量り売りマルシェが開催されていたのは、
「仙台」駅からJRまたは市営地下鉄で約6分の「北仙台」駅にある、
〈紫山のごはん会 分室〉。
ふだんは料理教室が開かれるガラス張りのコンパクトな空間に、
宮城県内でつくられた新鮮野菜や発酵食品が並びます。
開催場所は「北仙台」駅と青葉神社参道入り口を結ぶ細い道路沿い。小さな入口なので、見逃さないように注意。
企画したのは、〈旅するイチとニ市〉や〈するめNIGHT〉など、
宮城県内でイベントを企画する〈PLANNING LABORATORY〉の渡辺さんと、
宮城県大崎市岩出山でハムとソーセージを手づくりする〈ジャンボンメゾン〉の高崎さん。
生産者である高崎さんと、生産者とイベントを企画することが多かった渡辺さん。
開封後すぐに捨てられてしまうプラスチック容器と、
必要以上に購入され捨てられる食品のロスを減らしたいという
思いを持っていたふたりが出会い、2019年6月に始まりました。
笑顔が素敵な高崎さんと渡辺さん。出店している店や商品の魅力を気さくに教えてくれます。
量り売りマルシェは、月1回、太陽の動きに合わせて季節を表す
二十四節気に合わせて開催されます。
8月限定の出店者〈FARM OCHI〉のスイカ。カットしてくれるので、食べられる分量だけ買うことができます。
取材したのは二十四節気の「処暑」にあたる、8月23日。
夏の気配が残るこの日は、山形県尾花沢で
無農薬・無化学肥料のスイカをつくる〈FARM OCHI〉や、
宮城県の農家の朝採れ野菜を販売する〈とうほく食育実践協会〉が出店。
来店者が毎回楽しめるよう、時季に合わせた
旬の商品を定番商品とともに並べるようにしているそう。
〈とうほく食育実践協会〉が販売する野菜。この日は宮城県の秋保や美里の農家の野菜がそろっていました。
「環境保全や食品ロスを前面に押し出すと、構えてしまい、届けたい人に届かない。
まずは旬のものを純粋に楽しんでもらいつつ、
課題を考えるきっかけになってほしい」と渡辺さんは話します。
楽しみながら考えることが、長くつづける秘訣だと思っているからです。
季節のもののほかに、出店者同士のここだけのコラボレーションも楽しみのひとつ。
この日は、手ごねパン〈ecru〉が、
隣で出店する〈aroma-rhythm〉のミックスハーブを使用した
〈ハーブの丸パン〉を販売していました。
国産小麦と白神こだま酵母を使用した〈ecru〉の丸パンとベーグル。お昼時には、〈ジャンボンメゾン〉のハムをサンドして食べる人も。
主催者の願い通り、ほとんどの人が
エコバックや保存容器を持参して買い物にやってきます。
持参容器に入れてもらった〈ジャンボンメゾン〉の4種類のハム。いろいろな種類を少しずつ試せるのも量り売りの魅力です。
会場では、繰り返して使えるラップ〈Beeswax Wrap〉も販売しています。
カラフルでかわいい柄が多いので、選ぶのも使うのも楽しいBeeswax Wrap。
Beeswax Wrapは、みつろう・ホホバオイル・松ヤニでできた専用シートを、
コットン素材の布に染み込ませた食品保存用のラップ。
洗って乾かすだけで4~5年繰り返し使うことができます。
みつろうの抗菌作用で、食品の鮮度を長持ちさせてくれるのも魅力です。
ワークショップも開催されているので、好きな布を選んで、自分で作ることもできます。
つくり方はとてもシンプル。布の上に、専用シートをちぎって並べます。 あとはクッキングシートで挟み、専用シートの成分をアイロンの熱で溶かし、布に染み込ませるだけ。
ワークショップでつくったラップはすぐに使うことができ、
量り売りマルシェで購入した商品を包んで持ち帰ることもできます。
〈ecru〉のベーグルを包み持ち帰りました。みつろうの力でパンがしっとりとした状態が保たれます。 ベーグルを包むとこんな形に。ものに合わせてしっかりとフィットしてくれるので、器にフタをしたり、おにぎりを包んだりできます。
Beeswax Wrapのように、環境にやさしい食品の保存方法も教えてくれるこのイベント。
渡辺さんは、「イベントをやることが目的ではない」
「今の状況が当たり前ではないことに気がついてほしい」と話します。
容器持参で買い物ができるお店が近くにあるのが理想ですが、
毎月イベントに来ることで、エコバックや保存容器を持って買い物に行く理由を考え、
ゴミを減らす習慣を日常の中に落としこんでもらうことが願いです。