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posted:2021.6.30 from:北海道平取町二風谷 genre:ものづくり
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writer profile
Riho Abe
阿部里歩
あべ・りほ●栃木県出身。「出身は群馬だっけ?それとも茨城?」と覚えてもらえないことが悩み。好きな観光地は四国と別府。旅先での楽しみは、その街の人と話しをすること・伝統工芸品を買うこと。ガイドブックに載っていないようなものを見つけるのも密かな楽しみ。
北海道平取町二風谷で受け継がれる
アイヌの伝統技術を継承する工芸家とコラボレーションをし、
アイヌクラフトを未来につなぐための新たな商品開発を行う
「二風谷アイヌクラフトプロジェクト」。
現在、参加クリエーターやメーカーなどの企業を募集しています。
応募は、2021年7月13日(火)まで。
このコラボレーションは、“二風谷らしさ”を大切にしながら、
現代のライフスタイルの可能性を広げる、
新しい発想を取り入れたアイヌクラフトを提案することが目的。
本プロジェクトでコラボするアイヌクラフトの工芸家は、
平取町二風谷を中心に活動し、
アイヌ伝統工芸を継承する二風谷民芸組合の組合員のなかから、
応募クリエーターとのマッチングを行いプロジェクトが進行していきます。
お互いを指名することは不可。
参加する工芸家はクリエイターの公募後に決まるそうです。
また、学生が参加できる学生枠を用意。
こちらは若手の工芸家とのマッチングになるそうです。
また、若手工芸家はベテラン工芸家の監修のもと、商品開発に取り組むということで、
世代を超えたコラボにも注目したいところです。
参加者のミッションは、「アイヌデザインを持ち歩く」をサブコンセプトに
「暮らしにとけこむアイヌデザイン」の商品開発を目指します。
ターゲットは都会に暮らす30代の男女。
応募の第一条件は、デザインを業務とすること、
または提供されたデザイン商品として具現化する制作能力を有すること。
いずれも直近5年以内に商品開発の実績を有する企業やクリエーターなら参加可能。
最終的に、一般枠・学生枠それぞれ2組ずつ、
計4組が商品化へ向けて進めるということ。
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今まで、コロカルでもたびたび紹介してきた二風谷アイヌクラフトの取り組み。
●器、木舟、衣服など生活道具を展示。アイヌ文化を継承し未来へつなぐ〈二風谷アイヌ文化博物館〉
●自然とともにあるアイヌ文化に触れる展覧会『つなぐ・つながる 二風谷アイヌ展』
アイヌ語で“ニプタイ(木の生い茂るところ)”などを意味する二風谷地区。
太平洋側の日高地方に位置し、沙流川(さるがわ)流域の谷あいにあります。
はるか昔、沙流川のほとりにオキクルミというカムイ(神)が降臨し、
人々に狩りの仕方や道具のつくり方など、
生活文化を教えたという古くからの言い伝えがあることで知られています。
アイヌ文化は自然との共生のなかで育まれ、
さまざまな時代の変動を経て、アイヌの人々やアイヌ文化に賛同する人々によって、
その伝統が今日まで継承されてきました。
近年では、コタン(集落)の再現や水辺を整備するなどの伝承活動も行われ、
アイヌ工芸家の工房や博物館などが集まる「匠の道」と呼ばれる地区も注目されています。
伝統を受け継ぐアーティストが集い、
たくさんのアイヌクラフトが生まれている場所。
伝統的なアイヌクラフトには、木彫、織物、刺繍などの手工芸品があり、
それぞれ伝統的技術技法が用いられています。
また、沙流川に伝わるアイヌ文様が施されるなど、特徴的なデザインが魅力のひとつに。
また、近年ではレーザー加工機やUVプリンターを導入した取り組みが始まっています。
最新技術を用いて、従来にない制作が可能になりました。
今回のプロジェクトでも、二風谷らしさをもつ新たな商品開発が期待されています。
さて。今回のコラボレーションで、どんなアイテムが誕生するのでしょうか。
7月中には書類選考、オンライン面接を行い、その後試作品制作などを経て、
2022年1〜2月頃には発売予定とのこと。
詳しい募集要項は、こちらからチェックしてみてください。
information
二風谷アイヌクラフトプロジェクト
募集締切:2021年7月13日(火)23:59
募集枠:
(一般枠)応募資格を有するデザイナーまたはメーカー[2組]
(学生枠)応募資格を有する学生[2組]
応募方法:オフィシャルサイトの専用応募フォームよりエントリー
Web:二風谷アイヌクラフトプロジェクト
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