日本ではおなじみの忍者ですが、近年では映画やアニメの影響もあり、
外国人観光客からも人気が上昇しています。
三重県伊賀地方と滋賀県甲賀地方が忍者の発祥地として知られ、
なかでも伊賀忍者は忍術や戦闘能力に優れ、多くの戦で貢献したといわれています。
今回は、そんな忍者の里「上野市(忍者市駅)」で立ち寄りたいスポットを紹介します。
使用車両はJR東海所属のキハ75形2両編成。
三重県までは、名古屋から「名古屋発専用臨時電車」に乗って移動します。
「名古屋発専用臨時電車」は、地域活性化と観光需要の取り組みを検証するために、
2025年2月16日と22日に実証運行された2日間限定の電車です。
「名物☆忍者列車」のピンク。ほかにブルーとグリーンがある。
名古屋から関・伊賀上野駅までを直通で結ぶ臨時列車で「伊賀上野」、
そして伊賀鉄道で忍者のまち「上野」へ。
お弁当やスイーツ、パンなど地元のお店やキッチンカーが勢揃い。
「上野駅」に到着。改札を出ると、駅前の多目的広場で地元のお店が集まった
「忍マルシェ」が行われていました。
地元のお店が出店しているほかに、駅の周辺は忍者の人形が並べられ、
地元の人や観光客が入り混じり、賑やかにグルメや体験を楽しんでいました。
いろんなポーズをとっている忍者人形と写真を撮って楽しめる。
今回行われていたマルシェは「忍者の日」にちなみ、2日間限定で開催でしたが、
今後も多目的広場で、不定期でさまざまなマルシェを行うそうです。
地図をモチーフにした文具や雑貨を販売する〈Map Design GALLERY〉が、
47都道府県をデザインした「47palette カラーピンズ」を展開。
都道府県のかたちをしたカラフルなピンズが、
郷土愛の強い人たちの間で話題になっています。
各都道府県、色がついていますが、なんの色かわかりますか?
「47palette カラーピンズ」(上段)、「47都道府県ピンバッジ」(下段/ゴールド)。
「Map Design GALLERY」は、
日本全国の詳細な住宅地図データなどを整備している
地図情報会社、ゼンリンから生まれたブランドです。
ピンズは「47palette カラーピンズ」シリーズのほか、
各都道府県のかたちをした「47都道府県ピンバッジ」シリーズからは
ゴールドとシルバー2種類のピンバッジも。
「47palette カラーピンズ」シリーズ「栃木県」のピンバッジ。
「47palette カラーピンズ」は、47都道府県それぞれ、
青森県は「りんご」、富山県は「水」、大分県は「かぼす」のように、
名産品や名所などをイメージした色で表現しています。
東京は? ……「ビル(都庁)」をイメージしたカラーでした。
生まれ育った場所や旅行で訪れたことがある場所など、
人それぞれの“愛着のある都道府県”のアイテムを身に着けることで、
会話するきっかけや、懐かしむきっかけづくりができればという思いから、
この愛らしいピンズは生まれました。
カラフルな彩りだけでなく、ピンバッジの周囲に施した金の縁が、大人の落ち着いた雰囲気を演出。
広島県尾道市で60年以上愛されてきた宿泊施設〈千光寺山荘〉が
この春、ホテル〈尾道倶楽部〉に生まれ変わります。
尾道のランドマークである千光寺山の中腹に位置するこのホテルは、
エリア屈指の眺望を誇るホテルとして、今年3月31日にオープン予定です。
フロントのすぐそばには、地元のスイーツやこだわりのオリジナルコーヒーを楽しめるカフェを併設。
“尾道を目に宿す宿”をコンセプトに、海と山に囲まれ、
懐かしくて目新しい風景が混在するこのまちを楽しむ旅の拠点を目指す同館。
客室は、ユニットバスタイプの「エコノミーツイン」から、
尾道水道を一望できる「尾道倶楽部スイート」まで、全6タイプ。
窓辺に小上がりのある客室「コンフォートフォース」。4人まで宿泊できます。
尾道水道に面した大きなバルコニーのあるお部屋や
サイクリストにおすすめの客室内に自転車をかけられる
バイクハンガーを備えたお部屋など、このまちを訪れる人の
さまざまなニーズに応えたバラエティ豊かな客室が揃います。
自由でプレミアムなアルコールブランドとして、
2024年5月17日にローンチされた〈CRAFT WONDER〉。
全国のさまざまな中小酒造を製造パートナーに迎え、
小さな酒造が持つ知られざる卓越した製造技術やこだわりを生かして、
多彩な酒類製品を開発・展開しています。
第1弾では、国内初「瓶内発酵・瓶内熟成」で酒造免許を取得し、
これまでに100種類以上のビールを手掛けてきた〈新潟⻨酒〉とコラボレーション。
「After Dinner Beer」という新たなジャンルの、
食後を彩る至福のビールを2種類発売しています。
「Barrel Wonder Amber Ale No.001」(370ミリリットル、1760円)は、
ミズナラのウイスキー樽で熟成した至極のビール。
「Eisbock Wonder No.001」(370ミリリットル、2530円)は、
凍らせて融点の違いを利用し、アルコールを抽出する
アイスボック製法により味わい凝縮させています。
第2弾では140年以上の泡盛づくりで培ってきた、高い蒸留酒製造技術を有する
沖縄の〈まさひろ酒造〉と共に、ライスウイスキーを製造。
「Rice Whisky Wonder MIZUNARA」(720ミリリットル、19250円)は、
古酒をジャパニーズオークと呼ばれる希少なミズナラ樽で貯蔵して
ウイスキーを独自にブレンドした泡盛とウイスキーのニュアンスを感じる
新感覚のお酒になっています。
2025年3月上旬には第3弾として、奈良県の最高級苺ブランド「古都華」を使った
ストロベリーリキュール「STRAWBERRY WONDER(ストロベリーワンダー)」
(200ミリリットル7150円、500ミリリットル9900円)が数量限定で登場します。「STRAWBERRY WONDER」は、限られた農園でのみ栽培されている
奈良県の最高級苺ブランドの古都華を贅沢に使用。
古都華をそのままじっくりと漬け込み、さらに果汁とピューレに加工したものも
加えることで、濃厚さとフレッシュさのバランスを取っています。
また素材の味わいをシンプルかつ最大限に引き出すために香料・着色料は完全不使用。
古都華、甜菜糖、アルコールのみのシンプルな原料から
「生の苺を食べる以上の感動」を伝えられるように研究、試行錯誤を重ねています。
近年、コンテンツの新しいカタチとして、
ポッドキャストなどの音声コンテンツが盛り上がりをみせています。
手前味噌となりますが、コロカル編集部でも実験的に
音声プラットフォーム〈Voicy(ボイシー)〉を開設しています。
チャンネル名は『ゆるコロカルβ版 』。
編集後記的にゆるくローカルの話を展開しています。
パーソナル編集者のみずのけいすけさんをナビゲーターに、
『コロカル』3代目編集長の山尾がローカルに関わるゲストとおしゃべりします。
ひとまず、半年間ほどのチャレンジということで、
当初の予定通り、この2025年2月末までの更新となりますが、
これまでもローカルに関わるすてきなゲストに遊びに来ていただきましたので、
まだ聴いていないという方は、ぜひ、アーカイブを聴いてみてください。
「2024年ゲスト回振り返り」放送分より。ローカルに関わるメディアの編集長やローカルで活躍する方々にゲストとして登場いただきました。
豪華なゲスト回のトップバッターは、
コロカル創刊編集長の及川卓也さん。
2012年1月にコロカルを立ち上げた張本人で、
現編集長の山尾にとっての師匠でありボス的存在。
現在は、福祉をたずねるクリエイティブマガジン『こここ』の
プロデューサーを務める傍ら、
栃木県益子町にあるギャラリー・カフェ〈starnet 〉の
経営にも参画するチャレンジをはじめています。
「コロカルを立ち上げてすぐに、
インタビューさせていただいたのが、
〈starnet〉の創業者である馬場浩史さんという方で、
そこではじめて僕は〈starnet〉を訪ねたんです」と及川さん。
〈starnet〉や馬場さんとの出会いを次のように語ります。
「馬場さんの活動は地域に根ざした
農業、民藝、ものづくりの人々とつながり、土や水や風や星など、
風土の巡りをすごく大切に“場”をつくっていました。
いわゆる自然を非常に尊重しながら、
人間の限界も感じながら、
どういう暮らしを営んでいくかということを
実践されている場所だったので、感銘を受けました。
その後、コロカルの活動をしていくうえで、背骨になってくれたようなことが
そのインタビューではうかがえたんです」
「Innovatorsインタビュー」と題した連載で、2012年8月、馬場浩史さんを取材した記事 のワンシーン。(写真は記事から引用)
残念ながら、馬場さんは2013年7月に他界。
その後、及川さんのところにさまざまなところから
〈starnet〉の事業継承の相談がきたのだそうです。
出会ったときの印象とその後の関係性、そしてご縁を感じて、
及川さんは〈starnet〉と『こここ』の二足の草鞋生活に
チャレンジすることになりました。
『ゆるコロカル』ではさらに詳しい話を音声で聴くことができます。
今年も卒業シーズンを迎えました。
何かを卒業するということは、新しい何かが生まれるということ。
そう、旅立ちの季節でもあります。
自分が住む地域から飛び出して挑戦する・したいと思っている
若者も多くいることでしょう。
そんなみなさんの背中を押してくれるのが、
富山県が推進している〈I'm Your Home.〉。
かつて同じようにふるさとを飛び出して活躍している先輩たちが、
若者たちへエールを贈ってくれます。
一問一答で回答してくれた富山出身の先輩たち。
都会で華々しく活躍している人たちも、その多くは地方出身者。
学生の頃の気持ち、一歩踏み出したときの気持ちはきっと、
挑戦したいと思っているみなさんも共感してくれると思います。
15組の先輩たちの手書きメッセージがSNSで配信される。左から俳優の池田航さん、ダンサーのKotoriさん、動画クリエイターのはじめしゃちょーさん。
寒い日が続き、春はまだ先かと感じる今日このごろ。
あったかーい食べもので温まりたい人は、
〈静岡おでん祭2025〉に出かけてみては?
2025年2月28日(金)から3月2日(日)の3日間、
静岡市葵区の「青葉シンボルロード」で開かれるこのイベントは、
日本最大級のおでんの祭典です。
「しぞーか(静岡)おでん」や日本各地のご当地おでんのお店など約60店舗が、
春が待ち遠しい冬の終わりに来場者の心も温めてくれるはず。
土地によってだし汁や具材が異なることから地名などをつけて呼ばれるご当地おでん。
その中でも、頻繁に名前を耳にするのが静岡おでんです。
黒いスープに「黒はんぺん」で知られています。
その静岡おでんには、静岡おでん5か条なるものがあるのをご存知でしょうか?
その内容は、
その1. 黒はんぺんが入っている。
その2. 黒いスープ。
その3. 串に刺してある。
その4. 青海苔、だし粉をかける。
その5. 駄菓子屋にもある。
というものです。
静岡おでんを語るに欠かせない黒はんぺん。
はんぺんといえば、一般的に白くてソフトな食感が特徴ですが、
静岡おでんに欠かせないはんぺんの色は黒。
黒はんぺんは、サバやイワシなどの青魚を材料とし、
骨も皮も取り除かずにつくることから、黒っぽく、カルシウムが豊富です。
静岡ではおでんだけでなく、フライとしてもよく食べられています。
ふたつ目の黒いスープは、濃口醤油でしっかり味付けされているから。
そのスープの黒さは、鍋の底が見えないほどです。
おでん種串がついている理由は、会計しやすさのためという説も。
3つ目のおでん種が串に刺してあること、
4つ目の青のりやだし粉(サバやイワシなどの削り節)をかけるという食べ方も
なくてはならない特徴です。
静岡らしいおでん種のひとつ「白焼き」はスケトウダラのすり身を素焼きしたもの。
そして5つ目の駄菓子屋にもあるということが、
静岡の人たちが静岡おでんを愛する大きな理由かもしれません。
学校の帰り道、近所の駄菓子屋の店先で、
お小遣いでおでんを買っておやつにするという体験は、
多くの静岡の人に共通する思い出なのだとか。
青森県南東部に位置し、太平洋に面する八戸市は、海産物の宝庫。
ここ八戸で毎年2〜3月の恒例になっているのが、
魚介類をスープで味わう「八戸ブイヤベースフェスタ」です。
写真提供:八戸ハマリレーションプロジェクト
ブイヤベースとは、南フランス発祥の郷土料理。
地元産の魚貝類を、トマトやハーブとともに煮込んでつくります。
今年の「八戸ブイヤベースフェスタ」には過去最多タイの16店舗が参加し、
それぞれがこだわりのブイヤベースを提供しています。
八戸ブイヤベースフェスタにはルールが設けられており、以下の2点。
参加店の〈フレンチ食堂 Saison(セゾン)〉のブイヤベース。(写真提供:八戸ハマリレーションプロジェクト)
(1)八戸産の魚介類をふんだんに使うこと。
ブイヤベースには、地元八戸港に水揚げされる魚介類を4種類以上使うのが条件。
また、一緒に煮込む野菜やハーブなどもできるだけ地元産を使います。
(2)「2度おいしい」こと。
まずはスープ料理として具材をそのまま味わうひと皿を。
その後、スープを生かしたオリジナルの“〆のひと皿”を味わいます。
各店ごとに異なる、「ひと皿で2度おいしい」が提供されます。
地元のファンの間では、期間中にいくつかの店舗を巡るのも恒例になっている
『八戸ブイヤベースフェスタ』ですが、コロカルでは、
それとはまた別の角度からさらに楽しむためのコツを提案したいと思います。
それは、ずばり! 早起きして魚市場を見学することです。
八戸市の魚市場は、鮫地区にある「第一魚市場」、
江陽地区にある「第二魚市場」、白銀地区にある「第三魚市場」の3つがあり、
それぞれ漁業の種類や取り扱いの魚種、販売方法などが異なります。
「第一魚市場」で扱うのは、まき網漁業による
生鮮のサバやスルメイカ、イナダ、イワシなど。
「第二魚市場」は底引き網や定置網、沿岸小型漁業、陸送による生の魚で、
タラやカレイ、ヒラメ、マグロ、ウニ、ホヤ、貝類など。
「第三魚市場」は冷凍イカをメインに扱っています。
各魚市場は漁業関連の業者しか入れないと思われがちですが、
実は一般の人でも見学することができるんです。
市のホームページにある「休開場カレンダー」で日程を確認し、
見学申込書をダウンロード、記入したら、
見学希望日の7日前までにFAXかメールで申し込めばOK。
事前にガイドをお願いしておけば、説明を聞きながら見学することもできますよ。
また、見学者も長靴と帽子の着用が義務づけられているのですが、
申請の際に希望しておけば、長靴を当日借りることもできます。
3つある魚市場のなかでもおすすめなのは、
多様な魚種が集まる「第二魚市場」。
以前は屋根と柱だけの開放型の魚市場でしたが、
2021年に改築され、屋根と壁に囲まれた閉鎖型の魚市場になったため、屋内でセリが行われ、
雨風(雪)をしのぐことができるのもポイントです。
福岡市内屈指のお散歩コースである大濠公園をはじめ、
福岡市立美術館や福岡市科学館などのおでかけスポットを擁する
緑豊かな文教地区、六本松エリア。
大濠公園を抜けて、NHK福岡放送局の横を通り過ぎると、
小さな長屋の並ぶエリアが突如、現れます。
このエリアに個性的なショップが集まっていることは、
あまり知られていないかもしれません。
大濠公園駅から20分ほど歩くと現れる、昭和レトロなまち並み。
今回ご紹介する〈書肆吾輩堂〉も、
そんな静かな路地裏にたたずむ、ちょっと変わったお店です。
フォトジェニックなまち並みに思わず撮影したくなりますが、
スマートフォンはあえてポケットにしまって、
記憶に残る「お店探訪」をしてみませんか?
書肆吾輩堂があるのは、この細い道沿い。「DAY’S CUP cafe」のテラスに置かれた小さな看板が目印。
住宅が並ぶ小道にお店が点在。現代的にリフォームされた住宅もある中、書肆吾輩堂は長屋の趣を残している。
書肆吾輩堂のロゴは、歌川国芳『流行猫の狂言づくし』の中の「口上猫」。
2013年、「日本で初めての猫本専門書店」としてネット書店を開設、
2018年には福岡の六本松で実店舗もオープンした書肆吾輩堂。
猫が登場する小説や絵本、猫を愛する作家のエッセイ、
そして海外の猫本が、細長い店内にずらりと並びます。
店内は土足禁止のため、靴を脱いで上がるスタイル。「静かに本を選んでもらいたい」という店主の意向により、撮影も禁止。
店主の大久保さんは、ネット書店を始めた当初から、
六本松エリアで実店舗をオープンするため、
理想的な物件を探しつづけていたといいます。
「お店を開くなら落ち着いたところがいいと思っていたので、
大濠公園も美術館もあって、緑の多い六本松で探していました。
このあたりは護国神社の土地で、戦後の引揚者住宅のエリアなんです。
住所の番地もこの地区一帯、全部同じなんですよ」
実は、同じ六本松でも福岡市科学館のある六本松駅側は
九州大学キャンパスの移転によって大きく変化したエリア。
新しい賑わいと古くからある静けさが道一本を隔てて隣り合う、
とても魅力的な場所なのです。
「あるお客さんが、細い路地から小さい間口の店に入ってきて、
『自分まで猫になった気がする』と言ってくださって。
猫好きとして、それはすごくうれしかったですね(笑)」(大久保さん)
観光地として有名な長野県の蓼科高原から
車で1時間ほどの小さな町・立科町。
地域の人が主に暮らす北側のエリアには歴史的なまち並みや畑が広がり、
高い建物は見当たりません。
そんな立科町に、ゲストハウスとシェアキッチン、
書店、物販などを兼ねた複合交流拠点〈アツマルセンター立科〉と
泊まれるカフェ〈bake&soup yum-yum〉がオープンしました。
長野県北佐久郡にある立科町は、人口6700人ほどのとても小さなまち。
鉄道の駅はありませんが、
小諸市や上田市といった人気の観光地のある地域に囲まれています。
〈アツマルセンター立科〉の永田賢一郎さんは、
もともと地域おこし協力隊として2020年に神奈川県横浜市から
立科町に移住してきました。
横浜と行き来し自身の建築設計や拠点運営の仕事を続けながら
「移住定住、空き家活用促進」担当として立科町にも勤務する異例の採用形態で、
任期が終わっても継続的にまちに関わりたいと、町内で〈合同会社T.A.R.P〉を設立。
その柱となるプロジェクトが〈アツマルセンター立科〉です。
〈アツマルセンター立科〉外観。右手前の瓦屋根の建物は空き家相談所「町かどオフィス」。
建物は町役場からほど近い、中山道沿いの元は薬局だった場所。
元々の所有者である大島薬局の大島さんからは、
「まちの真ん中でずっと空いてしまっているので、いい人がいたらぜひ使ってほしい。
ただ、まちの中心にある建物なので、地域の人たちも安心出来るよう、
ちゃんとした人に使ってほしいという思いもある」
と相談があったといいます。
永田さんもなんとか活用につなげたいと考え、
空き家を探している人に案内もしましたが、
規模が大きい、リフォーム後でちょっと新しすぎる、家賃が合わない、
といった理由でなかなか活用につながらなかったそう。
「建物一棟で賃貸、売却を考えるのではなく、
細かく分けて貸せたらもっと活用の幅も、借りたいという人の数も増えそうなのに」
という思いがありました。
そこで手を上げたのが、町内の建設会社〈三矢工業株式会社〉。
「地域貢献につながる新しい事業を立ち上げて、
若い人たちにも来てもらえるようにしたい」
と、この物件を買い上げてくれたのです。
三矢工業の金澤清人社長。
そうして、三矢工業とT.A.R.Pが一緒に
〈アツマルセンター立科〉を運営していくことに。
所有者と地域の企業、空き家活用を通した
まちの活性化を担う永田さんの三者の思いが重なったことで、
新たな地域の憩いの場が生まれました。
栃木県日光市の〈亀の井ホテル 日光湯西川〉が12月1日より、
宿泊費に夕・朝食と、アルコールを含むドリンク、アクティビティなど
滞在中の利用料金が含まれる宿泊料金体系が「オールインクルーシブ」になりました。
平家の一族が河原に湧き出る温泉を見つけ、疲れを癒したと伝えられている
「湯西川温泉」の温泉宿をレポート。
「浅草駅」から「湯西川温泉駅」まで、東武特急に乗って約2時間30分ほどで到着。
そこからは送迎バス(予約制)に乗車すること20分で
〈亀の井ホテル 日光湯西川 オールインクルーシブホテル〉に到着。
湯西川の源流近くに位置する温泉地で、
平家の落人が隠れ住んだという伝説が残されています。
〈亀の井ホテル 日光湯西川 オールインクルーシブホテル〉の部屋数は54室。
ホテル周辺は自然環境に恵まれ、里山の風景など郷愁が漂い、
敷地にある源泉からモウモウと湯けむりが立ちのぼっています。
チェックインが終わったら、
フロント横に設置されているアメニティコーナーから、
好きなものを選んでお部屋へ。
今回のオールインクルーシブ化は、女性グループでのホテルステイを想定。
日常から離れてホテルの中でゆったりと過ごせるよう、
無料で好きな柄の浴衣が選べます。
ロビーラウンジでは、生ビールやスパークリングワイン、
栃木の地酒などのアルコール類に加え、
ソフトドリンクやスナックなども自由に楽しめます。
ここで提供されているものは、全て宿泊代に含まれていますので、
安心して好きなものが味わえます。
また、スナックの他にも、フムスやピクルスなどのおつまみもあり。
ソファに腰をかけて、暖炉の火のゆらめきを眺めながらリラックス。
館内には温泉場に欠かせない「卓球」や、ダーツやバドミントンも楽しめるほか
周辺散策に便利なレンタサイクルも無料で利用でき、
近くの温泉街や平家の里、湯西川水の里などへ向かうのにも便利です。
大浴場は内風呂と露天風呂を完備。
ph8.4の弱アルカリ性の泉質は、美肌の湯としても知られ、
角質を溶かす効果があるので、湯上がりはお肌がツルツルに。
美肌効果の他に、肩こりや神経痛、冷え性などに効き、健康増進の効果もあり。
四季折々、美しい風景を眺めながらゆったりと手足を伸ばして温泉を堪能。
平家の一族が身体を癒したとされる温泉で湯治体験が楽しめます。
デザインや色柄が気に入っているけれど、シミや汚れがあり、
着られなくなってしまった服や、思い入れがあってなかなか捨てられない服、
買ったけれどまったく着ていない服など、クローゼットに眠る洋服や小物は案外多いもの。
名古屋市に本社を構えるブラザー工業のパーソナル・アンド・ホーム事業
(P&H事業)では、「サステナビリティワーキンググループ」をスタートしました。
ミシンなどブラザー製品を使用して、本来は捨てられるはずの衣類などに
新たな価値を与えて再生する「アップサイクル」を推進しているそうです。
2021年より、愛知県一宮市内の中学校での出張授業や、
地元の織物メーカーとのコラボ、不要となった衣類のアップサイクルの提案など、
ミシンがサステナブルを生み出す道具であることを伝える活動を展開しています。
愛知県一宮市立北部中学校でアップサイクル講習を開催。
今回は、名古屋市内にあるブラザーの研修所にて、愛知県出身のデザイナーの
井上アコさんを講師に迎え、エンドユーザー向けに、
ちょっとしたアイデアで小物や洋服が生まれ変わる
〈簡単アップサイクル講座〉を開催。その様子を取材してきました。
愛知県稲沢市出身の洋服作家の井上アコさん。文化服装学院を卒業後、アパレルメーカーに勤務したのち、1998年より手づくり子ども服ブランドを展開。現在はNHK『すてきにハンドメイド』に講師として出演するほか、らくがき刺繍家としての顔も。「らくがきライブ刺しゅう」と題したイベント・ワークショップなどを各地で行っている。
洋服のリメイクと聞くと、ハードルが高いと思われてしまうのですが、
例えば、シャツの身ごろを使用して、ボタンの部分をそのまま生かせば、
ファスナーをつけなくても取り外しが簡単なクッションカバーができます。
「洋服のかたちにとらわれず、布地として再利用すれば、
さまざまなものにアップサイクルできるんですよ」と井上先生。
シャツをそのまま生かしたクッションカバーやティッシュケース、ポーチなど。タグもおしゃれなアクセントに。
1枚のシャツから、クッションカバー、ティッシュケース、カード入れ、
ポーチをつくったP&H事業QMCS推進部の河合成美(かわいなるみ)さんは、
もともと洋裁が得意ではなかったそうですが、この取り組みをきっかけに、
モノづくりの楽しさに目覚めたのだとか。
河合さんが着ているのは、井上先生のパターンでつくったワンピース。
右前身頃は夫のシャツ、左前身頃は、以前ワークショップを開催したときに
もらったカーテン地のはぎれなんだとか。
デザインはシンプルでも、布地の組み合わせで、
オリジナリティあふれる洋服に仕上がっています。
「このシャツは、私が気にいって、夫のために購入したものだったのですが、
シミや汚れがあり、夫が捨ててしまっていたんです。
それを私がゴミ箱から救出しました(笑)。
夫には、アップサイクルすることを話していなかったので、
私の着ているワンピースを見て、驚いていました」と河合さん。
スカートのプリーツもバッグのデザインの一部に。 デザインを活用。
こちらはご自身が愛用していたワンピース。
スパンコールのベルト部分が、かわいかったので、
そのまま使用しておしゃれなバッグへとアップサイクルしたそうです。
裁断部分を工夫して、背のファスナーもそのまま布地として使用。
こういった利用もアップサイクルのおもしろさといえます。
古くからの温泉街として知られる、愛媛県松山市の道後温泉。
2014年には道後温泉を舞台としたアートプロジェクトが開催され、
アートのまちとしても知られるようになりました。
そんな道後温泉のシンボル〈道後温泉本館〉が、
100年に1度といわれる大規模工事を経て昨夏に全館営業再開。
その様子をお伝えします。
約3000年の歴史を誇る日本最古の湯といわれる道後温泉のシンボル
〈道後温泉本館〉が、2019年1月から営業しながら保存修理工事に着手し、
約5年半の歳月を費やし、2024年7月11日に全館営業を再開しました。
100年に1度といわれる大規模工事のため、足場でぐるっと囲う。
工事中の本館を覆う素屋根テント膜は、画家の大竹伸朗が作品化し話題となりました。
作品名は「熱景/NETSU-KEI」。
作品名:熱景/NETSU-KEI © Shinro Ohtake / dogo2021
解体しながら保存修理を始めると、蟻害及び木材の腐食等も確認されました。
ミリ単位で復元するため、一気に修理することができなかったそう。
公示前の趣を残しながらの保存修理は気が遠くなるほど大規模だった。
補強工事などは、歴史的価値と文化的価値がそのまま残せるように、
なるべく見た目が変わらないように行われ、
屋根瓦も約3万枚全て打音試験を行い大変苦労したのだとか。
新たに登場した2室の貸切室は、これまでお客さんに開放していなかったお部屋。
ご家族やご友人などとゆっくり過ごせます。
インバウンドで高まる需要にも対応できるようになりました。
しらさぎの間。
また、貸切室は新作のお茶菓子や貸し浴衣などのサービスが充実しているほか、
国の重要文化財の1室を貸し切ることができる、魅力的なコースです。
そして、道後温泉で1番新しい湯屋の〈道後温泉別館 飛鳥乃湯泉〉。
館内は愛媛の伝統工芸を用いたアートで彩られているほか、
浴室とアートが楽しめ、新しい温泉文化を体験できます。
全国の書店数が減少の一途をたどり、各地でまちから本屋が消えていくなかで、
本と出合う場所を残そうと頑張っている岐阜県岐阜市のブックカフェ
〈フィールド〉を訪ねました。
2024年に40周年を迎えた〈フィールド〉は、絵本や昔話に出てきそうな
小さな古民家で営業しているブックカフェです。
引き戸を開けると、大きな一枚板のテーブルやアンティークのいす、
ぎっしりと本の並べられた木製の本棚と、懐かしい雰囲気に包まれています。
その奥からは、やさしそうな店主の太田耕司(おおたこうじ)さん、
千栄子(ちえこ)さん夫妻がにっこりと顔を出してくれました。
店主の太田耕司さんと千栄子さん。
太田さんは、東京の大学を卒業後、サラリーマンとして働いていましたが、
無類の本好きだったため、38歳のときに両親の自宅の一部を改築し、
食事のできる貸本屋業をスタートしました。
ブックカフェという言葉がまだなかった時代です。
現在は移転してしまった岐阜大学医学部が近くにあったことから、
学生たちが出入りする食堂兼貸本屋として賑わっていたそうです。
創業時からある本棚には、文化芸術関係の本がぎっしり。
しかし、著作権法などが厳しくなって貸本業として続けることが難しくなり、
食事をしながら本の読めるブックカフェへと業態を変えていきました。
5000冊を超える本の所蔵と、お母さまがつくる定食が人気で、
なんとかここまで続けてこられたと太田さんは語ります。
お客さんの会話のなかから、好きな本や音楽、DVDなどを提案するという太田さん。
「東京と違って、地方は文化的な刺激が少ない。
映画や音楽も好きだったので、芸術新潮を毎号購入したり、
早川ミステリーを集めたり、店内音楽もクラシックをかけて、
お客さんの好みに合わせてDVDを流すなど、ここに来たらおもしろい文化に
触れられるというムードをつくりました」と太田さん。
岐阜県郡上八幡町出身の音楽ライター、
毛利眞人(もうりまさと)さんによるSPレコード鑑賞会や、
同じく岐阜県大垣市出身で詩人の山田賢二(やまだけんじ)さんの勉強会を開くなど、
先駆的な文化イベントも開催してきました。
名島団地内のやや奥まった場所に位置する「グッデイさん家」。「どこでもドア」風のフォトスポットが目印。
昭和30〜40年代の高度経済成長期から今にいたるまで、
日本各地で多くの家族が生活を営んできた「団地」。
現在では、設備の老朽化や空き家問題を解決するべく、
全国でさまざまな取り組みが行われています。
九州大学箱崎キャンパス跡地の再開発に期待が集まる福岡市東区でも、
「ホームセンター×団地」という異色のプロジェクトが始まっています。
昭和50年代に1号店がオープンしてから今にいたるまで、
福岡のDIYシーンを牽引してきたと言っても過言ではない
ホームセンター「グッデイ」。福岡に住んだことのある人なら、
一度は足を運んだことがあるのではないでしょうか。
そんなグッデイが2024年9月、福岡市東区にある名島団地の敷地内に
くらしサポートセンター「グッデイさん家」をオープンしました。
訪れてみると、現れるのは完全に普通の一軒家。
「団地なのに、なんで一軒家が?」と不思議に思いますよね。
この物件は団地の敷地内にもともと建てられていた家で、
空き家になった数年前から維持管理や活用のしかたについて
検討が重ねられていたのだそう。
DIY製品と日用品に加え、駄菓子もならぶ「グッデイさん家」。
DIYのコンビニエンスストアのような品揃えでありながら、
昭和の駄菓子屋さんを彷彿とさせる「グッデイさん家」。
グッデイのベテラン社員である佐瀬さんが「家主」となり、
名島団地に住む人たちの「生活の困りごと」を解決するため、
さまざまな製品やアイデアでサポートしてくれます。
くらしサポートセンター「グッデイさん家」はどのように誕生し、
なぜここまで愛されるようになったのでしょうか。
福岡県住宅供給公社の井上さん、グッデイ広報の島村さん、
「グッデイ団地プロジェクト」担当の塚本さんにお話を伺いました。
12棟330戸の名島団地。建物の間隔が広く、開放的な敷地内。
築50年を超える名島団地は、全国の他の団地と同様、
住民の高齢化や空き家問題などに直面しています。
それらの問題を解決し、地域コミュニティを活性化するため、
ホームセンター「グッデイ」と福岡県住宅供給公社がタッグを組み、
2023年の秋、「グッデイ団地プロジェクト」が始まりました。
リノベーションルームの玄関ドアには「グッデイ団地プロジェクト」のロゴが。
「エレベーター付きの集合住宅と違い、階段のみの団地は
4階以上の居室の借り手が少なく、入居率が低下しています。
小さなお子さんがいるような若い世代の家族にも入居してもらうため、
以前から『DIYが可能な賃貸物件』と打ち出してはいたものの、
なかなか浸透しない、という状況でした。そこで、
グッデイさんに力を貸していただくことになったんです」
(福岡県住宅供給公社・井上さん)
リノベーションは床と壁のみ。天井や建具はそのまま使われている。
最初のプロジェクトは、2つの居室のリノベーション。
ほぼ同じ間取りの2室が、DIYでまったく違う雰囲気のお部屋に
生まれ変わりました。この2室はDIYモデルルームとして、
またワークショップ用のスペースとして活用されています。
DIYで和テイストなプロヴァンス風に生まれ変わった団地の和室。訪れた人も思わずくつろいでしまうとか。
リノベーションを担当したのは、グッデイのスタッフさんたち。
「ホームセンターの社員とはいえ、中にはもちろん
『DIYしたことないです』というスタッフもいまして(笑)。
初心者がペンキ塗りに失敗したり、貼った壁紙も微妙にシワが
残ったりしたとしても、それもDIYの『味』なんですよね。
『完璧にキレイにしなくてもいいんだ』と思ってもらうことで、
DIYに対する心理的なハードルを低くしたいんです」
(グッデイ団地プロジェクト担当・塚本さん)
東京銀座の新潟アンテナショップ〈銀座・新潟情報館THE NIIGATA〉の
3階イベントスペースで、文化体験イベントとワークショップを開催。
新潟の魅力を再発見できるようなイベントに注目です。
新潟県新発田・村上エリア、長岡エリアの銘酒試飲や、
郷土料理の試食ができるコーナーのほか、ワークショップを通して
“新潟文化”に触れるイベントを2025年1月25日、26日の2日間開催。
ワークショップでは、上越に昔から伝わる文化を語り継ぐ“ブンカビト”から、
銘酒の特徴や地域の酒づくり、食文化の話を聞きながら試飲や試食を楽しめます。
地域に根づく歴史やモノ・コトの話に耳を傾けながら、
新潟の文化について学ぶことができるワークショップです。
1日目のワークショップは銘酒試飲会。
村上市の〈大洋酒造〉がおすすめする「大洋盛」3種を飲み比べ。
鮭に合うように造られた「山廃特別純米 サケ×サケ 大洋盛」をはじめ、
やわらかな口当たりが特徴的な「純米吟醸 大洋盛」、
数量限定で「純米大吟醸 大洋盛」も特別に味わえます。
鮭をあますことなく食べるために生まれた鮭料理は100種以上あるといわれている。
食文化のワークショップでは、千年鮭きっかわの「鮭の酒びたし」と
「鮭のどんがら煮」を食べ比べます。
じっくり1年かけて熟成させた「鮭の酒びたし」は、
ドイツのグルメたちが世界中の魚介の加工品を集めてビールを飲んだときに
「日本の鮭の酒びたしが1番」とうなったほどお酒と相性のいい逸品。
また、鮭の中骨(どんがら)を骨までやわらかく煮込んだ旨煮も提供。
日本酒と合わせ、双方の奥深さを知ることができます。
開催日:1月25日(土)12:00~18:00(参加無料)
九州の真ん中、熊本県の天草エリアに位置する戸馳(とばせ)島。
人口1000人の小さな島ですが、洋蘭の生産で有名です。
この地で花一筋50年、3代続く花農家を営むのが宮川洋蘭。
蝶蘭などの洋蘭を2007年からそれまで珍しかったネットショップを通じて販売し、
農家で初めて楽天市場で「ショップオブザイヤーCSR賞」を受賞するなど、
サイバー農家としても知られています。
そんな宮川洋蘭の3代目である宮川将人さんが
「人口1000人の戸馳島を明るく元気にするために」と
2022年にスタートしたのがいちご狩り園。
これにより現在観光客の少ない冬でも、
島の人口の2倍以上もの人が来島するようになりました。
そんな宮川洋蘭が2年がかりで開発したのが、いちごが食べられる花束の
「美味しいいちごのブーケ」です。
一般的ないちご農家は休みなく早朝の収穫から夜遅くまで、
きっかけは、宮川さんがパック詰め作業に追われているいちご農家さん
たちに対するモヤモヤ。
「いちごを食べる人はみんな幸せになるのに、つくっている人はそうじゃない。
いちごの付加価値をもっと高めることで食べる人も育てる人も、
みんなが笑顔になれるはず!」と宮川さんは考えました。
そんな思いから生まれたのが「美味しいいちごのブーケ」です。
茨城から高知に移り住み、杜氏として“高知で一番小さな酒蔵”〈文本酒造〉の
再出発を牽引してきた石川博之さんにお話を伺いました。
酒づくりへの思い、そして移住者の視点から見えてくる
“日本最後の清流のまち”「四万十町(しまんとちょう)」の魅力を紹介します。
高知龍馬空港から車を走らせること約1時間、四万十町の窪川地域に到着です。
かつては町に7軒ほどあった酒造も、
いまは四万十川のほとりの文本酒造1軒が残るのみ。
コロナ禍では売上が減少し、3年ほど醸造を停止している間に
廃業を検討するほどに追い詰められましたが、
「窪川の街に酒蔵を残したい」と願う現オーナーが事業を承継し存続が決まりました。
事業承継後には、酒蔵や蔵の建物に大幅な手入れを行い、
2023年5月にリニューアルオープン。店に一歩足を踏み入れると、
1903年創業の古めかしい外観からは想像できないような
酒蔵の母屋を大胆にリノベーションした
日本酒ペアリングBAR〈お酒やさん〉の洒落た空間が広がります。
〈文本酒造〉杜氏の石川博之さん
杜氏の石川さんと番頭の十代幸栄さんが出迎えてくれました。
石川さんは長年働いた茨城の酒蔵を卒業した際、
日本各地の酒蔵から『杜氏としてうちに来てほしい』と引く手あまただったそうですが、
ある強い確信をもって、文本酒造を選びました。
「お声がけいただいた各地の酒蔵を巡りつつ地元の酒場を飲み歩いていたんですけど……
飲んでいて一番面白かったのが、この四万十町だったんですよ(笑)
ふらっと入った飲み屋で隣り合ったおじさんとすぐ仲良くなって、
2、3杯は奢ってもらったと思うんだ。
あとから分かったけど、それは近所の床屋さんのおじさんだった(笑)。
この町の人々の温かさ、人懐っこさにとても惹かれたんです」
実はこれ、高知では消して珍しくはない酒場体験。
高知で宴会は「おきゃく」と呼ばれ、老いも若きも美酒と料理を囲んで
朝から晩まで楽しく飲み明かすカルチャーが古くから根づいているんです。
役場の職員さんいわく『ひとりより、みんなで楽しく飲みたい酒好き』がとにかく多いのだとか。
「移住して1年以上たったけど、最初の印象は全然変わらないですね。
食べ物も美味しいし、最高ですよ」
そして、石川さんが文本酒造に惹かれた理由がもうひとつ。
「伝統を継承してほしい」「こんな風なお酒をつくってほしい」と
型にはめられることなく、まっさらな状態で理想の酒造りを追究できる環境だったから。
「地元の方、日本の方々に愛されるお酒づくりはもちろんですが、
やっぱりこれからの日本酒は海外に打って出ていかないと
本当に業界として成り立っていかない、そんな危機感を持っています。
日本の人口も、飲む人もどんどん減るばかりですから……。
海外を見据えたお酒造りをどんどんしていかなきゃいかんと思ってますね」
オーナーや番頭の十代さんも同じ思い。かくして新生文本酒造は
新たなメンバーで、新しい日本酒造りのチャレンジを始めたのです。
日本有数の陶磁器の産地である、
長崎県の波佐見町。
創業108年を迎える〈株式会社中善〉が手がける
オリジナルブランド〈zen to〉から、
タブラ奏者のU-zhaan(ユザーン)さん監修による
〈仕切りが取れるカレー皿〉の新色2色が発売されます。
2020年のブランド創設以来、
数々のアーティストやクリエイターらとともに
多種多様な器を提案してきた〈zen to〉。
2021年には初代〈仕切りが取れるカレー皿〉がリリースされ、
陶磁器には珍しい“仕切りが取れる”タイプの皿ということで話題に。
実用性も抜群で、ロングセラー商品となりました。
⚪︎2021年の発売時に紹介したコロカルニュース記事はこちら
サイズ:W270×D270×H24mm/カラー:yellow、blue/価格:3960円(税込)
2025年の新色ブルー。仕切りが取り外しできる画期的なアイデアが多方面で評価されている。
2021年発売の〈仕切りが取れるカレー皿 First Edition〉。zen toオンラインストアや波佐見町の直営店〈荷土〉で販売されるほか、長崎県波佐見町のふるさと納税の返礼品としても購入可能。
2021年発売当初のカラーはブルー1色。
今回は食卓に映える鮮やかなイエローと、
アップデートされた新色ブルーが加わりました。
2023年春から試作を重ね、
“カレーがおいしそうに見える色”にこだわったというユザーンさん。
「カレーはブルー系の皿と相性がいいと
僕は常々思っているので新色も青なのですが、
1年半かけて何度も試作して今回の色に辿りつきました。
初期モデルよりも少し落ち着きのある、
食卓によく馴染みそうな青です。
さらに今回は、同デザインの皿を色違いで持ちたい人のために
(僕もそのタイプです)もう1色つくりました。
初期モデルの鮮やかな青と今回の青、
どちらにもマッチしそうなレモンイエローです」
仕切りを付けている仕様。スペースが4つに区切れるので副菜や違う種類のカレーなどが混ざらず盛り付けられる。
仕切りを外した仕様。おかずが少ないときにはちょうどいい。ワインプレートなので洗い物も少なくて◎
1950年代から70年代の⾼度経済成⻑期に建てられた
たくさんのビルが建て替えの時期を迎えつつあります。
渋谷、恵比寿、代官山の中間点にある〈セゾン代官山〉も
2025年2月に解体されるのを待っています。
解体作業が始まるまでの約20日間、ビル全体を会場にしたアートイベントが開かれています。
セゾン代官山は1986年築。跡地はよりよい活用が計画されています。
セゾン代官山は10階建てで、
1階は店舗、2階はオフィスなど、3階から10階が賃貸マンションとして使われてきました。
移り変わりの早い都心で、よりよい活用に向けて取り壊されることになっています。
大きな建物は建て替えの方針が定まってから、
実際に解体作業が始まるまでに、さまざまな理由で時間が必要です。
その間、建物周辺のにぎわいを絶やさず、
所有者にとってもメリットがあるような活用方法とはどんなものがあるか。
その時期の活用について「ビルの終活」と位置付けたことが
アートイベント『アートゴールデン街 by NoxGallery x Superchief x Brillia』に
つながりました。約50組のアーティストが、各部屋に作品を展示しています。
10階の一室にあるPol Kuruczの作品。
ほとんどの部屋はユニットバスやミニキッチンを備えた1ルームや1K。
美術館やギャラリーでの展示と違って、ほとんどの部屋はドアを閉めることができます。
そのため鑑賞者は外部と遮断された作品の世界に没入できるというメリットがあります。
Yu MaedaとHamadaraka、2組の日本人アーティストが展示を行う部屋はキッチンスペースにも作品を展示。
さらにイベント終了後に解体されることを利点として、
部屋全体を使った作品も少なくありません。
CLOWN VAMPの、右のボタンを押すとAIが都度作成する画像がプリントされる作品。
特殊メイクをしたポートレートを制作するロサンゼルスの写真家、PARKER DAYの作品。
三重県の四日市市や菰野町を中心に、花器や器、工業製品などさまざまな焼き物
として親しまれている萬古焼(ばんこやき)。
現在、四日市市と菰野町に100社を超える窯元と問屋があると言われていますが、
年々後継者不足に悩まされています。
これに伴い、萬古焼の認知度の低迷も課題となってきました。
また、萬古焼の原材料となる鉱物の「ペタライト」が、EV自動車の普及や
ジンバブエの鉱山を中国系企業が買収したことで、
資源が手に入らない事態に直面するなど、
さまざまな問題が浮上しています。
これらの問題を解決しようと立ち上がったのが、三重県四日市市で
工作機械部品の加工を請け負う〈中村製作所〉です。
先代の想いは「削りを通じて社会を創る」。
そのために“空気以外なんでも削る” をモットーにさまざまな商品開発を進めています。
そうした、切削加工技術のみにとらわれない、挑戦する姿勢から別事業として
〈モラトゥーラ〉ブランドがスタート。
これまでにチタン製印鑑〈サムライン〉、蓄熱調理土鍋〈ベストポット〉が誕生しました。
2024年12月7日、小田急町田駅前旧カリヨン広場に
武相エリア(東京都南多摩地域と神奈川県相模原市周辺を指す総称)発の
クラフトビールの醸造所併設のタップルーム〈BUSO BREWERY(ぶそうブリュワリー)〉
がオープンしました。
〈BUSO BREWERY〉は、地元を愛する飲食店を中心とした地域土着の企業10社が、
2023年6月に設立した株式会社武相ブリュワリーが取り組む、
市内農業者との農商連携による日本初(同社調べ)の共同ブリュワリーの直営店です。
きっかけとなったのは、飲食店が大きなダメージを受けたコロナ禍。
自分たちのまちを盛り上げるためには、飲食店同士が手を取り合い、
つながることが大切だと感じ、同プロジェクトが発足しました。
また武相エリアにキャンパスを構える玉川大学とも連携しています。
〈BUSO BREWERY〉が目指しているのは、
地域社会とのつながりを大切にした、持続可能なビールづくり。
地元密着型のブリュワリーとして、武相土着の飲食店にクラフトビールを卸し、
地元店舗を明確にすることで地域あげての“つながり”をつくり
この地域の食文化の向上と同時に、地域のシビックプライドの醸成を
ミッションに掲げています。
〈BUSO BREWERY〉で取り扱うのは、〈Kawasemi Brew(かわせみブリュー)〉
という地場で立ち上げられたビールブランド。
東京湯島にある〈アウグスビール〉から醸造技術を学び
地元町田産の厳選したホップや大麦を使用し、清らかな水で仕上げることで、
シンプルでありながら奥深い味わいのクラフトビールを生み出しています。
北鎌倉にある、臨済宗建長寺派の大本山〈建長寺(けんちょうじ)〉。
ここでは坐禅や写経体験ができるのをご存知でしたか?
筆者は過日に開催された、クレジットカードのダイナースクラブ会員向けの
「臨済宗巨福山 建長寺 貸切特別参拝」に参加してきました。
通常は非公開の修行道場や坐禅や特別法話、写経体験の様子をレポートします。
1255(建長7)年に鋳造された梵鐘は、〈建長寺〉の創建当初から残る貴重な鐘。
〈建長寺〉の正式名称は〈巨福山建長興国禅寺〉といい、
1253(建長5)年に、鎌倉幕府第5代執権、北条時頼(ほうじょう ときより)によって
創建された臨済宗建長寺派の大本山です。
嵩山門。
今回の「貸切特別参拝」は、僧侶の説明を聞きながら
ゆっくり参拝できるイベントとなっていました。
当日は、三門、梵鐘の説明後、修行道場の通常非公開の西来庵があるエリアを参拝。
本来「西来庵」へ続くこの道は、僧侶になるために3年以上
修行をしている人だけが通れる道だそう。
禅寺特有の凛とした気配を体感。
1日限りのイベントでしたが貴重な体験ができました。
また、僧侶になるためには出家をして3年以上の修行が必要なのですが、
現在修行僧は6名しかおらず、「道心のある方がいたらぜひ」とのこと。
「ご本尊」。鎌倉で1番大きいお地蔵さまといわれている。
本尊地蔵菩薩坐像を安置するお堂は、東京・芝の増上寺より
徳川2代将軍・秀忠夫人嵩源院(お江の方)の御霊屋を移築したもの。
ご本尊の頭上は、格式の高さを示す「折り上げ格天井」になっており、
左右には透かし彫りの「欄間彫刻」など、かなり古びているものの、
見応えがあります。
法堂は住職が説法するための場所だった。今はお参りできるよう、千手観音さまと釈迦苦行像が置かれている。
法堂は住職が須弥壇上で説法するためのお堂で、重要文化財にもなっています。
現在は釈迦苦行像、千手観音菩薩を祀っています。
法堂の天井に描かれた『雲龍図』は、小泉淳作画伯のもの。
龍の目は真ん中にかかれており、どの位置から見ても目が合うようになっています。
龍は法の雨を降らすといわれ、水をつかさどる龍神が火災から建物を守るとされています。
名古屋から70キロメートルほど東に位置する岐阜県恵那市。
木曽川の清流と市の約80パーセントが山林という豊かな自然に恵まれた場所です。
2024年12月の大井ダムの完成100周年を記念し、
恵那市ではさまざまなイベントを開催しています。
大井ダムは、電力王と呼ばれた福澤桃介(ふくざわももすけ)が、
1924(大正13)年に国内初の重力式コンクリートで完成させた本格的な発電所。
発電した電力は関西方面に送電され、高度経済成長期を支えました。
2007年度には、経済産業省によって「近代化産業遺産」に認定されています。
奇岩や恵那峡大橋を楽しめる遊覧船も人気。
恵那市は、書店〈丸善〉の創業者で、ハヤシライスの発案者といわれる
早矢仕有的(はやしゆうてき)ゆかりの地。
彼が江戸時代に岩村藩(現在の恵那市岩村町)の藩医だったことから、
ハヤシライスで恵那を盛り上げようと、市内飲食店店主らで
〈えなハヤシの会〉を立ち上げ、「恵那市特産の寒天」と
「恵那山麓寒天育ちの三浦豚」を使ったご当地グルメ「えなハヤシ」を開発しました。
そして、今回、大井ダム完成100周年の記念事業として
新たに「大井ダムえなハヤシ」を考案。
ご飯をダムのかたちに見立て、各店舗がそれぞれ独自のトッピングで
ダム周辺の景観を表現するというユニークな一皿が誕生したのです。
〈えなハヤシの会〉のメンバー。
大井ダムにちなんだハヤシライスをつくろうと決めたものの、
メンバーは、ダムの形状に苦心したそうです。
「大井ダムは約53メートルもの高さがあり、
その高さとゆるやかなカーブを再現するのが難しく、
市販の型ではうまくいきませんでした。
それで恵那市の補助金を得て、特注で型をつくったんです」
と語ってくれたのは〈えなハヤシの会〉会長の
安藤良一(あんどうよしかず)さん。
ダムの大きさを計算し、サンプルづくりをするなど、徹底的にかたちにこだわった。
さらに、どのように大井ダムと恵那峡を表現するか、各店舗も試作に追われる日々。
最終的に仕上がったのは、なんと記者発表の直前だったそうです。
しかし、苦労した分、評判は上々。
「大井ダムえなハヤシ」を目当てに来るお客さんも増えているのだとか。
〈お食事処金よし〉の店主で、〈えなハヤシの会〉会長の安藤良一さん。