玄関だったところの半分がお風呂の入口になっています。

タイルが気に入っていたキッチンはできるだけ、そのまま使いたくて、
ボロボロになっていたシンクの内側部分のタイルだけ壊して、
ステンレスのシンクを上からカポッとはめました。
食器棚は、ぼくのお父さんが学生時代に使っていた本棚で、
ダイニングテーブルは、相方のお父さんが子どもの頃から使っていた勉強机です。
古いものが特別好きというわけではなくて、
もともとあったものを最大限に有効利用して、最小限の手を入れています。

全体的に意識したのは、ガスや水道、電気、ネット、排水まで、
できるだけ隠さず、目に見えるように取り付けています。
どこから来て、どこに流れて行くのか。
日常生活の中で忘れてしまいがちな感覚を、少しでも実感できるように。

キッチン。流しの前のすりガラスの柄も気に入っています。あと、豆苗を観葉植物として育てています。

家具は生活していくなかで必要になったら、
急かされるように、少しずつ、つくり足しています。
その都度、必要な場所に必要なサイズで。
今は、ちょうど玄関の踏み板をつくっているところです。
コスト面から考えても、少しでも無駄なものはつくらないほうが良いと思っているので。

寝室とリビングの間の壁。今は出窓のように開口部だけ突き出していますが、家型の壁一面を棚にする予定。

照明も同じです。生活に合わせて、明るさをコントロールできるように、
2階の5つある照明は、6段階に調整できます。
そのほうがずっと健康的です。
そんな些細なことが、実は重要だったりします。
自分たちの理想の生活に合った家は、
もしかしたら、低コストで見つけることができるかもしれません。

最低限の豊かな暮らしを心がけることが、
NO ARCHITECTSの目指すところでもあります。

2F内観。寝室は、空の色が映り込むように白く塗っています。リビングは、天井を抜いて屋根裏ギリギリのところまで空間を広げています。

ゆるやかに友人たちとつながる暮らし

裏のアパートの2部屋に住んでいるふたりは、大学からの友だちです。
ひとりが近所にあるモトタバコヤというスペースでカフェをしているパティシエ。
もうひとりは、服をつくっています。
シェアハウスと言えど、それぞれ住居スペースは独立していて、
階段室と洗濯機置き場と屋上を共有しています。

屋上へは、2Fのクローゼットの奥の勝手口からも出ることができます。

各々の生活にあった暮らし方を束縛することなく、
時には、共有スペースの使い方を、住人みんなで話し合いながら、
より楽しい生活になるように、つくり足していっています。
リノベーションは完成させてしまうことよりも、
生活に合わせて更新していけるようにしておくことが大事だと思っています。

天気の良い日は日向ぼっこしたり、みんなでバーベキューをしたりしています。

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NO ARCHITECTS

住所 大阪市此花区梅香1-15-20
http://nyamaokud.exblog.jp/

62万人が訪れた 「あいちトリエンナーレ2013」 閉幕。オカザえもんのセンパイ 「長者町くん」とは?

名古屋市内、岡崎市内をメイン会場に、
愛知県をあげて行われた国際芸術祭
「あいちトリエンナーレ2013」が10月27日に終了しました。

震災以降の「揺れる大地-われわれはどこに立っているのか:場所、記憶、そして復活」
をテーマに、34の国と地域から122組のアーティストが参加したこのお祭り。
会期中、なんと62万人あまりが来場しました。
これは3年前に行われた第1回の約57万人を超す人数なのだそうです。

Tシャツ買ってのダンス

あいちトリエンナーレにおいては、愛知芸術文化センターや
名古屋市美術館、納屋橋などさまざまなエリアが会場となっていました。
そのエリアのひとつである「長者町」は、かつては栄えていた
繊維問屋街の長者町の空きビルや壁面を利用した会場。
まち歩きを楽しみながらアート作品を観賞するようになっています。

このエリアに、週末になると出現していたのが
さきほどから写真でご紹介している「長者町くん」。
白くてフカフカしてて可愛いんですよ。
そう!「オカザえもん」を作った現代美術作家「斉と公平太」さんの
デザインによる長者町のキャラクターです。

最初に登場したのは2009年。彼もオカザえもんと同じく、
もともとはれっきとした現代美術の作品だったんですね。
フェスティバルは終わってしまいましたが、
長者町くんのFacebookページもありますので是非御覧ください。

長者町くん

山ノ家 vol.1: 「好きにしていい空き家がある」 と言われて

山ノ家 vol.1
構想はいつも妄想から始まる

「ある空き家があって、誰かに好きに使って何かやってほしい」
そう聞いたのは、2011年の初夏のこと。
震災後の東京ではなんだか皆がいそいそと通常どおりの生活に戻っているふりをして、
まだどこか上滑りな気持ちと折り合いをつけかけていた頃のことだ。

僕らは、東京・恵比寿を拠点にgift_という名前で空間のデザインや企画の仕事をしている。

恵比寿の僕らのスペースgift_lab。中央に置かれた可動の本棚は間仕切りにもショーケースにもなる。それをぴたりと壁に寄せてしまえば、30人くらいは入れるまあまあの広さのイベントスペースになる。限られた空間を臨機応変に変化させながら使うというかたち、これも「リノベーション」のひとつのあり方だと思う(現在はスペースの一部を別チームとシェアしている)。

古いビルの2Fの一室を、展示やイベントスペースなどとしても機能するように、
可変な空間として内装も自分たちでできることは手がけた。
事務所でありながらも人が出入りする「場」としてオープンに、
かつ多様で刺激的な空間として2005年にスタートし、
音楽のイベントやアーティスト・トーク、上映会、アートワークの展示などを
実験的にいろいろ行ってきた。
おかげでさまざまなアーティストとの縁もたくさんつながっていった。

しかし、これが例えば1Fでカフェなどが併設できたらやれることが広がるのでは、
といった考えが次第によぎるようになっていた。
もっと開かれた、人が自然に集い、行き交い、
出会えるような「場」をつくりたいという気持ちを漠然と心の中に持ちつつ、
まちなかのビルの空室をおもむろに外からのぞきこんでみたりもするけれど、
なかなかそう好都合な物件は近くには見当たらず。
また、そこまで真剣に探すつもりもあまりなかったのだとも思う。

そんなとき、冒頭の「空き家」の話を聞いた。
しかもそれは都内ではなく、新潟県中南部の十日町市まつだいにあるという。
「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」の開催地のひとつとして知られている土地だ。
地方で行われるアートイベントの先駆けだった大地の芸術祭に、以前僕らも訪れたことはあった。
すばらしい里山の風景の中に、
アートの作品がこつぜんと姿を現すという
なんともわくわくする体験を思い出した。
移動は少し大変だったが、今となっては不思議とポジティブな印象しか残っていない。

この越後妻有の地にある空き家。
その上「好きにしていい」というのが、僕らにとってはとても魅力的な響きだった。
漠然と、しかし、ふつふつと温めていた「より開かれた場」についての妄想が、
思ってもみなかった土地での話と不思議と結びついた。
それはおそらくほぼ初めてと言っていいほど、
いわゆる「地方」と呼ばれているようなエリアに自分ごととして興味を向けた瞬間だった。
ここで何かできるのかもしれない。面白そうだ。直感的にそう思った。
なぜか分からないが何か可能性があるような気がして、とにかく現地を見に行くことにした。

そして、物件を前にして

十日町市まつだいは東京の都心からは、車で行くと3時間から4時間かかる。
行きの車の中で、仲介者である知人を相手に、何ができるのか、何ができないのかも
分からないながらも、これからの勝手な妄想を広げていた。
構想はいつも妄想から始まる。

まつだいの風景。この先に空き家のある商店街がある。空がとても広く感じられる。

最初にイメージを重ねたのは、ちょうどその前年までディレクターの一員として関わっていた、
「CET=Central East Tokyo(セントラル・イースト・トウキョウ)2003-2010」のことだ。
東京の東側のエリアで8年間行われたイベントで、これをきっかけに
少しずつアーティストやデザイナーたちがイベント会場となった空き家物件などに移住したり、
アトリエをかまえたりしだして、ある意味自然発生的に(イベントの時にだけ賑わうのではなく)
日常的に面白いことが営まれているまちへと変容していった。

CETとは、神田と隅田川の中間にあるエリアの、馬喰町の問屋街や近隣のオフィスビルなどで行われたイベント。ムーブメントと言った方が正しい表現かもしれない。東京・丸の内からあまり離れていない区域でありながら、当時、地価が下落してややシャッター街化していた都市のスキマの空き地や空き家などで、アーティストやデザイナーが作品展示やパフォーマンスなどを行い、数日間、実験的にまちそのものを同時多発の仮設ギャラリーに変容させた。

その状況を目の当たりにした経験はまだ記憶に新しく、
このプロジェクトに関われたことは現在の僕らの発想や活動に重要な位置を占めている。
環境は違うが、まつだいでもそんなふうにすることができたらそれは本当に理想的だな……などと
妄想はとどまる所を知らずに僕らの頭のなかで広がっていった。

まず、人が出入りしやすいようなきっかけとしての、カフェをつくろう。
そして滞在もしてもらえるような宿泊設備が併設されているといい。
カジュアルに、でもかっこいいような。
東京とローカルをつなぐような新しい拠点となってもいい。
もちろん、地元の人たちとも何かできたら。
ワークショップやイベントなども、ユニークに企画できるかもしれない。

と、妄想が膨らむ一方で、一抹の不安も頭をよぎらなかったわけではない。

その地にいる人たちは、どんな人たちなんだろう? うまく受け入れてもらえるのだろうか?
とはいえ、今、
僕らは東京に事務所を持ち、東京に生活の基盤を持っている(それを捨てるつもりはない)。
果たして、東京と里山を行ったり来たりしながら
両立させてやっていくという選択肢の可能性はあるのだろうか?
一時的なイベントではないかたちで、何かをやり続けることは可能なのだろうか?

物件がある街並みはこんな感じ。

その空き家は、「ほくほく通り」という商店街のちょうど真ん中あたりにあった。
通りは昭和の終わり頃まではとても賑わっていたというが、現在はその面影はなく、
商店らしき看板を残してはいるが、
明らかに今は住宅としてしか使われていない……というところも少なくない。
いわゆるシャッター商店街とはちょっと違うのだが、少しさびしい印象だった。
事前に最近の様子というのを写真で見ていたので、
ある程度の覚悟はしていたが、実際に見ると現実に引き戻された感じになる。

これがその物件……。

そして、空き家は何も特別な感じのない、
古民家でもない、店舗兼住宅? 倉庫? といった物件だった。
正面の開口部には重たい錆びたスチールのシャッターが付いている。
脇には木枠でざっくり囲ってある物置のようなものがあり、
何に使うのかわからない容器やら、スキー板やら、さまざまなものがごちゃっと放置されている。
古民家という言葉から連想されるようなある種の情緒的な雰囲気はない。
物件そのものの表層には魅力は(失礼ながら)全く無く、
中途半端に昭和の時代を感じるようなトタンが貼られていて、
あきらかにだいぶ放置されていたような感じだ。

うーん、これはリノベーションのしがいのある物件だな……(冷汗)

シャッターをあけ、中に入ると、とにかく物が以前のままにぐしゃぐしゃとたくさん置いてある。

何はともあれ、まず必要になる電気。分電盤を探し、既存の電気容量をチェック(暗くて良く撮れていないが)。

しかし、同時に、どんな物件であろうと
「全く違う存在に変換できる」という、不思議な、そして確かな自信があった。
もちろん、それはいつものことなのだ。

あとは、僕らがここにどのように関わっていくことになるのか。それ次第。
そこで大きな決断をすることになるとは、まだこの段階では考えても見なかったのだが――

つづく

驚異!101歳の アマチュア画家、江上茂雄さんが 描くクレパスの世界。 福岡県立美術館で個展開催

ただいま、福岡県の天神にある「福岡県立美術館」にて、
展覧会「郷土の美術をみる・しる・まなぶ 特別編
江上茂雄 ― 風ノ影、絵ノ奥ノ光」が開催中。
福岡出身で現在は熊本在住の画家、江上茂雄さんの絵画が展示されています。
この江上さん、なんと現在の年齢が101歳。そして、美術の教育も受けておらず、
プロとして活動したこともない、完全なアマチュア画家なんです。

こちらが江上さん。
江上さんに関してはろいろ驚くことがあります。
まず、15歳で三井三池鉱業所建築課に入社。
絵を描くことが好きで、会社員をしながら、休日になると
クレパスやクレヨンを手に取っては
大牟田市の風景をスケッチしていました。
昭和47(1972)年に定年退職後は、熊本県荒尾市にお引越し。
毎日自宅から1~2時間歩いた場所でスケッチし、
水彩画を1枚仕上げて帰ってくるという生活になりました。
そうして描き続けた日々の中、90年で描きあげた絵画の数はなんと2万枚!
その作品たちが、展示されているんです。

「習作」1927年前後、水彩

独学で絵を描いてきた江上さん。
江上さんの作品はクレパス・クレヨンを塗り重ねた
独特のマチエールが特徴ですが、
それは油絵の具が高くて買えなかったことから苦肉の策で
生み出した作風でした。

「もう眼も、手足もよく動かなくなったけど、
それでも毎日、絵をやってないと寂しい、
情けない気持ちになって、落ち込むんです。
絵を描いておれば飽きることがないし。
それで毎日、これが最後の作品になるかもしれないと
思いながら、つくってるんです」(江上さん)

『私の筑後路』より、1973年以降、木版画

そしていま、江上さんは木版画をつくっています。

この展覧会は、九州のローカルな美術を楽しく深く紹介するシリーズ展
「郷土の美術をみる・しる・まなぶ」の5回目にして特別編。
普段自発的に美術品に触れることが少ない子どもや親子にも
美術を楽しんでもらうための試みです。
福岡県立美術館の学芸課で、本展覧会を担当されている竹口浩司
さんはこう語ります。

「このシリーズで大切にしたいのは、人がいかに土地とつながって生きて在るのか、
美術という営みはその生と土地とのつながりから
どうやって生まれるのかという視点です」

昭和34年(47歳)から47年(60歳)ごろまで続けられた、実験的なシリーズ『私の手と心の抄』より、1960年代、クレパス・水彩

会期中はワークショップも多数開催。
美術館には、看視スタッフとして来場者を
おもてなしする「ハンズさん」もいますよ。

郷土の美術をみる・しる・まなぶ 特別編

江上茂雄 ― 風ノ影、絵ノ奥ノ光

MAD City vol.1: 自分でつくる家で暮らすこと

MAD City vol.1
DIY可能な物件を探して、生まれるコミュニティ。

MAD Cityが立ち上がり、早3年。さまざまな方と出会い、
千葉県松戸市で面白い空間をプロデュースしてきました。
はじめまして、MAD Cityの赤星です。

MAD City、読みは「マッドシティ」です。
私たちはJR松戸駅の駅前だいたい半径500メートルのエリアを
「MAD City」と呼んで、まちづくりをしています。

MAD Cityのまちづくりはビルを建てたり、
道路を広げたりするようなものではありません。
まちの中で長いこと使われていない建物を探してきて、
それをアーティストやクリエイターのアトリエにしたり、
工房にしたり、自由に改装できる住居にしたりしています。

その名も「MAD City 不動産」として営業しています(……名前が安直)。
このMAD City 不動産を通じて
ここに移り住んでくれた人たちと多種多様なプロジェクトに取り組みながら、
ここを「他ではできないことができるまち」にしていこうとしています。

じゃあそんなMAD Cityににはどんな人がすんでいるんでしょう。
というわけで今回はMAD City不動産を担当している
殿塚の暮らしを覗いてみたいと思います。

メイン写真にも使われてる「古民家スタジオ 旧・原田米店」はMAD Cityの代表的な物件。100年以上の古民家をひと続きのアトリエとして改装し、定期的にイベントが行われている。間口の奥にはこのような広々とした庭が。敷地にある建物それぞれを活用中だ。

自給自足する暮らしに憧れて

こんにちは。MAD Cityの殿塚建吾です。
千葉県松戸市出身です。苗字は偉そうですが、実際は偉くないです。
普段は不動産担当として古民家や、空き家だらけのマンション、
扉が外れかけている一戸建てなどを探して回ったり、
内見に来てくださった方と一緒に物件やまちを見て歩いたりしています。
今住んでいる物件はあるきっかけがあって自分で見つけました。
思えばMAD City で住居を借りた一番最初の入居者かもしれません。

殿塚が住む家。通称自給ハウス(勝手に命名)。

子どもの頃から、農家を営んでいた母方のおばあちゃんのように、
家族が仲良く、自然とともに笑って暮らす生き方をしたいと思っていました。
そんな暮らしを模索しているうちに学生時代に環境問題に興味を持ち、
卒業後、古いマンションをリノベする不動産会社に就職。
その後、CSRの企画会社に転職し、野山を奔走してました!

ふたつの仕事を経験するうちに、大げさにエコを掲げるより、
地域に根ざして田んぼや畑をつくったりする生き方のほうが本質だなと思って、
いろいろな地方を放浪。
最終的には千葉の房総半島に移住しました(つまり当時ニートです)。
房総では自給自足をしている古民家カフェに居候をしていましたが、
ある日カフェの方から、
とにかく超自給自足しているすごいおじいさんがいると聞き、会いに行きました。

おうちを訪ねると、その自給ぶりに驚きました。
無農薬の田んぼや畑、炭焼きをする窯、地下に掘られた芋の貯蔵庫、
おじいさんは食べるものから使う道具まで、全てを自分でつくって使っていました。
感動する僕を、さらに感動させることが!
おじいさんについて、森の中へ行くと、

さっきまでのんびりしていたおじいさんが、
急に戦闘態勢に入り「ちょっとそこどけ〜!!!」と叫んで、
僕を少し離れたところまで避難させました。
すると、おじいさんはおもむろにチェーンソーを取り出し、
高さ4メートルはあろうかという大木をバッシバシ、切り倒していきました。

そう。なんと山に来たのは、建てる家の木材を確保するため。
「え、材料から自給してんの!! まじすげーーー」
と、テンションがあがった自分はその日から、
自分がなんかできるところまで自給自足したいと、おじいさんに憧れてしまったのです。
とにかくおじいさんにいろいろ教えていただきたくて、
お話を聞いていたらこんなやりとりに。

おじいさん:「君、出身はどこ?」

殿塚:「千葉の松戸です」

おじいさん:「ま、松戸!! 俺の前の家のそばじゃないか」

殿塚:「え、そうなんすか?」

おじいさん:「40年くらい前に俺がひとりで建てたアパートあって空いてんだよ。
自由にしていいから誰かいないかな?」

殿塚   :「ミラクルなう!!!!!(心の中で)」

という訳で、偶然出会った松戸の物件。
でも当時の僕は房総に引っ越していたので、
おじいさんの家を知り合いだったMAD Cityのみなさんに紹介し、
入居者を募集をしてもらいました。

募集を開始してちょうど1か月後。
東日本大震災が起こりました。
これをきっかけに僕は松戸に戻ろうと決めて、そのおじいさんの家もお借りすることにしました。
同時にMAD Cityのスタッフとして合流することに。

ド素人でも、改装してみる

実際に行ってみたその家は、立ち入って3歩で足裏が真っ黒になる状態。
あちこちの壁紙ははがれ、
トイレの床は腐りかけて、シャワーからは水が漏れていました。だけど、
古さゆえのなんとも言えない味わいと何より運命的な出会いが決め手になったのでした。
もちろん最初は自分がこの家をどうできるかわかりませんでした。
でもおじいさんはひとりでこの家を建てたんだから、
直すくらいド素人の自分でもなんとかなるだろう。
そこから僕のDIYライフがスタートしました。

まずは、掃除して、掃除して、えっとまだ掃除して……
なんとか入れるようになって最初に直したのは、一番実用的なところ。
水回りの水栓とお風呂のシャワーを交換しました。
慣れないと大変なのに見た目があんまり変わらないので、
個人的に一番地味な作業に認定。

次にトイレの床を張りかえたり(手抜き)、

トイレの床(左:before 右:after)

和室の壁に漆喰を塗ったり(雑)、

漆喰壁にDIYした和室。

ロフトを解体して木材むき出しの屋根裏にしたり(解体しただけ)、
ベランダのトタンを透明なものに張り替えて(途中落ちそうだった)
太陽の光が入るようにしました。

ベランダのトタン屋根を交換!(左:before 右after)

さらには庭を除染して野菜を育てたり(絶賛、失敗中)、
あとベランダにソーラーパネルを置いたり(これは買いました、オススメです)。
大したことはできてないんですけど、
2年かけて少しずつDIYを進めていて、まだまだ終わらない感じです。

僕は本当にド素人でした。ご覧の通りなかなかうまくはできていません。
それでもなぜやろうと思えたかというと、
MAD Cityに建築や設計やDIYに詳しい仲間がいてくれたからです。
MAD City 不動産で扱っている改装可能な物件を借りてくれる方は改装未経験者がほとんどです。
もちろんみなさん僕に比べたらはるかに良い腕前です。でもプロではありません。

それでも、それぞれの方が自分たちらしくスペースを改装しているのは、
個々人のチャレンジ精神や努力に加えて、
すぐそばに工具の使い方や床の張り方を教えてくれたり、
ときに作業を一緒に手伝ってくれる仲間がいることも、大きな要因のひとつだと思います。

MAD Cityにおける何よりの魅力はコミュニティ。
それが部屋のDIYをする時にも生かされている気がしています。

ひとりだとできない。だけどちょっと手伝ってもらえればできる。
MAD CityらしいDIYは
周りの人とのつながりを築きながらすすめていくものなのかもしれません。

MAD Cityの仲間たちで(地元の皆さんも大勢巻き込んで!)、野外結婚式までつくっちゃいました。

information


map

MAD City(株式会社まちづクリエイティブ)

住所 千葉県松戸市本町6-8
電話 047-710-5861
http://madcity.jp/

山崎亮さんトークセッションも。 農とアートのフェス 「北加賀屋みんなのうえん祭2013」

10月19日(土)、大阪・CCOクリエイティブセンター大阪にて、
「北加賀屋みんなのうえん祭2013」が開催されます。
北加賀屋の遊休地を利用した共有農園を運営する
「北加賀屋みんなのうえん」が主催する、
農と食とアートをテーマにしたフェスティバルです。

北加賀屋はもともと、昭和の始め頃には造船業で栄えた土地でした。
しかし造船業が衰退するにつれ、空き地や空き工場が目立ち、
人口も減少に向かうようになりました。
そうして出来た遊休地を利用したのが、「北加賀屋みんなのうえん」。
単なる貸し農園ではなく、
チームで野菜づくり、ものづくりワークショップ、月例ミーティングなど
ユニークな農への取り組みをしているところです。

「北加賀屋みんなのうえん祭2013」のテーマは、
「農ある豊かな都市の暮らし」。
みんなのうえんとゆかりのある農家、飲食店や
オーガニックカフェ、大阪府内で作られたこだわりの野菜や種が販売される
マルシェのほか、モノづくり・フードづくりプロセスを体感できる
ワークショップの開催、参加・体験して楽しめるアート作品の展示も。

そしてローカルデザイン・スタディでもお馴染みの
studio-L代表の山崎亮さんが、
ドキュメンタリー映画「よみがえりのレシピ」の上映に合わせて
監督・渡辺智史さんとトークセッションを行います。
名村造船所跡地にて展開される
「農ある豊かな都市の暮らし」の実現をお楽しみに!

北加賀屋みんなのうえん祭 2013

日常がスクリーンになる 「プロジェクションマッピング」 が本日、佐賀と福岡で見られます

いま注目を集める、通常のスクリーンではないところに
ぴったりと合った映像を投影する「プロジェクションマッピング」という技術。
東京駅や鶴ヶ城などに施されて話題になったので、
ご覧になったことがある方も多いかもしれません。

これが東京駅で行われたもの。
この「プロジェクションマッピング」のプロジェクトが、
本日より、九州を舞台に2つ開催されます。

今晩、福岡市役所にて

ひとつめは、本日夜に福岡市役所西側ふれあい広場で行われる
「The Creators ~POWERED BY CREATIVE LAB FUKUOKA~ 」。
福岡最大級のプロジェクションマッピングと映像、音楽を盛り込んだ
エンターテイメントイベントです。

このプロジェクションマッピングを作るのは、
いま、東京・初台でPerfumeとのコラボレーションプロジェクトを紹介する
展覧会「ライゾマティクス inspired by Perfume」を開催中で話題のクリエイター集団「ライゾマティクス」。
ステージを演出するのは、きゃりーぱみゅぱみゅを
世に生み出したアソビシステムです。
福岡のクリエイティブ・ラボ「anno lab」も協力し、
ミュージシャンらとコラボレーションしたショーを繰り広げる予定です。

13日まで、佐賀城にて

そしてもうひとつは、佐賀県にある佐賀城にて。
10月11日(金)~13日(日)の夜、
ウルトラテクノロジスト集団「チームラボ」が、
佐賀城本丸歴史館に立体プロジェクションマッピングを行います。

ただ映像を投影するだけでなく、来場者が参加できる
「チームラボ☆トランポリン大砲」を設置。
参加者が跳ねることにより、大砲が発射され、
佐賀城の姿をインタラクティブに変化させることができるんだそうです。
10月11日~14日の4日間は、このほかにも本丸歴史館を
身近に感じるためのイベント「本丸deデート」を開催。
本格的な甲冑や打掛を身に着ける体験ができる
「大人のぷちコスプレ」もありますよ。

ぜひ九州の方は、最先端プロジェクトを見に
おでかけしてみてはいかがでしょうか。

福岡市「The Creators ~POWERED BY CREATIVE LAB FUKUOKA~ 」

佐賀市「本丸deデート」

ビルススタジオ vol.1: 空き家と妄想。

ビルススタジオ vol.1
ガラガラのシャッター通りで、始まったこと。

大学入学からの10年間、建築デザインの世界にはまり込んでいた私は、
その後、海外の美術大学院への留学期間を経て2006年に地元宇都宮市に帰り、
自宅の一室にてこっそりとオフィスを営んでいました。
しかし業務の量がかさむにつれ、手狭感や生活との切り離しの困難さ、
そして何よりも人の出入りがないことに耐え切れず、物件を探し始めることに。

そうして2009年末、見つけたのが「もみじ通り」の物件。
2007年に商店会が解散されてからは、先の見えないままシャッターを閉ざす、そんな通り。
典型的な地方都市である宇都宮市の、商業地とも住宅街とも言えないエリアにあり、
不動産屋も募集中看板を出すのを拒否する。
建物たちは中途半端に古く、歩いて来るには中心地から遠い。
かといって駐車場がとれるほど土地が余っている訳ではなく、交通量もほとんどない。
つまり、物件の利用価値がないと判断されている場所でした。

もみじ通りのようす。

しかし、そんなトコだからこそ、物件は格安。
それがここの物件に決めた一番の理由です。
さらには改装自由。現状復旧義務なし。
言い換えれば、大家さんは補修も含めて何もしたくない、
という一般的には不利な条件が私にはとても魅力的に映りました。
じゃあ、家賃をもっと下げてくれ、というお願いもすんなり受け入れられてしまったこともあり、
即座に契約をすることになりました。

自分のオフィスを持つことが第一目的。それは果たせそうです。
とはいえ、この殺風景な通り。
ひとまず、それをポジティブに捉え直してみました。
 人通りが少ない——落ち着いて仕事に没頭できそう。
 車通りが少ない——同上。路上でも遊べそう。
 建物が中途半端に古い——気兼ねなく自分色に改装できそう。
 元商店街——多少は外からの人を受け入れる土壌がありそう。
 元、武家屋敷街——周辺の住宅の敷地がゆったり。上品な近所の人が多そう。

そして、
 空いている建物が多い——出店余地がいくらでもあるっ!

そう、この点。
自宅兼オフィスで感じていた、人の出入りのなさ。
それを解消すべく、いろいろなお店が増えていける舞台はあるわけです。
そこで、日々自主工事のために通いながら、
自分がここで毎日働くにあたり、「ほしい状況」を妄想するようになりました。
 「おいしいランチを食べたい」
 「息抜きにコーヒーを飲みたい」
 「ほっとするデザートが欲しい」
 「仕事帰りに買える、お惣菜があるといい」

なによりも、私は寂しい自営業者。更には、なかなかの出不精。
 「志はあれど、日常でそれを共有できる仲間が近くにほしい」
こんな自分勝手なことを、もくもくとペンキを塗りながら考えていました。

ようやくオフィスが使えるようになり、業務も落ち着いてきたところで妄想を実行に移しました。
まずは、言いふらし。
「あんなんがほしい」「こんなんがほしい」と、会う人会う人に伝え続けました。
数か月経った頃に、
知り合いから「宇都宮市内に移転を考えているカフェがあるよ」との情報が。
私はすぐ高速に乗り、その店へ。

普通のお客を装い、時間を過ごしました。
あぁ、こんなの近くにあってほしい……。
ほどなくして誘う決意をしたものの、その気持ちを抑えつつ他のお客さんが帰るのを待ち、
帰り際のレジにて気持ちを打ち明けました。
うぅ、なんか恥ずかしい……なんだろ、この感情。告白……?
初対面なのにいきなり「うちに来ないか」って……
しかしそんな葛藤も杞憂に終わり、「来週伺います」と、なんともあっさりした答え。
しかし困った。実はもみじ通りにはその時点で賃貸できる物件がなかったのです。
まあいいや、まずは見てもらおう。通りの雰囲気を肌で感じてもらいながら、
私の感じた、この通りのポジティブな面を共感してもらおう、と腹を決め当日を迎えました。
小1時間程度、通りを一緒に散策しながら想いを伝え、
空いている”だけ”の建物を探し、紹介しました。
どうやら、なぜやら共感いただけたようで、
通りの落ち着いた雰囲気が自分に向いている、と感じてもらえたようでした。

さて、そこから貸してくれる大家さん探し。
3つの建物を散策中に目を付けていましたが、そのうちふたつは貸す気が全くない、との返事。
当社オフィスの3件隣にある最後のひとつは大家さんがどこにいるかわからない。
近所の方に相談すると、
ごくたまに風通しに親戚の人が来るらしいという噂をききました。
しかしいつ来るかわからない。
そこで置き手紙をポストに適度なペースで入れる、
というなんともアナログな作戦をとりました。

狙いをつけた空き物件。

——2か月後、大家さんから電話が来ました。
うれしさよりも「あの置き手紙だけで、来るんだ、連絡」という驚きが正直な感想。
大家さんは、一体なにがしたいんだ、という感じでした。
電話口でしたが、溢れる想いを伝えたところ、
半ば呆れ気味に、ともかく会ってくれることに。
1週間後、件のカフェオーナー藤田さんを予告なしに連れて行き、2人掛りでとにかく説得。
熱意に負けたのか、しつこかったのか、なんとか貸してくれると言ってくれました。

ともあれ2010年の夏、ようやく2店舗目が決まり、
カフェ食堂「FAR EAST KITCHEN」がオープンしました。
これまでの実績、もみじ通りにピンと来てくれた感覚、
ツーカーの工務店との関係が既にあったので改装はオーナーさんにて行なわれ、
「もともとここにあったようなお店」のように仕立てられました。
工事中にすでに通りがかりの人に
「いったい何ができるのか」「まさかここでお店をやるのか」
といった反応がむしろ良い口コミ効果を呼び、
オープンの頃には結構知られたお店になっていました。

改装後のカフェ「FAR EAST KITCHEN」。

「FAR EAST KITCHEN」の店内。

よし、これでおいしいランチが食べられる。コーヒーも飲める。
あとは、あとは……と、妄想をひとつひとつ実行していったのです。

それから3年経った2013年10月現在、
もみじ通りとその先のあずき坂の界隈には
ギターショップ、ドーナツ店、総菜店、カフェ、子供服店やギャラリーなどなど、
なんと計12店舗が新規OPENしました。

2010年のもみじ通り。

2013年のもみじ通り。

実は、10月12日(土)にそれらの店舗が自然発生的に連携して
もみじ通りでは初のイベントとなる、「あ、もみじずき」が開催されることになりました。
私もその日は古家具屋さんを開いて、
ふだんは立寄りにくいオフィススペースを開放する予定です。
私自身、とても楽しみです。

あの、ないない尽くしだったもみじ通りが
私の妄想を超えた状況になってきています。

「あ、もみじずき」のフライヤー。

information


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ビルススタジオ

住所 栃木県宇都宮市西2-2-24
電話 028-636-5136

鎌倉が音楽で包まれる! 「鎌倉じゃず祭」&「ROOT CULTURE Festival 2013」開催

音楽を愛する人が集う店がたくさんあったり、
音楽家が多く暮らすまち、鎌倉。
今週末、そんな鎌倉の由緒ある神社「鎌倉宮」を舞台に、
ふたつの音楽に関する催しが行われます。

ひとつめは2013年10月13日(日)に行われる「鎌倉じゃず祭」。
鎌倉宮の舞台の周囲に火を焚いてその中で演じる
伝統行事「鎌倉薪能」で使われる特設の能舞台を
そのまま使った、ジャズ・フェスティバルです。

杜と薪に囲まれた鎌倉宮の幻想的な能舞台の上で、
土岐麻子さんらプロのミュージシャンから
地元の学校のブラスバンド部のメンバーまでもが
ジャズセッションを行います。

そしてもうひとつは、
2013年10月14日(月・祝)に行われる「ROOT CULTURE Festival 2013」。
薪能の舞台を、鎌倉を拠点に活動する
クリエイティブチーム・NPOルートカルチャーがプロデュースしました。
出演は、細野晴臣 with 高田漣、青葉市子、U-zhaanという豪華メンバー。

ほかにも影絵とガムラン音楽で異世界へと誘う「滞空時間」、
女優の鶴田真由、鎌倉市観光協会会長の井手太一、
ルートカルチャーの瀬藤康嗣が「鎌倉のこれから」について
語るトークショーも開催されます。

音楽家・文化人が集まる土壌がある古都鎌倉で
行われる粋な音楽の催しに
お出かけしてみてはいかがでしょう?

鎌倉じゃず祭

ROOT CULTURE Festival 2013

中之条ビエンナーレ 2013

アートが土地の良さに気づくきっかけに。

中之条町は、群馬県北部に位置する、人口1万7000人の町。
新潟、長野に接する県境の山々に囲まれた自然豊かな土地にある。
ここで2年に一度行われているのが「中之条ビエンナーレ」だ。
第4回目となる2013年も120組近くのアーティストが参加し、
9月13日から10月14日まで開催されている。

今回中之条ビエンナーレ2013の実行委員長を務めているのが、宮崎宏太朗さん。
中之条で生まれ育ち、13年ほど前に家業を手伝うために地元に戻ってきた。
一方ビエンナーレは、2006年に数人のアーティストの作品発表の場として始まった。
作家や役場の人間が主導で進めてきた印象が強く、
初めの数年間は地元の人々との間に温度差があったという。

地元に戻ったばかりで、初めはビエンナーレのことはよく知らなかったという宮崎さん。
実行委員に加わることになったのは2012年のこと。

「震災が起きた後、何も出来ない自分の無力さを痛感しました。
そんな時に、自分の殻を破ってくれたのが中之条のアートだったんです。
そこからもっと関わってみたい気持ちになりました」

ひとつひとつ丁寧に言葉を選んで語る宮崎さん。

「アートとは、シンプルに言えば心を豊かにするものだと私は感じています。
地域も、経済的な豊かさだけではなく、
人の心が豊かになることで地域全体が豊かになるんじゃないかと思ったのです。
ただ現代アートのことは専門家ではないので、
ディレクターや他の方々を信頼して、
自分ができること、運営面など地域との関係を深めることに注力してきました。
とにかくこのイベントを継続させること。
3回続いてきたバトンを次につなげることが自分の役割だと思っています」

地元の人たちにも見てほしい。

地元で長く商売をしてきた宮崎さんならではのネットワークは、
ビエンナーレが地域とより密接な関係を築く上で強力なパイプとなっていく。

「ちょっとした行き違いで地元の理解を得られていなかった部分など、話し合いを重ね、
私自身も事業で加盟している商工会にビエンナーレとの連携を提案したりしてきました」

今年から地元の中之条観光ガイドボランティアセンターにバスツアーの案内役をお願いし、
「中之条応援プロジェクト」として地元の商店が参加する仕組みをつくるなど、
協力体制を整えていった。

旧さとり呉服店をリノベーションした中之条ビエンナーレの総合受付「SATORI」。

中之条に古くから伝わる郷土芸能、獅子舞も披露された。

また、今年からパスポートが有料化されるなか、
中之条の町民には無料パスポートを配布したのも、
地域密着の考え方から行われたことのひとつ。
実際にこのアート展をまわってみて気づくのは、地元の来場者が多いことだ。
副実行委員長の桑原かよさんはこう話す。

「ご近所の方がふらっと見に行かれることも多いようで、
農作業着のお母さんがガイドブック片手に会場をまわっている姿を見かけます。
地元の小学生が学校の遠足でビエンナーレに出かけ
ワークショップに参加することもありますし、
幼稚園でも先生が話をしてくれているのか、
小さな子どもたちが大人にビエンナーレのことを説明している微笑ましい光景も目にしました」

もともとこうしたアート展の楽しみは、
その地域にある当たり前の風景と非日常なアートの世界が混在し、
まったく新しい新鮮なものに見えることにある。
中之条では特に、そのアートの展示場となる舞台が個性的と宮崎さんは話す。

「今年は前回から3分の1ほどの展示会場が新しくなり、
町の重要文化財でもある“やませ”という民家や、
四万温泉の積善館も会場として加わりました。
各エリアを巡ることで中之条の多彩な魅力を感じることができる配置になっています」

人の暮らしがアートの舞台に。

紹介していただいた代表的な場所のなかでも、いくつかの会場を訪れてみた。
中之条駅付近から車で15分ほどの伊参(いさま)エリアには、
映画『眠る男』の撮影拠点として有名な伊参スタジオをはじめ、
材木問屋だった神保家「やませ」の民家、
養蚕や製糸が盛んだった群馬らしく「岩本稚蚕飼育所」など、独特の展示場が集まる。

約160年前に建てられた県内最大級の民家である、材木問屋「やませ」の母屋。

作品『三十三畳の世界から』森家由起

「やませ」の屋内には母屋の雰囲気を活かした3人のアーティストの作品が展示されており、
裏手の小屋も作品に。「キゴヤの詩」と名づけられたこの作品の由来を、
作者の外丸治さんはこう話してくれた。

「この小屋はもともと薪を乾かすのに使われていた薪小屋です。
昔の人にとって薪は暖をとるだけでなく、
炊事やお風呂などすべての暮らしに必要なものでした。
薪の水分が蒸発していくことから、木の命が外へ出ていく場所として、
森の精霊がこちらの世界と行き交う場をイメージしてつくりました」

この場所に惹かれてやませの裏の小屋を作品づくりの舞台に選んだという外丸治さん。

作品『キゴヤの詩』外丸治

加えてこのエリアの魅力は、何と言ってものどかな田園風景と、
人の暮らしが垣間見える集落だろう。
やませに向かう集落をうねる細い坂道にはコスモスが咲き乱れ、
道沿いにはブリキ缶の植木鉢が並ぶ。
これもアートの一部かと錯覚するような、丁寧な人の営みの美しさがそこここに見られる。

伊参エリアから見える、稲刈り前の田園風景。

個性的なまち並みとアート。

さらに、中之条の観光地として外せない舞台が四万エリアである。
36の温泉宿が連なる人気の温泉街で、
『千と千尋の神隠し』の舞台になったともいわれる積善館が今年から展示会場に加わった。

建物の年月を感じさせる重厚さと温泉宿のもつ独特の艶やかさが
魅力的な雰囲気を醸す。この場所の個性が作品に作用する範囲は大きいだろう。

建立より300年を越える歴史をもち、日本最古の木造湯宿建築とも言われる積善館は、群馬県の指定重要文化財に登録されている。

積善館の3階が展示会場となっている。

積善館を出てすぐの通りに入ると、
昭和レトロの世界にタイムトリップしたかのような路地が続く。
縦書きの「たばこ屋」の看板にひと昔前のゲームセンター、
中身は廃れて空っぽのラーメン屋がアートの展示場となっているなど、
もともとある個性的なまちがアートの世界とあいまって、新しい世界を創り出していた。

「落合通り」の商店街。趣ある喫茶店や雑貨屋、パチンコ屋など懐かしい雰囲気の店が軒を連ねる。

今年初めて参加したという、伊参会場で受付のボランティアをしていたある女性が、
こんな話をしてくれた。

「私はたまたま結婚した相手が中之条の人で嫁いできたのですが、
どこかここに住まされている気持ちがずっと拭えなかったんです。
意識しないようにしていましたが、この土地に愛着を持てず、
でも否定的な感情も持たないように交流範囲を狭めて生きてきました。
でも今回、来られた方々にここの自然や作品を褒めてもらうと本当に嬉しくて。
中之条もいいところがたくさんあるんだなと気づいたし、
このまちに住んでいて良かったと初めて心から思えました」

アートがきっかけになり、地元の人たちがその土地の良さに気づき、さらに根づいていく。
回を重ねるごとに、こうした気づきを生み広がっている中之条ビエンナーレ。
今年宮崎さんが持って走ったバトンは、次回に向けてまた引き継がれる。

四万エリアに流れる四万川の清流。水が青白く光るほど澄んでいる。

information

中之条ビエンナーレ

会期 2013年9月13日(金)〜10月14日(月)
会場 群馬県中之条町 町内6エリア37か所
http://nakanojo-biennale.com/

姉妹都市のパリと京都を結ぶ 一夜のアートナイト。 関西アーティストも出演 「ニュイ・ブランシュ」

芸術の秋、ということでさまざまなアートイベントが
各地で続々開催中。
10月5日(土曜日)の夜、京都府京都市では、姉妹都市のパリで生まれた
一夜限りの現代アートの祭典「ニュイ・ブランシュ(白夜祭)」が開催されます。
主催は京都市とアンスティチュ・フランセ関西。
京都のアート施設やギャラリーなどを、インスタレーション、ダンス、
展覧会、パフォーマンスなどの発表の場として開放。
夜の散策を通して、アート作品に触れられる催しです。
パリでも同日に開催されるんですよ。

会場は、京都のまちなかの29箇所!
京都国際マンガミュージアム、アンスティチュ・フランセ関西、
京都芸術センター、京都市役所前広場、地下鉄烏丸御池駅から
FOIL GALLERYまで。これらが夜間オープンし、なかには一晩中営業するところも。
京都国際マンガミュージアムでは
ミュージアムの壁面を活用したプロジェクション・マッピングも行われます。

ニシジマ・アツシ、竹村延和、村井啓哲他による『Architectural Echoes / Installation & Performance』

参加作家は、フランス、ドイツに関係する地元・関西のアーティストたちと、
ヴィラ九条山とヴィラ鴨川の招聘アーティスト。
音楽家の竹村延和 / 村井啓哲によるサウンドパフォーマンス、
高嶺格(現代美術家・演出家)による市役所壁面への映像上映、
フランスを代表するストリートアーティスト・ゼウスと、
日仏3名のミュージシャンによるコラボレーションなどアート好きにはたまらない
ラインナップ。

また京町家の住宅展示場「KYOMO」にて、
展示住宅5棟を会場に、現代美術のアートフェア「超京都」を実施する試みも。

さらに当日は、人気モノのゆるキャラ、
KYOTOくん+オカザえもんが各会場に登場!
地図を片手に、秋の京都と芸術の夜をお楽しみください。

ニュイ・ブランシュ(白夜祭)

冒頭写真:(c) Michitaka Kitamura / 北村光隆

しりあがり寿さんら 豪華クリエイターが福島に大集結! 「第二回 福島クダラナ庄助祭り」

昨年開催され、伝説となった
福島のまちを超クダラナくする「クダラナ庄助祭り」。
マダムギター長見順・ギターパンダ・しりあがり寿さんらが
呼びかけて実現した伝説のフェスティバルが今年も帰ってきました!
来たる2013年10月5日(土)、福島市内の
ライブハウスやカフェなどを会場に、とっても個性的なイベントが
ものすごくたくさん開催されるんです。

こちらが豪華すぎる参加者の皆様。
漫画家の天久聖一さんが味のある写真を紹介する連載「味写道」
の名作を解説してくれる「味写鑑賞会」や、
ランゲージと、鈴木さえ子、戸田誠司らによる
脱力系混成バンド「三浦カズー」や
宮崎吐夢によるミニミニライブなど、濃〜い催し物が目白押しです。

ライブのほか、親子向けのワークショップもあります。
10月5日の13時30分から「クダラナ舞踊楽団」を開催。
ペットボトルマラカス、空き缶太鼓、ダンボール太鼓など
楽器を手作りして歌ったり踊ったりしよう、という楽しそうなもの。
OBANDOS(安斎肇、朝倉世界一、白根ゆたんぽ、しりあがり寿、
高橋キンタロー、なんきん、パラダイス山元、ミック・イタヤ)
& Moccoly &藤井康一が先生になってくれます! 詳細はこちら

遊び方は簡単、1500円の共通パスを購入後、
各会場を訪れて自由にライブを見るだけ。
そもそもタイトルに入ってる「庄助」とは、
福島県の民謡「会津磐梯山」に登場する伝説の飲兵衛で遊び人。
この日ばかりは少しだけ肩の力を抜いてみんなで大騒ぎをしてみませんか?

第二回 福島クダラナ庄助祭り

六甲山の自然を感じながら 現代アート作品を楽しむ 「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2013」

六甲山の自然を感じながら、
ハイキング気分で現代アート作品を楽しむ
展覧会「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2013」が
11月24日(日)まで開催されています。

展示されているのは、六甲山の土地柄や景観を活かした現代アート作品たち。
作品を見るだけでなく、六甲山の自然や眺望、
文化や歴史などの魅力を体感できるのが魅力の現代アートの展覧会なんです。

会場は、六甲高山植物園、六甲山カンツリーハウスなど9つ。
國府理、下平千夏、クワクボリョウタ、西山美なコ、MATHRAX、
ひびのこづえ、明和電機ら、招待、公募合わせて39組の
アーティストが参加しています。

会期中の土日祝には、作品を巡るガイドツアーも!
10月27日(日)と11月24日(日)には本展の共同キュレーターである
坂本浩章と高見沢清隆がガイドを行う「キュレーターガイドツアー」も開催。
お散歩がてら、秋の六甲にぜひお出かけしてみてください。

六甲ミーツ・アート 芸術散歩2013

映画好きの宝塚市民の 工夫がいっぱい詰まった 「第14回宝塚映画祭」、 11月開幕。

兵庫県宝塚市で開催されている「宝塚映画祭」をご存知でしょうか?
2000年にスタートした、映画好きの宝塚市民が集まって
始めた手作りの映画祭なのです。

宝塚で唯一の映画館「宝塚シネ・ピピア」を会場に、今年で14回目を迎えます。
スタッフは宝塚の10代〜70代まで、年齢も立場もさまざま人たち。
企画から運営まですべて手作りで行なっているのがスゴイところです。

そんな宝塚映画祭が、今年も2013年11月9日(土)から
11月15日(金)までの一週間にわたって開催されます。
今年のテーマは「シネマハック100」。
町の映画館をもっと面白くするために、さまざまな工夫を凝らした
アイディアあふれる映画祭になりました。

映画祭では「この空の花 長岡花火物語」から
日本全国で製作されている地域密着映画を上映するほか、
みんなから出されたとってもユニークなアイディアのいくつかを実行。
「上映前に劇場内で流れるアナウンスを、ものすごく素人くさい感じの
オリジナルで作る」とか、「いろんな特典がついたポップコーンを
10000円で販売して運営資金に充てる」など、
おもろいアイディアがいっぱいです。

なかでも参加してみたいのは、プレイベントの
みんなが撮った町の写真を映画館で観る会」。
宝塚で撮影された写真を持ち寄り、
映画館のスクリーンでスライド上映するというイベント。

宝塚市内で撮影された写真を事前にメールで送付すると、
10/19(土)のイベント当日、スクリーンにあなたの写真が
映しだされるかもしれません。
応募の詳細については、下記Webサイトをご参照ください。

みんなが撮った町の写真を映画館で観る会

宝塚映画祭

江口宏志さんの 「ない世界」展覧会、 グランフロント大阪の MUJIにて開催中

コロカルの連載「江口宏志のあのまちこのまち本屋めぐり
でお馴染みの江口宏志さんが、このたび
エッセイ集「ない世界」(著/木楽舎)を発行されました。

「ケータイのない世界」、「怒らない世界」など、
毎月一つの「ない世界」を設定し、
その世界で生活した体験を綴ったエッセイ集です。
モノを紹介するのではなく、モノを紹介しないコラム
ということで、江口さんのユニークな視点が冴え渡っています。

このエッセイ集の発売を記念し、
ただいま大阪の新ランドマーク、
グランフロント大阪のOpen MUJIにて「ない世界」展を開催中。

谷尻誠(建築)さん、中津発酵部(食)さん、
阿部洋介(ウェブ)さん/西村斉輝(プログラム)さん、
熊谷彰博(アイデア)さんら、さまざまなジャンルのクリエイターが
「ない世界」というテーマで作品を制作したエキシビションです。

柱がなかったり、色がなかったり、
いろいろな「ない」世界が会場に展示されています。
出展者によるワークショップも開催されているので、
ぜひチェックしてみてください。

また、同店舗では書籍「ない世界」を先行発売中。
本展示会期間中にご購入いただいた方には、
もれなく無印良品の文庫本ノートに「ない世界」
限定スタンプを押してプレゼントいたします。
本書のデザインを手がける、大原大次郎さんによるすごくステキなスタンプです。
箱の中の言葉には、お好きな「ない」ものを入れてみて下さい。

無印良品 グランフロント大阪「ない世界」展

新潟県十日町の カフェ&ドミトリー「山ノ家」にて まつだいの音にみみをすます ワークショップ

「大地の芸術祭」のメイン開催地でもある、
新潟県十日町市松代にあるカフェ&ドミトリー「山ノ家」。

イベントなども開催できる多目的スペースとしてのカフェと、
アーティストが制作のために滞在できるレジデンスを備える
この山の家で、今月28日(土)と29日(日)の二日間に渡り、
サウンドアーティストらによるワークショップと
サウンドパフォーマンスのイベント
「秋の山里でみみをすます午後と夕べ、そして朝」が開催されます。

登場するアーティストは「stilllife(スティルライフ)」。
フィールドレコーディングに基づく活動をしてきた
津田貴司と笹島裕樹が2013年に結成、始動させたユニットです。

28日は、ワークショップ「みみをすます」。
山ノ家周辺を歩きながら「音を聴く」、「静けさを聴く」、
「みみをすます」という3つの意識状態をガイドします。
いつもの散歩道でも、音に注意しながら歩くことで
驚くほど豊かな風景が広がります。

そして29日には、山ノ家近辺で簡単なレコーダーを
使って音を聴いたり、フィールドレコーディングのコツを
聞きながら実際にフィールドレコーディングを行います。

秋のまつだいの風土を、音を通して体験する新鮮なひとときとなりそう。
もちろん「山ノ家」(朝食付き1泊4,500円)に宿泊するのも大歓迎。

二日間のプログラムですが、1日のみの参加もできますし、
ライブ終了後宿泊者は温泉と夕食の手配もできます。
詳細は下記facebookページにて。

秋の山里でみみをすます午後と夕べ、そして朝