神戸の銘菓を、次の世代へ。学生たちが「瓦せんべい」の公式パンフレットを制作
屋根瓦を思わせる形と焼き印が特徴の、瓦せんべい。開港とともに西洋文化が流れ込んだ港町・神戸ならではの銘菓で、その名前からは想像できないほど、味わいはどこか洋菓子に近い。
かつては「神戸といえば瓦せんべい」と言われた時代もあったが、洋菓子文化の広がりとともに存在感が薄れ、今では若い世代や子育て世代との接点が少なくなっているという。
そんな状況に動いたのが、ビジュアルコミュニケーションを通じた創造的な社会貢献を掲げる神戸芸術工科大学ビジュアルデザイン学科・浜 章浩ゼミと、若い世代への接点を模索していた神戸煎餅協会だ。その連携のもと、学生たちが制作した公式パンフレット『KAWARA Heritage, KOBE BOOK』が完成。2026年5月より、神戸煎餅協会加盟店などで無料配布されている。

学生の視点で見つめた、瓦せんべいの新たな魅力
学生たちは加盟店や関係者への取材を重ねながら、瓦せんべいの歴史や焼き型の文化、職人たちの思いを調査した。企画から編集、デザインまでを自ら手がけ、実際に瓦せんべいに向き合った経験をもとに、若い世代にも親しみやすいパンフレットづくりを目指したという。

一冊でたどる、瓦せんべいの世界
パンフレットには、神戸煎餅協会代表へのインタビューをはじめ、加盟店10店舗の紹介、焼き型の歴史、アレンジレシピ、瓦割り体験レポートなどを収録。瓦せんべいを多角的に知ることができる内容となっている。
神戸は洋菓子だけじゃない
神戸煎餅協会は、神戸の土産・銘菓として親しまれてきた瓦せんべいの文化を次世代へつなぐことを目的に活動する団体だ。現在は約15店舗が加盟し、商標権の管理や焼き型の継承などにも取り組んでいる。
神戸煎餅協会代表の岸本芳宣さんは、「神戸は洋菓子だけじゃない。こたつにみかん、その横に瓦せんべいがあるような“風情”を楽しんでほしい」と話す。学生たちによる新鮮な視点から生まれた今回のパンフレットは、瓦せんべいを単なる“昔ながらのお菓子”ではなく、神戸の風土や文化を映すカルチャーとして捉え直すきっかけになりそうだ。
Information
HP:https://kobe-senbei-society.jp/
Instagram:@kobesenbei_official