(写真提供:こまつ観光物産ネットワーク)
石川県・加賀平野の中央に位置する小松市。
豊かな自然環境を有する梯川が流れ、
東には日本三大霊峰のひとつとして名高い白山がそびえ立ち、
麓に丘陵地と田園が広がる緑あふれる地域です。
農産物や山の幸、海の幸が豊富で産業都市としても名高いこのエリア。
最近では北陸の空の玄関口小松空港に加え、北陸新幹線・小松駅も誕生し、
東京都内からもアクセスしやすい便利なまちへと進化しています。
また、実は子育て支援をはじめとする行政の取り組みも盛んで
“移住にちょうどいいまち”として認知され始めているのをご存知でしょうか?
今回は、お子さんが生まれたタイミングで小松市に移住したギター職人、
近 信濃(こん・しなの)さんのリアルな声を聞きながら、
子育てにおすすめの3つの理由を紐解いていきます。
小松市に家族で移住した、ギター職人の近 信濃さん。(写真提供:近 信濃さん)
3児のお父さんとしての顔も持つ近 信濃さんは、
石川県小松市でクラシックギターやウクレレなどの弦楽器を製作する職人です。
奥さんである真未子(まみこ)さんの実家が小松市であったことから、
出産のタイミングでこの地に移住することを決めたのだとか。
ギター製作工房〈近撥弦楽器〉の工房の様子。(写真:近 信濃さん提供)
「子どもを育てるなら、都心ではないのびのびとした環境で育てたいと
以前から考えており、緑豊かなこの地に自然と移住することになりました。
ギターづくりは工房に適度な湿度が必要になるので、
大丈夫かなと心配していましたが、湿度も思いのほか調度よい環境でしたね。
ギターの材料として石川県の県木であるアテ(能登ヒバ)を
新たに取り入れることもでき、いい音の楽器を生み出せるきっかけにもなりました」
と近さん。
日本三大霊峰のひとつとして名高い〈白山〉。
近さんが子育てを行っていく中で感じた小松市の最大の魅力は、
豊かな自然があふれているところだそう。
「山もあり、海もあり、川もあり。週末あらゆるスポットへ遊びに行けるところは、
子どもにとっても非常にいい環境だなと感じました。
人口も10万人程度で、ほどよい規模感。東京にいた時より地域の人の顔が見え、
誰が何をしているか把握しやすいので安心感がありますね」(近さん)
自由に遊具で遊べる〈カブッキーランド〉。
さらに、子どもが遊べる文化施設が点在しているところも
子育て世代にはうれしいポイント。
大型遊具と知育おもちゃで遊べる〈カブッキーランド〉や、
絵本を楽しめる〈空とこども絵本館〉、
日本海側唯一の航空機の博物館として知られる〈石川県立航空プラザ〉など、
さまざまな選択肢があります。
迫力あふれる〈石川県立航空プラザ〉。
「読書好きの娘は、幼い頃空とこども絵本館で
絵本を読み漁ることが多かったですね。
石川県立航空プラザは、飛行機のコックピットの中に入れたり、
フライトする時のシミュレーターを実際に体験できたりと、
息子も大喜びでした」(近さん)
裏千里ケ浜(写真提供:阿蘇市観光協会)
地域課題を未来の価値につなげる「バトンのヨコク カンファレンス 2024」が
2024年10月10日(木)、11日(金)の2日間、
JR品川駅から徒歩3分のコクヨ東京品川オフィス〈THE CAMPUS〉で開催されます。
10日には「地域の魅力をどう編集する? Colocal、日本旅行に聞く、地域の見立て」という
トークセッションが予定されています。
このテーマでお話するのは旅行会社の〈日本旅行〉事業共創推進本部の吉田一成さんと
小誌、『コロカル』編集長の山尾信一です。
ところで旅行会社の日本旅行が、地域の課題と魅力に関わっているとは、
どういうことなのでしょうか?
そのエッセンスと、実際にはどんなことが行われているのか、
ひと足さきにお話を聞きました!
日本旅行は、次年度には創業120周年を迎える日本で最も歴史ある旅行会社。
47都道府県すべてに支店を持ち、
大小さまざまな企業、自治体、学校と関わりあって仕事をしています。
そのネットワークを生かし、さらに地域への深い理解から、
従来型の旅行とは少し違う視点で事業を生み出しているのが
吉田一成さん率いる事業共創推進本部です。
2021年にできたまだ新しいチームですが、
多様な地域課題に取り組んでいます。
その例を挙げると、ふるさと納税事業や宇宙関連事業、特産品の海外販路開拓、
メタバースを使った婚活支援事業に教育関連などなど。
ほかの企業と協業しているものも多くありますが、
なぜ、このように幅広い領域を手がけるようになったのでしょう?
「そもそも旅行は手段のひとつで、私たちは地域のために汗をかいている会社なんです」
と吉田さん。
事業共創推進本部として現在の形になったきっかけは、
コロナ禍における旅行業界への大打撃でした。
「コロナ禍の前から、いかに地域の役に立つかは、
私たちの業務の根幹のひとつでした。
コロナ禍がきっかけとなって、これまで以上に
各支店が地域の中で存在感を高めるような角度で仕事をすることになりました」
地域課題を扱うにあたってポイントとなったのが、
「地域の“ソト”からの視点と“ナカ”からの視点」です。
その結果、これまでになかった立ち位置や視点から
魅力を発掘する事業が生まれてきました。
ナカからの視点を生かした企画の例としては
北陸新幹線延伸で盛り上がる福井県で、
地元の高校生が「福井県で学べる次世代修学旅行」として
他県の高校生に向けた修学旅行受け入れプログラム開発を実施。
外からの視点を働かせた事業の例としては
日本旅行に多数所属する「星のソムリエ®」たちが企画した
星がきれいに見える地域での星空観測ツアーの開催など。
これまで観光資源とは捉えられていなかった地域のよさが
「“ソト”からの視点と“ナカ”からの視点」によって明らかになったと言えます。
三重県松阪市の南西部に位置する、飯高町(いいたかちょう)。
豊かな自然が残る一方で、道の駅や、大型商業リゾート〈VISON〉も近く、
のどかな空気とにぎわいが共存するエリアです。
そしてこの地域で人気を集める飲食店が、〈奥松阪〉。
〈奥松阪〉では「何気ない日常に幸せを」をコンセプトに、
地元の食材をふんだんに使った料理やデザートを多数提供。
開業以来、多くの人々が訪れています。
店主は、デザイナーとしても活動する高杉亮さん。
店主の高杉さん。
もともとは名古屋市内に事務所を構えていましたが、
数年前に松阪市の地域おこし協力隊へ就任し、家族とともに移住。
その活動の一環で訪れた古民家にひと目惚れし、
大家から譲り受けて2023年1月に〈奥松阪〉を開店しました。
現在は〈奥松阪〉の経営のほか、
松阪市の特定地域づくり事業協同組合の理事長兼事務局長など、
いくつもの活動を行っています。
日替わりランチ(1350円)に登場する「松阪極豚のトンカツ&とっとき味噌ダレ」。
〈奥松阪〉で味わえるのは、県産ブランド鶏「みえ錦爽とり」や
松阪市産の野菜など、地元の食材をたっぷり使ったランチ。
日替わりランチをはじめ、毎日3種類ほどの料理を用意しています。
「ケーキプレート」850円。
カフェタイムには、デザートやドリンク類を提供中。
コーヒに合うケーキや焼き菓子、豆花(トウファ)や愛玉子(オーギョーチイ)といった
台湾系のスイーツなどを、ゆっくり楽しめます。
一度に数種類の食べ比べをしたいなら、「ケーキプレート」もおすすめです。
さらに、デッドストックの食器や雑貨、焼き菓子やコーヒーなども。
古き良き、日本の暮らしまわりの道具を手頃な価格で販売しています。
岐阜県恵那市の「恵那駅」を起点に、風光明媚な山間部を走る明知鉄道。
昭和9(1934)年に開業し、昭和60年に国鉄(現JR)から
第3セクターに引き継がれ、今年で90周年を迎えます。
この明知鉄道の名物列車となっているのが、
季節ごとに地元の名産を味わえる食堂車。
9月1日から11月30日までは、秋の味覚が楽しめる
〈きのこ列車〉が運行中です。
〈きのこ列車〉は、1日1便「恵那駅」を12時25分に出発し、
車窓の風景を楽しみながら、きのこづくしの食事を味わうツアー。
車窓からは美しい田園風景が続き、稲刈りシーズンは黄金色の畑が絵画のよう。
車内で楽しいアナウンスを聞かせてくれる営業主任であり、アテンダントの小崎聡美(こざきさとみ)さん。
食事は、地元で採れたきのこを味噌あえや、うま煮、天婦羅などでいただく
きのこづくしに、きのこ御飯と土瓶蒸しがついた、ぜいたくな内容となっています。
この懐石弁当は日替わりで3店舗が交代でつくっているため、小崎さんは、
「それぞれのおいしさを楽しんでいただくために、ぜひ3回ご乗車ください」
と話し、乗客の笑いを誘います。
この日は、〈明智ゴルフ場レストラン〉が提供する〈きのこの懐石料理〉。
ほんのりした苦味と香り高い黒皮茸(ロージ)、あみ茸(いくち)の菊花あえなど、
珍しいきのこを風味豊かに味わうことができます。
ボリュームのある懐石弁当。 きのこ御飯はお替り可能と盛りだくさんの内容。
また、同乗してくれる料理店のスタッフが、きのこ御飯や土瓶蒸しをその場で盛りつけ、
あたたかい状態でテーブルへと運んでくれます。
列車内で忙しそうに働く料理店のスタッフの佐々木さん。気さくな人柄で、車内で名産品の販売もしてくれていました。
天婦羅は添えられた抹茶塩でいただくと、さらに香り高い味わいが楽しめます。
予約時に確認すれば、どの会社のお弁当か教えてくれるそうですが、
せっかくなら、それは当日のお楽しみにしてみては。
「お酒+α」で、そこに集った皆がつながるアートイベント
「八戸横丁月間 酔っ払いに愛を 2024」が今年も開催されます。
戦後の闇市が始まりといわれる、日本全国の横丁。狭い空間で肩を寄せ合い、
しっぽり飲むという、どこかアンダーグラウンドなイメージがつきまといます。
しかし、最近では、インバウンド人気や昭和リバイバルもあり、
誕生年数が少ない健全なイメージで、気軽に入れる横丁も全国に増えてきました。
青森県八戸市には、戦後にできたディープな横丁から、比較的新しい横丁まで、
なんと8つの横丁が存在します。
まず紹介するのは、比較的入りやすい5つの横丁。
2002年東北新幹線八戸駅の開業を記念してできた〈みろく横丁〉は、
八戸市中心街にあり、道幅は狭いですが、外から店内が見えるため、
横丁初心者でも安心して楽しめます。みろく横丁と交差する〈花小路〉も、
マチニワや八戸ブックセンターに通じるため、人通りも多く入りやすい雰囲気。
藩政時代に牢屋があったため〈ロー丁(ろーちょう)れんさ街〉と呼ばれる横丁は、
戦後引き揚げ者のためにできたマーケットでした。
そこと隣接する〈長横町れんさ街〉は1945年から続く飲食店街で、
長横町の中ほどには、かつて駐留米兵のためのローラースケート場があったそう。
〈ロー丁れんさ街〉〈長横町れんさ街〉〈八戸昭和通り〉は比較的道幅も広く、
お店に入るハードルは低め。
そして、次の3つの横丁は、道幅も狭く薄暗い、ディープな雰囲気の横丁です。
〈たぬき小路〉は道幅の狭さや看板など、
古い映画のセットのように昭和の趣がそのまま残っています。
そこから続く〈五番街〉はひとりしか歩けないような小路沿いに、
隠れ家的なお店が並びます。〈ハーモニカ横町〉も、1945年から続く飲食店街で、
小料理屋からエスニック料理まで多種多様なお店が営業しています。
これらの多彩な横丁を、初めての人でもディープに楽しんでほしい。
そのためにさまざまなイベントを10月に凝縮し、常連客や観光客関係なく、
誰もがピースに楽しむことができる催しにしたのが、
アートイベント「酔っ払いに愛を2024」なのです。
八戸の横丁の魅力をファンタジックに加速させるこのイベントについて、
実行委員会の方にお話をうかがいました。
現行の「酔っ払いに愛を」は2014年から始まりましたが、
そもそものはじまりは2009年でした。
八戸の10月は、夏祭り「三社大祭(さんしゃたいさい)」が終わった後の
飲食店の閑散期。また、全国の都市と同様に、八戸でも郊外化が進み、
中心街の空洞化が問題視されていました。
そういった横丁の課題や可能性をアートの視点から盛り上げることができないか。
八戸ポータルミュージアムが主導し、
民間の助成金事業としてスタートしたのが「横丁オンリーユーシアター」でした。
「横丁オンリーユーシアター」は横丁の路地や空き店舗を舞台に、
約10団体のパフォーマーが、ダンスやお芝居、お笑い芸などを披露。
横丁の酔客たちとハプニング的にコミュニケーションし、
その瞬間ならではのパフォーマンスを生み出します。
この「横丁オンリーユーシアター」に、
「地酒で乾杯!」「横丁飲みだおれラリー」
「八戸さんぽマイスターによる横丁探訪」といった
さまざまな主催者によるイベントが加わり、
現在の「八戸横丁月間 酔っ払いに愛を」という複合イベントになり、
毎年10月に開催されてきました(2021年のみ中止)。
「酔っ払いに愛を」を統括し、「横丁オンリーユーシアター」のプロデュースを手がけるのは、
酔っ払いに愛を実行委員会の皆さん。
事務局・八戸ポータルミュージアムのコーディネーター・寺地菜摘さんと、
主査・坂本淳美さんが、このイベントの魅力について語ってくれました。
左から、坂本淳美さんと寺地菜摘さん。八戸ポータルミュージアム〈はっち〉にて。
「横丁は、人と人のつながりや、愛を感じられる場所。
その魅力を、初めての方にも安心して体験してもらえるのがこのイベントです」
15年前から続いているだけあり、
八戸というまちの個性が伝わるエピソードもたくさんあるといいます。
「今年も出演してくださるロービングパフォーマーのun-paさんが
2018年にパフォーマンスした際の話です。un-paさんは全身銀色で、
どう見てもパフォーマンスしている方なのに、白い紙を掲げて立つun-paさんを、
タクシーの運転手が乗せて走り去ってしまいました。
実行委員の担当者が慌ててタクシーを拾ってun-paさんを追跡したことがあります」
八戸は、酔っ払いだけではなく、タクシーの運転手もノリが良さそう。
山梨県北杜市にある芸術文化施設〈清春(きよはる)芸術村〉。
廃校になった清春小学校の跡地を再活用し、1980年に誕生して以来、
建築家・谷口吉生の設計による〈清春白樺美術館〉(1983年開館)や
〈ルオー礼拝堂〉(1986年開堂)をはじめ、藤森照信の茶室〈徹〉
(2006年完成)、安藤忠雄の〈光の美術館〉(2011年開館)、
新素材研究所/杉本博司+榊田倫之のゲストハウス〈和心〉(2018年竣工)など
数々の名建築が集まる場所です。
山梨県の天然記念物に指定されている約30本の桜の老木が敷地を囲みます。
その施設に9月3日、建築家・メタアーキテクトで
設計集団〈VUILD〉を主宰する秋吉浩気さんが設計した
3Dプリンタ製の滑り台『ホワイト・ループ(White Loop)』が
登場しました。
滑り台には柱などがなく、それ自体が構造体として自立しているつくり。対象年齢は3~5歳。photo:Hayato Kurobe
同施設が取り組む〈こどものための建築プロジェクト〉の一環として
つくられたもので、第1弾には建築家の内田奈緒さんが設計した
『遊びの塔(tower of play)』が6月に完成したばかり。
エッフェル塔の階段から着想を得て、ネットの床を空に向かって積層させるイメージでつくられた『遊びの塔(tower of play)』。photo:筒井義昭
篠田ゆき「雲プロジェクト ‒ 宗像大社に雲を浮かせる」
世界遺産のあるまちとして有名な宗像市で、芸術祭が開催されます。
メイン会場は、まさにその世界遺産の一部である宗像大社辺津宮。
宗像で生まれ育った新進気鋭のアーティストから、
脳科学者として活躍している中野信子さん(招待作家)まで、
個性豊かなアーティストによる作品が展示されます。
古代の国際交流の拠点であり、大陸から伝わる
最先端の技術・文化が交差する地域であった宗像。
宗像大社は日本最古の神社のひとつとして知られており、
国の安寧を祈願する宗像三女神の信仰については
「古事記」や「日本書紀」にも記されています。
そんな宗像の歴史を背景にはじまったのが「宗像みあれ芸術祭」です。
「宗像の魅力、再発見」「子どもたちに開かれた美術体験」をテーマに、
地域の未来につながる祭典を目指し、作品の展示をはじめ、
さまざまなワークショップやイベントを開催。
アートを通して、宗像の新しい文化を紡いでいきます。
宗像みあれ芸術祭は、宗像大社の「みあれ祭」と同時期に開催されます。
みあれ祭は、秋季大祭の最初に行われる大切な祭事。
沖ノ島にある「沖津宮」と大島にある「中津宮」の御神璽(みしるし)を、
本土にある「辺津宮(へつぐう)」にお迎えする神事で、
10月1日には約100隻の漁船が集まり、海上神幸を行います。
船に掲げられた大漁旗が海上にはためく様子は、華やかで壮観!
ファッション衣料の生地を染色し、風合いを整える
「染色整理加工」を行っている岐阜県大垣市の株式会社艶金。
染色過程ではたくさんの水を使用したり、大量のCO2を
排出することから、この会社では、環境に配慮した取り組みを行っています。
工場内では、早くから木材チップを燃料とするバイオマスボイラーを導入し、
カーボンニュートラルを実現。また、染色機メーカーとの共同で、
開発した省エネルギー染色機の導入や、2021年より太陽光、風力、水力などの
再生可能エネルギー率を高めてきました。
染色工場内での墨勇志社長。
そういった企業理念の一貫から、岐阜県産業技術総合センターと
共同開発でスタートしたのが、食物残渣を生かした染色です。
当時のことを墨勇志(すみゆうじ)社長はこう話します。
「岐阜県産業技術総合センターは、県内の繊維、食品、和紙などの
研究をしているのですが、食品部に地元のピーナッツ加工のメーカーから、
廃棄する殻や渋皮を有効利用できないかという相談がありました。
そこで、繊維部が試し染めをしてみると黄色く染まったのですが、
天然染めは、洗濯したら色が落ちてしまったり、
干すと色が変色してしまったりといった難点があるため、弊社が技術協力し、
1年以上かけて実験、試作を繰り返し、ようやく染料をつくることができました」
初めてピーナッツの皮でつくったあたたかい色合いは、社員たちにも好評だったとか。
それ以後、近隣の農家さんから出る地元産の栗や柿、ブルーベリーをはじめ、
植物廃棄や、企業から持ち込まれるワインの搾りかすやカカオの皮、
老舗の和菓子屋から出るアズキの皮などから、染料をつくり、
現在は12色の天然染料を製造しています。
やさしい色合いの天然染料。
〈のこり染〉をスタートしたときには、まだ天然染料に関心を持ってもらうことは難しく、
染色から縫製まで自社工場で一貫して製造し、製品化したのだとか。
展示会に出展しながら、アピールしていくうちに、徐々に環境への意識が高まり、
「廃棄されたカカオの皮で染めた会社のユニフォームをつくりたい」と
飲料メーカーから依頼がきたり、「ノベルティや記念品をつくってほしい」
との依頼で、大手メーカーとコラボするまでに成長しました。
カカオの皮を粉砕して染料の粉に。
長野県・北志賀高原にある観光スポット
〈竜王マウンテンリゾート SORA terrace(ソラテラス)〉(以下、SORA terrace)に9月8日、
誰でも自由に弾けるグランドピアノ「雲海ピアノ」が登場しました。
標高1770メートルの山頂エリアにあるSORA terrace。
周囲を山で囲まれた地形から雲が滞留しやすく、
ダイナミックな雲海が見られる絶景スポットとして人気を集めています。
早朝に発生するイメージが強い雲海ですが、ここは夕方に発生する確率が
最も高く、条件が合えば、北アルプスに沈む夕陽に照らされた雲海を
見ることができるといいます。
2023年の営業期間は62.5%の確率で雲海が発生したとか(竜王マウンテンリゾート調べ)。
夜には、長野盆地の夜景や満点の星空を見ることもできます。
雲海ピアノが設置されたのは、この施設に併設された
カフェ&レストラン〈SORA terrace cafe〉。
ストリートピアノとして、訪れる人に自由に演奏を
楽しんでもらいたいという想いから企画された、
音楽の秋にふさわしい取り組みです。
以前コロカルニュース でも開業時にお伝えした、
メンバーシップ制セカンドホームサービス〈SANU 2nd Home(サヌ セカンドホーム)〉に
進展が。
新型キャビンの〈SANU CABIN MOSS(モス)〉が
2024年8月10日、北軽井沢に開業。
2022年につくられた〈北軽井沢1st〉の近隣拠点として
〈北軽井沢2nd〉と名付けられました。
SANU CABIN MOSSは、
北軽井沢1stなどに展開している〈SANU CABIN BEE〉同様、
環境配慮型建築を手がける建築チーム〈ADX〉とともに開発。
この新型キャビンは、
デジタルファブリケーションや独自開発した金物を用いる工法を採用し、
建築の加工工程の80%を工場で生産したプレハブ工法によって
現場での作業を削減したことで、現地での施工期間をなんと2週間に短縮。
積雪4メートルの負荷にも耐久性を持ち、
豪雪地帯など厳しい自然環境下でも建設可能なプロダクトに。
昨今建築業界でも深刻化する人材不足や、
雨天・積雪などの気象条件に影響されやすい建設現場で働く人の
安全確保などの課題解決に寄与した、自然立地建築のフラッグシップモデルとなりました。
「SANU CABIN」シリーズでは、国産材を100%使用、
さらには伐採期を迎えた50〜60年の樹木を中心に活用するなど、
木材の調達までこだわっています。
さらに、提携林業組合の協力のもと植林活動を行うことで、
日本の森の循環を促進しているのがSANUブランドの強みでもあります。
特に今回は、快適さや安全性という人間視点の建築だけでなく、
森に住む動植物への影響にも配慮する建築を目指したといいます。
周囲の自然環境に溶け込むために、
北軽井沢にいる鹿の視点で考えられた建築
(だから、建築デザインも木の実に着想を得ているのだとか!)というのも
ユニークな点です。
今回の北軽井沢での完成を皮切りに、より多様な自然環境へ適応する建築として、
白馬・ニセコ・南アルプスなど豪雪地帯を含む6拠点に展開される予定です。
〈カシワバラグループ〉の宿泊施設ブランドが、2024年9月1日、
第1号施設となる〈YAWN YARD Kouri Island〉を沖縄県・古宇利島に開業。
自然と人が仲良くなる“もうひとつのくつろぎ方”を
「泊まれる庭」として具体化したリゾートでは、
地域の気候風土や生活美学を生かしたユニークな宿泊体験が楽しめます。
〈YAWN YARD〉は、人口わずか400人、
車で古宇利大橋を渡った先にある「古宇利島」に誕生。
古宇利島は、南側に3つ、北側に3つのビーチがあり、
車があれば 15分で1周できてしまう小さな島です。
島の近くには世界自然遺産に登録された「やんばる」の森があるほか、
エメラルドグリーンの美しい海では、ときおりクジラが潮をシューッと吹いたり、
海亀がのんびり泳いだりしている姿がみられます。
ヴィラは全8室。「sea」と「hill」のふたつのエリアにわかれ、「sea」エリアに5室、「hill」エリアに3室あります。
海と丘、それぞれのランドスケープを起点に生まれた8つの庭は、
どの客室も庭はすべてが西向き。
地形との対話、地元の人との対話をもとに、土地に眠るあたらしいくつろぎ方を「庭」にしました。
大きな屋根の下にふたつの居室、半屋外の広々したプライベート空間で、子どもも一緒にくつろげます。
食事は客室に届けられ、夕食と朝食はそれぞれ3種類から選べます。
各客室の屋外ダイニングテラスでは、プライベートな空間のなかで海を眺め、
心地よい風を感じながら滋味あふれる食事が楽しめます。
たとえば、春には土のついたままの島野菜を、夏にははじけんばかりのフルーツを、
秋冬にはきれいな海を泳いだマグロやエビを使用したメニューなど、
「いつか身体になる(クスイムン)」の精神を込めた料理を提供。
少量しかつくられない在来野菜や島野菜も顔なじみの生産者の力を借りて
積極的に取り入れ、かつてどこにでもあった沖縄の家庭料理が味わえます。
シティミティムン(朝食)の一例。朝食は好きなメニューを一人ずつ選べる。写真は野菜とさんぴん茶のお出汁で煮込んだ雑炊”ぼろぼろジューシー”。
シティミティムン(朝食)の一例。写真は自家製サンド。
心づくしの“クスイムン”とエメラルドグリーンの美しい海。
心も身体も癒される「泊まれる庭」で、リトリートステイを楽しんでみては。
information
map map
YAWN YARD Kouri Island ヨーン・ヤード古宇利島
住所: 沖縄県国頭郡今帰仁村古宇利1837(sea)
沖縄県国頭郡今帰仁村古宇利1792-1(hill)
TEL: 0980-56-1128
料金: 1棟2名1泊朝食つき45,000円〜、2食つき65,000円〜(税別)
Web: YAWN YARD
1999年に、富良野農業高校、富良野工業高校、富良野高校商業科の2校1学科を併せて
開校した、農業科・工業科・商業科の3学科を有する全道で唯一の富良野緑峰高校。
2025年4月には富良野高校と統合した新設校が誕生のため、
本年度は富良野緑峰高校として最後の1年となっています。
同校で25年の歴史を持つ商業クラブの〈ビーグルCoCo〉は、
地場産品を活用した商品開発などに取り組んでいます。
そんな富良野緑峰高校のビーグルCoCoのメンバー6人が
富良野市と市内事業者である共済農場、地域創生を基幹事業とする
レッドホースコーポレーションと行ったのが
「産官学連携によるふるさと納税共創プロジェクト」です。
同プロジェクトは、富良野緑峰高校の生徒が地域資源の価値や魅力について考え、
それを創造することにより、地元地域に対する誇りと愛着を育むことを
目的として企画されました。
キックオフミーティングにて、ふるさと納税について理解後、ターゲットの
ペルソナを踏まえ、誰にどんな商品を届けたいか、メンバーひとり最低1アイデアを企画。
生徒の企画を元に、協力事業者が開発商品を選定し、商品化に向けて、開発・試食を行い、
決定した商品を7月~9月の富良野市のハイシーズン(グリーンシーズン)に
学校行事や市内イベント、特産品売り場などで販売し、
並行して、ふるさと納税返礼品として登録するまでを
プロジェクト内容として設定していました。
商品開発においては「瓶詰めで保存がきくもの」「甘いもの・塩辛いものが製造可能」
「ソース・ジャム・ドレッシング・味噌であること」「使用可能食材はほうれん草・
チンゲン菜・スナップエンドウ・アスパラ・とうもろこし・トマト・人参のいずれか」
が条件として盛り込まれていました。
銘菓「栗きんとん」で有名な岐阜県恵那市に本店を構える
〈恵那川上屋〉では、併設の〈栗里宿カフェ〉にて、
和栗を使った期間限定スイーツ「栗一筋」を2025年1月上旬まで販売。
2012年にスタートしたという「栗一筋」は、
これを目当てにカフェを訪れる人が多いというほどの人気商品です。
60周年を迎える今年は、さらに栗の香りが引き立つよう
おいしさをリニューアルしたそうです。
こう語ってくれるのは、〈恵那川上屋〉マーケティング部の井戸奈緒美さん。
「栗一筋」1650円。賞味期限30分というサクサクのメレンゲと、なめらかな栗のペーストは濃厚なおいしさが絶妙。
「特製の栗の焙煎粉を使ったサクサクのメレンゲに、カスタードクリーム、
生クリーム、黒糖のキャラメルソースを3層に積み上げ、
その上に、栗きんとん約5個分の栗のペーストをたっぷりのせたボリュームのある
逸品に仕上げました。人気のモンブランパフェなどとあわせて、お楽しみください」
モンブランパフェ1100円 。チョコクランチ、ブリュレ、キャラメルソース、栗ソフト、パイの上に、マロンクリームを贅沢に盛ったパフェ。
1964(昭和39)年創業の〈恵那川上屋〉では、創業当初から
素材のおいしさを伝えたいとていねいな菓子づくりにこだわってきました。
栗菓子をはじめ、生み出されたアイテムは、1000種類以上にものぼるといいます。
和と洋を越えた独創的な菓子のアイディアは、
菓子職人たちの日々の努力のたまもの。
現在でも、職人が創意工夫をこらし、とことんおいしさにこだわっています。
店内の工房では職人さんの菓子づくりの様子も見ることができます。
自動車産業が盛んな愛知県にある自動車部品メーカーの〈アイシン〉。
「“移動”に感動を、未来に笑顔を。」という経営理念を掲げるアイシンは、
自動車部品メーカーでありながらもエネルギー・住生活関連の製品も手掛けています。
そんなアイシンが2018年に開発したのが
空気中の水分子を世界最小(アイシン調べによる国内外論文及び特許の調査結果)
の水粒子「AIR(以下、アイル)」に変換して放出する技術。
「アイル」は、生体と相性がよく、美容、バイオ、医療、食品、農業、工業など、
生活のさまざまな場面で活用できる可能性を秘めています。
バイオ分野においては、微生物に注目し、健康増進・栄養価向上に寄与できる発酵への
応用展開を目指して、さまざまな大学や企業と連携しながら研究開発を進めてきました。
そして今回、アイシンが「アイル」を活用して生み出したのが
SPARKLING TEA WINEの〈bodhi9(nava)〉(ボーディーナヴァ)です。
お茶を乳酸発酵させた「後発酵茶(こうはっこうちゃ)」で独自製法をもつ
静岡県の〈長峰製茶〉と協業しています。
京都府の最北部に位置する丹後地域。
日本の原風景が残され、土地に根づいたものづくりが今も続いています。
そんな丹後をフィーチャーしたイベントが、
アーバンリサーチが展開する、日本の地域の魅力発信プロジェクト
〈JAPAN MADE PROJECT〉で始まります。
今回は同プロジェクトのなかでも、
各土地の名産品やつくり手たちの想いを届ける
期間限定ポップアップイベント〈SHARE THE LOCAL〉が
9月に東京、10月に大阪で開催。
丹後の26ブランドが集って設立した
〈NEW WeAVE NEW TANGO(ニューウィーブ ニュータンゴ) 〉と連携し、
丹後を拠点に活動するつくり手やメーカーのユニークな作品や名産品が登場します。
大阪から京都府北部ののどかで穏やかな海の城下町・宮津へ移住し、
工房を開いた秋鹿(あいか)さんが手がける〈AIKA CRAFT(アイカクラフト) 〉。
宮津のような素朴であたたかな器をコンセプトに、
自然の風景や素材をテーマにシンプルで飽きのこない器を手がけています。
底面には鹿のシンボルマークが。
丹後の織物文化を用い、趣向を凝らした
オリジナルテキスタイルを展開している〈PARANOMAD(パラノマド) 〉。
「世界にひとつの窓へ、世界に1枚のカーテンをつくりたい」
という思いからスタートした同ブランドならではの、
唯一無二のテキスタイルが見つかるはず。
約1300年続く織物産地である丹後で、「やさしい、を織りなす。」をコンセプトに
丹後ちりめんを使ったアイテムを企画・製造している〈たてつなぎ 〉。
地元の食品メーカーとコラボレーションした
キャッチーなプロダクトは、持っていると一目置かれそうです。
岐阜県飛騨市にて、2024年9月7日(土)に
〈全国薬草フェスティバル in ひだ〉が開催されます。
毎年開催している〈飛騨市薬草フェスティバル〉から名称変更し、
今回が第1回の開催となります。
飛騨市役所 商工観光部 まちづくり観光課 今村彰伸さん。
イベントを担当する今村彰伸さんは、飛騨市出身で、
高校卒業後に地元を離れたのちに、7年前Uターン。
以前は自然に関わる仕事をしていたこともあり、
自然資源である薬草にも興味をもち、
飛騨市役所 商工観光部 まちづくり観光課として、
薬草活用のプロジェクトに参画しています。
「飛騨市では、昔から身近にある薬草を生活に取り入れてきました。
地元でくらす高齢者の話の中にもドクダミ、ヨモギ、ゲンノショウコ、
センブリ、ナツメ、エゴマなどの薬草の話がよく出てきます」
「家族により活用頻度などは異なりますが、
薬草を使用したお茶や料理などは地域全体で伝わっています。
しかし、西洋医学の普及に伴い、飛騨でも
民間薬的なものは使われなくなっているのが実情です」
「今回のイベントは、昔の知恵を残すことも目的のひとつですが、
地域資源を掘り起こし、その価値を見直すことが、
地域住民のシビックプライド醸成につながり、
地域の活性化に寄与するという考えのもと活動しています」と今村さん。
薬草を柱に地域交流やまちおこしなどに注力しています。
これまでの薬草フェスティバルは地域住民への薬草普及を大きな目的としていましたが、
イベント名を〈全国薬草フェスティバル〉に改名したのは、
飛騨市が全国の薬草関係者の受け皿となり、
薬草好きが交流する場を提供したいという思いからです。
この交流が地域の健康意識向上にもつながることを信じ、
地元の老舗料理旅館、全国と交流を深める薬草絵手紙メンバー、
飛騨市に移住してきた若者たちなど、官民が一体となってイベントを盛り上げていきます。
青森県八戸市の中心街に古本屋〈ジェロニモ〉がオープンしました。
八戸市は2014年から「本のまち八戸」をスローガンに、
公共施設として〈八戸ブックセンター〉を運営するなど、
市民が暮らしのなかで本に触れる機会を増やしてきました。
本を扱う〈ジェロニモ〉は、八戸市らしい店といえるでしょう。
お客さんには役場の職員など自治体関係者も多い。
ジェロニモというのは、実在したネイティブアメリカンの戦士の呼び名です。
彼はアメリカ大陸に進出する白人に抵抗し、最後まで勇敢に戦ったことで知られています。
全国の本屋の数は、ここ20年間で20880店舗から10918店舗と
およそ半数に減っています(出版科学研究所調べ)。
そうしたなか、古本とはいえあえて本屋を始めるには、ジェロニモのような勇気が必要。
そう感じた店主の本村春介さんが、自らを鼓舞する意味もこめて店名にしたといいます。
カウンターの反対側の壁には、印象的な表紙の本がディスプレイされている。
「たくさんの人に来てほしいから」と、本のジャンルは幅広く揃えており、
カウンターでドリンクも提供しています。うれしいことにお酒も飲めます。
ドリンク片手に店内をブラブラし、椅子に座って試し読みもできるため、
居心地よくて長居してしまいそう。
店内の至るところにドリンクを置ける場所がある。
立地は、八戸市の中心街の真ん中にあるビルの3階です。
「いい場所にあるでしょ。1本隣の道は飲み屋街だし、横丁も近い。
だから、0次会にも使ってほしいですね。『飲み会までまだ時間あるな』ってときに、
ここで1杯飲んだり本を読んだりして、時間をつぶすとちょうどいいと思います」
〈ジェロニモ〉の営業時間は13:00から19:00と、店が閉まる頃には
飲み会もスタートするタイミング。待ち合わせ場所にもぴったりです。
店を目がけて訪れる人を優先するため、看板はあえて控えめ。
UNTITLED(THE JEANS IN KYOTO #51–402)2024 ©︎GOTTINGHAM IMAGE COURTESY OF JAPAN BLUE, AS AND STUDIO XXINGHAM
世界屈指のデニム産地、岡山・児島で
2006年にスタートしたデニムブランド〈MOMOTARO JEANS〉。
デニム製造の知見と、
染め・織り・縫いの徹底的な探究によって生まれる最高峰のジーンズを、
世界26か所の国と地域に展開しています。
“UNTITLED (THE JEANS IN KYOTO #51–402)”, 2024 ©︎ GOTTINGHAM IMAGE COURTESY OF JAPAN BLUE, AS AND STUDIO XXINGHAM
そんな同ブランドが、さらなるグローバル展開をするにあたり、
京都にブランドの世界観を体感できる新店舗を2024年7月13日にオープンさせました。
青森県八戸市。コロカルにも何度も登場しているお馴染みのまちですが、
「八戸」という字を初めて見て、「はちのへ」と正しく読める人は、
そう多くないのでは?
この「戸」を「のへ」と呼ぶ地名は、
青森県東部から岩手県北部にかけて一戸、二戸と続き、
四戸を飛ばして九戸まで存在します。
さかのぼること平安時代末期、これらの地域は馬の産地として有名でした。
「戸」には「牧場」という意味もあることから、
地域を9つに分けて馬産を管理していたことが、戸の始まりだといわれています。
鎌倉時代に入ると戸の地域は南部藩の領地となり、
明治時代の廃藩置県によって、一戸と二戸、九戸は岩手県に、
三戸と五戸、六戸、七戸、八戸は青森県に分かれました。
とはいえ、地域に伝わる食や言葉などから、
文化圏としてはいまも同じだということがわかります。
こうした戸に根づく文化を、
現代の視点で編集・デザインをするプロジェクトが〈のへの〉です。
主宰しているのは、青森県八戸市のデザイナー・編集者である髙坂真さん。
髙坂真さん。自作のZINE『のへの』と。
「藩政の区分って、いまみたいに自動車もなく移動が困難だった時代のものだから
地形的にも理にかなっているんです。
例えば、同じ青森県内でも八戸から津軽までは山を越えないと行けませんが、
同じ南部藩だった岩手県北部は行きやすくて、心理的にも遠くない。
〈のへの〉の活動によってこのエリアの人たちがつながって、
お互いに助け合えるような関係性ができたらいいな、と思っています。
県は違っても、いろんな輪があるといいですよね」
戸(オレンジ色)と、その周辺地域(黄色)が、〈のへの〉が編集するエリア。
〈のへの〉の活動のひとつに、
戸のものづくりや文化を発信するZINE『のへの』の制作があります。
企画から撮影、執筆、デザインすべてを髙坂さん自身で行っています。
2018年に発行し、現在は〈のへの〉のサイト上で閲覧できる
『のへの ISSUE1』は、八戸市にも残る活版印刷所を取り上げており、
復刻版が2号の付録になっています。
2021年に発行した『のへの ISSUE2』では、
八戸市に伝わる郷土玩具「八幡馬」のつくり手を訪ねています。
そして、完成したばかりの『のへの ISSUE3』では、
戸に唯一残る昔ながらの染物屋に取材。
さらに、エリア内の30の風流山車まつりを紹介しています。
国内外から年間5000万人を超える観光客が訪れる京都で、
半数以上の観光客が足を運び、四条祇園エリアを代表する、京都最古の禅寺〈建仁寺〉。
こちらで、夜間を特別に開放し、脳をととのえるニューロミュージックを聴きながら、
回廊を巡るサウンドアートナイトイベント「ZEN NIGHT WALK KYOTO」が、
9月22日まで開催中です。
宋で禅を学んだ栄西が、1202年に中国の百丈山を模して建立した、京都最古の禅寺〈建仁寺〉。ⒸVIE / ZEN NIGHT WALK KYOTO 2024
800年以上仏法を伝承する場として、
伝統を大切にしながらも、新たな取り組みにも挑戦。
同イベントは、建仁寺法堂にある迫力ある天井画「双龍図」でも
有名な日本画家・小泉淳作の生誕100年を記念した回顧展の一環として
ニューロテクノロジーと音楽を融合したプロダクト開発を行う、
スタートアップ企業〈VIE(ヴィー)〉と〈日本経済新聞社〉が主催。
8月1日にはトークイベントを開催。(左から)VIE代表取締役・今村泰彦、建仁寺内務部⻑・浅野俊道、DJ・Licaxxx、VIEチーフミュージックオフィサー・藤井進也、アーティスト・脇田玲。ⒸVIE / ZEN NIGHT WALK KYOTO 2024
イベントの見どころについて、建仁寺の浅野俊道さんは、
「現代のサイエンスや音楽などの最先端技術を利用し、
庭園や絵画に込められた思いや意味を思い浮かべながら、
ぜひ見て、聴いて、身体で感じて、自分自身の心と向き合える、
唯一無二の体験になったら」と来場を呼びかけました。
ⒸVIE / ZEN NIGHT WALK KYOTO 2024
境内に設置されたスピーカーは、
どの場所から音が流れているのかわからないように、
細部まで計算されたこだわりも。
脳波のある帯域を増強・減衰するためにデザインされた音楽として、
「集中」「リラックス」効用があるニューロミュージックの音と静寂、
光と影を感じながら、昼間の表情とは違う、
幻想的でマインドフルネスな体験を楽しめます。
緑豊かな里山で、地産地消のおいしい食事と温泉が楽しめる
〈Onsen & Garden 七菜〉が、2024年4月にグランドオープン。
金沢市の中心から車で20分、都心の喧騒を離れた場所に、
飛騨から築200年以上の古民家を移築した、心癒されるホテルとなっています。
オーナーである徳山相哲(とくやまそうてつ)さんと菜月(なつき)さん夫妻は、
ともに東京都の出身。前職も中学校の先生と会社員という、
田舎暮らしとも、ホテル業とも、無縁の生活を送っていたふたりでした。
それが都会での生活に息苦しさを感じるようになり、地方移住を考え始めたのだとか。
おふたりの好きな里山の風景を見ながら、テラスではバーベキューが楽しめる。
「もともとエネルギー問題や自然環境に関心があったのですが、
子どもが生まれたことで、より自分らしく生きられる環境に身を置きたい、
人として無理なく生きられる環境で、職住一体となる場所に移りたい
という思いが強くなりました。
そして、普段都会で生活されている方や近郊で働かれている方たちにも、
同じように自分らしさを取り戻せる場所を提供したいと思うようになり、
ホテルの運営ができる移住先を探すなかで、この温泉地の権利を手放したいという
オーナーの知人と出会えたんです」と菜月さん。
こうして、コンサルティング会社を経営するお父さんの会社の一部門として、
ホテル事業がスタートしました。
さらに驚くのは、このホテルのエネルギーが、
夫の相哲さんが構築した自家発電によるものだということ。
ホテルをつくるときに、出来る限り、二酸化炭素を出さない持続可能な
エネルギーシステムにしたいと考え、
太陽光発電と温水施設でほぼ、まかなえる設計となっています。
「この土地のメリットを生かし、熱エネルギーと電気エネルギーをあますところなく
活用するにはどうしたらいいのか、1年ぐらいかけて構築しました。
未経験のなかで、全体が理解できる専門家がいないので、それぞれの分野の
専門家の方に聞きながら、トータルのシステムを考えました」と相哲さん。
現在、ホテルの主な電気は太陽光発電、給湯は温泉廃熱・太陽熱・
地域の間伐材を活用した薪ボイラー、その熱利用での全館床暖房となっているそうです。
また、高温の温泉水や廃熱利用や太陽温熱による給湯、さらに蓄電池、
電気自動車に蓄電した電力を住居、建物にまかなえる仕組みとなっています。
今後は、北陸地域が11月以降、雨と雪の時期が長いこともあり、
山水や融雪システムなどの導入を利用した水力発電も試作していくのだとか。
靴下の三大産地のひとつとして、明治時代から約130年に渡り、
日本の靴下文化をけん引してきた兵庫県。
紳士用の靴下においては、日本一の生産量を誇ります(※2022年時点)。
しかし近年輸入が拡大し、海外製品が安価に出回るようになり
靴下三大産地のひとつとされる兵庫県の靴下業界、ならびに組合もその影響を受け、
会員企業数も減少し続けています。
国内の靴下産業全体も例にもれずそのあおりを受けており、
「日本靴下協会・日本靴下工業組合連合会による靴下統計情報」によると
国産靴下の製造量は年々低下しています。
そんな兵庫県靴下工業組合が、兵庫県産の靴下の魅力を広めようと立ち上げたのが
地域ブランドの〈Hyogo Quality〉です。
研修を通じて新たに開発した新商品を〈Hyogo Quality〉のブランドをつけて販売し、
兵庫の靴下産業を盛り上げる取り組みになっています。
各事業者の強みを活かした付加価値の創出とブランディング戦略で販売を促進し、
「兵庫の靴下」を全国有数の地域ブランドへと成長させるため、
BAN-BANネットワークス株式会社の協力のもと立ち上がりました。
新商品開発に向けたワークショップ型研修とその後の商品化に向けた支援を行ったのが、
マクアケが展開する企業の中の研究開発技術を生かした製品プロデュース事業を行う
〈Makuake Incubation Studio(以下、MIS)〉。
今回実施されたワークショップ型研修では、各社が自社技術の強みを定義したうえで
その強みを生かした商品を企画し、販売時の価値設計までが行われました。
在庫を持たずともテストマーケティングとして活用できる
「Makuake」でのプロジェクト実施を見据えた企画です。
プロジェクト終了後にはその結果を元に市場のニーズの
把握やアイデアの仮説検証、およびブラッシュアップも今後行われるそうです。
雄大な自然に囲まれた岐阜県は、日本三大清流で知られる
長良川が流れる自然豊かなまちです。
今回は、郡上おどりや水のまちとして知られる郡上市や
町家が軒を連ねる川原町へ夏の涼さがしの旅に出かけます。
名古屋駅から在来線を乗り継いで美濃太田駅へ。
そこから長良川鉄道に乗りかえ、一両編成のローカル電車に揺られながら、
目的地の郡上八幡駅までのんびり向かいます。
車窓から一望できる長良川は透明度が高く、
鉄橋から眺めても、岩が透けて見えるほどです。
長良川鉄道は、観光列車の「ながら」を金曜、土曜、休日など
年間150日ほど運行しています。
同車両は、数々の列車を手がけた工業デザイナーの
水戸岡鋭治氏がデザインしたユニークな列車。
車内では、岐阜県の食材を知り尽くした地元シェフによる料理が味わえます。
旅情感あふれる鉄道の旅を楽しみながら、1時間20分ほどで郡上八幡駅に到着。
木造のレトロな駅舎に郡上おどりのちょうちんがぶら下がっていました。
〈郡上八幡城〉は、戦国時代末期の永禄2(1559)年、
遠藤盛数によって砦が築かれたのがはじまり。
現在の城郭一帯の石垣すべてが県の史跡に指定され、
天守閣は市の有形文化財に指定されています。
郡上八幡城は、戦災消失前の大垣城を参考に、昭和8(1933)年に建てられており、
現存する木造再建城としては日本最古の城といわれています。
天守閣から爽やかな風を感じながら城下町や奥美濃の山々が一望でき、
春は桜、夏は青モミジ、秋は紅葉、冬は雪化粧と四季折々の美しい景色が楽しめます。
information
郡上八幡城
住所: 岐阜県郡上市八幡町柳町一の平659
TEL: 0575-67-1819
営業時間: 9:00~17:00(6~8月は8:00~18:00、11~2月は9:00~16:30)
Web: 郡上八幡城
8月も35度超えの猛暑日が続いている福岡。
昼間はまだかなり体に堪える暑さですが、
夕方以降なら「出かけてもいいかな?」と思える気温になってきました。
福岡市動植物園では8月から9月の第2週にかけて、
毎週土曜日に「夜の動植物園」が開催されています。
イベントのビジュアルは、大分県在住の画家・北村直登さんとコピーライター・岡田賢さんによる作品。
福岡市動植物園の「夜の動植物園」は、1998年に始まった人気イベント。
通常17時までの開園時間を21時まで延長、
動物のエサやりタイムや温室のライトアップのほか、グルメ、ライブ、ワークショップなど、
老若男女が楽しめるさまざまなイベントが用意されています。
今年は9月14日(土)が最終日です。
そんな「夜の動植物園」における、5つの楽しみ方をご紹介します。
夜に活動的になる夜行性動物の生態をじっくり観察したり、
“推し”の動物たちを心ゆくまで眺めたり……
それだけで、夏の疲れがじんわり癒されるようです。
飼育担当職員さんによる「ZOOスポットガイド」や夜の給餌(エサやり)などのイベントも大人気。
お気に入りの動物のお食事風景を見逃したくない人は、公式サイトの「イベント情報」に掲載されている
タイムテーブルを事前に確認しておくと便利ですよ。
福岡市動植物園の広報担当者さんによると、
「日没とともに開花するオオマツヨイグサの観察も大人気」とのこと。
開花予想時間は18時30分ごろ(日の入)から約30分間、場所は針葉樹花壇です。
綿毛のような花が美しいサガリバナや、小さいお子さんを乗せられるほど
大きな葉が特徴のパラグアイオニバスも、夜だけの表情を見せてくれます。