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スイーツやおつまみにも!?
高栄養価、低カロリーの
サボテングルメが食べられる、
愛知県春日井市の飲食店3選

コロカルニュース

posted:2024.11.12   from:愛知県春日井市  genre:活性化と創生

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。

writer profile

Naomi Kuroda

黒田 直美

くろだ・なおみ●愛知県生まれ。東京で長年、編集ライターの仕事をしていたが、親の介護を機に愛知県へUターン。現在は東海圏を中心とした伝統工芸や食文化など、地方ならではの取り組みを取材している。食べること、つくることが好きで、現在は陶芸にもはまっている。

輸入植物としてのイメージが強いサボテンなどの多肉植物ですが、
愛知県春日井市では、古くからサボテンの栽培を行っています。
全国有数の実生サボテン生産地である同市では、鑑賞用のサボテンはもちろん、
現在、食用サボテンにも着目し、〈サボテングルメプロジェクト〉を実施。

市役所内には、食用サボテンのPRを行う〈観光・サボテン担当〉という部署も
2022年から設置されており、さまざまな取り組みを行っています。

市内で栽培されている実生サボテン。

市内で栽培されている実生サボテン。

サボテンの一大生産地、春日井サボテン

春日井市がサボテンの栽培を始めたのは、1953(昭和28)年ごろと、
歴史も古く、果樹栽培の副業として始めたのがきっかけでした。
1959(昭和34)年には、一帯の果樹が被害を受けたことから、サボテン栽培へと
移行する農家が増え、市内に広く普及。
春日井市のサボテン栽培の大きな特徴は、種から育てる「実生栽培」。
温室の構造を工夫するなど独自の栽培方法を生み出し、実生サボテンの
大量生産を可能にするとともに、一帯の農家が連携して分業体制を
とることで、安定した栽培を確立させました。

昭和のサボテン栽培の様子。

昭和のサボテン栽培の様子。

春日井の特産品、サボテンでまちおこしを

春日井市役所で、観光・サボテン担当として活躍する産業部経済振興課の
柴田知宏さんは、食用サボテンの魅力をこう語ってくれます。

「過酷な状況でも育つサボテンは、食糧危機にも強いといわれ、
SDGsの一貫として、世界的にも注目が集まっています。
サボテンは、栄養価も高く、β-カロテンなどの抗酸化成分やカルシウムや
マグネシウムといった野菜と果物が持つ両方の栄養素が含まれているので、
万能食材といわれているんです。また、豊富な食物繊維は整腸作用や
ダイエット効果が期待されます」

〈サボテングルメプロジェクト〉で市民にとっても身近なサボテン

今年の夏には市内のサボテンを扱うお店を巡る
〈春日井サボテンスタンプラリー〉を開催し、市内41の飲食店と小売店が参加。
多くの市民がサボテングルメを楽しみました。
そのメニューも、スイーツにラーメン、パンやピザなど、
幅広いサボテングルメが登場しています。
また、春日井市では、2007年から、年に3回程度、小中学校の給食にも登場し、
子どもたちにも、「サボテンを食べる文化」が広がっています。

サボテンのイメージキャラクターをはじめ、絵本やマンガ、レシピカードに、「育てる春日井サボテン」キットも登場。

サボテンのイメージキャラクターをはじめ、絵本やマンガ、レシピカードに、「育てる春日井サボテン」キットも登場。

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サボテンロールが食べられる、フルーツサンド店〈クルル〉

2021年には、春日井市観光コンベンション協会の主催で
〈春日井サボテンスイーツコンテスト〉が開催されました。
生のサボテンだけでなく、ピューレや粉末となった
サボテンを使い、バラエティに富んだスイーツが誕生。

2020年5月にオープンしたフルーツサンド店〈クルル〉は、
「親子で楽しんでもらう」をコンセプトに、サボテンの粉末を使用して
ゼリーをつくり、フルーツの代わりにサボテンゼリーを巻いたロールサンドを開発。

「生のサボテンは野菜臭があり、苦手なお子さんもいるので、
ゼリーにしてつるんと食べやすいように工夫しました。
生クリームと一緒に巻いてあるので、スイーツ感覚で楽しめます」と店長の蜂谷裕子さん。
片手で持てるロールサンドは、手軽に食べられるとあって、人気を呼んでいます。

information

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クルル

住所:愛知県春日井市味美町1-11-3

営業時間:10:00~15:00(店舗前の自動販売機で24時間販売)

定休日:月・水・金・日曜

Instagram:クルル

サボテンチャーシューに、おつまみサボテン!?〈拉麺昭吉〉

元プロボクサーの近藤昭さんが店主を務める〈拉麺昭吉〉では、
〈サボテンチャーシュー〉や、〈おつまみサボテン〉を提供。
2022年の〈サボテングルメスタンプラリー〉に参加したのがきっかけとなったそうです。

食料危機の問題に関心があったため、サボテンを食材として使うことにチャレンジ。
サボテンには野菜の食感もあり、熱を加えると粘りやとろみも出るので、
食べやすくなるのだとか。

特製チャーシューにサボテンをトッピングした「サボテンチャーシュー」(770円)。

特製チャーシューにサボテンをトッピングした「サボテンチャーシュー」(770円)。

スライスしたサボテンににんにくとゴマ油であえた中華風のおつまみ(330円)。

スライスしたサボテンににんにくとゴマ油であえた中華風のおつまみ(330円)。

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拉麺昭吉

住所:愛知県春日井市柏原町3-260

営業時間:11:30~14:30、18:00~22:30(売り切れ次第終了)

定休日:月曜

Instagram:拉麺昭吉

〈ロンロンキッチン〉ではサボテンフライのサボサンドを提供

おしゃれなサンドイッチが人気の〈ロンロンキッチン〉では、
サボテンをフライにした「サボサンド」がおいしいと評判です。

「春日井市にある食用サボテンを扱うお店で、生のサボテンを仕入れています。
どうやって食べたらおいしくなるかと試行錯誤を重ね、試食もしてもらうなかで、
評判の良かったサボテンのフライをサンドにすることにしたんです」と
店長の伊藤佐智子さん。

低カロリーなサボテンを使ったサボテンカツは、
ダイエット中でも気兼ねなく食べられる、うれしいメニュー。
スパイシーなサルサの赤のソースと、甘辛なミンチとゴマ、
ナッツをラー油であえた黒のソースの2種類があります。
サボテンの食感とパンチのあるソースがうまく絡み合っておいしさもアップ。

サボテンの葉が添えられたボリューミーな「サボサンド」は各680円。

サボテンの葉が添えられたボリューミーな「サボサンド」は各680円。

information

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ロンロンキッチン

住所:愛知県春日井市中央通り1-8-1

営業時間:8:30~16:00(変更あり)

定休日:日、月曜日(臨時休業あり)

Instagram

ロンロンキッチン

また、〈サボテングルメプロジェクト〉に参加した10店舗が、
無印良品の販売する食品とサボテンを使った
「家庭で簡単にできるサボテンレシピ」を考案。
市内にある〈無印良品 イーアス春日井〉では、
期間限定で特設コーナーが設置されました。
これもサボテン食材が手に入る春日井市ならではの企画といえます。
食べるサボテンをまちおこしの起爆剤として発信する春日井市の
〈サボテングルメプロジェクト〉に今後も注目です!

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サボテングルメプロジェクト

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