連載
posted:2025.6.26 from:東京都墨田区 genre:買い物・お取り寄せ
PR 宝酒造
〈 この連載・企画は… 〉
各地のライターが、全国のまちで思わずその場で缶を空けたくなるほど魅力的な「焼酎ハイボールのお供」を見つけます。
“お供”とはご当地グルメに限らず、風光明媚な景色や地域の方々との対話なども立派な酒のアテ!
焼酎ハイボールを通してそのまちの多面的な魅力を発信していきます。
writer profile
Daiji Iwase
岩瀬大二
いわせ・だいじ●国内外1,000人以上のインタビューを通して行きついたのは、「すべての人生がロードムーヴィーでロックアルバム」。現在、「お酒の向こう側の物語」「酒のある場での心地よいドラマ作り」「世の中をプロレス視点でおもしろくすること」にさらに深く傾倒中。シャンパーニュ専門WEBマガジン『シュワリスタ・ラウンジ』編集長。シャンパーニュ騎士団認定オフィシエ。「アカデミー・デュ・ヴァン」講師。日本ワイン専門WEBマガジン『vinetree MAGAZINE』企画・執筆。
credit
photo:ただ(ゆかい)
たくさんの場所を巡ってきた焼酎ハイボールのアテ探し旅。
今回はあらためてその原点ともいえる場所を訪ねてみよう。
酎ハイ街道から東向島へ。あらためて紹介すると、
東武伊勢崎線鐘ヶ淵駅と京成線八広駅を結ぶ、
鐘ヶ淵通りを中心に広がる、酎ハイの名店が揃う場所。
この「下町の焼酎ハイボール」の味こそが、
タカラ「焼酎ハイボール」〈ドライ〉の原点。
まずは、明治通り沿いの〈三祐酒場 八広店〉へ。
焼酎ハイボールを生み出したいわば元祖のお店だ。
焼酎ハイボールを生み出した本店は、区画整理のため惜しまれつつ閉店。昭和41(1966)年、現店主の父が開業したこの地で歴史は続く。明治通り沿いとその裏側の2か所にのれんがかかる。開放的でもあり、居心地良い秘密基地的な趣もあり。
新型コロナウィルスの影響で、酒場の灯りが陰った時期から、
4年ぶりの再訪。少し緊張して暖簾をくぐると、
マスターの奥野木晋助さんがシウマイの仕込みをしながら、
「前に取材で来られたとき、おいしそうに飲まれていましたね」
と爽やかな笑顔で話しかけてくれる。
そう、元祖の味を楽しみ、酎ハイ街道の歴史と文化を知る取材のあと、
焼酎ハイボールと多彩なつまみとともに、ずいぶん楽しませてもらったものだ。
4年の月日があっという間に縮まれば、すぐに口も喉も、
そして心までも焼酎ハイボールを求めてしまう。
「店だけじゃなく我が家の夏の大定番」とマスターが誇る、
「胡瓜とセロリのスタミナ漬け」とともに早速乾杯だ。
「胡瓜とセロリのスタミナ漬け」(385円)と、時代の憧れと下町の創意工夫とが結びついて生まれた元祖焼酎ハイボール(473円)。氷、炭酸サーバー、色、味わい。そのすべてにこの地の歴史、時代背景という理由がある。バランスが秀逸なこの酒。その味わいのなかには素材のブレンドだけではないなにかがある。
最初はすーっと軽やかに、少しずつ焼酎の旨みがじわじわと。
あいかわらず変わらないバランスの良さだ。
大ぶりな胡瓜を噛めば、音がいい。まさにポリッという擬音。
酸味もしっかり。醤油、ニンニクで漬けたということで、
濃いパンチがあるかなと思ったけれど、
焼酎ハイボールとともに味わえば、
胡瓜の甘味と爽やかさがやってきて、まろやかに抜けていく。
気が付けばグラスはもう半分に。次のアテはと、
飲みながらメニュー札を見ていると、それさえもアテになる。
元祖とうたう焼酎ハイボールの誕生は1951(昭和26)年。
マスターの叔父が進駐軍の駐屯地内で、
ウィスキーハイボールに出合って感銘を受け、
これを店で出せないかと試行錯誤したのが始まりだという。
当時の焼酎は、原料は粗悪なものもあり、技術も設備も足りない状況だったけれど、
「これならみなさんに喜んでもらえるのではないか」
という思いから生まれたのだ。
焼酎ハイボールのおかわりとともに、
「三祐特製シウマイ」と「ポークとろタンシチュー」を追加。
マスターが海外のリゾートホテルで働いていた時代に身に着けた、
中華や洋食の技と発想が生んだバリエーションだ。
2杯目を味わいながら、この4年間を振り返ってもらった。
ポークとろタンシチュー(1760円)分厚い豚タンは、口に入れれば、歯を立てずともサクッと、ほどける。とけるというより肉質を最後まで感じられる。シチューのテイストはポテトなど野菜にもあう。添えられたガーリックトーストも厚みたっぷり。酒場にしてこのボリューム感。「うちは2、3品でお腹いっぱいかな。昔、労働者のまちだったから少ないと怒られたんですよ(笑)」
「原材料は上がっちゃったよね。まあ、それはしょうがない。
うちの焼酎ハイボールも100円値段が上がっちゃいました。
それもそうだけど、飲む人の考え方がまったくかわっちゃったかな。
コロナの影響は大きかったですよ。もう夜遅くはお客さんも来ないし……」
以前は夜中2時まで。今は0時に暖簾を下ろす。
「それから暑さかな。前は夏が一番忙しかったんですよ。
でも今は夏が暑すぎちゃって。とりあえず家かえってシャワー浴びたい。
部屋の中でエアコン効かせて、家飲みが増えたんじゃないかな」
本店から続がれてきたもの、先代からの継承に加えて、マスターが考案した定番メニューや市場でのひらめきによる一品まで。下町酒場らしい和の料理に加え、洋風、中華、季節限定の品々など、メニュー札と白板を眺めているだけでわくわくするメニューの数々。マスターは「なんかやっちゃうんですよね」と明るく苦笑。
長い店の歴史のなかでもこの4年は激変だったようだ。
「でもね」とマスター。おもしろい出会いは増えたという。
「インバウンド客が増えましたねえ。このあたり民泊が多くて。
日中観光に出かけて、帰ってきてうちに来てくれる。
飲みながらあれこれと食べられるというのが楽しいんじゃないかな」
人気は豚キムチと揚げ出し豆腐。欧米からのゲストもハマっているらしい。
外国のホテルでの経験は料理だけでなくおもてなしにも生かされる。英語で説明されたメニューも「画像載せて選んでもらうより、料理の説明をして、出てきたものを見て驚いてもらって、楽しんでもらうほうが好きなんですよ」
さて、蒸し上がったシウマイを頬張る。
先代から続く定番とマスターが開発したメニューが三祐酒場の自慢だが、
このシウマイは3年前、
大阪旅行の際に食したラーメン屋の焼売に感化され考案したもの。
大変なことは多いけれど、へこたれずに楽しいことを見つける。
これもまた下町気質なのだろう。
ゴロっと肉がぎっしりの「三祐特製シウマイ」(1023円)。大阪の豚まんを思わせるボリューム感。皮の味わいもいい。包むのではなく細く刻んだ皮を巻きつける。お酢だけつけていただくと、焼酎ハイボールのコクとからみあい、皮と肉の甘味、旨みがより感じられる。
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いろいろ変わったこのまちで、新しく、うれしい動きもあった。
老舗の酒屋がリニューアルして新たな角打ちも併設、新風を巻き起こしていると聞いた。
東向島駅から徒歩2分の〈イワタヤスタンド〉。
母体である老舗酒屋の3代目の岩田謙一さんと、
パートナーで店主の舞さんが、2022年11月に立ち上げた。
昭和10年から続く老舗の酒屋〈岩田屋商店〉をリニューアルオープンした際に角打ち〈イワタヤスタンド〉を併設した。明るく開かれた外観は「歩いてきて中が見えて3秒で入ろうかなって思ってもらえるように」がコンセプト。
開放的な入口から店に入り、
まずは、オリジナル焼酎ハイボール「イワタヤボウル」を一杯。
しっかり強炭酸、ドライなテイストながら、キツさも過剰な刺激もない。
ほのかにやわらかいスパイスやジャスミン茶のような清涼感、
そしてちょっと経てばまろやかな甘さ、そしてまた爽やかさ。
いったい何を味のアクセントに使っているんだろう? と探りたくなる。
料理の邪魔をしないドライな焼酎ハイボールを目指したという「イワタヤボウル」(300円)。「酒感が強いともう1杯とはいかない。若い方からよく知っている人までみなさんに飲んでほしいので、その味わいの素(もと)になる焼酎とエキスはむちゃくちゃ考えました」(謙一さん)。酒店の駄菓子、乾きものから舞さんの料理まで幅広くあうのもいい。
謎解きに夢中になりそうなところで謙一さんが、
「うちの焼酎ハイボールは唯一無二だと思うし、
1回飲むともう1回飲みたいなと思ってもらえる。胸を張って誇れる商品です」
と笑顔で声をかける。
唯一無二をつくるために、チューハイ街道の飲食店をはじめ、
たくさんの焼酎ハイボールを飲んだ。
タカラ「焼酎ハイボール」〈ドライ〉も研究対象。
「実はプライベートでも好きなんです。
食事に合うし、とにかく飽きない。それがすごい。
今日飲んで、明日も明後日も飲みたい。
目指すところはイワタヤボウルも同じ」
謙一さんの喉が鳴るのを見て、
2杯目は迷わずタカラ「焼酎ハイボール」〈ドライ〉をチョイス。
キンキンに冷えたそれを酒屋の冷蔵庫から取り出して、
その場ですぐに飲めるのも角打ちの醍醐味だ。
「もつ煮込み」と「イワタ焼き」とともにいただくとしよう。
「もつ煮込み」(500円)と「イワタ焼き」(500円)。料理提供時間は平日17:30~19:30、土曜15:00~など日ごとに違うので確認を。
酒屋の3代目として子どものころの風景を思い出す。
「ちっちゃいころから角打ちが身近にあって、
ひっきりなしにお客さんがくる時代でした。
あの温かい賑わいをもう一度、という思いがありました」
回り道のようで、もしかしたら近道だったかもしれない。
大学を卒業して14年間、同じ大学で学んだ舞さんも16年間、
社会福祉士として福祉の仕事に就いていた。
「ふたりとも人付き合いが好きで、人を助けるのが好きで……。
酒屋で人をつなぐことができるんじゃないかって思ったんです」
福祉の仕事にかかわってきたからこそ見える角打ちの姿は、
「賑わいのある場をつくることが大切。
このまちで、この場所で人がつながりを持って生きられる場」
福祉の仕事をしていても常に家業のことは考えていた謙一さん。「有名な酒を置いても、それを求めてくるだけで、店の価値ではないです。コンセプトやスタイルに惚れてきていただかないといつか廃れちゃう。ブームに乗っかれば利益はあるけれど、波が終わった時に何が残るのか。店に価値をもたせたいと思っていました」。その思いが酒、アテ、デザイン、空間で表現されている。
店の入口は全面ガラス張りで中の様子が容易にうかがえる。
大テーブルだけではなく、ひとりになれるスペースも多く、
しっぽりと、あるいはさくっと飲むにも最適だ。
使い勝手のいい酒場とはまさにこのこと。
「昭和の下町は、親父たちは外で、お母さんたちは家で、
みんな一生懸命働いていた時代です。
で、親父は夕方には家に帰ってくるんだけど、
お母さんたちはまだ働いているから家に居られても邪魔(笑)。
親父たちは銭湯へ行くついでに酒場で一杯やる。
すると、酒場が社交場になったんですね」
“ネオ”と称してもいいほどきれいで整ったおしゃれ感もある、
新しい感性を取り入れた店構えだけれど、
まちに暮らす人々の孤独をつくらない、ここにくれば明日があるという、
ご夫婦おふたりの思いがあるから生まれた場所。下町の風景は続く。
この店の立ち上げをコンサルタントとしてサポートしたのが、
三祐酒場とともに4年前に取材した〈はりや〉の荘司美幸さん。
謙一さんは振り返る。
「私たちは飲食店経験がなく、妻は料理がうまいけれど、
お店で出すとなると何が正しいのかわからない。
どう店をつくるのか、思いはあるけれどどうすればいいのかも悩みどころでした。
そんななかで美幸さんとは、墨田区での活動でつながっていて、
仲良くしていたのでコンサルをお願いしました。
オープンの時は店に入ってくれて、助かりました」
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これははりやでも話を聞かねばならない。
歩いて5分ほどではりやに到着。
4年前の取材では鐘ヶ淵にあったお店が道路拡張のため縁あって東向島へ。
以前の隠れ家的な場所から今は駅前となった。
窓から店内を覗くことができて、
新しい若い方、女性おひとりでも気軽に入ってくる。
2023年5月に、にぎやかな東向島駅前に移って再オープン。「もう少しひっそりやる方が性には合っているんですけど」と荘司さんは笑う。元々鮨屋だった物件。壁の鮨屋のメニュー木札は「なんだかかっこいから残しちゃいました」。以前の店舗で印象的だった昭和のアパートのインテリアも一部移設。駅前になってもセンスの良い「あのときのはりや」も息づく。
さあ、まずは4年ぶりのはりやの「酎ハイ」だ。
まずは軽やかさ。そこからまろやかさ、コクがでてくる。
ドライで辛口というより、爽やかで健やか。
先代から続く定番の「キャベツ炒め」と、ファンが多い「肉豆腐」、
新たにオンリストされた「明太ヤンニョム」をアテに。
「最近、気に入っているんですよ」と荘司さんが言う独自開発のヤンニョムを使った「ヤンニョム明太」(580円)。辛みと辛みの組み合わせかと思いきや、意外にも爽やか。はりやの酎ハイとちゃんとあう。ピリ辛が後から追いかけてきて夏場の口開けにも。
キャベツ炒めは、一見焼きそばに見えるが、
いや、やっぱりこれはキャベツ炒め。
シャッキシャキの食感、ソースの酸味が、酎ハイに見事にあう。
この日は春キャベツのタイミング。
食感から季節を感じられれば、より酎ハイが爽やかに感じられる。
ほっこりしながらも、しっかりうまいアテの数々。「私の料理は、家庭料理のちょっといいもの」という荘司さん。例えばヤンニョム明太も明太子はふつうのもの。そこにいろいろ工夫を重ねたヤンニョムをあわせる。「塩分の調整や下ごしらえ、ちょっとしょっぱいね、煮込みすぎたね、がないようにする。そこが飲食店でやらなきゃいけないものでしょうね」
さてコンサルの話だ。
はりやだけではなく、複数の店を回し、さらに地域の活動と、
ただでさえ忙しいのに、なぜ手がけるのか?
「店をつくるのが好きなんですよ」とシンプルな答え。
「他所の店に行くと職業病で、もう少し導線がこうだったらとか、
気になっちゃう。最初から教えてあげたくなっちゃうんです」
〈はりや〉の荘司美幸さん。お店を切り盛りしながら4人の子どもを育てた母でもある。家庭料理からパン、イタリアンなど幅広い得意技を持つ荘司さんだけに、メニューのバリエーションは豊富。
岩田さんご夫妻は「やりたいことが山積み」だった。
夢があって、溢れる思いがあって、でもどうしてよいのか。
「夢を見ている人のスタートまでは伴走してあげたい。
あとは始まったら自分で考えればいいって。
とってもがんばってるわよね。舞ちゃんの料理もおいしいし」
思いがあるなら、なんとかして、つくってしまおう。
みんなでつくっていこう。
「当時の焼酎を飲みやすくするために生まれたのが焼酎ハイボール。
このへんならではのやさしさですよ。なかったらつくっちゃおう。
それで楽しみがつくれればそれでいい」
いい素材がなくても、地元のものがなくても、
いいものを取り入れて飲む工夫があった。
それが東京の下町スタイル。
酎ハイはまさに東京の下町が生んだ、ならではの酒。
焼酎ハイボールがなぜ淡い琥珀色なのか?
そこにもドラマがある。
一杯の焼酎ハイボールは、一時の癒しにすぎないかもしれない。
でも、それが明日を生きる元気なるときだってある。
味わいだけじゃない。その味わいを生んだ風景、物語。
下町の焼酎ハイボールの裏側までも表現したくて、
タカラ「焼酎ハイボール」は生まれたのだろう。
風味や味わいはもちろんだけれど、
焼酎ハイボールというものが生まれ、愛され続けられる、
背景、歴史、人々の思いもまた、
タカラ「焼酎ハイボール」が追求し、守り続けるものなのだ。
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ガツンとくる辛口ドライチューハイ!
昭和20年代後半の東京・下町の大衆酒場で生まれた
元祖“焼酎ハイボール”の味わいを追求。
ベースアルコールに伝統の宝焼酎を使用することで実現した、飲みごたえと
キレのある辛口な味わいに加え、糖質ゼロ※1、プリン体ゼロ※2、甘味料ゼロ※3
といった機能面もうれしいひと缶です。
※1 食品表示基準に基づき、100ml当たり糖質0.5g未満を糖質ゼロと表示。
※2 100ml当たりプリン体0.5㎎未満をプリン体ゼロと表示。
※3 食品添加物としての甘味料は使用していません。
information
三祐酒場 八広店
住所:東京都墨田区八広2-2-12
TEL:03-3610-0793
営業時間:17:30〜0:00
定休日:日曜
information
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はりや
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