福島で10代続く糀屋と、
ソーセージの匠が共演。
そこに生まれたものは?

糀屋は、お米に花を咲かせるのが仕事です

「糀和田屋」の三瓶正人さんは、
福島県の中央部、本宮市で240年続く老舗の10代目。
糀(こうじ)は「麹」とも書き、豆麹、麦麹なども存在するが、
和田屋の糀は米糀。
創業以来、地元の米農家とともに歩んできた。

「地元の農家さんからお米を預かって、精米したり、
糀に加工して戻す。それが始まりでした」

20〜30代。若手の糀。

糀屋が花を咲かせた糀を使い、農家が家々で味噌を仕込む。
そんな風に昔ながらの味噌を仕込む農家は、
本宮周辺で500軒を数えている。
以前は自宅でもろみを作り、醤油を仕込む農家も多かったそうだ。

震災が起こる直前、2011年のはじめに塩麹のブームが起きようとしていた。
「塩と糀と水を混ぜたものに、野菜を漬け込む。
そんな習慣は、福島にもありました。それを漬け床ではなく、
調味料として料理に使う新たなニーズが生まれるに違いない。
商品化して4月に全国的に発売しようと準備していた矢先、
震災が起きたのです」

工場や機械が大きく損傷。
「塩こうじ」を発売できたのは、2011年7月のことだった。

発売当初は、原発事故の影響のない前年産のお米を使っていたので、
販売は順調だったが、23年産米は原発事故の影響を真正面から受けた。
ずっと付き合ってきた農家に頭を下げ、
やむなく山形県や新潟県産米で「塩こうじ」を作ることに決めたが、
福島で作り続けることを非難する声も少なくなかったという。

「正直、心が折れそうになることもありました。
そんな時は、お客様の『がんばってください』
という声に、本当に救われましたね」

平成24年産米から、お米の全量全袋検査がスタート。
安全性を確認し、再び福島県産米を使用するようになった。

「糀はどれも同じように見えますが、
実は蔵元によってクセがあり、それが味に反映されます。
機械で大量に作ることもできますが「塩こうじ」の場合は、
『一升盛』といって、一升ずつ升で計って、手作業で作っています。
うちの職人は20〜30代がほどんど。今では46歳の私が一番年長です」

お米と糀菌を操る糀職人は、日本にしかない職業。
全国的に高齢化が進む中、
これだけ若手が揃っている糀屋は少ない。

世界中のソーセージを手作りする、異色のレストラン

1月22日に、福島県主催の「県産品消費者理解促進交流会」が開催されたのは、
東京・恵比寿の「ソーセージスタイル流行-hayari-」。

シェフの村上武士さんは、福島県いわき市の小名浜出身。
子どもの頃はメヒカリやカツオなど、新鮮な魚を食べて育った。
役者を目ざして劇団を渡り歩いていたが、料理の世界に転身。
ヨーロッパはもとより、アジア、アフリカ諸国の多彩なソーセージに加え、
独自に考案したオリジナルソーセージを繰り出す、
おそらく世界初の「ソーセージレストラン」を開業した。
2009年のことだ。

故郷の苦労を知りながら、
東日本大震災直後は食材の正確な情報が掴めないまま、
料理人として「何かしたくても、できない」という思いを抱えていた村上さん。
しかし、検査結果が明らかになるに従って、
福島県には安全性の確認できた食材が豊富にあることを知る。
「こんなにたくさんの食材があったことを、改めて知りました」
「ふくしま応援シェフ」として名乗りを上げた。

この日のテーマは「正月の食べ過ぎ解消」。
福島の食材を駆使した4つの料理が登場した。

福島ハーブ鶏のレバーソーセージ

鶏のレバーを使ったソーセージは、村上シェフの定番。
今回は「福島ハーブ鶏」のレバーを使った。
オレガノやシナモンなどのハーブ類を飼料に混ぜて育てられた「ハーブ鶏」。
そのレバーを、ポルト酒やアルマニャックなど、
洋酒に漬け込んで臭みを落ち着かせ、
スパイスと合わせてフードプロセッサーにかける。
それをさらに3回裏濾し……という具合に、
手の込んだプロセスを経て、なめらかな食感に仕上げた。

「臭みがなくてすばらしい。
レーズンを使ったソースとの相性も抜群」
これは会場で参加者から聞いた声だ。

雪下野菜と発酵生姜のサラダ

通常は雪が降る前に収穫する野菜を、
積雪後にも畑で栽培し続ける雪下野菜。
寒さから身を守るため糖度を上げてがんばる。
1m近くの雪の中から掘り出さなければならないので、
「収穫」というより「発掘」に近い作業になる。

そんな雪下野菜のキャベツとニンジンの細切りと、
アスパラ菜、干しエビ、豆類を合わせて、
村上シェフはサラダに仕立てた。

ミャンマーの「アトゥ」と呼ばれる料理をアレンジしたものだ。
ポイントは発酵生姜。

発酵生姜は、ミャンマーではメジャーな調味料で、
身体を芯から温め、代謝をよくする効果もある。
糀屋の三瓶さんも「細切りで乾燥しているのに、強い香りがする」と、
異国の「発酵もの」に興味津々の様子。

会津地鶏とミャンマーの伝統麺

「オンノカウスエ」も、ミャンマーの代表的な麺料理。
ヒヨコマメの粉末をココナツミルクで溶いたスープで味わう。

素麺のような小麦粉の細麺を使うことが多いのだが、
今回は福島県いわき市の「たふぃあ」が作る米粉の「稲穂めん」を使用。
「小麦の麺よりもあっさりした味わいなので、
よりスープが絡むよう、いつもより粘度を上げてみました」と話す村上シェフ。
「会津地鶏」を2羽使ってとったというスープは、味わいが至って濃厚。
会津の芽吹き野菜、あさつきも添えられていた。

10代続く糀屋とシェフの競演

村上シェフのソーセージと、三瓶さんの「塩こうじ」。
このふたつが出会うのはホットドッグだ。
「会津天然酵母パンに包まれたエゴマ豚のブラートヴルストを、
塩こうじのザワークラウトとともに味わうホットドック」という、
とても長い名前の料理で両者が競演。

「できる限り無添加で。化学的な結着剤や発色剤は使わない」
そんなポリシーでソーセージを作り続けてきた村上シェフが、
ソーセージに使ったのは「エゴマ豚」。
福島県の特産品で、
α-リノレン酸を豊富に含む「えごま」の実を飼料に混ぜて育てるこの豚の、
ブロック肉をミンチする作業から取り組んで、
ドイツの古典的なソーセージ、ブラートヴルストを作った。

「肉料理に塩こうじを使うのは確かにブーム。
でも、家庭で作るのは難しいので、野菜を漬け込んでザワークラウトにしました。
糀和田屋さんの塩こうじは優しい。野菜がきっと華やかになる」

塩こうじのほか、ディルシードやローリエ、穀物酢でキャベツを揉み込むだけ。
冷蔵庫で3時間ほど寝かせると食べごろになる。
作り置きすれば、お新香感覚で楽しめるそうだ。

会津の女子大生に人気。天然酵母のパン屋さん

今回のホットドックに使用されたパンを焼いた、
会津若松市の「ホームベーカリーコビヤマ」の小桧山和馬さん(30歳)にもお話を伺った。

お店は会津大学短期大学部の目の前。
女子大生に愛される町のパン屋さんで、
毎日80〜90種のパンを焼いている。

「いずれ天然酵母のブームは必ず来る。それなら会津で一番先に取り入れよう」と、
和馬さんのお母さまが真っ先に天然酵母を取り入れたそうだ。

今回使用された、天然酵母のソフトフランスは「皮はパリッ、中はふわっ」
「フランスパン用の小麦粉に、塩と水、
そして砂糖を少しだけ加えた生地を、天然酵母で発酵させたシンプルなパンです」
ここにも「発酵の技」が生きている。
村上シェフは、そんな小桧山さんのパンに可能性を見いだした様子。
「ソーセージやザワークラウトとの相性が、とてもいい。これからも使っていきたい」
交流会がきっかけで、新たな定番が登場しそうだ。

日本酒ベースの発泡酒やハチミツ入りのお酒も登場

料理に合わせて福島県の日本酒も登場した。
「鶏レバーに合うと思ったから発泡酒がほしかった」と村上シェフ。
そこで選ばれたのは、会津若松市の「末廣酒造」の「姫ごこち しゅわりん」。

その名の通り微発泡。
たしかにさわやかな飲み口の「しゅわりん」と、ソーセージの相性は抜群。
同じ蔵元の「伝承山廃純米 末廣」もまた、好評だった。

もう一点セレクトされたのは、「ミード酒」と呼ばれるはちみつのお酒。
会津で採取された栃のハチミツを、
1か月ほど発酵させた後に濾過したもので、アルコールは11度。
採蜜を会津若松市「ハニー松本」が、醸造を喜多方市の「峰の雪酒造場」が手がける、
会津生まれの珍しいお酒だ。

こうした新しいスタイルのお酒が続々と生まれる背景には、
たしかな醸造技術を持ち、意欲的に商品開発に取り組む、県内の蔵元の存在がある。
「平成24酒造年度全国新酒鑑評会」では、
福島県から37の蔵元が37点の日本酒を出品。
うち26点が金賞を受賞。
金賞受賞数全国1位の快挙を成し遂げている。

「福島の食材を使ったお料理だから、同じ土地で生まれた日本酒が、
すごく合いますね。マリアージュがすばらしい」と話すのは、
フードアナリストとしても活躍している、参加者の佐保田香織さん。

糀和田屋の「塩こうじ」も日本酒も、元を正せばお米が原料の「発酵もの」。
スタイルが洋食に変わっても、
味わう人の中で互いに響き合うのは、当然なのかもしれない。

SNS、ブログ、イベントなど、応援のカタチもさまざま

この日の参加者は25名。大部分が女性で、
中には個人のブログやSNSを通して、
福島の食に関する情報を、積極的に自己発信している人も少なくなかった。

ブロガーとして活躍する山本峰子さんも、そのひとり。
「ネット上で、コミュニティを作り、その中で東北の情報を発信しています。
東北のきれいな風景や、おいしいものの情報を発信。
それを見た仲間にも、どんどん写真や情報をUPしていただいて、
みんなを東北に行きたい気持ちにさせよう。会津にもよく行っていますよ!」

一方、村上シェフも、
「私自身も震災直後は『福島は終わった』と絶望的になっていました。
だけど、いろいろ勉強するうちに、全県を上げて検査に取り組んでいるのがわかったし、
応援シェフになることで、今まで知らなかった食材にも、出会えました」

もうすぐ震災から3年。
東京では、レストランやネット上で出会った仲間たちが、
福島の魅力を知り、伝え合う。
そんな人たちが、確実に増えている。
「自分の思いを発信しやすく、誰かとつながりやすい時代です。
信頼できるシェフや共感できる友だちから正確な情報を得てください」

本宮の糀屋さん、いわきの米粉麺屋さん、
会津の雪下野菜の生産者やパン屋さん、そして日本酒の蔵元たち…。
福島の生産者や職人の力を借りて、
「ソーセージの匠」は、会場にたくさんの笑顔の花を咲かせていた。

◎「塩こうじのザワークラウト」のレシピ◎

【材料(4人前)】
キャベツ 1/4個(250g)
糀和田屋の塩こうじ 50g
ディルシード(またはキャラウェイシード) 1g
ローリエ 1/2枚
酢 30g

【作り方】
① キャベツ1/4をざく切りにして洗う。
② ビニール袋に1のキャベツと酢以外の材料をすべて入れて、よくもむ。
③ 全体にしんなりしたら、口を閉じて冷蔵庫で4時間〜ひと晩寝かせる。
④ 袋に酢を加え、全体になじませたら完成。

お問い合わせ

事務局 会津食のルネッサンス

住所 福島県会津若松市中島町2-52
TEL 0120-91-0617 (10:00~18:00 ※土日祝日休)
FAX 0242-93-9368
E-MAIL order@a-foods.jp
http://www.a-foods.jp/

Information

ソーセージスタイル流行-hayari- 

住所 東京都渋谷区恵比寿3-48-5 グランデ恵比寿2F
TEL 03-5422-8467
営業時間 18時〜23時(月〜金L.O.)、18時〜22時30分(土日祝)
定休日 不定休
http://www.hayari-sausage.com/

㈲糀和田屋

住所 福島県本宮市本宮字上町22
TEL 0243-34-2140
http://www.koujiwadaya.co.jp/

ホームベーカリーコビヤマ

住所 福島県会津若松市山見町307
TEL 0242-22-1898
営業時間 7時〜19時
定休日 日・祝

吉野の山守が案内する 山と森から生まれる奈良のものづくり。 Part2:大麻の伝統文化と 奈良晒(ならざらし)

麻と日本文化

かつて大麻は日本人にとって生活の一部で、
特に大麻からとれる「麻布」は暮らしに欠かせないものだった。
麻とは大麻、苧麻、亜麻などの総称で、日本に自生するものの多くは「大麻」と呼ばれる。

第二次世界大戦後、GHQの占領政策によって
「大麻取締法」が制定されて原則禁止となる以前は、
日本では大麻を栽培することが国家によって奨励され、大きな産業となっていたという。

古来から長い麻の伝統を持つ日本。
麻産業は、日本における食料とエネルギ-の
自給自足そして環境保全を可能にするともいわれる。

食糧の自給率が40%と懸念されているが、
衣料の自給率はさらに低い。
そしてそのほとんどが石油エネルギーに頼った化学繊維に占められている。

現在、国内の絹、綿、麻の自給率は1%以下。
日本の伝統的な着物の糸もほとんどが輸入に頼っている。

今から1万年も前の縄文期の遺跡から麻の繊維や種子が見つかっていることから
日本の麻文化は1万年以上もの歴史を持つともいわれる。
それが戦後のたった60数年の間に風前の灯火になってしまっている。

紡がれた麻糸

紡がれた麻糸。糸の先端がわかるよう紙の記しがついている。

月ヶ瀬の奈良晒がつむぐ日本の繊維業の未来

奈良県月ヶ瀬は古くから茶の産地として知られる山村。
農閑期に麻を紡ぎ、手織りした奈良晒が江戸時代より伝わる。

江戸初期以来、大和の国から産出してきた天日晒しの高級麻布。
奈良晒は「麻の最上は南都なり」と評価を受けている。

奈良晒は僧侶の袈裟用の需要で始まり、武家や町民の夏衣として広がった。
16世紀末に晒技術が改良されてから、徳川幕府の保護を受けて急速に発展した。

奈良晒は「染めて色よく着て身にまとわず汗をはじく」
「故に世に奈良晒とて重宝するなり」と讃えられた。

月ヶ瀬奈良晒保存会

月ヶ瀬奈良晒保存会は、近世奈良を支えた伝統織物である奈良晒の紡織技術の伝承を目的として発足した。

月ヶ瀬奈良晒保存会は、近世奈良を支えた伝統織物である
奈良晒の紡織技術の伝承を目的として昭和59年に発足した。
奈良晒の伝統を途切れさせないよう保存と技の伝承に全力を注いでいる。

月ヶ瀬奈良晒保存会の会長、猪岡益一さんにお話を伺った。

千葉・ちっこ豆腐

温かくふわっふわの、その名も……。

ある日の午後、「牛が生まれるよ~」という知らせを受けた。
電話口の女性は、千葉県南房総に住む鈴木俊子さん。
以前この連載で「やん米」という郷土料理を教えてくれた方。
その鈴木さんからの電話だった。

鈴木「ほら、ちっこ食べたいって言ってたでしょ。
そろそろ生まれるよー、来れる?」

待ってました!

テツ「いつまでに伺えば間に合いますか?」

鈴木「あと4、5日で生まれるって言ってたから、そのあたりはどう? 来られそう?」

テツ「はい! 行きます行きます!」

鈴木「ふふふ、よかった。じゃ、お待ちしてますよ~」

お礼を伝えて電話を切ると、じわっと嬉しさがこみ上げてきた。
ひとつは「ちっこ」に出会えること。
そしてもうひとつ、鈴木さんが忘れずに連絡をくださったこと。

以前この連載で、千葉の郷土料理を地元のお母さん方に教えてもらいました。
(「[ff_textlink_by_slug slug="tpc-foo-tasty-004"]千葉・太巻き[/ff_textlink_by_slug]」「[ff_textlink_by_slug slug="tpc-foo-tasty-005"]千葉・やん米[/ff_textlink_by_slug]」)
その帰り道、バス停まで送ってくださった鈴木さんと「ちっこ」の話に。

鈴木「牛の初乳を煮立てると固まるんだけど、それがホワホワで美味しいんだよね~」

産後の牛の初乳は高タンパクなため、火を入れるだけで固まる。
それをいろいろな調理法でいただくのだそう。
ただ、初乳はとても足が早く、搾ったらすぐに煮立てないと傷んでしまうらしい。
そのため、一般にはあまり流通せず、酪農家さんのあいだで楽しまれている逸品。
鈴木さんは年に数回、それを馴染みの酪農家さんからいただくのだとか。

そんな話を聞いてしまったら、体感しないわけにいかない。
どうにか食べてみたいとお願いしてみると、

鈴木「次に生まれるとき連絡しようか?」

と、約束をしてくれた。
そして今回の電話につながる。

数日後、東京駅から高速バスに乗り、南房総を目指す。
待ち合わせの場所、道の駅「富楽里」に到着した。
以前、鈴木さんに見送っていただいた場所、ここで再会する。
バスから降りて辺りを見回すと、駐車場の奥に鈴木さんの姿が見えた。

テツ「こんにちはー、いろいろとありがとうございます」

鈴木「よく来たね~、大変だったでしょ」

鈴木さんの顔を見ると、つい昨日も一緒にいたような親近感が湧いてくる。
人を安心させる何かを、鈴木さんは放っている。

車に乗せていただくと、袋いっぱいに詰められたみかんが、後部座席に鎮座している。

鈴木「これ、重いけどお土産に」

なんとありがたいお心遣い。

鈴木「あとこれも、重いけど」

千葉県産のお米5キロ、確かに重い。
けれど、そのお気持ちが心に染み入る。

テツ「いつもすみません、ありがとうございます」

鈴木「いい景色があるんだけど、そこ回って行こうか?」

はい!

取材に行った10月は、ちょうど南房総はみかんの最盛期に差し掛かっていた。
木々には、橙色に熟した実がこぼれおちそうになっている。
みかん畑の緩やかな景色を眺めながら、いただいたみかんを頬張る。
瑞々しくて甘い汁が、口いっぱいに跳ねた。
私を迎えに行く前に、もぎたてのものを買いに行ってくれたのだそう。
感涙。

鈴木さん御用達の「川名みかん園」はみかん狩りもできます。

吉野の山守が案内する 山と森から生まれる奈良のものづくり。 Part1:伝統と革新の 吉野手漉き和紙と樽丸。

奈良・吉野のものづくり

吉野は世界遺産にも選ばれた歴史ある修験道の聖地。
金峯山寺を中心とした古い社寺が立ち並ぶ吉野山に囲まれた吉野町を起点に、
信仰の文化と暮らしが根付いている。
山は信仰の対象であり、山から生まれる伝統的なものづくりがある。

吉野山

吉野山は奈良県の中央部・吉野郡吉野町にある吉野川南岸から大峰山脈へと南北に続く約8キロメートルに及ぶ尾根続きの山稜の総称。平成16年7月には吉野山・高野山から熊野にかけての霊場と参詣道が『紀伊山地の霊場と参詣道』としてユネスコの世界遺産に登録された。500年近い植林の歴史から、林業の技術を生み、山守の文化が生まれた。

吉野の山守

奈良・吉野では、19世紀のはじめ頃から伝わる
「山守(やまもり)」という独特の森林管理制度がある。

 山守は、何世紀にもわたり築かれた山林所有者と
山林管理者との深い信頼関係を柱に、
途絶えることなく持続可能な山林育成を継続してきた。

吉野の山守・中井章太さん。
江戸時代から代々、山を守り、森を育ててきた。中井さんはその七代目。
山守としての役割、林業としての仕事のほかに、
吉野町会議員として、吉野の文化、ものづくりの現場をサポートしている。

今回、吉野のものづくりの現場を案内していただいた。

吉野の山守・中井章太さん

吉野の山守・中井章太さん。吉野の山里に生きるひとびとを山生(やまいき)さんという。山守は山生さんを束ねている地域のリーダーでもある。江戸時代から始まり、中井さんはその七代目。

「吉野は最上流に山の文化があり、
山守がいて、林業などの素材生産業があり、
そこから樽丸、和紙、椎茸栽培などの産業があります。
そして端材は、最後には割り箸になります」

吉野杉から生まれる樽丸。そして吉野の森と水が生み出す和紙。
そしてその椎茸栽培など、吉野の恵みから生まれる現場を案内していただいた。

大割という作業

吉野杉から樽丸の素材をとる大割という作業。良い材を使うと綺麗に割れる。

47都道府県のワーストを アプリで解決(したい)! 第32回:熊本

第32回:「日本一のゆるキャラがいる、熊本県!」

熊本県を見たことがないという人でも、
くまモンは見たことがあるでしょう。

経済効果、2年間で1244億円と言われる日本一のゆるキャラ、くまモン。
あれだけメディアに引っ張りだこで忙しいはずなのに
目にクマができないなんて、ホントすごいです。

ところで、くまモンの登場で、超能力者のエスパー伊藤さんが
熊本で営業する機会が少なくなっているという事実をご存知でしょうか? 
ゆるキャラは、お笑い芸人さんの営業のチャンスを奪っているようです。

たしかに、結婚式などは、芸人さんを呼ぶよりゆるキャラを呼んだほうが、
若者からご年配まで、幅広い人が喜んでくれる気がします。

もちろん、ぼくは「1クールのレギュラーより1回の伝説」
という江頭2:50さんのように、お笑い芸人さんが来てくれたほうが
何が起きるか予想できなくてドキドキできるので楽しいです。

……と話が関係なくなりましたが、
さっそく熊本県のワーストを見てみましょう。

日本一、中学男子がバスケをしない(2010)

日本一、飲食店が少ない(2006)(事業所・企業統計調査ベース)

日本一、外国人観光客に占める欧米人の比率が低い(2010)

日本一、水道の普及率が低い(2011)

*データ参照元
todo-ran.com 
senkyo.mainichi.jp

比較的、ワーストの少ない県ですね。
それでは、ワーストを解決するアプリのアイデアを考えてみましょう。

ゴミ箱にポイっと入れる点数を競うアプリ「ごみバスケ」

単純なミニゲームアプリで、
「中学男子がバスケをしない」というワーストを解決します。

ごみ箱に紙クズをいれるアプリが流行りましたが、
ゴミ箱をバスケットゴールにすれば、よりバスケット欲が高まり、

「先生……バスケがしたいです」

という熊本県の中学生もたくさん生まれるでしょう。

しかも、教室に落ちているゴミや、まちに落ちているゴミがボールに思えて、
ゴミのリバウンド王となり、熊本県がさらにクリーンになるでしょう。
いいことづくめです。

欧米人を呼ぶアプリゆる侍「くまベェ」

欧米人があまり観光に来てくれない熊本県ですが、
くまモンのような動物系ゆるキャラとはちがう
「ゆる侍」のアプリを使って解決してはどうでしょうか。

その名も、熊本のゆる侍「くまベェ」!
(「エ」ではなく「ェ」と小文字なのがポイントなのです)

このアプリは、欧米版と日本版で、つくりが異なります。
欧米版「くまベェ」では「熊本にはくまモンがいるんだべェ~?」
と話しかけたり「欧米だべェ~」とツッコミを入れたりします。
もちろん英語で。聴いているうちに、きっと熊本に来たくなるはずだべェ~。

そして日本版「くまベェ」は、ただひたすら0時になると、
「欧米人よ、熊本に来るべェ~」とただただ、つぶやくベェ~。
ちなみに、0時なのは、欧米の「オー」とかけてだべェ……。
さらにちなみに、くまベェの性格は、どちらかといえば、
横柄(おうへい)だべェ……。

水道を普及させるアプリ「水不足スマイル」

水道の普及率が少ない熊本県ですが、
これは、井戸水を使っている世帯がまだけっこうあるからだそうです。
井戸で汲んだ水って、おいしいんですよねぇ。

井戸水だけでなく日本は、蛇口をひねればおいしい水が飲めるというめずらしい国です。
それが当たり前なだけに、水がないと、何かと不便なことも多いはず。

そんな熊本県に水道を普及させるために、
子どもたちの笑顔を使ってはどうでしょうか。

水道でお水を飲んだり、手を洗ったりしたあとに、
笑顔を決める。そんな子どもたちの笑顔が
いっぱい見られるアプリをつくれば、それを見た大人たちは、

「そんなに水がおいしいのか、じゃあ、私が水道を……」
という話になるかもしれません。

ですが、ここに問題があります。
笑顔の写真だけでは、それが水を飲んでの笑顔なのか、
オレンジジュースを飲んでの笑顔なのか、
区別がつかないではありませんか。

そこで、シャッターを切るまえの3秒前くらいが
動画になるようなカメラアプリにすれば、すべて解決します。

このアプリをうまく使ったらイケるはずです。

HiChee~「3,2,1,パシャ」がムービーになる魔法のカメラアプリ~

このアプリは、いわゆる「リア充」っぽいアプリですが、
こんな感じで、水を飲んでハイチーズと笑顔を決める
子どもの写真を撮りまくれば、熊本も「ミズ充」になれるはず。
(宣伝失礼いたしました m(_ _)m )

次回は、兵庫県。

兵庫より、神戸のほうが有名かもしれませんが、次回は兵庫県です。
おぼえておいてください。甲子園は、この兵庫県で開催されます。
それでは、またお会いしましょう! アディオス!

熊本大仏の大仏訓

もし熊本県が馬本県だったら、うまモンになっていたでしょう。

IOTカーボン Part2: 木炭メーカーによる、 循環型社会のものづくり。

木から炭、そしてまた木へ、循環するストーリー

富山のIOTカーボンは、
廃木材を産業廃棄物や一般廃棄物として受け入れる廃棄物処理会社としての側面と、
その処理によって生まれる木炭をさまざまな製品に利用する
木炭メーカーとしての側面がある。

2002年の創業当時から、木炭メーカーとしては土壌改良資材を発売し、
その後、床下調湿炭なども発売していた。
より幅広い層に高機能木炭を利用してもらうために、
次の一手として考え出されたのが「炭草花(すみくさはな)」シリーズ。
それまでとはうってかわって、
女性のライフスタイルにフィットするデザイン性の高いライフスタイル雑貨だ。

“草花のように、生活になじんだかたちで炭も置いてもらいたい”というコンセプトの炭草花。
それを象徴するアイテムが、代表作ともいえるブーツキーパーだ。
IOTカーボンのすぐれた脱臭・調湿機能を持つ木炭が、
ブーツのにおいや蒸れから守ってくれる。

IOTカーボン所長代理の越後厚志さんいわく
「木炭がこれでもかと詰まっています。木炭だけは売るほどありますから(笑)」

ブーツキーパー

ひとつのブーツキーパーに400g程度の炭が入っている。

たしかに手に持ってみると、ずっしりと木炭が詰まっていることがわかる。
木炭をほかから買ってきて商品化するようなモデルでは、
ここまで贅沢に使えなかったことだろう。
ブーツから飛び出す上の部分に花のイラストが描いてあり、
ブーツキーパーを入れて立たせると、まるで一輪挿しに花が咲いているようだ。
ガーベラ、ローズ、ポピーと玄関が華やぐ。

ほかにも、「シュー&ブーティーキーパー」や「トゥキーパー」、
バッグや化粧ポーチに入れる「フォーバッグ」と「フォーポーチ」、
クローゼットで使う「フォークローゼット」やハンガー型の「ハンガー」など、
においや湿気が気になるところにぴったりとはまるラインナップだ。

シュー&ブーティーキーパー

高温炭化木炭を拡大するとセル形状になっている。それをモチーフにしたユニセックスなパターンは男性でも使いやすい。

ハンガー製品

ハンガー自体がにおいも湿気もとってくれるなら、すごく理に適っている!

IOTカーボン Part1: 高機能な木炭で 木質廃棄物を有効利用。

古来より伝わる、自然由来の炭のチカラ

世界最古の木造建築である法隆寺や伊勢神宮、
東大寺の正倉院などの床下にも敷き詰められているという炭。
除湿や脱臭の効果があり、古くから愛用されてきた素材だ。

両手のひらに載せた分だけで、
なんとサッカーコートと同等の表面積を持つという木炭がある。
炭は表面の小さな穴ににおいを吸着し、それが脱臭効果となる。
表面積が大きいということは、穴が多いということ。
つまりそれだけ吸着効果が高くなる。

この高機能な木炭は、
富山の廃棄物処理会社IOTカーボンの高温炭化炉でつくられている。
2002年に創業した木くずなどの木質専門の廃棄物処理会社だ。
かつては野焼きなど、比較的簡単に木材を燃やすことができたが、
最近ではダイオキシンの問題などから、
木材であっても容易に燃やすことができなくなった。
そんなときにIOTカーボンは処理会社として立ち上がったが、
燃やすだけではただ二酸化炭素を排出するだけで終わってしまう。
会社名からもわかるとおり、
炭化することで、木炭として次なる命を吹き込むのだ。

年間約6000トンの木質廃棄物がIOTカーボンにやってくる。
工場の敷地内には、一戸建ての解体材や、工場で使われるパレット、
線路の枕木、伐採した街路樹などが、きれいにわけられて並んでいる。
なかには富山名物であるます寿司のフタが
くり抜かれたであろう板も大量にあって、地域色があって面白い。

家屋の解体材や山積みに

家屋の解体材。立派な構造材であったことが、太さから伺い知れる。

釘が刺さったままの解体材

このように、太い釘などが刺さったままの木材も多い。粉砕しつつ、除去する作業も重要だ。

また、富山は水力発電が盛んな土地だ。
しかし冬になると、山に雪が降り、重みで木が倒れて川を下り、
発電用ダムに木材がたまってしまう。
それを除去した木材も、立派な木炭の素材となる。
富山には、木材を処理しなければならない状況が無数にあるのだ。

高温かつ密閉して炭化する技術で実現した高機能木炭

IOTカーボンでは700~800度という高温の炉で木材を炭化する。
しかし一般的に木炭は、300~400度でも炭化できるという。

「当社でも、当初は400度程度の炉も使っていたのですが、
高温炉でできた炭が機能的にとても優れていたので、
400度のものは止めました」と語るのは、
IOTカーボン所長代理の越後厚志さん。

高温かつ密閉して炭化していることで穴が増え、
1グラムの炭で400平方メートルの表面積を実現。
一般的な備長炭は40平方メートル程度だというから、
IOTカーボンの木炭がいかに高機能であるかがわかる。

奥に見える高温炉

奥に見えるのが高温炉。最初に火をつけるために重油を使うが、すぐに密閉して、あとは空気の量を調整しながら、勝手に燃やしていく。極力エネルギーのかからない製造方法だ。

前述の通り、炭の小さな穴ににおいの分子を閉じこめることで
脱臭効果が得られる。さらに調湿効果も高い。
周囲の湿度が高いと湿気を吸って自分のなかにため、乾燥したときに放出する。
それは1日のサイクルのなかで行われ、1年という長い期間で繰り返される。
呼吸をしているようなものなのだ。

「炭は400~500度で焼けると酸性になります。
600~700度で中性に変わり、それ以上だとアルカリ性になります。
酸性雨ってありますよね。酸性寄りだと、土にあまりいい影響を及ぼしません」

そこで土に混ぜると根の成長を助ける土壌改良資材を
創業当初から発売した。
また、シロアリやゴキブリは酸性や弱酸性を好むといわれていることから、
アルカリ性の床下調湿炭を敷くと効果的だ。
本来、調湿・脱臭の機能を配した商品だが、意外な使い方も生み出している。

越後厚志さん

終始、謙遜した話しぶりだったIOTカーボン所長代理の越後厚志さん。人柄がわかるナイスな笑顔!

COS KYOTO×田村屋× 三浦照明×everedge Part2:伝統産業から、文化ビジネスへ 西陣織・引箔のランプシェード 「十六夜」。

京都西陣のリデザイン

COS KYOTOは、現代の素材・技術・人を融合し、
京都でリデザインする会社。
ランプシェードに西陣織の引箔を使った「十六夜(いざよい)」の製造工程を取材した。

京都では五世紀から織物づくりが行われており、
現代においては京織物の代名詞となっているのが「西陣」。
西陣とは、応仁の乱時に西軍(山名宗全側)が
本陣を置いたことにちなむ京都の地名。 
応仁の乱後には各地に離散していた織物職人が京都に戻り、
西陣の地で京織物を再興したことから「西陣」と呼ばれるようになった。

西陣織は、完成までには20を超えるプロセスがあり、
それぞれの工程が専門家によって分業化されている。
今回、西陣織の製造卸を手がける田村屋二代目の田村隆久さんに
西陣織の工程を見せていただいた。

西陣の染織工房

西陣の染織工房。

織、糸染め、引箔の工房をそれぞれ訪ねた。
まずは染めの工程。
田村屋のような機屋(はたや)が着物や帯のデザインを考え、色を決め、
絹糸を染め屋へ持っていく。

絹糸に蚕が出すタンパク質「セリシン」が付着している
それを丁寧に洗い落とすと、糸は柔らかくなる。それから染めに入る。
機屋(はたや)ごとに出したい色が違う。
染屋の職人はそれに対応した色を出していく。
それぞれの色を出す“さじ加減”は長年の経験によるものだ。

「西陣の絹糸も国産のものが少なくなった。
中国産が7割。ブラジル産のものもある。
ブラジル産は日系人がつくっているので質がいいです。
国産では群馬産の糸がいいです」

手染め作業

小ロットのものは昔ながらの手染めで行う。

西陣織では金箔や銀箔を織り込む。その素材が引箔。
和紙に漆を塗り込み、その上に金箔や銀箔を貼る。
和紙は楮(こうぞ)の樹皮繊維を原料として漉いた楮紙。
一万円札の材料にもなっているもの。

そこに硫黄を含んだ熱を加え、焼き付けることで
さまざまな深みのある色をつくる。
この引箔を最終的に0.3mmくらいの糸状に裁断し、織り込む。

COS KYOTO代表の北林 功さんに引き箔の魅力を聞いてみた。

COS KYOTO×竹影堂 Part1:伝統産業から、文化ビジネスへ 京都で「リデザイン」する。

これまでの〈伝統産業〉という枠組みを外したい

京都で培ってきた職人さんの技を日常で使えるものにしたい。
まず自分が欲しいと思えるものをつくりたい。

そんなデザインチームが「COS KYOTO」だ。
社長の北林 功さんにお話を伺った。

「僕らが知っている職人さんの、かっこいい技術や素材とデザインを結びつけたい」

COSとは「漉す」こと。

京都が培ってきた感性でエッセンスを抽出し、
現代に合った「本当によきもの」を生み出す。

箸置「コンテ」

美濃焼に起源を持つ多治見タイルの素材・技術を、COS KYOTOがリデザインした箸置「コンテ」。本年度『JCD PRODUCT OF THE YEAR in Chubu “タイル編”』準グランプリ受賞」」(写真提供:COS KYOTO)

木版画の手摺りの風合いを西陣織の技術で表現した帯地

木版画の手摺りの風合いを西陣織の技術で表現した帯地。ファブリック素材として多様な用途に用いることができる。(写真提供:COS KYOTO)

COS KYOTOは、伝統産業とコラボレーションすることで
新たな価値を提案しようと考えている。

織物、染物、陶磁器、漆器、竹製品、木工品、仏壇、人形、和紙、金工品など、
伝統産業の多くは後継者不足などの問題を抱える。

伝統産業を保護するために、伝産法という法律があり
伝統的工芸品産業は守られてきた。

しかし「認定されることで進化がストップしてしまう面もある」と北林さん。

「いろいろ要件を満たすことで保護されてきました。
しかしここに認定されるということは、
言い換えれば“絶滅危惧”業種ということでもあるんですね」

国が保護しないと産業が衰退する一方で、
税金をつぎ込めばつぎ込むほど、産業としての活力を失ってしまう側面もある。

北林功さん

COS KYOTO代表の北林 功さん。TEDxKyotoのディレクターでもある。

伝統産業を絶滅危惧種にしてはいけない。
新たな価値を生み出し、文化ビジネスに成長させること。
北林さんはそう考えた。

「伝統産業として昔からのものをただ受け継いで、守り抜いて、
絶滅危惧種的に生きながらえるというのではなく、
今もなお価値を提供しつづけ、循環させたいです。
そのためには新しいプロダクツを生み出し続けることが必要です」

「伝統工芸×COS」あるいは「伝統工芸×テクノロジー×COS」
そんなかけ算から、さまざまな商品が生み出されている。

実際にCOS KYOTOがコラボレーションする
金属工芸の制作現場を見せていただくことにした。

寛政年代より彫金錺金具を制作してきた京都の錺り(かざり)匠、金属工芸工房 竹影堂。

フレンチの大御所、田代シェフ。
福島県の食材に、魔法をかける。

東京・渋谷に「ラ・ブランシュ」というフランス料理店がある。
店名は「初心の」とか「真っ白な」という意味で、
1986年2月の開業以来、ずっと多くのファンに愛され続けてきた。
オーナーシェフの田代和久さんは、この道40年以上の大ベテラン。
日本のフランス料理界の大御所で、若手の料理人からの信頼も厚い。

そんな田代シェフは、福島県川俣町田代地区の出身だ。
少年時代は、山でタケノコを掘り、フキの葉っぱで山の清水をすくい、
自宅で飼っていたヤギの乳を飲んだ……
故郷には、そんな思い出がいっぱいある。

しかし、同じ町の山木屋地区は計画的避難地域に指定され、
震災から3年近くが過ぎようとしている今も、
自宅に戻れず避難生活を続けている人たちがいる。
田代シェフは震災直後から、炊き出しやイベントに参加。
料理を通して、積極的に福島県を応援し続けている。

「ふくしま応援シェフ」のひとりとして立ち上がる田代シェフ。

2013年11月25日。
田代シェフは「ふくしま応援シェフ」のひとりとして、
「県産品消費者理解交流会」に協力することに。
「福島の食材で、ラ・ブランシュはどんな料理を繰り出すのだろう?」
会場に集まった参加者の表情は、ちょっと緊張気味。
その期待は、おのずと高まっていた。

最初のひと皿は「柿のマリネと牛肉のソテー」。
赤身が美しい福島牛のソテーの隣に、
オレンジ色の柿の実と皮の、マリネが添えられている。
「これが、会津身不知柿(あいづみしらずがき)です」
客席に柿が丸ごと登場し、参加者の手から手へ渡されていった。
片手では持ちきれず、思わず両手で受け取ってしまうほど。
初めて見る人は、まずその大きさに圧倒される。

「こんなに大きくなったら、木から落ちてしまうじゃないか。
それくらい身の程知らずな柿だから、そう呼ばれるようになったんです」
会場を訪れた「㈲会津食のルネッサンス」の本田勝之助さんが教えてくれた。

「すごくおいしい柿なので、そのまま生でお出ししようと思いました。
でも、まだちょっと硬い。試しに皮だけ食べてみたら、すごく味がある。
もったいないから皮をちょっと炒めて、
果肉は生のまま、塩をちょっとだけ。
それからレモングラスと生姜を加えてマリネにしました」と、田代シェフ。
会場の参加者の表情が、徐々に明るくなっていった。

「福島牛」のこれから。

柿と一緒に添えられたのは、福島牛のもも肉のソテー。

黒毛和種が出荷されるまでには、一般的に900日前後飼養される。
その期間中、福島県で最も長く飼養され、
肉質等級基準をクリアした牛を「福島牛」と呼ぶのだ。

産地では放射性物質の全頭検査が実施されているほか、
3カ月に一度、県の担当者が畜産家へ立入検査を行ない、
水、ワラ等の粗飼料、濃厚飼料、敷料など、飼養状況を確認している。

そんな努力は続けられているのだが、
福島県の肉牛飼育頭数は、震災前の4分の3にまで落ち込んでいる。
高齢な農家が、飼育をやめたためだ。
それでも若手の農家は、希望を捨てず肉質を上げる努力を続けている。
そんな福島の畜産家たちが育てる牛肉は、
ネットの「e牛ショップ(http://shop-jalcf.jp)」で購入できる。
家庭ですき焼きや焼き肉を楽しむ際に、ぜひともご利用いただきたい。

次に登場したのは「赤ワイン味噌ドレッシングと会津の秋野菜」。
透明な皿の上に、南会津町の舘岩地区だけで栽培されている「舘岩カブ」や、
会津坂下町立川地区の「立川ゴボウ」、
そして、会津若松市周辺で栽培されている「茎立ち菜」などが並んでいる。
いずれも会津地方で、大切に受け継がれてきた在来種だ。

シェフ曰く「さっと茹でて、オリーブオイルと塩で味付けしただけ」とのことだが、
口に入れた瞬間、カブはカブ、ゴボウはゴボウの味と香りでいっぱいになる。
「茎立ち菜は、葉よりも茎の方が味が濃くて、存在感が大きいんですね」
そんな声もきこえてきた。
「あまり素材をいじらずに、自然のままの状態をイメージして、
頭の中で野菜たちの故郷を思いながら料理しています」
と田代シェフがそれに応じた。

野菜に添えられた濃紫色のソースは、味噌に赤ワインとビネガーを加えたもの。
福島市で70年以上の歴史を誇る味噌メーカー、フクイチの「福蔵」が使われている。
福島県産大豆(タチナガハ)とお米(コシヒカリ)が原材料。
昔から福島の人たちの食卓で親しまれてきた味噌が、
シェフの手により、ドラマチックなドレッシングに変身した。

次に現われたのは、フランスのカフェの定番「クロックマダム」。
パンにハムとチーズをサンドしてベシャメルソースを乗せたのが「クロックムッシュ」。
その上に目玉焼きを乗せたのが「クロックマダム」といわれているが、卵が見当たらない。
そこで、カットしてみると…

オレンジ色の濃厚な黄身がトロリと流れ出した。
これはまぎれもなく「マダム」。
しかも使われているのは「会津地鶏」の卵だ。
そのまた下にあるのは、フランスパンかと思いきや……中央に穴が空いている。

土台となるパンの代わりに使われていたのは、西会津町特産の「車麩」。
小麦粉のグルテンを練った生地を棒に巻き付けて焼き上げるので、
車輪のような形をしている。

会津地方では、煮物などに使われることが多いが、
「車麩の煮物は、僕らは好きだけど、子どもはあまり食べないよね。
だから年齢を問わず、美味しく食べられるおやつに。
まん中に穴が開いているから、卵を落とすのにちょうどいい(笑)」
そんな田代シェフの説明に、
「これならうちでも作れそう」。そんな声が飛び交っていた。
家庭で手軽にできる子どものおやつ。しかも家族と一緒に福島を応援できる。
シェフの愛情がめいっぱい詰まったひと皿だった。

実はこの料理、田代シェフが「新会津伝統美食」として、メニュー提案したもの。
地元のレストランや飲食店でも採用されていて、
伝統食である車麩の新しい魅力が、広まろうとしている。
(※『車麩のクロックマダム』のレシピを末尾に掲載しました)

そして最後を飾るひと皿はリゾット。
「ふだんは作らないのですが、あえて作ってみました」
たしかにリゾットは、フランスではなくイタリア料理の定番。
福島米の魅力を舌で味わってもらうために、
田代シェフがジャンルを超えて生み出した料理だ。

山形県との県境に近い、喜多方市の熱塩加納(あつしおかのう)地区で、
小林芳正さんが栽培したコシヒカリを使用している。
「昭和40年代から有機質肥料で栽培を始めた、米作りの名人です」
と、教えてくれたのは「会津産直会」代表の新国(にっくに)裕二さん。

長年お米の流通と販売に関わってきた、専門家。
緻密なデータに基づいて、農家の栽培指導も行なっている。
「会津は、肥沃な大地と、山々から流れる豊富な天然水。
そして穂が出て登熟(コメがデンプンやタンパク質を蓄積すること)する時期には、
平均気温が23〜26℃になります。
新潟県の魚沼地方と同じ、おいしい米づくりに必要な条件がすべて揃っているのです」

江戸時代、天保と天明の大飢饉に見舞われた東北地方では多くの餓死者が出たのは有名な話。
しかし、会津地方では、1人も死者を出さなかったという。
それは、気象条件に恵まれているから。そして、
「農民自ら、栽培について学んでいたからです」と新国さん。

会津には江戸時代中期に佐瀬与次右衛門による「会津農書」という独自の農業書があり、
農閑期には文字の読めない農民も、口伝で栽培技術を学んでいたという。
「当時の日本で、独自の農書を持っていたのは、
会津と長岡だけ。それに基づいて1反あたり7俵を収穫していたと記録されています」

7俵=420㎏。機械化と育種が進んだ現代でも、
条件や技術が伴わず、これに及ばない田んぼが全国各地に無数とある。
地形、土壌、気候に恵まれ、昔から勤勉な農家が多い。
そんな土地柄が、食味の高い会津米を生み出している。

会津には、お米を栽培しながら見事な野菜や果物を作る生産者がたくさんいる。
震災の影響で、その技を受け継ぐ人がいなくなってしまうことが、一番気がかりという。
「農産物を育てながら、人も育てなければ。
実習農場を作って若者たちを育て、優秀なプロの農家に送り込もう。
今、そんなプロジェクトも始動しています」

検査を重ねて、安全性を確保。

福島県 県産品振興戦略課の担当者から説明があった。
「福島県では、昨年から最も摂取量の多い、お米の全量全袋検査を行なっています。
昨年は37万t、1100万袋を超えるお米を検査して、
安全性を確認したものだけをお出ししています。
今年も検査は始まっていて、
その結果は『ふくしまの恵み安全対策協議会』のHPでご覧いただけます。
今年は原発から30km圏内などの避難指示区域での試験栽培も始まっていて、
少ないですが基準を超えたものもありましたが、
それでも基準値を超えたコメが、市場に出回ることは決してありません。
その点を、ご了承いただきたいと思います」

交流会の終了間際、参加者から田代シェフへの質問が相次いだ。

参加者:「柿のマリネに添えられた、紫キャベツのマリネの作り方を教えてください」

田代シェフ:「フライパンでオリーブオイルを熱して、
そこへ生のキャベツを葉っぱのまま20秒ぐらい押し付けます。
焼くのではなく、火が入るか入らないかぐらい。水分を抜く感じですね。
それを刻んでオリーブオイルと塩とビネガー。
そしてエシャロットのみじん切りを混ぜる。
ご家庭ではタマネギでもいいと思います。
豚肉や鶏肉の付け合わせに。
そこにジャガイモを添えれば、もうほっぺたが落ちますよ」

参加者:「リゾットと一緒に食べた、クルミ味噌の作り方を教えてください」

田代シェフ:「クルミを5分ぐらいオーブンで焼いて、
味噌に赤ワイン(水でも可)と、栃のハチミツを入れて混ぜる。
それをベーキングシートに乗せてオーブンで7分ぐらい焼きます。
トースターでもできると思います。
作り置きできるので、食べたい時に塗る。
僕にとって、子どもの頃の懐かしい味です」

その他、こんな質問も。

「会津身不知柿や、今日のお野菜は、どこで買えますか?」

「車麩のような、福島県産品が買えるショップは?」

県の担当者がタジタジになるほど、積極的な意見が飛び出す場面も見られた。

中央が佐藤陽子さん。

参加者のひとり、佐藤陽子さん(30代)は福島県出身。
フードコーディネーターの資格を一週間前に取得したばかりという。
資格の取得に向け、共に学んだ仲間を誘い、7人で交流会に参加した。
「みんな料理や食べ物が好きな人たちなので、
この機会に、福島の食材を知ってほしいと思い一緒に参加しました。
田代シェフのお料理は、目からウロコのものばかり。
クロックマダム、ぜひとも参考にさせていただきます」
この日の料理は、参加者の手で東京でも広まっていきそうだ。

交流会の最後に、改めて田代シェフにお話を伺った。

「福島の食材は、間違いなく美味しい。
そして、検査もされているので、安心して召し上がっていただきたい。
噛みしめて、味わって、福島に思いを馳せていただく。
それがひとつの起爆剤になると思います。
料理を通して、福島に思いを馳せてもらえれば、
ひとつの思いがふたつ、ふたつの思いが3つ……
そうやって広がっていくことが、やっぱり大切だと思いますよ」

故郷の置かれた厳しさを、日々感じながら、厨房に立つ田代シェフ。
しかし、その料理を味わい、福島に思いを馳せた人たちはみな、
まるで魔法にかかったように、いつの間にか笑顔になっていた。

福島を味わい、そして思う。
その大切さと、可能性を、誰もが実感したひとときだった。

★『車麩のクロックマダム』のレシピ

【材料(4人前)】

車麩:4枚 牛乳:300cc 卵:4個 塩・胡椒・砂糖:少々 

スライスハム:4枚 

スライスチーズ(パルメザンチーズでも可):4枚

※ベシャメルソース

小麦粉:20g バター:20g 牛乳:250cc 

粉チーズ:スプーン1杯 塩・胡椒:少々

●つくりかた

車麩4枚を牛乳に1〜2時間ひたしてもどす。

ベシャメルソースを作る。鍋でバターを溶かし、
小麦粉を入れ、4〜5分なめらかになるまで弱火で火を通す(※注)。
少しずつ牛乳を加えて、とろみがついたら粉チーズを入れ、
塩、胡椒で味を調える。(塩気が強くならないように注意する)。

※注:このタイミングでルーを冷凍保存しておくと便利。
牛乳を加える前のルーをバットなどに入れて冷凍しておき、
使うタイミングでそれをキューブ状にカットして(1人前10g程度)、
沸かした牛乳に冷凍したままのルーを入れると作業がスムーズです。

に、塩・胡椒・砂糖をかけ、プライパンで両面に軽く焼き色がつく程度に焼く。

車麩が焼けたらオーブントレーに移し、車麩の中に卵1個割り入れる。

の上に、ハム1枚・チーズ1枚をのせ、
ベシャメルソースを表面を覆う程度にかけ、粉チーズを軽くふる。

を180度のオーブンで10分間焼き、最後に上火で焼き色をつける。

ふくしま県産品応援サイト

http://www.fukushima-kensanpin-ouen.jp

福島県農産物モニタリング情報「ふくしま新発売。」

http://www.new-fukushima.jp

「県産品消費者理解促進交流会」
◎第4回「1月〜正月食べ過ぎ解消 ふくしまの冬野菜と麺とパン」

1月20日(月)15:00~17:00

播磨坂 もりずみ(森住 康二シェフ)

住所:東京都文京区小石川4-15-13 HARIMAZAKAビル 1F

TEL:03-5805-3655

1月21日(火)15:00~17:00

四川豆花飯荘(遠藤 浄シェフ)

住所:東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング 6F

TEL:03-3211-4000

1月22日(水)15:00~17:00

ソーゼージスタイル流行hayari(村上武士シェフ)

住所:東京都渋谷区恵比寿3-48-5 グランデ恵比寿 2F

TEL:03-5422-8467

「県産品消費者理解促進交流会」
◎第5回「2月〜雪中野菜と煮込み料理 ふくしまのもどき料理」

2月5日(水)15:00~17:00

つきぢ田村(田村 隆シェフ)

住所:東京都中央区築地2-12-11

TEL:03-3541-2591

http://www.tsukiji-tamura.com/

2月6日(木)15:00~17:00

COOK COOP BOOK(萩原雅彦シェフ)

住所:東京都千代田区紀尾井町4-5 G-TERRACE紀尾井町1F

TEL:03-3264-3230

http://cookcoop.com/

2月19日(水)15:00~17:00

ポタジエ(柿沢安耶シェフ)

住所:東京都目黒区上目黒2-44-9

TEL:03-6279-7753

http://www.potager.co.jp/

◎参加費

1500円(1名)

※お帰りの際に、参加者全員にBears Bear fukushimaふくしまを抱くクマ「しまくま」をプレゼント

◎申し込み方法

「ふくしま応援シェフ」のホームページで申込書をダウンロード、必要事項を記入のうえ、FAX またはメールにて申し込み

http://fukushima-ouen-chef.jp/

お問い合わせ

事務局 会津食のルネッサンス

住所 福島県会津若松市中島町2-52

TEL 0120-91-0617 (10:00~18:00 ※土日祝日休)

FAX 0242-93-9368

E-MAIL order@a-foods.jp

http://www.a-foods.jp/

information


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ラ・ブランシュ

住所 東京都渋谷区渋谷2-3-1 青山ポニーハイム2F

TEL 03-3499-0824

営業時間 12:00~14:00(L.O) 18:00~21:00(L.O)

定休日 水曜・第2、第4火曜

47都道府県のワーストを アプリで解決(したい)! 第31回:徳島

第31回:「日本一、徳のある徳島県!」

あなたの身近で、もっとも徳のある人物とは誰でしょう?

肉体美をお持ちのチュートリアル徳井義実さん、
24時間テレビやAKB総選挙の司会を務める徳光和夫さん、
石原プロモーションの徳重聡さん、
11歳で36人の話を同時に聴けた聖徳太子、
暴れん坊将軍こと徳田新之助……。

徳のある人物が、日本にはたくさんいますね。
なぜか、身の回りで徳のある人物を想像すると、
ボウズ頭の男性ばかりが浮かんできました。
お坊さん=徳の修行を積んだ人物
というイメージがあるからでしょうか。

今回のワーストバスターズは、
日本で唯一「徳」をもっている県、徳島です。
さっそく徳島のワーストを見てみましょう。

日本一、陸上競技場が少ない県(2012)

日本一、柔剣道場が少ない県(2012)

日本一、こんぶを消費しない県(2010)

日本一、男性が野菜を食べない県(2010)

日本一、豚肉を食べない県(2008)

*「日本統計年鑑」(平成24年)、「都道府県別統計とランキングで見る県民性」(todo-ran.com)より

運動してなかったり、好き嫌いが多かったりで、徳島県民は、
ワガママというような印象をもってしまいそうになりますが、
さっそくワーストを解決していきましょう。

牛乳を愛するスマホヒーロー「ミルクノメヤマン」

日本一、陸上競技場が少ない県、徳島。
陸上競技場が少ないのは、おそらくスポーツが盛んでないからでしょう。
それならば、とりあえず、牛乳を飲みまくって
すばらしい肉体を手に入れれば、スポーツも発展していくはず。

スマホアプリ「ミルクノメヤマン」は、スマホの中にいるヒーローで、毎日
「牛乳、飲んでるかー?」とたずねてきます。

ちょっと早とちりしやすい性格で、
午年と牛年をカン違いしたりもするようですが、
そんなところがみんなに愛され、
さらには、ミルクも愛されていくことでしょう。

こんぶを増やすスマホヒーロー「コンバツマン」

日本一、こんぶを消費しない県、徳島。
でも、子どもの時から、その味に慣れ親しんでいれば
こんぶの消費量も上がっていくはずです。

でも「野菜を食べなさい」というお母さんは日本中にたくさんいますが、
「こんぶを食べなさい」というお母さんはあまりいない気がします。

それもそのはず、こんぶはおだしとして使われることが多いからでしょう。
でも、こんぶを食べることもできますし、こんぶの佃煮だってあります。
それでも、お母さんは、「こんぶを食べなさい」と、
子どもに言うのに慣れていません。

そこで、お母さんの代わりに、こんぶを食べない子どもを叱るのが、
我らが「コンバツマン」です。

お母さんが、アプリを起動して、「コンバツマン」を子どもに見せれば、
「コンバツじゃー!!!!!!」

と言って子どもを叱ってくれます。
これにビビって、こんぶを食べる子どもは、
あまりいないかもしれませんが、お母さんのやさしさにふれて、
こんぶを食べようと決意する子は、きっといる。

野菜を愛するスマホヒーロー「ベジタリマン」

日本一、男性が野菜を食べない県、徳島。
じつは私も、幼いころから野菜が食べられなくて、
給食の時間は、とても憂鬱でした。
いつもはしゃべっているのに、給食になると無口。
みんなは食べてるのに、じぶんだけ食べないという
罪の意識を感じていたのです。

「アフリカには、食べたくても食べられない子がいるんだよ」

日本には、食べたくないのに食べさせられる子がいる。
ただ、それだけのことじゃないのか。
そもそも、なんでアフリカの話をするのだ。
そんなことをいつも考えていて、精神が曲がってしまいました。
やはり、好き嫌いはよくないですね。

すいません。脱線してしまいましたが、そんな私みたいな野菜嫌いが、
野菜を食べるには、どうしたらよいか?

やはり、アフリカの話をしたりするのではなく、
もっと身近に、野菜のことを感じてもらうのはどうでしょうか。
つまり、野菜を擬人化したヒーロー「ベジタリマン」が
先生や自分のスマートフォンの中にいれば、
野菜のことをもっと身近に感じますし、
なんでオレを食ってくれないんだ!
必殺技を食らわせるのと、野菜を食らうのどっちがいい!?
などと言われれば、もしかしたら
野菜を食べるきっかけになるかもしれません。

今回は、なぜか、すべてスマホヒーローが
ワーストを解決するという謎の展開になりましたが、
たまには、そういうのもよいのではないかと勝手に思っております。

次回は、熊本県。

次回は、あの日本一のゆるキャラのいる熊本県です。
それでは、またお会いしましょう! アディオス!

徳島大仏の大仏訓

トクします徳島!

mouse

愛媛県『mouse』 
発行/cafe KIKO&YVAN

愛媛県西条市の小さなお店、cafe KIKO&YVAN が発行するリトル・プレス。愛媛県の美味しいお店や思わず笑みがこぼれるできごとや人物を、のんびり・まったり・ゆったり紹介しています。地元の豊かな自然と田舎町で小さな幸せ発見! マガジンです。

*Café Crema ドリップパック
*cafe KIKO&YVAN オリジナルFinlandポストカード付き

定価350円

淡路島美術大学 Part2: 食糧自給率100%超えの島で 生活と密着したものづくりを。

生活、芸術、ものづくりに壁はない

淡路島美術大学(=あわび)主宰の岡本純一さんは、
東京に住んでいたときは、現代美術作家として活動していた。
資生堂ギャラリーで展覧会を開くなど、その活動は順調であったが、
あるとき、淡路島への移住を決めた。

「東京にいたときは、
アートのためのアート作品をつくっていたように思います。
生活からかけ離れた活動に、ずっと違和感を感じていたんです」
違和感を持っていたからこそ、すんなり移住することができた。

そして淡路島では、生活と密着したものづくりを実現している。
自宅は海沿いの道路から、少し丘を登った見晴らしのいい立地。
築100年ほどの古民家をリノベーションして暮らしている。
薪で焚いているお風呂からとび出した煙突が目印だ。
ゆっくりと温かくなっていくのが心地いいという。
家にお邪魔すると、大きなロケットストーブが鎮座している。
しかしこれはちょっと失敗作。薪ストーブの導入を検討しているという。
このように、失敗という過程すら楽しみながら、少しずつ改装している。

黒い壁は、灰と炭と和紙からできていて、防虫効果あり

黒い壁は、灰と炭と和紙からできていて、防虫効果あり。“ふすまありき”で仕上げたので、ちょっと低いふすまもご愛嬌。

大量の靴をのりこえた先には白い大きな壁

大量の靴をのりこえた先には白い大きな壁。ここで映画上映も可能だとか。

自宅へと登っていく途中にある畑を借りて、自然農で野菜などを育てている。
最低でも「子どもたちが食べる野菜くらいは自分たちの手で育てたい」と、
子どもの食には強い関心を寄せている。

その延長線上として、
奥さんの寛子さんを中心に、自然農の学びの場を立ち上げている。
奈良にある赤目自然農塾で長年スタッフを務めてきた大植久美さんと
吉村優男さんを招いて行われる月1回の勉強会だ。
地域住民を集め、みんなでからだを動かしながら、
食を媒介にしたコミュニケーションの場としても機能している。

オーガニック食材などを集めた『あわびプチマルシェ』も開催。
他県へ視察に行くなどして、淡路島での食への関心を高めようと活動する。
淡路島は食糧自給率が100%を超える。
そんな土地だからこそ、
自然農や無農薬・無肥料など食文化への関心を高めていけば、
生まれる効果も大きいのではないか。
食は子どもたちの未来に直結する。

キッチン

キッチンは、リノベーションしたなかでもお気に入りの場所。ちなみにこの日、奥さんが仕込んでいた夕飯はおでんでした!

りんごとレーズンと全粒粉のケーキ

りんごとレーズンと全粒粉のケーキ。お皿はもちろんあわび焼。

淡路島美術大学 Part1: 民藝の精神を引き継ぐ「あわび焼」。

現代の生活で使われている陶器だからこそ、美しい

神話では神や国を産んだ伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が祀られている
伊弉諾神宮があり、
その伊弉諾尊が日本で最初に産み出したといわれているのが淡路島である。
その島に美術大学がある。淡路島美術大学、略して「淡美=あわび」。
とはいっても文科省の認可を受けている本物の大学ではない。
芸術文化や、農、食、暮らしに関わるさまざまな問題を、
ワークショップやイベントを通じて考える“学びの場”だ。
学長の岡本純一さんは、「むさび」(武蔵野美術大学)出身の現代美術作家。
大学院まで彫刻を専攻し、卒業後、同大学で助手として働き始めた。
その後、結婚し第二子が産まれたタイミングで、
出身地で子育てをしようと思い、淡路島にUターンした。

そこで上述の「あわび」こと淡路島美術大学と、
そこで制作されている陶器ブランド「あわび焼」を始めた。

「淡路島には美術館や文化施設が無いに等しく、自分のアトリエと兼ねて、
美術作品を鑑賞したり、ワークショップを開催できる空間をつくりたかった」と
岡本さんはきっかけを語る。
この場所は面白いことに、関西看護医療大学(こちらは本物の大学)の敷地内にある。
同大学はシャトルバスなどで島外から通っている学生が多く、
淡路島に住んでいる学生が少ない。
大学側としても地域に根ざした活動を応援したいということで、
3フロア、計6教室をあわびに貸してくれた。

「だから“大学”という名前を使ってみました。
省略したら”あわび“となるのもユニークで面白いかな」

大学の一画を借りている

大学の一画を借りているので、まるで本物の大学のようなたたずまい。

独学で始めたあわび焼

あわびでつくられた陶器を「あわび焼」という名でブランド展開している。
しかし岡本さんの陶芸は技術を独学で得たものであり、○○焼などのルーツもない。
淡路島に戻って以来、3年ほどは、自分が納得できるものが完成するまで、
自分と向き合い修業する日々。作品も溜まる一方。
やっと公に販売を開始してから、まだ1年余りである。

彫刻学科出身の岡本さんだけに、
石膏の型取り技術を活かした作陶が行われている。
まず石膏型をつくり、
そこにタタラと呼ばれる粘土板を当てはめて型取りする「タタラづくり」。
この手法だと「自分の本当に思ったかたちにつくれる」という。
手跡も多少残ってしまうが、それは自然な温かみになる。

岡本純一さん

1枚1枚、丁寧に削り込んでいく岡本純一さん。

大学時代から陶芸にいそしんでいた。
大学で助手を務めていたときも、毎週のように骨董市、がらくた市を巡り、
民藝品や骨董品を収集して使っていた。

だから「10年間、買い集めてきたものが師匠です」と臆せずに語る。

「一番共感しているのは民藝の思想です。もっとも美しいものだと思っています。
しかし民藝運動が盛んだった時代のものは、
良くも悪くもあの時代だからできたもの。
いま見た目だけ似たようなものをつくっても意味がありません」

民藝とは、大正から昭和初期にかけて、
無名の職人による実用的で日用的な工芸品に、用の美を見出した運動だ。
その文化的な背景や感性は引き継ぎながらも、
マネごとではなく新しい民藝を目指さなくてはならない。
アーティストらしい思考だ。

ときには指を使い成形

ときには指を使って、繊細な形をつくっていく。

フォトいばらき 2014年新春号

茨城県『フォトいばらき』 
発行/茨城県

豊かな自然に恵まれ見どころいっぱいの茨城は、四季折々にさまざまな風景を満喫できます。心に響き感動を与える風物。そんな魅力ある茨城の情景を紹介します。今回のわが街自慢コーナーでは筑西市荒川家住宅「食の蔵 荒為」をピックアップしました。

フォトいばらき
http://www.pref.ibaraki.jp/photoiba/

発行日/2014.1

西粟倉村・木工房ようび Part2 : 百年の森から生まれた、檜の家具。

檜(ひのき)の家具をつくる

「檜ってほぼ日本にしかはえていないんです」

と「木工房ようび」代表の大島 正幸さん。
檜の家具をつくるために西粟倉村に5年前にやってきた。

檜は日本の鹿児島から福島の間で生育する針葉樹。
海外では台湾にもあるが、日本とは種類が違う。

世界最古の木造建物である法隆寺は檜。
建材として最高品質のものとされる。
しかし意外にも檜の家具はほとんど存在しないのだという。

「家具は接合部に強度をもたせなければならないので、
家具と建物は似て否なるものなんです。
建物は自身の重みで建物を支えている。
素材は同じだが、つくり方はまったく違う」

インテリア家具の技術をそのまま檜にあてはめても強度が保てない。
素材と技術がミスマッチしている。

「ならば、檜の材を徹底的に研究し、
檜の家具を製品化したい」
と、大島さんは考えた。

西粟倉村の森林

西粟倉村・百年の森林構想。西粟倉村で50年育った木を、50年先の未来へつなぐ。

「森に惚れた」それが起業の理由。

西粟倉村に来る前は、岐阜県の家具会社にいた。
しかし檜の家具をつくりたいというと、ダメだといわれた。
独立して檜の家具をつくるというと、
70人いた社員のほとんどが無理だと反対した。

それでも大島さんは家具会社を辞めた。
社長に理由を聞かれ、こう答えたという

「この森が好きになってしまったんです」

50年かけて、50年先の森をつくるという
'>西粟倉村・百年の森林構想」に出会い、
そのプロジェクトの可能性に自分の未来をかけようと考えたという。

「いい家具をつくって、ふりむいたらいい風景がある。
そんな環境で仕事をしたい」

森の学校のカフェ

西粟倉村・森の学校のカフェにも木工房ようびの家具が置かれている。

2009年の1月、飛騨高山の家具会社を辞め、西粟倉村に単身やってきた。
西粟倉村の50年かけて育てた森を、50年後につなぐというプロジェクト。
そのための家具をつくるのが自分の仕事だと考えた。

「日本の歴史において、檜がこんなに生えてるのって歴史上初めて。
50年前に日本中に数多くの檜と杉が植えられたんです。
当時はこの村でも立派な檜を2本切ると家が建つといわれた。
だから貯金のようなものだったんです。
子どもの世代に財産として残す木を植えた」

しかし皆が植えたら価格は下がる。
ピークは昭和55年。
そこから価格は下がりはじめる。
誰も使わなくなって、山には荒れた森が残る。
手入れがされなくなったのが現状。

「だから自分がやらなければ、誰もやらないんじゃないか、と」

現金30万だけもって、西粟倉村に転入した。

「当時つきあっていた彼女に、いっしょに来てくれと告白したら
最初、保留といわれたんです。なんやねん(笑)」

しかし2年後、彼女も村にやってきて、結婚した。
いまは木工房ようびを夫婦で経営している。

北欧家具のラインを日本固有の檜で実現

細身でスタイリッシュな北欧家具のラインを日本固有の檜で実現。同じサイズのナラの椅子と比べると明らかに檜のほうが軽く、やさしい風合い。

西粟倉村・森の学校 Part1 : 100年の森を育み、商品を生み出す、 村の営業部。

西粟倉村の取組み

人口1539人の岡山県西粟倉村。
この小さな村が林業を軸とした
地域再生の成功モデルとして注目されている。

政府主導で行われた平成の市町村合併のなかで、
西粟倉村は合併をしない、独自の道を歩んできた。

西粟倉村をひとつのブランドに育て、つぎつぎと商品を生み出し、
地場産品の企画・販売、マーケティングを手がけるのが
株式会社 西粟倉・森の学校。
西粟倉村民76名や、西粟倉村役場などが株主として参加している
村ぐるみのプロジェクトから生まれた会社だ。

森の学校ショールーム

森の学校ショールーム。西粟倉村から生まれた商品を展示している。

代表取締役の牧 大介さんにお話を伺った。

「最初、外部のコンサルタントとして村に入ったんです」
そこで仕事をつくるための雇用対策協議会の立ち上げからはじめ、
そこから地域での起業をサポートしてきました」

牧さんは、もともと資源リサイクルや自然産業のコンサルティングを手がける
アミタ株式会社のシンクタンク「アミタ持続可能研究所」の所長として
西粟倉村に入った。一番の問題は過疎化だった。

「平均して年間30人、お年寄りが亡くなるんです。
少々子どもが産まれても、過疎化は止まらない。
人口を維持するためには、仕事を生み出す必要がある」

木のぬくもりがうれしい木馬

木のぬくもりがうれしい木馬。地域の資源に根ざした商品を生み出すために、まず人づくりからはじめた。

2007年、雇用対策協議会が設立される。
通称・村の人事部。

「厚生労働省の補助金ありきの組織だったので、
補助金が切れてからも、経済的に自立できるようにしたい。
ひとづくりの基盤を持とうというのが、はじまりだったんです」

企業の人事と同じように、地域もひとが重要なのだ。
起業家型の人材発掘・育成が必要だ。
そして村にやってくるひとの定住支援をしていくための組織づくり。

そして地域の資源に根ざした仕事をどうやって生み出すか。
森の再生を地域の雇用や人口維持につなげられないか。
それが課題だった。

廃校の教室がショールーム

廃校の教室がショールームになっている。

無垢の木で出来た天板のデスクやテーブル

無垢の木で出来た天板のデスクやテーブル。森の再生のための商品が生み出されていく。

47都道府県のワーストを アプリで解決(したい)! 第30回:三重

第30回:「日本一、炭酸不足の三重県!」

クイズです。
日本一売れているソフトクリームは、どこのどれでしょうか?
答えは、考える前にもう見えているかもしれませんが、
ミニストップのソフトクリームです。

では、そのミニストップが、日本一多い県はどこでしょうか?
答えは、考える前にもう見えているかもしれませんが、
三重県です。三重だけに、見え見えのクイズでしたね。
ちなみに、三重はジャスコの店舗数も日本一多いそうです。
それでは、今回は、三重県のワーストを見てみましょう。

日本一、21世紀の甲子園勝利数が少ない

日本一、炭酸を飲まない(2009)

日本一、男が育児に参加していない(2006)

日本一、助産師が少ない(2008)

これまた前回の岡山県につづいて、かなり少ないですね。
しかし、炭酸を飲まないワーストは、意外ですね。

日本初のサイダーである養老サイダーの岐阜県と
ポジションは近いので、なんとなく
炭酸にポジティブな県だと思っていたのですが。。。
。。。が炭酸の気泡のようですね。

とりあえず、炭酸を中心にワーストを解決していきましょう。

名サードコーチャーアプリ「コラコーラ」

あの名番組「熱闘甲子園」のスポンサーが、
コカコーラであることを知っていましたか?

それと関係あるかはわかりませんが、
「コラコーラ」があれば、甲子園勝利数が増えて、炭酸消費量も上がります。
このアプリを使えば、状況に合わせて、
名サードコーチャーからの掛け声が再生されます。
サードコーチャーとは、三塁ベース付近にいる攻撃側のコーチです。
腕をクルクルまわして、まわれ!まわれ! と、ランナーに呼びかける人ですね。
たとえば、どうしても宿題をやりたくないとき、あるいは、会社に行きたくないときには、

「コラコーラ、ちゃんとバッターボックスに立てよ」

と野球にたとえて、背中を押してくれます。
ちょっといい感じの異性に、告白しようか迷っているときは、

「リーリーリーゴー!!!
まわれー!まわれー!ストップ!ストップ!
……コラコーラ、ストップって言ったじゃないか!」

というような具合に。
サードコーチャーの声をたくさん聞いていれば、
野球をしたくなり、高校球児になるかもしれませんし、
あるいは、コラコーラという音がアタマに入っていき、
コーラを無意識に買ってしまうかもしれません。

炭酸デモを起こすアプリ「ウルトラシュワー」

三重県といえば、液晶で有名なシャープの亀山工場がありますが、
目のつけどころが、シュワープでしょ!

というようなグッドな企画を実現をするのが、この「ウルトラシュワッチ」。
カンタンに言えば、炭酸を増やすデモを立ち上げるアプリです。
たとえば、三重県人なら一度は行ったことのある遊びスポット、

・ナガシマスパーランドをナガシマシュパーランドにするデモ

ナガシマスパーランドのお湯をすべて炭酸にすれば、
炭酸消費量が劇的に増えるはずです。
ただのウォータースライダーも、ウォータシュワーライダーに変わり、
心もカラダも弾けることまちがいなし。
アイデア豊富な三重県民ですから、ほかにも、

・県知事をシュワルツネッガーにしてシュワシュワ感を出すデモ

・鈴鹿サーキットに、ミハエルシューマッハを呼んできて、
ミエハルシュワーマッハにするデモ

・鳥羽水族館を鳥羽炭酸水族館にするデモ

などなど、ウルトラマンも二度見するくらい
シュワっと弾けたアイデアが飛び出すでしょう。

パールエンジニアを誘致する「パール園児ニヤ」

三重県は、真珠で有名だということを知っていましたか?
いや、知らない人にとっては、そりゃ有名じゃないでしょ。
と思われるかもしれませんが、とにかく真珠で有名らしいです。

そして、エンジニアの使用する言語で、
Perlという言語があるのを知っていましたか? 
いや、知らなくてもいいんですけど、
とにかくそういう言語があることを知ってください。

このふたつの知識を得たあなたには、もうおわかりのように、
この「パール園児ニヤ」は、三重県をPerlの聖地にするアプリです。
三重県のPerlエンジニア人口が増えれば、炭酸の消費量も増えていきます。

なぜかというと、私の会社のPerlを使っているエンジニアが、
レッドブルやコーラを愛飲していますし、
彼らは普通の人より炭酸が好きなようです。
つまり、そんな人たちが、三重県にたくさん来てくれれば、
必然的に消費する炭酸の量は増えるはず。

「パール園児ニヤ」をスマホに入れておくと、
ニヤリとした笑顔がチャームポイントの真珠をモチーフにした
パール園児ニヤちゃんが、決まった時間ごとに、

「ハロー! Perlの時間だよ!」

と、Perlをプッシュしてきます。まさにプッシュ通知です。
Perlのことを知らない人も、Perlってなんだろう? と思って検索し、
Perlに興味をもつでしょう。

まぁなかなかうまくはいかないでしょうけど、
それでもニヤリと笑ってみることにしましょう。

人は幸福だから笑うのではない。人は笑うから幸福なのだ。
以前、Perlエンジニアにどや顔で言われた言葉です。
(よく聞く言葉だな。。。)

次回は、日本一徳のある徳島県。

炭酸づくしになってしまいましたが。。。。
次回は、四国のクラブが初めてのJ1チームになった
「徳島ヴォルティス」が話題の徳のある島、徳島県。
どれだけ徳があるのか、どれだけサッカー熱があるのか。
チェックしながら、ワーストを解決していきます。
それでは、またお会いしましょう! アディオス!

三重大仏の大仏訓

三重にあるビルは、すべて三重塔だ。

川俣シャモ×会津地鶏。 福島の銘柄鶏がベトナム料理に。

闘うシャモと、美しい地鶏。

福島県には、ルーツも味わいも異なるふたつの銘柄鶏がいる。
ひとつは「川俣シャモ」。

福島市の東に位置する川俣町で育つ鶏で、
現在町内の16軒の農家が飼育している。
養蚕の町として栄えた川俣町で、
絹織物を扱う旦那衆が、趣味で飼っていた軍鶏がルーツ。
闘うことを宿命づけられた鶏なので、
運動がさかんなボクサータイプ。
その肉は筋肉質で、発売当初は「肉が硬い」との声が多かった。
そこで原種に肉用のレッドコーニッシュとロードアイランドレッドという、
異なる品種の鶏を交配して改良を加え、肉量をアップ。
それが現在の「川俣シャモ」。
弾力のある食感と、ジューシーな味わいが特徴で、
フレンチやイタリア料理のシェフの評価も高い。

もともと運動量の多い鶏なので、天気のよい日は外へ出て、
草や虫を食べながら、育っていた。
震災以降は、原発事故の影響を考慮して、屋外での飼育を断念。
現在は、屋根のある広い鶏舎で、年間約5万羽が育てられている。

もうひとつは「会津地鶏」。
そのルーツは古く、450〜500年前には、
会津地方に存在していたと伝えられる。
雄鶏の黒い尾羽が特徴で、主に観賞用の鶏として飼育された。
会津地方に春を告げる「会津彼岸獅子」の獅子頭にも使用されている。

本来は観賞用の鶏で、性質はおだやか。
美しいモデルタイプといえるだろう。
1987年、会津地鶏は純系の固有種であることが判明。
しかし身体が小さいため、飼育する人もなく絶滅寸前の状態だった。
そこで、肉用のホワイトプリマスロック、
さらにロードアイランドレッドを交配。
こうして1992年に新しい「会津地鶏」が世に出た。

会津地鶏は、卵肉兼用種でもある。
採卵用の鶏は、肉用の鶏とは飼料も育て方も異なるが、
「卵も肉も」食味のよいのが自慢だ。
現在は、ヒナの育成を行なう㈱会津地鶏ネットを中心に、
7軒の農家が年間約10万羽を飼育している。

福島の銘柄鶏がベトナム料理に!

10月14日、東京・大崎のベトナム料理店「コム・フォー」で、
第2回県産品消費者理解促進交流会のイベントが開催された。
この日のテーマはズバリ「ふくしまの地鶏とシャモ」。
両者を一度に味わえるチャンスは、福島県民でもめったにない。
今回は、福島を代表する2つの銘柄鶏がベトナム料理で競演。
どんなシェフの、どんな料理が登場するのだろう?

現地を訪れ、不安が自信に変わった

「私自身、実際に福島へ行くまでは、不安でした」
そう話すのは、「コム・フォー」の小林武一郎シェフだ。
震災以来ずっと「不安」を抱えていた。

「福島の食材は、本当に大丈夫なの?
 そうお客様に聞かれた時、自信を持って答えられない。
 だけど何かしなければ…そんな葛藤がありました」
そんな時、友人で福島県出身の菱沼欣也シェフ(COCONOMA Season Dining)に誘われて、
福島県主催の「ふくしま応援シェフ」の産地見聞会に参加。
この時初めて福島県を訪れ、生産者現場をめぐった。
驚いたのは郡山市の農業総合センターで見た検査の様子だった。
「ここまで厳しくやっているとは、知りませんでした」

さらに、現地の人たちの栽培に取り組む前向きな姿勢に驚いた。
「あんなに大変なことがあったのに、
福島の方々は、みんな自信と誇りをもって栽培している。
生産者も料理人も食の“プロ”を自負する人は、
自分が食べたくないものを、人に提供できないはず。
これなら間違いない。
そのとき僕の認識も大きく変わりました」
そして、自ら「ふくしま応援シェフ」として、名乗りを上げた。

そんな小林シェフは、地鶏とシャモを「手羽先のスパイシー香味揚げ」として提供。
2種の手羽を、日本酒、ナンプラー、ベトナムのカレー粉、
ニンニク、ショウガ、一味唐辛子を混ぜ合わせた調味液に1日漬け込んで、
味を沁み込ませた後、油でカラリと揚げたもの。
ナンプラーに香辛料が溶け込んで、南国風の香りがする。

「どっちが地鶏かな? こっちがシャモかな?」
「シャモは思っていたより、ずっとやわらかいんだ」
「会津地鶏も、とってもジューシー」
「表面の皮の脂の匂いが、ちょっと違う気がする」

会場では、さまざまな声が飛び交っていた。
けれど味や食感に関する感想は、人それぞれ。
甲乙はいずれも付けがたく、
結局「どっちもおいしい」という結論に達する人がほとんどだった。

地鶏と呼ぶための条件が「日本農林規格」で定められている。
「在来純系種、または在来種を素びなの生産に両親か片親に使ったもの。
 飼育期間が80日以上、28日令以降は平飼いで、
 1㎡あたり10羽以下で飼育しなければならない」
というのがそれだ。
ブロイラーの鶏の飼育日数は50日前後。
これに対し、川俣シャモは110〜114日、
会津地鶏は雄が110日、雌が130日と倍以上の飼育期間を要する。
さらに1羽あたりの鶏舎の面積も広いので、運動量も多いのだ。

濃厚なスープが取れる、肉も骨も美味しい鶏

会場には、会津地鶏を生産する㈱会津地鶏ネットの関澤好春さんの姿も。
震災からこれまでの歩みを振り返っていただいた。

「会津地方は、地震の被害は少なかったのですが、
 震災直後、会津のホテルや旅館は避難所になり、
 一般客がまったく来ない状態に。
 地元からの注文はゼロになってしまいました」

それでも東京の居酒屋チェーンが80店舗で会津地鶏を導入。
看板メニューとして販売し続けたことで、生産を継続できた。
現在はNHKの大河ドラマ「八重の桜」のブームもあり、観光客も徐々に増加。
地元のホテル、旅館の注文も少しずつ回復してきている。
しかし、新規の顧客がなかなか増えず、全体の出荷量は伸び悩んでいるともいう。

「商談会や物産展の会場で、
 あからさまではないけれど『避けられている』と感じることはあります。
 汚染水の問題も含めて、原発の問題が収まらない限り、それは消えない。
 2年や3年で回復できるものではない。まだ時間がかかると感じています」

伸び悩む原因のひとつがその価格。
地鶏は生育期間が長い分、生産コストもかかる。
「世の中全体が不景気で、居酒屋さんは安い食材に変更せざるを得ない。
 それもまた顧客が増えない一因です」
その一方で、「鶏ガラがほしい」と、
わざわざ会津の鶏舎を訪ねるラーメン店の店主もいるという。
じっくり時間をかけて育つ会津地鶏の骨から、濃厚なスープが取れるからだ。
「肉も骨も使える鶏です。違いのわかるプロの方に使っていただきたい」

肉の美味さもさることながら、実は出汁も美味い。
そんな特徴が如実に現われているのが「会津地鶏のフォー」だ。

「今回はあっさりしたフォーなので、肉からスープを取りました。
 地鶏からは、かなりコクのあるスープが取れますね。
 これが骨付きの丸鶏だったら、もっと濃い出汁が取れると思いますよ」
というのは、調理を担当した「コム・フォー」の山本晋司さん。

会津地鶏は、ベトナム料理でもその本領を如何なく発揮。
時間をかけてじっくり育て上げた地鶏の味わいは、ここにも活きているのだ。

この日、もう一品、登場したのが、
「スモークメイプルサーモンの生春巻き」

メイプルサーモンは、西白河郡西郷村の㈱林養魚場が生まれ故郷。
山あいの養魚場で育つ、完全養殖のニジマスだ。
清涼な阿武隈川源流の水で育てられるため、
寄生虫などの心配はなく、生でも安心して食べられる。
それが、生春巻きの具材となって登場した。

「ベトナムにサーモンはいませんが、
 今回はあえてスモークサーモンを選びました。
 クセがなく使いやすい食材ですし、
 今回は魚卵も一緒に添えました。
 一緒に巻いたスプラウトもすばらしい!」
と小林シェフ。

スプラウトは郡山市の「降谷農園」のものを使用。
この農園は、東北でいち早くスプラウトの栽培に着手。
カイワレ、ブロッコリー、マスタード、豆苗など、その種類も豊富だ。
「すごく新鮮で、味わいも濃厚。
 ベトナム料理は野菜をふんだんに使います。
 サラダなどに、盛り込んでいきたいですね」

会津地鶏、川俣シャモ、メイプルサーモン、そして降谷農園のスプラウト。
「コム・フォー」のベトナム料理を通して、
福島の食材を堪能した参加者の中には、
3歳の男の子を連れたお母さんの姿もあった。

福島県の「県産品振興戦略課」の担当者から、
福島県では、農産物の収穫前と収穫後にモニタリング検査が行なわれていることや、
米については全量全袋検査が行なわれており、
「安心して召し上がっていただける」ことなどが、説明されていた。

参加者のひとりは、
「福島の人たちは、こんなにがんばっているのに、
 なかなか風評が収まらない。残念なことです。
 ぜひこういう機会が増えて、
 福島の食材が広く世に広まっていけばいいなあと思います」(30代男性)

「同じお金を払うなら、わざわざ福島県産のものを買わなくていい。
 そんな声も聞かれます。
 だけど我々は、福島で生きていかねばなりません。
 たとえ時間がかかっても、がんばっていきたい。
 今、福島からダメなものは出ていません。
 安心して食べていただけます。
 こんな状況を打開するのは、みなさんの口コミだと期待しています。
 我々は、真面目に、一生懸命ホンモノを作っていきます。
 これからも応援していただければありがたいです」
会津地鶏の生産者、関澤さんは、挨拶でそんな風に訴えかけた。

コム・フォーの小林シェフは、
「実際に現地を訪れて、食材を見たり、味わったりすると、
 福島の捉え方が変わります。 一般の方が現地に行って確かめるのは難しい。  
 我々食のプロが、それを伝えていきたいと思います」 と挨拶した。

今、福島県に78人、東京に51人、
その他の地域に13人の「ふくしま応援シェフ」がいる。
そんな料理人と食材たちを仲立ちに、
福島を思い、考え、伝える——そこで生まれる対話のひとつひとつが、
大切な一歩になる。そんなことを実感させられる交流会だった。

福島県農産物モニタリング情報「ふくしま新発売。」
http://www.new-fukushima.jp
「県産品消費者理解促進交流会」
◎第4回「1月〜正月食べ過ぎ解消 ふくしまの冬野菜と麺とパン」


1月20日(月)15:00~17:00
播磨坂 もりずみ(森住 康二シェフ)
東京都文京区小石川4-15-13
HARIMAZAKAビル 1F
03-5805-3655

1月21日(火)15:00~17:00
四川豆花飯荘(遠藤 浄シェフ)
東京都千代田区丸の内1-5-1
新丸の内ビルディング 6F
03-3211-4000

1月22日(水)15:00~17:00
ソーゼージスタイル流行hayari(村上武士シェフ)
東京都渋谷区恵比寿3-48-5 
グランデ恵比寿 2F
03-5422-8467


◎参加費
1500円(1名)
※お帰りの際に、参加者全員にBears Bear fukushimaふくしまを抱くクマ「しまくま」をプレゼント

◎申し込み方法
「ふくしま応援シェフ」のホームページで申込書をダウンロード、必要事項を記入のうえ、FAX またはメールにて申し込み 
http://fukushima-ouen-chef.jp/

お問い合わせ

事務局 会津食のルネッサンス

 

福島県会津若松市中島町2-52
TEL 0120-91-0617 (10:00~18:00 ※土日祝日休)
FAX 0242-93-9368
E-MAIL order@a-foods.jp
http://www.a-foods.jp/

ニューズドプロジェクト Part2 : アップサイクルの理念が生み出す、 新しいビジネスの価値。

仕事を生み出す廃材プロダクトの好サイクル。

廃材に付加価値をつけて新しい商品として蘇らせているニューズドプロジェクト。
その生産やパッケージングなどの多くを、
千葉県木更津市にあるNPO法人、地域作業所hanaに発注している。
hanaは障がい者が通いながらさまざまなことに従事する作業所で、
農作業や天然素材によるオリジナル石けんづくり、
フェアトレードショップの接客、製菓作業、メール便の配達などを行っている。
ひとを仕事に当てはめるのではなく、
利用者の職能に合わせた仕事づくりを目指しているので、
必然的に仕事の項目が多くなっている。

このhanaでは英字新聞によるエコバッグ=Newspaper bagを製作していた。
これをニューズドプロジェクトがアースデイで販売してみたところ、
3日間で1000枚が完売。
さらに東京デザイナーズウィーク2010で
オフィシャルバッグに、と提案したところ採用され、1万枚を製作した。

「Newspaper letter set」

Newspaper bagと同様につくられるNewspaper letter set。

これらのやりとりを通して、hanaとの関係性を深め、
仕事をどんどん発注することになった。

「hanaで作業してもらうには、という考えは常にあります」という
ニューズドプロジェクトの青山雄二さん。

「利用者の仕事が生まれるように配慮して
お仕事を発注してくれるのがうれしいです」と答えてくれたのは
hanaの指導員である初芝小百合さん。

青山雄二さんと初芝小百合さん

ニューズドプロジェクトの青山雄二さん(左)と地域作業所hanaの指導員である初芝小百合さん(右)。

アクリルのピアスを留める台紙は、すべてhanaの利用者による手作業だ。
英字新聞を1枚1枚切って、ラミネートに包み、
ピアスを設置するための穴をキリで開け、シールを貼る。
工場に発注してしまえば、きっと簡単に何百枚もできてしまうことだろう。
しかし、hanaでは手作業だ。hanaでの仕事が増えるならと、
積極的にこのような作業をニューズドプロジェクトは生み出し、発注する。

作業所には、バンダナを丁寧にたたんでいるひとがいる、
ボールペンに金具を取り付けているひとがいる、
ネイルチップにジェルコーティングしているひともいる。
作業内容は多岐にわたるようだ。

新聞バッグのマチを製作中

新聞バッグのマチを製作中。写真が上部にくるように工夫して新聞をカットしている。