収入は半減、
でも「贅沢な暮らし」とは?
移住後のお金と時間の使い方
お金がなくても
「贅沢な暮らし」はできる!?
伊豆下田に移住してから収入が減った、というよりも
意図して減らしたという津留崎さん。
それでも、暮らしの質が下がったとは感じず
むしろ以前より「贅沢な暮らし」になったと感じているそう。
それはどういうことなのでしょう。
コロナ禍のいま、考えたいテーマです。
移住した下田で家づくりと米づくり
東京から伊豆下田に移住して4年半。
何度かお伝えしているように、ただいま
手に入れた古民家をセルフリノベーション中です。
なかなか想定通りには進まないこともありますが、
こんな経験はなかなかできないこと、それもまた楽しむしかない!
と開き直ってじっくり取り組んでいます。

床の下地が完成! 試しにフローリングを置いてその上でゴロゴロ。
また、移住してから始めた米づくりも、秋の収穫を前に、
田んぼに生える雑草「稗(ヒエ)」が元気に育ってしまい、
種を落とす前にどうにかしないと……と、草取りに追われております。

暑さも一段落したこの時期の田んぼ作業は、風が気持ちいい。
家づくりと米づくり。
どちらも移住していなければ、お金を払って頼んだり
買ったりしていたのだと思います。
たとえやりたいと思っても、会社員だった自分には、
自分でリノベーションしたり米をつくったりする時間は
とてもとれませんでした。
時間をとれない分、それなりの年齢だったこともあり
相応に給料をいただいていたし、
いただいていた分、使っていた気がします。
何に使っていたのかというと……とにかくよく飲み歩いていました。
若いスタッフと飲みに行ったら多めに払わなきゃならないし、
飲みすぎて終電を逃してタクシーで帰宅……なんてことも日常。
家に帰る頃には、家族は寝ていることがほとんどでした。

人数が多いときは大きめの居酒屋くらいしか入れないので、適当な居酒屋で、適当な料理を食べて、適当な酒を飲み放題で飲む、そんな飲み会が多かった。で、お金が飛ぶようになくなっていく。仕事をスムーズに進めるためには必要な側面もあるとは思うのですが……。
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収入は減ったけど…「贅沢な暮らし」?
でも、移住してからは、暮らすのに必要な最低限のお金を稼ぎ、
それ以外の時間を家族のため、自分のために使うようにしています。
いま、決まって仕事をしているのは平日の午前中だけ。
それ以外の時間は、ある程度自由に時間を使っています。

平日午前中は、養蜂場で農園の管理の仕事をしています。仕事はハードですが景色も空気も最高で、やりがいもある仕事です。
ほかにも仕事をしていますが、比較的、時間の融通がきく請負仕事。
家族が寝静まった深夜や起きる前の早朝にすることも多いです。
では、収入が減ったといって暮らしの質が下がったのか? というと、
そんなことはありません。
ある意味、以前よりも「贅沢な暮らし」をしているとも感じています。
ちなみに、どれくらい収入が減ったのか? というと、
半分以下になりました。
半分以下の収入で「贅沢な暮らし」……?
長引くコロナ禍によって、稼ぎが減ってしまったという方が
多くいるようです。
収入減によって不安を抱えている方も多いでしょう。
僕はコロナ禍になる3年前に、
移住を機に自ら意図して収入を減らしました。
意図して減らすくらいですから、
収入を見込んだ長期ローンを組んでいたり
借金がある状況ではありませんでした。でも、前述のとおり
稼いだ分使ってもいたので、貯蓄も微々たるほど……
(しっかり貯めておけばよかった……と後悔しています)。
そんな状況で収入が半分以下になったのですが、
「お金と時間の使い方」を変えていくことで、暮らしの質を下げず、
「贅沢な暮らし」とも感じる日々を過ごしています。
どんな「お金と時間の使い方」の変化があったのか?
いくつか紹介します。
思いがけない収入減に不安を抱えている方にとって、
何かしらの参考になったらうれしいです。
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「お金と時間の使い方」はどう変わった?
まずは、日々口にする飲み物について。
コーヒーにしてもお茶にしても、
以前はコンビニで使い捨て容器のコーヒーや
ペットボトルのお茶をよく買って飲んでいました。
いまは、コーヒーもお茶も豆や茶葉から淹れています。
とはいっても、毎度毎度、コーヒーをドリップしたり、
お茶を淹れたりできるほどには、気持ちも時間も余裕がない。
ので、朝にその日飲む分をまとめて淹れています。

朝、コーヒーを淹れる時間もまたいいものです。この時期は朝一はホットで、あとは冷まして。コーヒーもお茶も特に高いものを買っているわけではありませんが、コーヒーは豆を挽いて、紅茶はティーバッグでなく茶葉で。そのひと手間でおいしさが違います。
コンビニで買うコーヒーやお茶より断然おいしく、
コストもかからない。そして、ゴミも出ません。

外出するときは、お気に入りの水筒に注いで持ち歩きます。この日の作業中の一服は、朝淹れた紅茶と朝食の残りのパンケーキ。
そして、コーヒーやお茶は汲みたての湧き水で淹れています。
そんなこともあり、おいしく感じられるのかもしれません。
養蜂場の近くにこんこんと水が湧いている場所があるので、
仕事終わりに汲んで帰っています。
おかげでペットボトルや宅配のミネラルウォーターに
まったくお世話にならなくなりました。
コストがかからず、おいしく、そしてゴミも出ない。
この湧き水で、お茶やコーヒーはもちろん、
炊飯、味噌汁からラーメンまでつくっています。

仕事帰りに寄る湧き水スポット。水を汲むだけでなく、喉を潤し、汗だくの顔や頭を洗ったり、カラダを洗ったり……(だいたい誰もいない)。真夏でも、しびれるよう冷たさ。最高に気持ちいい。
炭酸水だけはどうしても飲みたくてペットボトルを買っていたのですが、
水に炭酸をいれて炭酸水をつくる機械があると知り購入。
湧き水でつくる炭酸水、最高です。
これでつくるハイボールのおいしさったら……たまりません。

この日は地物のスダチを絞って休肝日のビール代わりに。これのおかげでビールの消費量が減りました。ありがたや湧き水ソーダ。
[ff_assignvar name="nexttext" value="1日いくら食費を使っていた?"]
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こんなにかかっていた外食費……
そして、食事はというと……
移住前は残業も多い会社員だったので、
昼と夜は外食がほとんどでした。
もちろん、外食の楽しさ、喜びはあります。
でも、この頃自分がしていたのは、
ほとんどが「お腹を満たすため」の外食でした。
それでも、東京で外食となるとそれなりにします。
ざっくり計算してみると、食事代が1食1000円として
1日2食で2000円(飲みに行くことも多かったので
平均するともっとかかっていた気がしますが、とりあえず)。
コーヒーやお茶に1日500円とすると、あわせて1日2500円。
月に20日としても……ざっと5万円!?
年に60万円にもなるのです。
あらためて計算して、びっくりしてしまいました。
いまは、「お腹を満たすため」の外食はしていません
(週末、家族や友人とにお気に入りのお店に行くことはあります)。
平日の昼食も、午前中の仕事を終え自宅に戻ってとります。
晩ごはんも家で、家族で揃って食べることがほとんど。
主食である米は「自分たちで育てた」という思いも加わり、
とてもおいしくいただいています。

最近は、休みの昼は田んぼかリノベ中の家で弁当を食べることが多いです。娘が握ったおむすび。これ以上のごちそうはない気がします(親バカ……)。
飲み物や食事だけでなく、たとえば服やら靴にかけるお金も
随分と減りました。そもそも店がないので物欲が刺激されず、
余計な服はまったく買わなくなったということもあります
(物欲って不思議なものです)。
農作業にしても、家づくりにしても作業用の服や靴が必要なのですが、
くたびれてきた普段着や靴を作業用にスライド。
軽作業のときはちょっとくたびれた服を、
ペンキ仕事などをするときはしばらく作業着として使った
相当くたびれた服を。
そんなサイクルで服をボロボロになるまで着るようにしています。
わざわざ作業着や靴を買う手間やコストもなくなり、
機能的で丈夫な服や靴を選ぶ、そんな選択基準ができると
失敗もなく、必要以上に時間も取られなくなりました。

10年ほど前から着ているグレーのマウンテンパーカーは、色あせてきたので数年前に作業用にシフト。同じ型の色違いがいまは普段着になっています。アウトドア用の服は機能的に信頼できるので作業用にも最適です。が、新品だと作業用には少し高いので、こんなサイクルがちょうどいい気がします。
そして、日々の移動や休日の過ごし方についても大きく変わりました。
移住前の東京では、通勤は満員電車。
休みの日には、車で郊外に出かけることも多かったのですが、
まず間違いなく渋滞に巻き込まれていました。
いま、仕事に行くにもプライベートで移動するにも
基本、車か原付です。しかも、ほとんど渋滞もありません。
満員電車や渋滞に巻き込まれるストレスはなくなりました。

近所の海には自転車や徒歩で行くこともあります。多くの人が渋滞に巻き込まれながらわざわざ来る下田の海が近所にあるって、それこそ贅沢です。
[ff_assignvar name="nexttext" value="この5年で過ごした時間"]
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コストをかけても出合えない
「贅沢な時間」とは?
「家づくり」にしても、時間がかかろうが、
できるところは「自分たちでやる」という選択をしました。
自分たちでやることでコストも抑えられるのですが、
それだけじゃないと感じます。
コストをかけて業者に頼んでいたら出合えなかった「贅沢な時間」。
それは実は、いくらコストをかけても出合えない
「贅沢な時間」なのかもしれない。そう感じています。

と、いくつか「お金と時間の使い方」の変化について紹介しました。
こんな変化があり、収入が少なくったけど
「贅沢な暮らし」になったと感じています。
わが家のひとり娘は、いま小学4年生。
父親からはだんだんと距離を置いていく年頃です
(もうかなりなってきています。寂しい……けどしょうがない)。
移住してきたのが小学校にあがる1年前。
その1年前に東京で勤めていた会社を辞めて、
移住先探しの旅に出ました。
おそらく、会社を辞めてからの5年間で家族と過ごした時間は、
そこらの「父親」の中ではダントツなのではと思っています。
それだけ「収入が下がった」と言えなくもないのですが、
まあ、ひとり娘が父親と過ごしてくれる貴重な時間と考えれば、
この5年間、そんな過ごし方をしてきたことに後悔はありません。
人生100年時代、そんな時があったっていいではないか。

娘と一緒に自宅のリノベーション作業。いつまで父親の道楽につき合ってくれるでしょうか……? いまこの時を大切に過ごしたいです。