“当たり前を疑う”のは難しいこと?
〈ヨシオグッドリッチデザイン〉は
いつものフォークをこう変えた

ハードルが高いとされていたカトラリーのデザインに挑戦

2010年に発売された〈DRESS〉というカトラリーのシリーズがある。
スプーンやフォーク、ナイフなど、
全体にデザイン柄が施された斬新なデザインで人気となっている。
この〈DRESS〉は〈ヨシオグッドリッチデザイン〉の吉冨寛基さんが手がけたものだ。

カトラリーは〈貝印〉でも展開している商品。
特に〈貝印〉の根幹である金属加工で
ユニークな商品を生み出しているアイデアの源泉を探るために、
〈貝印〉商品本部デザイン室チーフマネージャーの大塚 淳さんとともに吉冨さんを訪ねた。

「特に既存のカトラリーに不満があったわけではありません。
しかしもっと選択肢があってもいいのではないかと思っていました」と
〈DRESS〉誕生のきっかけについて語る吉富さん。
それまでもプリントや彫刻が施されたカトラリーはあったが、
すべて持ち手だけのデザインで、全体に施されているものはなかった。

「たしかに口に入れる先端部分にデザイン柄があるのは
なんとなくイヤという声はありました。でもやってみないとわからないので。
実際にやってみると一体感が出て、
ひとつの商品として溶け込んでいると思います」(吉冨さん)

〈ヨシオグッドリッチデザイン〉の吉冨寛基さん。

〈DRESS〉のフォークを手で触ってみても凹凸はほぼ感じない。

もちろん微細なレーザー加工なので、口に入れても違和感はない。
しかし“それまでになかった”という理由を打破するには、つくってみるしかない。
すると店頭で「キャッチーでかわいい」という反応がみられることがわかった。

この点は、大塚さんも感心していた。

「貝印でも、たくさんスプーンをつくっています。
女性をターゲットにしようとすると、ピンクにしてみたり、わかりやすくしがちです。
でもそうではなく、醸し出すかわいさも必要ですね。
狙ってない感じを表現するのは難しい」(貝印・大塚さん)

〈貝印〉商品本部デザイン室チーフマネージャーの大塚 淳さん。

「デザイナー的に考えると、
白バックでバシッと撮るとかっこいいというイメージがありますよね。
でも世の中でそんなシーンはめったにない。だから使われ方も考えないといけません。
ライフスタイルのワンシーンを演出する。
そこまでユーザーに寄った提案もアリですよね」(吉冨さん)

「たしかに弊社ではカトラリーも包丁もある。
でもそれぞれ単体のイメージ出しが強いかもしれません。
統一したブランディングでシーンを見せるようなやりかたをしていけば、
次世代の商品を提案していけるかもしれません」(大塚さん)

新潟県の燕三条でつくられている。

ライフスタイルを想定してもらうのは有効な手法。
実際に〈DRESS〉は飲食店でも採用され、
プレートと合わせたイメージをつくることにも成功している。
どれだけデザインにこだわっていたとしても、使ってこそカトラリーだから。

旭川〈ウラヤマクラシテル〉
DIYにかけた歳月は15年。
廃墟同然だった旅館が、
器ギャラリーへ

陶芸家が廃墟旅館に込めた、新たな息吹

北海道第二の都市、JR旭川駅から車で30分。
春を告げるカタクリの群生地で有名な〈男山自然公園〉のある突硝山への
細い山道を進んでいくと、森の中に大きな建物が見えてきます。
その名も〈ウラヤマクラシテル〉。

道内外で人気の陶芸家、工藤和彦さんが15年の歳月をかけて
リノベーションしてきた元旭川温泉の広大な施設に、
工藤さんの作品が並ぶ広々としたギャラリーがオープン。
まちから離れた小さな裏山に、多くのお客さんが訪れています。

山の緑に囲まれた入り口そばには、工藤さんの焼きものに使われる薪がうず高く積まれています。

工藤さんの作品〈黄粉引片口鉢〉5000円(税抜)、〈黄粉引片口小鉢〉3500円(税抜)。

「ここ北海道でしかつくれない日本の焼きもの」を探求し、
自ら手掘りした道北の粘土をベースに、土地の素材を使って生みだされる
工藤さんの器は、豪壮さと繊細さをあわせもち、
北の風土を連想させる空気感をまとっています。
手に取るとすっと馴染み、長く使い込んでみたくなる。
ギャラリーにはそんな器との出会いが待っています。

この土地でしかできない陶芸の追求

元旭川温泉の広大な施設のなかで最初に整備したという工房は元宴会場。窓の外の美しい借景に向かいながら主にこの蹴ろくろで作品づくりに励みます。

神奈川出身の工藤和彦さんは、高校生のときに焼きもののおもしろさに魅せられ、
卒業と同時に滋賀県の信楽焼作家、神山清子先生、賢一先生のもとで修業。
その後アウトサイダーアートに興味を持ち、滋賀県立の福祉施設の陶芸の職業指導員として勤務、
続いて、北海道剣淵町の福祉施設開設に伴い陶芸担当として移住し、
退職後、作家として独立します。

色も質感もさまざまな、制作途中の器たち。

工藤さんがこの旧旭川温泉に出会ったのは、まったくの偶然でした。

「剣淵町から当麻町に移り、その後急遽引っ越さなくてはならないときに
知人から紹介された物件が、ここ、元旭川温泉の隣の一軒家だったんです」

〈BIZENうつわバー〉開店。
イノシシの出る山里で作陶する
備前焼作家、渡邊琢磨さん

備前焼を通じた交流の場をつくる
プロジェクト〈BIZENうつわバー〉

岡山県備前市というと、まず大抵の人が連想するのは備前焼だろう。
同じ岡山県の在住歴通算25年の筆者からしても同じ。

「備前? そりゃ備前焼じゃないの?」と。

備前市には備前焼しかないというのでなく、認知の度合いで備前焼が抜けているのだ。

備前で思い浮かぶものの次点としては、日生(ひなせ)という
瀬戸内海に面したエリアで養殖が盛んな牡蠣、
あるいはその牡蠣を使ったお好み焼き「カキオコ」あたりか。
そのさらに次となると、正直、腕組みをしてひねり出すようなことになるのだが、
しかしこの備前焼と牡蠣だけでも十分すぎるほどの資産価値がある。

ふたつのコンビネーションもすばらしくいい。

かたや瀬戸や信楽と並んで“日本六古窯”のひとつに数えられる伝統的な焼きもの。
「食(牡蠣)」との取り合わせが悪いはずがなく、どう扱うにも連携がとりやすそうだ。

平安時代に始まったとされる備前焼。「投げても割れない」と言われるほどの頑丈さが特徴で、当時から生活容器として碗、皿、瓦などが焼かれた。同じ景色のものはふたつとないと言われる「窯変」が最大の魅力。

〈BIZENうつわバー〉という。

備前市に在住、あるいは備前にゆかりのある人が店主となり、
食やうつわを通じて人の交流を生み出す場(バー)となる。
そんなプロジェクトがいま、備前市で新しく生まれようとしている。
さて、どんな人たちがどんな魅力を語ってくれるか。

備前焼の作家・渡邊琢磨さんを訪ねて

記念すべき第1回目のマスターは、備前焼の作家・渡邊琢磨さん。
備前焼の作家が集中する備前市伊部(いんべ)地区でなく、
市の東に隣接する和気郡の人里離れた山間に住む渡邊さんの自宅兼工房を訪ねた。

渡邊さんの自宅の庭から見える景色。瀬戸内のジリジリするような真夏の太陽が濃い緑に降り注ぐ。田んぼの後ろに控える森はどこまでも深そうだ。

気温35℃の猛暑日が続く8月某日のこと。
比較的新しいナビゲーションシステムもさすがにそこまで案内しきれなかった。
山深い市道から一段と幅の狭い脇道に入って、
右手に青々とした稲穂を見ながら奥に進み、さらにそのまた奥、
道沿いに民家が途絶える最後の家がそうだった。

背後にある深い森に半分飲みこまれたかのように見える家。
ここにたどり着く直前で、心配になって引き返す人が絶対何人かいたにちがいない。
渡邊さんが家の前まで出てきてくれ、手を振っていた。わりと控えめな感じで。

備前に生まれ、代々、窯を受け継ぐ備前焼作家とは異なり、渡邊さんは兵庫から移住して初代で窯を立ち上げた。「しがらみがない気楽さはあります。そこは生かしていきたいと思っています」と渡邊さんは言う。

〈蔵前展 秋場所〉 東京の下町、蔵前へようこそ! 新作やごはんが楽しめる 展示会を同時開催

2017年9月6日(水)〜9月10日(日)、
東京都台東区の蔵前エリアにて、工房やショップ9社による
人・店・街の展示会〈蔵前展 秋場所〉が開催されます。

浅草の南、隅田川右岸に位置する蔵前は、明治時代から問屋街として栄えてきたまち。
いま、そんな蔵前にクリエイターの工房やお店が増え
ものづくりのまちとしてにぎわってきているんです。

〈SyuRo〉

本展は蔵前に拠点をかまえるクリエイターたちが
「クリエーションの場所になぜ蔵前を選んだのか、実際に蔵前で
活動する私たちなりの言葉で、蔵前の魅力を発信したい」
という思いから2017年2月よりスタートさせたイベント。
今年は会期を5日間に延長し開催するそう。

〈ALLOY〉

参加店はSyuRo、MAITO、カキモリ、
CAMERA、tutaee、ALLOY、TISTOU、m+、KONCENT。
コロカルでもご紹介してきた人気店が揃っています。

陶器のかけらが エレガントなジュエリーに! 〈MISHIM POTTERY CREATION〉

東京・文京区に拠点を構える、土肥牧子による
デザインレーベル〈mishim〉(ミシン)。
“将来アンティークになっていけるもの”を目指し、
木や鉄など経年変化を楽しめる素材から丁寧な物づくりを行っており、
陶芸作家とコラボレーションした器ブランド
〈MISHIM POTTERY CREATION ミシンポタリークリエイション〉も展開中。

『Fragment』シリーズの主役になっているのは、主に陶器の“かけら”。
陶器の持つマットな質感と、鮮やかなブルー模様の組み合わせは、
思わず息を飲むほど美しい仕上がりに。そこに繊細なゴールドを合わせ、
上品でフェミニンな印象なジュエリーが完成しました。

『Fragment』アイテム展開は全部で5つ。不規則な欠片のかたち、
色の染まり方がそれぞれ異なり、ひとつひとつ違った表情を楽しめます。

ピアス 01(ペア)(K18/磁器) 8,500円

ピアス 02(片耳)(K18/磁器)12,000円

ネックレス(K10 / 磁器)22,000円

縁に金の絵付けが施されたバングルにも注目です。

バングル W(金絵付け/陶器)20,000円

バングル N(金絵付け/陶器)16,000円

話題の茶葉店〈幻幻庵〉とコラボ! 原宿で波佐見焼〈マルヒロ〉の ポップアップイベント開催

ポップなカラーのマグカップ〈ブロックマグ/HASAMI〉シリーズで、
波佐見焼の人気を牽引する陶磁器メーカー〈マルヒロ〉。
最近は波佐見焼産地が得意とする多様な技法を生かし、
バリエーション豊かに展開するそばちょこのシリーズ〈蕎麦猪口大事典〉で、
新たなファンを増やしています。

これまで合同展示会に参加することの多かったマルヒロですが、
今回は独自にイベントを企画。
東京・原宿の〈SO1ギャラリー〉で9月7日(木)から10日(日)まで、
〈POP UP STORE & EXHIBITION〉を開催します。

日本茶〈幻幻庵〉×波佐見焼〈マルヒロ〉のアップサイクルプロジェクト

イベントでは、新作や定番品の展示販売のほか、B級品や廃棄品に付加価値を加えた
アップサイクルプロジェクトの商品もお披露目されます。

今回のコラボレーションパートナーは、
日本茶を再定義し新しいスタイルで提案する〈幻幻庵/GEN GEN AN〉
今年4月に渋谷にオープンしたばかりのこだわりの茶葉店です。

イベント会場には〈幻幻庵/GEN GEN AN〉のポップアップ茶屋も登場。テイクアウトや茶葉の販売も。

生産過程でできた小さな傷などがあり、正規品として販売できないそばちょこに、
幻幻庵のロゴをプリントすることで、
新たな魅力をまとったアップサイクル品に仕上げています。
さらに幻幻庵のティーバッグをつけて販売されるそうです。

さまざまな柄がある〈蕎麦猪口大事典〉シリーズのB級品に、幻幻庵のロゴをつけたアップサイクル品。

純国産にこだわり尽くした 水性ポマード 〈BROSH POMADE〉 販売開始!

床屋というとおじさん!? のイメージがありますが、
近年、NY発のバーバーブームに影響を受けたおしゃれバーバーが日本でも人気。

そんなバーバーブームのなか、東京と北海道にあるバーバーの名店、
〈MR.BROTHERS CUT CLUB〉と〈BARBER SHOP APACHE〉が、
共同で製作したオリジナルポマード
〈BROSH POMADE ブロッシュポマード〉をリリースしました。

いま日本でも見直されるバーバーカルチャー。
サロンではなくバーバーの技術で作り上げられる、
艶やかでオーセンティックなヘアスタイルは、
今やメンズファッションのトレンドのひとつとなっているほど。

“プレジデンシャルカット”など、人気のクラシカルなヘアに
使われる整髪料がポマード。
元来ポマードは油性で作られているものがスタンダードでしたが、
昨今はシャンプーで洗い流すことが可能な
水性ポマードが主流となっています。

そこで、現代のクラシックバーバームーブメントの火付け役となった
東京の MR.BROTHERS CUT CLUB と、
日本のシーンを黎明期から守り続けてきた
北海道の老舗 BARBER SHOP APACHE が手を組んで、
オリジナルの水性ポマード〈BROSH POMADE〉を完成させました。

世界に流通する数々のポマードを使用してきた両者が
日本人の髪質にベストなポマードを目指し、
数十回の試験を経て原料からオリジナルで調合。
中身から容器まで、生産の全工程を日本国内で行う、
完全なるジャパン・メイドにこだわりました。

〈ドラゴンボールこけし〉に 〈ワンピースこけし〉も。 群馬県の創作こけしに あの人気アニメが登場!!

ドラゴンボールこけし by 卯三郎こけし (C) バードスタジオ/集英社・東映アニメーション

創作こけしに新たな息吹が吹き込まれました。
職人がひとつひとつ心を込めて丁寧につくり上げた
〈ドラゴンボールこけし〉〈ワンピースこけし〉の登場です。

こけしが誕生したのは、江戸時代末期。
東北地方の温泉地で湯治客の土産物として生まれたそうです。

木地師が作ったこけしは、
心身回復と五穀豊穣、山の神と繋がる縁起物と考えられ、
体を癒すために湯治に来た農民の土産として楽しまれました。

それから現在のこけしは、大きく分けて3種類になりました。
昔からの「伝統こけし」。
戦後、全国の観光地などで作られるようになった「新型こけし」。
さらに現代感覚を個性的に表現する「創作こけし」に大きく別けることができます。

その創作こけしの産地として全国一の生産量を誇るのが群馬県。
今回、群馬県北群馬郡榛東村にある〈卯三郎こけし〉は、
創作こけしのキャラクターラインを新たに発表しました。

ワンピースこけし by 卯三郎こけし (C) バードスタジオ/集英社・東映アニメーション

今回は週刊少年ジャンプに連載され、アニメとしても人気を博した2作品がこけし化。
どれもお子さんに人気の国民的キャラクターたちです。

鳥山明原作のアニメ「ドラゴンボール」コラボレーションシリーズからは、
「孫悟空」「クリリン」「亀仙人」の3アイテム。

尾田栄一郎原作のアニメ「ONE PIECE(ワンピース)」コラボレーションシリーズでは、
「ルフィ」「ゾロ」「チョッパー」の3アイテム。

どれもキャラクターの特徴を活かしつつ、
こけしのフォーマットに合うようにデフォルメされ、
細部まで丁寧に仕上げられたこだわりの逸品です。

(C) バードスタジオ/集英社・東映アニメーション

〈スマイルズ〉遠山正道さんが
実践する、
人の熱意を大切にした
経営デザインって?

「自分のやりたいことをやる」ことが、ビジネスの処世術

食べるスープの専門店〈スープストックトーキョー〉や
セレクトリサイクルショップ〈パスザバトン〉、ネクタイブランド〈ジラフ〉など、
数々の事業やプロジェクトを仕掛ける〈スマイルズ〉。
代表取締役社長の遠山正道さんには、
経営者でありながら「クリエイティブマインド」を感じる。
そこからたくさんのユニークなアイデアは生まれているのではないか?
そこで〈貝印〉商品本部デザイン室チーフマネージャーの大塚 淳さんとともに、
遠山さんを訪ねた。

〈スマイルズ〉代表取締役社長の遠山正道さん。

スマイルズはスープストックトーキョーから始まった。
今でこそ、「体験を売る」という手法は当たり前のように語られているが、
スープストックトーキョーでは
1999年の第1号店オープン当初から共感を軸にしたビジネスをベースにしていた。
遠山さんの著書『スープで、いきます 商社マンがSoup Stock Tokyoを作る』は
「『なんでこうなっちゃうの?』という世の中に対する疑問やいらだちから
Soup Stock Tokyoは生まれました」という一節から始まる。

「飲食業界をなんとかしたい、というような大きな目的ではなく、
自分だったらこうするという個人的な思いから始まっています。
もちろんスープは提供しますが、それ以前にあるべき“共感”をつくりたかったんです。
スープを軸にして集まってきた仲間とのいい関係性。そしてそれが次に広がっていく。
共感を得られる一番はじめの場所です」(遠山さん)

極端に言えば、それが共感の手段になっていれば、スープでなくても良かった。
遠山さんが感じていた「疑問やいらだち」は、
当時の飲食業界が共感の場ではなかったことだったようだ。

〈貝印〉商品本部デザイン室チーフマネージャーの大塚 淳さん。

「問題意識があって、自分ならこうするという考え方は、今も変わりませんか?」
という貝印・大塚さんの問いに、
「変わりませんね。ビジネスありきではありません」と遠山さんは答える。

「かっこつけているのではなく、ある種の処世術として大切なことだったんです。
当然、これまでもうまくいかなくて苦労してきた側面が多々ありますが、
そういう状況に『儲かるって聞いたから』『流行っているらしいから』という理由では
太刀打ちできません」(遠山さん)

「スマイルズのある1日」と題された事業計画書。

トラブルが起きたり、うまくいかないときに、
「なんでやっているんだろう?」「いつまでやるんだろう?」という
弱気が頭をもたげてくる。それを打破するのが個人の思い。

「両足を突っ込んで『オレがやる!』という人がいれば、事業も始めることができます。
絶対にコレだと言い切る力。
四六時中そのことを考えて、当事者になってやり切る人がいるかどうか。
理屈では超えられないこともありますよね」(遠山さん)

「貝印もものづくり自体には歴史もあり、プライドも持っていますが、
経験や共感というような“曖昧なもの”を
確固たる事業にしていくプロセスを強化していきたいですね」(貝印・大塚さん)

「結局、何をやっても仕事は大変です。だからこそ、ときめくものじゃないと。
『あいつ、めちゃくちゃ楽しそうにプレゼンしていたよね』ということが大切。
その仕事を一番楽しめる人は誰か、ということです」(遠山さん)

「事象」だけあって、担当者を後から決めるというやり方はではうまくいかない。
肝心なのは「言い出しっぺ」なのだ。
それが当事者となり、ジブンゴト化していくから。

美術・アート系の本が多いオフィスの本棚。

〈暮らしにいきる伝統のかほり展〉 「ガラは悪いが、腕は良い」 高岡の若手職人による新作が BEAMS JAPANに登場!

富山県高岡市には銅器や漆器、螺鈿(らでん)など、
長い歴史を誇る伝統工芸があります。

2017年8月19日(土)〜9月8日(金)、
日本の「モノ・コト・ヒト」が集う新宿のBEAMS JAPAN(ビームスJAPAN)にて、
高岡の伝統工芸にふれられる〈暮らしにいきる伝統のかほり展〉が開催されます。

主催は、「ガラは悪いが、腕は良い」をキャッチコピーとする
高岡の若手職人および問屋団体〈高岡伝統産業青年会〉さん。

高岡伝統産業青年会の仕事場をめぐる工場・工房見学ツアー、クラフツーリズモ。

ものづくりのほか、高岡の職人を描いた映画『すず』(監督・脚本 菱川勢一)の制作や
全国各地での鋳物体験・展示会開催など、
伝統工芸の新しいあり方を提唱している青年団体です。

代官山 蔦屋書店で行われた〈燕三条 工場の祭典〉との合同展〈高岡クラフツーリズモ VS 燕三条 工場の祭典〉

〈KIHARA TOKYO〉が 東京・奥渋谷にオープン! 有田焼・波佐見焼の新発信地

人気の器ブランドのショップ&ギャラリー

渋谷や原宿の喧噪からほどよく離れ、感度の高いクリエイターらに人気の奥渋谷に、
また新たなスポットが誕生しました。

磁器発祥の地・有田を拠点とする産地商社キハラが富ヶ谷にオープンした、
有田焼・波佐見焼のショップ&ギャラリー〈KIHARA TOKYO〉は、
器を販売するだけでなく、焼きものづくりの道具や技法などを紹介しながら、
有田焼・波佐見焼への理解を深め、焼きものに親しんでもらうための発信地です。

有田焼と聞くと、重厚で格式高いイメージを持たれる方もいるかと思いますが、
キハラがプロデュースする器はとてもシンプルでモダン。
磁器産地として400年続く伝統技術と美意識を受け継ぐ職人たちとともに、
現代のライフスタイルに寄り添う器を提案しています。

太陽の光をイメージした〈SUN〉。プレートはニューヨーク近代美術館〈MoMA〉でも販売中。

上品で落ち着きのあるマットな釉薬の表情が美しい〈EN〉。

日本の伝統紋様をモダンにアレンジした〈KOMON〉シリーズは、コロカル商店でも販売中。

近年では海外企業との商品開発プロジェクトも多く手がけており、
シンガポールのデザインカルチャーを牽引する〈Supermama〉との取り組みも
注目を集めています。
KIHARA TOKYOの3階に設けられたギャラリースペースでは、
そうした日本では販売されていない特別なアイテムの展示も行っており、
今後もさまざまな企画展を計画中だそうです。

〈日本刀はさみ名刀シリーズ〉 刃物の町関市の職人による 切れ味を堪能!

はさみは事務作業で必需品。
気持ち良くスパッと切りたいという、
毎日のように仕事で裁断をする方に朗報が!

戦国大名の愛用した名刀をモチーフにした
〈日本刀はさみ名刀シリーズ〉が
クラウドファンドで購入予約できるようになりました。

〈日本刀はさみ名刀シリーズ〉は全4種。

戦国時代の覇者である織田信長。

独眼竜の人気武将である伊達政宗。

幕末の風雲児である坂本龍馬。

江戸幕府の始祖である徳川家康。

彼らの愛用した日本刀をモチーフに作り込みをします。

特に、徳川家康モデルは、家康の愛刀「鯰尾藤四郎」をモチーフとしており、
名前の由来にあるように、鯰(なまず)の尾のような切先(刃先)を再現するため、
特別に刃体形状の作り込み、また、刃紋形状にもこだわりました。
さらに、持ち手と鞘の部分は、福井県鯖江市の漆塗り職人による
越前漆塗りで仕上げられた、なんとも豪華なはさみ。

岩手〈小田中染工房〉の
美しい型染めデザイン。
芹沢染紙研究所で学んだこととは

代々続く小さなまちの染物店

奥羽山脈と北上高地に囲まれ、まちの中央を北上川が流れる
自然豊かなまち岩手県紫波町。農業が基幹産業となっており、
りんご、ぶどうなどの果物やもち米などの水稲の産地として知られている。

工房裏を流れる滝名川。

農業のまちで昔から人々の暮らしで重宝されてきた染物。
染物屋は、染色に使う糊を洗い流す工程で、新鮮な水が大量に必要とされたため、
川沿いに工房を構えることがほとんど。
紫波町の西部に流れる滝名川のほとりに店舗を構える〈小田中染工房〉もそのひとつだ。

80年以上続く小田中染物工房。

小田中染工房の3代目を務める型染め作家の小田中耕一さん。
反物や手ぬぐいなど先代から引き継いだ地元の祭りなどに使う染物に加えて、
型染めの技法を生かしたパッケージデザインや本の装丁など仕事は幅広い。

「家業は継ぐものだと思っていたから抵抗はなかった」と話す小田中さん。今年で40年目。

宮沢賢治の著書『注文の多い料理店』を出版し、のちに民芸店となった
盛岡市の〈光原社〉が販売する〈くるみクッキー〉のパッケージや、
セレクトショップ〈BEAMS〉のレーベル〈BEAMS fennica〉の広告物なども、
手がけたことがある。

20年以上愛用されている〈光原社〉のくるみクッキーのパッケージも小田中さんによるもの。裏庭にあったくるみの木のスケッチから生まれたものなんだそう。

左は、BEAMS主宰の工芸の展覧会ポスター用に作成し、右は〈手仕事フォーラム〉主宰の展示会のDMに作成したもの。どちらもビビッドな色合のなかに、工芸のぬくもりが伝わってくる。

東京・佃島にある〈つくだ煮処 つくしん〉のパッケージ。長く愛される商品の良さを伝える、素朴であたたかみあるデザイン。

始まりは、麻の野良着の藍染め

小田中染工房は藍染めを行う紺屋として昭和初期に創業。
当時は農家の作業着を藍染めする仕事が主力だった。
藍には抗菌や保湿、防虫などの効果があるため、
野良着やもんぺなどの農作業着は藍で染められていた。
しかし農業の方法が変化し、服装が変わると需要は次第に減少。

「今となっては良いことだったのか悪いことだったのか。
工房を続けていくためにどうしたらいいかと考えた末、
型染め、印染め(しるしぞめ)を始めることになったそうです」

“印染め”とはのれんや手ぬぐい、半纏など商いの目印となる染物のこと。
型染めは、下絵にそって彫った型紙に、
もち米を主原料とした防染糊(ぼうせんのり)を用いて染める、
日本で古くから伝わる染色技法だ。小田中さんの先々代は、
その技法を取り入れるため、外の紺屋で学び習得し、生業とした。

炊いたもち米と糠・石灰・塩を材料として、つくられる防染糊。

上京、そして師との出会い

小田中さんは高校でグラフィックデザインを学び、卒業すると共に上京。
一般的に分業して行われていた型染めの工程をひとりで一貫して行う、
「型絵染」で重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された芹沢銈介さんのもとへ。
民芸運動を代表するひとりとして知られる芹沢さんは、「型絵染」を確立した第一人者。
一枚の型紙を使って多彩な模様染めをする沖縄の紅型(びんがた)に精通し、
従来の枠にとらわれない技法で独創的な作品を次々と生み出した。

「お客さまに、芹沢染紙研究所に居らした方が来られて、
型染めに興味があるならと勧めていただいたのがきっかけでした。
その方が持参した芹沢銈介自選作品集を見せていただき、
こんなことができるのかと衝撃を受け、すぐに入所を志願しました」

工房に飾られる芹沢さんの写真。小田中さんは芹沢さんを今でも「先生」と呼び、慕っている。

芹沢染紙研究所は、昭和30年、東京の蒲田に設立。
研究所ではカレンダーやはがき、うちわなどを制作し、
「日用品として購入できる、安価なものであること」、
「需要に応じるため、数多くつくられたものであること」など民芸の考え方を実践した。

型紙を整理するお手伝いなどをしながら研究所に8年間在籍。
小田中さんは、芹沢さんの型紙に目を通す中で学んだことがあると言う。

〈金沢21世紀工芸祭〉 「工芸を遊ぼう。」 クラフト創造都市金沢にて 大型工芸フェスティバル開催!

2017年10月14日(土)〜11月26日(日)、
石川県金沢市にて〈金沢21世紀工芸祭〉が開催されます。
これは、クラフト分野で認定を受けたユネスコ創造都市・金沢市が
工芸の魅力を発信する大型工芸フェスティバル。

2回目を迎える今年は「工芸を遊ぼう。」をテーマに
工芸・まち・食を楽しめる8つのコンテンツを中心に展開します。
ここでは、コンテンツ内容をざっとご紹介!

〈趣膳食彩〉

趣膳食彩は、料理人と工芸作家が真摯に向き合い、
食と工芸のすばらしさを五感で味わえるプログラム。
江戸期の金沢の町人・梅田甚三久による日記をひもとき、
歴史に思いを馳せる「野掛け振る舞い」(=ピクニック)や、
北陸3県(石川・富山・福井)の料理人によるコラボレーションプログラムなどが楽しめます。
10月14日(土)〜11月26日(日)開催

〈工芸回廊〉

工芸回廊は、東山・主計町(かずえまち)の町家で、
工芸作品を鑑賞できる回遊型展示イベント。
金沢らしい風情が残る町家に作家とギャラリーが工芸作品を出展します。
作家やギャラリストとの交流も、楽しみのひとつ。
10月19日(木)〜22日(日)開催

飛騨市〈FabCafe Hida〉の グリーン・ツーリズムで ハイテクなものづくりにトライ!

2017年8月、岐阜県飛騨市にある〈FabCafe Hida〉にて、
森とものづくりを楽しむ宿泊プランがスタートしました!

FabCafe Hidaは、コロカルでもおなじみのヒダクマこと〈飛騨の森でクマは踊る〉
2016年4月にオープンした施設。

築100年を超える古民家を改装した建物のなかに
宿とカフェ、デジタル工房があり、
木工やデジタルものづくりなどを体験できるようになっています。

飛騨の森でクマは踊る(通称ヒダクマ)は飛騨市と、林業・地域再生を手掛けるトビムシ、ロフトワークの3社が手を組み、広葉樹の活用を通じて地域活性を目指す会社。社名には「クマも踊り出すような健康な森にしよう」という想いがこめられています。

本宿泊プランは、FabCafe Hidaが
農林漁業体験民宿(※)に登録されたことを機に始まるもの。

〈森の宝物探しピクニックプラン〉〈初めての木工体験プラン〉
〈オリジナル家具DIYプラン〉の3つがあり、
飛騨の自然を満喫しながら、森歩きやものづくりに挑戦できます!

※ 農林漁業体験民宿:農林漁業体験民宿とは「施設を設けて人を宿泊させ、農山漁村滞在型余暇活動に必要な役務を提供する」宿。農林水産大臣から「登録実施機関」 の登録を受けた一般財団法人 都市農山漁村交流活性化機構が運用しています。

〈FIL〉熊本・阿蘇から 小国杉を活用した ライフスタイルブランド誕生! 旗艦店もオープン

熊本県阿蘇郡南小国町に、自然の景観を守るために間伐された
杉材などを活用したインテリア・ライフスタイルブランド
〈FIL〉のフラッグシップショップ〈FIL STORE〉がオープンしました!

FILは、東京・パリのクリエイターと小国町で林業を営む〈Foreque〉
がプロデュースを手がける新ブランド。

ていねいに手入れされた阿蘇の自然や、
訪れた人々を優しく迎えいれる温かい心などといった
「自然と人」「人と人」のつながりを大切にする文化・価値観を
「Fulfilling life =満ち溢れる人生」というコンセプトに落とし込み、
長く愛用できる商品づくりに挑戦しています。

南小国町は今も火山活動が続く阿蘇地域の北側にあります。
情緒あるまち並みと露天風呂で知られる黒川温泉があり、
旅館業や林業、農業が盛んなのだそう。

FIL STOREは、そんな南小国町の里山にオープン。
設計を手がけたのは、杉や檜を扱うことを得意とする
〈ようび建築設計室〉の大島奈緒子さんと与語一哉さんです。

敷地内には、ものづくりのためのメイカースペース〈fillab〉や
ショップスペース、アロマ抽出所を併設。
3つのスペースをひとつの屋根の下に納めることで、
さまざまな人々が出会い、アイデアが共有される、交流の場を演出しています。
近くには製材所があり、木が加工されていく過程も学べるのだとか。

〈AKOMEYA 蚤の市〉 米屋じゃない米屋で 陶器市・わけあり市・タオル市

「お米」を中心としたライフスタイルショップブランド
〈AKOMEYA TOKYO アコメヤ トウキョウ〉。
東京・銀座と新宿にお店を構えるこのショップは、
“米屋”であって“米屋”ではありません。

全国から厳選した玄米、オリジナルブレンド米など、
約20種類以上を店頭精米し販売するほか、
日本で生まれた日常を彩る器や機能が優れた道具、
また銀座店にはカフェ〈AKOMEYA厨房〉も併設する、セレクトショップです

AKOMEYA厨房

このたび、2017年8月11日(金)~9月10日(日)まで、
陶器市や、わけあり市、タオル市など、
全10種類の食と雑貨のさまざまな企画が楽しめる〈AKOMEYA蚤の市〉が
開催されることになりました。

気になる内容は……

波佐見焼・美濃焼を中心にお茶碗やお皿など、すでに廃盤となって
生産されていない器を1,000円均一で販売する〈波佐見焼・美濃焼 陶器市〉。
全国のレストランなどで業務用に使われる、
白地でシンプルな食器の“訳あり品”を集めた〈業務用食器わけあり市〉。
生産工程で残った糸を使用したミニタオルだけを集めた〈今治タオル市〉。

陶器市での波佐見・美濃焼き 1,000円

今治のミニタオル市

〈オチビサンの卵焼き器〉 オチビサンと中川政七商店、 中村銅器のコラボで誕生。 ふわふわに焼けるヒミツとは!?

〈中川政七商店〉と〈中村銅器製作所〉、
安野モヨコさんの漫画『オチビサン』がコラボして、
とってもかわいい卵焼き器をつくってしまいました。

オチビサンの卵焼き器 8,200円(税込・送料無料)

なんとフライパンの側面に、オチビサンのシルエットが刻印されています。
さらに柄の部分にはオチビサンの“家紋”も。
これはかわいいですね!

かわいいだけではありません。
こちらの卵焼き器、上手に使いこなせば
ふわふわの卵焼きが焼ける優れものなんです。
じつは、築地の寿司職人さんたちもこの卵焼き器を使っているのだとか。

卵焼き器を手がけたのは、こちらのお三方。
東京都足立区に4代続く老舗〈中村銅器製作所〉の職人さんたちです。

右から、3代目の中村恵一さん、次男の公嘉(まさよし)さん、長男の大輔さん。

なぜ銅製なのかというと、純度の高い銅板に
手作業で錫(すず)を焼きつけた卵焼き器は
鉄やステンレスのものと比べ、熱伝導と保温性に優れているのだとか。
まんべんなく火が通り、ふんわりとまろやかな味の卵焼きが焼けるのだそうです。

3代目の恵一さんが焼きつける錫は、メッキと違ってそうそう剥がれません。
職人さんが自信をもっておすすめする、一生ものの卵焼き器です。

岡山市に〈OKAYAMA IDO!〉 期間限定オープン。 商店街に新しいモノづくり チャレンジの場を!

岡山県岡山市の〈奉還町商店街〉は、
かつて、武士が刀を置いて、商売を始めた商店街。
この夏、岡山村田製作所が応援するモノづくり応援スペース
〈OKAYAMA IDO!(オカヤマ アイドゥー!)〉が期間限定オープン! 
2017年7月28日(金)から9月30日(土)の土日、
新しいモノづくりチャレンジの場が生まれます。

OKAYAMA IDO!ロゴ

IDO!は、企業と学生、商店街の人々が、この場所を通じて繋がる催しを多数企画。
手作り雑貨からアート作品などジャンルを問わず参加できる、
無料の販売スペース〈チャレンジショップスペース〉や、
岡山の第一線で活躍するプロのデザイナーや写真家といっしょに、
奉還町・岡山をちょっと元気にする新しいモノづくりが体験できるプロジェクトなども。
このスペースでは、岡山でのモノづくりにチャレンジする人たちが
主役となれる催しを、多数実施予定です。

参加クリエーター、実施コンテンツの一部をご紹介すると……

・モノづくりフリーペーパーをつくる〈奉還町編集室〉

・オリジナルクラフトビールをつくる〈奉還町クラフトビール研究会〉

・奉還町商店街の若店主&山村エンタープライズによる〈甦れ!伝説の奉還モチ!〉

・明和電機(吉本興業)による制作ワークショップ

・デニムマルシェテント開発プロジェクト

などなど。

『伝統こけしの本』 13人の現役工人を紹介する 最新のこけしガイド刊行! 伊勢丹にてフェアも開催

東北の温泉地を中心に発達したおもちゃ、伝統こけし。
東北6県には宮城の鳴子系や弥治郎系、青森の津軽系、
山形の山形系などなど、11系統のこけしがあります。

2017年8月18日、その伝統を受け継ぐ現役工人13人をたずね、
手仕事の美しさとこだわりを伝える
こけしガイド『伝統こけしの本』が出版されます。

登場するのは津軽系の阿保六知秀さん、五十嵐嘉行さん、橋本恒平さん、
南部系の煤孫盛造さん、鳴子系の高橋正吾さん、
作並系の平賀輝幸さん、遠刈田系の佐藤英太郎さん、
弥治郎系の鎌田孝志さん、土湯系の陳野原幸紀さん、
蔵王系の梅木直美さん、山形系の小林清さん、
肘折系の鈴木征一さん、木地山系の北山賢一さん。

鳴子系の高橋正吾さん

こけしの基礎知識から雑学、産地の名所案内、歴史、特徴、アクセス、
美術館、こけしイベント案内まで、盛りだくさんな内容となっています。

さらに、東京の書肆ひやねや千葉のJETLINK、
京都のマヤルカ古書店など、こけしを売る人、集める人も紹介!

著者は『北欧とコーヒー』(青幻舎)、『北欧の日用品』(エクスナレッジ)、
『民藝の教科書』(1〜4)(グラフィック社)などで知られる萩原健太郎さん。
こけし通にも、これからこけしのことを知りたいと思う
初心者の方にもおすすめの一冊です。

粋な江戸土産! ビームス ジャパンの夏祭り 〈納涼泡沫祭り2017〉

“日本”をキーワードに、さまざまな魅力を国内外に発信する
ショップ〈ビームス ジャパン〉にて、2017年7月26日(水)より、
恒例の夏祭りが開催されます。

今年のタイトルは、〈納涼泡沫祭り2017〉。
下町の伝統的なものづくりに着目し、遊び心あふれる “艶っぽい東京”が感じられる
ポップアップイベントです。

イベントにラインナップするのは、“粋な江戸土産”をコンセプトに、
東京・吉原の艶っぽい歴史を土産物に落とし込んだブランド〈新吉原〉。
この期間中だけの限定Tシャツやサコッシュなどが登場します。

新吉原×BEAMS JAPAN サコッシュ 3,000円(税抜)、新吉原×BEAMS JAPAN Tシャツ 5,800円(税抜)

ほか、吉原に店を構える〈カストリ書房〉より吉原などに
関連する書籍を販売します。
お祭りらしい企画としては、新吉原の缶バッジ釣りも! 
こちらはなくなり次第終了です。

ぜひお早めに。
レセプションパーティーは、7月28日(金)18時から開催されます。

富山県高岡市の 〈工芸ハッカソン〉 で工芸を更新する! 参加者募集中

金工や漆芸など、400年以上の歴史を持ち、ものづくりのまちとして知られる富山県高岡市。
この秋開催される〈国際北陸工芸サミット〉の関連事業として、
クリエイターのためのイベント〈工芸ハッカソン〉が開催されます!

伝統産業の職人と、異分野のクリエーターや研究者、
エンジニアなどが出会い、対話し、共に具体的なアウトプットを模索することで、
工芸の未来の革新につながるコラボレーションを生み出すことが目的です。

ハッカソンとは、一般的に、ソフトウエアなどの開発者が一箇所に集まり、
短期集中で共同作業を行うことにより、新しい技能やアイデアを生み出し競うイベントのこと。

〈工芸ハッカソン〉が行われるのは、2017年9月23日・24日と、
2017年11月18日・19日の合計4日間。
高岡市の伝統産業ツアー、作りてとのディスカッションから実際のプロトタイプ制作、
最後に公開プレゼンテーションを行って、最優秀賞などを決定します。
参加者には、開催地までの旅費および宿泊費が支払われるので、
工芸をアップデートしたいと思っている方は、是非応募されてはいかがでしょうか。

高岡銅器

高岡&伝統産業ツアー(イメージ)

〈工芸ハッカソン〉では、伝統的な鋳物場や漆器工房に加え、
最新鋭の各種マシン・設備が利用可能。
400年以上続く伝統の技と地域の歴史や文化に触れたり、
最新技術・知見に触れることができる貴重な機会が得られたり。
会社や業種を超えた多様な参加者・協力者との出会いが用意されています。

〈TAKT PROJECT
タクトプロジェクト〉が考える、
「戻るデザイン」とは?

これまで5シーズンにわたって、
持続可能なものづくりや企業姿勢について取材をした〈貝印×コロカル〉シリーズ。
今回からは、刃物やキッチン用品などの
商品企画・デザインを手がける貝印株式会社のスタッフが、
コロカル編集部と共に日本全国の未来志向のクリエイターを訪ねて、
ものづくりの技術から、デザインフィロソフィー、
ビジネススキームの話まで引き出していきます。
今回は、東京のデザイン会社〈TAKT PROJECT(タクトプロジェクト)〉を訪ねました。
連載第1回:“おせっかいな”デザイナー〈minna(ミンナ)〉が語る、デザインの意味って?

「いちデザイナーとして社会とどう関われるか?」

かつて〈COMPOSITION(コンポジション)〉というプロダクトを見て、
デザイン会社〈TAKT PROJECT(タクトプロジェクト)〉に興味を持ったという
〈貝印〉商品本部デザイン室チーフマネージャーの大塚 淳さん。
そこで大塚さんとともに、〈TAKT PROJECT〉の吉泉 聡さんを訪ねた。

吉泉さんはデザイン事務所の〈nendo〉に3年間勤めた後、
メーカーである〈ヤマハ〉のデザイン研究所に5年ほど勤めた。
その後、独立して2013年にTAKT PROJECTを立ち上げる。
一方で貝印の大塚さんも、デザイン事務所から現在の貝印へと職場を移した経歴を持つ。
ともに外部デザイナーからインハウスデザイナーへという共通の流れがあった。

「どの企業も同じですが、インハウスデザイナーはまずその会社の社員であることが前提。
でもそれ以前に“いちデザイナー”として社会にどう関われるか?
というところから考えてみたいと思っていました」
と独立の経緯を話してくれた吉泉さん。

〈貝印〉商品本部デザイン室チーフマネージャーの大塚 淳さん(左)と〈TAKT PROJECT〉の吉泉 聡さん。

TAKT PROJECTでは、クライアントから受けた仕事以外に、
自ら発信していくことを大切にしている。
そのひとつが前述した〈COMPOSITION〉である。

〈COMPOSITION〉は電子部品と透明なアクリルを混ぜ合わせて固めたもの。
電子部品同士は極細の特殊な電気導線で接続されており、家電としてきちんと機能する。
「どこまでが素材で、どこからがプロダクトか?」という
境界線への問いに対するプロトタイプである。

不思議な形だがちゃんと電気は通っているCOMPOSITION。

大塚さんはこのプロダクトの「異素材ミックス」に特に興味持った。

「貝印も来年110周年を迎える歴史のある企業です。
これまでずっと刃物をつくってきたコア技術を使って、
これから何を提案していくかを考える時期にきていると思います。
たとえば、『COMPOSITION』を拝見したときに、
当社の金属とほかの素材をミックスすることも可能ではないかと思いました。
そのような広がりが今後必要になってくると思います」(貝印・大塚さん)

異素材が混合(=COMPOSITION)されたユニークなプロダクト。

「新しいものをつくるときには『どこまで戻れるか』が重要だと思っています。
デザイナーが入れるのは、よくても企画からですよね。
製造方法に入りこむことは難しい。
しかし製造技術が決まっていると、当然つくるものがある範囲で決まり、
企画も決まってくる。
だから製造技術まで戻ってみると、すべてが変わる可能性があり、
ビジネスモデルも変わる可能性があります」(吉泉さん)

逆にいえば、製造技術からデザイン的な視点を持って変えていかないと、
本質的な意味では変わらない。それが「戻る」ということ。

「決められた枠の中では、おもしろいことは生まれにくいと思います。
みんなが同じ目的なので」(吉泉さん)

ものづくりには「すでに価値観が決まっていることに対してより洗練していくこと」、
「まったく違う価値観を生み出すこと」のふたつの方向性があるという。

前者は、少しずつアップデートしてよりよくなっていくこと。

「インハウスデザイナーは、本当に職人のようなスキルを持っている人が多いですよね。
そのデザインを洗練させていくスキルには驚くべきところが多々あります。
しかし洗練という価値観だけだと、
その延長線上ではバリエーションしか生まれにくいというジレンマがあります」(吉泉さん)

「特にインハウスデザイナーだと、
なんとなくわかっている領域内で解決法や方向性を探してしまいがち。
実は答えもある程度わかっている」(貝印・大塚さん)

もちろんそれ自体は大切なことだが、新しいものは生まれにくい。
しかし外部デザイナーだと少し役割が変わってくる。
別のやり方もあったほうが広い目で見たらおもしろい。
どちらがいいということではない。

一方、後者は提案型だ。
これまでは課題に対するソリューションがデザインの大きな役割とされていたが、
これからは課題そのものを提案していくこと、良質の課題を見つけていくことが大切だ。

「みんなが一生懸命に集中している場所から少しズレたところにも、いいものがあるはず。
それを見つけてたくさんの選択肢をつくることができれば、
より豊かな社会になると思います。それが課題発見です」(吉泉さん)

「たとえばあまり売れていない包丁があったとして、
それは単純に使いにくいからという理由ではなくて、
まったく違う場所に課題が潜んでいるかもしれない。
そういう視点ですね」(貝印・大塚さん)

視点をずらすこと、フレームをずらすこと。
そして延長線上ではなく、別の土俵をつくることも大切だということ。
それが得意なのがデザイナーという職業であり、
吉泉さんはそこにフォーカスした活動を行っている。

〈mitosaya 大多喜薬草園蒸留所〉 日本初のボタニカル ブランデーづくり、始まる。 千葉の薬草園を蒸留所に!

薬草園の跡地に日本初の「ボタニカル・ブランデー」の蒸留所をつくる
——そんなプロジェクトの資金を募るクラウドファンディングがスタートしました!

ボタニカル・ブランデーとは、ヨーロッパでは「オー・ド・ヴィー」とも呼ばれる、
フルーツやハーブからつくられる蒸留酒。
梨やぶどう、ベリーなどの果物を発酵させ、複数回蒸留することでできます。
ジンやウォッカよりもずっと繊細で、フルーツの芳香が立ち上がるお酒なのだとか。

このプロジェクトでは、多彩なボタニカルと高い蒸留技術を生かし、
さまざまな分野のプロフェッショナルとのコラボレーションによって、
蒸留の可能性を広げていくそう。これは楽しみですね!

プロジェクトの代表は、東京・表参道のブックショップ
〈UTRECHT(ユトレヒト)〉をオープンさせ、
日本を代表するアートブックフェア〈THE TOKYO ART BOOK FAIR〉を
企画・開催してきた江口宏志さん。

〈mitosaya株式会社〉代表 江口宏志さん

さらにプロジェクトには〈WAT〉代表取締役の石渡康嗣さん、
〈コエドブルワリー〉代表の朝霧重治さん、〈GRAND ROYAL green〉代表の井上隆太郎さん、
〈中山英之建築設計事務所〉代表の中山英之さん、〈TAKAIYAMA〉代表の山野英之さん、
アート・ディレクターの谷戸正樹さんら、
各分野のプロフェッショナルがコラボレーターとして関わります。

一体このプロジェクト、どんないきさつで始まったのでしょうか?

江口さんが東京を離れ外国に住み始めたらしい...そんな話を
聞いたのは、いまから2年ほど前のこと。
そのころ江口さんは、南ドイツにあるオー・ド・ヴィの蒸留所
〈スティーレミューレ(Stählemühle)〉社で修行をしていたようです。