リノベーションした古民家の離れに
高齢の母もお引っ越し!
わが家の二世帯移住
移住と親の老後について
伊豆下田に移住してもうすぐ5年になる津留崎さん一家。
移住の1年後には、東京で暮らしていた母も
歩いて3分の距離に移住してきましたが、
津留崎さん一家が下田で取得した古民家に引っ越すことになり、
さて母はどうする……?
移住には、こんなスタイルもあります。
またもや訪れた、わが家の暮らしの変化
早いもので、この4月に、下田に移住してきて丸5年となります。
小学4年生となった娘の移住当初の写真を見返すと、
いまより随分小さく幼い(あたり前ですね)。
時の流れの早さをあらためて感じてしまいます。

今年は開花が遅いのですが、ここ伊豆では河津桜などの早咲きの桜が咲き始めました。ちょうど5年前のいまごろ、下田で物件探しをしていた頃も河津桜が咲く時期だったので、この時期は当時のことをふと思い出すことがあります。
そんなこの春、わが家の暮らしに訪れた
ちょっとした変化についてご紹介します。
自分たちが下田に移住してきた1年後、
東京でひとり暮らしをしていた自分の母親を下田に呼び寄せたことは、
この連載でもお伝えしました。
そのとき、母の年齢は82歳。かなり高齢での移住でした。
そんな年齢での移住なので、同居? と言われることも多かったです。
でも、当時自分たちが借りていた家のつくりは
同居には適していなかったし、何よりも母も自分たちも
それを望んでいなかったということもあり、同居はしませんでした。
自分たちの家から歩いて3分のところにある母が借りた家には、
同じ敷地内に大家さんも住んでいて、
何かと母のことを気にかけてくれていました。
そもそも賃貸物件が少ないので、歩いて3分のところに
こんな好条件の家が見つかるというのは、
とてもラッキーだったのかなと思います。

週に何度かはわが家に母を呼んで食事を共にしていました。妻も僕も、そして母も酒好きなので食事時にはどうしてもるみんなでそろって飲みたくなります。飲んでも歩いて送っていける距離なのが本当にありがたかった。
でも、移住してきた2018年には82歳だった母も80代半ばとなり、
足腰がだいぶ弱くなり、その「歩いて3分」が
かなりきつくなってきたのです。

娘にとっても母の家は落ち着くようで、よくひとりで遊びに行っていました。ちなみにこの写真は昨年末、下田にNHKのど自慢がやって来たときの一枚。わが家にはテレビがないので母の家でみんなで鑑賞。
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「歩いて3分」が「歩いて10分」に…?
そんな恵まれた条件で暮らしていたのですが、
もろもろの事情で下田市内で家を探していたところ、
同じ地区内で、現在暮らしている古民家との出合いがあったのです。
昨年、物件を手に入れてから半年ほどかけてリノベーションして、
年末に引っ越しを終えました。
引っ越しに伴い、わが家と母の家は、
これまでの「歩いて3分」が少し遠くなり、「歩いて10分」に。
だんだんと「歩いて3分」がきつくなってきていたので、
自力で行き来することはできない距離になってしまいました。
でも、本当にラッキーだったことに、手に入れた古民家は、
その隣の家(以後「離れ」といいます)も一緒についてきたのです。
離れが一緒についてくる?
都会では考えにくいことですが、地方ではよく
離れと一緒に物件が売りに出されることがあります。家主さんに
「隣の家も一緒に買ってくれないでしょうか?」
と持ち出されたときには、予算も厳しかったのでかなり悩みました。
聞いてみるとその家は、風呂やキッチンなどの、
暮らすのに必要な設備はひと通り揃っているとのこと。
「その離れ、母親が住むのにちょうどよいのでは?」と思えてきました。
そして、なんともありがたい話ではないかと、
離れも同時に購入したのです。

「母屋」(手前)のすぐ隣の「離れ」(奥)。離れは1階と2階で玄関が別々のつくりなので、1階に母が住んで、2階はカメラマンでもある妻の事務所にする予定です。
そんな経緯で手に入れた離れに母が暮らすには、
買ったままというわけにいかなそうでした。
わが家ほどではないのですが、
離れもそれなりの古い家です(築50年くらい?)。
あちこちサビサビだったりゴワゴワだったりします。
もともとあったキッチンや風呂、洗面は
しばらく使われていなかったので、かなり傷んでいて、
そのままでは暮らせそうにありません。
荷物もかなり多く残っていて、
それを片づけるだけでも相当な手間がかかりました。

荷物を片づけ、傷んだキッチンや洗面の交換の段取りを進め、
床のゴワゴワも直しました。

自宅のリノベーションで手一杯だったたので、床補強やフローリング張りなどは大工さんにお願いしました。自分が四苦八苦してやった工事をいとも簡単に終わらせてしまう……。あらためてプロの技を感じました。
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ついに母も引っ越し
実は、外壁や玄関ドアがサビているのはいいんじゃないか?
と思っていました。
暮らすのに支障はなさそうだし。
ところが、母親はそのサビが気になるといいます。
正直いうと、面倒くさいこと言うなあ……と思ってしまったのだけど、
いまの86歳という母親の年齢を考えると、
おそらく、人生最後の家になるのかもしれない。
気になるのであれば、できる範囲で目立たないようにしてやるか……と、
サビを落としたり塗装をし直しました。

真冬の寒空の下で塗装をしていると、ふと、まだ若く元気だった頃の母親とのやり取りを思い出しました。小さかった頃の同じような寒い日、外で遊んで帰ってきたときに寒さにガクガク震えていたら、急いでお風呂を用意してくれてたなあ……。受けた恩はすぐに忘れて、自分ひとりで育った気になってしまう。サビを目立たなくすることくらい面倒くさがっちゃいかんね……と、我が身を反省。

娘も手伝いました。大好きなお婆ちゃんが隣に引っ越してくるのがうれしそう。
ということで、わが家に遅れること2ヶ月、
1月末にはなんとか離れの片づけやら工事も終わり、
無事に母の引っ越しを終えることができました。

サビをとって塗りなおすだけで随分と変わりました。忙しいなか、工事やらクリーニングやら協力してくれた友人たちには、本当に感謝です。ありがとうございました!

引っ越して間もなく、娘に手を引かれて近隣の方に挨拶へ。
気が合いそうな同年代の方もいたりで、すごくホッとしたようです。
実は、引っ越し前日の夜中に、
緊張のあまり血圧が上がりすぎて救急車で運ばれるという
冷や汗もののトラブルが発生。
幸いなことに大事には至りませんでしたが、
一時はどうなることかと心配しました。
自分の年齢では難なくできることも、簡単ではないのだと、
あらためて「親の老い」を実感することになりました。
そんなこんなでいろいろあったのですが、移住した下田の地で、
わが家の離れに母親が住むという新たな暮らしがスタートしました。
家の前にはこんな景色が広がっていて、しかも、孫が近くにいる。
家もかなり住みやすそうになりました。
なかなか良い老後の環境を与えることができたのではないか、
とも感じています。
この決断に全面的に協力してくれた妻には本当に感謝です。

引っ越してきたばかりのダンボールだらけの新居で料理をする母。おふくろの味、まだまだ楽しませてもらいますよ。「隣に引っ越してきてよかった」と話していてホッとしました。