odekake
posted:2014.2.7 from:東京都大島町 genre:旅行
〈 おでかけコロカルとは… 〉
一人旅や家族旅行のプラン立てに。ローカルネタ満載の観光ガイドブックとして。
エリアごとに、おすすめのおでかけ情報をまとめました。ぜひ、あれこれお役立てください。
writer's profile
TO-ON
トウオンデザイン
デザイン活動の傍ら伊豆大島でフリーペーパー『12class』の発行やコミュニティスペース『kichi』を運営。今の伊豆大島を発信している。「トウオン(to-on)」は即ち「島音」と記す
http://to-on.info
伊豆諸島でのみ製造される、独特の風味を持つ干物「くさや」。
その独特な香りと旨みは好きな人にとってはくせになる美味しさ。
なれない人にとってはなかなか馴染めない個性あふれる食材だ。
くさやはその昔、離島の厳しい日々の暮らしの中から生まれた。
大切な食料であった魚をより長く保存するために、
桶の中の塩水に漬け込んで干し、干物にしていた。
塩や水はとても貴重であったため、
一度使った塩水に塩を足しつつ何度も漬け込みを繰り返すうち、
魚の成分から微生物が発生・作用し、塩水が発酵、
ついには独特な香りと味をもった「くさや液」ができ上がったと言われている。
このくさや液の手入れは、主に女性が日々培ってきた感覚で維持・保存されてきた。
まさに、ぬかみその手入れに近いと言える。
ぬかみその味がその家の嫁さんの腕で決まるように、
くさや液は島の嫁入り道具のひとつになったほど。
そんなくさやを伊豆大島で製造しているのが、「まるい水産」。
訪れた日はちょうど製造所に近い港であがったトビ魚や、
三宅島近海であがったアオムロアジを、女性たちが手際よくさばいていた。
漬け込んだ後は、水洗いをし、乾燥させて完成。
特に十月から春先にかけての天日干しは最高だ。
くさや液は毎日継ぎ足して使ってきた。
魚を漬けすぎても液はダメになるし、その逆でもダメだという。
ぬか漬けと一緒で、毎日いい塩梅で手を入れていかなくてはならない。
島焼酎と合うとされるくさや。意外なところでは白ワインとの相性も抜群。
これからもコアなファンを中心に今後も愛され続けていくだろう。
information
有限会社 まるい水産
住所 東京都大島町波浮港18
電話 04992-4-0115
marui@lilac.plala.or.jp
※見学希望の方は要予約。
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