白神そだちのアワビは、 環境と縁のたまもの

秋田県と青森県の県境に位置し、世界自然遺産の白神山地を背に
日本海のパノラマが広がる自然豊かな秋田県八峰町。
背後に白神山地中央部となる核心地域が迫っており、
八峰町の青秋林道からが核心地域への最短ルートとして知られている。

白神山地のブナの森は、“天然のダム”ともいわれる自然界の栄養源だ。
落ち葉が堆積して肥えた土は栄養をたっぷりと含み、
冬の間に積もった雪は地面に染み込んで濾過され、
何十年も後に湧き出て渓流となり里山、海へと流れていく。
岩場と砂地が混在する地形も相まって、
このあたりはハタハタが集まることで知られ、海の生態系はとても豊かだ。
移動をしない貝類には、絶好の棲み家であり、
天然の牡蠣やアワビが昔から多く獲れたという。

白神の山々に抱かれた八峰町。豊饒の恵みをうけて、海の生態系も豊か。ここでは天然アワビが獲れる。

そんな八峰町で、現在、アワビの養殖プロジェクトが行われている。
廃校になった小学校を養殖所として再利用しているというので訪れてみると、教室や体育館にずらりと水槽が並んでいた。
気持良さそうに籠に貼り付いたアワビはここで大きくなり
短くて20日、最大で6か月ほどで出荷されていく。
教室の窓には全面に断熱材がはられている。
エアコンで効率的に室内の温度管理をすることで
水を直接冷やすよりも節電しながら、養殖ができるそうだ。

アワビの養殖にとって、重要なファクターは水だ。
ここは、冬は荒天が多く、地形も険しいことから海で養殖をするのは難しい。
アワビの成長に従って排泄物による大腸菌やアンモニアなどが
気になるところだが、この養殖所は、海からすぐの場所にあり、
海水を直接敷地内にひくことができたので、
2日に一度、水槽の水をすべて入れ替えをしているという。
常にクリーンな環境を保つために、
天候に左右されない施設づくりをここでは行っているのだ。

水槽は全部で57基ある。アワビ養殖を開始する際、地方新聞に記事でとりあげられたことで、その記事を読んだ北海道の会社から提供されたという。あわびのエサは男鹿をはじめとした国産昆布と贅沢だ。

「泣ける!広島県」全国で話題沸騰!Perfumeが表紙を飾った広島・究極のガイドブック

かつて、県の広報資料がこれほどまでに話題になったことが
あったでしょうか?!
2014年7月、広島県の新・観光キャンペーン「泣ける!広島県」
の発表とともに発行されたガイドブック「泣ける!広島県」が
このたび大好評につき増刷。東京・広島ブランドショップTAUや
大阪・広島県大阪情報センターなどで昨日から再配布を行いました。
なんと広島では、配布前に100メートル以上の長蛇の列が。1000冊が30分で
配布終了、TAUでは昨日一日で約2,500冊を配布したのだそう。

ガイドブックは126ページの大ボリューム。
広島の名所やグルメスポットなど
見どころがたくさん、しかも面白い切り口で紹介されています。
広島県出身の「Perfume」が表紙を飾り、
撮りおろしのグラビアやインタビューも行なわれるなど、
県によるガイドブックとしては異例の斬新なアプローチ。
編集長は伊藤総研さん、クリエイティブ・ディレクターは
江口カンさん。気鋭のクリエイターらの参加によって、ビジュアル、
コンテンツともに既存のガイドブック以上の充実ぶりとなりました。
それでは本の中身をちょっとだけご紹介。

Perfumeのインタビューも。がんばっている姿は見せず、影で努力するのが広島人なんだとか。ほか、西田尚美、堂珍嘉邦、エドツワキさんらのインタビューも。

撮影はホンマタカシさん。広島市の路面電車、お好み焼き屋、尾道などを巡っていきます。

「失恋センチメンタル旅」「人情ホロリ旅」などテーマ別に広島の旅を案内する「ひろしまジャーニー」。Webでも見れます。

おいしいだけじゃない、ツッコミどころのある「おしい!」メニューのガイドも。

カワイイ!広島カープファンの「カープ女子」も掲載。

入手できなかった方は、Webでも
内容の一部を読むことができます。
また、全国47都道府県立図書館に閲覧用として寄贈されたとのことですので、
こちらについては広島県観光課観光プロモーショングループ(082-513-3398)宛に
お問い合わせください。図書館のリストはこちら

泣ける!広島県

シーンデザイン 一級建築士事務所 vol.01: そこにあることの意味に 想いを巡らすこと

シーンデザイン一級建築士事務所 vol.01 
リノベーションの魅力を知る

9年前の2005年、冬季長野五輪を終えてから8年。
かつて開会式会場をはじめ、オリンピックの中心地となり賑わいを見せた長野市でしたが、
その頃にはうってかわって中心市街地の空洞化が顕著となっていた時期でもありました。
そんな状況のなか私は地元長野の設計事務所、宮本忠長建築設計事務所在籍中に
中心市街地の百貨店跡地再開発の一担当者として関わっていました。
たくさんの古い建物の解体撤去から
現在の再開発ビル群が完成するまでの一部始終を見ることとなり、
長野市の中心市街地の大きな転換点を体感することにもなりました。

古き良き時代の……などというノスタルジックな気持ちではなく、
なんとなくこのプロジェクトに関わっている間中、
心のどこかで気にかかる事柄がありました。

それは、初めて経験する“再開発の現場”が、
都市の多様な考え方や思いを画一化する作業をしていくように思えたことです。
再開発プロジェクトに対する批判ではなく、
そうせざるを得ない状況も多々あることで仕方がないことでもあると思っています。

その一方で、この再開発とほぼ同時期、
私はもうひとつのプロジェクトに携わっていました。
善光寺表参道大門町に江戸の頃から続く老舗旅館「藤屋御本陣」の
リノベーションプロジェクト「THE FUJIYA GOHONJIN」です。
この周辺地域の再生をも視野に入れた老舗旅館のリノベーションと
中心市街地再開発のふたつの案件を担当しながら、
時には同じ日に両方の打ち合わせを行ったりもしていました。

まちの“つくりかた”にはいろいろな方法があるのだと思いますが、
このふたつのプロジェクトほど対照的なものはありませんでした。
どちらも、事業としての成功は企業にとって大きな願いであるし、
まちを元気にしたいという気持ちは同じベクトルのはずですが、
アプローチは全てが真逆でした。どちらが良い悪いといった話ではなく、
同じ時代、同じ地域のまちづくりの一端を担うプロジェクトの意思決定のプロセスが、
これ程までに違うものかと単純に驚き、戸惑ったものでした。

この経験から、リノベーションについて……というか
“つくりかた”について、いろいろなことを考えるようになり、2006年に独立をして
「シーンデザイン一級建築士事務所」を開設するきっかけにもなりました。

独立後、自分の設計事務所の仕事のほかに「ツリーハウスプロジェクト」や
「プロジェクトカネマツ」などの活動も行っています。
それについてはコロカルに取材されたこともありますが、
(山崎 亮ローカルデザイン・スタディ#052 参照)
この連載でも後々もう少し詳しく触れるとして、今は仕事も、そのほかのプロジェクトも、
2005年に携わったあのふたつのプロジェクトに感じた違和感を片隅に留め
“つくりかた”に心を置きながら取り組んでいるように思います。

土屋ビルとの出会い

そんなことを思いながら4年、
2009年のはじめに「THE FUJIYA GOHONJIN」の仕事でお世話になった方を通じて、
築52年の鉄筋コンクリート造の土屋ビルという建物のリノベ計画のお話をいただきました。

善光寺へと通じる長野市中央通り、
長野冬季オリンピックの表彰会場にもなった「セントラルスクゥエア」のほど近くにある
「土屋ビル:長野外国語センター(現ナーガ・インターナショナル)」のことは、
実を言うと知りませんでした。というより、
雑多なまちの風景に完全に溶け込んでしまっていたそのファサードに
意識的な眼差しを向けることがなかったからです。
きっと、ある日、突如としてここが更地になっていたとしても、
かつてここに何があったのか思い出せなかったかもしれません。

リノベ前の土屋ビル外観。周辺には木造、RC、鉄骨、新旧建物が混在している。

この土屋ビルはこれまで、さまざまなテナントが入居してきましたが、
今は「ナーガ・インターナショナル」という語学学校になっています。
英語のみならず、さまざまな国のことばを学べ、同時に文化の違いや、
違う言語の人たちがお互いの考え方を理解するためのお手伝いをする、
長野では老舗の語学学校です。

当時、長野外国語センター30周年の節目を迎えるにあたり、
オーナーは建て替えるのではなく、もう一度このビルに新しい息吹を吹き込んで
リユースすることを選択し、シーンデザインに声をかけてくれました。

さて、依頼を受けてからまじまじ建物を見てみると、3階以上の外壁は、
ほぼすべて金属でできた飾り格子で覆われているという、
かなり個性的なファサードを持った建物であることがわかります。

でも、歩いている人の目線には、こんな光景しか見えません。

エントランスは、所狭しとサインで埋め尽くされていました。

自分が何者であるか、名札をたくさん貼られ、
かえって自分の個性に自信をなくしてしまっているようで建物が可哀そう……。

いや、でももしかしたら、
この特徴的な外壁の飾り格子は室内からはとても役立つ機能を持っているのかもしれない。
たとえばまぶしい日差しを遮るブラインド的な役割とか。

さっそく内部から飾り格子部分を見てみると……

通りに面した空間がもったいない使われ方をしています。

うーん……内部は室内を石こうボードで間仕切られ、室内は倉庫と化していました。
外壁に施された飾り格子には
何の意味も機能も期待されなくなって久しい現況が見て取れまました。

あの鉄格子のファサード、すごく個性的で、この建物にとってなくてはならない、
素晴らしい特徴になり得る可能性をひしひしと放っているのに、
使用者がそのことを忘れてしまっていたり、あるいは気付いていなかったり、
そんな状況がそこにはありました。

近年、リノベーションという言葉や活動を頻繁に目や耳にしますが、
ただ単純に時代の変化を押し付けたり、
目的や用途の変化に合わせて着せ替えても建物は生きてこない。
使う人たちが建物の性格をよく理解してあげていれば、
もっと魅力的な建物になっていくと思うのです。

世の中のどんな建物も、つくられた当時は
必要とされて生まれてきたに違いはないですよね。
でも、この長野外国語センターも然り、
たいていの場合リノベの依頼を受けて古い建物を下見にいくと、
大概、建物が物理的にダメというよりも、使い手がこの建物の神髄を理解しておらず、
無用の長物にしてしまっている、ということが多いように感じました。
そして、もっと、建物の声に耳を傾けたい、そう思ったのです。

“いいところ”を伸ばすデザイン

調べてみると、土屋ビルは1962年(昭和37年)に竣工し、
長野市では鉄筋コンクリート建築の先駆けであり、
当時は長野で一番高いビルと大変な注目を集めていたそうです。

時は流れて周辺にはより高層の建物が建ち並び、
ビルの用途も薬局、ブティック、ケーキ屋、喫茶店、ディスコ、外国語教室と
さまざまな業者が入れ替わり、その都度改装が重ねられてきました。

改装が重ねられるたびに使用者が変わり、用途が変わるたびに
竣工当初にこの建物に込められた願いは薄れ、忘れられてきたのでしょう。
もはや、飾り格子が何のために施されていたのか
外国語センターの誰も憶えていませんでしたが、
そんな建物の“いいところ”を見つけ出し、
伸ばしていくことができたらと思い、このビルの改修プランを考えました。

依頼を受けてから7か月が経った2009年7月。
実施設計が終わり、いよいよ工事が始まります。

厨房床の跡など、解体工事で建物の履歴が推測できます。

まずは解体工事です。

建物の素顔を見ることができるので、私はこの解体の工程が好きです。
度重なる改修の痕跡を辿るうちに、
建物が本来持っている思いがけない表情に出くわしたりすることも多々。
例えばケーキ屋時代の防水床の跡だとかディスコ時代のミラーボールの残骸など。
今は真面目で教育熱心な先生が、実は昔「暴走族だったんだぞ」と。
そんな話に似ています。
解体してみて初めてわかることも多いから、
その都度、設計を修正しながら工事は進みました。

そして、今回のプランの目玉は、
この建物の最大の特徴である飾り格子をどう生かすかというところに絞られました。
なぜなら、外壁の飾り格子と窓との隙間で見つかったライトアップ用電源などから、
約50年前の竣工当初、まだ明かりが少ないまちなかで、
このビルは行燈のように浮かび上がっていたらしいことがわかったからです。
きっと、当時のまちのランドマークだったのだと思います。
今回の工事では当時のデザインコンセプトを尊重して、
ライトアップを復活させることにしました。
ただし、どんな光源や角度でライトアップされていたかは、
資料が無かったのでわかりません。

この飾り格子には、どんなライトアップが似合うのか、関係者総出で実証実験です。

そこで、クライアントや工事関係者を交えて、
どんなライトアップがこの飾り格子を美しく見せることができるのか実験をしました。

通りを歩く人も、車で通り過ぎる運転手も、みんなこの建物を見上げていく。
その姿を見るのが楽しかった。聞き耳を立てると、行きかう人々からは
「何ができるの?」「いつの間にできたの?」
なんて、会話が聞こえてきます。この建物は約50年間、ここに建っていたのに(笑)。

こうして、照明の色や角度、光の強さなど、
関係者みんなが納得のライトアップが決まりました。
テーマは多文化の融合。外国語センターという用途に由来してのことでした。
その他、外装の工事は1階エントランス部分のみに留め、
2階以上の外壁は既存を生かす計画として、内部に少し手を加えました。

生まれ変わった土屋ビルの外観(でも外装で変えたのは1階部分のみ)。

その他、語学学校の教室となっていた2階の部屋の窓に多数貼られていたサインシート。
これをすべて剥がし、外からも授業の様子がうかがえるようにしたり、
ラウンジで生徒が講師の先生と会話している様子が外からちらちら見えたりします。
内部のアクティビティーがまちに漏れ出すことが建物の表情を豊かにし、
もう過剰なサインが無くても、
語学学校であることは建物自体が語ってくれるようになりました。

内装は暖かい色調で、親しみが持てる雰囲気へと変えました。

土屋ビルがリニューアルオープンしたのは2009年9月のこと。
土屋ビル改修の仕事は、私にとってある視点を得る、転機となるものでした。

そこにあることの意味に想いを巡らすこと

何らかの意図をもってつくられた建物の記憶をたどること。
それは謎解きのようでもあり、新しい物語を綴る作業のようでもあります。
その建物や空間は年月とともにどう進化したか。
ここで何が起こり、それはどのように進展または消滅したか。
模様替えされたところとされなかったところはどこか、そしてそれはなぜか。

そんな風に問いを常に建物に投げかけては想像する。
いま既にあるものを無視したり、否定することなく、
肯定するところから始める姿勢が、まちとどんな関係を
これから結んでいけるのかを考える大事なきっかけになると学んだ気がします。

そして、まちには同じような境遇の建物がたくさんあるかもしれないし、
まずは今ある建物のことを、みんなが“知る”だけでも
まちは変わるんじゃないかと思うようになりました。

真新しいビルに囲まれても、そのなかに埋もれることなく、
むしろ50年間このまちに存在し続けたことを誇らしげに建つことができた土屋ビルは、
見る人にいろいろなことを語りかけてくれたのではないかと思います。

そんなわけで私はリノベーションという“つくりかた”の面白さを確信したのです。

information


map

シーンデザイン一級建築士事務所

住所 長野県長野市 東町207-1 KANEMATSU内
電話 026-262-1178
http://scenedesign.jp/

新潟県十日町の「山ノ家」で今年も開催!創作料理でもてなす「夏宵の行灯 茶もっこの宴」

新潟県十日町市松代のカフェ&ドミトリー「山ノ家」。
古民家のような外観と、洗練された居心地の良い内装を
併せ持つスペースです。

こちらで、2014年8月16日、17日にイベント「夏宵の行灯 茶もっこの宴」が開催されます。
松代の伝統工芸「伊沢和紙」で作られた行灯を灯し、
自慢の地酒や郷土料理、地産地消の創作料理を振る舞うもの。
スペシャルゲストも続々登場の予定で、
主催者のひとりである山の家さんいわく、古民家などで開催される宴席をハシゴして、
一緒に盛り上がりましょう!とのこと。
また、昼間に行灯のワークショップも行われる予定です。

昨年開催された「夏宵の行灯 茶もっこの宴」の模様

「茶もっこの宴」は昨年から始まり、3度めの開催。
もともと、山の家があるほくほく通りは、江戸時代から街道筋として栄えて
いたところ。足を休める旅人たちにあたたかく声をかけ、
お茶を飲みながら話をする「茶もっこ」とよばれる文化が
古くから伝わっているのですが、この気質を外から来た人に
体験してもらおうというのがきっかけで始まったイベントなのです。
詳細は下記Facebookページにて!

夏宵の行灯 茶もっこの宴
会場:ほくほく通り周辺、山ノ家
料金:¥3,000(パスポート制)*地元割引あり

つるつるプチン!  “食べるエメラルド”でまちおこし

“蓴菜”と漢字で書いて、よみがなをふるのに躊躇しない人のほうが珍しい気がする。
この難しいよみがなの食材は、日本を始め、アジア各地で採れるもの。
秋田県三種町では、今が収穫の最盛期だ。
ヒントは、黄緑色。周りが透明なゼリーに覆われていてヌルヌルの触感。
口にいれるとつるんとした食感で、噛むとプチン!
どちらかといえば喉越しが涼感を誘う食材だ。
筆者は、一般家庭の食卓で、これが出てきたのを見たことがまずない。
日本料理のお膳で小鉢に酢の物として入っていたり、お吸い物に少しだけ入っていたり……
稀少な高級食材というイメージだ。

蓴菜と書いて、じゅんさいと読む。今が旬の食材は、生産地ではこんな風に売られている。見よ! このギュウギュウな詰まり具合!

ある日、三種町の直売所「じゅんさいの館」で、
はちきれんばかりにじゅんさいが詰まったビニール袋を
いくつも買い物かごに入れていくオバサマを発見。
「こんなに買ってどうするんですか?」と聞くと
「今の時期は毎年関東さいる親戚に送ってやるべ。
食べるなら、やっぱり“生”じゃねえと」とのこと。
……生!?
小瓶に入った加工食品のじゅんさいは見たことがあるけど
ビニールいっぱいに入った大粒の生じゅんさいは初めて。
ぷっくりと食べごたえのありそうなイキのいい様子は、
5〜8月だけのお楽しみなのだとか。
この時期は、酢のものや汁物などに調理され、
現地では朝から晩まで毎食の食卓にのぼることもあるという。
「今時期の朝ごはんはじゅんさい汁、昼はじゅんさい丼、
夜はじゅんさいの酢の物だねえ」と、おばちゃんは嬉しそう。

じゅんさいは、スイレン科の多年生水草。淡水池に群生しているハスのような水草でゼリー状のぬめりに包まれた若芽が食用である、と聞くと、なんとなく納得できるような。

北海道から九州まで全国各地にじゅんさい沼はあり、
それこそ昔はどこででもじゅんさいは採れたのだが、
高度成長期の波や環境の悪化により、じゅんさい沼自体が減少した。
今ではここ、三種町が国産じゅんさいのなかで
90%のシェアを占めているという。
なので、生産量は文字通り日本一である。
なぜ、ここがじゅんさい栽培が盛んなのかというと、
昭和44年の減反政策が実施された際に
当時の山本町(現在は合併して三種町)の町長が
転作農産物としてじゅんさい栽培を提案したことから、
田んぼがじゅんさい沼として使われるようになったという。
何よりも、三種町は水資源が豊富で、
世界遺産で有名な白神山地の水を貯水した素波里ダム湖の水をひいていたり、
地下水の湧き出る沼があったりと、じゅんさい沼を作るのによい条件の土地だったのだ。

じゅんさい沼は、農薬や化学肥料が混ざった水が入ってくるとその時点でアウトだ。
清廉な水と里山の生態系がちゃんとある良い環境でしか育つことない繊細な植物である。
というわけで、じゅんさいは恵まれた土地の姿を表す
貴重な食材であることがわかるだろう。

慣れた摘み手が1時間、じゅんさいを摘み続けて、その成果は、2〜3kgほど。

実は、三種町はじゅんさい沼存続の危機を数年前から課題としている。
じゅんさいはじゅんさい沼に箱船を出し、ひとりひとりが腰をかがんで頭を下げ、
水の中に手を入れて若芽を選んで摘んでいく。
大変細やかな作業で、慣れた人と慣れない人の収穫量は歴然だ。
田んぼを積極的にじゅんさい沼に変えてきた世代は
6〜70代の高齢者になってしまい、摘み手が高齢化。
今、摘み手がどんどんいなくなってきているのだ。
摘み手は1年にこの時期だけしか働く需要がなく、
季節労働なので、定期的な雇用の確保は難しい。
そうは言っても、手入れをしていないじゅんさい沼は
あっという間に生態系が崩れてダメになってしまう。
そんな重大な問題をいつまでも放っておくことはできない。
このままでは、じゅんさいどころかじゅんさいのできる環境すら
失ってしまうことになってしまうかもしれないのだ。

研修を受けて季節で働くふたりは主婦。家事労働の傍ら、この時期はじゅんさい摘みを行う。「なかなかはまりますよ〜」とひとりの方は意欲的。もうひとりの方は「う〜ん、今後摘み手を続けるかはわからない」という答え。

じゅんさいをサステイナブルなまちのビジネスに。

「国産日本一」は国内に流通しているじゅんさいの
3割のうちの90%でしかないことも忘れてはいけない。
中国や韓国などの外国産との価格競争もある。
現実を見ると、今後若い世代にじゅんさいを残していくことは難しいかもしれない、と
三種町でドライブイン、「ぴっといん丼・丼」を営む
戸嶋 諭(さとし)さんは危惧している。

男鹿半島出身の戸嶋さん、「三種からまちおこししていかないと、故郷の男鹿もさびれていってしまうよ」と心配する。

戸嶋さんはこれまで、特産の白神あわび茸を使ったまちおこしグルメ、
「みたね巻」に挑戦したり、地元の食材で作る「ライスピザ」を開発したりする傍ら、
三種じゅんさい料理推進協議会の副会長を務めている。
一昨年は、地域の飲食店とともにじゅんさいをたっぷりとご飯の上に乗せた
「三種じゅんさい丼」をお店で提供して、三種町にじゅんさいあり、と盛り上げた。

「ご当地グルメで丼選手権に出たりしたこともあるんだけどね、
もっとじゅんさいを消費できるもの、まちの経済活性化につながるものを
つくらなくてはいけない、と思ったんだよ。
そこで考えたのが、生うどん。
生じゅんさいを生地に練り込んで製麺してみたら周囲にも美味しいと好評で。
特産品の梅も一緒に練り込んでみたら相性もよぐてね」

戸嶋さんが開発した、ほのかにじゅんさいの緑色が入った「みたねうどん」。北海道産小麦100%に三種町のじゅんさいと梅林で有名な琴丘地区の梅が入った自家製麺で添加物なし。現地で食べるとさらにたっぷりとじゅんさいがついてくる!

こちらはカルボナーラならぬ、プルルナーラ。もちもちでしこしことした触感はパスタのように調理してもあう。生じゅんさいもクリームパスタにあうなんて、意外! 三種町ではじゅんさいうどんをアレンジしたものを町内の加盟レストランで食べることができる。

喉越しがよく、コシもある。
梅が入っているので少しだけ酸味もある。
三種じゅんさい丼を考えるときにじゅんさいと梅は相性がいい、と気づいたのを
そのままうどんにも応用してみたら、正解だった。

今まではじゅんさいであれば茎も葉も粉末にして練り込んだうどんはあったが、
それでは加工業者だけが儲かるシステムだから、と
戸嶋さんは摘み手が大切に採った生じゅんさいの若芽の部分のみを使っている。
厳選した素材を生うどんにして商品化し、
地元からいろんな場所へと売れていけば、地域に利益を還元できる。
摘み手などの永続的な雇用に結びつくのではないかと考えてのことだった。
確かに、この方法ならば生じゅんさいを冷蔵で
ストックしておくと、必要に応じていつでも使うことができるし
時期的な販売のムラは解消できるかもしれない。
戸嶋さんの打つうどんに、まちの未来が託されている。

一方、若い世代も負けて入られない。
じゅんさい情報センターの畠 譲(はたゆずる)さんは、30代後半。
中堅世代として、地域の若い人たちがじゅんさいのことを
自分たちのものとしてとらえていき、
また、どのように関わっていけるのかを模索している。
そのために、世代が上の戸嶋さんや他の飲食店の人たちとも
侃々諤々(かんかんがくがく)としたやりとりをすることが多いという。

東北地方の各地のガイドなどを作っていた経験のある畠 譲さんは、各地の地域おこしの例などを取材し、またその情報の出し方なども学んで地元に戻ってきた。

畠さんの着用している「NO JUNSAI, NO LIFE」は
じゅんさいやきりたんぽを販売をする安藤食品の若者ふたりがつくっている。
そのほか、「I LOVE♡蓴菜」ヴァージョンや缶バッジなどもあり、
有名なコピーをもじったもので、親しみやすさを醸し出している。
彼らは、SNSでも積極的にじゅんさいやきりたんぽなどの魅力を発信しており、
畠さんもマスコミ応対のときは制服のように着用し、
じゅんさいの宣伝活動には大活躍だ。

「フレッシュな感覚をもってすれば
こんな風にじゅんさいに内包されているメッセージを伝えていくこともできます。
正直なところをいうと、60代など上の世代はとても元気なので
地域活動は、彼らが中心になってきたところはありました。
若い世代は仕事が忙しかったり、また引っ込み思案で発言できなかったりと
世代間のミゾがあるのは確かです。
若者が自分たちで手をあげていけるような雰囲気になるように、
つなぎ役として機能できたらと思いながらこの仕事をやっています」
という畠さん。

畠さんは、じゅんさい情報センターの仕事だけではなく、
Ustream番組「はたフリちゃんねる〜HataFree?〜」の
パーソナリティーとしてじゅんさい以外の地域情報の発信もしている。
ちなみに、木曜の生放送を見てみたのだが、
やっぱり畠さんはじゅんさいTシャツを着ていた。

じゅんさい摘み採り体験でじゅんさいに親しむ。

畠さんに勧められ、せっかくなのでじゅんさい摘み採り体験をやってみた。
「食べるエメラルド」と称されたじゅんさいの摘み採りは
エメラルドだらけの沼に木の小船で漕ぎだし、
自ら宝を探しに行くようなものだ。
葉影に隠れてなかなか探し出せないじゅんさいを
最初は畠さんに「ここにありますよ」と教えてもらって摘み採る。
発見も難しければ、摘み採りもなかなかうまくいかない。
葉のついている茎とじゅんさいのついている茎の
根元を親指で切り、沼の根っこからまずはじゅんさいを切り離す。
手がぬるぬるして爪が役立たない。
その後、葉のついている茎とじゅんさいを切り落とすのだが
それも慣れている摘み手は“鋼の爪”を親指にはめて片手でぷちぷち切っていく。
「あ〜私も、鋼の爪が欲しいです」
と嘆いたら、畠さんは「鋼の爪を使いこなせるまでが難しいんです」と一言。
摘み手になるには訓練が必要でありました。

じゅんさい摘み採り体験は8月いっぱいまで可能。事前にじゅんさい情報センター(0185-88-8855)に問い合わせを。大人ひとり1800円で採った分は持ち帰りができるようビニールで包んでくれる。黙々と採っていると無の境地に達し、まるで瞑想をしているかのような状態に。ゼリー効果なのか、手がつるつるになるおまけつき!

さて、摘みたてのじゅんさいを持って宿泊する農家民宿へ。
あらかじめ、「じゅんさいを持っていくので鍋にしたい」と
頼んであったのもあり、かなりの量が必要だった。
実は、素人が1時間で採れる量など、ざるの下にたまるくらいしかない。
これでは夕食にじゅんさい鍋を作ってもらうのに足りない、ということで
「じゅんさいの館」で冒頭に出会ったおばちゃんと同じように
ぎゅうぎゅうに生じゅんさいが詰まった袋を購入した。

夕方になるとあんなにあったじゅんさいも売り切れ間近。みんなで採った体験をもとに美味しそうなじゅんさいを目利きしてみようとするも、どれもぷっくり美味しそうでわからない。「小さくて葉が開いていないのがいいんだや〜」と、また、通りがかりのおばちゃんに教えてもらう。

夏に鍋? というと驚く人もいるかもしれないが、
じゅんさい鍋は生じゅんさいの出る時期のお楽しみで、
暑い時期にふーふーいいながら
コラーゲンたっぷりの比内地鶏のスープで
じゅんさい鍋を食べるのが地元ではおなじみなんだそう。
ついでに冷やの生酒も一緒にいただけば、
これはもう、もち肌麗しい秋田美人が生まれる環境はばっちりというわけだ。

食物繊維がたっぷりのゼリーに包まれたじゅんさいの若芽。低カロリーでヘルシーな食材でもある。もちろん、締めはじゅんさいうどんで!

じゅんさいは、つくられる環境が保たれていることで
初めて食卓にのぼる食材だ。
摘み手の顔が想像できるスローフード、と
パンフレットに書いてあったが、まさにその通り。
白神山地と水、里山、摘み手、流通、食べる人という
循環のリズムで、ゆっくりと土地が育まれていく。

宝石のエメラルドの石言葉を調べてみると、
「希望」や「新たな始まり」「喜び」など未来に向かっている意味のものが多い。
食べるエメラルド、三種町のじゅんさいも
まちの未来につながる宝物であり続けますように。

大館市より、秋田犬 「ののちゃん」日記 第3回。 かき氷にワールドカップ。 のの、初めての夏。

すこし間が開いてしまいました。こんにちのん。

ののが働いている大館市も夏本番。
大館市は秋田県の北部に位置していますが、
内陸の盆地ということもあって、夏場はなかなか暑くなります。
ご近所の「河田氷や」さんでカキ氷をいただき、夏バテしないように
注意しながらすごしておりますよ。

河田氷やさんでは、カキ氷に「純氷(じゅんぴょう)」という
じっくり時間をかけてつくられた氷を使っていて、
とっても口当たりがやわらかいんですのん!

7月の思い出といえばサッカーのワールドカップ。
開催中はののもユニフォームを着て応援していました。

コートジボワール戦の時は大館市桂城公園でのパブリックビューイングに参加。
みんなで円陣を組んでいざ応援!
いっぱい声を出して応援しましたが、結果は残念・・。

試合の後は気を取り直して石田ローズガーデンでバラ祭りを見てきました。
なんと、きりたんぽキャラのぽんた君ときりこちゃんに遭遇!う~ん白くて太い!
のののおててにそっくりのん!

秋の「大館・北秋田芸術祭」会期中には
大館市の「大館樹海ドーム」できりたんぽまつりも開催されます。
芸術の秋も食欲の秋も同時に楽しめるチャンスですのんで、ぜひ来てください!

ちなみにののはいっつも「食」に貪欲なので、「食欲の秋」が来たらどこまで
大きくなっちゃうんだろうと乙女心に少しやきもきしてますのん。
それではまた次回のん!

ゼロダテ秋田犬 「のの」

ゼロダテアートセンター

MAD City vol.10: きっかけをつくる! 「成長する空間」をつくり続ける 建築家

MAD City vol.10
成長し続ける空間づくりとは!?

千葉県松戸市は年2回のお御輿、花火大会、献灯祭り、松戸まつりなど、
地域イベントも盛んな土地柄。
その都度MAD Cityの関係者も関わらせていただいたり、
ほかにもMAD Cityが運営するイベントスペースFANCLUBなど、
毎週のようにさまざまなイベントが開催しています。
そんなとき、MAD Cityがいつも「知恵袋的存在」として頼りにしているのが、
建築家・デザイナーの西尾健史さんです。

松戸在住の西尾さんは、数年前からMAD City周辺で開催される、
イベントの什器制作などでよく中心となって活躍してくださっており、
もはやMAD Cityにはなくてはならない重要人物なのです。

実はMAD cityの新オフィスの設計や家具の制作をしてくださったのも西尾さんです! 本当にお世話になりっぱなしです!

ちなみに、普段西尾さんがメインで手がけているお仕事は、
都内を中心とした展覧会の設計デザイン、プロダクトのデザインなどです。
たとえば……。

渋谷パルコで開催されたネコ好きクリエイターたちによる、ネコをテーマにしたポップアップショップ「POPMOTTO du CAT LOVER」。こちらのデザインと什器制作は西尾さんが担当! おしゃれです。

森アーツセンターギャラリーで開催された「スヌーピー展」の物販スペース。こちらの会場設計も西尾さんが行ったとか。壁面がゆるやかにつながっていてお店というよりひとつの家のようになっているのが特徴です(photo:kenta hasegawa)。

東京でもデザイナーとして活躍している西尾さんが、
いったい松戸ではどんな活動をしているのか。
今回はそれをちょっとご紹介したいと思います。

たとえば、前回紹介したMAD マンションの住民の方で、
屋外で「食」に関するイベントを行っている、
フードユニットteshigotoさんを中心に開催された「Outdoor Kitchen」。
これは松戸中央公園の林のなかでかき氷を作って食べるというイベントだったのですが、
西尾さんはキッチンカウンターのデザインと制作を担当してくれました。
「さまざまな場所でこのカウンターキッチンを使用したい」
というteshigotoさんの要望に応えて、分解ができて、どこででも組み立てが可能。
さらに移動も可能なキッチンカウンターをつくったのだとか。
ちなみに、全部西尾さんの手づくりです。

また、MAD Cityが管理する物件 古民家スタジオ旧・原田米店にある
「松戸探検隊ひみつ堂」さん。
この古民家物件の改装デザインを手がけたのも西尾さんでした。

もともとは何年も使われていなかったこのスペースが……

素敵な観光案内所になりました!

いまでこそ、デザインのみならず、インテリアや家具など
実際に「つくる」ところまで手がけている西尾さんですが
実はこの頃はまだあまりリノベやDIYをやったことがなかったのだとか。

「ひみつ堂さんは、色んな条件が重なり、
僕がDIYリノベをやりはじめるきっかけとなった物件だったので、思い出深いですね。
本格的に大工修業をしたことがあるわけでもないので、
最初は『ちゃんとできるかな』と心配だったんですが、
意外とやってみるとできるもので(笑)。
この物件に携われたのは、ものづくりの達成感以上に
DIYのもつ魅力を感じることができて、すごく自信になりましたね」

出身は長崎で、数年前まで都内に住んでいたという西尾さん。
いったい、なぜ松戸に興味を持つようになったんでしょうか。

西尾さんが松戸に興味を持つようになったのは、
以前の職場が柏だったので土地勘があったということがひとつ。
もうひとつは、MADCityを知り、
いい意味でも悪い意味でも「手を入れる余地を感じられるまち」だったから。

「最近は、いろんな地方都市でその土地に合わせて
デザインの取り組みがおこなわれるようになってきています。
松戸も都心に近く、人口も多いので、おもしろいことができるはず。
活動や取り組みがまちの人に受け入れてもらえれば、
少しずつかもしれないけどきっと成長していくと思うんですよね。
だから、僕はそのきっかけになる『場やコト』を松戸でつくれればいいな、
と考えています」

そんな西尾さんが空間づくりのときに常に大事にしているコンセプトが
「これからの暮らし方、及びそれを取り巻く状況全般をデザインする」ということ。

「僕はもともと単に建築物をつくったり、家具をつくったりするというよりは、
『空間そのもの』をデザインすることに興味があるんです。
できればつくった後も、その場で起きる出来事とともに
成長していくような空間をつくりたいんです」

だからこそ、空間をつくるときには
決して「モノだけのデザイン」にならないように意識するそうです。
では、いったいどんな空間づくりをしているんでしょうか?

たとえば、先日西尾さんがMAD Cityプロジェクトとともに手がけたのが、
松戸市内のショッピングセンターオウル五香の
コミュニティスペース 「ほうほうステーション」。
ショッピングセンターから空きテナントを一時的に活用するアイデアを依頼され、
「親子の交流が生まれる公園のような場をつくろう」という提案をし、実現しました。

西尾さんがつくったのは、本棚にもなるキャスターつきのベンチ。
単なる休憩スペースだけではなく、ここで買い物途中の親子連れが、
本を読みながらひと息つき、
絵本を介したコミュニケーションが生まれるよう配慮したのだとか。
今後は、本の内容も絵本だけでなく、料理本や旅行本等も増やしていきたいそうです。
「お母さんと子どもがここで本を見ながら今日の献立を相談して、
ショッピングセンター内で買い物をしたり、
週末の予定を考えたりと日常的に来てもらえる場所にしたい」
という構想もあるそうです。

また、利用者同士の交流を生むために、
「2冊本を持ってくれば好きな本1冊と取り替えてもOK」
という絵本の交換サービスを行ったりもしているそうです。

平常時はこんな感じ。お母さんと子どもが、お買い物の途中に、絵本を読みながらまったりとひと休みできます。

本棚も兼ねたベンチにはキャスターがついているので、自由にレイアウトの変更が可能なんです! 写真は、よみきかせイベントの様子です。

可動のベンチや山の形をしたパーテーションで、
いろいろな用途に合わせて空間をつくれるため、
「ここでイベントをしたい」という希望者の方も出てきているそうです。
ショッピングモールからは、この場所に次のテナントが埋まったら終わりではなく、
今回の可動式の什器を別の空きテナントに持っていけば
引き続き活動できるというアイデアも評価をいただいたとのこと。

「自分がつくったスペースを地元の方々が気に入ってくれて、
さらにいろいろな利用方法を考えだしてくれるのは本当に嬉しいです。
このスペースも、もっと地元の方々に使っていただけるようになったらいいですね」

「ベッドタウンとしての側面を持つ松戸は、通勤等でどこかしら都内と繋がっています。だからこそ『松戸でやっていることのほうが、都心でやっているものよりおもしろいしカッコいい!』と言われるのが理想です」と西尾さん。MAD Cityと一緒に、もっともっと周辺エリアを盛り上げていきたいですね!

せっかくつくった空間だから、成長させないともったいない。
その場限りで終わらせず、その後も独自に成長していくきっかけとなる種を植えていく。
そんな西尾さんと一緒にMAD Cityもエリア中に
さまざまな種を残していきたいと思います!

information


map

MAD City(株式会社まちづクリエイティブ)

住所 千葉県松戸市本町6-8
電話 047-710-5861
http://madcity.jp/

石巻が世界で一番面白いまちになる!4年目の石巻STAND UP WEEK 2014「未来作りの見本市」

震災で甚大な被害を受けた石巻に、
世界中からクリエイティブなアイデアと知恵がやってくる!
明日7月25日(金)から開催される「石巻STAND UP WEEK 2014」は、
8月1日(金)までの8日間にわたり、石巻を舞台に40もの多彩な
コンテンツが繰り広げられるお祭りです。
主催は、「石巻を震災の前の街に戻すのではなく、
新しい未来を作りたい」というスローガンで活動するISHINOMAKI 2.0。
今年で4回めの開催となります。

気になる内容は...
小林武史、Salyuとライゾマティクスによるコラボレーション・パフォーマンス
breath(呼吸)/resonance(共鳴)」や、
JR東日本がこの日だけ特別に運行する「石巻線マンガッタンライナー」、
石巻の浜に宿泊して漁師の生活に触れる「おしか民泊」、
牡鹿半島を自転車でめぐる新しいツーリズム「ポタリング牡鹿」、
ライゾマティクスと石巻の地元高校生による「石ノ森萬画館プロジェクションマッピング」など、ものすごーく豪華です!

石巻の料理人のフルコースを堪能しよう!石巻を代表する名店の匠たちによる屋外レストラン「石巻夕凪ダイニング

ほか、「ピクニックコンテスト in 石巻」や
田辺銀冶の講談 Night 2 ~川開き祭り編~
3.11以降、東北へフォーカスし続けたHIPHOPアーティストが一同に会する
ライブ「ISHINOMAKI PRAY ON THE MUSIC」も!
オリジナルな試みをこれだけの数主催するには
並々ならぬ意思と努力が必要だったに違いありません。
ぜひ石巻に駆けつけて、石巻がつくりあげた未来のかたちを目撃してください!

石巻STAND UP WEEK 2014「未来作りの見本市」
開催期間:2014年7月25日(金)~8月1日(金)全8日間
会場:石巻市中央ほか
事務局:一般社団法人ISHINOMAKI 2.0

ビルススタジオ vol.09: MET不動産部のコト

ビルススタジオ vol.09
地方で生きていくということ。

さて、これまでは当社が関わったリノベーション事例を紹介してきましたが
今回は当社のいち部門である
MET不動産部」について。

当社を立ち上げる前、私は
建築家さんの主宰するアトリエ系設計事務所、
何100人もいる組織系設計事務所、
さらには地方の設計事務所と渡り歩いてきました。
独立するにあたり、あたりまえのように設計事務所としてスタートしようとしました。
設計事務所の仕事は通常、敷地や建物(改装の場合)、
予算や使い道があらかじめ決まったところから始まります。
もちろんその中で自分なりの答えを見つけ出すことが仕事だし、その楽しみもあります。

しかし、これまで渡り歩いた中で共通して疑問に思っていたことがあります。
「果たしてその敷地がふさわしいのか?」
「その建物で理想の環境が手に入るのか?」
「工事などにかける予算はそれが妥当なのか?」
「この立地にその用途は必要あるのか?」
「その施設の認知のされ方はそれでいいのか?」
などなど、設計事務所では、期待される、
そしてできる業務の範囲が限られてしまっていることから
生まれる疑問が積み重なっていました。

せっかく独立するならこれらが決まる前からプロジェクトに関わりたい。
もっともっと広範囲にそして深くお客さんに、その場所づくりに関係したい。
そのほうが絶対楽しく仕事ができる。
そのためにどうすればいいのか。
 1、敷地や建物を探す際に求められる立場・・・不動産
 2、予算作成や調達に関わる立場・・・コンサルタント、金融機関
 3、その場所の使い道を考えることから関わる立場・・・プロデュース、企画主体
こうみると、3はとにかく経験。そしてお客さんとの信頼関係。
2は加えて金融機関との関係づくり。
しかし1については資格はもちろん、
お客さんが「さて、物件を探そう」と思い立った際に
まず思い起こしてもらえる不動産屋にならないといけない。
しかも自分が楽しく続けられることでそれをしたい。
それでMET不動産部を始めました。

山ひとつが物件。その中にお城が……。

倉庫は自由度と天井が高くて好きです。

リノベーション済みの物件もチラホラ。

簡単に紹介すると、ここで掲載している物件たちの選考基準はふたつ。
・ひとつでも図抜けた特徴を持っていること。
・当社のだれかが強烈にその物件を好きであること。
これだけです。

例えばこんな物件がありました。
※ほんとは全部の物件について何時間でも話せる程の思い入れがあるんですが……。

1、庭(家付き)(入居済)

宇都宮市の中心部にほど近い住宅街に佇む、庭をメインとした物件です。
庭の広さはもちろん、とにかく「庭とのつながり」が考えられたつくりになっています。
広々とした広縁からの圧倒的な景色はもちろん、
広間、奥の間。障子を開けたり閉めたたりと
庭との絶妙な距離感、そして入り込む光をコントロール。
気持ちよくって内見の度に数時間……いくらでも居られる場所です。

2、大谷ポテンシャル(入居済)

宇都宮市は言わずとしれた大谷石の産地。
栃木県内には大谷石組積造の蔵が数多くありますので
県民にとっては当たり前の存在です。
しかしこれは家として造られたもの。蔵のような閉塞感はありません。
しかも川沿いのこのロケーション。
素材感。開放感。そして未開の大谷地域。こりゃあ堪りません。

3、富士エリア前ピンポイント(入居済)

自衛隊基地に面した物件。
そう、窓を開ければ大好きな航空機を存分に眺められる家です。こりゃすごい。
もちろん騒音はついてきますが……。

4、天保名主のお館(入居済)

竣工はなんと天保2年! この地域の名主の家でした。
敷地内には母屋、離れ、蔵、長屋門などなど。もう何も言うことはできません。
そして家賃は月3万!
これは持ち主さんの気持ち。
補修費用も持ちつつ、この建物を、地域を受け継いでくれる方のみのご提供です。

5、裏庭へようこそ

建物自体は古めかしい店舗住居。しかし中に入り勝手口を出ると、
そこには43坪もの裏庭が広がっていました。
こんだけあればガーデンでも畑で秘密のパーティー会場にでも?!
大家さんにとっては死に地。
でも入居者にとってはここがメインといっても良い物件です。
ともかく「裏庭」という淫靡な響きにぐっときます。

6、うなぎ置場(入居済)

特徴があれば、土地も取り扱います。
ここは間口5メートルそして奥行き35メートルのとってもバランス悪い敷地。
しかも前面道路幅が最小2メートルあるかないか。
主にそのせいで、市場的には人気のない物件となっていました。
おかげで価格もだだ下がり。
しかしこの土地のバランスは設計をやる人間にとっては好奇心をかき立てられます。
ここでしかできない建物が、ここでしかできない生活スタイルができるんじゃないか。
その想いを共有できる人がたったひとり現れれば、それで充分。
そして安い土地価格。浮いた分でsmartなぞ買えば道路幅問題は解決しちゃいます。

7、もみじの集積(シリーズ)

このシリーズは物件そのものの特徴ではなく、界隈のちからで紹介しているもの。
この連載でも取りあげた界隈「もみじ通り」の物件たちです。
面白い人たちが店を出し、住み、働き始めている、
そういう“動きある界隈”に入居してみませんか? というもの。
実際にこれまで入居された方々はピンポイントにこの物件! という決め方ではなく、
もみじ通りのなかでいくつか見て、規模価格の比較的見合う物件に落ち着く、
という人が多いです。
まわりの既に入居しているお店が好きで、そこに居る人が好きで決めてくれている。
このまちで生活したい、という想いが決め手になるという、
今では珍しい物件の探し方かもしれません。
でも当シリーズに限らず、MET不動産部では界隈の使い倒し方、
その物件とその界隈を含めたライフスタイルを重視しています。
当たり前のことのハズです。

——やはり止まらなくなるので、この辺にしておきます。

2007年から始めたMET不動産部。
いい物件を見つけた時しか更新されないものの、細々と続けています。
これまでに紹介した事例を含め、
幸いたくさんの入居者たちや面白がってくれる人たちにも恵まれています。
初めて会った人でも「あの物件のココが好きで……」みたいに言ってくれると
「あのバンドのこの曲のこの部分が好き」「あの娘のここが好き」
という話のように盛り上がったりします。まぁ、フェチに近い気がします。
人見知りな自分にとって、出会いから共通の話題があることはとても助かりますし、
そうして出会い、話した人とは不思議と信頼感が生まれています。
なんなんですかね、これ。

「物件好きの物件好きによる物件好きの為のパーティ」と銘打ち、物件情報を肴にお酒を呑む。そんな夜会を開きました。

好きな物件。
知らない人に使われて、その後関係が持てなくなってしまうのはとても嫌なんです。
じゃあ当社で取扱い、入居付けをしてしまおう。
「共通の好き」を持つ入居者と友だちなってしまおう。
そしてその後も関係を持てるようにしてしまおう。

ともかく、「共通の好き」を持つ人と出会うことはとても楽しい。
それをなんとか仕事にしていることで、
自分がこのまちに居る理由をつくっているのかもしれません。

P.S.
そんな株式会社ビルススタジオ、現在「設計スタッフ募集中」です。
興味ある方は連絡ください。

information


map

ビルススタジオ

住所 栃木県宇都宮市西2-2-24
電話 028-636-5136

大館市からお届け! 秋田犬 「ののちゃん」日記、第2回。 『いぬくまーず&ののロゴ大募集』

こんにちのん!
大館市では暑い日が続いておりますが、ごきげんいかがかのん?
ののは最近あまりに暑いので水浴びする日が多いです。

水浴びしてさっぱりのの

さてさて今回はのののお仕事風景をお伝えしますよ!
朝のお散歩をして、朝食を食べ終わったら車に乗って事務所に向かうのん。
ののの定位置は助手席~ちょっと開いた窓から街の空気を感じながらすいすい~。

朝のお散歩ではわんこ友達とあいさつを交わしながら~

ののの出社風景

朝10時の出社からは事務所に来るお客さんにごあいさつしたり、
街へ取材に行ったり、チラシを配ったり・・
この日は正札竹村という昔のデパート跡をお掃除するワークショップの
サポートスタッフさんを募集する告知をおこないましたのん♪

ののもワークショップ告知のお手伝い

ののの告知の成果もあって2回のワークショップは大成功!
のべ100人以上の方がきてくださり、トラック約20回分のゴミをだしましたのん!
ののもお掃除隊長として参加者の皆さんを応援しましたよ!

秋の大館・北秋田芸術祭会場の一つ「正札竹村」の内部を大掃除。

ののを囲んで参加者のみなさまと記念撮影

こんなふうに大館・北秋田芸術祭では市民・県民の方々を中心に
一般の方々と会場をつくりあげていったり、あるいは作品を制作していきます。

■サポートスタッフ「いぬくまーず」募集!

そしてこういった活動をしていく芸術祭のサポートスタッフ「いぬくまーず」を
結成することになりましたのんでお知らせです!

この「いぬくまーず」、なんとののが隊長を務めていますのん! 
1日だけでも会場のお手伝いできるな、とか、
土日だけ参加できるな、という人も登録してほしいですのん。
もちろんたくさん来て頂ける方は大歓迎! 
一定回数以上参加してくださる方には「のの室長」モチーフの
芸術祭グッズなどを差し上げますのん!

ののといっしょに芸術祭をもりあげていきましょう♪

「いぬくまーず」の方たちには各会場の監視員さんをしてもらったり、
アーティストさんと一緒に作品を作り上げていったりしてもらいますのん。
ご興味ある方はののnono@zero-date.orgまでご連絡ください。
折り返しののからご案内を送らせていただきますのん!
会期の10月4日から11月3日まではもちろん、
会期前の9月や会期後の11月にも制作ワークショップなどありますので、
ご興味のある方はまず登録してくださいのん。

「ののロゴ&キャラクター」コンペ開催

ののとゼロダテスタッフ女子部のみなさん

さらにさらにビッグニュースですのん!
なんとただいま「ののロゴ&キャラクター」コンペを行っていますのん。
詳細はこちら

審査員はわたくし「のの」と「ゼロダテ」のスタッフが担当。
ののも真剣に選ばせていただきますのん。
もちろんロゴ部門、キャラクター部門の各優秀作品には賞がありますのん。
1等は「のの室長賞」!
のの生写真をはじめ豪華景品をご用意して皆様からのご応募をお待ちしておりますのん。

それではののはぼちぼちお仕事に戻りますのん!
また来週!

ゼロダテ秋田犬 "のの"

ゼロダテアートセンター

NO ARCHITECTS vol.9: 最終回にして番外編。 このはなの新しいスペース

NO ARCHITECTS vol.9
まだまだあります

この連載では、NO ARCHITECTSがリノベーションで関わった、
大阪市此花区の物件に絞って、記事にしてきました。
このはなには、実はほかにも魅力的なスペースがたくさんあります。
今回は、番外編としていくつか紹介しようと思います。

まずは、「四貫島PORT」。
正面は四貫島商店街のアーケードに面する建物で、
1階は、もともと魚屋さん。
生臭さの残る冷蔵室は解体、錆びたシャッターなどは撤去。
新たに機能的なキッチンと大きなカウンターの設置など、
きれいにリノベーションされ、店長が日替わりで異なる飲食店に。

四貫島PORT日替わり飲食店の1週間。

月曜と土曜日は、じゃこめしと日替わり定食の「ムクロジ」
木曜は、電子工作やプログラミングの相談ができる持ち込みOKの喫茶「すわる」
金曜は、手づくりパンやキッシュの「喫茶ふっくら」
毎日違う店長が入れ代わり立ち代わり、お店を切り盛りしています。

四貫島PORTの1階。僕らもいつも施工でお世話になっている工務店のPOSさんの内装です。

その他、「MIKIKI」の古着マーケットや、
中津にある「本屋シカク」の出張本棚など、ショップコーナーもあります。
上階は、あまり手を入れずに、共同アトリエとシェアハウスとなっています。
近々、4階の大広間をシアターとしてオープンも計画中とのこと。楽しみです。

ほかでは手に入りにくい本が揃う出張本棚。わかりやすいポップも付いています。

続いて、「FIGYA(フィギャ)」です。
アーティストmizutamaくんの住居兼アトリエで、
定期的に展覧会やライブ、ワークショップも開催されるなど、
ギャラリーやイベントスペースとして活用されています。
写真は、撮影時に開催されていたボン靖二個展「ちゃんとする」の様子です。

FIGYAの1階。左の幕で覆われているのは、居酒屋時代のカウンターです。右の白い壁は、今回の展覧会のためにつくったとのこと。

もともとは、モトタバコヤ(vol.4参照)のように、
モトイザカヤという名前で活用されていた場所でもあります。

2013年3月に行われた劇団子供鉅人による、
散歩と観劇を兼ねたツアー演劇『コノハナ・アドベンチャー2』では、
「未来食堂コノハナ」として舞台のひとつにもなっていました。
その時の舞台装飾の銀色のペンキで塗られた壁が今もそのまま残っています。

FIGYAの1階の奥の部屋は、もとは倉庫。真っ白く塗装され、映像などの展示室に。

2階の和室をそのまま展示室に。

3軒目は、「ASYL(アジール)」です。
OTONARI(vol.2参照)と同じ建物の中にあります。
もともとは、梅香堂というギャラリーとして使われていたスペースが、
建物が持っていた雰囲気を尊重しながら、
現在、共同アトリエとして活用されています。

アーティストの前谷康太郎くんを中心に、
作品の制作場所になっています。
今後は展覧会の企画なども考えているそうです。
週末には、楽しそうな声が聞こえてきます。
写真は、FIGYAで開催が始まったボン靖二の個展のオープニングの様子です。

FIGYAで開催されている個展のオープニングパーティの様子。手前の天井が低くなっている部分は、上がロフトになっています。

まちのリズムを受け入れる

紹介しだすと切りがないのですが、
それぞれが独自のスタイルで日々運営されていて、
付かず離れず、良い距離感で共存しています。
僕らNO ARCHITECTSも、事務所を移して3年半、
住み始めてようやく1年が過ぎました。

連載を始めたころから思い返してみても、
既存の建物を使いながらも、新しく生まれる場所もあれば、
惜しまれながらもなくなっていく場所もあります。
すべてをポジティブに受け入れて、
未来を見守る優しいまなざしのようなものが、
まちに関わる人たちには大事だと思うようになりました。

都会ではあまり実感することができない
「人との距離感」や、「まちの音」、「生活のリズム」が、
個人的な日常の暮らしを通して感じられること。
今しかない時間を共有しているということを味わいながら、
このまちで、日々活動をしています。

これからも、このはなの物件はもちろんですが、ほかのまちでも
そのまちを気に入って住み始めたり、
まちとつながるオープンなスペースを持ちたいと思った人などに対して、
リノベーションを通してサポートができれば幸せだなと思っています。

事務所の屋上から見る夕陽。手前の建物は、最近、解体されてしまいました。日々、景色も変わっています。

ひとまずNO ARCHITECTSの連載はここで終了ですが、
また、まちの様子など報告できたらと思っています。
今回初めて読んでいただいた方、続けて読んでいただいていた方、
どうもありがとうございました。また会う日まで。
このまち、このはなでお待ちしてます。

information


map

NO ARCHITECTS

住所 大阪市此花区梅香1-15-20
http://nyamaokud.exblog.jp/
https://www.facebook.com/NOARCHITECTS.jp

information

四貫島PORT

住所 大阪市此花区四貫島1-6-6
http://shikanjima-port.jp/

秋田県大館市から、 秋田犬「ののちゃん」日記開始! 第1回『のの、ゼロダテ入社 〜お披露目~命名』

これからコロカルニュースにて、
秋田県の北、大館市のアートプロジェクト、
NPO「ゼロダテ」で働く「ののちゃん」による日記がスタートします!
可愛らしいお写真と一緒にののちゃんの日常をお届け!
それではどうぞ〜!!

みなさんはじめまして、こんにちのん!
秋田犬の「のの」って言います。
「あきたけん!」ってよく言われますが、
正しくは「あきたいぬ」です。よろしくのん!

生後5か月ですが「大館・北秋田芸術祭2014」の広報戦略室室長を
務めていますのん。

今日からののの日々の生活だったり、ののがお仕事してる「ゼロダテ」の活動や
「大館・北秋田芸術祭」の取材模様をつづっていきますのん!

ののは2014年の1月10日生まれ うまどし やぎ座の女の子なのです。
4月8日に「アートNPOゼロダテ」に入社しましたのん。
→詳しくはこちら

ののはこう見えても国の天然記念物なのん!
天然記念物ってなんかすごそうな響きだけど、自分では実感はありませんのん。

入社日にはスタッフのみなさんがののの歓迎会をしてくれました。
だけどなんだか途中からうとうとしてましたのん。

ののの入社歓迎会。のののお部屋でみんなでごはん!

そしてさっそく次の日からお仕事スタート!
ここにはいろいろな人がののに会いに来てくれるのん!
ののお仕事は、SNSなどを使って、のののお仕事ぶりを
みんなに知ってもらいやすくすることなのん。

twitterをしたり…
twitter.com/akitainu_z

facebookや…
www.facebook.com/akitainuz

Ustreamでののの生活のライブ配信もしていますのん。
www.ustream.tv/channel/akitainu

たまに画面からはみ出てたり、外回り行ってる時もあるけど、気長に観ててほしいのん。

ここがのののワークスペース!(寝てるけど…)壁には「正札竹村」っていう昔のデパートのリノベーションプランがかかってるのん。いつもこれを見ながらお仕事に励んでいるのです。

このデパート、「正札竹村」は13年前につぶれちゃいましたが、
「大館・北秋田芸術祭2014」会場の一つとして使いますのん。
建物の中は通路として使い、出入口付近では演劇などが行われる予定ですのん。

ののが入社して初めての大きなお仕事が「秋田犬お披露目会」。
ゼロダテの事務所は「大町商店街」っていう商店街の中にあるんだけど、
集まったみなさんと一緒に商店街をお散歩したのん!

お散歩は、店主の方々にごあいさつしながら、アーケードの下をてちてち。
最後は参加者のみなさんと「正札竹村」の前で記念撮影。

たくさんの人とカメラに囲まれて少し緊張したけど、
最初のお仕事から大成功でしたのん。

そしてこの時、重大発表したのん!
「のののお名前公募」! 
そう、実はこのときまだ名前が決まってなかったのん。

それから2週間の応募期間を経て決まったのが「のの」という名前なのん。
この間になんと200を超える案が集まり、
ののとスタッフのみなさんの協議をしてきまったのですのん。
→詳しくはこちら

お仕事だけじゃなく、たまには息抜きもしますのん。
スタッフのみなさんと近くの桂城公園でピクニックしたり、

サッカーしたり、

そして帰りにつかれて寝ちゃったり。

そんなかんじでのんびり毎日すごしてるのん。
きりたんぽや比内地鶏(のののゴハンにもときどき入れてもらえる!)
などおいしいものがいっぱいの大館でみなさまをおまちしております!

次回からはののが現地取材した時のものやイベントに参加した
時のことをお伝えできればと思いますのん!

ゼロダテアートセンター

京都の面白い人、公開インタビュー。Webサイト「カンバセーションズ」の出張&公開取材イベント

インタビュアーにスポットを当てるインタビューサイト
「カンバセーションズ」が、7月1日より6日まで、
京都を舞台に出張&公開取材イベントを開催!
京都を拠点に活動するさまざまな職種の方々による
計5本のインタビューを、すべて公開取材イベントとして
収録。インタビュアーそれぞれに関係の深いスペースを
取材会場に設定し、「場所」と「テーマ」を連動させた
インタビューを行います。

インタビュアーにはRADディレクター、リサーチャーの
川勝真一さん、レストラン「Kiln」のシェフ船越雅代さん、
クリエイティブ・ディレクターの松倉早星さん、伊藤直樹さん、
吉村紘一さんら。
インタビューされる方にもアーティストの名和晃平さん、
和菓子ユニット「日菓」の杉山早陽子さんら、ユニークな方が
勢揃い。それぞれ「京都で”集う”」、「京都で”食べる”」など、
京都に待つわるクリエイティブなお話しが展開されます。

会場に選ばれているのも、京都造形芸術大学や
レストラン、雑貨店と宿の「ウサギノネドコ」など、
京都の様々な面白い場所。
クリエイティブなトークと新しい出会いを求める方は
ぜひお出かけしてみてはいかがでしょう!
イベントの詳細は下記Webサイトにて。

QONVERSATIONS TRIP

山ノ家 vol.9: 山ノ家はこれで完成?

山ノ家 vol.9
半日のおやすみ、トリエンナーレ、アーティストインレジデンス

ドミトリーがオープンすると、
「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」の開催年ということもあって、
宿泊希望の連絡は早いうちから入ってきていた。
カフェの営業に加え、ドミトリーの営業も始まると
堰を切ったように朝から夜までずっと、スタッフは対応に追われる毎日となった。
運営スタッフの一部は、朝担当と夜担当にそれぞれ分かれて
シフトを組むなどしてなんとかこなしていた。
一日のスタートは、宿泊者のための朝ご飯の準備から始まって、
ランチの仕込み、そしてカフェの通常営業、
合間に、ドミトリーのベッドメイク、夕食を希望する方への夕食準備の対応。
夜はお酒を飲む人も多く、際限なく続いてしまうと次の朝にも影響が出てしまうので
23時を消灯、門限とさせていただいていた。
その後にも片付け、一日の集計や、食材の発注、その他業務は続く。
芸術祭が終わるまでは、休みなしで駆け抜けるつもりだったので、
本当に息つく暇も無い日々。

リノベーションが一応カタチになってからは、
僕もカフェのスタッフとして動いていたり、
毎日来るお客のために、ドミトリーのベッドのシーツを片付けたり、
掃除を手伝ったりと、運営のサポートにまわった。

立ち上げのために現地に滞在してくれたインターンやスタッフには、
シフトの中で週に一度は休日をもうけるようにしていた。
参加してくれたことへのささやかなお礼として、
芸術祭の参加パスポートを皆に渡していた。
これを手に、めいめいプランをたてて、
この時期に展示中の作品を鑑賞する旅に出かけていた。
なかには、ヒッチハイクでまわってきたという強者もいた。
ずっと休みなしで動いていた僕と池田も、半日だけお休みをもらうことにした。
隣町、十日町のキナーレという施設周辺なら、
作品もいくつか集中しているし、さっと見に行って戻って来れる。

十日町にあるキナーレにて。クリスチャン・ボルタンスキーのものすごい作品や、同施設に新たに開館した里山現代美術館を見ることができた。

空き家だった山ノ家を最初に見に来てから約1年。
その間、この土地に展開されたさまざまアートな作品を、ほとんどと享受できていなかった。
こういうかたちで関わるようになって享受していたのは、
まちのことや、人との縁や、めまぐるしい自然の変化だったから。

そんなわけで、久しぶりに旅行者に近い感覚で
ここにあるもうひとつの財産として、
アートが育まれている状況というものに触れる機会を得た。
しばらく滞在しているこの土地のすぐ近くで、
素晴らしいエネルギーをもった作品群があったり、
イベントが行われたりしている状況。
そこには以前見た時とは全く別の、
新鮮なのに親しみがあるような、不思議な感慨が自分のなかに生まれていた。

また山ノ家でも、芸術祭の終わりが近づいた9月初旬の1週間、
アーティストが滞在し、製作と展示を行うことになった。
芸術祭のプログラムではないが、
オープン直前のときに滞在してくれたsawakoさん(vol.5参照)からの紹介で、
ふたりのアーティストが
山ノ家でレジデンスで滞在して展示をやってみたいというのだ。

実は僕らとしても、2階にギャラリースペースを設けたばかり。
と言っても、もともとただの廊下だった部分を行き止まりにしたような、
とてもコンパクトなスペースなのだが。
ここに何かコンテンツを入れたいとちょうど考えていたところだったので
喜んで受け入れることにした。

階段を上がるとすぐに見えてくるこの場所は、もともと部屋の外側にあった回廊の一部だったところで、わざと行き止まりにしてできる不思議なスキマ空間をギャラリーにしたいと目論んでいた。

立ち上げの黎明期において(実際は今でもそうなのだが)、
こういった手つかずのゾーンにスッと入り込むようなタイミングで
お話が持ち込まれることは本当にうれしいこと。
ふたりのアーティストはとても楽しそうにこの地で過ごしながら、
実に上手に2階のスペースを利用して、
音のインスタレーションの空間作品を展開していた。

滞在製作してくれたのは、ベルリンで活動を始めたという日本人のサウンド/ビシュアルアートユニットのpenquo (hisae mizutani,kyoka) のふたり。芸術祭に来たお客や、ドミトリー宿泊の方などが、ここで製作された展示空間を体験した。

まだこのアーティストインレジデンスの仕組みは手探り状態ではあるが、
少しずつ試行錯誤を繰り返しながらも実行し、かたちづくっていけたらと思う。

滞在製作が終わり、展示として始めた初日には、期せずして通り雨の後に虹が。

山ノ家はこれで完成?

工事としてはひとまず終わり、山ノ家はなんとかオープンして、
この土地での日常が動き始めている。
では、これで完成なのだろうか。
東京で芽生えた「開かれた場」をつくりたいという想いが、
縁あってこの土地と結びつき、カフェとドミトリーのある場所をつくった。
ここで何かの問題を解決するために、といった大それた動機ではない。
それどころか気づけば地元の人たちに雪おろしを指導してもらったり、
野菜をいただいたりと、助けてもらうことの方が多いのではないかとさえ思えた。
こういった土地では、ほどよく干渉したくなるようなスキがあるくらいのほうが
関係性を持ちやすいのではないか、
そんなことをさまざまな体験を通してリアルに感じるようになった。

地元の人、移住してきた方たち、芸術祭を軸とした活動をされている方たち、
外から訪れてくれる来訪者、アーティストなど、さまざまな立場、
立ち位置の人たちにとってできうる限りよい刺激となるような存在でありながら、
関わる人々の数だけ視点が生まれる、そのような場所になったら面白い。
当初イメージしていたことだけにとどまらない面白さがこの建物に生まれつつある。
それはリノベーションする前から決定付けられたものではない。
この土地に滞在し、この場所をつくる中で気づいたこと。
空間として、機能として、全てが完成しきっていなくてもよい、
そんな考え方ができるのも、リノベーションだからこそありえる可能性のひとつかもしれない。

気づけば夢中で、ここまで駆け抜けてきてしまった。
豊かな自然や風土、そして10年を超えて育まれてきた大地の芸術祭もある。
そういったことに魅かれてこの地に飛び込んだが、
よき人々に出会うことができ、支えられて
山ノ家が動き出せたことは振り返ってとてもラッキーだった。
いまはまだ、この昔ながらの街道筋の商店街に、
風変わりな事情で気立ての良い移民のお店が一軒できたという感じ。

長い月日をかけてリノベーションをしながら、
東京とまつだいを行ったり来たり、生活を繰り返していくうちに、
ほとんど知らなかった里山のよさをたくさん知っただけでなく、
戻った時に新鮮な視点で東京を見ることができるようになった。
そして、東京と里山、どちらのほうがよいか悪いということではなく
どちらにもよいところがあり、
そこを積極的に拾っていくほうが面白いのではないか。
そう思えるようになったことは自分にとっては大きな変化であり、発見だった。
それは、いつでも戻れる場所をもうひとつ持ったことによる、
安心のようなものから生まれてきたのかもしれない。
僕らが持てたこのような変化は、きっと他の人でももつことができるだろう。

そんな思いを持つ人たちで、この周辺で新たな営みが
2つ、3つと増やしていくことができたりしたら、
また見えてくる風景が少しずる変わっていくかもしれないなと考えている。
気づいたら変わっている、くらいの自然発生的な感じがいいと思う。
それは、まちを変えるというよりは、
いまあるまちにもうひとつ別のレイヤーが加わるという感じで。

大地の芸術祭が終わると、
おそらく地域をおとずれる外からの人が少なくなるだろう。
祭りが終わって、日常が始まる。
でも、ここからが本番だと思っている。試行錯誤はあるだろう。
インターンのシフトも終わり、この先、海外留学に旅立ったメグミさんが
冬に戻ってくるまで、ミナコさんと池田が主に東京とまつだいを行ったり来たりしながら、
山ノ家を運営していくことになる。
また、今まで東京で培ったつながりや、これからこの土地でつながる人々との交流の中で
生まれてくるイベントを企画していけたらと思っている。
都市と里山を行ったり来たりしながら、そのなかで生まれてくる、
どちらのものともつかないような文化をここで紡いでいけたらと思う。
これからまだまだ試してみたいことはたくさんある。

この地域には、中山間地ならではの地形のなかにできた美しい棚田が散見される。
この棚田の美しい景観があるのは、
そこで田んぼをつくり、耕作を続ける農家さんの日々の営みがあるからこそ。
同じように、これから山ノ家の日常の営みを積み重ねていくことが、
新しい風景をかたちづくるきっかけとなることを願って、
いまそのスタート地点に立ったところだ。

100人の高校生が全国の「名人」にインタビュー。「第13回 聞き書き甲子園」参加者募集中!

以前コロカルニュースでも活動をお伝えした「聞き書き甲子園」。
全国から集まった100人の高校生が、日本の森や海、川を守り、
育て、共に生きてきた「名人」たちに話を聞いて、その言葉を一字一句
全て書き起こして文章にするプロジェクトです。

この聞き書き甲子園が、今年のエントリーをただいま受付中。
参加対象は高校生。聞き書き甲子園OBOGの大学生スタッフの
サポートのもと、日本全国の造林手、炭焼き職人、漁師、海女、
木地師などのもとを訪ねてお話しを聞いていきます。
インタビューの経験がない高校生のために、
「聞き書き事前研修」も開催されるので安心です。
この事前研修、名人への訪問、フォーラムに
関わる費用(旅費交通費)は主催者が負担とのこと。

夏に開催される「聞き書き」経験者の大学生らが指導をする研修会の様子。「聞き書き」という手法の基礎を学ぶほか、取材に赴く名人や名人を取り巻く日本の森や川、海の現状についても、講義や森での体験プログラムを通して学ぶ。

参加する高校生には、農業科の高校に通い、将来は家業を継ぐと
決めている人もいれば、日本屈指の進学校に通い、
いずれは世界で活躍する人になりたいと考えている人もいます。
高校生は自分とは違う未来を描く仲間に刺激を受けて、
聞き書き甲子園終了後も離れた土地で連絡をとり合い頑張っています。

日本中から集まる高校生と大学生と地域で暮らす名人。
そこには、学校に通うだけでは絶対に得られない刺激があります。
進路を選ぶ前に、日本を巡り日本のことや自分のことを考える、
そんな機会を聞き書き甲子園は高校生に提供しています。

応募の締め切りは7月1日(火)必着。申込みの際には
作文の提出が必要で、応募者多数の場合は作文による選考を行います。
聞き書きという形で他人の人生と向き合い、言葉で紡ぐ経験が、
進路に悩む高校生には確かな糧となるでしょう。
応募の詳細は下記Webサイトにて。

第13回 聞き書き甲子園 募集要項

メイン写真撮影:奥田高文

鳥取と台北のいいもの、いい食、 いい暮らしを集めた「鳥取・台北–Design and Craft Hunting–」

日本の民芸品の人気が高まる台湾の台北市と、
民芸や手しごとが色濃く残る鳥取。
「民芸」をキーワードに出会ったこの2つの地域から
それぞれの暮らしの中にある「いいもの」を集め展示・販売する
「鳥取・台北 - Design and Craft Hunting - 」が
6/21(土)より開催されます。
「いいもの」をハンティングしてきたメンバーは
大阪で家具製造・販売など暮らしにまつわるものづくりを手掛けるgraf、
東京でイベントプロデュースやブランディングなどを手掛けるLandscape Products、
台北でレストランやお菓子屋さんを展開するVVG
の三者。
各々の分野で活躍する目利きたちが見つけてきた
工芸品、プロダクツ、おいしい食材が会場に並び、
鳥取と台北の魅力を体感できます。

鳥取と台北のいいとこどり!

会場は東京からスタートし
その後、大阪、鳥取、そして最後は台北までまわります。
また、各会場ではワークショップやトークイベントといった
連動企画も開催されるそう。
鳥取と台北の素敵な出会いをぜひご堪能ください!

【鳥取・台北 - Design and Craft Hunting -】
東京会場:展示期間 / 6月21日(土) - 6月29日(日)
     場所 / CURATOR’S CUBE(東京都港区愛宕1-1-9)
大阪会場:展示期間 / 7月5日(土) - 7月13日(日)
     場所 / graf(大阪府大阪市北区中之島4-1-9 graf studio)
鳥取会場:展示期間 / 7月19日(土) - 7月27日(日)
     場所 / ギャラリーショップそら(鳥取県鳥取市栄町658-3駅前サンロード)
台北会場:展示期間 / 8月8日(金) - 8月17日(日)
     場所 / Songshan Cultural and Creative Park East Tobacco Factory 2F Lab
松山文創園區 東向製菸工廠 2F Lab 實驗室(台北市光復南路133号)
詳細は以下を参照ください。

鳥取台北 - Design and Craft Hunting -
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MAD City vol.9: 住居用の間取りを取り払い、 人工芝と白壁がさわやかな デザイン事務所に!

MAD City vol.9
築40年弱のレトロなマンションの一室をDIY!

MAD City利用者のなかでも、特に多いのがクリエイターの方々です。
自分の個性やセンスを生かして、自由にDIYできる物件を求める彼らにとって、
MAD Cityの扱う「DIY・リノベ完全自由」な物件は、絵を描くキャンバスと一緒です。

なかでも人気があるのが「MADマンション」と呼ばれる、築40年弱の賃貸マンション。
DIYはもちろん、改造も自由。さらに原状回復不要というMAD Cityの人気物件です。
加えて、家賃も手頃で駅から徒歩5分という好立地も、住人の方々からは評判がよいのです。

MADマンションの外観。

今回、ご登場いただくグラフィック・デザイナーの佐藤大輔さんも、
このMADマンションの住人のひとりです。

佐藤さんとMAD Cityとの出会いは、数年前のことでした。
もともと「生まれも育ちも松戸」というチャキチャキの松戸っ子の佐藤さんが、
松戸の駅前を歩いているときふと目に入ったのが、MAD Cityのオフィス、MAD City Gallery
江戸時代に宿場町として栄えたまち並みの名残ある松戸で、
異彩を放っていた弊社オフィスに好奇心をかきたてられた佐藤さんが
その扉を叩いてくれたのがはじまりでした。

オフィスにいたMAD Cityのメンバーとさまざまな話をしていくうちに、
「松戸にクリエイターの拠点をつくる」という、
MAD Cityのコンセプトに共感してくださった佐藤さん。
その後もイベントに参加してくれたり、
ウェブサイトをこまめにチェックしてくれたり、
なにかとMAD Cityのことを気にかけてくれていました。

とはいえ、8年ほど前にフリーのデザイナーとして独立されてから、
ずっと松戸にあるご自宅でお仕事をしていた佐藤さんは、
当時は物件を借りる気はなかったそうです。
でも、MAD Cityのウェブサイトなどをチェックしていくうちに、
「仕事場と家を別にしたい」「事務所を構えたい」という想いを抱くようになったのだとか。

物件探しの際に、佐藤さんが考えていた条件は3つ。

1)安い
(やっぱり値段は肝心とのこと!)
2)駅から近い
(せっかく事務所を持つなら、クライアントを呼んで打ち合わせもしたいし、
プレゼンとかもできるスペースだとなおうれしい)
3)リノベができる
(自宅だとあまり自由にリノベするのはこわいけれども、
仕事場は思いっきり自分の好きな空間をつくりたい)

以上の条件を満たす物件を1年間ほど探し求めていた佐藤さんの目に止まったのが、
この「MADマンション」でした。

「安くて、駅から近くて、リノベもOK」
という条件をすべて満たしたこの物件の内見後、佐藤さんは即入居を決意。
入居開始の2012年7月から、一気にリノベを開始したそうです。

さて、気になるのが、佐藤さんが行ったリノベ。
「リノベができる物件」をあえて探していた佐藤さんだけに、相当気合が入っています!

まずは、間取り。
もともと1DKだったお部屋の壁と押入れを打ち抜き、巨大なワンルームにします。

もともとこんな部屋だったのが……、
扉や押し入れを取り払って……。

押入れは、すべて佐藤さんの独力で取り払ったそうです(しかも、道具は釘抜きやトンカチなど!)

まだまだ取ります!

さすがに床張りや壁などはひとりでは手におえないため、このあたりから工務店さんにお願いしてキレイに仕上げてもらったそうです。でも、途中までほぼ作業は終えていたため材料費を入れてもかなり安く済んだとか。

押し入れを取り払ってきたら偶然出てきたコンクリの壁。「これは面白い!」と思った佐藤さんは、ここだけ壁を貼らずにむきだしのコンクリのままでキープ。費用も浮くし、部屋にメリハリが出て一石二鳥!

壁や柱を取り払ったら、こんなにキレイになりました!
その後は、業者の方にお願いして、フローリングを張ってもらいます。

きれいに張られたフローリング。

白い壁とコンクリ壁にはさまれた、事務所が完成!

「こういうちょっと無機質な部屋にいると気分がピシっとして、余計な雑念が入らない。
だから、仕事部屋はこういうシンプルでできるだけモノがない空間を心がけました」
と佐藤さん。

リノベしたのはここだけではありません!
脂がギトギトだったビニールカーペットが敷かれていたキッチンも……。

木目調のシールと人工芝のカーペットでさわやかに!

ダイニングキッチンから、ワンルーム部分の印象はこんな風に変わりました。

壁を取り払ったお陰で、部屋がスッキリ。
なお、壁塗りは過去ご自宅でも経験があったので、自分で全部手がけたとか。
「また飽きたら別の色にしたい」と佐藤さんのリノベはまだまだ進化を続けています。
「土間をイメージした」ということで、なぜか玄関・キッチンエリアには人工芝が。
「仕事スペースと遊びスペースを分けたかった」という佐藤さん。
ONとOFFが見事にくっきり分かれてます!

キッチンと玄関。玄関ドアの内側の数字は「302」が反転しているのは……?

こちらが入り口からみた玄関ドアの302。裏側では反転していたのでした。

MADマンションの特徴は、部屋の内側だけでなく、
共用部にあたる玄関ドアの外側まで改装OKなこと。
各部屋のドアは、そこに住まう住民の方々の個性が爆発しています。
佐藤さんのドアも、もちろんデザイン&作業ともにご自分でDIYしています。

ちなみに、こんな大胆なリノベをおこなっていらっしゃった佐藤さんですが、
なんとリノベは一度もやったことがなく、今回が初挑戦だったのだとか。

「僕がこの部屋をリノベするときに考えていた条件は、
とにかく『手間をかけないこと』と『シンプルにすること』。
僕はプロじゃないので、あまりにテイストに凝り過ぎると
すごく大変なことになってしまうと思ったんです。
だから、部屋はとにかく余分なものは取りはらって、
より広いスペースを確保できるように意識しました。
また、色も使い過ぎず、壁はシンプルに白で、床はフローリング。
これだったら家具やなんかにもあまりこだわらなくて済みますしね」

なるほどー。
なお、これだけのリノベを行って、総工事時期間はほぼ1か月。

「いろいろと大変だったけれども、やっぱり自分の好きなようにDIYできるのは楽しかったですね!」と笑う佐藤さん。

ステキすぎるDIY事務所を手にいれた佐藤さんですが、
しかしそれ以外にもMADマンションに住むメリットを感じているそうです。

「このMADマンションの住人になるまで、
松戸在住のほかのクリエイターの方に会う機会はほとんどなかったんです。
僕は松戸に長らく住んできたけれども、MAD Cityができて、
こんなにたくさんのアーティストやクリエイターの人がいるなんて思いませんでした。
自分の思い通りの事務所が手に入れられたのももちろんですが、
ほかの住民の方々と一緒にイベントをやったり、
ときどき食事会をしたりして情報交換したり、
いろいろと刺激を受けられるのが魅力的ですね」

MADマンションに住む人たちは、たしかにどなたも個性が爆発している方ばかり。
さらに、佐藤さんのようなグラフィック・デザイナーの方もいれば、
イラストレーター、現代アーティスト、またフードコーディネーターの方など、
それぞれの専門分野も結構バラバラです。

このように強いキャラクターやセンスを持つクリエイター同士が出会うことで
化学反応を起こして、新たな何かをつくり出す。
そんな流れが、またどんどんMADマンションを起点に生まれてくれたら、
MAD City的にはこんなにうれしいことはありません!

なお、そんなほかの住民たちに刺激されて(?)なのか、
佐藤さんは6月にはこの事務所を使って、
日頃お世話になった方向けに作品展を開催予定だそうです。
デザイナーを始めて最初につくった名刺から、最新作まで展示されるとのこと。
会場がマンションということで不特定多数は入場できないので、
まずは佐藤さんとコンタクトをとっていただく必要があるようです。
ご興味ある方は、こちらからお問い合わせください。

こちら作品展のフライヤーも玄関ドアのビジュアルになっています。

information


map

MAD City(株式会社まちづクリエイティブ)

住所 千葉県松戸市本町6-8
電話 047-710-5861
http://madcity.jp/

ビルススタジオ vol.08: カフェ食堂が、シェアハウスの 2階にオープン

ビルススタジオ vol.08
もうひとつの共用リビング

vol.3とvol.4で紹介したシェアハウス「KAMAGAWA LIVING」に併設する飲食店テナント
カフェのようなバーのようなお店「u-go(ユーゴ)」がオープンしました。

ここはもともとビジネス+カプセルホテルとして使われていた建物。
2階にあったフロントの脇には10坪ほどの小さな喫茶室がありました。
ホテル営業時はここでお客さんたちがそれぞれの朝食をとっていたのでしょう。
しかし、私たちが初めて見たときの室内の印象からは、
お客さん同士や店員さんとの会話など、
察するに「ほぼ無かった」ことがうかがい知れます。

改装前の様子。家具がないこともありますが、殺風景な空気が漂っていました……。

こちらも改装前。ホテルのフロントが目の前。

ここがシェアハウスに変貌するにあたり、
フロントだったところにはオートロックが鎮座することになりました。
その脇にあるこのテナントスペースは
住民が使う、もうひとつの共用リビングのように、
機能していくといいなと思いました。
住民同士の距離感を大切にするこのシェアハウス。
既に、50帖ほどある共用リビングがあります。
ここで、ある程度自由度の高い距離感の取り方はできるものの、
全く別の空間で過ごしたいときもあるかと。
さらには遊びに来た友人を気軽に案内できるダイニングとしても
重宝されるスペースが生まれればいいなと考えていました。

シェアハウスとしての工事も半分ほど進んだある日、
出店希望者として安生大樹さんがやってきました。
安生さんは宇都宮市内の大学を卒業後、さまざまなカルチャーそして人を知りたい、
出会いたいとの想いから都内のカフェ、バーやクラブを6年間渡り歩きました。
その後宇都宮に戻り、独立開業を目指して飲食店の店長を務めていました。

聞けばこのテナントに興味を持った理由は、まず界隈。
この釜川エリアには個性豊かな個人店が立ち並び、
こだわりのあるお客さん層が出歩いているエリア。
さらには近年、この界隈の新旧の店主たちが連携し、
「KAMAGAWA DEPARTMENT」「カマガワヨルサンポ」「かまがわ川床花見」
などのイベントが開催され、新たな客層の集客にも積極的なエリアであります。

そこに新たにシェアハウスができることにより
この釜川界隈を使い倒すであろう住民たちが面白そうだというのです。
安生さんはその時点ではもちろん、誰がここに住むかも知りません。
それでも「きっと面白い」という確信を持ち、出店することを決めてくれました。

工事中の風景。

そして安生さんの改装がスタート。費用を抑えるべく、できるだけ自主施工。
基本のカウンタースタイルは残し、床と天井の仕上げ材をはぎ取り、
コンクリート剥き出しのラフな仕上がりになりました。
荒れてしまっていた壁には自分で木板を張ったり、色を塗ったり。
賃貸契約から開店までには、3か月を要しました。
安生さんは、自分の仕事の合間に施工というだけでも少ない改装時間なのに、
入居が始まったシェアハウスから、
ちょいちょい通い始める住民が現れると、
ついつい話し込んでしまい進みが遅くなる……というということもあったようです。

シェアハウスの入口から脇を見ると、お店。

お店がオープンすると、
住民たちにはいい感じに使ってもらっているとのこと。
夕ご飯だけ食べに来たり、寝る前の一杯だけを飲みに来たり。
「同じ屋根の下」をいいことに、そのまま寝る格好で飲みにくる方も……!

住民全員集合の会もここで開かれたりします。
そういう場合に共用のリビングだと準備や片づけがなにかと煩わしい。
結局住民の中で気が回る誰かがその役を請負うことになります。
それは請負う側もそうでない側も気を使ってしまいます。
そんな時に外に出ずにおいしい料理とお酒のある会を開けるのは
非常にありがたいだろうな、と思います。

また、誰かがカウンターで飲んでいると、他の住民が帰ってくるのが見えます。
軽くアイコンタクトし、一度部屋に戻り、そこに参加したり。
もちろんそんな気分じゃなければそのまま部屋で過ごすもよし。
そんな選べる関係性がこのシェアハウスでは育まれています。
住民割引もあるらしいです(いいなぁ)。

大のパスタ好きな方のために常時用意しています。

住民が友人と飲みにいくときもここは便利。
もはや飲みに行く、という感覚ではないとは思いますが。
ホームの寛ぎが間違いなく得られます。
タクシーや代行を使う必要もなく、スゴく楽。
おいしくて、場所も便利であれば友人も抵抗なくこのお店で納得してくれます。
難点は、先に帰り難い、ということくらいでしょうか。

また、上に住むオーナーさんもしばしばここで食事をしたり飲んだり、
通常では知り合えないような友人知人と遊んでいたりします。
そんな人と気軽に会って話せる機会があるのも魅力だと思います。

ほかに、シェアハウスの住民やその関係者だけではなく、
近隣のお店の人や地域の人たちも利用してくれています。
私が思っていたよりもとてもいいポジションを確立しているようです。

カウンターの風景。安生さんがひとりで切り盛りしています。

私がロンドン留学中に非常に良いな、と感じていたのは、
まちなかのアパートやマンションの1階に必ずあるカフェやパブ、レストラン。
上に住む住民同士や近所の人が日常使いで自然にここに集まり、
界隈のコミュニティを密接にしてゆく機能となっていました。
町内会や商店会などでわざわざ集まらなくても、
同じ建物内や界隈内にどんな人が住んでいるかが勝手にわかる。
近所の軽い問題点や転入者がどんな人かも噂レベルで情報交換できる。
まち並みの美しさ、人通りの多さではなく、
住人たちが自然と集まって来るお店の雰囲気が
「この界隈に住みたいな」と思う一番の理由になりました。

これはロンドンに限ったことではなく、日本でも同じのようで、
リクルート調査のアンケートにて
アパート・マンションに住む人が、その住まいに愛着を持っているかどうかを聞いたところ、
「その愛着度と隣近所に挨拶以上の関係にある知人友人の人数は比例関係にある」
という結果がでています。

住宅街、オフィス街、商業地、というように用途で界隈を形成するのではなく、
特に地方都市ではもっともっと複雑に、ひとつの身体のように
界隈にさまざまな機能を同居させ、絡めていくと
人と人とのぬくもりもすこやかに保てる生活が手に入れられるんだな、と
この釜川界隈とシェアハウスとu-goを見ていると実感できます。

みな、シェアハウスの住民です。なんか仲いいなぁ。

information


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ビルススタジオ

住所 栃木県宇都宮市西2-2-24
電話 028-636-5136

information


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u-go
ユーゴ

住所 栃木県宇都宮市中央5-1-8カマガワリビング2F
電話 028-614-3304
営業時間 14:00-26:00 不定休

高知を元気にするアイデア大募集!「知事コン♡」~高知県知事とコンパ?いや、コンペです!~

2014年6月7日(土)、東京・渋谷のCreative Lounge MOV aiiima 1にて
高知県のイベント「知事コン♡」が開催されます。
高知県知事とコンパ?いや、コンペです!
ということで、飲み会ではなく
尾﨑正直高知県知事に向けて、高知を元気にするプランを
プレゼンする会。
「飲みながら、語らう!」という高知スタイルで行われます。
高知出身でなくても、高知に興味がある人なら誰でも参加可能!!
見学の応募はすでに締め切られているのですが、
プレゼンする方の応募を6月6日15時まで受け付けております。

プレゼンの結果、知事が気に入ったプランがあれば、
その人を知事が高知に「お持ち帰り」したり、
高知の空き家がプレゼントされたり、
などなどプレゼンする方にはユニークな景品をご用意。
イベントの主催は、「KAI presents EARTH RADIO」にも
登場した、高知の人口千人という山間部にて
「地域の持続を目指した学びの場づくり」を目指す
土佐山アカデミーさん。
応募の詳細は下記Webサイトをご覧ください。

「知事コン♡」~高知県知事とコンパ?いや、コンペです!~

ジャンル不問!日本最大の温泉地・別府のスペース「PUNTO PRECOG」店主大募集中

おでかけコロカル」でもご紹介した、
大分県別府市のオルタナティブスペース「PUNTO PRECOG」。
これまでにインスタレーションの展示やギャラリー、カフェ、
など様々な試みをしてきたこの場所が、ただいま店主を大募集中!
ジャンル、経験、年齢、国籍、個人、団体は不問。
日本最大の温泉地「別府」にあるPUNTOという場を活かして
盛り上げてくれる人を募っています。

「PUNTO PRECOG」は建築家の仲野安紗さんと
「precog」代表の中村茜さんのプロデュースにより
2012年に誕生したスペース。
カフェ、クリエイターの制作・滞在場所、
オフィス、などなどさまざまな人の交流拠点としてオープンしました。

大きさは10畳ほどの2階建てで、キッチン(3口コンロ)とトイレがあります。
これまでに「PUNTO PRECOG」で行われてきた催しは
こんな感じです。

コーヒー屋さん

パン屋さん

ベジ食堂yoyo.さんのカフェ

こちらは二階の様子。

いま別府は、3年に一度開催される国際芸術祭「混浴温泉世界」のほか、
PUNTO近隣のアーティストの居住施設「清島アパート」や
シャッター通りから生まれ変わった「北高架下商店街」、
アートNPO「BEPPU PROJECT」などなど、草の根的なアート活動が
活発なところ。
面白いことを巻き起こしたい方、奮ってご応募ください!
募集の締め切りは6月30日。詳細は、下記Webサイトにて。

「PUNTO PRECOG」募集!期間限定店主!![6/30〆切]

NO ARCHITECTS vol.8: シェアしたみんなが 思うようにつくる家 後編

NO ARCHITECTS vol.8
つくりながら考える

vol.7に続き、「シェアしたみんなが思うようにつくる家」の後編です。
僕らが住む家「大辻の家」とつながるアパートを友人とシェアしています。
その一室のリノベーションをリアルタイムでリポートします。

大辻の家の右手の路地のSPACE丁の三角コーン看板、手づくりの門扉を抜けると裏のアパートがあります。

部屋の間取りがわかりにくいと思うので、スケッチを描いてみました。
アパート2階の踊り場に面した引き戸の玄関越しに見た部屋の見取り図です。
玄関を入ってすぐ左手は遠藤シェフのキッチンとバーカウンターです。
その奥は共有のリビングで、みんなでごはん食べたり、まったりしたりします。
右の突き当りの窓際あたりは、
黒瀬のブランド「ツクリバナシ(vol.7参照)」のアトリエになっています。

6畳三間のL型のプランです。あくまでイメージ図です。

さて、進捗の報告です。
床は、完成しました。玄関から部屋の奥まで、
下地の角材で高さを揃えてベニヤ板を張り、フラットなワンルームに。

床が完成した次の日の朝。安心できる居場所が生まれる瞬間で、毎回とても感動します。

玄関横の壁は、ほかの壁と仕様を変えて、
柱の上からベニヤ板を貼って大壁(柱を見せない構造)にしています。
他の部屋の雰囲気との差別化を強調しています。
塗装はまだですが、色は、うっすらグレーがかった白にする予定。
少しパブリックな場所になるので、展示などもできるように考えています。

トイレ脇の押入を解体してできた窪みのような小さな部屋は、
遠藤の自転車のカスタムスペースに。
「遠藤サイクル」とプリントしたのれんとポロシャツもつくるらしいです。
気がついたら自転車の空気を入れてくれていたり、
お願いしておいたら、カゴとか付けてくれたりします。
いつもありがとう。これからもよろしく。

さっそく自転車の整備をしているところ。コンパクトに収まっています。作業もしやすそう。

トイレは、既存のドアの壁ごと取っ払って、
ホームセンターにて見本品で安売りになっていたドアを買ってはめ込んで、
それに合わせて隙間に枠を回して断熱材も詰めて
清潔感と安心感のあるトイレに。あとは、塗装したら完成。

バーカウンターは、10cmの角材で既存の柱を補強しながら、
テーブルも同じ角材をボルトで締めあげてつくるという男らしいデザイン。
遠藤のこだわりのカウンターです。吊り棚も取り付けて、
ワイングラスをシャンデリアのように垂らすそうです。
楽しみ。

カウンターが完成した夜、さっそくカクテルを。建築家ル・コルビュジエの「カップ・マルタンの休暇小屋」に隣接するバー・レストラン「ひとで軒」みたい。椅子はOTONARIの開店に合わせてつくったハイスツール。

やっぱり思い通りには進まない

玄関付近のオープンキッチンは、まだ未完成です。
前回の記事の最後に、「完成した姿を報告できると思います」
と大口を叩いたものの、
普段の仕事の合間や休みの日に少しずつ進めている感じなので。
この記事を書くために、ペースを合わせるほうが不自然。
本当にリアルなレポートということで、お許しください。

できたばかりのカウンターで、
このスペースをどう使っていきたいか、ふたりに聞いてみました。
黒瀬は、
「自分の部屋をアトリエにしていたときよりも、
たまたま近くにいた人に世間話しながら意見をもらえたり、
試着してもらえたりするのは、とても刺激的だし、楽しみ。
これからつくるものにも影響しそう」とのこと。

ぼくらも、できたての服や染めたての生地を見せてもらうのを、
いつも楽しみにしているので、より近くでミシンの音が聞けてうれしい。

抜群の集中力を見せる、ミシン作業中の黒瀬先生。

「基本的には、Café the Endのメニュー開発などの、日々の修練の場所。
カクテルのイベントや、料理教室なども企画中。
あと、屋上と合わせてのパーティもやりたい」
と、遠藤の今後の意気込みも聞けました。

久しぶりに遠藤と木工作業をしていて、
大学院時代のスタジオを思い起こしながら、懐かしい気持ちにもなりました。
修士設計で、現在のNO ARCHITECTSの西山と奥平、そして遠藤の3人で、
キャンパス内にツリーハウスをつくるプロジェクトをしたことがあります。
(当時の鈴木明研究室のブログ http://akiralab.exblog.jp/i9/

カウンターをつくっているところ。

そんなこんなで、自分たちのスペースを
自分たちらしく楽しく暮らしていけるようにつくり変えていくこと。

そんなスペースが、まちの中に少しずつ、それぞれマイペースに進んでいる。
それも、ぼくらが知らないところでもと想像すると、ワクワクしてきます。
そういうことが許されているまちは、
自然とクリエイティブな空気で満ち溢れています。
地主さん、不動産屋さん、大家さん、そして住まい手の関係性がとても大事で、
この界隈は、とても幸せな状況にあるということなんです。

みなさんも、次に住む場所を考えるとき、
間取りや日当たり、駅からの距離だけで選ぶのではなく、
実際にいろんなまちや家、そして人に会いに行って、
その場所が持っている空気感や雰囲気を感じてほしいです。
きっと、新しい暮らし方のイメージが湧いてくると思います。

共有のリビングにて、配置したばかりの椅子やソファでくつろぎながら、お披露目イベントのミーティングをしているところ。

information


map

NO ARCHITECTS

住所 大阪市此花区梅香1-15-20
http://nyamaokud.exblog.jp/
https://www.facebook.com/NOARCHITECTS.jp

支援者募集中!奈良在住の映画作家、河瀬直美らによる手作りの「なら国際映画祭」

今年も、奈良を舞台にした映画祭「なら国際映画祭」
が開催されます!これは奈良在住の映画作家、河瀬直美さんが
立ち上げた、手作りでローカルな国際映画祭。

2010年の初開催から隔年で開催されていて、
3回目となる今年は2014年9月12日(金) から15日(祝)まで開催されます。
世界中から日本未公開映画を集めたコンペティションを中心に、
奈良の風土を活かした多様な映画イベントをおこなう
フェスティバルなんです。
会場は奈良市の「ならまちセンター」や
「尾花座 (ホテル サンルート奈良)」、「春日大社」、
「椿井小学校」など、のんびりとした自然と
世界遺産のお寺や神社に囲まれたところ!

この映画祭の大きな特徴は、前回開催の新人コンペティションでの
優勝者が、河瀨直美さんや「なら国際映画祭実行委員会」とともに、
奈良を舞台に映画を創って上映する「NARAtive」(ナラティブ)
というプログラムがあること。
単なるコンペティションではなく、若い映画作家たちに地元の人たちとの
出会いと繋がる場を提供しています。
かつて国際文化・経済交流の拠点として栄えた奈良の都が、
世界に開かれた真の「“国際交流”観光都市」となることを目指して
いるのだそう。

■支援者募集中!

手作り「なら国際映画祭」の開催を助けるため、
ただいまクラウドファンディングの「ShootingStar」で
開催資金支援の募集が行われています。
支援者には、金額によって上映作品観賞のフリーパスや
なら国際映画祭のぬいぐるみツアーに参加できる権利、などなど
様々なギフトをプレゼント。
ひとりでも多くの人に関わってもらうことで、
映画祭を広げて行きたいという思いが込められているのだそう。
応募の詳細は、「ShootingStar」にて。

なら国際映画祭
・「ShootingStar

小松菜の日に、千葉・西船橋で小松菜食べ歩き!72店舗参加の「こまつなう2014」

5月27日は何の日かご存知ですか?
それは「こ(5)・ま・つ(2)・な(7)」で「小松菜の日」!!!!
これにちなみ、2014年5月26日・27日の2日間、
小松菜の名産地である千葉県・西船橋を舞台に、
オリジナルの小松菜料理を食べ歩くイベント「こまつなう2014」が開催されます!
飲食店がそれぞれに工夫をこらした小松菜料理を
参加者が自由に食べ歩きできる、地元密着型の催しです。

「こまつなう2014」への参加方法は、Webサイトでも紹介されている
参加店舗数72店舗のいずれかを訪れ、専用チケットを購入するだけ。
お値段はシール3枚組みで2,100円。
チケットシール1枚と引き換えに、小松菜限定メニューが1回
いただけます。

このイベントは、小松菜農家(西船橋葉物共販組合)が、
小松菜を使ったまちおこしとして2012年より始めたもの。
3回目となる今年は参加店舗数が昨年の約2倍になり、
船橋駅周辺が新たに参加エリアとして加わりました。
食べ歩きを通して、西船橋の小松菜と地元の魅力を
再発見できるイベントです。

こまつなう2014
こまつなう2014Facebookページ

山ノ家 vol.8: ドミトリーの完成と夏の終わり

山ノ家 vol.8
工事が終わりそうでなかなか終わらない?

カフェには連日いろいろな人が訪れ、あっという間に過ぎていく時間。
そして2階のドミトリーのための工事も大詰め、のはずなのだが、
なかなか終わりが見えない……?
それもそのはず、手を入れる部分はカフェのときよりもはるかに多い。
床貼りや塗装など、わかりやすく進んで見える工程もほぼ終えて、
納まりの細かい部分が多くなり、調整が重なってくるとさらに進みが遅く感じる。
加えて1階のカフェを営業させながらの作業は、やはり少しやりづらい。
仮囲いをいつまでもつけているわけにもいかない。
このままでは、完成がどんどん遅れる可能性も……。
大工さんからの進言もあり、考えた末に運営チームとも相談して
8月の後半は週末のみカフェを営業、平日はクローズにして、
その間は工事のみに集中することにした。

2階廊下の壁と天井を塗装。これが終わらないと、客室のドアや、天井照明などを取り付けることができない。塗装は常にさまざまな作業工程と絡んでくる。

1階の客席、テーブルを一度片付けて場所を空ける。ここは、茶箱を利用したベンチの席が最終的に設置される。

そんなさなか、8月の最後の週末には、
山ノ家のあるほくほく通りで昔から行われているお祭りがあった。
(知ったのが直前過ぎて、盆踊りのとき〈vol.7参照〉のように出店をする余裕はなかった)
「しちんち祭り」と呼ばれ、
目の前のほくほく通りを2日間に渡って、手づくりも含めた
さまざまな神輿がにぎやかに通り過ぎていく。
楽しげな中にもなんとも言えず、季節の変わり目が近づいているような、
そんな名残り惜しそうな気分を醸し出しているように思えた。

地元の人によれば、このお祭りは
やはりこのまちの夏の終わりを告げる風物詩のようだ。

「しちんち祭り」の様子。山ノ家のある通り沿いをさまざまな神輿が行列で練り歩くお祭り。

少しずつ、みなが現場を離れる日が

8月の後半の平日をクローズにしてでも(芸術祭は開いているのにも関わらず)
工事を優先しようと考えた決断には、
もちろんドミトリーを早くオープンできるようにしたい
というのもあったのだが、もうひとつ理由があった。

実は、8月いっぱいに作業を終わらせることを
あらかじめ目標にしていたこともあって、
そのタイミングを最後にこの現場から離れなければならない人が何人かいた。
7月からずっとこのリノベーションにつきあってくれたアキオくんと、
インターンで約1か月滞在し続けていたジュンくん。
さらに、立ち上げやインターンの取りまとめなど、
さまざま奮闘してくれたgift_スタッフのメグミさんも、
9月からの3か月、海外に語学留学にでることになっていた(戻ってきたら、
また一緒にgift_の一員として復帰してもらうことももちろん約束の上で)。

彼らに、少しでも最終形に近い山ノ家を目にしてもらいたかったのだ。
結局彼らがいる間には完成できなかったのだが。

それまでにも、インターンとして入ってくれていた人たちが
1週間から2週間ほど来ては帰っていく、ということを繰り返し、
何人もの協力のもとにこの山ノ家はつくりあげられてきた。
引き続き芸術祭が終わる9月後半まで、
インターンさんたちは入れ替わり来てくれるシフトになっている。
さまざまな経緯、興味で応募してきてくれた彼ら・彼女らへの感謝は、
いくら述べてもつきない。

現在もgift_スタッフとして活躍中のメグミさん(左)。後ろ髪ひかれながらもあわただしく現場を後にした。

アキオくんとジュンくん。滞在最終日にお祝いのシャンパンならぬお気に入りのトラピストビールを掲げて記念写真。彼らもドミトリーの完成を見ずに現場を離れなければならなかった。

ついにドミトリーもオープン、新たな日常が始まる

ずっと滞在して寝食を共にした人たちが現場を離れていくなか、
まだその後も滞在してくれている人たちと最後の仕上げ。
最後まで完遂することがミッションの工務店の大工さんももちろんいる。

主要なメンバーがいなくなった後に、残った人たちで最後に1階のレセプション部分となる床の染色を行ったり。

実は、山ノ家でつかわれているインテリアのなかには
もともとこの家に残っていた
いろいろなものを利用してできている什器や家具がある。

例えば、カフェオープン時にはなかったベンチソファー席。
この家の放置されていた茶箱を利用することをある時に思いついた。

工事前の写真。もともとこの家にあった、6つの茶箱。これを何かに利用できないかと当初から考えていた。

この茶箱の紙を剥がして、外壁と同じ黒染めの塗料で塗って。

その箱を脚として、別手配したクッション部分をのせて、ベンチソファーが完成。

茶箱を利用すると、座高が高くなってしまうことが懸念されたが、
小さな子にとってはテーブルが近くなり食べやすく、
ベンチだと親との距離も近くなるようで、
小さな子を持つ親には好評となった。

それから、桐たんす。
調湿に優れ、持ちがよく本当に美しい伝統的な家具だが、
独特な時代感が漂ってしまう家具なのでどう扱うか最初はちょっと考えあぐねた。

これも工事前の写真。この立派な桐たんすが、ふたつもあった。

池田の「引き出しを取り外して棚として使ったらよいのでは」
という思いつきをやってみることにした。
そこに置くものを美しく並べることで、
見違えるような感じになり、これがとてもよかった。

カフェにて、引き出しを全てはずしてオープンな棚として使用した。日常をより美しくみせるツールに。

そして、店舗の什器で使用していたと思われる鉄のフレームがあったので、
これを物販用の棚として再利用したり。

少し錆び付いていたので紙ヤスリをかけ、鉄の生地肌ともとの塗装を何となく残しながら、その後錆び止めクリアの塗料を塗った。

板を新調し、現在はショップの棚として利用している。

他にも、ここにもとあったものを新たなかたちで再利用することができたことは、
とてもラッキーだった。
それらをどう使うかは、僕らにとっては一番の楽しみでもあり、
この空間にとっても幸せなことなんだと思う。
この場所の雰囲気をつくりだすのにとても重要な役割を果たしている。
例えば近所の人がカフェに来てもなじめる雰囲気があるとしたら、
これらもとあった家具たちのおかげだと思う。
そんな1階の空間づくりとは異なり、
2階のドミトリーは、逆の考え方によって構成されている。
宿泊するのは、カフェに比べれば少なからずこの土地以外の人。
外から来る人を想定し、モダンな気分となる要素を取り入れたかった。

既存の屋根裏の梁などを露わにしながらも、
この家のもとあった古くからの部分を引き出すのとは
対照的な雰囲気のインテリアを取り入れる。

その象徴となるのは2段ベッド。
ハシゴを木造などにはせずに、
金物(ステンレス)にしようと考え、
金工をやっている知人に製作を依頼することにした。

ベッドは、個別に区切れるカーテンレールをなるべく自然に使えるよう考えたり、
携帯や小物や手元灯りを置けるような細い台になるスペースをつくったり、
寄りかかれるような大きなクッションを置けるようにしたりと、
少しでも快適に使えるようにと工夫した。
その上、マットレスの底の通気性を考えたら
スノコ状にスキマを空けて張るべきだったりと、
造作としては結構な複雑さとなり大工さんと納まりについて
侃々諤々(かんかんがくがく)とやりあいながら、最終的にまとめ、ようやくの完成となった。

最後の山場、2段ベッドがついにでき上がった!

これで、ドミトリーもかたちが整い、およそ全体の要素が揃った。
そうしてなんとか、9月に入ってドミトリーを無事オープンさせることができた。

最初に泊まったお客さんは、
スタッフの知人だったこともありとても和やかな夜となった。

ドミトリーを利用するお客を迎えることは、とても新鮮で不思議な感覚だった。
個人的には「客」を迎える、というよりは、
「新しい友人」を迎えているような心持ちで、
できることなら全ての人と話をしたいくらいだった。
これは現在でもそうで、どちらかというと家をシェアしているような感覚なのだ。
(もちろん、プライバシーはきちんと尊重した上で)

次の日の朝、宿泊客を見送ったあとに、
シーツなどを片付けにいったところで嬉しいサプライズを発見。

写真ではちょっと見えにくいが、「おめでとう!」とマジックで書かれた風船が枕元に並んでいた。

季節はすでに、夏から秋に向かっていた。
大地の芸術祭の終わりも見えてきたころにようやく、
山ノ家の全体の新しい日常が始まりだした。

つづく