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posted:2024.7.30 from:岐阜県多治見市 genre:ものづくり
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writer profile
Naomi Kuroda
黒田 直美
くろだ・なおみ●愛知県生まれ。東京で長年、編集ライターの仕事をしていたが、親の介護を機に愛知県へUターン。現在は東海圏を中心とした伝統工芸や食文化など、地方ならではの取り組みを取材している。食べること、つくることが好きで、現在は陶芸にもはまっている。
古くは1300年以上の歴史を持つ美濃焼。
この文化を受け継ぎ、町ぐるみで美濃焼の魅力を知ってもらおうと誕生したのが、
岐阜県多治見市にあるオリベストリートです。
ここ多治見市には、窯元やギャラリーが点在する
〈市之倉オリベストリート〉、高田焼で知られる〈たかた・おなだオリベストリート〉、
そして今回ご紹介する〈本町オリベストリート〉の3つのスポットがあります。
このオリベストリートの名称は、美濃焼のひとつである「織部」で有名な
美濃出身の戦国武将で、茶人でもあった古田織部に由来。
織部が茶の湯に新風を巻き起こした、その斬新で自由な精神を生かした
まちづくりを進めています。
なかでも、ここ〈本町オリベストリート〉は、古民家を再生した個性的な店舗が建ち並び、
古くから続く焼き物の歴史に触れながら、私たちの生活に根づいた
新たな焼き物との出合いをさまざまなかたちで楽しむことができます。
このエリアを中心に、4月、2日間にわたって開催される〈たじみ陶器まつり〉は、
毎年、約30万人もの人が訪れるほどの人気イベントとなっています。
今回は、〈本町オリベストリート〉のおすすめスポットをご紹介します。
古い梁やアンティークの調度品が飾られ、
懐かしい雰囲気を醸し出している〈そば処 井ざわ〉。
1901(明治34)年に創業した懐石料理と鰻料理の澤千の系列として、
2000年にオープンしました。
石臼で挽いた自家製粉のそば粉で打ち、汲み上げた井戸水でしめた新鮮で
おいしいそばをゆったりとした空間で、味わうことができます。
地元の名物料理や地酒を地元作家の器で楽しめるのも、陶磁器のまちならでは。
手づくりのぬくもりが伝わり、懐かしさに心癒やされます。
information
そば処 井ざわ
住所:岐阜県多治見市本町5-22
TEL:0572-25-6688
営業時間:11:00~14:30(L.O.) 17:00~22:00(20:30L.O.)※なくなり次第終了
定休日:火曜(祝日の場合は振替)
Web:そば処 井ざわ
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「買う」「観る」「知る」「体験する」のすべてが楽しめる〈陶都創造館〉。
1階は、陶磁器生産量日本一の産地・多治見ならではのリーズナブルな価格で
すてきな器を手に入れることができます。茶碗はもちろん、料理が映える鉄鉢や、
大皿プレート、マグや酒器、土鍋に至るまで、用途に合わせた
さまざまな器が購入できるのも魅力。
3階は、地元陶芸作家の作品を展示したギャラリーや、陶磁器の絵つけ体験、
美濃焼を全国に広めた多治見の陶器商人の歴史を知ることができる博物館があり、
見どころ満載です。市内の観光案内や特産品を扱う多治見PRセンターも
入っているので、ここに立ち寄ってから散策するのもおすすめです!
information
陶都創造館
住所:岐阜県多治見市本町5-9-1
TEL:0572-26-8509
営業時間:うつわや多治見10:00~16:00、本町陶貨店10:00~17:00、〇五いづつ10:00~17:30、多治見市PRセンター10:00~18:00、3階 10:00~18:00
定休日:水曜、1階は年末年始のみ
陶磁器のまちとして145年の歴史を持つ〈本町オリベストリート〉は、
職人や商人たちが往来したまちの息づかいが、そこかしこに感じられます。
積み重ねた時間を生かしつつ、三軒長屋を現代の生活スタイルに合わせて
リノベーションした〈かまや多治見〉。
暮らしが楽しくなる生活雑貨を扱う〈ハナタロウ商店〉、
オーガニックの食材や日用雑貨を扱う〈Grass&Leaves〉、
陶芸作家が作るスパイスカレーが人気の〈タナカリー〉など、
日々の暮らしのなかにある丁寧な時間を感じることのできる
複合施設となっています。
また展示ギャラリーやライブなどに使えるイベントスペース、
レンタルオフィススペースもあり、
多治見で新たなクリエイティブワークを目指す人たちの拠点にもなっています。
information
かまや多治見
住所:岐阜県多治見市本町6-59-2
営業時間:店舗ごとに異なる
〈ハナタロウ商店〉
営業時間:11:00~17:00
定休日:水曜、不定休
〈Grass&Leaves〉
営業時間:11:00~17:00、土日祝11:00~17:00
定休日:水曜、年末年始
〈タナカリー〉
営業時間:11:00~16:00
定休日:水曜、不定休
陶磁器づくりの土台となるのは土。
多治見を含め、この美濃地方は、700万年前、一体が東海湖と呼ばれる湖でした。
そのため、堆積土という良い土が出ることから、陶磁器の生産地として発展してきました。
この「土」の魅力を発信していこうと、2023年オープンしたのが、
〈THE GROUND MINO〉です。「焼き物の里から土の都へ」をコンセプトに、
「土」に触れ、五感で味わってもらうスタジオビレッジとして、
ショップや飲食店、ギャラリー、ラボといった複数のエリアから構成しています。
〈THE GROUND MINO〉では、土や美濃の自然に触れる
さまざまなイベントやワークショップを開催。
陶芸家から実際に習って作る焼き物や、季節の花を楽しむフラワーアレンジメントなど、
自然に触れる時間をたっぷりと味わうことができます。
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〈at Kiln MINO 蔵 -- KURA Art Space -〉では、地元を中心に
活躍するアーティストが様々な角度で土を表現。
土による新しい創造の世界を垣間見せてくれています。
また、ショップ&ギャラリーの〈at Kiln MINO〉では、
美濃の陶芸作家による多彩な陶芸作品を展示販売。
毎日の暮らしを彩る器は、日常生活のなかで
私たちを楽しませてくれるアートでもあるのです。
土から生み出されるのは、焼き物だけではありません。
私たちの日常を支えてくれている食も土の恵みによるもの。
それを実感できるよう器と食を一緒に味わってもらうのも
〈THE GROUND MINO〉が目指しているところです。
〈Kitchen Studio〉は、スチームコンベクションオーブン、
真空包装機、ブラストチラー(急速冷凍機)といった
プロユースの厨房設備が備えられたシェアキッチン。
ここでは、料理教室や有名シェフを招いた食のイベントも開催しています。
地元産の食材を生かした料理を知ってもらうきっかけにもなっています。
器に料理がのることで、器はさらに引き立てられ、
すてきなハーモニーを醸し出してくれます。
こうした器と料理のマリアージュをぜひ、体感してみてはいかがでしょう。
information
THE GROUND MINO
住所:岐阜県多治見市本町6-2
TEL:0572-26-8651
営業時間:10:00〜18:00
定休日:水曜(祝日は営業)、不定休あり
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