仏生山まちぐるみ旅館 vol.6
こんにちは。
ぼくは、香川県高松市の仏生山町というところで、
建築の設計事務所と、仏生山温泉を運営しています。
ここでにやにやしながら暮らすために、まち全体を旅館に見立てる、
〈仏生山まちぐるみ旅館〉という取り組みを10年がかりで進めています。
これまでの記事では、
仏生山地域のリノベーションを時系列で紹介してきました。
最後の回になるこの稿では2015年の11月に完成した、
まちぐるみ旅館にとって、ふたつめの客室となる、〈温泉裏の客室〉です。
場所は名前の通り、仏生山温泉の裏に隣接しています。
ほんとうに裏にあって、田んぼの横のあぜ道を通って行く感じ。

リノベーション前は平屋の住宅。見えているのは住宅の勝手口側、リノベーション後は正面玄関になる。
リノベーション前は平屋の住宅でした。
某プレファブ住宅メーカーの軽量鉄骨仕様、2LDKタイプです。
築年数は30年ぐらい、大きさは約70平米です。
持ち主の方が引っ越しをすることになり、
仏生山温泉が譲り受けることになりました。
しばらくそのままでしたが、リノベーションして宿泊施設にすることにしました。

リノベーション前の南側の外観。

リノベーション前のキッチン部分。
もともとある、〈縁側の客室〉(2012年開業)は
1棟貸タイプ、4名から10名まで宿泊できる家族やグループに適した客室です。
一方、今回の「温泉裏の客室」は、個人が気軽に利用できるように
1名または2名用のいわゆる個室タイプとしました。
建物の中には個室が4つ。
共同のお手洗い、洗面シャワー室が併設されています。
建物自体は小さいけれど、
となりにある仏生山温泉は出入り自由だから、
温泉の休憩室で、だらだらしたり、
本を読んだり、ちょっと仕事をしたりもして、
寝るときは〈温泉裏の客室〉に帰って、静かに過ごす。
そういう楽しみ方が多い。
もちろん温泉は入り放題だから、
(チェックイン前、チェックアウト後も含めて)
連泊して、ゆっくり湯治される方もたくさんいらっしゃいます。
料金は、
1名1部屋 ¥6,800
連泊の場合は2日目から¥5,800
2名1部屋 ¥9,800
連泊の場合は2日目から¥8,800
寝巻やお風呂セットもついています。
施工にあたっては、前々回の〈TOYTOYTOY〉にも登場した、
〈gm projects〉のメンバーとして活動している小西康正さんが
中心になって行いました。
設計は、ぼくと、小西康正さん、松村亮平さんの3人チーム〈こんぶ西〉が担当しました。
新築の建物の場合、設計が先で施工が後っていう順番だけれど、
リノベーションは、やりながら考えるということもよくある。
もちろん建主に迷惑がかからないようにしないといけないけど、
今回の建主は仏生山温泉だから、そのへんは大丈夫。
とりあえず、内装の撤去から。
リノベーションは、
何を残して、何を新しくするか、
というところが勘どころなんだけど、
この物件は残念ながら、
もともとがメーカーのプレファブ住宅。
だからね、もう、何も残すところがない。
むしろ全撤去。

小西康正さんによる解体のようす。正面扉の奥の和室で寝泊まりしながらの作業。

屋根面に断熱材を再設置。
間仕切り壁や天井を撤去してみたら、
軽量鉄骨の柱があるのは周囲の外壁部分だけでした。
中のほうは、柱が1本もないワンルームになった。
これはよかった。
普通の木造住宅ならたくさん柱があって、
その柱に間取りの制約を受ける。
逆に柱のないこの状態なら自由に平面を計画できる。
ここにきて軽量鉄骨のプレファブ住宅に感謝。
そういう意味ではプレファブ住宅も
リノベーションに向いているかもしれません。


間仕切り壁がなくなってがらんどうの状態。室内に柱がない。

お手洗いは工事中も現役、撤去は一番最後。










































































































