宿題も、映画も、結婚式もここで。 ガレージをリノベーションした、 まちの憩いの場所とは。 ISHINOMAKI2.0 vol.1

ISHINOMAKI2.0 vol.1

みなさま。はじめまして。
ISHINOMAKI2.0(以下石巻2.0)の勝です。
今月から宮城県石巻市で行われている
さまざまなリノベーションプロジェクトを紹介していきます。

石巻は宮城県のなかでも仙台に次ぐ人口を有する県下第二の都市。
平成の大合併でその市域を拡大した石巻は、
山も海も広大な田園風景も有する豊かなまちです。
東日本大震災によりその市域は広域的に被災し、
多大なダメージを負ったまちでもあります。

私も活動に加わる石巻2.0はそんななかから生まれた活動です。
震災後のまちを元に戻すのではなくもっとよいまちにしていきたい。
そして、ここから疲弊した全国のまちづくりのロールモデルをつくりだそうと
さまざまなプロフェッショナルや地元商店主が集まったオープンエンドな活動です。

石巻2.0の立ち上げから関わる、
横浜の建築設計事務所〈オンデザイン〉のスタッフだった私は、
2012年から活動に加わりました。
そこから横浜と石巻の2拠点で生活を始めて5年目を迎えました。
横浜と石巻を往復するなかで見えてきたものがあります。
それは建築とまちとの距離の近さ、そして退屈だと思っていたまちも自分が動けば、
かなりおもしろい人がたくさんいるということ。

建築の専門家として実際に場をつくるところからその後の運営まで、
建築の上流からその先に広がっていくまちへの影響まで、
実感して関われる石巻はとても貴重なフィールドだと思いました。

そんな石巻に可能性を感じた5年間を過ごし、
そして2016年に石巻を拠点のひとつにして、自身の建築事務所を開設。
これから全6回の連載でそんな石巻のおもしろさを皆さんに伝えていきます。

初回の今回は石巻2.0の活動の原点でもあり私自身も設計と
その運営に関わるオープンシェアオフィス〈IRORI石巻〉を紹介したいと思います。

石巻の様子。

かつてはにぎわいの中心だった石巻のまちなかの商店街は、
2000年に入ったころからからシャッター商店街と揶揄されるように、
高齢化や担い手不足で寂しい状態でした。
そこに追い打ちをかけるように震災が大きなダメージを与えました。
街路に面した商店は閉じ、閑散とした風景が広がっていましたが、
実は一見使われていないように見えても、建物のオーナーたちは上階に住んでいる場合も多く、
シャッターが閉まったお店も交渉次第では貴重なまちなかの資源になります。

2011年の暮れ、まちづくりのためあらゆる人が集う拠点を探していた石巻2.0は、
震災による津波で被災しガレージになっていた場所を、
駐車場2台分の手頃な賃料で借りることになりました。

被災した直後の泥かきの様子。かつてはコンビニだったこともある場所でした。

とはいえ津波が突き抜けたこの場所は壁も扉も窓も何もない状態。
そして復興事業で大忙しの地元工務店には修復を依頼できるわけもなく、
手づくりで場所をつくることから始めました。
今や世界にも進出する家具工房である〈石巻工房〉と、
世界的な家具メーカー〈ハーマンミラー社〉のボランティアとともに
わずか2週間でつくり上げたのが初代IRORIの始まりです。

山手線で一番無名!? な田端と 最弱!? な駒込が勝手にコラボ! LINEスタンプ 〈田端2 feat.駒込〉

東京都北区にある、山手線の田端と、
そのおとなり、駒込が勝手にコラボした、
LINEクリエイターズスタンプ〈田端2 feat.駒込〉が発売されました。
キャチコピーは、
「山手線で一番無名な田端と山手線最弱の駒込のコラボ」!
自虐ギャグが炸裂する、使いどころに悩んでしまう個性派スタンプです。

このスタンプを発売したのは、田端をこよなく愛し、
“山手線でも一番無名な駅”という悲しい称号!? 
を覆す活動などを行なう〈やってみたいことやってみる協会〉
山手線圏内でのマイナーさはNo.1かもしれないけど、
交通の便もよく家賃も安いなど、住みやすさはNo.1! 
という田端の価値を訴求するため、
2016年1月に田端を応援するLINEスタンプ、
その名も〈田端〉を販売しました。

LINEスタンプ〈田端〉

そのスタンプにおける、
「山手線以外で東京と名乗っていいのだろうか?」
「山手線で一番無名!」などの自虐的なユーモアが
新聞やテレビなど多数メディアで話題を呼びました。

しかし話題にはなったものの、
「田端の知名度はさほど上がる事もなく力不足を感じた」という
やってみたいことやってみる協会さん。
そこで今回は、隣駅で、ライバルでもある〈駒込〉に協力を要請したそう。

大分・熊本・東京をつなぐ 復興マーケット 〈OK SHOP 大分熊本物産展 + Made in TOKYO〉

渋谷ヒカリエ8階〈8/COURT〉を会場に、6月28日(火)まで開催されている
〈OK SHOP 大分熊本物産展 + Made in TOKYO〉。
大分・熊本からの出店と、そんな彼らのために東京のクリエイターたちが作った
MADE in TOKYOのモノたちが集うマーケットです。

このマーケットを企画するのは、
熊本大分震災にあたり立ち上がったスモールビジネス支援プロジェクト
〈OK PROJECT 〜Support! Small Business for OITA + KUMAMOTO
(大分熊本スモールビジネス支援プロジェクト実行委員会)〉。

地震による商品や建物の破損、観光客の落ち込みなどで、
事業の継続が危ぶまれるショップがある現状に対し、
「何かできることはないだろうか」と考えた結果のひとつとして
今回のイベントを立ち上げたそう。

販売される商品は、食品、雑貨、眼鏡に洋服までさまざまで、
その全てが大分や熊本で生まれたモノというわけではなく、
「大分と熊本でセレクトされた物産展」なのがユニークなところ。

Made in TOKYOのコーナーでは、ロゼットで人気の〈WHYTROPHY〉や、
スタイリストの石川顕さんと、アートディレクターのジェリー鵜飼さん、
デザイナーの神山隆二さんによる
ユニット〈ULTRA HEAVY〉のTシャツなど、
第一線で活躍するクリエイターのオリジナルグッズが並ぶます。

なかには、早くも売り切れた商品もあるとか。
お仕事の合間に、時間をかけて週末に。お気に入りを見つけに行きたいですね。
大分熊本スモールビジネス支援プロジェクトについてはこちらから。

出店、出品リスト

【熊本】

GREENNOTE(洋服・雑貨)

ミドリネコ舎(雑貨)

Ladybug (手作り石鹸)

PERK(洋服)

アトリエ・nest(アクセサリー)

Dramatique(アクセサリー)

ZAZA GALERiE SALON(ステンドグラス)

KUHONJI GENERAL STORE(生活雑貨)

イツカキタミチ(生活雑貨)

PEOPLE(洋服)

蒲池眼鏡舗(眼鏡)

CAFE LA PAIX(コーヒー豆・雑貨)

Anvin(雑貨)

【大分】

山荘無量塔(食品)

cafe la ruche(食品)

方寸(食品)

安藤オリーブファーム(食品)

USUKI ORGANIC LAB.(食品)

【Made in TOKYO】

ULTRA HEAVY

BIANKS

GELCHOP

TEMBEA

Peloqoon

Bob Foundation

WHYTROPHY

Jerry Ukai

NALUTO TRUNKS

information

map

OK SHOP 大分熊本物産展 + Made in TOKYO

会期:2016年6月20日(月)〜28日(火)

会場:渋谷ヒカリエ8階 8/COURT

住所:東京都渋谷区渋谷2-21-1

営業時間:11:00〜20:00(最終日は18:00まで)

Web:公式サイト

主催/企画制作:熊本大分スモールビジネス支援プロジェクト実行委員会

チームラボが世界遺産 「糺の森」参道をライトアップ 〈下鴨神社 糺の森の光の祭〉

2016年8月17日(水)から8月31日(水)の期間、
ウルトラテクノロジスト集団〈チームラボ〉が、
京都市の〈下鴨神社(賀茂御祖神社)〉にて行われる、
〈下鴨神社 糺の森(ただすのもり)の光の祭〉に参加。
『呼応する木々、下鴨神社 糺の森』と、
『呼応する球体 - 下鴨神社』を展示します。
参道沿いの木々と楼門の中の空間を
ライトアップする、訪れて楽しめる作品です。

呼応する木々 – 下鴨神社 糺の森 / Resonating Trees – Forest of Tadasu at Shimogamo Shrine teamLab, 2016, Interactive Digitized Nature, Endless, Sound: Hideaki Takahashi

『呼応する木々』は、
世界遺産である下鴨神社の糺の森の中の参道沿いの木々をライトアップ。
木々の光がゆっくりと呼吸するかのように、
強く輝いたり消えたりする...というもの。
鑑賞者や動物が近くを通ると、
木の光の色が変化し、音色を響かせ、
次々と伝播していくのだそう。

熊本から〈シュオ〉に届く ドライフラワーのブーケ。 イベント〈GREEN NOTEの草花〉 開催

熊本地震から2か月。
結婚式やパーティー、お葬式など、
冠婚葬祭で使う小物ブランド〈shuo’(シュオ)〉が
恵比寿にある路面店で、熊本のセレクトショップ〈GREEN NOTE〉と
イベント〈GREEN NOTEの草花〉を開催します。

熊本市と天草市にお店を構える〈GREEN NOTE〉は、
オーナーの錦戸主税さんとひさかさんによる、
衣食住にまつわるセレクトが評判のショップ。

そんな錦戸夫妻と震災前から親交があったという

シュオのデザイナー星芽生さんと、
ディレクター吉田直子さんから、
今回のイベントを開催するにあたって、

「彼らが選んだ大切なものが、このたびの震災でたくさん壊れてしまいました。
ですが、〈GREEN NOTE〉の代表である錦戸夫婦は前ばかり向いています。
話せば話すほどこちらが元気をもらいます」

というメッセージが届きました。

もらってばかりではなく、一緒に何かをしたい。
そんな想いから、生まれたイベントなのです。

〈シュオ〉 写真:鈴木陽介

日本の動物園を10年めぐり 見えてきたものとは? 舞山秀一写真展〈ZOO〉

2016年6月26日(日)まで、東京・渋谷のtokyoarts galleryにて
写真家の舞山秀一さんの個展〈ZOO〉が開催されています。

そこに写されているのは、じっとカメラを見つめるハシビロコウや
悠々とたたずむマレーバクなど、動物園の住人たちの、普段の姿。
ちょっと隙をつかれたような姿が、独特な味わいを醸しだしています。

高知県立のいち動物園 写真:舞山秀一

横浜動物園ズーラシア 写真:舞山秀一

本展のテーマは動物そのものではなく“動物園”。
舞山さんは2003年より日本全国の動物園をめぐり、
10年以上に渡って写真を撮り続けてきたそう。

豊橋総合動植物園 写真:舞山秀一

静岡市立日本平動物園 写真:舞山秀一

タイルのまち・多治見市笠原町に 〈多治見市モザイクタイル ミュージアム〉が開館。 独創的な建築デザインにも注目!

6月4日(土)、施釉磁器モザイクタイル発祥の地であり、
全国一の生産量を誇る、岐阜県多治見市笠原町に新スポット
〈多治見市モザイクタイルミュージアム〉が開館しました。

外観が特徴的なこのミュージアム。
設計は、世界的な評価の高い建築家・藤森照信が手掛けています。
独創的なカーブを描いた建物を見た瞬間、まず間違いなく圧倒されるはず!

館内には、有志らによるタイルについての貴重な資料が常設されています。
この場所がこの地域の地場産業における、シンボリックな場所になっていくことでしょう。

photo by Akitsugu Kojima

古民家活用でわかったこと。 リノベの未来、この国の未来。 一般社団法人ノオト vol.12

一般社団法人ノオト vol.12

皆さん、こんにちは。ノオト代表の金野(きんの)です。

ついにこの連載も第12回、最終回となりましたので、
古民家リノベの意義と日本社会に果たす役割について整理しておきたいと思います。
いま、なぜ、リノベのススメなのか?

失われゆく歴史的建築物

まず、文化財建造物とその活用について。
文化財建造物には、文化財保護法で指定された国宝や重要文化財、
都道府県や市町村の条例で指定された指定文化財などがあります。
文化財建造物には神社仏閣が多いのですが、
ここでは民家や庄屋など市井の建築物の話をします。
「◎◎家住宅」とか呼ばれるものです。

〈古民家の宿 大屋大杉〉のメイン棟となっている正垣家。養蚕農家として建てられた築約130年の古民家(→http://ooyaoosugi.jp)。

文化財建造物は国民の財産ですから、その改修には、基本的に公費が投入されます。

そして、「文化財を活用」するというとき、
それは「復元保存した文化財建造物を活用」することを想定していて、
一般に、施設の「公開」や「イベント利用」などに限定されています。
※これを「保存⇒活用」と表現しておきましょう。

文化財指定の考え方。

文化財建造物は「類型の典型を指定する」ことになっています。

ある地域の、ある時代の、例えば農家という「類型」を設定すると、
該当する建物が多数あって、そのなかから、
類型を代表する「典型」的な建物が文化財として指定されるのです。
その物件を民族学的な標本として保存します。

現在の日本社会の価値観は、
・古き良きものを代表する物件を「標本」として「保存⇒活用」する。
・代表になれなかったその他の物件は捨ててもよろしい。

というものです。
この国の制度(文化財保護法や建築基準法)がそのようになっています。

これに対して、
私たちは、歴史的建築物(文化財指定の有無を問わない広義の文化財建造物)を、
宿泊施設やレストラン、カフェ、工房、オフィス、住宅などとして
「活用することで保存する」活動を行っています。
※こちらは「活用・保存」と表現しておきます。

地域再生のために古民家を活用するプレイヤーの立場から言えば、
文化財建造物もその他の歴史的建築物も区別はありません。
これらを一体的に捉えており、どちらも同じように大切です。
文化財建造物が「活用・保存」されることがあってもよいし、
グレード(文化財的価値)が低い歴史的建築物であっても、
それに見合った「活用・保存」の方法が見つかるものです。
地域やまち並みに分布するその多様な建築物群の総体が重要です。

これからの歴史的建築物の考え方。

ちなみに、この「保存⇒活用」と「活用・保存」の境界をわかりにくくしているのが、
「伝統的建造物群保存地区」の特定物件と「登録有形文化財」の存在です。

どちらも文化財建造物でありながら、
内部改装は自由にできるので「活用・保存」タイプとすることが可能なのです。
古民家リノベを志す人は、このあたりの事情を理解しておくとよいでしょう。

古民家リノベの意義

何れにしても、一個の有機体である地域やまち並みから
文化財建造物だけを取り出して取り扱うことの限界というものがあります。
当たり前のことですが、
文化財はその周辺の環境や社会とともに成立しているのですから。

これはたとえ話ではなく、地方の現実の姿なのですが、
一部の社寺や住宅を文化財として立派に保存しながら、
そのまちや村が衰退して生活の息吹が失われるのであれば、
文化財の維持も適わなくなるし、そもそも文化財指定の意味がないでしょう。

私たちは、地域再生やまち並み再生には、
文化財指定されていない歴史的建築物の活用が大切だと考えています。

「保存⇒活用」ではなく「活用・保存」とすることで、
地域に移住者や事業者を呼び込み、新しい生業や雇用を生み出すことができます。
しかも「類型の典型」として指定される文化財建造物の背後には、
その数百倍の歴史的建築物があって、その多くが空き家となっているのです。
改修費も文化財建造物の保存工事に比べると驚くほど安価です。

私たちには失くしたくないものがある。

建て直したほうが安い?

実際に古民家再生の費用は新築工事より相当に安価です。
しかし、修復の技術を持ち合わせていない設計士や工務店は、
施主に「建て直したほうが安い」と言って、解体工事、新築工事に誘導します。
そのほうが工期も読みやすいし、実際には「建て直したほうが高い」ので稼げます。

結局、施主は諦めて、古い家を壊し、新しい家を建てることになります。

「建て直したほうが安い」という言説が意味するもっと重要な点は、
職人たちによって伝統工法で建てられ、長い時間を湛えてきた空間と、
大量生産の工業製品を、「お金で比較できる」としている考え方、価値観にあります。

この時空は、壊してしまえば二度と取り戻せない、
と、設計士も工務店も、そして施主も考えないのです。

何もかもをお金で測るようになって、
現代を生きる私たちは、すっかり視程が浅くなってしまいました。

誰もが、今日の生活のことを、今月の売り上げのことを考えて生きています。
人生設計くらいはあるでしょうが、自分の人生の時間スケールを超えることはありません。
自分が住む家は自分の世代が住むのであって、その先の世代を考えることはありません。
自分の子どもや孫のために裏山に木を植えようと考える人はもういません。
子どもたちには別の人生があり、家を住み継ぐという考えはありません。
私たちは現世的な生を生きていると言ってよいでしょう。

豊かさとは何か

いわゆる「限界集落」は、いっそ廃村にして、
残った住民をまちなかに移住させたほうが経済合理的であるとの主張があります。
このことは学問の世界ではずいぶん前から論じられてきましたし、
現在は国の政策となりつつあります。
脳(都市)にばかり血液を送っていたら、指先(僻地)が壊死を始めたので、
どの指から切り落とせばいいだろうと考えているわけです。
私には、それが健康な国土だとは思えません。

野生生物について、絶滅危惧種や貴重種を守り育てることの必要性と重要性は、
この国の社会にも認知されているように思います。
このことは経済原理を超えていて、
現世的になることも、お金で価値判断することもありません。

それでは、その土地の気候風土に適った建築様式はどうでしょう。
そして、その土地の人々の暮らし、工芸や祭。
長い年月をかけて創意工夫を重ねた建築様式や暮らしの技術を、
安易に捨て去ってよいものでしょうか。

今も続く伝統的なムラのまつり(篠山市福住)。

〈icci KAWARA PRODUCTS〉 瓦のイメージが変わる! 〈一ノ瀬瓦工業〉× ハイロックの新ブランド

今年で創業100年を迎える山梨県の〈一ノ瀬瓦工業〉が、
メディアクリエイターのハイロック氏をアートディレクターに起用し、
日常生活に溶け込む瓦ブランド〈icci KAWARA PRODUCTS〉をスタートしました。

瓦を作る技術が大陸から日本に伝わったのはおよそ1400年前。
素材は土と水と火を使い、
粘土を1000℃以上の炎で焼き締めることによってできあがります。

〈一ノ瀬瓦工業〉の瓦

日本の瓦の特徴といえば、炭素によって発色された「いぶし銀」。
この美しい銀色が、日本の暮らしとまち並みを創ってきました。
そんな長い歴史を積み重ねてきた瓦のプロとして、
〈一ノ瀬瓦工業〉は、1916年に創業。現在は苗吹市に本社を構えており、
1976年までは瓦の生産も行っていたそうです。

〈icci KAWARA PRODUCTS〉のコンセプトは
「日本のヒトカケラを屋根の上からテノヒラの上に」。
伝統ある日本の「瓦」の本質を変えることなく、
世界というレンズを通して新しいカタチを発信する。
そんな熱い想いが詰まったプロジェクトゆえ、
瓦の未来を大きく変える、ターニングポイントになる可能性も
大いにあります。

みかんぐみ、アカオニの メンバーたちが 〈とんがりビル〉をオープン!

山形県・七日町(なのかまち)に株式会社〈マルアール〉による
〈とんがりビル〉という名のビルができました。
こちらは、築40年の建物をリノベーションした施設。
2015年冬に完成後、店舗やオフィスとして入居者を募り、
近頃、どんどんにぎわい始めています。

食堂〈nitaki〉。家具は4階に入居している家具屋さん〈TIMBER COURT〉によるもの

〈TIMBER COURT〉

とんがりビルは、山形駅から徒歩15分ほど歩いた
まちなかの「シネマ通り」にあります。
近くには大正初期に建てられた煉瓦づくりの建物〈文翔館〉や
歴史あるデパートなども。ちょっとレトロな雰囲気も残っています。
でも、かつて映画館が立ち並んでいた通りに映画館の姿はなく、
近隣には老朽化した建物や、空き室も存在します。

そこで立ち上がったのが、山形R不動産の水戸靖宏さん、
みかんぐみの竹内昌義さん、
OpenA/東京R不動産の馬場正尊さん、
アカオニの小板橋基希さん。

山形/東北のまちを活性化していこうと、
建物リノべーション・デザイン設計を
まちづくりの視点から進めていく会社、マルアールを設立しました。
モットーは「建物を直してまちを楽しくする」こと。

とんがりビルは、この会社の理念をかたちにする
フラッグシップとして始まったプロジェクト。
中心メンバーが建築やデザインの
プロフェッショナルとあって、洗練されています。

プランニング・リノベーションはマルアール、
サイン・グラフィックは小板橋さん(アカオニ)、
内装デザイン・家具は相田広源さん(TIMBER COURT)が手がけました。

入居者は、山伏の坂本大三郎さんや
デザイン会社〈アカオニ〉、食堂〈nitaki〉、
ギャラリー、家具屋さん、写真スタジオなど、
ユニークでクリエイティブな面々。
ここは普通のテナントビルではなく、クリエイターや
まちの人たちが集うコミュニティスペースであり、文化発信拠点なんです。

1階の入ってすぐのスペースにあるのは、
坂本大三郎さんによる本と雑貨の店〈十三時〉。

さまざまな人からの選書やはちみつ、ジャム、
手ぬぐい、山仕事に使うかご、草履、野良着、蓑、熊の毛皮、
熊の手を使った鞄など、自然の暮らしのなかで使われていた品々や
食品などが並んでいます。
店に行くと、ひょっこりカウンターに座っている坂本さんに会えるのもうれしい。

おとなりは、地のものの旬を味わえる食堂〈nitaki〉。
ランチやコーヒー、スイーツはもちろん、お酒も楽しめます。
合い言葉は「食べられないものを食べられるものに」。
時にはめずらしい食材も食べさせてくれます。

写真:志鎌康平

1階の奥には、ギャラリースペース〈KUGURU〉があります。
〈みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ〉のプログラムディレクター、宮本武典さんや
坂本さんなどが関わり、展示やイベントなどを開催しています。

グラフィック・デザイナー、吉田勝信さんの展示〈技術、その他〉。(2016年5月31日〜6月15日開催)

〈技術、その他〉での開催されたアーティストトークの様子。聞き手は宮本武典さん。

〈MAGASINN KYOTO〉創館。 五感を使って体験できる、 雑誌のような宿泊施設!?

古い歴史と、新しいカルチャーが混ざり合う街、京都。
そこに新感覚の宿泊施設〈MAGASINN KYOTO〉(マガザン・キョウト)が誕生しました。

この施設は、クラウドファンディングサイト・CAMPFIREを利用し、
多くの人の共感と協賛を得て、2016年5月8日オープンに至りました。

築年数100年を越える京町家一棟をリノベーション。2Fは貸切で宿泊が可能なプレミアムホステルに。

空間型の雑誌? 雑誌的な空間?

〈MAGASINN KYOTO〉は、雑誌の持つ魅力や
編集のおもしろさを体感できる、
新しいコンセプトの宿泊施設であり、空間メディア。
雑誌の◯◯特集のように、
期間毎にさまざまな特集が組まれていき、
宿泊する/しないに関わらず、楽しめるコンテンツが展開されていきます。

創刊特集として銘打たれたのは〈本特集:本を体験する〉。
現在、東京・駒沢にある書店〈スノウショベリングブックス〉との
コラボレーション企画が行われています(こちらは9月までの予定)。

例えば、〈タイムトラベルブックシェルフ〉と題した、
時代を写す本をずらっと時系列に並べた本棚の設置。
本とお酒を楽しむ、知的なアルコホール体験〈ブックテンダー〉。
宿泊予約時のヒアリングをもとに、
〈スノウショベリング〉店主の中村秀一さんが
あなたのためだけに選んだ1冊をプレゼントするという
贅沢なブックディレクション企画も。

さらに、施設内の空間だけなく、地元書店〈YUY BOOKS〉店主が考えた、
〈本を体験するための京都スペシャルツアー〉など、街にも目を向けた企画も。

本というひとつのキーワードを軸に、
雑誌の編集的なアイデアをもってして、
ユーモア溢れる仕掛けが多数生まれました。

では、どんな思いのもとこの場所がつくられたのでしょうか?

神山町の空き家再生建築が、 ヴェネチア・ビエンナーレへ。 快挙の建築が生まれるまで。 坂東幸輔建築事務所 vol.2

坂東幸輔建築事務所 vol.2

ボンジョルノ〜! 建築家の坂東幸輔です。

第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展が5月28日から始まりました。
ビエンナーレの日本館の展示に私が主宰する建築ユニット〈BUS〉が出展しています。
〈BUS〉は現在、私と須磨一清、伊藤暁(2011年加入)の、
3人で構成されている建築ユニットです。
東京にそれぞれの設計事務所を持っていますが、神山町ではBUSの名義で活動しています。

先月、準備やレセプション出席のため、ヴェネチアを訪れていました。

今年のビエンナーレ全体のテーマは
「REPORTING FROM THE FRONT(前線からの報告)」、
日本館は「en[縁]:アート・オブ・ネクサス」というテーマで展示をしています。

第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館の展示風景。12組の若手建築家が出展。

新しい世代の12組の日本人建築家の作品を展示することで、
現代の日本の社会問題を建築の力で解決した事例を紹介しています。
日本館の展示は大成功、
国別参加部門で約60か国の中で第2席となる審査員特別表彰を受けました。

前回の第14回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展の総合ディレクターであり、世界的に有名なオランダ人建築家レム・コールハース氏(右から3番目)とBUSのメンバー。BUSの展示の前で。

シンガポール大統領に神山町プロジェクトについて説明しました。過疎地域に高速ブロードバンド網のインフラが整備されていることに驚き、えんがわオフィスを気に入って下さいました。

私たちのBUSは神山町プロジェクトの代表作、
〈えんがわオフィス〉〈KOYA〉〈WEEK神山〉の映像作品を展示しています。
3つのプロジェクターを使って、3面の壁に
神山の豊かな自然の中にあるそれぞれの建物の映像を投影することで、
まるで神山町にいるかのような臨場感を体験できる展示になっています。
映像制作は菱川勢一さん率いる〈DRAWING AND MANUAL〉が担当、
彼らも神山町にサテライトオフィスを構えており、
神山町のご縁が生んだチームでの展示になりました。

展示は11月27日まで行われていますので、
ぜひこの機会にヴェネチア・ビエンナーレを訪れてみてください。

BUSの展示。

神山町の空き家再生の始まりは

さて、展示されている神山町のプロジェクトはどのように始まったのか。
vol.1ではハーバード大学からリーマンショックを経て、
無職になった私と神山町との出会いについて書きました。
今回は小さな空き家の改修から始まった神山町プロジェクトが、
どうしてヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展に出展するまでに成長したのか、
そのきっかけについて紹介したいと思います。
キーワードは「人の縁」です。

2008年10月に無職の私が神山町と出会ってから約1年半後、
2010年4月に東京藝術大学の教育研究助手に着任したことを
〈NPO法人グリーンバレー〉の大南信也さんに報告したことから
神山町での空き家改修のプロジェクトが始まります。
最初のプロジェクトは、クリエイターが神山に滞在して
作品制作するための拠点〈ブルーベアオフィス神山〉です。

「学生たちを神山に連れてきて、空き家を再生してくれませんか」

そう、大南さんからメールをもらい、
さっそく空き家改修のプロジェクトチームを結成しました。
東京藝大の学生たちを集めると同時に、
ニューヨーク時代に出会った建築家の須磨一清さんに声をかけました。
BUS(元・バスアーキテクツ)結成の瞬間です。

〈ブルーベアオフィス神山〉について大南さんにプレゼンしている様子。写真左が須磨一清さん。

電池なしで光る! あの基板ケースの作者に聞く 〈FLASH 関西・京都回路線図〉

コロカルで先日ご紹介し、大変大きな反響をいただいた
大阪府吹田市の基板設計製造会社〈電子技販〉から発売された、
東京の路線図を基板で描写した
〈FLASH 東京回路線図 ICカードケース〉
本日は、関西版・京都版の紹介と、
作者の〈電子技販〉代表取締役・北山寛樹さんのお話をお届けします!

FLASH 関西回路地図 ICカードケース 緑

まずは関西版の〈FLASH 関西回路線図 ICカードケース〉。
お値段は、東京版とおなじく9000円(税抜)。
西は神戸駅、北は京都駅、東は生駒駅、南は和歌山駅までを網羅。
大阪湾には大型船が浮かんでいます。
それぞれの乗換駅159駅に1mmの電子部品を実装するという細かさ!
合計200個もの電子部品が実装されているのだそう。

駅の改札にこのカードをかざすと、
大阪駅に設置された2mmの赤色LEDが光ります。
鉄道駅の名称は白シルク3文字で表現しており、
大阪が「OSK」など、略称から駅名を当てるのも楽しい。
カラーリングは、緑・白・黒の3色がラインナップ。

FLASH 関西回路地図 ICカードケース 白

FLASH 関西回路地図 ICカードケース 黒

そしてこちらは京都版。お値段は9000円(税抜)。
京都御所には14pinのロジックIC。
ICの表面は触って楽しめるようあえて露出しています。
二条城や世界的に名高い寺社には3.2mmの抵抗器。
著名な寺社には2mmや1.6mmの抵抗器。
鉄道駅などに1mmの電子部品など、合計76個の電子部品を実装。

寺には卍、神社に鳥居記号を入れ、
寺社の名称はKYM=清水寺のように白シルク3文字で表現しました。
主要通り名も白シルク文字で表記され、大文字焼きは金メッキで表現されています。
改札のタッチやICカードでの決済時に、京都駅に実装した赤色LEDが光ります。

FLASH 京都回路地図 ICカードケース 緑

FLASH 京都回路地図 ICカードケース 白

FLASH 京都回路地図 ICカードケース 黒

さて今回は、この〈回路地図〉など、〈PCB ART moeco〉のシリーズをてがけた
代表取締役の北山さんに、ユニークな商品の誕生の裏側をお伺いしました。

北山さん

リノベーションホテルがオープン! 廃業ホテルを譲り受けた理由とは。 HOTEL NUPKA vol.1

HOTEL NUPKA vol.1

みなさん、はじめまして。〈HOTEL NUPKA〉(ホテルヌプカ)の坂口琴美です。
十勝の中心都市、帯広市に私たちはこの春、
〈ホテルヌプカ〉というリノベーションホテルをオープンしました。

私たちが生まれ育った北海道十勝地方。
広大な北海道は、14の振興局に分けられているので、
十勝地方はそのなかで、十勝振興局と呼ばれ、
食料自給率が1000%を超えるほど、農業や畜産がさかんなエリア。
大学から東京に出てしまった私にとって
帯広空港に降りる飛行機の窓側席から見える
雄大な日高山脈に囲まれたモザイク調の美しい模様を織り成す畑は、
帰るたびにため息の出るほど美しい風景でした。

山々の恩恵を受けて、私たちは大地の恵みをたくさんいただき、
日高山脈と果てしなく広がる美しい畑に包まれて日々を過ごしています。
そして、十勝は北海道の中でも「おいしい」にたくさん出会える場所。

生きることは食べること。

食べもののある安心感。
十勝で出会う人たちが自由な考え方のできる人たちが多いと感じるのは、
そんな素朴でおいしい食べものに囲まれる安心に由来するのかな、と私は思います。

この魅力ある土地を舞台とした
小さなリノベーションホテルの取り組みと
私たちの大きな夢についてお話しますね。

十勝と世界をつなげる

ホテルヌプカは、2016年3月、北海道十勝地方の中心都市・帯広市で開業しました。
昭和48年から平成24年まで営業していた、
〈ホテルみのや〉の風合いある5階建ての建物をフルリノベーション。
2〜5階には客室やランドリールームが、
1階にはカフェ&バーがあり、ここは、
ホテルのゲストだけでなく、地元の人も気軽に入ることできます。

また、宿泊できるだけでなく、イベントなども随時開催予定。
全国、全世界から十勝を訪れるゲストと地元の人との交流が生まれることで、
十勝と世界をつなげる役割を果たしたいと願っています。

ホテルヌプカのスタッフ。

NUPKAの外観。

ホテルオープンのきっかけは映画づくり?

私がこの新しいホテルづくりに関わるきっかけとなったのは、
東京で暮らす十勝出身者が中心となった短編映画づくりのプロジェクトでした。

大学入学と同時に上京し、歳を増すごとに都会の良さや
日本のさまざまな地域の知識が増える一方、
地元のすばらしさに気づかされるようになっていきました。
都会では味わえない、また日本とは思えない
広い空と大地を感じてほしいと思うようになっていきました。
何よりも野菜の味がまったく違うんです。

月に一度、十勝の素材を使うレストランで夜な夜な集まっていた私たち。
いつも話題にのぼったのは故郷十勝の魅力をもっと発信できないかということ。
そこで、国内だけでなく世界にも向けた発信を考えたときに、
思いついたのが、十勝を舞台にしたストーリーと映像を発信するということでした。
「十勝」を「TOKACHI」として、グローバルなブランドとして育っていくよう、
なにか役立ちたいという思いから始まった取り組みです。

映画のタイトルは『マイ・リトル・ガイドブック』。
台湾の旅行会社で働く女性主人公が、
まだ広く知られていない北海道の観光資源を見つけるために十勝に派遣され、
地元の人との出会いの中でドラマが生まれるお話です。

監督を引き受けてくれたのは、十勝出身の後輩、逢坂芳郎さん。主演は台湾の人気タレントの吳心緹(ウー・シンティ)さん。クラウドファンディングで多くの方から制作資金の支援を受けることができました。映画は、2015年4月に完成し、Youtubeで無料配信されています。

この映画づくりを取り組んだ仲間のひとりが、十勝出身の柏尾哲哉さん。
柏尾さんは、東京で弁護士として働く一方で、
生まれ育った帯広の中心市街地の空洞化が進んで、
人通りが減り、かつてのにぎわいを失ったまちなかに、
映画を通じて十勝を訪れる新しい人の流れをつくり出したいと考えていました。

そんなとき、帯広駅から徒歩3分の飲食街の一画で
昭和48年から営業を続けていた〈ホテルみのや〉が
平成24年で営業を終了していることを柏尾さんは知りました。

旧ホテルみのや(昭和48年築)。

今しか降りられない! 建設中の五ケ山ダム湖底の イベント企画を募集中

五ヶ山ダム完成予想イメージ図

福岡県筑紫郡那珂川町と佐賀県境に建築中の〈五ケ山ダム〉。
福岡県有数の大きさを誇るこのダムは、
2018年に供給開始予定で、今年から試験湛水が開始される予定。

つまり、水が溜められる前の〈五ケ山ダム〉の湖底は、
今しか見られないのですが、なんと那珂川町が、
この湖底で開催するイベント企画を募集しています!

イベントの募集対象は、民間事業者や各種団体など。
開催期間は、2016年7月1日(金)から
2016年9月30日(金)までの3ヶ月間。
募集の目的は、今後観光資源としての活用が期待される
五ケ山ダムの認知度とイメージの向上なのだとか。
二度と降りられなくなるダムの湖底で、
思い出に残るイベントを企画してみてはいかがでしょう?

建設中の五ヶ山ダム 写真:なかがわTopics

企画募集の締め切りは、2016年6月8日(水)。
※応募状況により、期間の延長を行う可能性があります。
お問い合わせ先等詳細は、那珂川町のWebサイトにてご確認ください。

information

map

五ケ山ダム

住所:福岡県筑紫郡那珂川町大字五ケ山

Web:五ケ山ダムの湖底で行うイベントを募集します!

東京の路線図を基板で表現! 〈FLASH 東京回路線図 ICカードケース〉

大阪府吹田市の基板設計製造会社〈電子技販〉から、
東京の路線図を基板で描写したICカードケース
〈FLASH 東京回路線図 ICカードケース〉が発売されました!

電池がなくても光るギミックが搭載されており、改札にかざすと、
東京駅の位置に実装された赤色LEDが光るのが楽しい。
価格は9,000円(税別)。黒、緑、白の3色の
カラーバリエーションがあります。

このケースに実装されている電子部品は、なんと合計199個。
基板の配線パターンで、東京近郊の路線図をデザインしました。
鉄道駅の名称は、東京なら「TKY」というように白シルク3文字で表現されており、
西エリアは横浜駅、北エリアは大宮駅、東エリアは西船橋駅まで網羅しています。
東京湾には大型船が浮かぶ遊び心も。

〈FLASH 東京回路線図 ICカードケース〉黒

〈FLASH 東京回路線図 ICカードケース〉では、
乗り換え駅に電子部品をはんだ付け。
東京駅に2mmの赤色LED、主要駅7駅に2mmの抵抗器、
乗降客の多い駅25駅に1.6mmの抵抗器、
その他乗換駅166駅に1mmの電子部品を実装しました。

〈FLASH 東京回路線図 ICカードケース〉緑

〈FLASH 東京回路線図 ICカードケース〉白

〈電子技販〉は大阪の地で創業40年。
本業の傍らで廃基板のアクセサリーなども作っていました。

路線図のプロダクトを作ったきっかけは、
東京の路線図が基板の回路図に似ていると考えたことから。
代表の北山さんが自ら基板をデザインし、
基板CADで設計、基板を製造、部品を実装した
〈東京回路線図 名刺入れ〉が20代男性にヒット! 
いまではiPhoneケースなどさまざまなアイテムが販売されています。

アートツリーハウスで遊ぼう! 安藤百福センター 〈自然で楽しむアートフェス 2016〉

『bird-apartment』 デザイン:佐藤オオキ(nendo)

5月28日(土)、長野県小諸市にある安藤百福センターにて
〈自然で楽しむアートフェス 2016〉が開催されます。

安藤百福センターは、インスタントラーメン(日清チキンラーメン)の
発明者として知られる安藤百福さん(1910-2007)の
生誕100年を記念して建てられた施設。

隈研吾さんがデザインした、全長約100mの建物。なかには宿泊できる部屋やカンファレンスルームなどがあります。

安藤さんは「自然とのふれあいが、子どもたちの創造力を豊かにする」という考えのもと、
長年にわたって自然体験活動を奨励してきたのだとか。

敷地内には、隈研吾さんが手がけた宿泊施設や、
佐藤オオキさん(nendo)をはじめとするクリエイターによるアートツリーハウスなど、
自然を楽しめる場所がいっぱい! 
近隣にはトレイルコースや上信越高原国立公園もあります。

自然で楽しむアートフェス 2016は、ツリーハウスを手がけた
〈小諸ツリーハウスプロジェクト〉が主宰する5回目となるイベント。
地元の食材を味わえるフードブースや、
茶室をイメージしたツリーハウスで楽しむ野点(お茶会)、
森の中を歩くトレイルツアー、ライブ、ワークショップなどが楽しめます。

ツリーハウスは、全部で7つ。こちらは浅間山を見渡せるロケーションに建つ『Birds Eye View』 デザイン:Noma Bar

静謐な雰囲気のツリーハウス『間』 デザイン:佐藤可士和(サムライ)

天童木工の家具も! グルメ列車 えちごトキめきリゾート 〈雪月花〉デビュー!

新潟県上越市の第三セクター〈えちごトキめきリゾート〉から、
豪華リゾート列車〈雪月花〉が、2016年春に登場しました。

新しくデザインされた、田園の風景に映える銀朱色の美しい電車。
週末や祝日を中心に、上越妙高駅と糸魚川駅の間を一日一往復します。
車内では地元の食材を使った食事の提供も!

〈雪月花〉の旅はおよそ3時間、片道1万4800円です。
ゆったりとした椅子に座り、国内最大級のパノラマウィンドウから
日本海の絶景、越後富士と称される妙高の雄大な山並みを
眺めることができます。

車両の設計デザイン統括は、
これまでに〈土佐くろしお鉄道中村駅リノベーション〉などを手がけた建築家・デザイナーの川西康之さん。
〈雪月花〉車内はスタイリッシュなデザインで、新潟県産スギなど
国産木材をふんだんに使ったぬくもりのある質感が落ち着きます。
美しい彩りの内装家具を手がけたのは、山形の〈天童木工〉です。

1号車

1号車は、日本海側と妙高山側を向くラウンジ形式の座席配置。
木目が鮮やかな越後杉と豊かな実りの黄金色がモチーフです。
国内最大級の大きな窓は、遮熱性も備え、
安心のUVカットガラスなのがうれしい。

2号車は、前面の展望を独占できる
展望ハイデッキを備えたレストラン・カー形式。
大きなテーブルとゆったりした座席で、景色とお料理を楽しめます。

こちらは気軽に利用できる、こだわりのカフェ・バー。
沿線の地酒やワインなどをご提供するほか、
新潟県内各地から厳選した世界に誇れるお土産の品々をご用意。
カウンターにはサクラ材を使用しています。

モノづくりの祭典 〈はち モノマチ〉開催! 台東区・徒蔵エリアで モノや職人さんとつながる3日間

毎年大賑わいを見せるモノづくりの祭典〈モノマチ〉が
5月27日(金)、28日(土)、29日(日)に開催されます! 
モノマチは、台東区南部にあたる御徒町~蔵前~浅草橋エリアを
散策しながら、モノづくりの魅力に触れられるイベント。
今年で8回目を迎え、〈はち モノマチ〉の愛称がつけられています。

2km四方に渡る台東区南部エリアは、古くから続く製造・卸のお店が集まり、
最近では若いクリエイターたちによる活動が注目されるエリア。
そんな、モノづくりに関わる店舗、メーカー、問屋、職人工房、
クリエイター、飲食店等が今回なんと190組も参加。
ファッション、生活雑貨、食料品、文具、伝統工芸、インテリア、
ギャラリー&スペース、クラフト・材料など
多岐に渡る分野のお店が並びます。

職人さんたちによる実演、ワークショップ、オリジナル制作体験、製作工程展示(オープンファクトリー)、パーツや商品のセール等の企画を実施。

おすすめはやはりワークショップ。
いつもは公開していない工房で、
職人さんたちが直にモノづくりの楽しさを教えてくれます。

匂い袋やくるみボタン、ブローチづくりといった女性向けのものや、
革とアクセサリーを自分で選び手帳やペンケースをつくったり
ビアグラスのラベル製作など、
男性も楽しめるワークショップがもりだくさん! 
浅草橋にある銭湯の黒湯で布を染める
〈黒湯染めワークショップ〉なんていうのもあります。

どれもここでしかつくれない、アイデアたっぷりの
オリジナル作品というのが嬉しいんですよね。
ほか、参加店に置いてある可愛いスタンプを集めるスタンプラリーや、
バックにお好みのアクセサリーをトッピングして
オリジナルのバックを作る〈トッピングラリー〉といった恒例イベントも。

また、普段は入ることのできない〈台東デザイナーズビレッジ〉の施設公開や、
各地から選りすぐりのクリエイターが集まり
ユニークな作品が販売される〈クリエイターズマーケット〉、
昔ながらの商店が並ぶ〈おかず横丁〉も見逃せません。
モノづくりを楽しんでもらおうという工夫がてんこ盛りなので
サイトを見ているだけでもワクワクしますよ。

個性あふれる作品が買えるクリエイターズマーケット。

老舗商店街の〈おかず横丁〉がフードコートに様変わり! 3日間限定の美味しいショップが集結します。

ちなみに、今回のロゴの縄のデザインには、
〈つなぐ〉という意味が込められているそうです。
人とモノをつなぐ、人とまちをつなぐ、という以外にも
職人さん同士やお客さん同士もつなげちゃおう、
そんな思いが伝わってきます。ぜひ、散策してみてください!

information

map

第8回モノマチ(はち モノマチ)

会期:2016年5月27日(金)・28日(土)・29日(日)

会場:台東区南部地域一帯(浅草通り、隅田川、神田川、中央通りに囲まれた地域)

参加数:190組(店舗、メーカー、問屋、職人工房 等)

Web:monomachi.com

グレアムさんの京都旅行が 無印良品〈HOW to GO〉に登場。 個展も開催!

コロカルにて連載中の『グレアムさんの神戸日記』
でお馴染みのアーティスト、グレアム・ミックニーさん。
ただいま東京・丸の内の〈MUJI to GO KITTE丸の内〉にて
開催されているシリーズ企画〈HOW to GO〉に、
グレアムさんが登場しています!

シリーズ企画〈HOW to GO〉では、
京都の銭湯〈サウナの梅湯〉番頭の湊三次郎 (みなとさんじろう)さんと
グレアムさんが“銭湯旅”と題した京都旅行におでかけする模様をレポート。
無印良品のショップ〈MUJI to GO〉の新しい手ぬぐい、
ハンカチ、パラグライダークロスを紹介するリーフレットを作成。

〈MUJI to GO KITTE丸の内〉の会場では、
実際の商品や旅でグレアムさんが描いたスケッチや作品、
先代梅湯の暖簾などが展示されています。

グレアムさんと一緒に旅をした湊三次郎さんは、
自他ともに認める銭湯好き。
銭湯を目当てにした旅をすることも多く、
一日10軒以上まわることもあるのだとか。
銭湯好きが高じて、廃湯寸前だった京都の銭湯〈梅湯〉の
経営に名乗りをあげ、2015年より番頭を勤めているんです。
その活動はTwitterにて発信中。

伝統技術が実現させた、 日本ならではのアートがここに。 『REVALUE NIPPON PROJECT展 中田英寿が出会った日本工芸』

元サッカー日本代表の中田英寿さんが、
現役引退後、「ReVALUE NIPPON」というプロジェクトを
展開しているのをご存じでしょうか。
これは中田さんが日本各地を旅して、
伝統的な工芸、文化、技術の価値や可能性を再発見し、
その魅力をより多くの人に知ってもらうきっかけをつくることで、
日本の伝統文化の継承・発展を促すことを目的としています。

このプロジェクトで生まれてきた作品が結集する展覧会
『REVALUE NIPPON PROJECT展 中田英寿が出会った日本工芸』が、
パナソニック 汐留ミュージアムで実現しました。
2010年から「陶磁器」「和紙」「竹」「型紙」「漆」と、
毎年ひとつの素材をテーマにして作品を制作・発表してきたのですが、
ユニークな作品の生まれる大きな要因となっているのが、その進め方。

作家とデザイナーのコラボレーションは今でこそ珍しくありませんが、
ここでは「アドバイザリーボード」「工芸家」「コラボレーター」の3者がチームを結成。
さまざまな分野の専門家である「アドバイザリーボード」が
直接的なつくり手となる「工芸家」と、
アーティストやデザイナーなどの「コラボレーター」を選び、
自由な発想とスタイルで制作していきます。

「存在感のある土鍋を」というコンセプトのもと、中田英寿さん(アドバイザリーボード)、現代美術家の奈良美智さん(コラボレーター)、陶芸家の植葉香澄さん(工芸家)のチームで制作された《UFO鍋》(手前)。どっしりしているのに、そのままくるくると宙に浮いてしまいそうなたたずまいは、まさにインパクト大!

照明を落とした展覧会場に足を踏み入れると、浮かび上がる作品の数々。
素材別に展示されているものの、ひと目でその素材とはわからない作品も多く、
伝統工芸技術の奥深さを感じさせます。
どこか遠い存在だった工芸が、大胆かつポップに装いを変えることで、
ぐんと親しみやすくなるのも不思議です。

染色道具である型紙そのものを型枠に貼りつけた、照明器具《silver balloon》。伊勢型紙で知られる、三重県鈴鹿市で活躍する兼子吉生さん(工芸家)は、扇や花の形につくられた彫刻刀を用いて型紙を彫る彫刻師。東京都現代美術館チーフキュレーターである長谷川祐子さん(アドバイザリーボード)と建築家の妹島和世さん(コラボレーター)が兼子さんの型紙を選び、妹島さんが直径100センチの照明器具を設計。型紙からこぼれる淡い光が幻想的。

クリエイティブディレクターの服部滋樹さん(アドバイザリーボード)が「空間の境界線」をつくる表現者という共通点を見出し、選出した彫刻家の名和晃平さん(コラボレーター)と、竹工芸家の森上仁さん(工芸家)による《Trans-Ren》。黒い物体が彫刻、編み目のあるものが竹なのだが、彫刻と竹が融合して、不思議な一体感を醸している。

展覧会を開催するにあたり、3人の工芸家にお話をお聞きすることができたので、
それぞれの作品とともに、貴重な制作エピソードをお届けします。

一子相伝の工芸技術から生まれた、繊細で美しい竹の文字

《Takefino》 谷村丹後(工芸家)×田川欣哉(コラボレーター)×佐藤可士和(アドバイザリーボード)(写真:たかはしじゅんいち)

「Love」、「Peace」、そして中央の文章。これらはすべて竹でできています。
中央の文章は竹という言葉を使わずに竹を表現した詩になっています。
クリエイティブディレクターの佐藤可士和さん(アドバイザリーボード)、
デザインエンジニアの田川欣哉さん(コラボレーター)、
谷村丹後さん(工芸家)のチームで制作された《TakeFino》。

谷村さんの家系は奈良県生駒市高山町で500年にわたって、
お茶をたてるときに使う茶筅(ちゃせん)をつくってきました。

《Takefino》を制作した茶筅師の谷村丹後さん。一家代々継いできたこの名前は、現在で20代目!

谷村さんが制作した茶筅。先端部分は、薄く削ることによって物理的に曲げている。茶筅黒竹色糸(ピンク)5400円。(パナソニック 汐留ミュージアムのミュージアムショップにて限定販売)

「竹で文字を表すというコンセプトだったのですが、
切った竹を曲げて表現しようとしたら折れてしまったりなど、
この形に行き着くまで紆余曲折がありました。
本業の忙しい年末年始に制作期間が重なってしまったため、
当事者のひとりでありながら無理じゃないかと正直思いかけていたのですが、
縦方向に竹を差したら行けるんちゃうかと気づいたのです」

作品の詩の部分は、鏡面板に田川さんのデザインしたフォントで溝をつくり、
そこに茶筅の穂先の部分を差し込んでつくっています。
使用した竹は、茶筅で計算すると300本分くらい。
谷村さんはとにかく竹を削り続けて東京へ送り、
田川さんたちが差し込むという遠隔の流れ作業が行われました。

(写真:西部 裕介)

一方、LoveとPeaceで使われているのは、茶筅の穂先を削るときに生まれる削り屑。
「普段はどんどん捨てている部分なのですが、上から見るとふわふわしていて驚きました」

谷村さんが上京して、できあがった作品を初めて目にしたときは、
「きれいということより先に、細かい竹を差し込んだ苦労がしのばれました(笑)」
とのこと。

茶筅は伝統工芸でありながら、茶道には必需品かつ消耗品なので、
少々特殊な位置づけだと谷村さんは言います。
日本で伝統的に茶筅をつくっているのも、谷村さんが生まれ育った集落のみで、
その技は一子相伝とされてきました。

「僕自身は普段やっていることをやっただけともいえるのですが、
こういったかたちで自分のつくったものに
違う価値を持たせてもらったことがうれしかったですし、
何よりモチベーションが上がりました。
最近もSNSを見た外国の方が、わざわざ田舎道を歩いて訪ねてきてくれたりして、
昔だったら考えられないような動きが生まれています。
これからもこういう機会があったらぜひやりたいですが、
その前にたまっている注文を仕上げないと(笑)」

三浦産野菜たっぷりの 〈みやがわベーグル〉 お店は釣り具倉庫を 透明にリノベ!

今月、神奈川県三浦市に地元の野菜と小麦を使用した
ベーグルのお店〈みやがわベーグル〉がオープンしました。

場所は、宮川町の漁港の近く。
すぐそばに港と緑が見え、ゆったりと時間が流れる場所です。

こちらのお店、もともとあった民家をリノベーションし
ベーグル屋さんに生まれ変わったのですが、
その建物がちょっと変わっているんです。

日本家屋風の引き戸を開けると……

店内は明るく、広々!壁が透明になっていて、
なかから外の景色が見渡せるようになっています。

天井は、木の梁があらわになった勾配天井。
木の骨組みと壁が新鮮なコントラストを生み出しています。

辺りが暗くなると、まるで光る家!
突如登場した透明な家に、近所の方もびっくりされたのではないでしょうか。

建物の設計・施工を手がけたのは、コロカルの連載『リノベのススメ』でも
人気の株式会社ルーヴィス代表・福井信行さん。

「懐かしさを残しながら、現代のライフスタイルに寄せていくように
新しいものを組み込んでいく」と綴っていた福井さん、さすがです。
福井さんがリノベーションのこと、ルーヴィスのことについて
綴ったリノベのススメはこちらから!

〈みやがわベーグル〉は、つくること、考えること、食べることが
大好きな皆さんが、自分たちの「大好き」を形にしたお店なのだとか。

こだわったのは、三浦産の素材を使うこと。
ベーグルのサンドイッチには、三浦半島の小麦を使用したパンに
三浦半島野菜を練り込んだクリームチーズのフィリングをサンドしています。

レジがちょっとレトロだったりと、ディティールも可愛い。

川内倫子の大規模個展開催。 熊本で撮り下ろした 『川が私を受け入れてくれた』 を発表

Untitled, from the series of "Search for the sun", 2015 (c) Rinko Kawauchi

2016年5月20日(金)〜9月25日(日)、東京・港区の〈Gallery 916〉にて
写真家の川内倫子さんの個展『The rain of blessing』が開催されます。

2002年に『うたたね』『花火』で第27回木村伊兵衛写真賞を受賞し、
カルティエ財団美術館(2005年 パリ)、
ヴァンジ彫刻庭園美術館(2008年 静岡)などで個展を行ってきた川内さん。
その写真は光の粒ひとつひとつまでとらえ、ひそやかな生命の息吹や
見えないものにまで思いを馳せさせてくれるかのようです。

Untitled, from the series of "The river embraced me", 2016 (c) Rinko Kawauchi

Untitled, 2016 (c) Rinko Kawauchi

『The rain of blessing』は、東京では2012年に開催された
『照度 あめつち 影を見る』展(東京都写真美術館)に次ぐ大規模個展。
クラシックな倉庫を改装した広大な空間に、
旧作から未発表の新作まで、100点を超える作品を展示します。

今回展示される作品のなかに、熊本で撮り下ろしたシリーズ
『川が私を受け入れてくれた』があります。
これは、今年の1月に熊本市現代美術館で発表された作品群。

Untitled, from the series of "The river embraced me", 2016 (c) Rinko Kawauchi

川内さんが熊本を撮り始めたのは、
2012年に発表された『あめつち』というシリーズが最初でした。
『あめつち』は阿蘇の野焼きとイスラエルの〈嘆きの壁〉、
宮崎県・銀鏡神社の夜神楽の写真などから構成されるシリーズです。

無題 シリーズ『あめつち』より 2012年 (c) Rinko Kawauchi ※参考作品

川内さんは2000年代後半から5年ほど熊本へ通い、
阿蘇の“野焼き”を撮影していました。
その頃に熊本市現代美術館の学芸員さんと出会い、
「熊本で撮影された作品を展示したい」と依頼されたのが、
『川が私を受け入れてくれた』のはじまり。

その後、熊本市民の方から“思い出の場所と地名”と
“熊本の思い出”を書いた400文字程度の文章を募り、
集まったエピソードをもとに熊本の風景、約40か所を撮影していきました。
『The rain of blessing』展の会場では、市民の皆さんが書いた文章をもとに、
川内さんが構成したテキストも読めます。

Untitled, 2016 (c) Rinko Kawauchi

このほか『The rain of blessing』展では、
2005年に発刊された作品集『the eyes, the ears,』に収録されている作品や
オーストリアで撮影された『太陽を探して』、
出雲や鳥の群れなどを写した、本展のタイトルにもなっている
シリーズ『The rain of blessing』などを展示。
また、併設のスペース〈Gallery 916 small〉では、新作の映像作品も上映されます。

無職からのスタート? 神山町で設計を始めた理由。 坂東幸輔建築設計事務所 vol.1

坂東幸輔建築設計事務所 vol.1

はじめまして。
建築家の坂東幸輔です。

東京の吉祥寺に設計事務所を構え、京都の大学で教鞭をとるかたわら、
全国の過疎地域で空き家のリノベーションをしてまちづくりをしています。
この連載ではこれまで行ってきた
徳島県神山町や出羽島での「空き家再生まちづくり」の活動や、
現在進行中のほかの地域のフレッシュな活動を紹介していけたらと思っています。
みなさま、半年間のおつき合いよろしくお願いします。

全国で地域に残る古民家や空き家、廃校などをリノベーションして、
ゲストハウスにしたり、カフェにしたりと
いまでは、コミュニティを盛り上げるまちづくりが活発に行われています。
私が神山町で空き家再生の活動を開始したのは、
今ほど空き家の活用が盛んではなかった2010年からです。
それよりも少し時間を遡って、
まずはどうして私が日本の過疎地域に関わるようになったかということから
ご紹介したいと思います。

リーマン・ショックで大きく変わった価値観

ハーバード大学大学院デザインスクールの卒業式の様子。

私は2006年9月から2年間、
ハーバード大学大学院デザインスクールで建築の勉強をしました。
世界中の有名な建築家や優秀な学生たちが集まるハーバード大学の授業は
大変刺激的なものでした。
スラムの健全化や公害・災害復興の支援など
社会的な問題をデザインの力で解決しようという、
建築による社会貢献の精神が教育の根底にありました。
設計の授業でトルコやギリシャ、ブラジルを訪ね、
社会問題解決のために実践している建築デザインを、
現地の建築家に建築や都市を案内してもらいながら学んだ経験は、
今でも私の活動の糧になっています。

いつかは指導をしてくれた建築家たちのように、美術館や音楽ホールといった
大きな公共的な建築を都市の中に設計して社会の役に立ちたいという夢を持って
ハーバード大学を出ました。

ハーバード大学を出たら世界中の設計事務所で働けると思っていたので、
設計を指導してくれた先生のオフィスに入ろうと願書を送る前から、
先生のオフィスのあるニューヨークに引っ越しをしました。
2008年9月のはじめのことです。

しかし、引っ越しをした翌週にリーマン・ショックが起きてしまい、
ニューヨークの会社はどこもリストラの嵐。
建築家を数百人抱える大手設計事務所が大規模なリストラをするなかでの就職活動は
ひとつも実を結びませんでした。
2010年に東京藝術大学の助手になるまでの2年間、
私はほぼ無職の状態でした。

リーマン・ショックによって失った海外の設計事務所での経験、
この頃から大きな企業や組織といったものに頼って
生きることへの疑問を感じるようになりました。
そういう疑問を抱えながら出会ったのが神山町でした。