青森で愛され続けるロングセラー銘菓3選|ニッポンおやつ図鑑

1970年発売、旅人に愛された伝統の味。〈ラグノオささき〉の茶屋の餅

1884年、弘前で小さな餅屋として創業した〈ラグノオささき〉は、現在も青森を代表する定番土産を数多く手がけています。そんな同社が1970年に発売し、今なお幅広い世代に愛され続けているロングセラー商品が「茶屋の餅」。

その名前は、かつてみちのくの峠越えに挑む旅人たちが、道中の茶屋で味わった餅菓子に由来しています。竹皮柄のパッケージには、笠を被って歩く旅人や、わらぶき屋根の茶屋で休息をとる人々の姿が描かれており、当時の情景を今に伝えています。
袋を開けると、並んでいるのは、指の跡がへこみとなってつくほど柔らかな一口大の餅。きな粉の香ばしい香りがふわっと広がります。とろけるような口当たりのなかで、餅に練り込まれたくるみのカリッとした食感が心地よいアクセントに。

いっぷくの時間によく似合う、気取らない優しさが詰まったお菓子です。

Information

ラグノオささき

住所:青森県弘前市大字百石町9番地|地図
電話番号:0172-35-0353
HP:https://www.rag-s.com/
Instagram:@ragueneau_official

 

青森の豊かな恵みを一番シンプルに。〈アップルアンドスナック〉のアップルスナック

青森県田舎館村で、りんごチップスだけを作り続けている菓子メーカー〈アップルアンドスナック〉を知っていますか?

レトロなフォントデザインが可愛い「アップルスナック」の袋を開けると、生のりんごをそのままスライスして揚げたチップスが。驚くほど軽く、口に入れるとパリパリ、サクサクとした軽快な食感は、一度食べ始めると止まらなくなるほど。独自の「減圧フライ製法」で仕上げられているため、油っぽさはなく、噛むほどにりんごの爽やかな甘酸っぱさと、素材本来の優しい甘さが広がります。

今回、コロカル編集部が手に入れたのは、赤い袋の「サン津軽」と黄色の袋の「とき」。他にも「サンむつ」、「早生ふじ」など品種ごとのラインナップが発売されており、りんご王国の層の厚さを感じます。また、袋の裏面に種類ごとに異なるキャラクターが描かれているのもポイント。こうした遊び心に、手に取るたびに楽しい気持ちにさせられます。

“まっすぐ作れば…まっすぐ伝わる”。そんな信念のもと、添加物や保存料を使わず手間をかけて作る「体を想うお菓子」には、作り手の誠実さが詰まっています。
青森の豊かな恵みを一番シンプルな形で受け取る、贅沢なスナック。

Information

アップルアンドスナック

住所:青森県南津軽郡田舎館村大字川部字上船橋50-10|地図
電話番号:0172-26-5360
HP:https://www.applesnack.com/
Instagram:@applesnack_official__ig

素材を楽しむ、中泊の味。〈中里はとむぎ工房〉のはとむぎかりんとう 

美容や健康に良いとされ、古くから薬用としても使われてきたはとむぎ。青森県中泊町では、品種改良を一切行わずに受け継がれてきた貴重な在来種「中里在来」が今も大切に栽培されています。

この希少なはとむぎを使用して作られているのが〈中里はとむぎ工房〉の「はとむぎかりんとう」です。

このお菓子の魅力は、ボリボリ、ザクザクとした食感。一般的なかりんとうに比べて生地がぎゅっと詰まっており、噛むほどにはとむぎの素朴な旨みが広がります。甘さは控えめで、はとむぎの風味を主役にするための、絶妙な味付けです。

原料はシンプルで、保存料などの添加物は不使用。その日の気温や湿度に合わせて粉と水の配合を微調整するなど、製造工程にも作り手のこだわりを感じます。

素朴ながらも丁寧に作り込まれた味わいは、一度食べ始めると止まらなくなるはず。

土地の恵みがそのまま形になった、優しいお菓子です。

Information

中里はとむぎ工房

住所:青森県北津軽郡中泊町大字福浦字浦島32|地図
電話番号:0173-57-4735

多摩の風景を一杯に。 醸造所〈ビアエアンスト〉が 地元産ブルーベリーの クラフトビールを発売

土地の味をビールに落とし込む

東京・多摩市の理美容院〈TAMA tumuji WERKS.〉と併設カフェ〈PARLOR〉の新たな展開として誕生したクラフトビール醸造所〈Bierernst(ビアエアンスト)〉が、多摩市産ブルーベリーを使用した新作「Nümasuguri Blueberry Sour Ale(ヌマスグリ ブルーベリーサワーエール)」を発売した。

2023年の本格始動以来、ケルシュやIPAといった定番スタイルに加え、季節やイベントに合わせた限定ビールを手がけてきたBierernst。「日常に、ちょっと粋な寄り道を」というコンセプトのもと、理美容院・カフェ・醸造所が一体となった複合的な場から、地域に根ざしたカルチャーと味わいを発信し続けている。

今回登場したサワーエールは、「多摩市を表現できるフレーバーを」「ビールが苦手な人にも飲みやすい一杯を」という想いから生まれた。多摩市産ブルーベリー果汁と乳酸菌発酵を組み合わせ、やさしい酸味とジューシーな果実感を両立。アルコール度数6.5%ながら、軽やかで飲みやすい仕上がりとなっている。

風景を纏う、faceとのコラボレーション

パッケージデザインは、多摩市出身のイラストレーター・faceが担当した。市川氏とfaceは、2023年の地元カルチャーイベントを通じて交流が始まり、「多摩市を盛り上げたい」という共通の想いから今回のコラボレーションが実現した。

モチーフとなったのは、多摩市鶴牧東公園の豊かな緑。やわらかなタッチで描かれたアートワークは、ビールを手に取る瞬間に地域の原風景を思い起こさせる仕上がりとなっている。

「Nümasuguri Blueberry Sour Ale」は、醸造所併設のカフェやオンラインストアに加え、地域で親しまれる老舗酒販店でも販売予定。また、ブルーベリーサワーエールと同時にfaceが手がけた多摩市モチーフのTシャツやタンブラーも展開される。

information

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Nümasuguri Blueberry Sour Ale

発売日:2025年12月6日

内容量:330ml

アルコール度数:6.5%

価格:990円(税込)/3本BOX 3,300円(税込)

販売場所

・Bierernst(カフェPARLOR併設/住所:東京都多摩市諏訪1-9-4)

・オンラインストア:https://www.tumuji.jp

・小山商店(東京都多摩市関戸5-15-17)

自然と人をつなぐ、“香りのラボ”。 佐賀・呼子の〈THREE〉の精油蒸留所 「THREE Aroma Distillery」

呼子の古民家に、精油の新たな拠点

ホリスティックケアブランド「THREE」が、2025年10月19日、佐賀県唐津市呼子町に「THREE Aroma Distillery」をオープンした。日本三大朝市のひとつ・呼子朝市通りに面した古民家を改装し、オリジナルの精油蒸留器と研究ラボを併設。自社ハーブガーデンで育てた植物を用いた精油の蒸留を見学できるほか、限定アイテムの販売や季節ごとのワークショップなど、香りを通じて土地とつながる体験が楽しめる。

植物の力を、土地の力へ

佐賀県内のハーブガーデンでは、ローズマリーやティーツリー、ロザリーナなど、土地の風土に適した芳香植物を栽培している。玄海灘を望む上場台地は水はけがよく、海風が通り抜ける環境。THREEはこの土地の特性を生かし、収穫から蒸留、研究まで一貫して手がける仕組みを構築した。蒸留所の開設は、空き家再生や観光誘致を進める呼子町のまちづくりとも呼応しており、地域の新しい循環の拠点としても期待されている。

佐賀県のハーブガーデンで育つローズマリー。ここから精油が生まれる。

佐賀県のハーブガーデンで育つローズマリー。ここから精油が生まれる。

蒸留所では今後、「アロマブレンドディフューザー クラフト」や「精油蒸留体験」など、体験型プログラムも展開予定。植物の香りを楽しむだけでなく、香りが生まれるプロセスを五感で学べる場だ。THREEが掲げるのは、「苗づくりから収穫、蒸留、研究まで」という一貫した精油づくりの哲学。自然と調和する美しさを探求してきたブランドが、佐賀の地に新たな香りの文化を育てていく。

アロマワークショップでは、THREEオリジナル精油を使ってポプリやエアーリフレッシャーを調香。香りのブレンドを専門家が丁寧にサポートしてくれる。

アロマワークショップでは、THREEオリジナル精油を使ってポプリやエアーリフレッシャーを調香。香りのブレンドを専門家が丁寧にサポートしてくれる。

information

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THREE Aroma Distillery(THREE呼子蒸留所)

所在地:佐賀県唐津市呼子町呼子3769-1

営業時間:平日9:00〜15:00/休日・祝日9:00〜17:00

定休日:火・水・木曜日

公式サイト:https://www.threecosmetics.com

Instagram:@threecosmetics

ブリの水揚げ急増を追い風に。 北海道・白糠町のブランド魚 「極寒ぶり」と 釧路の地酒〈五色彩雲〉の 限定ラベルが発売

新しい地域資源〈極寒ぶり〉と、未来を仕込む酒〈五色彩雲〉

2025年11月、北海道・白糠町のブランド魚「極寒ぶり®」と、釧路市の老舗・福司酒造が手がける新ブランド〈五色彩雲(ごしきのくも)〉がコラボレーション。「五色彩雲 Nusamai 極寒ぶり限定ラベル」が発売された。

背景にあるのは、白糠町が取り組む「極寒ぶり®プロジェクト」。地球温暖化により秋鮭の漁獲量が減る一方、北海道でブリの水揚げが急増。これまで食文化として根付かなかったブリを、地域の未来を支える“新たな資源”へと育てる試みだ。ブランド認定されるのは、白糠町で水揚げされた天然ブリのうち、船上活〆で丁寧に扱われた7kg以上の個体のみ。海の変化を価値へ転換する挑戦として、町と漁協、民間企業がタッグを組んだ。

そして、釧路の地で百年以上酒を醸す福司酒造が立ち上げた〈五色彩雲〉は、古来より吉兆を示す「彩雲」を名前に冠したブランド。伝統製法を大切にしながらも新しい技術や素材を取り入れ、未来へつながる酒づくりを目指している。〈Nusamai〉は、釧路の象徴・幣舞橋に由来した銘柄。北海道産米「吟風」で醸した味わいは、冷やでも燗でも楽しめる幅の広さが魅力だ。

今回のコラボレーションは、「過去を想い、未来を仕込み、次の食文化を創る」という理念を共有する両者だからこそ実現したもの。寒海で育まれた極寒ぶり®の濃厚な旨みに、〈五色彩雲 Nusamai〉の奥行きのある味わいが寄り添い、道東の自然と人の技が一杯の中に結晶する。

道東の“海と酒”が重なり合う〈五色彩雲 Nusamai 極寒ぶり限定ラベル〉。

道東の“海と酒”が重なり合う〈五色彩雲 Nusamai 極寒ぶり限定ラベル〉。

さらに極寒ぶり®は、白糠町のふるさと納税返礼品としても人気だ。ぶりしゃぶセットや漬け丼の素など、自宅でも道東の旬を味わえるラインナップが揃う。地域の資源を未来へつなぐプロジェクトを、家庭の食卓から応援できるのもうれしい。ぜひチェックして。

【極寒ぶり ぶりしゃぶセット】

【極寒ぶり ぶりしゃぶセット】

ふるさと納税サイト:https://item.rakuten.co.jp/f016683-shiranuka/016683-0953/

【極寒ぶり 厳選3 種漬け丼の素セット】

【極寒ぶり 厳選3 種漬け丼の素セット】

ふるさと納税サイト:https://item.rakuten.co.jp/f016683-shiranuka/10000887/

information

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五色彩雲 Nusamai 極寒ぶり限定ラベル

価格:3,500円(税込)

内容量:720ml

原料米:北海道産 吟風

販売サイト:https://www.amazon.co.jp/dp/B0FN3TK9NH

今治のタオル、山形のニット。 地域の技が息づく、 〈KIMONO ARCH〉の 秋冬コレクション

“ジャパンクオリティ”を纏う

きものブランド〈KIMONO ARCH〉が、2025 Autumn & Winter Collection第3弾を発表した。テーマは「ジャパン・クオリティを纏う」。愛媛県今治市の高品質なタオル生地や、山形県の老舗ニットメーカー・米富繊維との協業によるローゲージニットを採用し、織と編の技を融合させた新作が登場する。ブランドのコンセプトは「きものを通して世界を見わたす」。きものを軸に、地域に根ざすものづくりと現代的な感性を架け合わせたデザインが特徴だ。

信頼の産地と紡ぐ、革新のかたち

新作では、節のある糸を織り上げたタオル生地を使った羽織「タオル cozy」、残糸を再利用して立体的な模様を生み出す「タオル cycle」など、サステナブルな素材づかいが光る。また、米富繊維と製作したニットゆかたやカーディガン、フェアアイル柄の羽織も登場。伝統的な技法を現代のテキスタイルとして再構築している。袖や丈、衿など、きものの仕立て(縫製)でありながら、洋服としても違和感なく取り入れられるデザインは〈KIMONO ARCH〉ならでは。

職人と暮らしをつなぐ、〈KIMONO ARCH〉のものづくり

〈KIMONO ARCH〉は、各地の職人や素材と協働し、伝統を今の暮らしに溶け込ませる取り組みを継続してきた。残糸を再利用したシリーズでは、渋谷区の〈シブヤフォント〉と連携し、デザインを通じて障がいのある人の創作活動を支援するなど、社会的なアクションも積極的に行っている。日本のものづくりを、身に纏う体験として伝える〈KIMONO ARCH〉の挑戦は、今季も続いていく。

information

取扱店舗:KIMONO ARCH 原宿、下北沢、KIMONO ARCH / Y. & SONS in Paris

公式サイト:https://www.kimonoarch.com/

Instagram:@kimono_arch

茨城発、農業廃棄物から生まれる 新しい体験型ショップ〈futashiba248〉。 “色と香り“で地域をめぐる

農業の副産物が、色に変わる

茨城県つくば市に、古民家をリノベーションした体験型ショップ〈futashiba248(フタシバ)〉がオープンした。夫婦ユニットによるこの店では、農業廃棄物を染料として再生する独自技法「農color(ノウカラー)」を中心に、和紙や香りを組み合わせた新しい創作体験を提供している。

ブドウの葉や木の枝、果皮など、これまで廃棄されてきた素材を「地域の色」として染料化。その土地の農家や自然の物語を“色”として可視化するアプローチが特徴だ。

古民家で出会う、五感を満たす時間

体験プログラムでは、農作物で染める「クラフト染色セッション」や、香りと和紙を重ねる「センス オブ ペーパー」など、五感を刺激するワークショップを展開している。2025年10月からは茨城県初のニッチフレグランス取り扱いも開始。香りが古民家に漂い、自然と人、記憶がゆるやかに交差する。

地域資源を、未来のクリエイションへ

〈futashiba248〉の活動は、クラフトにとどまらない。企業とのアップサイクル企画や教育機関との環境学習など、地域資源を軸に多様なコラボレーションを生み出している。「農業廃棄物」という課題素材を、美しい表現へと変換するデザインの力。色・香り・素材を通して、土地の記憶とつくり手の想いを未来へつなぐプロジェクトが、つくばの地から新たに始まっている。

G7茨城水戸内務・安全担当大臣会合 記念品制作

G7茨城水戸内務・安全担当大臣会合 記念品制作

手漉き和紙を使ったパネル

手漉き和紙を使ったパネル

カフェエプロン染色(全て栗染め)

カフェエプロン染色(全て栗染め)

学校イベント(大根の葉染めランチマット、ハンカチ)

学校イベント(大根の葉染めランチマット、ハンカチ)

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futashiba248(フタシバ)

所在地:茨城県つくば市作谷201-1

公式サイト:https://www.futashiba248.com

Instagram:@futashiba248

大阪・梅田に都市型酒蔵が誕生。 酒造りを“見ながら飲める” 〈KOFUNE SAKE BREWERY〉

都会の真ん中で、酒造りを体感できる新拠点

大阪・梅田の中心に、酒造りを間近で体験できる新たな拠点「KOFUNE SAKE BREWERY(コフネ サケ ブリュワリー)」が、2025年11月1日にグランドオープンした。醸造所と立ち飲みパブを併設した“都市型酒蔵”として注目を集めており、ガラス越しに麹造りや仕込みの様子を見ながら、タップから注がれる出来立てのSAKEを味わうことができる。開業直後から多くの来場者で賑わい、都市の真ん中で酒造りを体験するという新しい楽しみ方が話題を呼んでいる。

醸造家の個性を支える“レーベル型”の仕組み

「KOFUNE」は、“音楽レーベルのSAKE版”を掲げる日本初のSAKEレーベルとして誕生。資金調達や製造免許の取得など、醸造家にとって高いハードルとなる部分をレーベルが担い、造り手が自由に表現できる環境を整えている。使用する米や酵母、副原料、製法は各醸造家によって異なり、個性豊かな味わいのSAKEが次々と誕生。伝統的な日本酒の製法にハーブや果実を掛け合わせた“新しいSAKE”も人気を集めている。

レーベルロゴ。「音楽レーベルのように、醸造家の個性を尊重する」という発想から誕生。

レーベルロゴ。「音楽レーベルのように、醸造家の個性を尊重する」という発想から誕生。

オープニングイベントも盛況に開催

開業を記念して、11月1日から3日まで開催されたオープニングイベントでは、福岡や大阪の料理人が参加し、KOFUNEのSAKEに合わせた限定メニューを提供した。「昼は会社員、夜は醸造家」という多様なバックグラウンドを持つメンバーも集う空間として、今後はワークショップや限定醸造イベントも予定。営業日やイベントの詳細は、Instagramでチェック。

多くの来場者で賑わったオープニングイベント。

多くの来場者で賑わったオープニングイベント。

Information

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KOFUNE SAKE BREWERY

所在地: 大阪府大阪市北区大淀中1-7-19

公式Instagram: @kofune.sake

ブランド力を故郷へ還流する、 “逆輸入型”地方創生。 〈h.u.g-flower〉が岐阜で 再オープンを目指す

2008年、岐阜で花屋として創業した〈h.u.g-flower〉。その後2019年からは、グルテンフリーのチーズテリーヌブランドとして、岐阜・横浜・東京の3拠点で展開を続けてきた。

しかし2023年、外部トラブルの影響により岐阜店を閉店。望まぬ形での撤退を余儀なくされた。その一方で、横浜・東京での需要は急速に拡大し、現行の製造拠点では生産能力や保管スペース、人員体制の面で限界を迎えることに。

「もう一度、岐阜にお店をつくりたい」という想いと、「持続可能な製造体制を整えなければならない」という課題。この二つが重なり、故郷・岐阜での店舗再開を目指して、目標金額300万円を掲げたクラウドファンディングを実施している(〜2025年11月12日)。

従来の「地方から都市へ」という流れではなく、「都市で育てたブランドを地方へ還流させる」という新しい形の地方創生だ。

今回再開を目指す岐阜店。

今回再開を目指す岐阜店。

岐阜の素材とともに再び“原点”へ

〈h.u.g-flower〉は、これまで岐阜の枝豆や飛騨モモ、飛騨リンゴといった地元素材を活かし、チーズテリーヌを都市部で人気商品へと育ててきた。ブランドの原点である岐阜の地に、今回ふたたび製造・販売の拠点を築く。単なる店舗の再開だけではなく、地域の恵みを自らの手で届ける仕組みを取り戻す挑戦だ。

多彩な返礼品でつながる、地域と都市

クラウドファンディングの返礼品には、定番のチーズテリーヌから季節限定フレーバーまで、多彩なラインナップが揃う。都市で培ったブランド力と産地の素材力が融合した味わいは、まさにこのプロジェクトの象徴。地域と消費者をつなぐ新しいかたちとして、岐阜からの再出発に注目したい。

information

h.u.g-flower 岐阜店再開プロジェクト

実施期間:2025年9月28日〜11月12日(45日間)

目標金額:300万円

返礼品例:通常チーズテリーヌ、岐阜素材を使った限定テリーヌ(焼き芋・ショコラ・ラムマロンほか)

公式通販サイト:89cheeseterrine.com

日本の工芸を世界へ! 〈中川政七商店〉、ロンドンで初の ポップアップストアを1年間開催

日本の工芸の地を広げる一歩

創業1716年、奈良の老舗〈中川政七商店〉が、日本の工芸文化を世界に届ける新たな挑戦として、イギリス・ロンドンのショーディッチにて初のポップアップストアを、2025年9月9日から1年間にわたり開催する。併せてロンドンデザインウィークにも参加予定で、茶道や金継ぎ、かや織などをテーマにした体験型企画も展開。

約500種類の工芸品と限定アイテムがずらり

店舗では衣食住や食品にわたる約500種類の工芸品を販売。とりわけ、ロンドン限定デザイン「花ふきん フラワーマーケット」と「かや織ふきん フラワーマーケット」が注目のアイテムだ。前者はループ付きで掛けて使える大判ふきん(30cm×40cm、£19)、後者は生地を重ねたタイプで(30cm×40cm、£12)使うほど柔らかさが増す仕様である。

“買う・体験する・学ぶ”をひとつに

物販に加えて、茶道や金継ぎ、伝統技術を体験できるワークショップも多数開催予定。さらに、£60以上購入するとオリジナルトートバッグがプレゼントされるなど、体験型のショップとして工芸を“触れて、知って、育む”場づくりが進められている。

ポップアップを通じて中川政七商店は日本文化の魅力を世界へ発信し、ロンドンという都市で「工芸と出会う場」を創出しようとしている。

information

中川政七商店 オリジナルトートバッグmap

中川政七商店 ポップアップストア(ロンドン)

会期:2025年9月9日(火)〜 2026年9月8日(火)予定

会場:18 Calvert Avenue, Shoreditch, London, E2 7JP

営業時間:火〜土 11:00〜19:00(日・月定休)

販売商品:約500種類(生活雑貨、食品、限定アイテム)

限定商品:
●花ふきん フラワーマーケット(£19)
●かや織ふきん フラワーマーケット(£12)

特典:£60以上購入でオリジナルトートバッグをプレゼント

笑顔をつなぐ。 地域の魅力を丸ごと届ける。 カゴメ「野菜生活100」 “地産全消”プロジェクト

地域の恵みを、全国へ。“地産全消”プロジェクトが描く未来

カゴメの人気ブランド「野菜生活100」が2010年から展開している“地産全消”プロジェクトは、日本各地の農産物を活かし、その土地の魅力を全国に届ける取り組みだ。地域で育てられた作物を地元だけでなく全国で楽しんでもらうことで、農業振興や地方創生につなげている。これまでに累計200アイテム以上が発売されており、青森りんご、熊本デコポン、沖縄シークヮーサー、長野信州巨峰など、日本各地のおいしい果実がシリーズを彩ってきた。

農家とともに生み出す、多彩なフレーバー

“地産全消”の大きな特徴は、その土地ならではの果実、恵みの個性を味わえるレシピを開発する点にある。また、社員が産地を訪れて勉強会を開き、生産者の苦労や喜びを知ることで、商品の背景にある物語まで伝えている。味わいを届けると同時に、産地や生産者へ想いを馳せる機会をつくることで、地域や農を応援しているのだ。

さらに、商品パッケージにも特別な工夫が。「信州巨峰ミックス」には諏訪湖や高島城、「愛媛キウイミックス」には、道後温泉や四十島など。地域の名所や祭りを描き、飲む人に“旅する感覚”を提供。店頭ではご当地キャラクターとのコラボや試飲イベントも展開され、地域と消費者をつなぐアイデアや取り組みが随所に盛り込まれている。

今夏は山梨・甲州市から

2025年8月には「野菜生活100 山梨シャインマスカットミックス」が登場。15種の野菜と3種の果実をブレンドし、山梨県産シャインマスカットのジューシーな味わいが楽しめる。こうした季節限定商品は、単なる新味の提案にとどまらず、産地の農産物の販路拡大やブランド力向上に寄与している。“地産全消”は、地域の物語を味わいとして届けることで、食を通じて社会課題の解決に取り組むカゴメの姿勢を体現する活動であり、今後も全国各地の恵みを届け、笑顔をつなげていく。

野菜生活100 山梨シャインマスカットミックス

野菜生活100 山梨シャインマスカットミックス

information

「地産全消」笑顔をつなぐプロジェクト

開始:2010年〜

累計商品数:201アイテム(2025年8月時点)

実施地域:24道県(2025年8月時点)

HP:https://www.kagome.co.jp/products/brand/ys100/chisan/

捨てられてしまう 「規格外野菜」を“ごちそう”に。 アイスブランド〈n!ce cream〉の ナイスな挑戦

フードロスをアップサイクル

フードロスを美味しく救うアイスブランド〈n!ce cream(ナイスクリーム)〉が、製造体制強化と販路拡大を目的にクラウドファンディングをスタートした。

〈n!ce cream〉は、2023年に神奈川県小田原で誕生。使われるのは、キズや変形、大きさの不揃いが要因で出荷規格を外れ、味や品質には問題ないのに廃棄されてしまう「規格外農産物」だ。「もったいない」を「おいしい」に変えるべく、シェフやパティシエの知恵を取り入れ、素材の個性を引き出したアイスに仕立てている。

現在は全国30軒以上の農家と連携し、「作り手も食べる人もハッピーになれる仕組み」を広げていくことを目指すナイスなアイスクリームショップだ。

クラファンがラストスパート!

OEM工場での製造から、農家とのやりとり、原料の仕入れ、販路の確保、プロモーションまで。そのすべてを一人で担う、〈n!ce cream〉創業者の岸はつみさん。これまでに約800kgの規格外野菜をアップサイクルし、累計3,000個以上のアイスを生み出してきた。
しかし、今もなお年間約200万トンもの農産物が行き場を失っている現状がある日本。それでも「より多くの食材を救い、仕組みを広げていきたい」。岸さんのそんな強い思いから、このクラウドファンディングを立ち上げた。

今回のクラファンはCAMPFIREで7月21日開始し、わずか1日で目標金額の300%を達成。現在は、生産・流通体制をより良く整えるために最終目標1000%を目指している。

支援リターンには、これまでの人気フレーバー「いちごミルク」や「八竜メロン」などのセットのほか、「子ども食堂へのおとどけプラン」や「収穫体験&畑でアイスを楽しむ会」などのユニークな体験企画も用意。

捨てられてしまう農産物を活用し、廃棄を減らす。そして、食べた人まで“ちょっといい気持ち”になれる特別なアイスクリーム。

クラファンは8月31日で終了予定!ぜひこの機会をお見逃しなく。

information

n!ce cream 製造体制強化&販路拡大プロジェクト

実施期間:2025年7月21日〜(終了日未定)

目標金額:最終目標 1000%達成を目指す

支援サイト:https://camp-fire.jp/projects/861810/view

老舗農園〈堀内果実園〉が拓く、 “食と土地”をつなぐ複合型施設。 「Land」が奈良・五條に誕生

「育てる・つくる・食べる」を体感する複合型施設

1903年創業。奈良・吉野の山奥で栽培に取り組む農園〈堀内果実園〉が、2025年8月9日(土)に五條市で複合施設「Land(ランド)」をオープンした。ここは、地元で「育てる・つくる・食べる」のサイクルを体感できる場を目指し、果実加工場、カフェ、ショップが一体となった施設として展開。“土地の恵みを、地域の人と自然とともに循環させる場”という一貫した発想のもとで誕生したこの拠点は、体験と教育、地域振興を同時に叶える新しい食の新しい食の拠点だ。

五條の恵みを未来へ受け継ぐ場

〈堀内果実園〉は代々受け継がれる果樹園を守るだけでなく、「五條に人を」というスローガンのもと、地域の活性化にも力を注いできた。「Land」では、旬の果実をその場で味わう喜びはもちろん、農業体験や製造の過程、地元の食文化にも触れられる仕掛けを整えている。単なる消費体験ではなく、五條を「五感で味わう」空間として設計されている。

堀内果実樹園「Land」の加工場、ワークショップ室、かき氷ラボ

果物の香りが広がる加工場、季節ごとの体験が楽しめるワークショップ室、創作かき氷を探求する“かき氷ラボ”も併設。

堀内果実樹園「Land」のショップ

地元作家の器や農産品が並ぶショップ。

堀内果実樹園「Land」のカフェ

フルーツや地元食材をふんだんに使った料理やスイーツが味わえるカフェも。

地産地消と地域のつながりを結ぶハブに

館内の加工場では、地元産の果実を使ったジャムやドリンクの製造・販売が可能。新鮮な原料を即加工できるメリットを活かしている。一方、カフェやショップでは、農産品や加工品、ギフト、地元作家による器など、日常使いからお土産まで揃うラインナップを用意。訪れた人が自然に地域とつながれる“地続きの物語を届ける場”として、奈良・吉野の新たな顔となるだろう。

堀内果実樹園「Land」のカフェメニュー

季節の果実を主役にしたカフェメニュー。

堀内果実樹園「Land」のカフェメニュー

パフェやタルト、フレッシュジュースなど、旬の味わいを堪能できる。

堀内果実樹園「Land」のカフェメニュー

五條のお米や旬の食材を使ったプレートや、地元“ばぁく”の豚肉を贅沢に味わえる丼、農園野菜と果実のカレーなど、多彩な料理が揃うカフェメニュー。

堀内果実樹園「Land」のカフェメニュー

果実感たっぷりのパイナップルマンゴースムージーや、バナナとコーヒーの絶妙な組み合わせを楽しめるシェイクなど、フルーツを主役にしたドリンクが勢ぞろい。

information

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堀内果実園

住所:奈良県五條市西河内町1219-1

TEL:0747-20-8013

休:火(本社業務は定休日なし)

公式サイト:https://horiuchi-fruitgarden.com

47都道府県別!集めて楽しい、 “ご当地”をテーマにした ビックリマンチョコが登場

40周年という節目にご当地ビックリマンチョコが販売スタート

1977年の誕生以来、数々のシリーズで時代を彩ってきた「ビックリマンチョコ」。80年代後半に社会現象を巻き起こした悪魔VS天使シリーズ40周年記念商品のファイナルとして登場するのは、ビックリマン史上初の”ご当地”をテーマにした特別版だ。
47都道府県それぞれをモチーフにしたシールを収録した〈東日本編〉と〈西日本編〉が、9月2日から東日本・西日本エリアごとに先行販売。全国を旅するように集められる、新しいビックリマン体験が幕を開ける。

左:〈東日本編〉パッケージ 右:〈西日本編〉パッケージ

左:〈東日本編〉パッケージ 右:〈西日本編〉パッケージ

地域とファンをつなぐ“地方創生プロジェクト”の進化形

今回の企画は、2022年から始まった「ビックリマン地方創生プロジェクト」の延長線上にある。企画担当者は「親子連れなど幅広い世代が地元の商品を楽しむ姿を目にし、この喜びを全国へ広げたい」と話す。
シールのデザインは、各都道府県の個性が映えるようキャラクターやテーマカラーを選び抜き、一部にはその土地らしいモチーフも盛り込んだ。小さな四角の中に、その地域の魅力がぎゅっと詰め込まれている。

シールは〈東日本編〉と〈西日本編〉それぞれに25種類ずつランダムで封入され、全47都道府県をコンプリート可能。袋を開ける瞬間のワクワクはもちろん、集める過程で日本各地の魅力や文化に触れられるのも醍醐味だ。
40年という長い歴史の中でも初めての試みである“ご当地ビックリマン”。ぜひ手に取って、その土地ならではの一枚を楽しんでみて。

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ご当地ビックリマンチョコ<東日本編>、<西日本編>

発売日:2025年9月2日(火)

発売地区:東日本先行(北海道・東北・首都圏・関東信越・中部)、西日本先行(近畿・中四国・九州)

景品シールは各25種。47都道府県をモチーフにしたキラキラシールがランダムに1枚封入。

グランパスくん×ドアラの コラボクッズも!名古屋の“傾く” 美学を全国へ、BEAMS JAPAN 「大名古屋展2025」開催

BEAMS JAPANが主催する、名古屋・愛知の魅力を発信するイベント「大名古屋展2025」が、8月1日(金)より〈ビームス 名古屋〉と〈ビームス ニューズ〉(新宿)でスタート。第6回目となる今回は、「かぶけ! 名古屋・愛知」をテーマに、地元の9つの企業や団体とともに、ユニークなコラボアイテムや展示を展開する。

地元の個性が光る、全9コラボ

参加企業には、〈中日新聞社〉や〈名古屋グランパス〉、〈コメ兵〉など、地元に愛される存在が名を連ねる。防災をテーマにしたポーチや濃厚ブレンドのコーヒーなど、ユニークな商品や企画がずらり。〈BEAMS JAPAN〉ならではの視点で編集されたラインナップには、遊び心と地域へのリスペクトが息づく。地元の誇り(シビックプライド)を育むと同時に、名古屋・愛知の魅力を訪れる人々に新鮮に伝えてくれる。

名古屋生まれのブランドリユース〈KOMEHYO〉との共同企画では、ビームスのキュレーションによって選ばれたアイテムたちを、ひとつのコレクションのように展開。名古屋・大須と東京・新宿のコメ兵店舗でイベント開催予定。

名古屋生まれのブランドリユース〈KOMEHYO〉との共同企画では、ビームスのキュレーションによって選ばれたアイテムたちを、ひとつのコレクションのように展開。名古屋・大須と東京・新宿のコメ兵店舗でイベント開催予定。
KOMEHYO名古屋本店 本館
期間:2025年8月1日(金)〜8月17日(日) ※8月6日(水)は買取センターのみ営業
住所:愛知県名古屋市中区大須3丁目25-31 1階イベントスペース
KOMEHYO SHINJUKU MEN
期間:2025年8月2日(土)〜 8月18日(月) ※8月6日(水)は買取センターのみ営業
住所:東京都新宿区新宿3-19-7 らんざんビル 1階イベントスペース

名古屋市職員がPR時に着用する法被は、アイボリーを基調に金鯱や市章“まるはち”をモチーフにしたデザイン。名古屋への愛と期待を表現している(※非売品)。

名古屋市職員がPR時に着用する法被は、アイボリーを基調に金鯱や市章“まるはち”をモチーフにしたデザイン。名古屋への愛と期待を表現している(※非売品)。

撮影会やグリーティングなど、参加型イベントも充実

〈ビームス 名古屋〉では、イベント期間中、名古屋ダイヤモンドドルフィンズの選手との写真撮影会や、グランパスくん・ドアラなどマスコットによるグリーティングも予定。ファッションだけでなく、スポーツや地元カルチャーとも交差する、にぎやかな夏の催しとなりそうだ。

名古屋ダイヤモンドドルフィンズの齋藤拓実選手、佐藤卓磨選手、今村佳太選手がビームス 名古屋に来店し、写真撮影会を実施。※参加条件あり。事前抽選申し込みは8月3日(日)にて終了しております。

名古屋ダイヤモンドドルフィンズの齋藤拓実選手、佐藤卓磨選手、今村佳太選手がビームス 名古屋に来店し、写真撮影会を実施。※参加条件あり。事前抽選申し込みは8月3日(日)にて終了しております。
開催場所:ビームス 名古屋(ラシック1階 ラシックパサージュ)
開催日時:2025年8月10日(日)11 : 00〜12 : 00
参加条件:2025-26シーズン名古屋ダイヤモンドドルフィンズファンクラブ会員の中から抽選で当選した50組(1組最大4名)
詳細ページ:https://nagoya-dolphins.jp/news/detail/id=19826

名古屋グランパスのマスコットキャラクター「金鯱グランパスくん」が来店し、グリーティング・写真撮影会を実施。

名古屋グランパスのマスコットキャラクター「金鯱グランパスくん」が来店し、グリーティング・写真撮影会を実施。
開催店舗:ビームス 名古屋(ラシック1階 ラシックパサージュ)
開催日時:2025年8月11日(月・祝)13 : 00〜13 : 20、14 : 00〜14 : 20
参加条件:なし

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大名古屋展2025【名古屋】

会期:2025年8月1日(金)〜 8月17日(日)

会場:ビームス 名古屋(ラシック1階 ラシックパサージュ)

住所:愛知県名古屋市中区栄3-6-1

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大名古屋展2025【東京】

会期:2025年8月1日(金)〜 8月18日(月)

会場:ビームス ニューズ(新宿)

住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-55 ニュウマン新宿 2F(JR新宿駅改札内)

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大名古屋展2025【オンライン】

ビームス公式オンラインショップにて同日スタート

特設サイト:https://www.beams.co.jp/special/dainagoyaten2025/

地元の家族や友人の喜ぶ顔が見たい! 〈グランスタ東京〉で選ぶ、 東京駅限定“推し土産”ベスト10

旅の始まりや帰省の玄関口としてにぎわう東京駅。そのエキナカ商業施設〈グランスタ東京〉で、駅で働く614人のスタッフが選んだ“リアルにおすすめしたい”東京駅限定スイーツランキングが発表された。対象は、グランスタ東京で年間を通して販売されている限定商品。普段からお客さんの反応を見ているキャストたちが「自分で買うならこれ! 」と本音で選んだ10商品は、味の良さはもちろん、パッケージの可愛さや話題性なども折り紙付き。帰省や夏の小旅行、ちょっとした贈りものにもぴったりなラインナップとなっている。

見事1位に輝いたのは……?

東京駅で働く人が本音で選んだ「自分で買いたい」スイーツ、栄えある1位は、〈Brick bake bakers by Pâtisserie ease〉の「クラフトフィナンシェ(プレーン)」。東京駅の赤レンガを模した見た目も印象的だが、何より魅力なのは店内のオーブンで焼き上げることによる香ばしい香りと焼きたての味わい。ショップ近くを通るたびにその香りに吸い寄せられて買ってしまう、というスタッフの声も多数。外はカリッと香ばしく、中はしっとりとした食感が楽しめる。

クラフトフィナンシェ(プレーン)/Brick bake bakers by Pâtisserie ease

1位:クラフトフィナンシェ(プレーン)/Brick bake bakers by Pâtisserie ease
B1F改札内 銀の鈴エリア。1個 300円。

2位〈Mr. CHEESECAKE〉の「Mr. CHEESECAKE Petit Tokyo Assortment」は、限定のフレーバーやパッケージが魅力のアソートセット。持ち歩きやすく、ご褒美スイーツとしても高評価。ほかにも〈喫茶店に恋して。〉の「クレームブリュレタルト」、〈カヌレリテ〉の「GRANSTA Box」など、手のひらサイズでちょっとずつ楽しめるスイーツも上位に名を連ねた。味わいだけでなく、デザイン性やシェアのしやすさなど、ビジュアルと実用性のバランスも選定の決め手となった。

Mr. CHEESECAKE Petit Tokyo Assortment/Mr. CHEESECAKE

2位:Mr. CHEESECAKE Petit Tokyo Assortment/Mr. CHEESECAKE
B1F改札内 銀の鈴エリア。3個入 2,727円。

クレームブリュレタルト/喫茶店に恋して。

3位:クレームブリュレタルト/喫茶店に恋して。
B1F改札内 銀の鈴エリア。4個入 950円。

サンドクッキー ヘーゼルナッツと木苺/COCORIS

4位:サンドクッキー ヘーゼルナッツと木苺/COCORIS
1F改札内 中央通路エリア。6個入 1,560円。

GRANSTA Box/カヌレリテ

5位:GRANSTA Box/カヌレリテ
B1F改札内 銀の鈴エリア。2個入 1,280円。

甘くない派にも嬉しい、和テイストのチップスが登場

甘いお菓子ばかりではないのも、今回のランキングの特徴。6位の「じゃがボルダチップス 鰹と昆布のうまみだし味」は、東京ばな奈とCalbeeの異色コラボによる新感覚のスナックがランクイン。和風だしの豊かな風味と厚切りならではの歯ごたえが特徴で、甘いお菓子が苦手な人への手土産にも適している。また、粉が手につきにくい製法を採用しており、外出時でも扱いやすい点も魅力のひとつである。

Calbee+×東京ばな奈 じゃがボルダチップス 鰹と昆布のうまみだし味/じゃがボルダ

6位:Calbee+×東京ばな奈 じゃがボルダチップス 鰹と昆布のうまみだし味/じゃがボルダ
1F改札内 吹き抜けエリア。4袋入 1,047円。

ランキングに名を連ねたのはいずれも、東京駅だけで出会える限定スイーツばかり。帰省や旅行の際の手土産にはもちろん、自分へのちょっとしたご褒美にもぴったりだ。移動の前に立ち寄って、お気に入りの一品を探してみてほしい。

おいしい「選ばれし逸品」を手に取ってみてはいかがだろうか。

7位〜10位も発表!

ガレット ショコラ エピス/ピエール マルコリーニ

7位:ガレット ショコラ エピス/ピエール マルコリーニ
B1F改札内 銀の鈴エリア。8個入 3,888円。

メープルクッキー詰合せ缶/ザ・メープルマニア

8位:メープルクッキー詰合せ缶/ザ・メープルマニア
1F改札内 吹き抜けエリア。2種各8枚入 2,500円。

キャラメルバターサンドイッチ/(NO) RAISIN SANDWICH

9位:キャラメルバターサンドイッチ/(NO) RAISIN SANDWICH
1F改札内 吹き抜けエリア。4個入 1,580円。

東京鈴もなか/香炉庵 KOURO-AN

10位:東京鈴もなか/香炉庵 KOURO-AN
B1F改札内 銀の鈴エリア。1袋2玉入 320円

Information

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場所:JR東京駅構内「グランスタ東京」

公式サイト:https://www.gransta.jp/mall/gransta_tokyo/

焼酎ハイボールの名店が並ぶ東向島で、下町の人情と旨いアテに酔いしれる あなたのまちの焼酎ハイボール アテ探し旅

元祖・焼酎ハイボールに再び会いに行く

たくさんの場所を巡ってきた焼酎ハイボールのアテ探し旅。
今回はあらためてその原点ともいえる場所を訪ねてみよう。
酎ハイ街道から東向島へ。あらためて紹介すると、
東武伊勢崎線鐘ヶ淵駅と京成線八広駅を結ぶ、
鐘ヶ淵通りを中心に広がる、酎ハイの名店が揃う場所。
この「下町の焼酎ハイボール」の味こそが、
タカラ「焼酎ハイボール」〈ドライ〉の原点。

まずは、明治通り沿いの〈三祐酒場 八広店〉へ。
焼酎ハイボールを生み出したいわば元祖のお店だ。

焼酎ハイボールを生み出した本店は、区画整理のため惜しまれつつ閉店。昭和41(1966)年、三男だったマスターの父が開業したこの地で歴史は続く。明治通り沿いとその裏側の2か所にのれんがかかる。開放的でもあり、居心地良い秘密基地的な趣もあり。

焼酎ハイボールを生み出した本店は、区画整理のため惜しまれつつ閉店。昭和41(1966)年、現店主の父が開業したこの地で歴史は続く。明治通り沿いとその裏側の2か所にのれんがかかる。開放的でもあり、居心地良い秘密基地的な趣もあり。

新型コロナウィルスの影響で、酒場の灯りが陰った時期から、
4年ぶりの再訪。少し緊張して暖簾をくぐると、
マスターの奥野木晋助さんがシウマイの仕込みをしながら、
「前に取材で来られたとき、おいしそうに飲まれていましたね」
と爽やかな笑顔で話しかけてくれる。

そう、元祖の味を楽しみ、酎ハイ街道の歴史と文化を知る取材のあと、
焼酎ハイボールと多彩なつまみとともに、ずいぶん楽しませてもらったものだ。
4年の月日があっという間に縮まれば、すぐに口も喉も、
そして心までも焼酎ハイボールを求めてしまう。

「店だけじゃなく我が家の夏の大定番」とマスターが誇る、
「胡瓜とセロリのスタミナ漬け」とともに早速乾杯だ。

「胡瓜とセロリのスタミナ漬け」(385円)と、時代の憧れと下町の創意工夫とが結びついて生まれた元祖焼酎ハイボール(473円)。氷、炭酸サーバー、色、味わい。そのすべてにこの地の歴史、時代背景という理由がある。バランスが秀逸なこの酒。その味わいのなかには素材のブレンドだけではないなにかがある。

「胡瓜とセロリのスタミナ漬け」(385円)と、時代の憧れと下町の創意工夫とが結びついて生まれた元祖焼酎ハイボール(473円)。氷、炭酸サーバー、色、味わい。そのすべてにこの地の歴史、時代背景という理由がある。バランスが秀逸なこの酒。その味わいのなかには素材のブレンドだけではないなにかがある。

最初はすーっと軽やかに、少しずつ焼酎の旨みがじわじわと。
あいかわらず変わらないバランスの良さだ。
大ぶりな胡瓜を噛めば、音がいい。まさにポリッという擬音。
酸味もしっかり。醤油、ニンニクで漬けたということで、
濃いパンチがあるかなと思ったけれど、
焼酎ハイボールとともに味わえば、
胡瓜の甘味と爽やかさがやってきて、まろやかに抜けていく。
気が付けばグラスはもう半分に。次のアテはと、
飲みながらメニュー札を見ていると、それさえもアテになる。

元祖とうたう焼酎ハイボールの誕生は1951(昭和26)年。
マスターの叔父が進駐軍の駐屯地内で、
ウィスキーハイボールに出合って感銘を受け、
これを店で出せないかと試行錯誤したのが始まりだという。

当時の焼酎は、原料は粗悪なものもあり、技術も設備も足りない状況だったけれど、
「これならみなさんに喜んでもらえるのではないか」
という思いから生まれたのだ。

焼酎ハイボールのおかわりとともに、
「三祐特製シウマイ」と「ポークとろタンシチュー」を追加。
マスターが海外のリゾートホテルで働いていた時代に身に着けた、
中華や洋食の技と発想が生んだバリエーションだ。
2杯目を味わいながら、この4年間を振り返ってもらった。

ポークとろタンシチュー(1760円)分厚い豚タンは、口に入れれば、歯を立てずともサクッと、ほどける。とけるというより肉質を最後まで感じられる。シチューのテイストはポテトなど野菜にもあう。添えられたガーリックトーストも厚みたっぷり。酒場にしてこのボリューム感。「うちは2、3品でお腹いっぱいかな。昔、労働者のまちだったから少ないと怒られたんですよ(笑)」

ポークとろタンシチュー(1760円)分厚い豚タンは、口に入れれば、歯を立てずともサクッと、ほどける。とけるというより肉質を最後まで感じられる。シチューのテイストはポテトなど野菜にもあう。添えられたガーリックトーストも厚みたっぷり。酒場にしてこのボリューム感。「うちは2、3品でお腹いっぱいかな。昔、労働者のまちだったから少ないと怒られたんですよ(笑)」

「原材料は上がっちゃったよね。まあ、それはしょうがない。
うちの焼酎ハイボールも100円値段が上がっちゃいました。
それもそうだけど、飲む人の考え方がまったくかわっちゃったかな。
コロナの影響は大きかったですよ。もう夜遅くはお客さんも来ないし……」

以前は夜中2時まで。今は0時に暖簾を下ろす。
「それから暑さかな。前は夏が一番忙しかったんですよ。
でも今は夏が暑すぎちゃって。とりあえず家かえってシャワー浴びたい。
部屋の中でエアコン効かせて、家飲みが増えたんじゃないかな」

本店から受け継がれてきたもの、先代からの継承に加えて、マスターが考案した定番メニューや市場でのひらめきによる一品まで。下町酒場らしい和の料理に加え、洋風、中華、季節限定の品々など、メニュー札と白板を眺めているだけでわくわくするメニューの数々。

本店から続がれてきたもの、先代からの継承に加えて、マスターが考案した定番メニューや市場でのひらめきによる一品まで。下町酒場らしい和の料理に加え、洋風、中華、季節限定の品々など、メニュー札と白板を眺めているだけでわくわくするメニューの数々。マスターは「なんかやっちゃうんですよね」と明るく苦笑。

長い店の歴史のなかでもこの4年は激変だったようだ。
「でもね」とマスター。おもしろい出会いは増えたという。

「インバウンド客が増えましたねえ。このあたり民泊が多くて。
日中観光に出かけて、帰ってきてうちに来てくれる。
飲みながらあれこれと食べられるというのが楽しいんじゃないかな」
人気は豚キムチと揚げ出し豆腐。欧米からのゲストもハマっているらしい。

外国のホテルでの経験は料理だけでなくおもてなしにも生かされる。英語で説明されたメニューも「画像載せて選んでもらうより、料理の説明をして、出てきたものを見て驚いてもらって、楽しんでもらうほうが好きなんですよ」

外国のホテルでの経験は料理だけでなくおもてなしにも生かされる。英語で説明されたメニューも「画像載せて選んでもらうより、料理の説明をして、出てきたものを見て驚いてもらって、楽しんでもらうほうが好きなんですよ」

さて、蒸し上がったシウマイを頬張る。
先代から続く定番とマスターが開発したメニューが三祐酒場の自慢だが、
このシウマイは3年前、
大阪旅行の際に食したラーメン屋の焼売に感化され考案したもの。
大変なことは多いけれど、へこたれずに楽しいことを見つける。
これもまた下町気質なのだろう。

ゴロっと肉がぎっしりの「三祐特製シウマイ」(1023円)。大阪の豚まんを思わせるボリューム感。皮の味わいもいい。包むのではなく細く刻んだ皮を巻きつける。お酢だけつけていただくと、焼酎ハイボールのコクとからみあい、皮と肉の甘味、旨みがより感じられる。

ゴロっと肉がぎっしりの「三祐特製シウマイ」(1023円)。大阪の豚まんを思わせるボリューム感。皮の味わいもいい。包むのではなく細く刻んだ皮を巻きつける。お酢だけつけていただくと、焼酎ハイボールのコクとからみあい、皮と肉の甘味、旨みがより感じられる。

【ウェビナー見逃し配信】 クラフトビールで未来を切り拓く 〈奈良醸造〉の舞台裏 コロカルアカデミー Vol.1

「コロカル」は2025年5月15日、ウェビナー講義シリーズ「コロカルアカデミー」の記念すべき第1回を開催しました。

ゲストは、奈良からクラフトビールの新しい可能性を切り拓く〈奈良醸造〉代表兼ヘッドブルワーの浪岡安則さんです。現在国内のクラフトビールでは唯一ナイトロ缶ビールを製造し、地域企業とのユニークなコラボレーションをするなどニュースの絶えない〈奈良醸造〉。その背景にある哲学からブランド戦略、これから目指す未来まで、熱く語っていただきました。

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〈奈良醸造〉代表兼ヘッドブルワーの浪岡安則さん

〈奈良醸造〉代表兼ヘッドブルワーの浪岡安則さん

奈良生まれ奈良育ちの浪岡さんは、「地元を舞台に仕事をしたい」という思いから、奈良で醸造所を設立。これまでに150種類を超えるビールをリリースしてきました。瓶内二次発酵を採用し、熟成期間を経て完成させた贅沢なビールや、クリーミーで微細な泡が特徴のナイトロ缶など、造り手のこだわりが随所に光ります。

日本各地で醸造所の数が増加する中、独自の世界観と品質でクラフトビール界の中でも、注目の〈奈良醸造〉。現在は、北海道から沖縄まで全国47都道府県に出荷しています。

あえて定番ビールを多くは持たない〈奈良醸造〉

あえて定番ビールを多くは持たない〈奈良醸造〉

ビールは嗜好品。だからこそ届けたい価値

浪岡さんが一貫して語っていたのは、「ビールは嗜好品である」という考え方。「生活必需品ではなく、飲めば飲むほど健康になるものでもない。でも、あればもっと暮らしが豊かになるもの」と話します。そんな存在として丁寧にビールを造り、ファンになってもらうことを大切にしています。

にもかかわらず、自社のビールを「おいしい」と自ら発信することはありません。味の良し悪しは、あくまで飲み手が感じるもの。SNSでも飲んでくれた人が発信する言葉を大事にする、静かな美学を持っています。

無限の可能性を秘めたコラボレーション

〈奈良醸造〉は、ビールを通して奈良の魅力を発信することにも注力しています。中でも注目を集めているのが、異業種とのコラボレーションです。清酒発祥の地とも言われる奈良には多くの酒蔵があり、日本酒蔵〈油長酒造〉ともタッグを組みました。実際に商品を口にした杉江編集長は「一杯目にはビールを飲みたいけど、刺身には日本酒を合わせたい……そんな悩みを解決してくれた貴重なビール」と語ります。

熟したリンゴやパイナップル、濃厚なイチゴなど、圧倒的な吟醸香が感じられる

熟したリンゴやパイナップル、濃厚なイチゴなど、圧倒的な吟醸香が感じられる

ミシュラン2つ星のガストロノミーレストランとの取り組みでは、「あえて完全なものは作らないでほしい」という珍しいリクエストがあったそう。料理とのペアリングで完成させることを前提に、カカオニブや八角、奈良産の和ハッカで斬新な味わいを実現しました。

さらに、奈良の靴下メーカーとのコラボでは「奈良は靴下生産量日本一」という意外な事実も紹介されました。「奈良の魅力を知ってもらうきっかけを作るのは、創業当初からやりたかったこと。靴下の品質もとても良いんです」と浪岡さん。ビールというジャンルを超えて、地域資源とつながるユニークな取り組みが広がっています。

缶のラベルとソックスがコラボ限定デザインに

缶のラベルとソックスがコラボ限定デザインに

奈良の「お土産」ビールを超えていく

現在、〈奈良醸造〉の出荷量の約半数は関東が占めています。これは、奈良のお土産としての消費に依存しないブランド戦略によるもの。“地ビール“として定着してしまうと、県外に住む人の日常の暮らしには入り込めないと考え、奈良のイメージが強い鹿や大仏とのコラボレーションも意図的に避けてきました。「奈良といえば鹿、と思う人もいれば、そうじゃない人もいる。それが販路の限界になることもある」と語ります。従来のご当地戦略に頼らず、広く愛されるプロダクトを目指しています。

関東地方の割合が増加し、現在では約半数に

関東地方の割合が増加し、現在では約半数に

自分の足で一歩一歩積み上げた信頼関係

開業当初、浪岡さんはスマホを片手に東京駅に降り立ち、クラフトビールと検索して出てきた飲食店を訪ね歩いたと言います。茅ヶ崎まで足を運び、直接交渉したというエピソードを披露。「今でも繋がっているのは、値段ではなく中身や想いに関心を持ってくれたお客さま」。そんな方々を「語り部」と呼び、自社のビールを代弁してくれる存在として大切にしています。人との信頼関係こそが、〈奈良醸造〉のブランドを支えているのです。

奈良で飲まれる機会も増やしていきたい

ウェビナー中には参加者から「奈良での消費量を増やすための施策は?」という質問も寄せられました。浪岡さんは「実は奈良県の一人当たりのビール消費量は全国最下位クラスなんです」と驚きのデータを紹介。ビールは家庭での消費量よりも飲食店での消費量が多いため、観光客が奈良で“夜に滞在”する仕掛けが必要だといいます。現状ではアクセスのよい京都や大阪に泊まる人が多く、どう奈良の夜に引き留めるかが今後の課題とされました。

目指すのは「奈良発・世界品質」

奈良という名を冠していなくても、世界に通用する品質にしていきたい。それが浪岡さんの目指す姿です。クラフトビール業界はまだ若く、現在はブームの中で多くの人材が参入しています。しかしその一方で、「夢だけではやりがい搾取にもなりかねない」と語る浪岡さん。給与水準も見直すことで製造業としての健全な魅力を持った業界に育てていきたいという想いが伝わってきます。

経営者としての視点と、造り手としての感性。その両輪で〈奈良醸造〉を前進させる浪岡さんの言葉には、土地に根を張りながら、未来を見据える静かな意志が宿っています。

奈良という場所を起点に、唯一無二の価値を丁寧に積み重ねていく。その歩みは、地域発のものづくりがもつ可能性を、改めて教えてくれるものでした。

ウェビナー後半では、クラフトビールのセレクトショップを開業予定という参加者からの質問や、新しいビールのアイデアのヒントをなども伺います。
見逃し配信を視聴したい方はぜひ、こちらからお申し込みください。

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YASUNORI NAMIOKA
浪岡安則

なみおか・やすのり●奈良醸造 代表兼ヘッドブルワー。1979年生まれ、奈良県出身。京都大学卒業後、奈良県庁にて技術吏員(土木)として主に道路行政に従事。2015年に退職後、京都醸造株式会社に入社。アシスタントブルワーとしてクラフトビール造りを学んだ後、2017年に奈良醸造株式会社を創業。代表取締役として経営を行う一方、醸造責任者として2018年の醸造開始より150種類以上のビールをリリースして現在に至る。

コロカルアカデミー Vol.3 会員制スーパーマーケット 〈Table to Farm〉の可能性を探る。 生活者が「つくること」に 関わりはじめる時代へ

コロカルアカデミー Vol.3 会員制スーパーマーケット〈Table to Farm〉の可能性を探る。生活者が「つくること」に関わりはじめる時代へ

地域の暮らしや文化に根ざした新しい学びの場、「コロカルアカデミー」の第3回が開催されます。主催は、日本各地のローカルの魅力を伝え続けるWebマガジン「コロカル」。

今回のテーマは「生活者が“つくる”に関わりはじめる時代へ」。注目の会員制スーパーマーケット〈Table to Farm〉を取り上げます。

〈Table to Farm〉は、自然と人が織りなす“とびっきりのおいしさ”を未来へ残していくためのスーパーマーケットとして始動しました。現在わずか0.1%しか流通しない『素の味』を体感できる会員制の宅配スーパーマーケットであり、自然栽培で育つ在来種の米や野菜、伝統的な木桶仕込みの醤油、日本最古の和牛などを取り扱っています。

ゲストには、〈Table to Farm〉のディレクターであり共同発起人の相馬夕輝さんをお迎えします。相馬さんは、暮らしや観光をロングライフデザインの視点で紹介する〈D&DEPARTMENT〉の食部門ディレクターとしても活躍され、日本各地を取材し、その土地の食材や食文化を活かしたメニュー開発やイベント企画などを手がけてこられました。

後半には、コロカル編集長・杉江宣洋との対談形式で「地域に文化と経済の好循環を生むには?」をテーマに深く掘り下げるセッションも予定しています。

食や地域、コミュニティの未来に関心のあるすべての方へ。新しい「食の選び方」のヒントが見つかる1時間。ぜひご参加ください。

【概要】
コロカルアカデミー Vol.3「生活者がつくることに関わりはじめる時代へ。会員制スーパーマーケット〈Table to Farm〉の可能性」
日時:2025年7月2日(水)15:00〜16:00(14:50開場)
費用:無料(要事前申込)
形式:Zoomウェビナー
お申し込みはすでに終了しております。

【コロカルアカデミーとは】
ローカルを舞台に活躍する人々のリアルな情報を通して、日本の魅力を再定義するウェビナーシリーズです。
地域を活性化させるために働きたい方、ローカルでビジネスを始めたい方、自治体や企業で地域創生に携わる方に向けて、新たなヒントを提供します。

第1回(vol.1)では、奈良県のクラフトビールメーカー〈奈良醸造〉代表・浪岡安則さんを迎え、異業種からクラフトビール業界へ転身した背景と、地域を活かしたものづくりの魅力について語っていただきました。

第2回(vol.2)では、〈本屋B&B〉共同経営者であり、青森県八戸市の〈八戸ブックセンター〉ディレクターも務める内沼晋太郎さんを迎え、「独立系書店とローカルの未来」をテーマに、地域と本屋のこれからのあり方を探りました。

登壇者は、地域の文化資産や資源を掘り起こし、その価値を世界に伝える新しいリーダーたち。ローカルビジネスにおける強みと課題、問題解決のプロセス、未来を変える次の一手についてもリスナーの皆さんと一緒に考えていきます。

【本ウェビナーで学べること】
・Table to Farmとは|設立と経緯、想い
・日本の地方に眠る美味しい素材
・Table to Farmが目指す新しい食のコミュニティ
ローカルビジネスに関心のある方はもちろん、食文化や新しいフードシステムに興味のある方にも楽しんでいただける実践的な時間をお届けします。

【こんな方におすすめ】
・食や旅、ローカルカルチャーに関心がある方
・企業や団体の経営層、広報・マーケティングご担当者
・地域観光やDMO(観光地域づくり法人)に携わる方
・会員制スーパーマーケット、またはTable to Farmの活動に関心のある方

【登壇者プロフィール】

相馬夕輝

相馬夕輝(あいま・ゆうき)
Table to Farm ディレクター・共同発起人
郷土料理や食文化をフィールドワークとして学び体験してきた経験を活かし、食の新たなフードシステムを構築することを目指し、2022年より本プロジェクトを始動。ブランドディレクション、商品選定、ウェブメディアや食事会などの企画編集及び執筆を担当しながら、日本各地の生産者を巡り、新たなフードシステムとしてのCommunity Supported Foodculture(CSF)を構築中。また、D&DEPARTMENT PROJECT 飲食部門「つづくをたべる部」ディレクターとして、その土地の食材や食文化を活かしたメニュー開発や、イベント企画なども手がける。2024年、初の著書となる食分野での活動をまとめた「つづくをたべる食堂」出版。
▶︎ Table to Farm公式サイト

杉江宣洋

杉江宣洋(すぎえ・のぶひろ)
コロカル編集長/MAGAZINEHOUSE CREATIVE STUDIO ブランディングプロデューサー
1997年マガジンハウスに入社。『anan』編集部を経て、2008年『BRUTUS』配属、10年同誌副編集長に。『BRUTUS』では「居住空間学」(インテリア特集)「音楽と酒」シリーズなどをヒット企画に育てた実績を持つ。また、「桑田佳祐」「山下達郎」「松本隆」「スタジオジブリ」などの特集も担当。2022年Hanako編集長就任。2025年より現職。

【注意事項】
・本イベントはオンライン開催です。
・参加用URLは、事前申込をされた方に前日までにご案内します。
・音声・映像が乱れる可能性があります。ご了承ください。
・配信内容の録画・録音・再配信はご遠慮ください。
・オンライン配信サービスの接続方法についてはサポート対象外です。

軽やかな口当たりがおいしい! 兵庫県の進化する日本酒はいかが? 〈ひょうごフィールドパビリオン〉 Vol.3

かつて、主に摂津・播磨・但馬・丹波・淡路という5つの国に分かれていた兵庫。
歴史も風土も多様な五国は、まるで日本の縮図のよう。
兵庫県では県そのものを大きなパビリオンに見立て、
地域の人々が主体となって地元の魅力を発信する〈ひょうごフィールドパビリオン〉を展開。
県内各地でユニークなプログラムが用意されている。

兵庫県は日本一の酒どころと呼ばれている。
土地が生み出すお米と、その旨みを最大限に引き出す杜氏の伝統技術の賜物であるが、
さらに兵庫県の日本酒をめぐる文化にはSDGsも関係していた。

酒米の王様〈山田錦〉が生み出す日本酒

大吟醸の日本酒。フルーティでさわやかな酸味が特徴で、
お店によっては、より香りを楽しんでもらうために
ワイングラスで提供されることも珍しくない。
その原料となる酒米の多くに「山田錦」という品種が使用されているのはご存知だろうか。
山田錦の生産量全国1位は、兵庫県である。

山田錦がつくられる前から、兵庫県は日本酒の一大産地として名を馳せてきた。
〈大関〉〈白鶴〉〈菊正宗〉など、
全国のスーパーマーケットやコンビニエンスストアでも売られているような
メジャーなブランドも数多く出している。

兵庫県にある酒米研究交流館で閲覧できる資料。

兵庫県にある酒米研究交流館で閲覧できる資料。

最近では全国各地で日本酒がつくられ、小さな酒蔵も多い。
さまざまな流通環境の進化や技術革新の賜物であるが、
そもそも日本酒は、その土地の水や米、自然環境に味が左右される
テロワールの元祖のような存在(かつての日本の食文化のほとんどはそうだった)。
それぞれの食文化に適した場所がある。

つまり兵庫県は米づくり、とくに山田錦の生育環境として適していたのだ。
それに加え、江戸時代より酒造りが盛んだったことも兵庫県が
酒どころとして発展した重要な要素となっただろう。

山田錦が酒米としてすぐれている理由

〈酒米試験地(酒米研究交流館)〉は、全国でも唯一の酒米専門の試験研究機関。
兵庫県が生産量全国1位である酒米「山田錦」が
ここまで受け入れられるようになった理由には、着実な研究結果による裏付けがあった。

「この地域は何メートルも火山灰が積もっていて、非常に崩れやすくて柔らかい。
その分、根が深くまで入り込みやすく、水や養分を吸ってくることができるという
特徴があります。カルシウムやマグネシウムが多く、肥料の吸着能力も高い」と
教えてくれたのは、酒米試験地の主任研究員である松川慎平さん。

稲が土壌の中で広がる様子を示した展示。

稲が土壌の中で広がる様子を示した展示。

この肥沃な土壌に合わせた酒米の栽培が行われてきたのかと思えば、そうでもないようだ。

「実は歴史的には仕方なしにつくってきたようなんです。
山田錦が生まれたのが昭和11年。
当時は大阪のお米のほうが酒づくりに向いているといわれていました。
その後、戦争の時代に突入。米の流通や移動に知事の許可が必要になるなど、
ハードルが高くなりました。
そこで兵庫の酒蔵さんは“仕方なし”に山田錦を使っていたようです」

はじめは酒米として使いにくかったようだが、
研究を進めていくといいお酒がつくれることがわかり、
昭和38年には作付面積が最大になった。
はじめは“仕方なし”だったかもしれないが、
灘を中心に酒づくりのプロフェッショナルが多くいた兵庫だからなし得たこと。
偶然のようでいて、必然だったのかもしれない。

山田錦の特徴のひとつに「削りやすさ」があると松川さんは言う。
お米を50%以下にまで削る(精米する)のが大吟醸の日本酒。
最近では精米歩合が30%や20%台なんて大吟醸酒も見かける。

「心白というお米の中心の白濁部分が小さいので、
たくさん削っても割れにくいという特徴があります。
だから流行りのフルーティな吟醸酒に適しているともいえます」

40%にまで削った山田錦。

40%にまで削った山田錦。大吟醸などに使われる。

突出した特徴があるというより、バランスがよく使いやすいのが山田錦であるとも、
松川さんは続ける。

「扱いやすいというのも受け入れられている理由のひとつです。
思った通りのお酒ができるというのは、何回も酒蔵さんから聞いたことがありますね」

品種による背の高さの違いがわかりやすい展示の様子

品種による背の高さの違いがわかりやすい。山田錦は右から8番目で長いほうに分類される。

最近の課題は暑さ対策。「冷害」への対策は過去の資料にもあったが、
「高温」対策はなかったという。

「肥料や田植えの時期などを調整して、
山田錦を高温でも適切に育てる試験なども進めています。
同時に『高温に強い山田錦』のような新しい品種の『育種』も行っていますが、
なかなか簡単ではありません」

山田錦を守りつつ、進化もさせていきたい。山田錦がすぐれた酒米であるからこそ、
そうしたニーズが高まっていくのだろう。

酒米試験地の主任研究員、松川慎平さん。

酒米試験地の主任研究員、松川慎平さん。

information

酒米試験地/酒米研究交流館(兵庫県立農林水産技術総合センター)

ツレヅレハナコさんとめぐる はちのへエリアツアー【後編】 五戸町の長芋農家と、 三戸町のてんぽせんべい

食と酒と旅を愛する文筆家・料理研究家のツレヅレハナコさんが
最近、気に入っている土地のひとつが、青森県八戸市。
ツレヅレハナコさんとともに、冬の味覚を楽しむ、食材探しの旅へ。

前編の記事ではツアー1日目をレポート。
「八戸 毬姫牛」を育てる八戸市の〈イチカワファーム〉や、
南部町の燻製工場兼カフェ〈南部どき〉、
八戸市の炭焼きイタリアン〈ポルタオット〉を訪ねて、
はちのへエリアの新たなテロワールを感じました。

後編では、ツアー2日目の様子をお伝えします。

五戸町で長芋づくりしている〈大山農園〉へ

ツアー2日目は、長芋が大好きだというハナコさんのリクエストで、
長芋農家さんのもとを訪れることに。

「長芋はスーパーで買うだけでなく、青森県の産直から取り寄せているんです。
まとめ買いするので、ホームパーティーでたくさん長芋を使ったり、
長芋が好きな人と共同購入したりしています」(ハナコさん)

雪が積もっている様子

取材当日、雪が積もっていた。

朝早くから、五戸町にある長芋農家〈大山農園〉へ。
氷点下の寒いなか迎えてくれたのは、大山真弘さんと、妻の絢さん。

大山真弘さんと妻の絢さん。

〈大山農園〉では、年間35〜40トンもの長芋のほか、
米やごぼうなども生産しています。

五戸町出身の真弘さんは、子どもの頃から農業を営む祖父母、
両親の背中を見て育ってきたそう。
真弘さんで3代目、親元就農ではありますが、
実は最初から農業に就いていたわけではありませんでした。

「大学を出てからはIT企業に勤め、東京や札幌で営業職をしてきました。
でも、自然のなかで育ったからなのか、体ひとつでできる農業のほうが
性に合っているようなんです」(真弘さん)

今年で就農して9年目。
Uターンして農家になり、最初にしたことは、
新規の販路を開拓するためのホームページづくりでした。

「これまでの経験を生かして、オンライン販売ができるホームページをつくりました。
できるだけ直接、一般消費者へ届けたいと思っているので、
商談会やマルシェへの参加もしています」(真弘さん)

長芋を洗うための機械

長芋を洗うための機械。「ジャブジャブ洗われる立派な長芋たちが壮観……」(ハナコさん)

長芋の生産量は、北海道と青森で全国の9割近くを占めます。
その理由は、土壌にありました。

「火山がある土地に見られる、火山灰と腐植物質で構成される黒ボク土は、
保水性と排水性にすぐれ、地中に伸びる長芋のような作物に適しているんです。
五戸町にみられる火山灰土壌は、十和田火山によって
降り積もったものと考えられています」(真弘さん)

〈大山農園〉では、このたっぷりと養分を含んだ土地で、自家製の堆肥と、
精米所から出た米糠を畑に還元して長芋を育てているそう。

大きさ順に並べられた長芋

長芋が大きさ順に並べられていた。

「ただそこにいていい」 空気が流れる場所をまちの中に 2025年3月〈HERALBONY〉 盛岡と銀座に常設店舗オープン

「異彩を、放て。」をミッションに掲げ、
新しい文化をつくり続けている〈HERALBONY(ヘラルボニー)〉。
岩手県盛岡市に本社機能を置きながら、
国内外の主に知的障害のある作家の描く
2000点以上のアートデータのライセンスを管理し、
企業や自治体とのコラボさまざまなビジネスへ展開しています。

そのHERALBONYが今年3月、
東京・銀座レンガ通りに
〈HERALBONY LABORATORY GINZA(ヘラルボニー ラボラトリー ギンザ)〉、
本社拠点のある盛岡を代表する老舗デパート〈カワトク〉内に
複合施設〈HERALBONY ISAI PARK(ヘラルボニー イサイ パーク)〉を
相次いでオープンします。

都内初の常設店舗。銀座で価値観が変わる体験を提供

HERALBONY LABORATORY GINZA

HERALBONY LABORATORY GINZAは銀座一丁目駅から徒歩1分ほどの場所にオープン。

HERALBONY LABORATORY GINZAは、
2025年3月15日(土)にオープン予定。
HERALBONYにとっては都内初の常設店舗です。
ショップとギャラリーが併設され、
訪れる人が異彩を放つ作家やその作品と出会うことで、
障害に関する価値観が変わる体験を提供します。

契約作家が創作活動を行うスペース

ショップ内に契約作家が創作活動を行うスペースを常設。

ショップ内には作家のアトリエスペースを常設。
作家による色鮮やかなグッズが販売されるだけでなく、
HERALBONY契約作家が創作活動を行う様子を直接目にすることができます。

ギャラリーでは、アートの展示販売はもちろん、
新しい文化をつくっていく運動体としてのHERALBONYによる
さまざまな展示企画が予定されています。

HERALBONYの共同代表である双子の兄弟、松田崇弥さんと松田文登さんは、
「小さな地方発ブランドによる大きなリスクを背負った挑戦です。
異彩を放つ作家と共にド真ん中で勝負する意思表明です」とコメントしています。

クラフトミルクの魅力を届けるために。 牧場主と取り組む“新しい酪農のかたち”

それぞれの牧場が環境に合わせ、手間ひまかけて、
丁寧につくられた牧場牛乳「クラフトミルク」。
地域の風土、季節、牛の種類や飼料……
ひとつとして同じ味わいはなく、
牧場ごとに異なる個性を見つけることができる。
そんな「クラフトミルク」を取り巻く新しい動きが今起きている。

子どもたちや次世代に届ける東京の牧場、能登の牧場と届ける
「CRAFT MILK’S PROJECT」や、石川・七尾市に拠点を置く〈能登ミルク〉の
地域のテロワールを生かした注目の商品、つくり手たちの思いをお届けします。

23区最後の牧場〈小泉牧場〉の
オンリーワンの牛乳

東京23区に残る唯一の牧場として約90年、
練馬で酪農を営む〈小泉牧場〉。

小泉牧場

もともと東京23区は日本の牧場が多くあったそう。時代とともに減っていき、最後に残った〈小泉牧場〉。

都会の住宅地にある牧場ということで、
匂いなど、さまざまな問題が発生し、存続するのは至難の技。
そんななかでも〈小泉牧場〉は、においの対策や衛生管理を徹底しながら、
地域の人々の暮らしと共にあり続けてきた。

3代目牧場主の小泉勝さん

〈小泉牧場〉3代目牧場主・小泉勝さんと、先代の興七さん。

小泉牧場

現在、ブラウンスイス、黒毛和牛、ホルスタインの合計25頭を育てている〈小泉牧場〉。

しかしながら、〈小泉牧場〉の牛乳を飲んでもらうことは、
なかなか叶わずにいたのだそう。

「練馬あっての〈小泉牧場〉なので、地域のみなさんに
飲んでもらいたいという気持ちは、ずっと持っていたのですが、
酪農は24時間、365日、牛と向き合う仕事。
牛を育てて、搾乳するだけで手一杯で、
6次化(酪農家が牛乳を生産に加え、加工、販売まで手がける)までは、
正直なところ手が回りません。

ただ、昨年体を壊してしまったこともあり、将来のことを考えると同時に、
練馬に恩返しできるときにしなくては……という気持ちが高まり、
『CRAFT MILK’S PROJECT』で、オンリーワンの牛乳をつくろうと決めたんです」
と語ってくれたのは〈小泉牧場〉3代目の小泉勝さん。

CRAFT MILK’S PROJECT

「CRAFT MILK’S PROJECT」を手がける〈武蔵野デーリー CRAFT MILK STAND〉の地下には、自ら牛乳や乳製品をつくることができる工房を設立。

「CRAFT MILK’S PROJECT」は、〈武蔵野デーリー CRAFT MILK STAND〉 の
木村充慶さんはじめたプロジェクト。
全国の牧場を巡るなかで、6次化まで手が回らない牧場も多く、
「せっかくおいしい牛乳を生産しているのだから、その価値を届けたい」
という思いから、これまで世の中に出てこなかった牧場単位の牛乳を生産する
プロジェクトとして、本格始動した。

CRAFT MILK’S PROJECT

牧場単位の牛乳をつくる「CRAFT MILK’S PROJECT」の第1弾として誕生した〈小泉牧場〉のクラフトミルク(500円)と、以前、製造していたが少し前から製造をやめていたアイスクリーム(500円)も復活。

小泉牧場

牛には地域の豆腐屋から出るおからをエサとして与え、甘くてすっきりとした味わいが特徴。土日を中心に、小泉牧場の目の前のスペースで販売している。

〈小泉牧場〉では、何十年もこの場所で酪農を続け、
近所の人が牛に触れることができたり、
子どもたちに酪農や牛のことを伝える酪農の体験授業を行う
「酪農教育ファーム」の認証牧場として、
地域にひらかれ、練馬と共に歩む牧場として長年親しまれてきた。

小泉牧場

小泉牧場

近所の子どもたちも牛たちの様子を見学に来ることも。

「練馬で育った牛の牛乳を、地域の人たちに飲んでもらうというのは、
地産地消ですし、サスティナブルなかたちだと思います。
僕から練馬のみなさんへの恩返しのつもりでしたが、
まちの皆さんから『ありがとう』と言われるんです。
『やっと小泉牧場のミルクを飲める』『アイスも復活してうれしい』って。
そんな声をもらえることが、僕たちの活力になっています」(小泉さん)

小泉牧場

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小泉牧場

住所:東京都練馬区大泉学園町2-7-16

TEL:03-3922-0087

下町・門前仲町で 驚きのアジフライに出合う あなたのまちの焼酎ハイボール アテ探し旅

全国で、思わずその場で缶を開けたくなるほど魅力的な
「焼酎ハイボールのお供」を見つけるこの連載。
今回は、酒ライターの岩瀬大二さんがアテンドする、
東京・門前仲町編です。

下町生まれの焼酎ハイボールと合うのは、やはり下町グルメか

深川不動堂と富岡八幡宮。
下町を代表するふたつの寺社から広がる賑わい。
祭りがあって、店が集まって、
昔から賑わいがあった門前町は、次第に新たな活気が集まり、
通称「もんなか」となって、さらなる賑わいを見せている。

深川不動堂、富岡八幡宮。ふたつの名所があれば門前町が発展するのは必然。皇居大手門から東京駅、日本橋を通り江東区を横断する永代(えいたい)通りとも交わり、昔から開けた場所。人も商売も集まってくる。

深川不動堂、富岡八幡宮。ふたつの名所があれば門前町が発展するのは必然。皇居大手門から東京駅、日本橋を通り江東区を横断する永代(えいたい)通りとも交わり、昔から開けた場所。人も商売も集まってくる。

永代通り沿い、門前の参道、一歩入った路地には、
昔ながらの和菓子屋、食事処から、その道の通人も足繁く訪れる酒場の名店に、
きらりと光るイタリアンやスパニッシュの店が揃う。
でも“ひしめく”感じや喧騒という感じでもない。
どこか、落ち着きがあって、ふだんのくらしもあって。
元気がほしければ元気を、癒しを求めれば癒しを与えてくれる、
なんとも不思議な場所でもある。

門前町ならではの風景、昭和の面影を残しながら、建物をよく見れば目新しいカフェや店も多く、その混在が今のもんなかの魅力をつくっているようだ。

門前町ならではの風景、昭和の面影を残しながら、建物をよく見れば目新しいカフェや店も多く、その混在が今のもんなかの魅力をつくっているようだ。

今日の焼酎ハイボールのアテ探しは、ここ、もんなかでの差し入れ探し。
友人のミュージシャンが東西線沿線のスタジオで、
収録を終えてひと息ついたところで乾杯、という予定。
まだちょっと時間がありそう、ということで、
ぶらりと深川不動堂にご挨拶をして、酒場へ。

向かうのは〈だるま〉
創業50年を超える下町酒場で、酒場ツウには横長の“変形コの字カウンター”
としてもおなじみの名店だ。

年季の入った、いかにも下町の酒場という雰囲気だが、流れるBGMは先代が好きだったジャズ。入口のCD棚を見ればビリー・ジョエルやイーグルスにボビー・コールドウェルなんていうあの頃の洋楽も並んでいた。

年季の入った、いかにも下町の酒場という雰囲気だが、流れるBGMは先代が好きだったジャズ。入口のCD棚を見ればビリー・ジョエルやイーグルスにボビー・コールドウェルなんていうあの頃の洋楽も並んでいた。

先代から引き継ぐ定番、アレンジ、姉妹の新しい味。さらりと書いたメニューからも歩みを感じられる。

先代から引き継ぐ定番、アレンジ、姉妹の新しい味。さらりと書いたメニューからも歩みを感じられる。

うれしいのは宝焼酎のチューハイが楽しめること。
店を切り盛りするのは、理(あや)さん、真(まさ)さんの姉妹。
おふたりとも高校時代からお店を手伝い、
先代であるお父様がなくなった2009年から店を継いだ。

その歩みはアテからも感じられる。
「お酒が飲める煮込みを目指しました」と理さんが笑う、
名物の牛モツにこみはその象徴のひとつ。
色は濃い目だが味は甘やかでスッキリ。
先代の信頼関係のおかげで仕入れられたモツは肉感もたっぷりで、
そこに煮込みでは珍しい玉ねぎを入れたり、
スープの味わいを変えていったのは姉妹の試行錯誤。
豊富なアテ、一品料理の数々は、
「先代から変わらないもの、少し変えていったもの、
私たちが考えたものとありますね」(理さん)。

同じような出汁、スープでもいいような料理だが、まったく味わいが違う、煮込みと肉豆腐。手間をかけ、趣向を変える。ボリュームもたっぷり。

同じような出汁、スープでもいいような料理だが、まったく味わいが違う、煮込みと肉豆腐。手間をかけ、趣向を変える。ボリュームもたっぷり。

お客さんも先代からの常連に加え、週末は、若い人たちでもにぎわうという。
この日も、まだ日が沈まない開店早々に、ツワモノだけど親切な常連さんのなかに、
初登場と思しき若いおひとり男子が混じり、いい距離感で活気が増していく。
そこに、注文すれば返ってくる、
「は~い、チューハイいっぱーつ」という、
先代が自然に発し、今や名物となっているかけごえが軽やかに響く。
下町のコール&レスポンス。

飲む岩瀬さん

いるだけで、呑むだけで、まちの歩みや人の移り変わりを感じることができる。
やっぱり、そんな酒場が好きだ。

闇市から始まったといわれる辰巳新道。焼鳥、もつ焼き、オーセンティックなバーにナチュールワインと、50メートルほどの路地に30件をこえる新旧の酒場が集う魅惑の迷宮。

闇市から始まったといわれる辰巳新道。焼鳥、もつ焼き、オーセンティックなバーにナチュールワインと、50メートルほどの路地に30件をこえる新旧の酒場が集う魅惑の迷宮。

牧場の個性や本当のおいしさを。 クラフトミルクの発信地 〈武蔵野デーリー CRAFT MILK STAND〉

牛乳には牧場ごとのおいしさがある

スーパーやコンビニで手軽に手に入れることのできる牛乳。
その牛乳が、どこで誰によって、
どのようにつくられているのかを考えたことはあるだろうか?
市販の牛乳は、日本各地で搾乳された牛乳をブレンドしていることがほとんど。
しかし、単一の牧場や、同じ品質の少数の牧場のみで
手間ひまかけて、丁寧につくられた牧場牛乳「クラフトミルク」
を扱う店が吉祥寺にあると聞き、訪ねた。

〈武蔵野デーリー CRAFT MILK STAND〉

〈武蔵野デーリー CRAFT MILK STAND〉副店主の木村充慶さん、代表の義之さん、スタッフの松村さん。

〈武蔵野デーリー CRAFT MILK STAND〉は、
この地で100年続く牛乳屋さんが、
2022年5月にオープンしたミルクスタンドだ。

「牛乳は品種や餌、育て方といった要素によって変わるので、
牧場によって味わいはまったく違います。
自然の中に放牧して、のびのびと育てたり、
牛をノーストレスな環境のなかで育てたり。
本当にさまざまな育て方があります。
それぞれに牧場主・酪農家の哲学や思いが反映されている。
それこそがクラフトマンシップだと思うんです。
本来、そういった違い、個性があるのに、ほとんど知られていません。
そんなこだわりの詰まった牛乳『クラフトミルク』を
味わってもらいたいと考え、ミルクスタンドをオープンしました」
と語るのは〈武蔵野デーリー CRAFT MILK STAND〉の副店主・木村充慶さん。

牛乳嫌いを変えた、放牧牛乳との出合い

武蔵野デーリー CRAFT MILK STAND

実は、幼い頃は牛乳嫌いだったという木村さんが、
牛乳のおもしろさに気づいたのは20代後半のこと。
北海道の有名な放牧牧場を訪れた際、その牧場のミルクを飲んでみたら、
「こんなにすっきりしていて、草の甘みが爽やかに感じられるんだ」
と、その味わいに衝撃を受けたのだそう。

そこから全国の牧場を訪ねたという木村さん。
牧場主や酪農家と語らい、牛乳を飲むなかで、
そのおいしさ、放牧のおもしろさを実感。
まだまだ知られていない魅力を多くの人に届けるべくオープンさせたのが、
ここ〈武蔵野デーリー CRAFT MILK STAND〉だ。

〈武蔵野デーリー CRAFT MILK STAND〉木村義之

〈武蔵野デーリー CRAFT MILK STAND〉の代表で、木村さんのお父さんである義之さん。

「うちは祖父の代からこの場所で牛乳配達の仕事をしていました。
父の代で自動販売機の配送業も請け負うようになったのですが、
父も高齢になったことで、これからを考えるようになり、
思い切って、クラフトミルクを売るお店をはじめてみようと思ったんです。
実は父もかつて全国の牧場を巡っていたことがあるようなので、
親子の活動がつながったふしぎな縁も感じます」

ゆーゆー牧場

木村さんが訪れた、東京で唯一放牧をしている牧場「ゆーゆー牧場」。八丈島の南国感あふれるゴルフ場だった場所を放牧地に。ヤシの木と太平洋とジャージー牛という、ここでしか見られない風景。