連載
posted:2017.1.16 from:長野県諏訪市 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
2017年が始まり、2週間が過ぎました。
私たちは相変わらず、小豆島の農村で畑をしたり、家を直したりして暮らしています。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
去年は1年365日のうちの350日くらい家にいました(たぶん)。
本当はもう少しいろんなところへ行きたいなと思ったりもしますが、
ま、いまはこれでいいんです。
毎日自分たちが畑に出て作業し、週末は家でカフェ営業をする。
いまの私たちは「土の人」で、1か所にとどまり、
その場所を育て、人が来てくれるのを待っている。
その暮らし方が好きで、そんなにあちこち行かなくても全然つまらなくない。
ただ、年末年始だけは少し長いこと島を出ます。
長いことと言っても、1週間くらいだけれど。
畑も比較的落ち着いていて、娘も冬休み。
ここぞとばかりに、実家に帰ったり、都会で欲しいものを買い出したりします。
そしてこの年末年始は、思ってたよりもいろんなところへ行き、
いろんな人に会いました。
年に1度、実家のある愛知に帰るのですが、なかなかこっちのほうには来られないし、
少し時間もあるからどこか行きたいねと話していて
思いついたのが〈リビルディングセンタージャパン〉(以下、リビセン)。
リビセンは、2016年9月末に長野県諏訪市にオープンした
古材や古い家具などを販売するお店です。
ただ古材を売るだけの場所じゃなくて、「ReBuild New Culture」という理念を掲げ、
古いもの、使われなくなったもの、廃棄されてしまうようなものに新たな価値を見出し、
もう一度使う、そういう文化を日本で広げていこう、その拠点となる場所です。
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建物は古材を使って改装されていて、その中にはカフェもあり、
大きな窓から古材を眺めながらコーヒーを飲むことができます。
そのリビセンを立ち上げ、運営されているのが東野唯史さん・華南子さんご夫妻。
リビセンをオープンする前は、全国各地のゲストハウスや飲食店などの設計、施工を
その地に住み込みながら、多くの人と関わりながらされていたそう。
私はそのつくられたものや活動の様子をネットを介して見ていて、
おもしろい人たちだな、いつかお話してみたいなと思っていました。
ふたりのまわりには、ほんっとにたくさんの人たちがいて、
このリビセン自体も400人以上のボランティアスタッフ
(通称「お助け隊」)の方たちに支えられて完成したそう。
みんなで楽しみながらつくる。
できる前からリビセンのファンはたくさんいて、
その楽しそうな匂いを感じて、次から次へと人が集まってくる。
ただ楽しいだけじゃなくて、そこには共感したくなる理念がある。
リビセンに行って、東野さんご夫妻にお会いして、
私たちはふたつのことを真似しようと思いました。
ひとつは、古材や古道具などを生かすということ。
小豆島には宝物(使われなくなった古いものたち)がごろごろしています。
うちの庭にも家の改修のときに出た建具や板、古い農具が
雨ざらしになって日に日に朽ちていっています。
どんどん新しいものを買ってしまうんじゃなくて、
そういうものにちゃんと目を向け、使おうと思います。
そしてもうひとつは、仲間とともに「働く」を楽しむこと。
私たちも去年はショウガの収穫や加工でたくさんの人たちに手伝ってもらいましたが、
今年はもっと関わってもらえるようにしたいなと思ってます。
「できたもの」を売るだけじゃなくて、「つくる」から一緒にやる、楽しむ。
2017年のHOMEMAKERSはそんな思いからスタートです。
みなさま、今年もおつきあいいただければと!
information
ReBuilding Center Japan
リビルディングセンタージャパン
住所:長野県諏訪市小和田3-8
TEL:0266-78-8967
営業時間:カフェ 9:00〜18:00 古材 11:00〜19:00
定休日:水曜日・木曜日
information
HOMEMAKERS
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