イラストレーター・
STOMACHACHE.の旅コラム
「大阪の本屋に絵本の展示をしに行く」

旅先での「箔がつく」買いもの

娘たちと合流するにはまだ早かったので、
一旦ホテルにチェックインして荷物を置きに行くことにした。
展示のときなどは家族や友人の家に泊めてもらうことが多いが、
今回は3人だったので近くのビジネスホテルを予約していた。
ホテルのエレベーターに乗ったり、客室の廊下を歩いていると、
私はいつも村上春樹の『羊をめぐる冒険』を思い出す。
あとで恋人にその話をすると、
彼はスタンリー・キューブリック監督の映画『シャイニング』を思い出す、
と言っていた。
どちらにせよ、非日常の不気味さがあるかもしれない。

新大阪の改札付近の柱に寄りかかって、ふたりがやってくるのを待っていた。
3人での移動はよくあることだが、
私不在のふたりでの長距離移動は初めてのことだったので、
どんな感じだったんだろう、と考えていた。
楽しい新幹線の旅になるといいなと思っていたが、
あとで聞いたところによると、何と娘はほとんど喋らなかったらしい。

他人のように黙る娘と怪訝そうな表情を浮かべる恋人の姿を想像して、
私は笑ってしまった。普段はよくふざけ合って仲が良いのだが。

新大阪駅で合流。

新大阪駅で合流。

無事に合流し、晩ごはんを食べに梅田に移動した。
私は中学・高校時代を大阪で過ごし、通学の電車の乗り換えで梅田を毎日通っていた。
そんな青春時代によく通った懐かしい道を
恋人と娘と一緒に歩くのは何だか不思議な気分がした。

夕食は新梅田食道街で洋食を食べ、
その後、想像以上の寒さに耐えられなかった私は防寒用にダウンベストを購入した。
旅先でのこういう買い物は、何でもないものでも
「大阪で買ったベスト」という箔(?)がつくのが
おもしろくて気に入っている。
以前、横浜のコンビニで買った普通の折り畳み傘も
「横浜で買った折りたたみ傘」として大事に使っている。
のちにTBSラジオの『安住伸一郎の日曜天国』でも
安住さんが同じような話をしていて頷いた。

その後無事にホテルに到着し、疲れもあってみんな早々と寝た。

text

宮崎信恵(STOMACHACHE.)

Recommend 注目のコンテンツ

Special 関連サイト

What's New 最新記事