石上純也設計の 洞窟レストラン〈maison owl〉が、 1日1組限定で宿泊体験を提供

2024年日本建築学会作品賞を受賞した洞窟レストラン

旅の目的地(=デスティネーション)となる宿をプロデュースする温故知新が
2022年、山口県宇部市にオープンさせた洞窟レストラン
〈house & restaurant maison owl(メゾン・アウル)〉。

まるで洞窟のような構造と造形を体現している同建築は、
「時間と共に重みを増していくような建物がほしい。
ツルツルのものではなく、自然の粗々しさを含むような建物」というオーナーシェフ
平田基憲さんの強い思いを、建築家・石上純也氏が9年という歳月をかけ、
完成させたものです。
2024年日本建築学会作品賞を受賞するなど、建築物としても高い評価を得ています。

平田基憲シェフによる完全招待制のレストラン

レストラン〈maison owl〉

完全招待制のレストラン〈maison owl〉は
音の反響、香りの循環、そのすべてをとってもまさに唯一無二のレストランです。

平田シェフが生み出す季節の素材をふんだんに使った料理は、空間全体を彩り、
他のどのような場所とも異なる、感性が研ぎ澄まされるような、
至極の時間と空間の中で味わうことができます。

カトラリーや器はこの空間の一部になるようオリジナルで製作された他、
厳選された貴重なワインコレクションもこだわりの一つです。

快進撃の酒蔵はどこへいく 〈八戸酒造〉が描く未来図

八戸の港のシンボル、赤レンガの蔵から世界へ

八戸港や朝市で有名な館鼻岸壁の漁港からほど近くに、
どっしりとしたレンガづくりの平屋があります。
壁面に「男山」と書かれたその建物が〈八戸酒造〉です。
大正時代に建てられ、「文化庁登録有形文化財」、「八戸市景観重要建造物」
に指定されたという漆喰の土蔵と赤レンガの蔵は、
八戸港河口の風景と相まってじつに絵になります。

ここに、「世界酒蔵ランキング」1位に輝いたことがあり、
今年も、フランスの日本酒コンクール〈Kura Master〉や、
イギリスの〈International Wine Challenge〉日本酒部門で金賞受賞と、
国内外のコンペで常連の酒蔵があると聞いて訪ねました。

大正4年から大正末期にかけて造られたという建造物群。

大正4年から大正末期にかけて造られたという建造物群。伝統的工法を用いた主屋を始めとする6棟が登録有形文化財に指定されています。

八戸酒造の屋号は「近江屋」といい、
その名の通り、近江商人であった初代・駒井庄三郎が盛岡での商いを経て
陸奥の地で酒造りの道に入り、明治21年に現在の湊町に移転し、
〈駒井酒造店〉という名で代々日本酒を造り続けてきたといいます。
創業の酒〈陸奥男山〉はその辛口具合が湊の男たちからも愛されてきました。

八戸酒造

潮目が変わったのは1997年のこと。
〈駒井酒造店〉は戦時中、昭和の政府が発布した「企業整備令」によって、
八戸市および周辺の複数の酒蔵と合同会社として酒造りを行ってきましたが、
現八代目当主庄三郎が1997年に合同会社を分離独立し、
1998年に新ブランド〈陸奥八仙〉を立ち上げたのです。
ただし、自社の蔵ではなく、休業していた八戸市内の旧八戸酒造の蔵を借りての
再スタートと、厳しい環境下でした。

こうして現八戸酒造の新しい酒造りに取り組み、〈陸奥八仙〉が誕生。
現専務の駒井秀介(ひでゆき)さんが入社した翌年の2003年からは、
陸奥八仙もバリエーションが増え、
酒質もひと言で言うなれば「味わいがきれい」なものになったといいます。
フレッシュでフルーティーな酒が好きだった駒井さんが、
「自分たちがおいしいと思う酒を造りたい」と生み出した酒は、
日本酒に手をのばすきっかけを求めていた人たちのニーズにマッチしたのです。

そして、2009年には元の蔵である現在地に戻ることができたことで、
蔵に活気と勢いが蘇りました。
現在は父である8代目当主の庄三郎さん、秀介さん、杜氏である弟の伸介(のぶゆき)さんの
兄弟が蔵を支え、若い蔵人たちも切磋琢磨しています。

スイーツやおつまみにも!? 高栄養価、低カロリーの サボテングルメが食べられる、 愛知県春日井市の飲食店3選

輸入植物としてのイメージが強いサボテンなどの多肉植物ですが、
愛知県春日井市では、古くからサボテンの栽培を行っています。
全国有数の実生サボテン生産地である同市では、鑑賞用のサボテンはもちろん、
現在、食用サボテンにも着目し、〈サボテングルメプロジェクト〉を実施。

市役所内には、食用サボテンのPRを行う〈観光・サボテン担当〉という部署も
2022年から設置されており、さまざまな取り組みを行っています。

市内で栽培されている実生サボテン。

市内で栽培されている実生サボテン。

サボテンの一大生産地、春日井サボテン

春日井市がサボテンの栽培を始めたのは、1953(昭和28)年ごろと、
歴史も古く、果樹栽培の副業として始めたのがきっかけでした。
1959(昭和34)年には、一帯の果樹が被害を受けたことから、サボテン栽培へと
移行する農家が増え、市内に広く普及。
春日井市のサボテン栽培の大きな特徴は、種から育てる「実生栽培」。
温室の構造を工夫するなど独自の栽培方法を生み出し、実生サボテンの
大量生産を可能にするとともに、一帯の農家が連携して分業体制を
とることで、安定した栽培を確立させました。

昭和のサボテン栽培の様子。

昭和のサボテン栽培の様子。

春日井の特産品、サボテンでまちおこしを

春日井市役所で、観光・サボテン担当として活躍する産業部経済振興課の
柴田知宏さんは、食用サボテンの魅力をこう語ってくれます。

「過酷な状況でも育つサボテンは、食糧危機にも強いといわれ、
SDGsの一貫として、世界的にも注目が集まっています。
サボテンは、栄養価も高く、β-カロテンなどの抗酸化成分やカルシウムや
マグネシウムといった野菜と果物が持つ両方の栄養素が含まれているので、
万能食材といわれているんです。また、豊富な食物繊維は整腸作用や
ダイエット効果が期待されます」

〈サボテングルメプロジェクト〉で市民にとっても身近なサボテン

今年の夏には市内のサボテンを扱うお店を巡る
〈春日井サボテンスタンプラリー〉を開催し、市内41の飲食店と小売店が参加。
多くの市民がサボテングルメを楽しみました。
そのメニューも、スイーツにラーメン、パンやピザなど、
幅広いサボテングルメが登場しています。
また、春日井市では、2007年から、年に3回程度、小中学校の給食にも登場し、
子どもたちにも、「サボテンを食べる文化」が広がっています。

サボテンのイメージキャラクターをはじめ、絵本やマンガ、レシピカードに、「育てる春日井サボテン」キットも登場。

サボテンのイメージキャラクターをはじめ、絵本やマンガ、レシピカードに、「育てる春日井サボテン」キットも登場。

日本の伝統芸能に、 五感とカラダで浸る。 〈熱海・伊豆山 佳ら久〉で過ごす 特別な時間

能を学び、室町時代の空気を知る

2024年10月17日、満月の日、
〈ORIX HOTELS & RESORTS〉が運営する
ラグジュアリー旅館リゾート〈熱海・佳ら久〉で開催されたのが、
「海を照らす月明かり 佳ら久の能楽夜」。
熱海・伊豆山、箱根・強羅にかまえる〈佳ら久〉では、
今回の能体験のほか、さまざまなイベントを催しています。

衣を返してもらった天女が舞を舞いながら月へ帰っていく場面。

衣を返してもらった天女が舞を舞いながら月へ帰っていく場面。

今回の能体験では、熱海が位置する静岡県の三保の松原が舞台となった
「羽衣」の一部実演を、客席から2メートルほどの間近から鑑賞。
舞を見せていただいたのは、観世流の上田宜照さん。
上田さんは、能楽師としての活動のほか、
能という日本の大切な伝統芸能を、次の700年に残していくために、
さまざまな場所でワークショップを行っています。
だからこそ、ふだんの能舞台では体験することができない
臨場感を味わうことができるとともに、
実演の前には、「羽衣」の物語についての解説も。
難しいと思っていた能が、実はとてもシンプルなストーリーのもと、
つくられていることがわかるとともに、能の舞の凝縮された美を知ることができます。

ふつうでは触れることができない、スペシャルな能体験

古の日本人の身体感覚などを教えてくれたのは、能楽師の上田宜照さん。

古の日本人の身体感覚などを教えてくれたのは、能楽師の上田宜照さん。

夜行われた実演の前には、参加者が能のお面(能面)や衣装を実際に着て、
能の動きと謡(うたい)を学ぶワークショップに参加することもできます。
無表情な能面を手に持って初めて知ることができるのは、
じつは表情豊かであるということ。

面の顎を引くと、寂しげな表情に。少し顎を上げると明るい表情に。
数百年前につくられた能面の精巧さに驚くとともに、
実際につけて、その視界の狭さにも驚愕。
能楽師たちが、この狭い視界であれほどの演技をしていることを知ると、
日本の伝統芸能の奥深さに触れた気になれます。

山口県下関市に根を張る、 まちの本屋&ホテル〈ねをはす〉が誕生

〈文喫〉を手がけた〈ひらく〉によるブックカフェ、レストラン、ホテルを擁する複合施設

2024年11月2日(土)、山口県下関市に日本出版販売株式会社の子会社である、
〈株式会社ひらく〉が企画・プロデュースを手掛けた文化複合施設〈ねをはす〉が
オープンしました。

文化複合施設〈ねをはす〉外観

〈ねをはす〉のコンセプトは
「地域とのつながりを強め、県外からも人が訪れる賑わいが生まれる場所」。
約2万冊の本を販売するカフェ併設の書店〈ねをはすBook&Cafe〉(1~2階)、
下関の食材をふんだんに使った料理が楽しめる〈Restaurant Neohas〉(3階)、
客室ごとにコンセプトや選書ラインナップが異なる全39室の〈ねをはす Book&Hotel〉
(4~7階)からなる、7階建ての複合施設です。

地域の人々にとっては、普段づかいの親しみやすい書店・カフェとして
また、県外から下関を訪れる人々にとっては〈ねをはす〉に泊まることが
旅の目的の一つとなるよう、館内設備やサービスがこだわり抜かれています。

文化複合施設〈ねをはす〉館内

〈ねをはす〉の企画・プロデュースを行ったひらくは、
「本と出会うための本屋」を掲げる東京・六本木の〈文喫〉も手がけた会社です。
今回〈ねをはす〉の施設全体のコンセプトメイキング、ブックホテルおよび書店の企画、
プロデュースに携わっており、館内にある約3万冊の本の選書も
〈文喫〉のブックディレクターが手掛けています。

〈ねをはす〉という名称は、下関に暮らす人々と下関を訪れた人々が同じ空間を行き交い、
滞在するような施設となることをコンセプトに、
「下関に根を張る・根差すように」と名付けられています。

〈ねをはすBook&Cafe〉中央の吹き抜けにある5メートルほどのシマトネリコの木

その象徴として〈ねをはすBook&Cafe〉中央の吹き抜けには、
5メートルほどのシマトネリコの木が1本立っています。
この木のように〈ねをはす〉が下関に根を張り、人々の日々に潤いをもたらし、
心を育むこと、そしてこの木のもとに多くの人々が集うことを願い、
空間デザインも、この木を中心に本棚が扇状に広がっていくレイアウトとなっています。

1200点もの商品を取り揃える! 〈銀座NAGANO〉が 10月にリニューアルオープン

長野県の魅力や情報を首都圏で発信してきた〈銀座NAGANO〉が
開業10周年を迎える節目にショップやイベントスペースを改装し、
2024年10月26日(土)にリニューアルオープン。
どのように新しく生まれ変わったのか、気になるお店をレポートします。

1階は白木を使用し、明るくナチュラルな雰囲気にリニューアル

銀座のすずらん通りにある〈銀座NAGANO〉は、
首都圏と長野をつなぐ、情報発信拠点です。
3つのフロアで構成され、長野とのつながりを創れるあらゆる機能が揃っています。
1階のショップは全面を改修。高級感のある黒基調の内装から白木の木材に変わり、
全体的にナチュラルで明るい雰囲気になりました。

段差もすべてなくし、バリアフリー化。
長野県直送の野菜や果物、おやきなどの郷土食に、調味料、加工品など
「ふるさとの味」を中心に店舗全体で1200点ほどの商品を取り揃えています。

特におやきの種類は、地元のお店を超えるのではないかと思うほど豊富。
なかでも長野県のキャラクター「アルクマくん」のおやきは、同店の限定商品だそう。

長野でしか購入できないお土産品や人気の「牛乳パン」なども数量限定で並び、
オープン初日には即完売するほどの人気が集まりました。

全国から28の酒蔵来る! 日本酒イベント〈SAKE PARK 4杯〉が 渋谷〈MIYASHITA PARK〉で開催

全国から28の酒蔵、5つのクラフトサケ醸造所、海外醸造酒が集結

日本酒イベント「SAKE PARK」の第4弾〈SAKE PARK 4杯〉が、
2024年11月16日(土)、17日(日)に
東京・渋谷〈MIYASHITA PARK〉屋上の区立宮下公園 芝生ひろばにて開催されます。

「SAKE PARK 4杯」ブース

「日本のSAKE文化を世界へ広める」ことを目的として開催されている同イベント。
1970年代をピークに減産が続く日本酒業界の現状を変えるため
「日本酒に触れる機会の少なかった若い世代、そして海外の方々への
更なるアプローチができるイベントを開催したい」という思いから発足しました。

4回目となる今回は全国各地の酒蔵28社と、クラフトサケ醸造所5社が渋谷に集結。
さらに今回は海外醸造酒も初登場します。

北米の酒蔵メンバー

今回は、北米の酒造組合である、「Sake Brewers Association of North America」の
協力により、北米の酒蔵のお酒が数種類登場予定です。

能登の酒蔵を応援する特別ブースも登場!

能登の酒蔵を応援する特別ブース

また〈SAKE PARK 4杯〉では、応援購入サービス〈Makuake〉にて、
能登半島地震により被災した酒蔵を応援するプロジェクト
「能登の酒を止めるな!被災日本酒蔵共同醸造支援プロジェクト」にちなんだ
能登の酒蔵を応援する特別ブースも登場します。

このプロジェクトでは、能登半島地震によって酒造りの継続が困難になってしまった酒蔵と、
全国の協力蔵がタッグを組んで共同で酒造りを行い、被災蔵の銘柄を市場に流通させ、
売上を通じたお金の循環が生まれ続ける仕組みをつくっています。

能登の酒蔵を応援する特別ブース

それぞれの共同醸造にて、能登の酒蔵オリジナルの銘柄とコラボによって生まれる
新しい銘柄が醸されました。
これまでの業界の常識を覆した「共同醸造」という取り組みによって生まれた
新たな日本酒をイベントでも味わうことができます。

コロカルでは過去に、能登の〈松波酒造〉を取材。
この「能登の酒を止めるな!被災日本酒蔵共同醸造支援プロジェクト」について
若女将、金七(きんしち)聖子さんに話をうかがっています。
ぜひお出かけ前にこちらの記事をご覧ください。

※ボトル販売はなし、試飲のみの提供

※他ブースと同じようにSAKE PARKチケットにて試飲が可能

お坊さんが館長を務める静岡市唯一の ミニシアター〈サールナートホール/ 静岡シネ・ギャラリー〉

住職と檀家青年部など有志が立ち上げた文化施設〈サールナートホール〉

みなさんは館長がお坊さんであり、ロビーから墓地(&富士山)が見える
映画館があることをご存じでしょうか?
それは、静岡市唯一のミニシアター〈サールナートホール/静岡シネ・ギャラリー〉です。

〈サールナートホール〉

〈サールナートホール〉の創業は1995年。
同館向かいにある、臨済宗妙心寺派 宝泰寺が
静岡市民が文化活動をできる施設を建てようと
住職の藤原靖爾さんと檀家青年部らが数年の勉強会を経て設立しました。

〈サールナートホール〉館内

「サールナート」とは、インドに実際にある遺跡の名前で、
釈迦が初めて説法を説いた場所と言われています。
釈迦がそこから仏教を広めていったように、同館も東京からの文化を受け取るだけでなく
ここから文化を発信していこうという考えのもと、この名がつけられたそうです。

〈サールナートホール〉館内

1990年代頃まで、2000人を収容する市民文化会館を除き、静岡市内には市民による
文化活動ができるような200席前後のホールがありませんでした。
それまでは東京をはじめとする都市部の文化を輸入・受動する機会しかなく
この静岡市から発信する・はぐくむ機会が少なかったため、
〈サールナートホール〉がそういった拠点になれたらという想いも込め建てられています。

〈サールナートホール〉中庭

建物は〈静岡県立美術館〉を設計した設計士・高木滋生氏による設計です。
インドのサールナートを実際に訪れた、館長と設計士の経験が反映されていて
インドの遺跡をモチーフにした、趣のあるデザインになっています。
1995年には、しずおか市民景観大賞「奨励賞」も受賞しています。

池袋駅周辺に 「循環&ネイバーフッド」を テーマにした魅力的なブースが集結! 〈IKEBUKURO LIVING LOOP〉 スペシャルマーケットが開催

池袋を歩いて楽しむ4日間

11月1日から4日までの4日間、池袋駅周辺で
〈IKEBUKURO LIVING LOOP〉スペシャルマーケットが開催されます。

〈IKEBUKURO LIVING LOOP〉はnest、グリップセカンド、
サンシャインシティ、良品計画の4社によるプロジェクト。

「まちなかリビングのある日常」をコンセプトに、豊島区や池袋を拠点とする
企業や店舗と連携し、マーケットの開催やストリートファニチャーの常設化に
向けた社会実験などの取り組みを行っています。

目指すのは、リビングのように居心地よく、歩きたくなるまち。

IKEBUKURO LIVING LOOP

IKEBUKURO LIVING LOOPは、2024年グッドデザイン賞で「グッドデザイン・ベスト100」と「グッドフォーカス賞 [地域社会デザイン](日本商工会議所会頭賞)」をW受賞。

そんな池袋で、この度開催される「スペシャルマーケット」は
年に1度の特別な4日間として、グリーン大通りや南池袋公園に
池袋文化圏をはじめ、全国のつくり手・生産者が一堂に会します。

「循環」をテーマにしたブース

なかでも、見どころは「循環」をテーマにしたブース。

リユースカップやコンポスト、洋服の回収、ウォータースタンドなどのブースが並び、
消費し続けるマーケットではなく、循環するマーケットを目指します。

リサイクルボックス

また、昨年の開催時に集めた生ごみを堆肥にして育てた野菜でつくるパエリアも販売。

マーケットのなかで生まれている「循環」もアピールしていきます。

昨年の開催時に集めた生ごみを堆肥にして育てた野菜でつくるパエリア

もうひとつの見どころは、“健全な猥雑性”をキーワードに
個性豊かな飲食店やDJブースなど、池袋とその周辺に拠点を持つ
ネイバーフッドな人々が集結する「池袋人人横丁」。

“人と人の交差点”になるような場を目指し、まちなかやストリートでの
新たな過ごし方を実験しながら提案していくと言います。

ネイバーフッドな人々が集結する「池袋人人横丁」

そのほか、パンや焼き菓子、ランチボックスといったフードメニューをはじめ、
コーヒー、ワイン、クラフトビールなどのドリンク類、さらには手づくり雑貨や洋服、
こだわりの本やアンティーク家具などの出店ブースも目白押し。

手づくり雑貨出店ブース

ワークショップやパフォーマンス、トークセッションも多数企画されており、
盛りだくさんの4日間となりそうです。

パフォーマンスの様子

宮崎県都城市に 〈霧島酒造〉×〈スターバックス〉 のコラボ施設が2026年春オープン

建築を手がけるのは隈研吾氏。コーヒー豆かすやシラスを内装に活用したコラボレーション施設

1916年、宮崎県都城市で創業した本格焼酎メーカーの〈霧島酒造〉。
全国的知名度を誇る焼酎〈黒霧島〉は、九州産100%のさつまいもに、都城盆地の
地下水100%、麹米は国産100%、そして都城市の自社工場生産100%と、
地域と自然を大切にした焼酎づくりを行っています。

同社が〈スターバックス〉と共同プロジェクトとして現在進めているのが
2026年春オープンのコラボレーション施設です。

〈霧島酒造〉×〈スターバックス〉コラボ施設

「この場所が“みんなの憩いの場”となるように」と願いが込められた同施設。
自然環境と調和した、地域社会と共生していくための気づきや
アクションにつながる発信の場として展開されます。

施設の建築を手がけるのは、建築家・隈研吾氏。
霧島酒造とスターバックスが描く、持続可能な未来への想いを体現しつつ
「その土地の環境、文化に溶け込む建築」と両社の想いが融合した施設を目指しています。

建物は、和を感じられる竹の魅力を最大限に引き出すことで、
自然を感じながらゆったりと落ち着くことができるデザイン。
吸い込まれるような意匠が印象的なエントランスから施設に入ると、
晒竹(さらしだけ)のゆるやかな曲面の天井に包み込まれた、
竹本来の温かさが醸し出す開放的な空間が広がります。
壁面には〈スターバックス〉のコーヒー豆かすと、
九州南部の土壌を形成するシラスが混ぜ込まれた内装ボードを使用。
施設の随所で自然の恵みを感じられます。

約80種類の亜熱帯植物が楽しめる、ガラス張りの植物園も

施設の象徴となるガラス張りの植物園

施設の象徴となるガラス張りの植物園は、緑あふれる空間のなかで
人と自然の関わりを体感できる場所です。
「暮らしを支える植物」「味覚で楽しむ植物」「彩りを添える植物」「水と共に生きる植物」
の4つのテーマに沿った、約80種類の亜熱帯植物が楽しめます。

「味覚で楽しむ植物」のエリアでは、両社の商品を支える大切な原料である、
コーヒーの木やさつまいもなどを生育。
「水と共に生きる植物」のエリアでは、水辺の植物とともに錦鯉が泳ぐ姿を見ることができ、
水や緑、光が織り成す自然の豊かさを感じることができます。

芝生エリア

また、施設屋内に設けられる客席や、植物園内、芝生エリアにあるテラス席では、
くつろぎながらコーヒーを楽しめるのはもちろん、
子どもが自然と触れあいながら遊べる場としても利用できます。
さらに、エントランス横の階段を上った先には、
霧島山や沖水川の雄大な姿を一望できる屋上庭園も整備。
都城の豊かな自然の魅力を感じながら特別なひとときを過ごせます。

人口約1万人の新潟県田上町で 竹を使う驚きのイベント 〈たがみバンブーブー〉

田上町のまちの宝は竹

新潟県の田上町は、板橋区よりもほんの少し狭い面積31.7平方キロメートルで、
約1万人が住んでいます。
小さなまちには竹林がたくさんあり、
その面積はなんと約17ヘクタール、東京ドーム3.6個分!
春になると町外から多くの人がたけのこを買いにやってくるので、
地元のみなさんは、竹こそがまちの宝、名物だと思ってきました。
一方で、高齢化に伴って手入れされない竹林が増えていることも地域の課題です。

田上町マップ

稲作のほか、ル・レクチェや梅などの農業や工業が田上町の主な産業です。

まちの人たちの宝であると同時に課題でもある竹を使って盛り上げようと
2022年に始まったイベントが〈たがみバンブーブー〉です。
1か月のイベント期間中、人口1万人の町に、約2万人が訪れるという人気ぶり。
3回目となる〈たがみバンブーブー2024〉は
9月14日から10月14日まで開催され、
竹を使ったさまざまな演出に来場者が驚かされました。

荒れかけた竹林が会場に。竹を使った屋外インスタレーション

〈たがみバンブーブ-竹林〉の入り口。

〈たがみバンブーブ-竹林〉の入り口。トンネルで気分が盛り上がります。

〈たがみバンブーブー2024〉は、
2か所の有料会場と1か所の無料会場の合計3か所で構成。
有料会場は、手入れが行き届いていなかった竹林を整備した〈たがみバンブーブ-竹林〉と
大正時代に地元の豪農が建てた館の〈椿寿荘〉で、
無料会場は2020年にオープンした〈道の駅たがみ〉です。

メイン会場といえるたがみバンブーブ-竹林では、
3人のアーティストがそれぞれに制作した竹と光を使ったインスターレションを巡ります。

『たがみの輪』

『たがみの輪』周辺は、竹が雪の重みでしなってドーム状になっています。

第1エリアにあるのは、
熊本を拠点に竹あかり演出を行うユニット、CHIKAKENによる作品『たがみの輪』です。
竹を組み合わせて空間にたくさんの竹まりが吊るされていて、幻想的な雰囲気が漂います。

『星空のドーム』

『星空のドーム』周辺は、非日常感を演出。

第2エリアは、新潟市出身の空間デザイナー小出真吾さんによる『星空のドーム』。
よく見ると五角形と三角形が繋がって、たくさんの星がドームに散りばめられています。
児童公園の遊具のようなドーム型のオブジェと、星の形と光が組み合わせられて、
幼い頃に見た景色が思い起こされるような夢のあるエリアでした。

『まきまき竹あんどん』

『まきまき竹あんどん』は光の色が赤や緑に変わります。

第3エリアは美術家の髙橋匡太さんが
地元の小学生たちと一緒に制作した『まきまき竹あんどん』。
布をつくる過程で出た切れ端を新潟県内の企業から譲り受け、
小学生たちがその場所に生えている竹に巻きつけました。

コキアの紅葉が話題。 茨城県屈指の観光スポット 「みはらしの丘」は、 平和の象徴として誕生した絶景だった

茨城県の〈国営ひたち海浜公園〉は、ひたちなか市の太平洋岸にあり、
春はネモフィラ、スイセン、チューリップ、初夏にはポピーやバラ、
夏のジニア、ヒマワリ、秋にはコキア、コスモス、冬のアイスチューリップなど、
四季を通して色彩豊かな花々が楽しめます。
そんな花いっぱいの美しい公園にはこんなヒストリーがありました。

美しく花々が咲く丘は、かつて米軍の軍事演習場だった

コキア以外にもカラフルな花々が咲く「みはらしの丘」。

コキア以外にもカラフルな花々が咲く「みはらしの丘」。

茨城県屈指の観光スポットとなっている「みはらしの丘」は、
テレビやSNSでも話題を呼び、連日たくさんの人が訪れるほどの人気。
今でこそ立派な絶景スポットですが、現在の丘になるまでには長い年月がかかっています。
美しく花々が咲く公園は、かつて日本軍の水戸東飛行場があり、
終戦後は米軍により射爆撃場として使われていました。

爆撃場での演習風景。

爆撃場での演習風景。

長年騒音に苦しめられた地元住民たちの返還運動により、
昭和48(1973)年3月に日本に返還され、
「平和の象徴として公園を整備したい」という住民の強い思いにより、
〈国営ひたち海浜公園〉が誕生。
無数の爆弾や銃弾が撃ち込まれた標的の跡は、大型トラック20万台分の残土を使用し、
約25年の歳月をかけて高さ30メートルの丘が造成され、
住民たちが願った言葉の通り、平和で穏やかな絶景の丘が誕生しました。

「将来、何をして生きていけばいいのか」と問いかける理由。 福岡・糸島で生まれた書店 〈All Books Considered〉

かつて、話題の新刊やコミック、雑誌などを買いに
足を運んだまちの書店が「だいぶ減ったなぁ」と実感する日々。
20年前と比べると、国内の書店数は半減しているといいます。
福岡市内でも、半世紀にわたって営業していた天神地下街の書店が
今年8月に閉店し、ニュースになりました。

本を買うだけなら便利なインターネット通販があるし、
わざわざお店まで出かける必要もない……
そんなふうに思っている人も多いのではないでしょうか。

もしかしたら、「遠くても、そのお店を目指して出かけたくなる本屋さん」に、
まだ出合っていないだけかもしれません。

古着屋の接客スタイルで本を売る

新しい朝ドラの舞台としても注目を集めている「糸島」。
海と山が近く、マリンスポーツが楽しめるエリアとして、
また九州大学の広大なキャンパスがある場所としても知られています。
そんな糸島エリアに2年前オープンした書店が、
〈All Books Considered(以下、ABC)〉です。

店内には、現役の大学生でありオーナーの中田健太郎さんと
スタッフが選んだ新刊、古本、アートブック、ZINEなどがずらり。
本だけでなく、ABCスタッフのひとりが運営するブランド
エグゼクティブ愚か〉の内臓のぬいぐるみ、
有田焼の大皿、古着をリメイクした洋服……などなど、
自由で混沌としたアイテムたちが並んでいます。

「エグゼクティブ愚か」のぬいぐるみや缶バッジ。

「エグゼクティブ愚か」のぬいぐるみや缶バッジ。コンセプトは「この世にあってもなくてもいいけど、あったら嬉しくて楽しいもの」。

もともとは同じフロアの4畳半のスペースで営業していた〈ABC〉。
その手狭さゆえ、来客があれば「話しかけない方が不自然」だったそう。
「普段どんな本を読まれているんですか?」という
会話からはじまり、その時々でおすすめの本を紹介する、
「古着屋のような接客スタイル」が定着しているといいます。

戦略的に「積極的に話しかけていこう」と決めたわけではなく、
「個人的に古着屋が好きなので、こういうコミュニケーションのほうが
自分たちにとって自然だったんです」とのこと。
取材で伺った日も、常連のお客さんとの世間話が弾んでいました。

はじまりは、30センチ四方の本棚

中田さんの「本屋」としてのキャリアが始まったのは、
〈ABC〉の1階にある〈糸島の顔が見える本屋さん(以下、糸かお)〉。
中田さんが住んでいるシェアハウスのオーナーが
〈糸かお〉を共同運営していたことがきっかけでした。
いわゆる「シェア型書店」で、約100人のオーナーが
各自の棚にさまざまな本を並べ、販売しています。

「コロナ禍の夏休みで時間が有り余っていたときに、
自分の本棚に『引きの強いタイトルの本』を並べて楽しんでいたんです。
本を並べることで、横断幕を掲げるような、主張するようなことが
できるなと思っていて、その延長のような感じで〈糸かお〉の
棚を借りたんですが、30センチ四方の棚では全然足りないなと。
その後、2階のスペースを借りられることになったので、
大学の友達に声をかけて、メンバー4人で〈ABC〉を始めました」

4畳半の店舗をスタートしたときのオリジナルメンバーの写真

4畳半の店舗をスタートしたときのオリジナルメンバー。家族写真風のポートレートは、糸島の写真家に撮影してもらったそう。

「本好き」というよりも、好きな「何か」を持っている人が集まり、
まるでバンドのようなノリで始まった〈ABC〉。
オープンから2年経った今年、同じフロアのテナントに空きがでたことで、
4畳半からその3倍以上のスペースに移転。
オリジナルメンバーの卒業、新しいメンバーの参加もあり、
いま、大きな変化の時期を迎えています。

〈ダイナースクラブ〉の レストランウィークがスタート。 新潟のアンテナショップで 18日間限定のコースを提供開始。

2024年10月18日(金)から 18日間、グルメのまち・銀座で
〈ダイナースクラブ 銀座レストランウィーク 2024 Autumn〉を開催。
今年8月に移転オープンした、新潟県のアンテナショップ
〈銀座・新潟情報館 THE NIIGATA〉の8階にある〈THE NIIGATA Bit GINZA〉では、
新潟を堪能できるコースを提供開始しました。
この機会だからこそ楽しめる特別なメニューをレポート。

食材だけでなく食器やカトラリーも新潟のプロダクトを使用

〈銀座・新潟情報館 THE NIIGATA〉。

〈銀座・新潟情報館 THE NIIGATA〉。

新潟県のアンテナショップ〈銀座・新潟情報館 THE NIIGATA〉の
8階にある〈THE NIIGATA Bit GINZA〉は、「新潟とともに生きる」という
コンセプトのもと、新鮮な新潟産の食材などを使用した料理を提供するレストランです。

銀座ならではの洗練された空間のなかで、ドリンク、カトラリー、器まで
可能な限りプロダクトにこだわり、 新潟が誇る新鮮な食材を堪能しつつ、
新潟でつくられたプロダクトに触れながら食事を楽しめます。

テーブルに準備されているカトラリーは、新潟・燕三条の〈サクライ〉のカトラリー。

〈ダイナースクラブ 銀座レストランウィーク 2024 Autumn〉の特別なコース

津南にんじんジュース。

津南にんじんジュース。

〈ダイナースクラブ 銀座レストランウィーク 2024 Autumn〉のプランには、
ドリンクも含まれています。ドリンクは、雪室熟成コーヒー、村上冨士美園紅茶、
津南りんごジュース、津南にんじんジュースなど新潟産のドリンクも選べます。

【フォカッチャ】

新潟産の小麦粉を使用したローズマリー風味の「フォカッチャ」は、
豊かな小麦の香りとローズマリーの爽やかな風味が楽しめる一品。

【新潟夏野菜のパフェ】

新潟夏野菜のパフェは、取材時旬だった新潟県産のトマト、きゅうり、
佐渡産とうもろこし、シャインマスカットなどを使用。

赤パプリカのピューレ、よもぎのクスクス、マスカルポーネチーズを添えた
季節の野菜のパフェが味わえます。

【新潟フレッシュトマトを使ったガスパチョ】

新潟産トマトを使用したフレッシュトマトのガスパチョは、
トマトのフレッシュな味わいの向こう側に、
浮身のうみぶどうやムール貝から、ほんのりと潮の風味を感じます。

お皿は新潟の秋葉区にあるガラス工房〈秋葉硝子〉の作品。
海のように美しい青色のお皿とガスパチョの味わいがマッチしたひと皿でした。

【魚沼市八色(やいろ)椎茸を使ったオイルパスタ】

肉厚で芳醇な味わいの八色椎茸から出るダシがソースとなって
パスタやほうれん草に絡んでいます。

シンプルな具材なのに、味わい深くて満足度が高い一皿です。
また、パスタをお米の料理に変更可。

その場合は新潟の最高級米、柏崎の「新之助」を使用。
「新之助」は京都の老舗米屋〈八代目儀兵衛〉が選定する厳選ブランド米で、
粒が大きく甘みがあるのが特徴のお米です。

「地域おこし人材を育成する大学」が 岐阜県・飛騨で開校予定。 “真の地域おこし”プロジェクトって?

飛騨古川駅東開発と〈一般社団法人CoIU設立基金〉が
「Co-Innovation Valley」プロジェクトを始動。
“真の地域おこし”を掲げるこのプロジェクト、一体どんな構想なのでしょうか?

開業に先立ち、共創拠点の商業施設〈soranotani〉の建設予定地である
飛騨古川駅東口の工場跡地にて、プロジェクトのキックオフイベント
『Co-Innovation Festival』が開催されました。

地域おこしプロジェクト「Co-Innovation Valley」とは?

「Co-Innovation Valley」とは、地域資源を活用する3つの事業を軸にした
“日本初の真の地域おこし”プロジェクトです。
ひとつ目の事業は、「“共創学”を主軸にした地域おこし人材を育成する大学の開校」。

地域の循環経済を生むような産業おこしができる人材育成を目指し、
まちづくりの拠点となる共創拠点として、2026年に地域とつながる共創拠点
「Co-Innovation University(仮称 CoIU)」の開学を目指し準備を進めています。

この大学の特長は、全国と連携した「共創学」。
1年次は飛騨をメインキャンパスとし、2年次以降は連携する
全国の連携地域から関心のある拠点を選択し、共創学を学びます。

地域との共創を大切にし、実際に地域で行われるプロジェクトに参画することで、
実践しながらリアルに学ぶことを目指しているのだとか。

また、2027年開業予定の共創拠点にはキャンパスの一部ができるだけでなく、
古民家や料亭を改築することでまち全体がキャンパスとなる、
地域に根差した大学を目指しています。

Co-Innovation University(仮称)。

Co-Innovation University(仮称)。

ふたつ目の事業は、「地域に根差したまちづくりを目指す商業施設」の開業。
同プロジェクトでは2027年に、地域とつながる新たな共創拠点の商業施設
〈soranotani〉を開業することを目指しています。

飛驒古川駅の東口のイメージパース。

飛驒古川駅の東口のイメージパース。

施設は飛驒古川駅の東口(東洋工場跡地)に建設予定。
藤本壮介氏が手がける建物は、飛騨の山に囲まれた盆地の上に
お椀のようなかたちの屋根を設計し、
建物のなかから上空を見上げると空に続いているような体験ができるなど、
ユニークな構造の施設になる予定です。

そして3つ目の事業は、「地域資源を使った再生可能エネルギー産業」づくり。
岐阜県飛騨エリアは面積の90%を森林が占めているにもかかわらず、
資源を活用しきれていないのが現状です。
この課題を解決すべく、地域資源をエネルギー産業に活用した
再生可能エネルギー事業や、まちづくりの拠点となる共創拠点を設立。

プロジェクトの名を「Co-Innovation Valley」と命名しました。

プロジェクトの名を「Co-Innovation Valley」と命名しました。

このように、地域資源を活用した3つの事業を組み合わせることで
“真の地域おこし”を目指すといいます。

築116年の日本家屋が 新たにオーベルジュとしてオープン 和華蘭文化の息づく長崎で 新旧もつなぐ〈陶々亭〉

卓袱(しっぽく)中華の料亭跡地を生かしたリノベーション

長崎市内の緩やかな坂道に面した場所に
築100年以上の日本家屋を再生したオーベルジュが誕生しました。
古い床板や建具の一部、欄間などを残しながら、
モダンファニチャーの代表作やアート作品を設置した建物では
宿泊はもちろん、長崎の厳選した食材を使うイタリアンが
地元を代表する焼き物、波佐見焼のお皿でいただけます。

建物の前には長崎らしい石畳。

建物の前には長崎らしい石畳。

長崎は、江戸時代の鎖国政策下において唯一、国際貿易が許され
日本と中国、主にオランダやポルトガルなど、ヨーロッパの文化が融合した
和華蘭文化が発展。
独自の食文化にもつながりました。

〈陶々亭〉の建物は1908(明治41)年、貿易商の住まいとして建てられ、
戦後間もない1949(昭和24)年から〈中華料亭 陶々亭〉として営業していました。

料亭では大勢で取り分ける卓袱中華を提供。
宴会だけでなく結婚式や両家顔合わせといった晴れの日にも利用されてきた
地元の人たちにとって、思い出の多い店でした。

しかし店を切り盛りしてきた料理長と女将夫婦の高齢化により、
2020(令和2)年、惜しまれながらも約70年続いた料亭としての営業を終了することに。
現代では再現が非常に困難と言われる、文化財的価値の高い日本家屋が
失われかねない状況でした。

アプローチで目をひく木彫のダルマ。

アプローチで目をひく木彫のダルマ。改修工事中に発見されたそうで、今も陶々亭を見守り続けています。

そんなときに子どもの頃から建物に親しんできたオーナーの、
文化財として建物を保存していくのではなく、今まで中華料亭として地元の皆様に
愛され親しまれてきたように、これからも利用していただきながら愛され続ける
「陶々亭」として後世へと遺していきたい、という想いで、貴重な日本家屋が
オーベルジュとして生かされることにつながりました。

レストランと主屋の入り口。

レストランと主屋の入り口。「陶々亭」の文字は料亭時代のものを踏襲。

築から100年以上も経過した建物は、建設当時の図面が残っているはずもありません。
オープンの準備には2年半以上もの時間が必要でした。
工事は古民家のリノベーションに精通している、地元長崎の建設会社〈浜松建設〉が担当し、リノベーションの監修、インテリア、グラフィックは
富山と東京に拠点を持つ〈51%(五割一分)〉が担当しました。

謎も残る建物が3つの客室とダイニングスペースに

客室は「主屋」「離れ」「蔵」の3室で、3組限定の宿となっています。

主屋の寝室。

主屋の寝室。

明るい主屋は、建築当時につくられた急な階段を上った2階にあります。
以前は最大50人ほどが複数の円卓を囲む宴会場として使われていました。

主屋のリビングスペースと縁側。

主屋のリビングスペースと縁側。

手すりが付いている縁側や、その足元の床板は当時のもの。
特に、長年の汚れが蓄積していた杉を使った縁側の床は、
オーベルジュのスタッフが、床が傷まぬよう
洗浄剤代わりの米ぬかと水、タオルとブラシだけで
何か月もかけて磨き上げてよみがえらせました。

離れの1階にあるリビングスペース。

離れの1階にあるリビングスペース。

2階の床を取り除き、新たに階段を設置して、メゾネットの部屋になりました。

離れ2階の寝室。

離れ2階の寝室。

階段を新たに設置したというのは、最初は1階と2階は繋がっていなかったためです。
その理由は、離れの2階が芸妓や仲居が化粧や着付けをする支度部屋で、
1階は調理場の板前たちが使った部屋だったため
繋がっていない方が理にかなっていたようです。

蔵

蔵には、レンガの壁や丸窓が残されました。

蔵は、敷地の奥にありその名の通り元は蔵として利用されていました。
やはりメゾネットタイプで、
壁のレンガと、なぜか階段の途中にある丸窓も建築当時のものを残しました。

蔵のバスルーム

蔵のバスルームはヒノキの浴槽を採用。

蔵は3部屋のなかでいちばん小さいものの、唯一、ヒノキの浴槽を採用していることから
部屋に入った瞬間からアロマオイルが焚かれているかのようないい香りが漂います。

和歌山の老舗メーカーによる 梅酒ブランド〈UMESHUfor〉が始動

全国一の梅の生産地・和歌山県の梅酒メーカーの挑戦

全国一の梅の産地として知られる和歌山県。
地元では「梅酒は家庭でつくるもの」というイメージが強く、
市場での販売は決して容易なものではありませんでした。

和歌山の梅

そこで、「自宅では漬けられないプロの梅酒をつくろう」という決意のもと、
赤しそや緑茶を加えるなど独自の梅酒製造に取り組み始めたのが
梅の健康食品・梅果汁・梅酒など梅や和歌山素材を研究する和歌山のメーカー〈中野BC〉。
しかし、売り上げは一向に伸びず、緑茶梅酒も何度か製造中止が検討されたほどです。

梅や和歌山素材を研究する和歌山のメーカー〈中野BC〉

転機となったのは、2003年ごろに巻き起こった梅酒ブーム。
健康志向の流れもあって、梅酒が注目を集めるようになり
〈中野BC〉では創業以来、醸造アルコールでつくってきましたが
世間では日本酒やウイスキーベースで仕込む梅酒の種類も増え、盛り上がりを見せました。

生産者と加工者が一体となり、和歌山の梅を守るために

和歌山の梅

しかし昨今、梅不作や後継者問題など、和歌山の梅を取り巻く状況は厳しいものがあります。
ここ5年で2回も過去最大の不作を経験し、生産も収入も安定しづらいのが現状です。
現在、過酷な山奥で梅を生産する高齢の生産者が減少傾向にある一方で、
生計を立てられるように条件の良い畑を探しながら、全体の生産量が減らないようにし、
人手不足を解決するのは難しい状況にあります。

もし、豊作不作にかかわらず、需要と供給のバランスが保たれるようになれば、
生産者の意欲につながる。

〈中野BC〉工場

その声を聞いて立ち上がったのが〈中野BC〉。
梅を良い商品に変えていく加工業として、また梅の良さを広げていく販売者としても、
梅酒を安定的に消費者の方に届けられるように、
和歌山の「梅」を守ることに努める必要があると。
〈中野BC〉は、昨今の梅不作や後継者問題など和歌山の梅を維持していくために、
生産者と加工者が一体となり消費者様においしい梅加工品を届けていくことに
あらためて使命を感じたそうです。

包丁、ハサミ、爪切りなど 良質な刃物製品が集まる! 〈関市刃物まつり〉が 10月12・13日に開催

〈刃物〉の国内シェアが50パーセント以上を誇る、岐阜県関市

岐阜県関市では、毎年10月第2週の土日に〈関市刃物まつり〉が開催されます。
市内の刃物メーカーや卸売業者が出店し、包丁やハサミ、爪切り、ナイフなど、
関市が誇る高品質な刃物製品をリーズナブルに購入できるとあって、
毎年国内外問わず、多くの人が来訪する関市の一大イベントとなっています。

また、“刃物のまち”ならではのイベントも盛りだくさん。
なかでも必見なのは、刀匠による「古式日本刀鍛錬実演」や、
「居合切り」といった伝統と歴史に裏づけされた関市ならではの行事です。

「古式日本刀鍛錬実演」は迫力満点。

「古式日本刀鍛錬実演」は迫力満点。

関市の刃物は、鎌倉時代に誕生した刀鍛冶による産物

700年以上の日本刀の歴史を持つ関市。
この地域を流れる長良川と津保川の良質な水と土、
炉に使う松炭が豊富だったことから、
古くは、鎌倉時代に刀鍛冶の「元重」と「金重」が
移り住んだことにより始まります。
このふたりは、“関鍛冶の刀祖”と呼ばれ、関の刀は
「折れず、曲がらず、よく切れる」と有名になりました。

その後、理想的な日本刀をつくれる材料があるという噂が広まり、
各地から刀鍛冶が集まるようになり、室町時代にはその数が
300人を越えるまでになったのだとか。

関で受け継がれた刀剣。

関で受け継がれた刀剣。

現代でも包丁として有名な「関の孫六」は、まさにこの時代に誕生したもので、
独特な鍛刀法でつくられた頑丈な刀には、〈三本杉〉の刀文が施されています。
この技術と精神が受け継がれた関市は「世界三大刃物産地」となり、
その名は海外にも知られるまでになりました。

石川県の繊維加工メーカー 〈小松マテーレ〉が開発。 汚れがつきにくいエプロンの秘密

1943年創業の繊維加工メーカー〈小松マテーレ〉が技術力を結集させた商品

1943年に石川県小松市で繊維加工メーカーとして創業した〈小松マテーレ〉。
「合成繊維の産地・北陸から世界へ」を合言葉に、日本人ならではの感性、
独自の技術力を素材に折り込み
染色後加工の領域を中心にさまざまな生地を手掛けています。
創業以来、独自の高度な染色技術と高次後加工技術を生かし、国内だけでなく、
世界中のファッションブランドやスポーツブランドとともに
ハイレベルなモノづくりを行ってきました。

繊維加工メーカー〈小松マテーレ〉

〈小松マテーレ〉が掲げるスローガンは「Art in Technology」。
最先端の技術を核に、これまで培った匠の技と感性を組み合わせ、
いままで以上に素晴らしいモノづくりを実現し、
新たなマーケットをつくり出そうとしています。
ヨーロッパを中心に世界的ファッションブランドの数々と取引を進め、
フランス・パリのテキスタイルの世界最大級の国際見本市「プルミエール・ヴィジョン」では
2013年にグランプリを受賞しています。

さらに最近では、繊維分野だけにとどまらず、建築や土木、車輌をはじめ、
エレクトロニクス、環境関連事業など、さまざまな分野へ多角的に事業を拡げました。

また、〈小松マテーレ〉は1999年に地球環境の保全を経営の最重要課題として位置づけ、
「小松精練(当時)環境管理宣言」を策定。
これからの持続可能な社会の実現に向け、2020年度に5つの項目に整理・統合した
「小松マテーレ・サステナビリティ・ビジョン」をあらためて制定するなど
サスティナブルな取り組みにも力を入れています。

耐久防汚ファブリックを使った自然派エプロンを新開発

家族で使える自然派エプロン

そんな〈小松マテーレ〉が新たに企画したのが、天然素材のような見た目でありながら
汚れがつきにくく、家族で使える自然派エプロンです。
きっかけは企画担当者が結婚し、真っ白なリネンのエプロンを購入したものの
油や調味料で汚れてしまった経験から。
そこで注目したのが、優れた汚れ除去スピードを実現した
耐久防汚ファブリック〈ダントツオチール(R)〉。
調味料や調理油、機械工作現場での機械油等に加え、さまざまな場面で発生する皮脂や
襟垢汚れまで幅広い汚れを、すばやく、きれいに落とす〈小松マテーレ〉独自の素材です。

耐久防汚ファブリック「ダントツオチール(R)」

本来共存させることが難しい撥油性と親水性を兼ね備えたエプロンで、
撥油性を持たせていて汚れを適度に弾き、汚れても洗濯で簡単に落とすことができます。
しかも洗濯機で100回洗濯しても、機能性をキープ。
撥油性と親水性が長く持続します。
また洗濯してもシワになりづらいポリエステル生地を採用しているため
アイロンがけも不要です。

「わたしにちょうどいいまち」の “ちょうどよさ”って? 小松市が子育て世代におすすめの理由

(写真提供:こまつ観光物産ネットワーク)

特に子育て世代に、小松市が移住におすすめの3つの理由

石川県・加賀平野の中央に位置する小松市。
豊かな自然環境を有する梯川が流れ、
東には日本三大霊峰のひとつとして名高い白山がそびえ立ち、
麓に丘陵地と田園が広がる緑あふれる地域です。

農産物や山の幸、海の幸が豊富で産業都市としても名高いこのエリア。
最近では北陸の空の玄関口小松空港に加え、北陸新幹線・小松駅も誕生し、
東京都内からもアクセスしやすい便利なまちへと進化しています。

また、実は子育て支援をはじめとする行政の取り組みも盛んで
“移住にちょうどいいまち”として認知され始めているのをご存知でしょうか? 

今回は、お子さんが生まれたタイミングで小松市に移住したギター職人、
近 信濃(こん・しなの)さんのリアルな声を聞きながら、
子育てにおすすめの3つの理由を紐解いていきます。

①自然が豊かで文化が醸成しており、子育て環境にもってこい

小松市に家族で移住した、ギター職人の近 信濃さん。

小松市に家族で移住した、ギター職人の近 信濃さん。(写真提供:近 信濃さん)

3児のお父さんとしての顔も持つ近 信濃さんは、
石川県小松市でクラシックギターやウクレレなどの弦楽器を製作する職人です。
奥さんである真未子(まみこ)さんの実家が小松市であったことから、
出産のタイミングでこの地に移住することを決めたのだとか。

ギター製作工房〈近撥弦楽器〉の工房の様子。

ギター製作工房〈近撥弦楽器〉の工房の様子。(写真:近 信濃さん提供)

「子どもを育てるなら、都心ではないのびのびとした環境で育てたいと
以前から考えており、緑豊かなこの地に自然と移住することになりました。
ギターづくりは工房に適度な湿度が必要になるので、
大丈夫かなと心配していましたが、湿度も思いのほか調度よい環境でしたね。
ギターの材料として石川県の県木であるアテ(能登ヒバ)を
新たに取り入れることもでき、いい音の楽器を生み出せるきっかけにもなりました」
と近さん。

日本三大霊峰のひとつとして名高い〈白山〉。

日本三大霊峰のひとつとして名高い〈白山〉。

近さんが子育てを行っていく中で感じた小松市の最大の魅力は、
豊かな自然があふれているところだそう。
「山もあり、海もあり、川もあり。週末あらゆるスポットへ遊びに行けるところは、
子どもにとっても非常にいい環境だなと感じました。
人口も10万人程度で、ほどよい規模感。東京にいた時より地域の人の顔が見え、
誰が何をしているか把握しやすいので安心感がありますね」(近さん)

自由に遊具で遊べる〈カブッキーランド〉。

自由に遊具で遊べる〈カブッキーランド〉。

さらに、子どもが遊べる文化施設が点在しているところも
子育て世代にはうれしいポイント。
大型遊具と知育おもちゃで遊べる〈カブッキーランド〉や、
絵本を楽しめる〈空とこども絵本館〉、
日本海側唯一の航空機の博物館として知られる〈石川県立航空プラザ〉など、
さまざまな選択肢があります。

迫力あふれる〈石川県立航空プラザ〉。

迫力あふれる〈石川県立航空プラザ〉。

「読書好きの娘は、幼い頃空とこども絵本館で
絵本を読み漁ることが多かったですね。
石川県立航空プラザは、飛行機のコックピットの中に入れたり、
フライトする時のシミュレーターを実際に体験できたりと、
息子も大喜びでした」(近さん)

10月10日(木)、11日(金) 東京・品川で 「バトンのヨコク カンファレンス 2024」開催。 地域の魅力を編集する日本旅行と コロカル編集長のトークセッション

裏千里ケ浜(写真提供:阿蘇市観光協会)

地域課題を未来の価値につなげる「バトンのヨコク カンファレンス 2024」が
2024年10月10日(木)、11日(金)の2日間、
JR品川駅から徒歩3分のコクヨ東京品川オフィス〈THE CAMPUS〉で開催されます。

10日には「地域の魅力をどう編集する? Colocal、日本旅行に聞く、地域の見立て」という
トークセッションが予定されています。
このテーマでお話するのは旅行会社の〈日本旅行〉事業共創推進本部の吉田一成さんと
小誌、『コロカル』編集長の山尾信一です。

バトンのヨコク カンファレンス 2024 ビジュアル

ところで旅行会社の日本旅行が、地域の課題と魅力に関わっているとは、
どういうことなのでしょうか?
そのエッセンスと、実際にはどんなことが行われているのか、
ひと足さきにお話を聞きました!

従来型の旅行とは違う視点で

日本旅行は、次年度には創業120周年を迎える日本で最も歴史ある旅行会社。
47都道府県すべてに支店を持ち、
大小さまざまな企業、自治体、学校と関わりあって仕事をしています。

そのネットワークを生かし、さらに地域への深い理解から、
従来型の旅行とは少し違う視点で事業を生み出しているのが
吉田一成さん率いる事業共創推進本部です。

2021年にできたまだ新しいチームですが、
多様な地域課題に取り組んでいます。

その例を挙げると、ふるさと納税事業や宇宙関連事業、特産品の海外販路開拓、
メタバースを使った婚活支援事業に教育関連などなど。
ほかの企業と協業しているものも多くありますが、
なぜ、このように幅広い領域を手がけるようになったのでしょう?

「そもそも旅行は手段のひとつで、私たちは地域のために汗をかいている会社なんです」
と吉田さん。
事業共創推進本部として現在の形になったきっかけは、
コロナ禍における旅行業界への大打撃でした。

「コロナ禍の前から、いかに地域の役に立つかは、
私たちの業務の根幹のひとつでした。
コロナ禍がきっかけとなって、これまで以上に
各支店が地域の中で存在感を高めるような角度で仕事をすることになりました」

地域課題を扱うにあたってポイントとなったのが、
「地域の“ソト”からの視点と“ナカ”からの視点」です。
その結果、これまでになかった立ち位置や視点から
魅力を発掘する事業が生まれてきました。

ナカからの視点を生かした企画の例としては
北陸新幹線延伸で盛り上がる福井県で、
地元の高校生が「福井県で学べる次世代修学旅行」として
他県の高校生に向けた修学旅行受け入れプログラム開発を実施。

外からの視点を働かせた事業の例としては
日本旅行に多数所属する「星のソムリエ®」たちが企画した
星がきれいに見える地域での星空観測ツアーの開催など。

これまで観光資源とは捉えられていなかった地域のよさが
「“ソト”からの視点と“ナカ”からの視点」によって明らかになったと言えます。

三重県松阪市の里山で、 新たなまちづくりを展開する 古民家カフェ〈奥松阪〉が、 宿泊施設をオープン

松阪の中山間地域に位置

三重県松阪市の南西部に位置する、飯高町(いいたかちょう)。
豊かな自然が残る一方で、道の駅や、大型商業リゾート〈VISON〉も近く、
のどかな空気とにぎわいが共存するエリアです。

そしてこの地域で人気を集める飲食店が、〈奥松阪〉。

〈奥松阪〉では「何気ない日常に幸せを」をコンセプトに、
地元の食材をふんだんに使った料理やデザートを多数提供。
開業以来、多くの人々が訪れています。

店主は、デザイナーとしても活動する高杉亮さん。

店主の高杉さん。

店主の高杉さん。

もともとは名古屋市内に事務所を構えていましたが、
数年前に松阪市の地域おこし協力隊へ就任し、家族とともに移住。
その活動の一環で訪れた古民家にひと目惚れし、
大家から譲り受けて2023年1月に〈奥松阪〉を開店しました。

現在は〈奥松阪〉の経営のほか、
松阪市の特定地域づくり事業協同組合の理事長兼事務局長など、
いくつもの活動を行っています。

地産の食材を使ったランチとスイーツを提供

日替わりランチ(1350円)に登場する「松阪極豚のトンカツ&とっとき味噌ダレ」。

日替わりランチ(1350円)に登場する「松阪極豚のトンカツ&とっとき味噌ダレ」。

〈奥松阪〉で味わえるのは、県産ブランド鶏「みえ錦爽とり」や
松阪市産の野菜など、地元の食材をたっぷり使ったランチ。
日替わりランチをはじめ、毎日3種類ほどの料理を用意しています。

「ケーキプレート」850円。

「ケーキプレート」850円。

カフェタイムには、デザートやドリンク類を提供中。
コーヒに合うケーキや焼き菓子、豆花(トウファ)や愛玉子(オーギョーチイ)といった
台湾系のスイーツなどを、ゆっくり楽しめます。
一度に数種類の食べ比べをしたいなら、「ケーキプレート」もおすすめです。

さらに、デッドストックの食器や雑貨、焼き菓子やコーヒーなども。
古き良き、日本の暮らしまわりの道具を手頃な価格で販売しています。

秋の味覚と山間の風景を楽しむ 明知鉄道の〈きのこ列車〉がスタート! 大正ロマンや江戸情緒も味わえる 途中下車の旅も

岐阜県恵那市の「恵那駅」を起点に、風光明媚な山間部を走る明知鉄道。
昭和9(1934)年に開業し、昭和60年に国鉄(現JR)から
第3セクターに引き継がれ、今年で90周年を迎えます。
この明知鉄道の名物列車となっているのが、
季節ごとに地元の名産を味わえる食堂車。
9月1日から11月30日までは、秋の味覚が楽しめる
〈きのこ列車〉が運行中です。

50分ほど列車に揺られながら、秋グルメを楽しむ

〈きのこ列車〉は、1日1便「恵那駅」を12時25分に出発し、
車窓の風景を楽しみながら、きのこづくしの食事を味わうツアー。

車窓からは美しい田園風景が続き、稲刈りシーズンは黄金色の畑が絵画のよう。

車窓からは美しい田園風景が続き、稲刈りシーズンは黄金色の畑が絵画のよう。

車内で楽しいアナウンスを聞かせてくれる営業主任であり、アテンダントの小崎聡美(こざきさとみ)さん。

車内で楽しいアナウンスを聞かせてくれる営業主任であり、アテンダントの小崎聡美(こざきさとみ)さん。

食事は、地元で採れたきのこを味噌あえや、うま煮、天婦羅などでいただく
きのこづくしに、きのこ御飯と土瓶蒸しがついた、ぜいたくな内容となっています。
この懐石弁当は日替わりで3店舗が交代でつくっているため、小崎さんは、
「それぞれのおいしさを楽しんでいただくために、ぜひ3回ご乗車ください」
と話し、乗客の笑いを誘います。

黒皮茸やあみ茸など、珍しいきのこの味覚がたっぷり味わえる

この日は、〈明智ゴルフ場レストラン〉が提供する〈きのこの懐石料理〉。
ほんのりした苦味と香り高い黒皮茸(ロージ)、あみ茸(いくち)の菊花あえなど、
珍しいきのこを風味豊かに味わうことができます。

また、同乗してくれる料理店のスタッフが、きのこ御飯や土瓶蒸しをその場で盛りつけ、
あたたかい状態でテーブルへと運んでくれます。

列車内で忙しそうに働く料理店のスタッフの佐々木さん。気さくな人柄で、車内で名産品の販売もしてくれていました。

列車内で忙しそうに働く料理店のスタッフの佐々木さん。気さくな人柄で、車内で名産品の販売もしてくれていました。

天婦羅は添えられた抹茶塩でいただくと、さらに香り高い味わいが楽しめます。
予約時に確認すれば、どの会社のお弁当か教えてくれるそうですが、
せっかくなら、それは当日のお楽しみにしてみては。

八戸の横丁に行けば、 誰しも夜の魔法にかけられる。 「酔っ払いに愛を2024」が10月に開催

ディープな横丁の世界へようこそ

「お酒+α」で、そこに集った皆がつながるアートイベント
「八戸横丁月間 酔っ払いに愛を 2024」が今年も開催されます。
戦後の闇市が始まりといわれる、日本全国の横丁。狭い空間で肩を寄せ合い、
しっぽり飲むという、どこかアンダーグラウンドなイメージがつきまといます。
しかし、最近では、インバウンド人気や昭和リバイバルもあり、
誕生年数が少ない健全なイメージで、気軽に入れる横丁も全国に増えてきました。
青森県八戸市には、戦後にできたディープな横丁から、比較的新しい横丁まで、
なんと8つの横丁が存在します。

妖しい魅力で酔客を魅了する八戸の横丁文化

みろく横丁

まず紹介するのは、比較的入りやすい5つの横丁。
2002年東北新幹線八戸駅の開業を記念してできた〈みろく横丁〉は、
八戸市中心街にあり、道幅は狭いですが、外から店内が見えるため、
横丁初心者でも安心して楽しめます。みろく横丁と交差する〈花小路〉も、
マチニワや八戸ブックセンターに通じるため、人通りも多く入りやすい雰囲気。
藩政時代に牢屋があったため〈ロー丁(ろーちょう)れんさ街〉と呼ばれる横丁は、
戦後引き揚げ者のためにできたマーケットでした。
そこと隣接する〈長横町れんさ街〉は1945年から続く飲食店街で、
長横町の中ほどには、かつて駐留米兵のためのローラースケート場があったそう。
〈ロー丁れんさ街〉〈長横町れんさ街〉〈八戸昭和通り〉は比較的道幅も広く、
お店に入るハードルは低め。

そして、次の3つの横丁は、道幅も狭く薄暗い、ディープな雰囲気の横丁です。
〈たぬき小路〉は道幅の狭さや看板など、
古い映画のセットのように昭和の趣がそのまま残っています。
そこから続く〈五番街〉はひとりしか歩けないような小路沿いに、
隠れ家的なお店が並びます。〈ハーモニカ横町〉も、1945年から続く飲食店街で、
小料理屋からエスニック料理まで多種多様なお店が営業しています。

ポスター

これらの多彩な横丁を、初めての人でもディープに楽しんでほしい。
そのためにさまざまなイベントを10月に凝縮し、常連客や観光客関係なく、
誰もがピースに楽しむことができる催しにしたのが、
アートイベント「酔っ払いに愛を2024」なのです。
八戸の横丁の魅力をファンタジックに加速させるこのイベントについて、
実行委員会の方にお話をうかがいました。

八戸横丁の魅力を味わうアートプロジェクトとして2009年にスタート

現行の「酔っ払いに愛を」は2014年から始まりましたが、
そもそものはじまりは2009年でした。
八戸の10月は、夏祭り「三社大祭(さんしゃたいさい)」が終わった後の
飲食店の閑散期。また、全国の都市と同様に、八戸でも郊外化が進み、
中心街の空洞化が問題視されていました。
そういった横丁の課題や可能性をアートの視点から盛り上げることができないか。
八戸ポータルミュージアムが主導し、
民間の助成金事業としてスタートしたのが「横丁オンリーユーシアター」でした。

「横丁オンリーユーシアター」は横丁の路地や空き店舗を舞台に、
約10団体のパフォーマーが、ダンスやお芝居、お笑い芸などを披露。
横丁の酔客たちとハプニング的にコミュニケーションし、
その瞬間ならではのパフォーマンスを生み出します。
この「横丁オンリーユーシアター」に、
「地酒で乾杯!」「横丁飲みだおれラリー」
「八戸さんぽマイスターによる横丁探訪」といった
さまざまな主催者によるイベントが加わり、
現在の「八戸横丁月間 酔っ払いに愛を」という複合イベントになり、
毎年10月に開催されてきました(2021年のみ中止)。

ピンクの提灯

「酔っ払いに愛を」を統括し、「横丁オンリーユーシアター」のプロデュースを手がけるのは、
酔っ払いに愛を実行委員会の皆さん。
事務局・八戸ポータルミュージアムのコーディネーター・寺地菜摘さんと、
主査・坂本淳美さんが、このイベントの魅力について語ってくれました。

 左から、坂本淳美さんと寺地菜摘さん。八戸ポータルミュージアム〈はっち〉にて。

左から、坂本淳美さんと寺地菜摘さん。八戸ポータルミュージアム〈はっち〉にて。

「横丁は、人と人のつながりや、愛を感じられる場所。
その魅力を、初めての方にも安心して体験してもらえるのがこのイベントです」

15年前から続いているだけあり、
八戸というまちの個性が伝わるエピソードもたくさんあるといいます。

「今年も出演してくださるロービングパフォーマーのun-paさんが
2018年にパフォーマンスした際の話です。un-paさんは全身銀色で、
どう見てもパフォーマンスしている方なのに、白い紙を掲げて立つun-paさんを、
タクシーの運転手が乗せて走り去ってしまいました。
実行委員の担当者が慌ててタクシーを拾ってun-paさんを追跡したことがあります」

八戸は、酔っ払いだけではなく、タクシーの運転手もノリが良さそう。