【プレゼントあり】山を越え、海を渡った能登の工芸品。輪島塗と珠洲焼のロマン

輪島塗と珠洲焼
能登を代表する伝統工芸品、輪島塗と珠洲焼。漆器と焼き物で種類は異なるが、どちらも海路で運ばれた——その旅の痕跡をたどると、美しさだけでは語り尽くせない歴史が見えてくる。石川県輪島漆芸美術館学芸員の寺尾藍子さんと、珠洲焼作家の篠原敬さんに話を聞いた。記事の最後には、輪島塗ペア箸、珠洲焼ビアジョッキが当たるプレゼントキャンペーンも実施中。ぜひ最後までご覧ください。

塗師屋(ぬしや)という職業が、輪島塗を全国へ広めた

輪島塗は石川県輪島市において発展していった漆器。木から形を作って漆を塗り、装飾を施した華やかな存在だ。江戸時代に大きく発達した漆器産地として広く知られているが、その起源は室町時代にさかのぼるとされ、江戸時代には現在の漆器作りに連なる材料の使用が確認されている。

その工程は細かく分かれ、木地作りに始まり、下地、塗り、沈金や蒔絵といった装飾まで、それぞれに専門の職人が従事する分業制で、ひとつの製品に大勢が関わっているのが特徴だ。

「木地作りだけでも製法により4つの業種に分かれていますし、各分野における工程も複雑かつ多数に分かれ、漆を塗る工程においては下地付け、研ぎ、塗りというように細かな分担を行います。長く分業制が引き継がれることにより、生産性を高めつつ専門性が磨かれてきました」(石川県輪島漆芸美術館学芸員・寺尾藍子さん)

現在、全国的にも高級漆器として知られる輪島塗は、江戸後期から昭和に至るまで、素封家や商家によって晴れの日を彩る食器として買い揃えられていった経緯がある。輪島塗の膳椀を持っていることが家格を表すことにもつながり、酒器や重箱、裁縫箱などの実用品も広く求められた。

「輪島塗が全国へ広がった背景に、塗師屋(ぬしや)という漆器作りを統括し販売を担う役割があったことは大きな意味があります。能登半島の地理的要因も影響し、廻船業の発達に伴い広く漆器が移出されると、塗師屋たちはそれぞれの得意先の地域へ、受注や納品のために旅しました。各地の行商の見聞は、顧客たちにとって貴重な土産になったに違いありません。塗師屋自身も顧客の期待に応えられるよう文化修業に励み教養を身につけました。丈夫かつ美しいという輪島塗の存在以外にも、塗師屋が情報を伝える役目も果たしていたことが、輪島塗が広まった要因だと思います」(寺尾さん)

幻の古陶・珠洲焼。海路で日本を渡り、500年後に蘇る

広域な商圏を誇ったことは、珠洲市一帯を中心に作られていた珠洲焼も同じだ。やはり海を使って日本海を北上、沿岸地域から出土している事実からも販路拡大に能登半島という地理が影響していたことだろう。

珠洲焼資料館に展示される、海から出土した珠洲焼・五十嵐一晴氏撮影
山を越え、海を渡った能登の工芸品。輪島塗と珠洲焼のロマン

珠洲焼は、輪島塗よりも誕生の歴史はかなり古く、1100年代にはすでに作られていたことが出土品から分かっている。しかし一度途絶え、その存在自体が発見されたのは戦後のことだ。

昭和30年代ごろ、珠洲市内のあちこちで窯跡が見つかり、各家庭に眠っていたグレーの大きな壺や甕の正体が調べられた。その結果、かつて珠洲で盛んに作られていた焼き物だったことが判明する。さらに驚くべきことに、新潟や秋田、遠くは北海道でも珠洲焼が出土しており、海路を使って日本海沿岸へと広く販売されていたことが明らかになった。

「珠洲焼は平安時代の末期に奥能登が京都の九条家の荘園となったことで、その荘園経営の産物として生まれました。しかし室町時代に入り公家の力が衰退すると、後ろ盾を失った珠洲焼は時代の変化に適応できないまま途絶えてしまいました」(珠洲焼作家・篠原敬さん)

一度姿を消した珠洲焼だったが、長い時を経て蘇る。珠洲独自の工芸品であると分かったことが、復活のきっかけに。

「復活の背景には、地元郷土史家たちの地道な探究、そして1960〜70年代ころに、若者の間に奥能登を訪れるという秘境観光の流行が重なったことがあります。せっかく来てくれた方に、ここでしか買えない土産物を用意したいという行政の意向もあり、その願いを担うべく珠洲焼陶芸家を目指した1人の若者の熱意によって復活が叶いました」(篠原さん)

珠洲焼たる特徴も「珠洲の土を使い、釉薬を施さず灰黒色と表現されるグレーの色に焼き込むもの」とあらためて定義された。

「色を求めて、陶土に含まれている鉄分が酸化しないよう焼成する技法は時間も燃料も過分に必要とするため、大量生産には向かず、非効率的な焼き物だと言えます。でもそこが希少な存在でもあり、魅力です」(篠原さん)

珠洲焼は珠洲市〈道の駅すずなり〉でも購入できる。


輪島塗と珠洲焼。それぞれ趣は異なるが、能登半島を代表する伝統工芸品として、実際に手に取り、その魅力に触れてみたい。

プレゼントキャンペーン実施中

コロカルのプレゼントキャンペーン

コロカルのInstagramでは、輪島塗ペア箸、珠洲焼ビアジョッキを計10名様プレゼントするキャンペーンを実施中です。詳しくはInstagramの投稿をご確認ください。

応募期間:2026/7/14(火)〜7/27(月)
応募方法:STEP 1:colocal公式Instagramアカウント(@colocal_jp)をフォロー
     STEP 2:投稿に「いいね」をする

Information

石川県輪島漆芸美術館

住所:石川県輪島市水守町四十苅11番地|地図
TEL:0768-22-9788
営:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
休:12月29日〜12月31日、展示替え期間
※修繕工事のため臨時休館の可能性あり。ご来館の際は、公式ウェブサイト、SNSをご確認ください

Information

珠洲焼資料館

住所:石川県珠洲市蛸島町1-2-563|地図
TEL:0768-82-6200
能登半島地震の影響により、当面の間臨時休館中

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