懐かしくてやさしい 伊豆大島の焼き菓子 「牛乳せんべい」

ずっと変わらない島の焼き菓子

伊豆大島の搾りたての牛乳をふんだんに使い、
卵、砂糖、バター、小麦粉を材料に水はいっさい使わず
自然の素材のみでつくる島の焼き菓子。
工場に近づくと、甘く香ばあしい香りがしてきた。

機械の熱気と、牛乳せんべいのいい香りが充満する工場の中。

工場に近づくと、甘く香ばあしい香りがしてきた。
三代続く「善菓子屋」の牛乳せんべいは、
昔どこかで食べたことのあるような、なつかしい味がする。
厚みがあり食べごたえがあって、口の中に芳醇な甘みがひろがる。
おいしい。

牛乳、卵、砂糖、バター、小麦粉を混ぜたものを型に流し入れ、4分かけて焼き上げる。

焼き上がったところで、交互に2種の焼き印を押す。この後、型からはみ出た部分(ミミ)を手作業でそぎ、かたちを整えたら完成だ。

材料の配合を昔から変えることなくバターを多めに加えているのが特徴だと、
美味しさの秘密をちょっと教えてくれた。そして、こだわっているのは焼き加減。
目で確認しながら微妙な焼き加減を調整していく。
自然の素材と長年の経験から生まれた絶妙な焼き具合。
牛乳せんべいはシンプルながらも奥が深いお菓子だ。

レトロな缶に入っている。

大島牛乳のこと

その昔、伊豆大島は酪農が盛んな島で、全国でも牛乳の産地として有名だった。
明治30年頃には純粋ホルスタイン種が導入され、
牛籍および血統書を作り、登録制度が実施されていた。
大正時代には1000頭、最盛期の昭和元年には
1200頭あまりの牛が飼育され「ホルスタイン島」と呼ばれたほど。
それは、大島の気候がホルスタイン種の飼育に適していて、
牛が好む明日葉、スゲ、タガヤ(ハチジョウススキ)などの青草が
一年中繁茂することが大きかった。
乳牛から搾った生乳から作られる
「大島牛乳」や「大島バター」は島の特産品として知られていた。

ところが、2007年2月に消費量の減少、
大手メーカーとの価格競争により牛乳やバターを製造販売していた会社が工場を閉鎖、
店頭から姿を消してしまう。
しかし、2008年春に有志が集まり「大島牛乳」「大島バター」の復活をめざして立ち上がり、
再び店頭に商品が並ぶまでになった。
長い歴史と熱い情熱。今日も美味しい牛乳が生まれてる。
大島の牛乳せんべいにとっても「大島牛乳」はなくてはならないもの。
いつまでも愛されていくことだろう。

絞りたての牛乳が、この専用の容器に入れられて届けられる。

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