2019年8月、ウェブサイト〈東北・美酒と食のテロワージュ〉 が公開になりました!
土地の気候や資源を生かし、特色ある美酒を生む酒蔵・ワイナリー・ブルワリーが
数多く存在する東北。
このウェブサイトでは、美酒を軸に東北を巡る、スペシャルな体験を紹介しています。
ツアー訪問地のひとつ、ビールの原料「ホップ」の畑(岩手県遠野市)。産地の風景は、ただその育つ姿や実りを眺めるだけでも美しい。
「テロワージュ」とは、
フランス語で「気候風土と人の営み」を表す「テロワール(terroir)」と、
「食とお酒のペアリング」を表す「マリアージュ(mariage)」を組み合わせた造語です。
提案するのは、美酒と食を味わうことはもちろん、
産地を訪れ、収穫体験や生産者の話を通じ、
産品が育まれた風土や人の営みをも体感する新しい旅のかたち。
産地である東北だからできる、
「つくり手と参加者がともにテーブルを囲むような旅」を目指しています。
「東北を味わい尽くす」イメージでつくられたウェブサイト 。テーブルの上に東北6県の名産品が並びます。
どんな体験ができるのか、テロワージュを体感するツアーのひとつ、
〈ビールの里・遠野ビアツーリズム〉(岩手県)に参加してきました!
集合場所の遠野駅舎は1950年竣工。レトロなたたずまいが印象的。
柳田国男の『遠野物語』や河童伝説などで知られ、
〈民話の里〉とも呼ばれる遠野は、半世紀にわたり続く、
ビールの原料「ホップ」の一大産地。
後継者不足による減産が問題視されていたなか、
「ホップの里からビールの里へ」という理想を掲げ、
行政・民間・生産者が連携したまちづくり〈Brewing Tono〉が成果を上げ、
国内外から注目を集めています。
まずは駅から徒歩約3分の、マイクロブルワリーパブ〈遠野醸造TAPROOM〉へ向かいます。
店頭で栽培されているのはホップ。東北電力が遠野市内の店にプランターで提供し、グリーンカーテン運動を行なっているそう。
店はBrewing Tonoのプロジェクトの一環で、昨年5月にできたばかり。
県外から移住してきた3人が、ホップの産地遠野に、
遠野産ホップを使用したクラフトビールが飲めるブルワリーを誕生させました。
経営や販売を担当する袴田さん。酒屋だった場所を自分たちで改装し店をつくりあげました。 1日に提供されるビールは6種類。メニューは1か月ごとに変わるので、時季を変えて訪れると違う味を楽しめます。
醸造所の見学後、2種類のビールを少しずつ試飲。
この日提供されたのは、イチジクと熟したイチゴのような甘い香りの〈ESB〉 と、
「畑で夏に飲みたいビール」をテーマに、
遠野のホップ農家と一緒にレシピを考え仕込んだ爽やかな〈サンクスセゾン〉。
どちらも遠野産ホップIBUKIを使用していますが、違った味わいを楽しめます。 醸造を担当する太田さん。タンクの組み立ても自分で行ったそう。ビールを貯蔵する冷蔵庫も手づくり。
醸造しているビールは約20種類。
春先にとれる白樺樹液や台風で落ちたりんごなど、
地元生産者から相談を受け企画するビールも多いとか。
ここでしか飲めないビールを味わいながら、
遠野という地で、ブルワリーと地元農家がつながり、
好循環が生まれていることをうかがい知ることができます。
ここからは貸切タクシーで〈遠野伝承園〉へ。
人と馬が同居していた「曲り家」などが移築されており、
かつての遠野の暮らしを垣間見ながら、縁側で3種類のビールを楽しみます。
ここにもホップのグリーンカーテンが。
味わえるのは、園内で販売している〈遠野麦酒ZUMONA〉の〈ZUMONAビール〉。
1789年に遠野で創業した建屋酒造店を前身とした〈上閉伊酒造〉が、
清酒の仕込みと同じ超軟水で仕込むビールです。
語り部が、「むか~し、あった“ずもな”~」と始まる遠野物語。
「むか~し、こんなところにおいしいビールがあった“ずもな”~」と
語り継がれるようにと願いを込めて名づけられたそう。
(左から)バナナの香りが楽しめる〈ヴァイツェン〉、「インターナショナル・ビアカップ2018」のKeg(たる)部門で、ライトラガーのカテゴリーチャンピオンを獲得した〈ゴールデンピルスナー〉、岩手県大槌町の大槌復興米を使用した〈TONO BEER GOLDEN ALE〉。
遠野産ホップを使用した〈ホップアイス〉も見つけました。
ホップをより身近に感じてもらうためのアイデア商品を、住民も日々考えているそう。
かつて廃棄されていたホップの蔓でトレーをつくるワークショップや、
蔓の繊維を利用した和紙も開発されています。
ほんのりとホップの香りがしてピリリと後から苦味が。地元小学生と高校生が協力して開発した伝承園限定商品で、ラベルも児童が描いたもの。ホップ産業が根づいていることを実感します。