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今年は葛飾北斎没後170年。
茂木本家美術館所蔵の
北斎作品が一挙公開

コロカルニュース

posted:2019.9.9  from:東京都墨田区  genre:アート・デザイン・建築

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writer profile

Kanae Yamada

山田佳苗

やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。

葛飾北斎『冨嶽三十六景 凱風快晴』(前期)茂木本家美術館蔵

代表シリーズのほか、門人たちの作品も

2019年は、葛飾北斎没後170年の節目の年。

これを記念して、千葉にある茂木本家美術館が所蔵している北斎関連作品が
東京のすみだ北斎美術館で一挙公開。9月10日(火)より展覧会
『北斎没後170年記念 茂木本家美術館の北斎名品展』が開催されます。

茂木本家美術館は、キッコーマン創業家の一つである
茂木本家十二代当主茂木七左衞門氏が収集した美術品を
展示する館として、2006年に千葉県野田市にオープン。

この展覧会では、浮世絵や近現代作家の作品など多岐にわたる
所蔵品の中から、北斎作品は北斎の代表的なシリーズとして知られる
『冨嶽三十六景』『諸国名橋奇覧』『諸国瀧廻り』のほか、
『詩歌写真鏡』シリーズや、『木曽路名所一覧』、
『北斎漫画』全冊、『富嶽百景』などの錦絵・摺物・版本に加え、
国内ではあまり確認されていない門人たちの稀少な作品、
籔内佐斗司氏による1点ものの北斎の彫刻など、
前後期あわせて116点の北斎関連作品がラインナップされます。

展示構成は以下の通り。

1章 富士を旅する―冨嶽三十六景―

2章 瀧をめぐる―諸国瀧廻り―

3章 奇しき橋をのぞむ―諸国名橋奇覧―

4章 北斎さまざま

5章 門人へのまなざし

季節、時間、天候、場所などの要因で、さまざまな見え方をする
富士を描写した46図のシリーズ『冨嶽三十六景』。
1章では「富士を旅する―冨嶽三十六景―」と題し、
「I 斬新な構図・工夫された構図」、「II 厳かな自然と時」、
「III 江戸のシンボル・旅情の演出」といった3つの切り口で
その魅力を紐解きます。

葛『冨嶽三十六景 凱風快晴(藍摺版)』

葛飾北斎『冨嶽三十六景 凱風快晴(藍摺版)』(前期)茂木本家美術館蔵

通称“青富士”と呼ばれる『凱風快晴』の藍摺版も登場。
こちらは現存する数が少ないめずらしいもので、通称“赤富士”と
呼ばれる『冨嶽三十六景 凱風快晴』と“青富士”が並べて展示されます。

『冨嶽三十六景 凱風快晴』は有名ですが、そのほかの45図が
どのように描き分けられているか、じっくり観察したいですね。

2章で着目するのは、日本各地に点在する滝を描いたシリーズ『諸国瀧廻り』。
豪快に流れ落ちる大瀑布、岩肌を伝わる石清水のような滝など、
『冨嶽三十六景』と同様に、さまざまなパターンで描き分けられた滝が登場。
前期と後期に分けて全8図が展示されます。

地形によって滝の姿は千差万別。
その違いが、日本の大自然の多様さを物語ります。

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「奇しき橋をのぞむ」ということで、3章はにっぽん津々浦々、
さまざまな構造の橋をめぐる珍しい眺めという意味が込められた
『諸国名橋奇覧』シリーズをフィーチャー。全11図が確認されており、
“名橋”とありますが、立地不明の橋や、北斎がいた当時は
失われてしまった橋なども描かれているとか。
北斎の心をときめかせた“奇しき橋”とは一体どのようなものでしょう。

上記の代表的なシリーズのほか、長大判という
縦長構図の『詩歌写真鏡』シリーズ、江戸から京都までの
木曽街道を1図にまとめた『木曽路名所一覧』などの錦絵・摺物・版本、
そして彫刻家の籔内佐斗司氏による北斎像も所蔵している茂木本家美術館。
4章ではこれらの作品が一堂にラインナップ。

そして5章では、北斎の弟子/門人たちの作品が登場。
有名な魚屋北溪(ととやほっけい)、洋風風景画が得意な昇亭北寿(しょうていほくじゅ)、
柳々居辰斎(りゅうりゅうきょしんさい)などの錦絵や摺物が充実した内容で展示されます。

そのほか、彦坂裕氏、上山良子氏が建築設計、ランドスケープデザインを担当した
茂木本家美術館のパネル展示コーナーも設置。3階ホワイエにて、
同館の初期の建築イメージ(素描)やランドスケープデザイン検討図、
エスキス、図面などを紹介します。

茂木本家美術館の北斎関連作品を一挙に公開する展示は、今回が初なんだとか。
日本人なら誰しも北斎のいくつかの代表作を見たことがあるかと思いますが、
今回それ以外の作品を見ることで、彼が追い求めていた日本の風景をより深く
知ることができるのではないでしょうか。大充実の展覧会、この機会にお見逃しなく。

information

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北斎没後170年記念 茂木本家美術館の北斎名品展

会期:2019年9月10日(火)~11月4日(月・振替休日)

前期 9月10日(火)~10月6日(日)

後期 10月8日(火)~11月4日(月・振替休日)

※前後期で一部展示替えあり

休館日:9月17日(火)、24日(火)、30日(月)、10月7日(月)、15日(火)、21日(月)、28日(月)

開館時間:9:30~17:30(入館は17:00まで)

主催:墨田区・すみだ北斎美術館 東京都墨田区亀沢2丁目7-2

企画協力:茂木本家美術館

観覧料:一般1,200円

※本展のチケットは、会期中観覧日当日に限り、AURORA(常設展示室)もご覧になれます。

Web:https://hokusai-museum.jp/

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