函館市〈大三坂ビルヂング〉前編。
地域のパン屋、デザイナー、不動産屋と
結成した〈箱バル不動産〉の活動。
〈箱バル不動産〉の誕生
まずは任意団体〈箱バル不動産〉として活動をスタートさせました。
「箱」と見立てた空き家や建物と、僕たちがリスペクトする
「バル街」をかけ合わせて考えた名前です。
西部地区の醍醐味であり、小さなお店をハシゴして楽しむイベント「バル街」のように、
空き家や空き店舗に小商いを増やしながら地域を“ハシゴ再生”していきたい
という思いを込めています。
不動産の免許は持たず、コミュニティメディアのように情報発信に力を入れながら
新しい不動産屋のカタチを実現しようと、準備を進めていきました。

〈箱バル不動産〉の結成。函館は箱形の館が海から見えたことから明治までは「箱館」と表記されていた。そうした意味も箱バル不動産には込められている。左から〈トンボロ〉の芋坂香生里、芋坂淳、〈蒲生商事〉の蒲生寛之、筆者。
〈箱バル不動産〉が発足してすぐ、メンバーの人脈から
空き家を提供してくれる大家さんに巡り合いました。
「坂道暮らし」「路地暮らし」「海街暮らし」と3つの物件の提供元が決まり、
すぐに応募を開始。その3つの物件はすぐに使える状態ではなかったので、
DIYでペンキ塗りをしたり大掃除をしたり、ボランティアを募って
地域のみんなで協力しながら準備を進めました。
2週間という短い募集期間でしたが、10件ほどの応募があったなかから3組を選考し、
「バル街」に合わせて1週間の移住体験者を迎えることができました。

内覧ツアーの様子。空き家を見ながらローカルのお店なども紹介して回った。右から2番目に〈FUZ design〉の永井くん。
2日目にまち案内をしながら空き家の内覧ツアーを行い、
夕方からはそれぞれ「バル街」でハシゴ酒を楽しんでいただきました。
別の日には〈港の庵〉を貸し切って、地元の人や先に移住された方たちとの交流会も行い、
おいしい料理と情報交換に花を咲かせました。
そして結果的に、3組のなかから1組が函館に移住することになりました。

港の庵での交流会の様子。「バル街」の主催者であり、スペイン料理店〈バスク〉〈ラ・コンチャ〉を営む深谷宏治シェフなど、さまざまな人が参加してくれた。
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