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posted:2019.9.18 from:東京都中央区 genre:アート・デザイン・建築
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writer profile
Yu Miyakoshi
宮越裕生
みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。
2019年夏、東京・京橋にて〈TOKYO 2021〉が開幕しました。
これはクリエイターたちが東京の過去を新しい視点で検証し、
未来の発見をしていくアートイベント。
「建築」と「現代美術」、ふたつの展示を通じ
「2021年以降を考える」ことと向き合っていきます。
建築展は既に開催され、8月24日に盛況のうちに終了。
9月14日より美術展「un/real engine —— 慰霊のエンジニアリング」が始まります。
総合ディレクションは、アーティストの藤元明さん。
企画アドバイザーに建築家の永山祐子さん。
建築展 課題「島京2021」のディレクションは
建築家の中山英之さん、課題制作は藤村龍至さんが手がけました。
美術展のキュレーションはアーティストの黒瀬陽平さんが手がけます。
出品作家は、会田誠さん、高山明さん、中谷芙二子さんなどなど。
TOKYO 2021の発端は、総合ディレクターの藤元さんが
2016年より開始したアートプロジェクト〈2021〉にあるそう。
今回のイベントは2021のコンセプトを共有された〈戸田建設〉が
TOKYO 2021の主催者として開催を決定しました。
展示会場は、間もなく解体される戸田建設本社ビル。
(解体後は、芸術文化施設を備えた新社屋を建設予定)
藤元さんは、本展の開催によせて次のように語っています。
「現在、1964年の東京オリンピック、1970年の大阪万博同様、
国家的大祭を機に、都市を書き換えるほどの、
数え切れない開発が進行しています。
開発とは、文化や地域性、未来像など、これまでの価値観と、
これからの価値観に向き合わざるを得ません。
私は、そのような時にこそアートは機能すると考えます。
ここでいうアートとは、美術館やギャラリー、
アートフェアや芸術祭とは違う文脈の
“開発とアート”という社会性を有した枠組みです」
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本展では「災害」と「祝祭」を繰り返してきた日本の歴史の中で、
新たな想像力や表現、技術を生み出してきた文化や科学の営みを
「慰霊のエンジニアリング」と名付け、
その系譜の一部として日本現代美術史を再構成するといいます。
本展キュレーターであり、美術家/美術批評家/カオス*ラウンジ代表の
黒瀬陽平さんは次のようにコメントを寄せています。
「本展では、反復される災害と祝祭のなかで、
新たな想像力や表現を生み出す芸術の営みを、
“慰霊のエンジニアリング(engineering of mourning)”と
名付け、その系譜をたどってゆく。
なぜ「慰霊」なのか。災害の後には復興がある。
しかし、失われたものや死者たちを弔うことなしに、復興への道は開けない。
慰霊の問題は、宿命的に繰り返される災害から立ち直り、
前へ進もうとする私たちの社会全体にとって、避けることのできないものだ。
なぜ“エンジニアリング”なのか。
“文明災”(梅原猛)という言葉があるように、災害もまた文明とともに“進化”する。
だとすれば、それに対応する学や技術も、
エンジニアリングとして更新されてきたはずである。
災害と祝祭は宿命的に繰り返すかもしれないが、
それを乗り越えようとする人々の想像力や表現、
技術は、決して同じ繰り返しではない。
それは孤独な“喪の作業(mourning work)”ではなく、
その時代のあらゆる文化、科学と関係しながら更新されてゆく、
慰霊のエンジニアリングなのである」
※一部抜粋。全文は公式サイトからお読み下さい。
オリンピックを目前に、ふとオリンピック後の日本は
どうなっているのだろう?と思うことはないでしょうか。
そんな疑問を、アーティストとともに考えてみるのもいいかもしれません。
参加作家は、次の通りです。
会田誠、飴屋法水、磯村暖、宇川直宏、梅沢和木、梅田裕、大山顕、
カオス*ラウンジ、カタルシスの岸辺、キュンチョメ、今野勉、SIDE CORE、高山明、
たかくらかずき、竹内公太、寺山修司、中島晴矢、中谷芙二子、名もなき実昌、
八谷和彦、檜皮一彦、藤元明、HouxoQue、三上晴子、宮下サトシ、MES、
山内祥太、弓指寛治、渡邉英徳
なお本展の入場は無料ですが、事前登録が必要とのこと。
詳しくはこちらから。
information
TOKYO 2021 美術展「un/real engine —— 慰霊のエンジニアリング」
会期:2019年9月14日〜10月20日
定休日:火曜日
時間 11:00〜20:00
会場:TODA BUILDING 1F
住所:東京都中央区京橋1-7-1
アクセス:東京メトロ銀座線「京橋駅」6番出口より徒歩2分/東京メトロ銀座線、東西線「日本橋駅」B1出口より徒歩4分
入場: 無料
主催:戸田建設株式会社
運営:TOKYO 2021実行委員会
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