歌舞伎の名場面がフォトスポットに。小松市〈ATAKA TERRACE〉に「鏡の勧進帳」が登場
石川県小松市の文化観光施設〈ATAKA TERRACE(アタカテラス)〉に、新モニュメント「鏡の勧進帳(かんじんちょう)」が登場した。歌舞伎の人気演目のひとつ『勧進帳』の舞台として知られる安宅の関(あたかのせき)の物語と景観を楽しめる、新たな見どころとなっている。
安宅の風景を映し出す“白紙の勧進帳”
安宅の関は、小松市南部の日本海沿いに位置する歴史的な関所跡。源義経と従者の武蔵坊弁慶が、追っ手から逃れて奥州へ向かう途中に通ったとされる場所だ。歌舞伎『勧進帳』では、関守に義経一行と疑われた際、弁慶が実は何も書かれていない白紙の巻物を、本物の勧進帳であるかのように読み上げ、機転を利かせて危機を脱する名場面が描かれる。
今回登場したのは、この“白紙の勧進帳”を鏡として表現した体験型モニュメント。表面には鏡面素材を採用し、見る位置や時間帯によって、日本海や空、松林、そして訪れた人の姿が印象的に映り込み、その瞬間だけの風景を写真に収めることができる。晴れた日は澄んだ青、夕暮れ時には日本海に沈む夕日など、そのときどきによって異なる表情を見せるのも魅力だ。
モニュメントの裏面には、『勧進帳』の物語や安宅の関の歴史にまつわる言葉が刻まれている。写真撮影を楽しむだけでなく、小松市・安宅に受け継がれてきた文化や、日本海の景観をより深く味わうきっかけにもなりそうだ。
企画・デザインは、小松市を拠点とするデザイナーの横山真紀氏が担当。設計・製作は同市の板金加工会社・ダイエー株式会社が手がけ、地域企業の技術によって形になった。
日本海を望む〈ATAKA TERRACE〉
「鏡の勧進帳」が設置された〈ATAKA TERRACE〉は、2026年4月にリニューアルオープンした文化観光施設。日本海と安宅海岸を望むロケーションに、レストランやカフェ、セレクトショップ、書架スペース、コワーキングスペースなどを備え、「食・くつろぎ・交流」をコンセプトにした複合施設として親しまれている。
リニューアルオープンからわずか3か月で来館者数は4万人を突破。観光客はもちろん、地元の人々の日常の憩いの場としても支持を集めている。
「鏡の勧進帳」は、日本海や空だけでなく、そこに立つ人の姿も映し出す。時間や季節ごとに異なる景色を映す鏡の前で、安宅の関の歴史や歌舞伎『勧進帳』の世界に思いを巡らせてみてはいかがだろう。
Information
住所:石川県小松市安宅町タ140-4|地図
営:9時〜17時
休:水曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
Instagram:@ataka_terrace