新潟・糸魚川、通年人口2人の集落に泊まる。「一村貸し」という滞在をかなえる宿〈堂道〉
限界集落から生まれた、余白を活かす宿泊のかたち
新潟県糸魚川市の山間にある集落・市野々(いちのの)。かつては多くの人が暮らしていたこの地も、いまでは通年人口わずか2人となった。この地で始まったのが、集落全体を宿として捉える「一村貸し」という新しい滞在のかたちだ。築200年を超える古民家を拠点に、集落そのものに滞在するような体験ができる。

風景の中にある暮らしを体感する
滞在中は、地域の案内人とともに集落を歩き、米づくりや雪仕事、味噌づくりやそば打ちなど、この土地の暮らしに触れていく。湧き水を汲み、森を歩き、田畑に広がる風景を眺めることができる。
古民家宿〈堂道〉を拠点に
滞在の拠点となるのは、築200年を超える古民家宿〈堂道〉。かつての屋号を引き継いだこの建物は、囲炉裏のある広間や土間のキッチンなど、雪深い地域の暮らしを感じさせる造りが残されている。過度に手を加えることなく、時間の蓄積をそのまま受け継いだ空間だ。
「地域風景」を未来へつなぐ
取り組みの背景にあるのは、「地域風景」を次世代へつなぐという考え方。暮らしと風景が結びついた景色には、それぞれ理由がある。例えば、道端に咲く菊の花も、田んぼの法面に巣を作るネズミを防ぐための工夫から生まれた風景。その積み重ねが集落を形づくってきた。一村貸しは、その文脈ごと滞在者に手渡す試みでもある。
集落をまるごと宿とすることで見えてくるのは、土地に根ざした時間のあり方。観光とは異なる距離感で、その場所の営みに触れる滞在がここにある。

Information
住所:新潟県糸魚川市市野々792|地図HP:https://den-tou.jpInstagram:@dentou.jp