「フルヤジオーガニックス」は高知市中心地から車で20分ほど、
朝倉という郊外のまちで暮らす、大宮さん一家が営んでいます。
農場長である、共さんと、加工長である雅代さん夫婦、
加えて3人の元気な“フルヤジキッズ”がお届けしています。
大宮さん家族は、雅代さんの実家の家業であるユリ農家を継ぐために
神奈川県茅ヶ崎市から高知県に帰ってきました。
さらに普段自分たちが食べる米や小麦、野菜、果物などは自分たちで育てることに。
大宮さんは、アトピーの長女たみちゃんに
添加物を使わないものを食べさせてあげようと、
自分たちで育てる野菜などは、農薬や化学肥料を使いません。
また、卵や乳製品、白砂糖をできるだけ使用しないお菓子やパンを
手作りするように。それがきっかけで、「フルヤジオーガニックス」を設立し、
無農薬・無化学肥料で栽培した野菜や焼き菓子、
パンなどを販売するようになったのです。

高知は、月曜日以外は市内のどこかで
路面販売の「市」が開催されている、「市」文化を持つ地域。
まずは、全国でも高知が初めて開催したという、
土曜日のオーガニックマーケットに出店することに。
やがて、フルヤジオーガニックスのファンが増え、
木曜市にも出店するようになりました。
そして、ついには300年の歴史を持つ日曜市に出店。
日曜市は、雅代さんの親戚が出店していたブースを譲り受けたそうです。
高知の“市”文化はこうして若い世代に受け継がれていきます。

そんなフルヤジオーガニックスの中でも人気の高い商品が、
「フルヤジ 畑のラー油」。
大宮さん一家が、自分たちで育てた生姜、ニンニク、
ハーブなどを使って作られたラー油です。
小さな子供でも食べられるよう辛さは控えめで後味もさっぱり。
ハーブの香りが効いていて、白ご飯やチーズトースト、
炒め物などに使える万能調味料とあって、
そのおいしさは口コミで広がっていきました。今では、
「これが食卓にないと落ち着かない」と言うファンが続出するほどの人気ぶり。
フルヤジオーガニックスでは、
土日のオーガニックマーケットも子どもたちが一緒にお店番をします。
農作業も家族みんなで一緒に。
子どもたちは土を触ったり、
遊具がわりにトラクターに乗せてもらったり、動植物を愛でたり。
家族で暮らしを共にする。
そんな姿が、フルヤジオーガニックスのブランド力なのでしょう。

足がはやい(鮮度が落ちるのがはやい)ことで知られるイワシ、
刺身で食べるとなると、かなりの鮮度が必要となります。
ウルメイワシの産地である高知県宇佐町では、
ぷりぷりの歯ごたえのあるおいしいウルメイワシを刺身で楽しむことができます。
なかでも、「宇佐もんや」のウルメイワシは一度は訪ねてほしい味わいです。

いくら漁港が近いといっても、ウルメイワシは捕った瞬間からどんどん鮮度が落ちていくのが特長。
とくに「網漁」で穫ってしまうと、多くの魚同士が接触するため、
体がこすれたところから酸化していきます。
新鮮さを保つには、まず網漁を止めなければなりません。
そこで、まちを上げて宇佐町で考えついたのが一般的な網漁ではなく「一本釣り漁法」。
手間はかかりますが、1本ずつピンと背筋を伸ばしたウルメイワシは、
刺身にするとしっかりとした歯ごたえととろける旨みが強く、
初めて口にした人は「これがイワシ?」と驚くはず。

高知県西部に位置する四万十町。
標高約230mに広がる高南台地・旧窪川町地区は
濃い霧が発生することから“霧のまち”とも呼ばれています。
清流四万十川が町内を流れる水の豊かな土地で、
寒暖差が大きいことなど、米づくりに必要な自然条件が揃っており、
県内でも有数の米どころ「仁井田米」の産地としても知られています。
養豚は戸数・頭数ともに県内ナンバーワン。
肉の品質向上を目指した取り組みが進められ、
近年登場したのが「米豚(こめぶた)」です。
飼料に仁井田米を混ぜて一定期間育てられた米豚は、
標準の豚に比べて脂に香りと甘みがあり、柔らかい肉質が特徴です。
四万十町には、この米豚をたっぷり味わえる洋食店「キッチンヤノ」があります。
高知市内から高速道路をひた走ること1時間ちょっと、
四万十町中央ICを降りて東に進むとすぐ左手に見えてくる
「KITCHEN YANO」の文字。
木材がたっぷりと使われた店内は山小屋のようで温かく心落ち着く空間です。

店一番の人気メニューのハンバーグは、
米豚と窪川産の牛のホホ肉のミンチを混ぜ合わせてつくられています。
窪川産の牛の使用する部位をホホ肉に変更したのは最近のこと。
煮込み料理に使われることが多いホホ肉をミンチにして混ぜ込むことで、
以前よりも旨味が増したそうです。
テリヤキ、和風おろし、デミグラスなど好きなソースをチョイスしてご堪能ください。
「四万十町のB級グルメを生み出したい」
そう語るシェフのおすすめは、
昨年新たにメニューに加わった「窪川米豚スモークカツ丼」。
ご飯の上に自家製のシメジと生姜の甘辛い佃煮、レタスやカイワレ大根、
そして米豚のカツレツと大根おろしが乗っているもりだくさんの丼です。

食べやすい大きさに切られたカツレツは、表面を軽くスモークしているので香ばしく、
噛むたびに衣がサクサクと音をたてておいしさを演出しています。
シメジと生姜の佃煮は目立たないながらも、なくてはならない存在。
たっぷりとしたボリュームですが、
サッパリした味付けなので、女性にも嬉しい丼です。
このほかにもパンチェッタやシューマイなどシェフこだわりの米豚料理を、
ゆったりとした雰囲気の中で楽しめます。
須崎市のご当地ラーメン「鍋焼きラーメン」は、
昭和20年代に港に近い路地裏にあった小さなお店「谷口食堂」で生まれました。
出前の中華そばが冷めないように、ホーロー鍋に入れたのがきっかけです。
具材は地元の鶏肉、ちくわ、ネギを使用。
近所の材木店から仕入れたおがくずで鍋を炊く火をおこしていたそうです。
時は流れ、谷口食堂は閉店しましたが、
その味を忘れられない地元の人たちの想いは募り、
「鍋焼きラーメン」を提供するお店が須崎市内に増えていきました。
現在は市内に36店舗。
どのお店も、試行錯誤しながら懐かしの味を追求してきました。
そのひとつ、「まゆみの店」の店主・奥本まゆみさんは、
長年愛した谷口食堂の味を再現しようと、
お好み焼き店を営みながら鍋焼きラーメンの研究を始めたそう。
10数年後、やっと納得できる味が生まれ、
満を持して鍋焼きラーメンを出し始めたのが平成10年ごろ。
以来、懐かしい味を求めるお客でにぎわい、
現在は2代目となる娘の典江さんがおもに厨房に立っています。
小さいころから食べてきた、須崎市民なじみの味。
その味は、これからも継承されることでしょう。

鍋焼きラーメンは、鍋で煮立てているにもかかわらず、
麺はしっかりコシのあるシコシコ麺。
そして、香り高くコクのある鶏がらスープは、
食べたあとにじんわりと香ばしい余韻を残します。
麺を食べ終わったらスープが残った鍋にご飯を入れて、
その味を最後まで楽しむのが、通の食べ方です。
大阪の天保山にある海遊館は、
大小さまざまな海の生き物が暮らす巨大水族館として知られています。
実は、その海遊館で展示されている多くの生き物たちのふるさとが、
高知県にあります。
高知県に面した太平洋の沖には、大小さまざまな魚が泳いでいます。
大月町のカラフルな熱帯魚や、かわいいマンボウなど。
そして、現世最大の魚といわれるジンベエザメも。
おもに土佐清水市以布利(いぶり)沖の定置網に入ってくることがあるそうで、
そうしたご縁で出会った魚たちが海遊館でお披露目されるというわけです。
ところが、すぐに海遊館にやってくるわけではありません。
魚たちは大型水槽でしっかりウォーミングアップをします。
そのウォーミングアップの場所となるのが、
「大阪海遊館 海洋生物研究所以布利(いぶり)センター」です。
ここは、海遊館で展示する生物の収集、生態研究、
そして足摺岬周辺海域の海洋生物の基礎的研究を行っています。
研究施設なので、観光目的の生物展示は行っていませんが、
地域振興のため、条件付き(*)で限られた日時だけ、
ジンベエザメが泳ぐ巨大水槽を特別に見学することができるのです。
巨大水槽でゆうゆうと泳ぐジンベエザメは、
遠くから大きな口を一文字にして近づいてくる顔がなんともかわいらしく、
思わず微笑んでしまいます。
目の前で優雅にターンするときに見上げた体や尻尾の大きいこと。
その迫力に圧倒され、時間を忘れてうっとりと見とれてしまいます。
これだけ巨大なジンベエザメですが、
普段はオキアミやキビナゴなど小さな魚を食べているのだそう。
そんな話も、タイミングが合えば飼育員さんから聞けるかもしれません。
*「ジョン万次郎資料館」もしくは「足摺海洋館」に入館された方のみ(半券が必要)。
高知市内から車で1時間30分、いの町柳野。
そんな山奥にわざわざ食べに行きたくなる、
山菜定食をいただけるお店「ふれあいの里柳野」があります。
四国には全国の約半数の種類の植物が棲息し、
なかでも高知県は植物の種類が豊富な地域として知られる植物の宝庫。
それゆえ、山の恵みを上手に食べる風習がある地域なのです。
「ふれあいの里柳野」の調理場を担うのは、
岐阜県から移住して来られたジュニア野菜ソムリエの松岡昭久さん。
もともと薬剤関係の仕事をされていたのですが、
自然の中での暮らしを送りたいと考えて念願を叶えられる場所を探し回るうち、
ここ柳野にたどり着いたのだそうです。
平均年齢62歳のこの地区では、56歳の松岡さんは若手中の若手、
地区のホープでもあります。

オススメしたいのは「日替り手打ち山菜天ぷらうどん定食」。
山菜の天ぷらがのせられたうどんと、
その日朝に山を回って使えそうな山菜の揚げたての天ぷら、
ご自身が自然栽培で育てた野菜のマリネや炒め物、
柳野産のごはんが並ぶ贅沢メニューです。
お料理で使うのは、オリーブオイルだけ。
健康効果があるだけでなく風味もよく、天ぷらもカラッと揚がるからです。
高知市内のスーパーでも見ることのできない、山菜や木の芽などの山の幸。
山菜の種類はヨモギやコシアブラ、ウド、ドクダミ、タラ、モミジガサなど、
メジャーなものから耳慣れないものまで多種多彩。
山菜だけでなく野菜やお米など素材はすべて柳野産というから驚きです。

お店は村のサロン的な役割も果たしています。
地元のおばちゃんやおじちゃんがつくった農作物や加工品が並ぶ産直コーナーには
ぷりぷりの原木椎茸、地元で採れたお茶、雑穀や新鮮野菜や手工芸品などが並び、
お買い物をしながらお食事ができるのを待つこともできます。
ときおり海や川へ釣りに行った地元の人が魚を持ち込み、
たまたま居合わせたお客さんに魚をまるごとふるまうこともあるのだとか。
おばちゃんもおじちゃんも毎日のようにここに集い、
世間話や情報交換などしながら支え合って暮らしています。
ちなみに、この「ふれあいの里」と柳野を取り仕切るのは、
なんと85歳になる松本和美さん。現役区長であり総責任者です。
先日、ちょっとしたことでかかとを骨折されてしまったのですが、
驚異の回復力で仕事に復帰。
ちょっとおちゃめなところがある
村のアイドル的存在で、お酒好きです。

左から2番目が現役区長で「ふれあいの里柳野」を取り仕切る松本和美さん。
吉野川のほとりの小さな集落にある「お宝屋敷おおとよ」は、
道行く車を大きな赤鬼が睨みつける、
ぱっと見、どう考えてもちょっと怪しい、小さな小さなミュージアムです。

館長はすぐ隣の建物で写真館を営む中西三男さん。
本人がおっしゃるには「話の半分は冗談でできちゅう」とのこと。
そんな、お話好きの楽しいおじさんです。
展示品を丁寧に解説してくれていると思ったら、突然思い出したかのように、
「俺は現金で1億円を金庫に入れちゅうがよ~」と言いながら、
小さな金庫から《壱億円札》を取り出してにんまり笑ってみせる。
こんなふうに、次から次へと湧き出す冗談は、止まることがありません。
中西さんが言うには、
「いつもお客さんに喜んでもらうためのネタを考えちゅう。
お客さんとざっくばらんに話をしちゅう時間、笑っている時間が一番楽しいがよ」
とのこと。
わざわざ遠く大豊町までやってこられるお客さんのためにも、
中西さんはいつでもサービス精神全開でお客さんをお待ちしているのです。

そんな中西さんの「お宝屋敷おおとよ」は、ミュージアムとしても本格派です。
知り合いのおばあさんが住んでいたという古民家を改装し、
昭和30年代から40年代にかけて実際に使われたホーロー看板やポスター、
おもちゃ、家電製品やレコード、ミルク缶に学生服、ベビーグッズに
アイドルのカードに至るまで、3000点近い「お宝」が所狭しと展示されています。


驚くべきは、これらの展示物のほとんどが人から譲り受けたものだということ。
2006年の開館当初は地元の民家などから集めていたそうですが、
今ではリピーターの県外のお客さんからもお宝が送られてくるそうで、
増え続けるお宝を展示するために、ついに別館までオープンさせてしまいました。
「お宝」への愛情の厚さの分、お話がいつまでも止まらない中西さん。
その笑顔を見に、ぜひ訪ねてみてください。
昔から漁師町として栄えた土佐市・宇佐町。
漁港にはいくつもの船が並び、
魚を加工する町工場からはもくもくと煙が上がる、
そんな古き良き港町の風情を残す小さなまちです。
路地をぬって住宅街の中を進むと、
思わず見落としてしまいそうな場所に昔ながらの製麺所があります。
親子三代で通う常連さんもいるという、ここ「千崎製麺」は、
一杯200円~という驚きの価格でラーメンが食べられる、まちの食堂的な存在。
お店に一歩足を踏み入れると、土間には大きな製麺機、
脇には狭いながらも奥まで続くカウンターがあり、
壁には手書きのメニューがずらり。
注文すると、お店のお母さんが土間の小さな調理場で手際良くつくってくれます。

おすすめは、やはり「昔ながらのしょうゆラーメン」。
製麺所ならではの、できたての柔らかな麺が
あっさりとした透明のスープに良く合います。
このスープ、なんとメーカーの袋スープを使っているのだそう。
具はチャーシューではなく、
ネギとすまき、魚の練り天がのっていて、港町ならでは。
カウンターに座って、ひとりずずっとすするその味は、
学生時代、深夜に母親がつくってくれた夜食を思い起こすような、優しい味。
食べ終わった後はお腹も心も優しく満たされます。

「細麺ラーメン」250円も人気。
小さなまちの、どこか懐かしくて飾らないこの味は、
一度味わうときっとあなたもとりこになるでしょう。


麺とスープは持ち帰りも可能。スープは、しょうゆ、みそ、とんこつなど意外に豊富。
サシが少ないから、くどくない。
ヘルシーだから、たくさん食べてももたれない。
高知県が長い時間をかけて改良に取り組んできた「土佐あかうし」は、
赤身の旨さに定評がある品種です。
高知県内では、あかうしを食べられるお店がいくつかありますが、
吉野川上流のダム湖畔に立つ宿泊施設「さめうら荘」では、
土佐町の美しい風景の中で育った土佐あかうしを使った
料理をおいしくいただけます。
おすすめしたいのはサーロインステーキ(200g)です。
ご覧の通り、ボリュームたっぷり。
これでお値段3300円。
静かな湖畔を眺めながら、さっぱりおいしい、ジューシーなお肉をどうぞ。
さめうら荘では、他に土佐ジロー料理も味わえます。

なかなか筋金の入ったレトロさ。さめうら荘は宿泊もできます。
「いい紙をつくると、楽しい生活ができる。
いい紙をつくるのに、この場所は合っているね」
と流暢な日本語で語るのは、和紙作家ロギール・アウテンボーガルトさん。
高知市から車で約2時間。
ロギールさんとその妻の千賀子さんが営む「梼原和紙&紙漉体験民宿 かみこや」は、
和紙作家であるロギールさんの工房でもあり、
この地へ赴いたお客さんをおもてなしする場所であり、
和紙の魅力を伝えていくための場所でもあります。
ロギールさんは生粋のオランダ人。
グラフィックの学校を卒業して初めて就いた製本の仕事場で、和紙と出会いました。
「和紙に惹かれた理由は、その素材感の強さだね」
コウゾやミツマタ、桑、雁皮といった山で栽培される原料から漉き上げる和紙は、
原料の種類や加工の度合いでその表情をさまざまに変えていきます。
原料の繊維が紙を織りなす様がはっきりと見える「Washi」は、
ロギールさんの心を一瞬でわしづかみにしてしまったのです。

和紙との初めての出会いから1年も経たないうちに、
ロギールさんは日本へやってきます。
各地の和紙の産地を巡った後、
家を構えたのは土佐和紙の一大産地である高知県伊野町(現在はいの町)。
高知を選んだのは、コウゾやミツマタなど和紙原料の最大の産地だからだそう。
和紙の持つ、原料とその素材感に惹かれたロギールさんにとって、
高知以外の選択肢はなかったのかもしれません。
以来30年。
しっかりと日本に根を張ったロギールさんは、
原料の表情がはっきりと見える紙を漉き続けています。
コウゾやミツマタのほか、桑やベンガラ、赤土、木炭、杉皮。
さまざまな素材を使いながら、試行錯誤を繰り返して一枚一枚、丁寧に漉き上げます。
山から採取した葉っぱや花も、紙に漉き込まれる大事な素材。
水もわき水しか使わないというこだわりようです。
荒々しさと繊細さ、それが同居しているのがロギールさんの和紙の魅力なのです。

「もともと日本は家の中でたくさんの紙を使う文化でした。
襖や障子、壁紙……ヨーロッパにはそういった文化はありません」
ロギールさんの紙は、ランプや壁紙などインテリア要素の強い紙が多いのも特徴です。
「かみこや」の客室の壁紙は、ロギールさんの和紙。
訪れたこの日も、土佐紬という、今はもうなくなってしまった織物と
和紙原料を混ぜて漉いた、淡いピンク色の紙を壁に貼り込む準備をされていました。

「かみこや」では、雪で閉ざされることの多い12月から2月を除き、
いつでも宿泊を受け付けています。
ロギールさんやスタッフの方の手ほどきを受けながら、
簡単な紙漉き体験から長期滞在まで、
さまざまなかたちで和紙づくりのプロセスに触れることができます。
日本人がもっと誇るべき、そして知るべき和紙の文化。
そのことをゆっくりと感じに訪れてはいかがでしょうか。

高知市内から車で約2時間弱。
国道55号線をひたすら東へ、右手に太平洋を望みながら走ると辿り着くのは、
高知県の東南のはしっこに位置する室戸市です。
2011年に世界ジオパークにも認定されたここ室戸市は、
雄大で特異な岩や地層が連なる海岸に
巨大なアコウの木が根をはり、鬱蒼とした緑が森を覆う、
豊かな自然のエネルギーが溢れる、高知でも屈指のパワースポット。
その昔、空海が悟りを開いたともいわれる御厨人窟(みくろど)や
お遍路の札所である最御崎寺(ほつみさきじ)や津照寺(しんしょうじ)、
金剛頂寺など空海ゆかりのお寺も点在しています。


そんな室戸の自然のパワーをまるごと感じられるのが、
「星野リゾート ウトコ オーベルジュ&スパ」です。
海岸線に沿って緩やかなカーブを描く白いモダンな建物は、
なんと全室オーシャンビュー。
なんとも贅沢な客室は、波音を聞きながら
ベッドから朝日を眺めることができるのが最大の魅力。
刻々と表情を変えてゆく1日の始まりの瞬間を、
優しい光に包まれながら眺めていると、
自然と心も身体も浄化され再生していくのを感じられるはず。


また、室戸でとれるミネラル豊富な海洋深層水を使ったスパやプールなど、
女性に嬉しいサービスもたくさん。
ぜひ豊かな室戸の自然力を感じに来ませんか?
私たちが暮らす島、四国。
たった四県しかないのに四県の位置関係を答えられる人は少なくて、
うどんとポンジュース、阿波踊りに坂本龍馬で語られがち。
当たり前ですが、四国はこれだけしかない島じゃありません。
おいしい食事、雄大な自然や心躍る風景、四国ならではの仕事、素敵な店、豪壮な祭り。
この島には、山ほど面白いことがあります。
この面白さを、もっと多くの人に知ってもらいたい。
「ウエブマガジン四国大陸」は、
そうした思いを持つ四国在住のデザイナーや編集者、研究者が
四国の密かな魅力を記録発信するべく2013年からスタートしました。
香川、徳島、高知、愛媛の4つの県からなる四国は、
それぞれに見事に個性が異なります。
もし一万円を拾ったら、香川は全部を貯金し、徳島は1万円を足して貯金し、
愛媛は全部飲み代にして遊び、高知はさらに1万円を足して飲み歩くという
四国の県民性をあらわすエピソードがありますが、まさにこの通り。
四国各地から集まったメンバーはそれぞれに個性的で、
メンバーが書き上げる記事も、書こうとする内容もさまざまです。
まだまだ発展途上のウエブマガジンですが、
知られざる四国の魅力を、どうぞおたのしみ下さい。
日本全国から選りすぐりのおでかけスポットをオススメする
人気シリーズ「おでかけコロカル」に、伊豆大島編が登場しました!
伊豆大島は、東京から高速船で約2時間の距離にある青い海に囲まれた島。
昨年の10月に、台風による大雨で土石流災害に見舞われ、
甚大な被害を受けたのも記憶にあたらしところ。
台風によって宿泊施設や道路が大打撃を受け、
島の主要産業である観光産業に多大な影響を及ぼしました。
ようやく今年になって伊豆大島が復興し、
観光客を島に迎え入れる準備ができたんです。
そうして2014年1月26日から、島をあげての一大フェスティバル
「伊豆大島椿まつり」が開催中。
椿まつりは、今年で59回目を数える大島町最大の観光行事。
伊豆大島の名物である「椿」がテーマのお祭りで、「大島民謡」や、
「あんこの手踊り」など伊豆大島の郷土芸能のパフォーマンスから、
椿の女王(椿まつりイメージガール)を選出する
「ミス椿の女王コンテスト」なども開催されます。
伊豆大島を代表する女性の姿「あんこさん」の衣装を着
たあでやかな女性たち。いったいミス椿に選ばれるのは誰でしょう?!
台風被害を乗り越え、今年も変わることなく300万本の椿が咲きそろう
伊豆大島。東京都内から日帰りも全然だいじょうぶです。
ぜひこの季節、「おでかけコロカル」片手に訪ねてみては
いかがでしょう。
・おでかけコロカル「伊豆大島編」
・伊豆大島椿まつり
地の魚を、独特なタレに漬け込んだ、
ピリッと辛く、そしてほのにかに甘いベッコウ色したごちそう。
伊豆諸島の郷土料理として知られている「べっこう」は、
旬の魚を島とうがらし醤油に漬けてつくられる。
醤油につけた切り身がつややかなべっ甲色になるためそう呼ばれる。
その味は代々受け継がれ、家庭やお店により異なり、それぞれの味がある。
「雑魚や紀洋丸」では、島でとれた魚を中心に、
伊豆大島の郷土料理が食べられる。
べっこう丼や島寿司(写真)セットがおすすめだ。
伊豆大島では椿の恵みを余すことなく大切に利用してきた。
もともと伊豆大島では、椿は畑の「防風林」として用いられ、
季節風が強い島の生活を守る、その椿が暮らしにもたらした恩恵は大きいという。
そして、椿の実を採り、椿油をつくる。
椿の実の収穫は、9〜11月。
この時期は島のいたる所で実を拾う姿を目にする。
椿の実は、樹齢30年を超した木から豊富に採れるのだそう。

椿油をつくるには、まず良質な椿の実を選ぶ作業から始まる。
実はこれがとっても大変。
選別したつもりでも、虫に喰われている実や、実の詰り具合が悪いものなど、
まだまだ残っており、体験させてもらったとき編集部も大変苦労した思い出が……。
選別された実は十分に乾燥させ、その後さらに良質な実を選び抜く。
地道な作業ですが、油の質を決めるとても重要な工程です。

高田製油所では、ヘア&スキンケア用と食用と両方の椿油を製造している。
明治時代から使われている搾油機を使い、
素材を最大限に生かせる「玉締め圧搾法」という、
昔ながらの製法で搾っているという。
甘皮も含め殻ごと搾る、美しい黄金色が特だ。
ぜひ、伊豆大島に訪れた際には手に取ってみてほしい商品です。

伊豆諸島でのみ製造される、独特の風味を持つ干物「くさや」。
その独特な香りと旨みは好きな人にとってはくせになる美味しさ。
なれない人にとってはなかなか馴染めない個性あふれる食材だ。

くさやは良質のたんぱく質、カルシウム、アミノ酸などが一般的な干物に比べて豊富。特にカルシウムはあじの開きの20倍以上あり、骨や歯の形成、皮膚炎にも良いとされている。発酵菌の効果もありビタミンB群も豊富で、疲労回復や体を若返らせる効果が期待できる。
くさやはその昔、離島の厳しい日々の暮らしの中から生まれた。
大切な食料であった魚をより長く保存するために、
桶の中の塩水に漬け込んで干し、干物にしていた。
塩や水はとても貴重であったため、
一度使った塩水に塩を足しつつ何度も漬け込みを繰り返すうち、
魚の成分から微生物が発生・作用し、塩水が発酵、
ついには独特な香りと味をもった「くさや液」ができ上がったと言われている。
このくさや液の手入れは、主に女性が日々培ってきた感覚で維持・保存されてきた。
まさに、ぬかみその手入れに近いと言える。
ぬかみその味がその家の嫁さんの腕で決まるように、
くさや液は島の嫁入り道具のひとつになったほど。

まるい水産でにぎやかに世間話をしながら魚をさばくのは、地元の元気な女性たち。
そんなくさやを伊豆大島で製造しているのが、「まるい水産」。
訪れた日はちょうど製造所に近い港であがったトビ魚や、
三宅島近海であがったアオムロアジを、女性たちが手際よくさばいていた。

くさやづくりには新鮮な魚が不可欠です。さばいた後は井戸水で魚をよく洗い、いよいよ秘伝のくさや液へ。くさや液に漬けるのは、ご主人の仕事。魚が重ならないようにと確認しながら、手で一枚一枚液に漬けこむ。

塩を足しながら、くさや液に魚を漬けていく。くさや液は殺菌作用がとても高く、傷口の治りも早いのだそう。
漬け込んだ後は、水洗いをし、乾燥させて完成。
特に十月から春先にかけての天日干しは最高だ。

くさや液は毎日継ぎ足して使ってきた。
魚を漬けすぎても液はダメになるし、その逆でもダメだという。
ぬか漬けと一緒で、毎日いい塩梅で手を入れていかなくてはならない。
島焼酎と合うとされるくさや。意外なところでは白ワインとの相性も抜群。
これからもコアなファンを中心に今後も愛され続けていくだろう。

白ワインとの相性も抜群。それは、外皮を塩水やマール、ワインやブランデーなどの酒で洗いながら熟成させるウォッシュチーズと製法が似ているからかもしれない。
「手びねり」で器をつくる、元浪窯の陶芸教室。
土間の空気を思わせるその教室では、
皿、花器、壺、人形など生徒それぞれが思い思いの作品と向き合っていた。
まずは土を練るところから。体重をかけて空気を抜いていき土を切って確認する。
土の準備ができたらいよいよかたちづくる。


大まかに成型し徐々に細部まで、土と対話するように。
少し乾いてから「削り」に。器具を使い形をイメージに近づけ、その後やすりで仕上げる。
そして「素焼き」、釉薬をかけて「本焼き」。
本焼きは18時間ほど焼き、2日かけて冷やす。こうした一連の工程を経てでき上がる。
自分の作った器で食事をいただくことの幸せと、その贅沢さ。
器をつくるとは、生きるために食べる、
その食べ物を盛り(お供えし)感謝することが始まりだったのかもしれない。

「陶芸は自己表現のひとつ。土に向かうのはエンドレスで面白い」と川浪さんは話してくれた。
ある人は陶芸をしていると開放されると言った。
土と向き合うとは、自分を開放し知らない自分を発見する作業なのかもしれない。
手をかけ土を知れば知るほど愛着もわいてくる。自分と向き合うとは時に楽しく時に辛い。
器を知る。自分という未知の世界を知る手段の1つでもあるのだろう。

青空を吸い込んだ海は鮮やかなブルー。
ここは自然がつくりだした。
のぞき込むと、そこはカラフルな生きものたちの楽園。
波にたゆたいながら、ただただ眺めていた。

毎年さまざまな“青”を見せてくれる。その向こうには先々の島が見える。

満ち足りた穏やかな時間。
夏の晴れた日のブルー。とっておきのブルー。
青緑や深い青。ひとことで言いきれない海の色は、
ぬけるような青空と、
もくもくもりあがる入道雲とともに夏の気分を盛り上げる。
いつまでも変わらない海に出会えますように。


カニや貝はもちろん、出会う生き物たちはさまざまで、訪れるごとに楽しませてくれる。
伊豆大島の搾りたての牛乳をふんだんに使い、
卵、砂糖、バター、小麦粉を材料に水はいっさい使わず
自然の素材のみでつくる島の焼き菓子。
工場に近づくと、甘く香ばあしい香りがしてきた。

機械の熱気と、牛乳せんべいのいい香りが充満する工場の中。
工場に近づくと、甘く香ばあしい香りがしてきた。
三代続く「善菓子屋」の牛乳せんべいは、
昔どこかで食べたことのあるような、なつかしい味がする。
厚みがあり食べごたえがあって、口の中に芳醇な甘みがひろがる。
おいしい。

牛乳、卵、砂糖、バター、小麦粉を混ぜたものを型に流し入れ、4分かけて焼き上げる。

焼き上がったところで、交互に2種の焼き印を押す。この後、型からはみ出た部分(ミミ)を手作業でそぎ、かたちを整えたら完成だ。
材料の配合を昔から変えることなくバターを多めに加えているのが特徴だと、
美味しさの秘密をちょっと教えてくれた。そして、こだわっているのは焼き加減。
目で確認しながら微妙な焼き加減を調整していく。
自然の素材と長年の経験から生まれた絶妙な焼き具合。
牛乳せんべいはシンプルながらも奥が深いお菓子だ。

レトロな缶に入っている。
その昔、伊豆大島は酪農が盛んな島で、全国でも牛乳の産地として有名だった。
明治30年頃には純粋ホルスタイン種が導入され、
牛籍および血統書を作り、登録制度が実施されていた。
大正時代には1000頭、最盛期の昭和元年には
1200頭あまりの牛が飼育され「ホルスタイン島」と呼ばれたほど。
それは、大島の気候がホルスタイン種の飼育に適していて、
牛が好む明日葉、スゲ、タガヤ(ハチジョウススキ)などの青草が
一年中繁茂することが大きかった。
乳牛から搾った生乳から作られる
「大島牛乳」や「大島バター」は島の特産品として知られていた。

ところが、2007年2月に消費量の減少、
大手メーカーとの価格競争により牛乳やバターを製造販売していた会社が工場を閉鎖、
店頭から姿を消してしまう。
しかし、2008年春に有志が集まり「大島牛乳」「大島バター」の復活をめざして立ち上がり、
再び店頭に商品が並ぶまでになった。
長い歴史と熱い情熱。今日も美味しい牛乳が生まれてる。
大島の牛乳せんべいにとっても「大島牛乳」はなくてはならないもの。
いつまでも愛されていくことだろう。

絞りたての牛乳が、この専用の容器に入れられて届けられる。
東京都立大島公園の一部である動物園は、76年前に開園した。
伊豆大島は火山島。
その溶岩の地形をそのまま残したダイナミックな景観の中で、
動物たちは毎日過ごしている。

目玉のひとつであるフライングケージは日本で1、2を争う規模。
動物たちとふれあえる「なかよし広場」をはじめ、
ほとんどの動物たちを手に届く距離で見ることができる。
この動物園では葉物に限り、
エサとしての持ち込みが認められている(一部の限られた動物のみ)。
そうした動物園は今では少ないという。


飼育下で繁殖させるべき希少な動物をズーストック種に位置づけていて、このアルダブラゾウガメもそのひとつ。
マダガスカル島の固有種、ワオキツネザルがのんびり日向ぼっこ。
長い時間をかけて育まれた大地。
その中で、ワオキツネザルたちが
自由気ままにのんびり過ごしてる。いい時間が流れてた。

マダガスカル島の固有種、ワオキツネザル。

手の届きそうなところで、動物と触れ合える。
海と山。まわりの自然を一緒に感じながら楽しめる動物園。
動物たちもどこかのんびり。
同時にどこか懐かしさを感じられずにはいられない動物園だ。


ここフライングケージにいるのは15種の鳥達。群れをなすフラミンゴ、カモ、オシドリ。その他にもカラスバト、クジャク等色とりどりの鳥が舞う巨大な鳥かご。
information
mapmap
東京都立大島公園 動物園
住所:東京都大島町泉津字福重2号
営業時間:8:30 〜 17:00
定休日:年中無休
Webサイト:大島公園動物園
伊豆大島の中心に緩やかにそびえる三原山。
過去に流れ込んだ黒い溶岩が独特の景観を作り出している海岸線、
巨樹が息づく照葉樹の森などさまざまな景色が楽しめます。
そんな表情豊かな自然の島“伊豆大島”は、
2010年ジオパークにも認定されています。
そんな伊豆大島ジオパークを歩くなら、
まずは大島公園から三原山山頂をめざす、5.7kmのテキサスコースがオススメ!
ドラマティックに変化する大自然のパノラマが楽しめる定番コースです。

登山道入り口から、まずは緑のトンネルへ。
大島公園を出発したら、まずは緑のトンネルをぬけます。
空気を美味しく感じながら、マイペースで歩きます。

坂道が続きますが、こんな休憩所も。
自然が肌身に沁み入り、山々の雄大な景色、鳥の声や風の音、
道に咲く植物の手触り、季節の香りなど、五感が解放されます。

真っ黒な砂が続く裏砂漠。その中でも植物は生きている。
頂上に着いたとき、目の前に広がる景色を見れば、
疲労感は爽快感へ。そして、次に訪れるのは充実感。
また登りたい。一度では終えられない魅力が伊豆大島ジオパークにはあります。

大迫力の噴火口。圧倒的な地球のエネルギー。
