伝統芸能を未来につなぐ。 岐阜市で芸舞妓を養成するスクール開校

三味線や長唄に合わせ、美しい着物に身を包んだ芸舞妓の姿は、
日本の伝統芸能のきらびやかな美しさを表現し、見るものを惹きつけてやみません。
しかし、こうした伝統芸能を受け継ぐ人たちは、減少の一途をたどり、
風前の灯火となっています。

岐阜県岐阜市の芸舞妓が所属する団体、鳳川伎連(ほうせんぎれん)が
母体となり、新たな人材育成の取り組みとして、
2024年4月、遊宴文化の担い手を育てる岐阜伎芸学院を開校しました。

開校式の様子

2024年4月、開校式の様子。

おもてなしの心を育て、日本文化を学び伝える

岐阜県長良川流域は、古くから美濃和紙、和傘、岐阜提灯といった
伝統工芸の盛んな地域でした。古式ゆかしい1300年の歴史を持つ
「長良川鵜飼」でも有名な場所です。
日本文化を通しておもてなしを伝える花柳界も、江戸、明治の頃から、
町衆・旦那衆に支えられ、発展してきました。ここ岐阜では、
昭和の初めには、500名もの芸舞妓が活躍していたのだとか。

しかし、時代の変遷とともに伝統工芸品の生産量が減少し、
町の活気も失われていきました。
そして、それは遊宴、伎芸文化の世界にも波及し、
現在では14名の芸妓で、お座敷や宴席を支えるほどとなっています。
しかし、その一方で、映画やドラマで取り上げられる舞妓の姿に関心を持つ
若い世代や外国の観光客は年々増加。「舞妓さんのような着物を着てみたい」
「踊りを習ってみたい」「所作を知りたい」といった憧れの声が
高まってきているのです。

長良川での船遊びの様子

岐阜・長良川での船遊び。

専科だけでなく、幅広いニーズに応えるカリキュラムを提供

「本来、芸舞妓の育成は、町ぐるみで歴史や文化を伝え、
作法や精神性を女将さんたちとの生活の中で受け継がれてきたのです。
しかし、時代の変化、ライフスタイルの変化で、そういった徒弟制度が難しく、
体系的に教えていくための学校の必要性を感じ、スタートしました」と
語ってくれたのは、岐阜伎芸学院の代表理事である
小野崎隆賢(おのざき りゅうけん)さん。

小野崎隆賢さん

岐阜舞妓の育成、長良川船遊びなど遊宴文化の研究・再生に取り組む。小野崎隆賢さん。

岐阜伎芸学院では、今まで18歳以上しか受け入れていなかった
お茶屋での舞妓修行を、中学卒業と同時に学べる高等科を設置。
芸舞妓への稽古に取り組みながら、中京高校の通信制と提携し、
サポート校として高校卒業資格を取得できる独自のカリキュラムをつくりました。

「3年間で芸舞妓の基礎の部分を習得してもらい、その後は専科へ進み、
本格的な芸舞妓の養成を行っていきます。
また、今後は裏方を育てるコースも設けていく予定です」と理事の芳川辰次(よしかわたつじ)さん。

高校を卒業して、舞妓としての技能、訓練を学ぶための予科や
芸妓を目指す専科、さらには、小中学生が習い事の一貫で通い学べる中等科や、
社会人が三味線や日舞を学べる別科といったそれぞれのニーズに沿った
専攻課程を設けています。

通信課程で勉強中の生徒

通信課程での勉強も並行して学ぶ。

新潟・妙高の古民家を再生した 里山生活を体験できる宿泊施設 〈MAHORA西野谷〉

日本の古きよき里山の自然環境を味わえる一棟貸しの宿

築約120年の古民家を再生した〈MAHORA西野谷〉は、
1棟1組限定の宿泊施設です。
妙高連峰を望む伸びやかな田園風景の中に佇んでおり、
建築や食事、アクティビティなどを通じて、
地域の豊かな自然や文化に触れながらリフレッシュできます。

MAHORA西野谷のあるエリアからは妙高山、
火打山など複数の「日本百名山」の風景が楽しめます。
なかでも妙高山は初心者でも登りやすく、多くの登山客が訪れるメッカです。
また車で5分のロッテアライリゾートをはじめ、
複数のスキー場に近接しています。
夏はトレッキング、冬はスキーやスノーボードを楽しむことができ、
妙高山麓には7つの温泉(赤倉、新赤倉、池の平、妙高、杉野沢、関、燕)が集まる
「妙高高原温泉郷」もあります。

妙高連峰の雪景色。

妙高連峰の雪景色。

恵まれたリゾートコンテンツを擁する一方で、
高齢化や後継者の不在といった課題に直面し、
農業の担い手不足や空き家問題に悩む地域でもあります。
このMAHORA西野谷も、10年以上空き家となっていた民家を改修し、
生まれ変わったものでした。

「建物は約120年前につくられたそうです。
しばらく空き家でしたが、次世代へとつなぐため、宿として再生することにしました」

玄関で出迎える蔡さん。

玄関で出迎える蔡さん。MAHORAは「すばらしい場所」を意味する古語に由来。

そう語るのは宿を運営する合同会社穀宇の共同代表、蔡紋如(サイ・ウェンル)さん。
2010年にワーキングホリデーで台湾から初来日し、
結婚を機に2014年に妙高に移住。
夫と農業を営み、妙高市のインバウンド誘致の仕事に関わるなかで、
「もっと日本のよいところを多くの人々に知ってほしい」という思いが募り、
この施設を立ち上げたそうです。

中に入ると吹き抜けの土間があり、梁の存在感に驚かされます。

「1902年5月、この地を襲った土石流により約30戸が被害を受け、
その後安全な土地に再建された住居のひとつがこの民家だそうです」

柱や梁は再利用されたものも多く、
よく見ると部材に以前の住居のためのホゾ穴などがたくさん残っています。
120年をさらに遡る、長い歴史がうかがえます。

玄関を入ると広がる土間。

玄関を入ると広がる土間。上部に太い柱や梁が縦横に走り、迫力があります。

Webでは約2時間で完売! 新発売〈白い恋人ロールケーキ〉の 開発秘話や購入可能先を担当者に直撃

長時間の持ち歩きにも対応した“北海道土産の新星”

北海道土産の定番として人気の高い〈白い恋人〉がロールケーキになった、
その名も〈白い恋人ロールケーキ〉が6月14日から一般販売を開始しています。

真っ白なスポンジケーキで〈白い恋人〉のホワイトチョコレートクリームを包んだ
この商品は、今年4月に〈松坂屋〉名古屋店と上野店で開催された北海道物産展で、
ひと足早くお披露目。

期間中、両店舗合わせて4000本以上を売り上げる大人気商品となりました。

〈白い恋人ロールケーキ〉

真っ白な雪原を思わせるロールケーキは、生地に卵黄を使用せず、
卵白をベースに製造。

クリームには、〈白い恋人〉と同じホワイトチョコレートを使い、
ふわふわの食感に仕上げています。

しっとりとした食感の生地とミルキーでコクのあるクリームは、
新たな〈白い恋人〉の世界観を感じさせるよう。

〈白い恋人ロールケーキ〉

白い恋人ロールケーキ2160円。商品コンセプトである「北海道の新雪が降り積もった雪原」をイメージした純白のパッケージに、きらめく雪を銀箔で表現。

誰も見たことがない本殿・拝殿を。 伝統技術でつくる、 あたらしい〈鳥飼八幡宮〉

福岡市の都心部を走る明治通りに面し、
近くには球場や大型商業施設があり、周囲に住宅とマンションが建ち並ぶ。
〈鳥飼八幡宮〉は、そんなにぎやかなエリアにあります。

鳥飼八幡宮の歴史は古く、『古事記』や『日本書記』にも登場する
神功皇后のゆかりの地として、社殿を建てられたのが発祥と
伝えられています。

まちがめまぐるしい変化をとげてゆくなか、神社は変わることなく、
人々を出迎えてきました。

そんな鳥飼八幡宮が、「遷宮」(神社の改築や修理)によって
大きく姿を変えたのは、一昨年のこと。

もっとも驚かされるのは、壁全体を茅(かや)で葺かれた拝殿の圧倒的な存在感。
「神社」という建物のイメージを覆すその姿は、いったい、
どのようにして生まれたのでしょうか。

〈鳥飼八幡宮〉

神様のいる場所を、常にみずみずしく

鳥飼八幡宮ではもともと、25年おきに遷宮を行ってきました。

ただしこれまでは、歴史ある本殿・拝殿を改修したり増築したりする、
小規模なものだったそうです。

しかし、今回の遷宮にあたり調査を行ったところ、建物の老朽化が著しく、
建て替えなければならないことが判明。

老朽化とはいえ、古くからある建物を壊し、つくりかえることに
抵抗はなかったのでしょうか。

鳥飼八幡宮で神職をつとめる高野さんに尋ねると、
「常若(とこわか)」という言葉を教えてくださいました。

「常若」とは、神様をお祀りする場所を、常にみずみずしく
きれいに保つ、という考え方。

たとえば伊勢神宮では、1300年も前から、20年ごとに
まったく同じ建物をつくり替える「式年遷宮」を行なっています。
それは、こういった考えに基づくものなのだそうです。

「わたしたちは、以前と同じ建物をつくるのではなく、
『あたらしい神社』をつくろうと考えました」と高野さん。

「『あたらしい』というとすこし語弊があるかもしれません。
神道の歴史は縄文時代からありますが、実ははっきりとした教義はないんです。
ですから、これを機に、古くからつづいてきた信仰のかたちを、
固定観念にとらわれずに一から考えてみよう、そして、
それがきちんと伝わる建物をつくろう、と考えたのです」

壁全体を茅(かや)で葺かれた拝殿

鳥飼八幡宮の式年遷宮は、2023年度福岡市都市景観賞・大賞を受賞しました。

二宮さんが描いたイメージ図(提供:二宮設計)

二宮さんが描いたイメージ図(提供:二宮設計)

誰も見たことがない本殿・拝殿を

「あたらしい神社」の設計を依頼されたのは、
福岡市内に事務所を構える〈二宮設計〉の二宮隆史さん・二宮清佳さん
夫妻でした。

二宮夫妻は、鳥飼八幡宮の山内宮司から、
「誰も見たことがない本殿・拝殿を」
というオーダーを受けたのだそう。

二宮隆史さんに、その頃のお話をうかがいました。
「誰も見たことがないもの……とはいえ神社であるからには、
地域の方々に納得してもらえるものにしなくては……」と、
アイデアを模索していた二宮さん。

幾度となくスケッチを描き、山内宮司と何度もイメージをすりあわせ、
検証を重ねて、巨石と茅葺で拝殿をつくる構想がまとまりました。

高野さんはいいます。
「巨石信仰は、世界共通の信仰のかたちなんです。いつの時代の人が見ても、
たとえば、ここがいつか埋まってしまったとしても、発掘された時に
『神聖な場所だったんだ』ということがすぐわかる」

天然の素材と、伝統的な技術で、あたらしい神社をつくる。
そうすればきっと、訪れた人に愛着を持ってもらえるはず。

こうして、あたらしい拝殿は、十本の巨石を柱とし、
外壁全体を茅葺にすることが決まったのでした。

茅(かや)で葺かれた拝殿

茅(かや)とは、ススキやヨシなどを束ねたもの。束ねることによってできる隙間が空気の層となって、通気性、断熱性、保温性を高めているのだそう。

神様がいらっしゃる本殿

神様がいらっしゃる本殿は、拝殿の奥に。

〈AOMORI GOKAN アートフェス 2024〉 初夏の青森でアートを堪能しよう!

青木淳『つらなりのはらっぱのための壁』2024年

個性豊かな5つの美術館・アートセンターが連動して展覧会を開催

あっという間にアートのまちとして有名になった青森県。
現在、同県の5つの美術館・アートセンターでは、各館のキュレーターが協働し、
それぞれの館の特徴を生かした多様なプログラム
〈AOMORI GOKAN アートフェス 2024〉が
9月1日(日)まで開催されています。

青森でのアート体験を通して、県民や観光客の
地域の周遊を喚起するプロジェクト
5館が五感を刺激する―AOMORI GOKAN〉の
一環としてスタートしたこのアートフェス。

今回は「つらなりのはらっぱ」をテーマに、
青森県立美術館、青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)、
弘前れんが倉庫美術館、八戸市美術館、十和田市現代美術館の5つの施設が、
それぞれの個性を生かし、同県の多様な文化と魅力を伝えます。

美術館全体を巡ることでアートの魅力を体感

井田大介 〈Synoptes〉 2023年

井田大介『Synoptes』2023年

同館を設計した青木淳氏の「原っぱ」論から、
それぞれの展示室を「原っぱ」とし、館内外の至るところで
アートを発見、鑑賞、体験できる場を設置。
美術館全体に大きな「つらなり」を生み出しました。

「かさなりとまじわり」をテーマに、
美術館の各空間が「かさなり」、
作品を通して、青森の自然と人間の「まじわり」、
死んだものと生きているものの「まじわり」、
現代社会の姿とこれから未来を切り拓いていく人たちとの「まじわり」
の諸相を浮かび上がらせていく構成となっています。

information

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かさなりとまじわり

期間:開催中〜2024年6月23日(日)、7月6日(土)〜9月29日(日)

開催場所:青森県立美術館 コミュニティギャラリー、エントランスギャラリー、コミュニティホール、ワークショップエリア及び野外

住所:青森県青森市安田近野185

時間:9:30~17:00(最終入館16:30)

休館日:第2・第4月曜および6月24日(月)~7月5日(金)

観覧料:一般900円(700円)、高大生500円(400円)、小中学生100円(80円)

※コレクション展とセット料金

※( )は20名以上の団体料金

※心身に障がいのある方と付添者1名は無料

Web:青森県立美術館 公式サイト

流動する今を、多彩なアーティストたちが表現

岩根愛〈The Opening〉2024年

岩根愛『The Opening』2024年

国際芸術センター青森(ACAC)では、現在や海流や気流などの流れを示す「current」と、
水面下の流れや暗示を意味する「undercurrent」をキーワードに、
ある場所とかかわり合いながら表現を行う国内外のアーティストや、
青森にゆかりある表現者たちの作品を展示。

出展作家は同じですが、会期半ばで展示の入れ替えがあり、
前期と後期で2度足を運ぶのもおすすめです。
実験的な表現から、今という時間軸の無限さを感じられることでしょう。

information

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currents / undercurrents -いま、めくるめく流れは出会って

期間:開催中〜2024年6月30日(日)、7月13日(土)〜 9月29日(日)

開催場所:青森公立大学 国際芸術センター青森

住所:青森県青森市合子沢字山崎152−6

時間:10:00~18:00

休館日:期間中無休

Web:青森公立大学 国際芸術センター青森 公式サイト

蜷川実花の壮大な作品を弘前れんが倉庫美術館で

蜷川実花 〈Sanctuary of Blossoms〉 2024年

蜷川実花『Sanctuary of Blossoms』2024年

弘前れんが倉庫美術館での
展覧会「蜷川実花展 with EiM:儚くも煌めく境界 Where Humanity Meets Nature」では、
写真家・映画監督の蜷川実花が、データサイエンティストの宮田裕章、
セットデザイナーのEnzo、クリエイティブディレクターの桑名功らと結成した
クリエイティブチーム〈EiM〉との協働により実現した大規模な作品が登場。

蜷川氏が、弘前で撮影した桜の写真など、
人の手とまなざしに育まれた花や木々を捉えた作品群も展示されています。
展覧会を通じて、人間と自然との関係性や蜷川氏のフィルターを通した
美しい自然の営みを発見することができるのでは。

狩野哲郎 〈あいまいな地図、明確なテリトリー〉2024年

狩野哲郎『あいまいな地図、明確なテリトリー』2024年

また、もうひとつのメイン企画である「弘前エクスチェンジ#06『白神覗見考』」は、
青森県南西部に位置し、弘前市を含む津軽平野を流れる
岩木川の源流の地でもある白神山地をテーマに実施する
リサーチ・プロジェクト。

狩野哲郎、佐藤朋子、永沢碧衣、L PACK. の4組のアーティストたちが、
作品展示や、ワークショップ、トークイベントなどを実施します。
古くから人々の生活を支えてきた川の源となる山々に目を向け、
そこに息づく動植物や人々の営みの時間が積み重なる景色に触れることで、
いつもの風景が異なるものに見えてくるきっかけとなることでしょう。

information

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蜷川実花展 with EiM:儚くも煌めく境界 Where Humanity Meets Nature
弘前エクスチェンジ#06「白神覗見考」

期間:開催中〜~9月1日(日)

開催場所:弘前れんが倉庫美術館

住所:青森県弘前市吉野町2−1

時間:9:00~17:00(最終入館16:30)

休館日:火曜 ※8月6日(火)は開館

Web:弘前れんが倉庫美術館 公式サイト

『新潟古町100選』 古町界隈で暮らす人や働く人が選ぶ 100通りの過ごし方

新潟古町から感じる、愛すべき“地元力”

JR新潟駅から萬代橋の方面へバスで7〜8分の古町エリア。
1番町から13番町まである、新潟最大の市街地です。
この古町を愛する人たちのまちでの過ごし方を
100個のコラムとしてまとめたローカルガイドブック『新潟古町100選』が、
2024年1月に発売され、早くも重版がかかったそうです。

この本は古町界隈で暮らす人や働く人、クリエイターや作家、
飲食店の店主、行政職員などが、
人に教えたくなる古町での過ごし方を100個集めたローカルガイドブックです。
県外から観光や仕事で来訪する人はもちろん、
日英2か国語なので、外国の人にもその魅力が伝わる内容です。

紹介されているのは、グルメ、カルチャー、音楽、アート、酒、風景。
たとえば、喫茶店〈ナッツ〉上大川前店で食べるモーニングセットや、
〈ブルーカフェ〉で窓の外の並木道に季節を感じるなどなど……
その「場」への親しみやすさを感じさせるだけでなく、
著者陣が足繁く通っているからこそわかる、ニッチで愛すべき古町のポイントは、
文字数こそ少ないけれど、しっかりとツボを抑えています。
流行やハイセンスなものばかりではない魅力は、これぞ“地元力”。
100もあるのでみなさんにも絶対に刺さるものがあるはず。

物語のあるガストロノミー体験を! 古民家を改修した食の複合施設 〈narawashi nagaya〉が 奈良・今井町にオープン

奥まった路地にある長屋を再生
新しい奈良の食文化発信地へ

奈良県橿原市の中部にある、今井町。
国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定され、江戸時代の風情が今も
色濃く残ります。多くの古民家が立ち並び、散策にもぴったりのエリアです。
このまちを南に歩き進めた奥にある、築約150年の長屋を改修・再生。
4つの店舗からなる食の複合施設〈narawashi nagaya(ならわしながや)〉が
2024年6月1日にオープンしました。

〈narawashi nagaya(ならわしながや)〉

伝統的な長屋の趣を大切にしながら、約半年かけて改修。

手がけたのは、文化財や古民家を守って生かすまちづくりを行う
〈株式会社narrative〉。地域に眠る古民家と食を融合させて
新たな食の物語を紡ぐ「narrative gastronomyプロジェクト」のひとつです。
長年空き家となっていたため屋内に木が生えているほど傷みが激しかった
という長屋を全面改修し、生まれ変わらせました。
代表の大久保泰佑さんは「生産者と消費者が食を通して直接つながる場に。新しい奈良の食文化を伝えていきたい」といいます。

堀田大樹シェフ(左)と、代表の大久保泰佑さん(右)

堀田大樹シェフ(左)と、代表の大久保泰佑さん(右)

奈良食材を生かしたデザートを
コース仕立てで堪能する特別な時間

店舗のひとつ〈dulce communico(ドゥルケ コムニコ)〉は、
ミシュラン1つ星を獲得したシェフ・堀田大樹さん監修のデザート専門店。
奈良県内の生産者を巡って集めた食材をふんだんに使った
デザートをコース仕立てで味わえます。

使用するのは「古都華」や「大和橘」といった
奈良のフルーツや大和野菜、県内の牧場から届いた牛乳やチーズ、
奈良県産のはちみつ、スパイスやハーブ類など。
それらを独創的に組み合わせ、目にも美しいひと皿に仕上げていきます。
堀田シェフがメニューのイメージを膨らませ、
パティシエの張替保乃伽さんが具現化。
営業中は主に張替さんがキッチンに立ち、デザートの提供を行います。

デザートコースは2時間制で要予約。季節のジュース、本日のお楽しみ3種、
パフェの3品コース3500円(税込)と、
さらに季節のひと皿、温かいひと皿を加えた5品コース5,000円(税込)があり、
それぞれ1ドリンクオーダー制。料理とワインを楽しむような感覚で、
デザートと紅茶をマッチさせたティーペアリングもあります。

「通りすがりにふらっと立ち寄るカフェに比べると
少し敷居が高いかもしれないけれど、デザートのコースという新しい体験を楽しみに、
ここ今井町を目指して来ていただきたい。
短いコースの中でも、奈良の食材と季節の恵みを味わってもらえたら」と
堀田シェフは話します。

〈dulce communico(ドゥルケ コムニコ)〉コース一例。

コース一例。季節ごとに不定期でメニューが変わる予定。

堀田シェフによる盛り付け実演

内覧会では、堀田シェフによる盛り付け実演と解説が行われました。

設計は建築家・坂茂。 環境にも配慮した 〈豊田市博物館〉が開館

豊田市の「今まで」と「これから」を伝える施設

55年間にわたって愛され、惜しまれつつも閉館した〈豊田市郷土資料館〉。
その歴史と展示内容を受け継ぎつつ、豊田市の未来についても考える
総合博物館〈豊田市博物館〉が、2024年4月26日にオープンしました。

場所は、豊田市の中心市街地。
最寄り駅である豊田市駅から歩いていける距離で、
すぐ隣には〈豊田市美術館〉も並んでいます。

館内には常設展示のほか、屋外展示や庭園もあり、企画展を開催することも。
愛知県豊田市の歴史や人々の暮らし、自然などに、
さまざまな角度からアプローチする施設です。

設計は世界的な建築家

天井には、豊田市章も隠れているとか。

天井には、豊田市章も隠れているとか。

〈豊田市博物館〉に足を踏み入れて気づくのが、
明るく開放的な雰囲気が漂っていること。
豊田市産の木材をふんだんに使用し、
伸びやかで豊かな自然も感じられる空間に仕上げています。

建物の設計を担当したのは、日本を代表する建築家・坂茂氏。
そして、庭園を担当したのはランドスケープ設計者であり、
隣接する〈豊田市美術館〉の庭園も手がけたピーター・ウォーカー氏です。

設計者は公募型プロポーザルでの選定でしたが、坂氏が提案したプランが
隣接する〈豊田市美術館〉との景観の連続性にすぐれていたことや、
再生可能な建材の利用などを盛り込んでいたことが決め手となり、
坂氏に依頼する運びとなったといいます。

再生可能な建材は、館内の随所に見られます。
たとえば、館内の壁の一部で使用されているパイプ。
これは再生紙でできた「紙管」で、軽量かつ頑丈であることから、
坂氏が災害用シェルターの設計でたびたび活用しているものです。

建物には蓄電池つきの太陽光発電も設置し、災害が起きてから
72時間は電力を確保できる仕組みを整えています。
その結果、建物で消費する年間のエネルギー消費量を削減できる建築物の認証である
「ZEB Ready」も取得。これは、新築の博物館としては初めてのことです。

サウナなど温浴施設も充実。 自然に包まれて “自分をととのえる”ホテルが 箱根・宮城野エリアにオープン

自然とひとつになるウェルネス体験を提供

箱根三大祭のひとつ〈箱根強羅温泉大文字焼〉が行われる
明星ヶ岳(みょうじょうがたけ)の麓に広がる宮城野エリア。

箱根温泉のなかでも、昔懐かしい趣きを残した集落にある
温泉場として知られています。

そんな宮城野の別荘地内に5月17日、〈nol hakone myojindai〉が
オープンしました。

温泉露天風呂付き客室

客室は温泉露天風呂付きタイプから、4人まで一緒に宿泊できるタイプ、ペットと泊まれるタイプまで、全6タイプから選べます。

これまで会員制ホテル〈東急ハーヴェストクラブ箱根明神平〉として
運営されていた建物を改装し、新たにリゾートホテルとして生まれ変わりました。

「nol(ノル)」とは「Naturally(自分らしく、自然体で)」、
「Ordinarily(普段通り、暮らすように過ごし)」、
「Locally(その土地の日常に触れる)」の頭文字を取った造語で、
それぞれの意味のとおり“自分らしく自然体で、普段通り暮らすように過ごし、
その土地の日常に触れる”をコンセプトとしています。

京都市中心街に2020年に開業した〈nol kyoto sanjo〉に続く、
nol2店舗目となります。

温泉を使った屋内プール

温泉を使った屋内プールは、昼と夜で異なる雰囲気に。

nol hakone myojindaiの魅力は、何と言っても自家源泉の
宮城野温泉を引湯した充実の温浴施設。

サーマルプールや大浴場、スチームで温めながら潤うサーマルルームや
高温のドライサウナなどを備え、「ととのいテラス」では箱根の雄大な景色を
望みながら外気浴が楽しめます。

「ととのいテラス」

早雲山(そううんざん)をはじめ、箱根の雄大な景色を一望できる「ととのいテラス」。

また、滞在の間はコーヒーや紅茶など10種類以上のドリンクが
自由に飲めるため、宿泊者に用意されるオリジナルタンブラーに
好みのドリンクを入れて、水分補給をすることも。

ロビーラウンジに並ぶドリンク

ロビーラウンジに並ぶドリンクは、フリーフローで楽しめます。

オレンジ色だけではないんです! 和歌山のみかんの廃材から生まれた 〈みかんくれよん〉

みかんの木のさまざまなパーツから生まれた鮮やかな色

子どものお絵描きアイテムを探している親御さんたち。
〈株式会社はまさと〉が手がける、和歌山県のみかんの廃材を
アップサイクルした〈みかんくれよん〉を手にとってみてはいかがですか?

はまさとは、一次産業の課題解決を目指す和歌山県のベンチャー企業。
「浜と里をもっとおもしろく」をコンセプトに、
県内の生産者を取材・産品を販売する産直ECサイト〈5STAR MARCHE〉の運営や、
生産者と連携しながら一次産業の課題解決と伴走型支援を目指しています。

左から、はまさと代表の南村真衣さん、和歌山県内果物農家の方。

左から、はまさと代表の南村真衣さんと、和歌山県内の果物農家の方。

同社は、県内の生産者への取材・圃場訪問を通し、
「一次産業をもっと身近に感じられるきっかけづくりとなれば」
との思いから、みかんくれよんの商品開発をスタート。

〈みかんくれよん〉

色の種類と活用素材は、

青みかん色:間引きで落とされる摘果みかん

じゃばら色:温州みかんと時期をずらして収穫される雑柑(晩柑)

完熟みかん色:加工品をつくる時に出る、完熟みかんの皮

みかんの枝色:木の健康を保つための選定でカットされた、剪定枝

みかんの炭色:畑に撒かれる、みかんの木が材料の柑炭

全5色展開で、みかんの皮や剪定枝など、
みかんを栽培・販売する過程で出てきる素材を使用しており、
1年間の栽培プロセスを楽しく想像しながらお絵描きできそう。
原材料はすべて自然由来なので、
子どもが口に入れてしまっても大丈夫だといいます。
それはありがたいですね。

食材も調理方法も、思いのまま。 自分だけのひと皿に出合える 〈RESTAURANT NOT A GALLERY〉

五感で楽しむ、新感覚のレストラン

海が見える空間で、アート作品に囲まれながら、
地産の食材を自分好みの調理方法で楽しむ――
そんな感性を刺激されるひとときが過ごせる、
オーダーメイドフレンチレストラン〈RESTAURANT NOT A GALLERY〉が
2024年2月、静岡県熱海市に登場しました。

レストランができた場所は、LAND ART PARK〈ACAO FOREST〉に隣接する高台へ
オープンしたギャラリー〈NOT A GALLERY〉の一角。
海抜約75メートルの高台に位置しており、窓からは美しい相模湾や空を一望できます。

店内には、国内外で活躍するアーティストの作品も展示されています。
目や耳、そして舌でも楽しめるクリエイティブな空間となっています。

シェフとともに自分だけの味を追究

メニューは、コース料理(ランチ8000円~、ディナー1万5000円~)のみ。
ランチは全5品、ディナーは全8品が提供されます。
うち、メインディッシュ(ランチ1皿、ディナー2皿)は
食材や調理方法のオーダーが可能です。

食材は、提携している静岡県内30以上の生産者から仕入れるもの。
伊豆のイノシシやシカ、金目鯛など、新鮮で旬を感じるものを日替わりで仕入れています。

まずは、ワゴンに並ぶ食材から好きなものを選びましょう。
そして「シカはローストにして」「魚介類はシンプルな料理がいい」といったように、
調理方法の希望をシェフに伝えます。

菌の力で心身を豊かに。 “善玉菌リトリート”が体験できる 〈HOLY FUNGUS〉

新しいリトリート施設

“善玉菌リトリート”という言葉を知っていますか? 
日常生活から少し離れて過ごすリトリートに、豊かな自然との触れ合いや
美活アクティビティ、キャンプを組み合わせた、リトリートの新しいかたちです。

そんな新しいリトリート体験ができる施設〈HOLY FUNGUS〉が、
2024年5月、岐阜県郡上市にオープンしました。

善玉菌リトリートという考え方を提唱したのは、
国産オーガニックコスメを手がける企業〈neo natural〉。
約30年前にアトピーの赤ちゃんでも使える石けんづくりからスタートし、
現在はさまざまなコスメ・スキンケア用品を展開しています。

〈HOLY FUNGUS〉があるのは、〈neo natural〉の製品に使用する
ハーブやヘチマなどを栽培している、有機農場のなか。
110年前の古民家を改築したセンターハウス、
ハーブ畑や田んぼなどに囲まれたキャンプサイトとバンガロー、
美しい里山を眺めながらゆったりと過ごせるウッドデッキなど、
さまざまな設備がそろいます。

プライベートスパとフィンランドサウナも完備しており、
自然を感じながらゆったりと過ごせるはず。
滞在中は〈neo natural〉のスキンケア製品も、自由に使用できます。

自然を感じる体験を多数用意

園内では、さまざまなアクティビティにも参加できます。

農場でハーブやヘチマの収穫体験をしたり、緑に囲まれた空間で朝ヨガをしたり……
里山の空気を存分に味わいながら、心身共にリラックスできる時間を
好きなだけ楽しめます。もちろん、キャンプをしたり、
園内を思い思いに散策したりするのも自由です。

体験できるアクティビティは時期によって異なり、田植えや稲刈りができることも。
何度か訪れていくつもの体験に参加し、季節の移り変わりを
肌で感じるのもいいかもしれません。

農場のマスコットであるヤギたちとの交流も、楽しみのひとつ。
のんびりした動きとちょっととぼけた表情にも癒されます。
タイミングが合えば、一緒に散歩もできますよ。

五家宝や軍配せんべいなど 熊谷銘菓3種を使ったパフェが 〈おふろcafe ハレニワの湯〉で販売中

熊谷の魅力を再発見できるパフェ

埼玉県熊谷市にある温浴施設〈おふろcafe ハレニワの湯〉に
併設する〈ハレニワ食堂〉で、6月12日まで「新茶香る
3種の熊谷銘菓盛り合わせパフェ」を提供しています。

〈おふろcafe ハレニワの湯〉

7種類のお風呂とサウナが楽しめる温浴施設のほか、食堂やキッズパークなどを併設する〈おふろcafe ハレニワの湯〉。

使用する熊谷銘菓は、埼玉三大銘菓のひとつにも数えられる
「五家宝(ごかぼう)」、軍配の形が勝運を呼ぶ縁起のよいお菓子として
明治時代から愛され続けている「軍配せんべい」、そしてこれまで
数多くのメディアに取り上げられている「ちーず大福」。

地元のお茶屋さん〈茶の西田園〉の新茶パウダーを使ったパーツをベースに、
〈熊谷きなこ屋〉のひと口サイズの五家宝、〈軍配本舗 中家堂〉の軍配せんべい、
〈沢田本店〉のちーず大福がトップを贅沢に彩ります。

「新茶香る3種の熊谷銘菓盛り合わせパフェ」

「新茶香る3種の熊谷銘菓盛り合わせパフェ」1180円。

「奥・山梨料理」を堪能しながら 新たな食体験を追求する 西湖の新スポット 〈Restaurant SAI 燊〉がオープン。

富士北麓で育った多彩な食材をそのままいただく

富士五湖のひとつである西湖。
そのほとりに新たな食体験ができる複合型レストラン〈Restaurant SAI 燊〉が
2024年6月1日にオープンしました。

Restaurant SAI 燊

Restaurant SAI 燊は、「奥・山梨料理」をコンセプトに
富士北麓の自然に育まれた
ジビエや淡水魚、きのこ、山菜などを使用した多彩なメニューを展開。

「奥・山梨料理」をコンセプトにしたメニュー

「その日採れたものを、そのまま提供することを大切にしています」
と、話すシェフの豊島雅也さんは狩猟資格も持ち、
実際に自ら山に入り狩猟もするのだとか。
自分で採取した食材をふんだんに使い、山梨の魅力を料理で伝えています。

料理長を務める豊島さん

料理長を務める豊島さんは、レストランガイドブック『ゴ・エ・ミヨ』で3度の受賞歴を持つシェフ。レストランのかたわら、狩猟、養蜂、農業、キノコや山菜採取、ハーブ生産にも積極的に取り組んでいます。

料理は旬の食材を使用した
「シェフの本日のお任せコース)」(20,000円(税込)/ドリンクは別途オーダー制)のみ。
季節の素材を最大限生かすため、メニューの内容はその時々で異なるのも
Restaurant SAI 燊の特徴のひとつです。
「生きとし生けるものをすべていただく」ことをモットーに、
スープのブイヨンやスパイスにも、富士山で採集される葉や芽を活用しています。

玉葱の水分のみで茹で上げたスープ

新玉葱のもつ水分を利用し、玉葱の水分のみで茹で上げたスープ。新玉葱の葉も添えてあり、玉葱一個をまるまる食べるようなひと皿に仕上げています。※メニュー例。季節により料理内容は異なります。

メインディッシュのひとつでもある「鹿肉のロースト」

メインディッシュのひとつでもある「鹿肉のロースト」。地元で採れた筍を乳酸発酵させたメンマと共に山椒と甲州味噌のソースが添えられています。※メニュー例。季節により料理内容は異なります。

地元産の甲州地鶏を使った肉料理

地元産の甲州地鶏を使った肉料理。料理に添えられた香木は飾りとしてだけではなく、口直しとして齧って使用するのだそう。他のレストランとはひと味違う体験ができるのも楽しい。※メニュー例。季節により料理内容は異なります。

料理に合わせて提供されるドリンクは、
山梨のワインや日本酒などがラインナップ。
ソムリエが生産者を訪れ、直接得た情報などの話を聞きながら味わえば
普段よりも深い食体験ができるはずです。

また、車で訪れるゲストも楽しめるように、
ノンアルコールのペアリングも充実。
ハーブや果実、樹液などを組み合わせたオリジナルドリンクは
さりげなく料理を引き立て、食とドリンクの新しいマリアージュが発見できます。
普段お酒を飲む人も、あえてノンアルコールを選択することもおすすめです。

コースに合わせたペアリングドリンク

ドリンクはアルコール、ノンアルコール共に、コースに合わせたペアリングのみを提供しています。

梅仕事、まだ間に合う? シロップ、コンポート、ジャム…… 今年からはじめる簡単梅レシピ

もう6月ですね。あっという間に今年も半分が経とうとしています。
この時期になると、コロカルでも人気となるのが「梅仕事」の記事。

興味はあるけど、まだチャレンジしたことがないという方のために、
いまからでも間に合う、梅仕事の人気記事をご紹介します。

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まずは、梅仕事の基本。旬や種類について

「梅仕事」とは、旬を迎える梅をつかった、自家製の保存食づくりのこと。
実が硬くフレッシュな青梅は、早くて5月下旬から6月上旬までが旬で、
爽やかな味わいの梅酒や梅シロップなどに使われます。
完熟梅は6月下旬ごろまで市場に出まわり、梅酒や梅シロップはもちろん、
豊かな香りが楽しめる梅ジャムや梅干しにするのもオススメです。

コロカル編集部には各地へ移住した連載陣たちから、梅仕事の様子が届きます。
小豆島〈HOMEMAKERS〉の三村ひかりさんの連載『小豆島日記』もそのひとつ。

収穫された青梅がザルに入っている様子

ザルいっぱいの青梅たち。この後、傷の有無やサイズ別に選別します。

「実を採るっていうのはほんとに幸せで没頭する作業」と綴っている三村さん。
ご家族や友だち同士でワイワイと収穫。その後、選別作業をして、
丁寧に洗って、拭いて、乾かして、ヘタをとってと、梅の仕込みへ。
梅シロップや、梅のコンポート、梅ジャムなどになるそうです。

その様子は、連載『小豆島日記』vol.178の記事をご参照ください。

「〈HOMEMAKERS〉の梅仕事、梅コンポートと梅干しづくり」

小豆島〈HOMEMAKERS〉カフェの梅のコンポートのつくり方

梅仕事は、梅酒や梅干しだけじゃありません。
三村さんが教えてくれた「梅のコンポート」のレシピをご紹介します。

梅のコンポート

【梅のコンポートのつくり方】

① 収穫後、新聞紙に包んで追熟させておく

② ヘタを取り、きれいに洗う

③ 梅と砂糖、白ワインを鍋にいれる

④ 80度程度を保ちながら弱火でことこと煮詰める

⑤ 冷ましてから、ガラス瓶などに詰めて冷蔵庫で保管。

以上! と、とっても簡単です。
煮汁は梅シロップとしても使えて、炭酸で割れば梅ソーダにも。
これなら、初心者でもすぐにはじめられそうですね。

東京・奥多摩のクラフトビールメーカー 〈VERTERE〉。新工場に併設した 〈NEW Bottle Shop〉オープン

クラフトビールメーカー〈VERTERE〉が、奥多摩町に2024年4月20日(土)、
新工場に併設する〈NEW Bottle Shop〉をオープン。

まち全体が秩父多摩甲斐国立公園に包含される自然豊かな環境のなかで、
クラフトビールの製造販売と直営のタップルームやボトルショップを展開します。

自然豊かな東京の奥座敷、奥多摩

新設されたショップ。

新設されたショップ。

〈VERTERE〉は2014年に設立、2015年に醸造を開始した
東京奥多摩発のクラフトビールメーカーです。

工場やショップがある奥多摩までは、新宿駅から
JR青梅線の終点駅である奥多摩駅まで1時間半。
駅から徒歩20分ほどの場所にあります。

清らかな水と緑豊かなことから、年間を通して多くのハイカーやキャンパーが訪れ、
週末はたくさんの観光客が集まるエリアです。

新設されたビール工場。

新設されたビール工場。

「決してアクセスの良い場所とはいえませんが、都心のスピード感に流されることなく、
自分たちのペースでビールを作るために奥多摩を拠点に決めました」と
〈VERTERE〉の代表社員 鈴木光さん。

以前は、需要に対して生産量が追いつかず、取引の打診があっても受けられず、
一般顧客向けの販売に関しても、売り切れてしまう状況が
続いてしまっていたこもあったそうです。

そんなことから、以前の約4倍の増産が可能となる新工場を建設。

工場内にはタンクの数が増えて、増産ができるようになった。

工場内にはタンクの数が増えて、増産ができるようになった。

これまで応えることができなかった国内での取引や、
海外からの引き合いにも対応できるようになりました。

工場は奥多摩町が所有する未利用地にJR東日本都市開発が建設し、観光や雇用、
税収など奥多摩のまちにとっても有益な事業にもなっています。

近年はふるさと納税向けの出荷量も増え、2022 年度の町のふるさと納税における
返礼品の7割は、〈VERTERE〉 のクラフトビールが占めるほか、
国内だけでなく、アジアを中心に5か国へ輸出されています。

名古屋の伝統工芸 「有松鳴海絞り」の体験で 初心者でもできるオリジナルストール

自分だけの有松鳴海絞りがつくれる体験ワークショップ

愛知県名古屋市の南部に位置し、
伝統的工芸品「有松鳴海絞り」の産地として知られる有松・鳴海エリア。
特に有松は江戸時代の面影が残る町屋が並び、美しい景観を楽しむことができるまちです。

有松・鳴海エリア

そんな有松に、有松鳴海絞りの体験ができる施設がいくつかあるのをご存知ですか?
今回紹介するのは、
〈株式会社スズサン〉が運営する体験施設〈Studio Suzusan〉のワークショップです。
2019年から有松鳴海絞りの体験事業を始めたという同社が、
新しい施設を構えるタイミングで、
ワークショップの内容を2024年4月20日にリニューアルしました。

体験コースは、基本的な技法を体験できる「ベーシックコース」と
初心者でも気軽にトライできる「ビギナーコース」の2種類。
有松鳴海絞りは「縫う」「くくる」「畳む」というシンプルな手技を組み合わせることで、
これまで100種類以上もの染色技法が生み出されてきました。
糸でくくった部分や、塗った部分が白く防染され、さまざまな模様が表現できます。
ベーシックコースで学べるのは定番技法の「手筋絞り」と「手蜘蛛絞り」です。
手ぬぐいやストールを糸でくくったあと、
全6色のなかから好きな色の染料を選んで染め上げます。

「手筋絞り」と「手蜘蛛絞り」

写真奥が「手筋絞り」。手前の「手蜘蛛絞り」は染め上がりが蜘蛛の巣のように見えることからその名がつきました。

一方、ビギナーコースでは三角形に折った生地を
板で挟んで染める「雪花絞り」を体験できます。
いずれも縛り方や縫い方で模様の表情が変わるので、
世界にひとつしかない自分だけのオリジナルの一枚が完成しますよ。

「雪花絞り」の様子

雪の結晶のような模様が生まれる「雪花絞り」。

体験コースの会場は、築150年の古民家。
趣のある場所で、伝統的工芸品の魅力や手仕事の奥深さを感じながら、
有松鳴海絞りについてじっくり学んでみませんか?

〈Studio Suzusan〉

紳士服店がブティックホテルに。 レトロ商店街にオープンした 〈ほんまちホテル〉

古い店舗をリノベーション

近年続々とオープンしているホテルの一種「ブティックホテル」。
その新たな施設が、2024年4月にオープンしました。
場所は、滋賀県東近江市にあるほんまち商店街の一角。
その名も、〈ほんまちホテル〉です。

かつて地元でオーダースーツの紳士服店として愛されていた店舗をリノベーション。
館内には、ふたつの客室とラウンジカフェを備えています。

〈ほんまちホテル〉の特徴は、大きくふたつ。
まず、リノベーション時に見つかった家具を地元のアーティストがリメイクして
館内で利用していること。そして客室とは別に、リノベーションしている最中に出てきた
古道具を展示する「コレクション部屋」があることです。

コレクション部屋に並ぶ品々で特に印象的なのは、壁に描かれた馬の絵。
ホテルにリノベーションした紳士服店の経営者一家に画家がおり、
その人が描いたものをそのまま残しています。
ほかにもトルソーや当時のポスターなど、珍しいものや古いものが多々並んでいます。

自分好みの過ごし方ができるプランを用意

〈ほんまちホテル〉で用意しているプランは6つ。
素泊まりや朝食つきのプランのほか、レンタルバイクを借りられたり、
近所の銭湯の入浴券やオリジナルタオルがついたりするプランまで、バラエティ豊かです。もちろん、どのプランも“おひとりさま”での利用OKです。

レンタルバイクつきプランは、EV(電動)バイクが借りられます。
自転車感覚で乗ることができ、市内の散策にも便利。
カラーも好きなものを選べるため、お気に入りを探してみてください。

朝食付きプランでは、ホテル1階のラウンジカフェで
東近江市産の食材をたっぷり使ったメニューを味わえます。
旬を感じる品々に、ほっと癒やされること必至。
まだ知らない地域の味にも、出合えるかもしれません。

レディー・ガガの靴の作者が アートワークを担当! 富山県〈ホテルグランミラージュ〉に “令和の銭湯”がオープン

世界的アーティストと“サウナの聖地”の娘が手がけた温浴施設

富山県魚津市にある〈ホテルグランミラージュ〉の最上階に
4月26日、温浴施設〈スパ・バルナージュ〉がオープンしました。

この温浴施設の壁画を手がけたのは、レディー・ガガが履いた
シューズの作者として世界的に知られる、アーティストの
舘鼻則孝(たてはな・のりたか)氏。

アートワークを手がけた舘鼻則孝氏

アートワークを手がけた舘鼻則孝氏。©NORITAKA TATEHANA K.K., Photo by GION

舘鼻氏の曽祖父と祖父は、戦後間もなく富山県から上京し、
新宿・歌舞伎町で銭湯〈歌舞伎湯〉を営んでいた過去があり、
自身も「縁を感じた」と話すこのプロジェクトで採用したのはモザイク壁画でした。

〈歌舞伎湯〉のモザイク壁画

〈歌舞伎湯〉のモザイク壁画。©NORITAKA TATEHANA K.K.

〈歌舞伎湯〉の浴室全面に施されていた壮大なモザイク壁画に
インスピレーションを得て完成したアートワークは、施設から
実際に眺望することができる立山連峰の景色が描かれています。

立山連峰を仰ぎ見る山側の浴室には太陽が描かれた鮮やかな色彩の図を、
一方で富山湾を一望できる海側の浴室には寒色を基調とした荒々しい雷雲の図を
配するなど、ふたつの浴室で対照的な表現を目にすることができます。

山側の浴室「ヤマ/YAMASIDE」の壁画

山側の浴室「ヤマ/YAMASIDE」の壁画。©NORITAKA TATEHANA K.K., Photo by GION

海側の浴室「ウミ/UMISIDE」の壁画

海側の浴室「ウミ/UMISIDE」の壁画。©NORITAKA TATEHANA K.K., Photo by GION

薔薇と珈琲の香りを楽しむ。 週末の福岡・篠栗町ドライブ

南蔵院の巨大な釈迦涅槃像や篠栗四国八十八カ所が有名な、福岡の篠栗町。
お遍路さんや御朱印集めに勤しんでいる人にとってはもちろん、
豊かな自然に癒されたい人にもぴったりのドライブコースです。
そんな篠栗町に、ぜひ立ち寄ってほしいスポットが誕生しています。

人の心をなぐさめる、山間の薔薇の園

地元では「のみやまさん」という名前で親しまれている
高野山真言宗別格本山の「呑山観音寺」。
2023年5月には、国内でも2例目という貴重な総木造建築の
「瑜祇大宝塔(ゆぎだいほうとう)」が建立されています。

「瑜祇大宝塔(ゆぎだいほうとう)」

普段、瑜祇塔の周辺エリアは非公開なのですが、
そんな塔のすぐ下に今年、「花筵庭(かえんてい)」が開園。
春の特別拝観にあわせて5月19日(日)から〈薔薇まつり〉が始まりました。

庭園から見上げる、フォトジェニックな瑜祇大宝塔

庭園から見上げる、フォトジェニックな瑜祇大宝塔

塔の横の階段を下りると、ふわりと鼻をくすぐる薔薇の香り。
視界が開けた先には、イングリッシュローズをはじめとした薔薇、
ラベンダーやサルビアなどの宿根草が広がっています。

イングリッシュガーデン

比較的小さな野ばらや高さのあるツルバラを組み合わせ、立体的に造られたイングリッシュガーデン

「花筵」とは、花の絨毯(じゅうたん)のこと。
手づくり感のある小さなバラ園は、明るく開放的でありながら
“おこもり感”もあり、ホッと心が落ち着く空間です。
取材に伺った日(正式開園前)はまだ三分咲きでしたが、
これからさらにたくさんの薔薇が開花し、満開を迎える予定です。

花地蔵さま

園内には「花地蔵さま」も

庭園をつくったのは、呑山観音寺の副住職である村上了然さん。
きっかけは、コロナ禍で外出することが減った3、4年前のことでした。
「人との交流が減ったことで、気持ちの落ち込みを感じている方々のお話を聞き、
お寺にお参りに来た方が癒され、元気になれるような場所をつくりたいと考えました」

お寺の資材置き場として使われていたスペースを活用し、
ほとんどDIYで作り上げたという、素朴さと優しさに満ちた小さな花園。
薔薇の香りで心が穏やかになった後は、天王院本堂での
写経体験に挑戦してみるのもオススメです(志納金500円)。

特別御朱印散華

入園時にいただける特別御朱印散華は、本や手帳にはさんでお守りにも。
薔薇まつりの期間中は「小さな観音市」も開かれており、
キッチンカーや出店が日替わりで出店予定です。

information

map

呑山観音寺 薔薇まつり

開催期間:2024年5月19日(日)〜6月9日(日)

開園時間:9:30~16:30(最終入場)

会場:呑山観音寺 福岡県糟屋郡篠栗町萩尾227-4

拝観料:一般400円 ※中学生以下無料

Web:公式ホームページ

Instagram:花筵庭 @nomiyama_rose_garden

織物の産地、愛知・一宮の〈小川染色〉 オリジナルのラグや小物をつくれる タフティング教室が人気

近年、日本でも注目されつつある「タフティング」。
電動工具を使って布に毛糸を打ちつけ、ラグや小物を制作するハンドメイドのこと。
カラフルな糸と好きなデザインで、オリジナルなラグを自由自在に
つくることができます。

尾州(びしゅう)織物の産地として有名な愛知県一宮市にある〈小川染色〉では、
カラーバリエーション豊富な自社染めの糸を使ったタフティング教室を開催。
工房の壁には124色もの糸が並び、カラーチャートを眺めているような
ワクワクした気分に包まれます。

タフティングは、親子や高齢者にも楽しめるものづくり

「工場敷地内の小屋を改修して工房をつくり、2022年からワークショップを開始しました。
色、かたち、デザイン、サイズが自由に選べ、世界にひとつだけのオリジナル作品が
老若男女関係なくつくれるのもタフティングの魅力だと思います。
これまでにも、小学生から80代までの幅広い年代の方が参加してくださいました。
体験希望者も増えているため、6月には、6名まで同時に体験できるスペースに
拡張予定です」と中村さん。

初心者でも、30センチのラグであれば3時間ほどでできあがる。

初心者でも、30センチのラグであれば3時間ほどでできあがる。

タフティングは、手作業の刺繍とは違い、一方向にタフティングガンを
打ち込んでいくことで、絵を描くようにデザインを仕上げていくことができます。
インターネットが中心の世の中となり、バーチャルが日常的になっている今、
素材にふれながら遊び感覚でできるタフティングは、豊かな感性を取り戻してくれそう。
「私自身もタフティングをやるようになってから、夢中でキャンバスに向かうので、
スマホを手放す、デトックス時間となっています(笑)」と中村さん。

ガンで糸を打ちつけていく感覚は、スピードもあり、ストレス発散にも。

ガンで糸を打ちつけていく感覚は、スピードもあり、ストレス発散にも。

参加1週間前までに公式ラインに希望のデザイン送り、当日、プロジェクターに反転させたイラストを布に投影させ、それをなぞって下書きをつくります。

参加1週間前までに公式ラインに希望のデザイン送り、当日、プロジェクターに反転させたイラストを布に投影させ、それをなぞって下書きをつくります。

父の日のギフトにいかが? 新潟愛が詰まった 〈ニイガタネクタイ -亀田縞編〉誕生

上質で気品のあるネクタイ

コシヒカリなどの米どころとして有名で、
冬にはウィンタースポーツを楽しむために訪れる人も多い新潟県。
実は、江戸時代から続く伝統的な織物〈亀田縞〉が生まれた土地でもあります。

その〈亀田縞〉を使った、新潟を愛する人のためのネクタイ
〈ニイガタネクタイ -亀田縞編〉が2024年4月に誕生しました。

〈ニイガタネクタイ -亀田縞編〉の商品写真

〈ニイガタネクタイ -亀田縞編〉を企画・プロデュースしたのは、
新潟を拠点にデザイン活動をしている
〈hickory03travelers(ヒッコリースリートラベラーズ)〉。

新潟への誇りや愛着を日常的に表現してほしいという思いで、
「新潟の大人のためのネクタイ」を開発したそう。

第1弾となる亀田縞編。シックでステキ!

第1弾となる亀田縞編では、
新潟市亀田の機織メーカー〈中営織業(なかえきぎょう)〉が持つ
206種の縞の中から5つをセレクト。

新潟の新たなスタンダードとなるよう、
縞のレイアウトや配色・質感など細部にこだわり、
カジュアルな服装や古着、ビジネスシーンにもマッチする
ラインナップに仕上げています。

〈ワイドネイビー&ゴールド〉のネクタイ

〈ワイドネイビー&ゴールド〉

複数の太さのストライプで構成された、
遊び心のある〈ワイドネイビー&ゴールド〉。
ジーンズなどのブルーやブラウンのパンツとも相性抜群なので、
カジュアルな服装や、明るい印象を好む方にぴったりです。

〈ブラウン&グレー〉のネクタイ

〈ブラウン&グレー〉

大人っぽく落ち着いた雰囲気のある〈ブラウン&グレー〉は、
カラーシャツにも合わせやすい1本。
ブラウン系のジャケットやスーツとの相性もばっちりです。

〈ブラックグレー〉のネクタイ

〈ブラックグレー〉

あまり目立ちたくない、でも上質なものを身に着けたい。
そんな方にマッチするのが、この〈ブラックグレー〉。
素朴な印象のなかにも、綿の柔らかさを感じられます。

〈ダークレッド&ライトピンク〉のネクタイ

〈ダークレッド&ライトピンク〉

よく見るとピンクや水色の糸も混じっているこちらは、
〈ダークレッド&ライトピンク〉。
えんじ色による大人っぽくレトロな雰囲気は、
ヴィンテージのお洋服ともよく合いそうです。

〈ワイドブルー&グレー〉のネクタイ

〈ワイドブルー&グレー〉

伝統的な〈亀田縞〉らしい〈ワイドブルー&グレー〉。
幅広なストライプが明るい印象を演出します。
ポイントとなるライトブルーに合わせ、
ブルー系のパンツと組み合わせるのがおすすめです。

販売時は、新潟の紙器メーカーによる
手作業でつくられたオリジナルボックスに丁寧にセット。
タグには気品を感じるエレガントな刺繍を入れて、
「贈っても贈られても嬉しい」プロダクトを目指しています。

気品を感じるエレガントな刺繍をいれたタグ

この上品な色の組み合わせと素材感なら、
6月に控える父の日や就職・昇進祝いのギフト、
はたまた「ネクタイをしていないと落ち着かない」なんて方への退職祝いまで、
幅広い世代の方への贈り物として活躍しそうです。

東北の伝統工芸が 国内外のアーティストとコラボ! 〈Craft×Tech Tohoku Project 2024 Exhibition〉が 5月24日・25日に東京で開催

置賜紬(山形)×落合陽一

時代と国境を超えたコラボレーションが実現

東北の伝統工芸とデザイン・テクノロジーとのコラボレーション展となる
〈Craft×Tech Tohoku Project 2024 Exhibition〉が、5月24日(金)と25日(土)の
2日間開催されます。

会場は、東京千代田区の登録有形文化財として知られる
〈kudan house(九段ハウス)〉。

今会期の後は、スイスのバーゼルで6月に開催される
〈デザイン・マイアミ・イン・バーゼル〉、
イギリスのロンドンで9月に開催される
〈ロンドン・デザイン・フェスティバル〉に巡回予定となっています。

〈Craft×Tech〉は、日本の伝統工芸と国際的に活躍する
クリエイターとのコラボレーションによって、革新的な
プロダクトやアートピースを生み出していくイニシアティブを目指し、
デザイナーの吉本英樹氏によって立ち上げられたプロジェクトです。

デザインスタジオ〈Tangent〉の代表であり、東京大学先端科学技術センター特任准教授も務める吉本英樹氏。

デザインスタジオ〈Tangent〉の代表であり、東京大学先端科学技術センター特任准教授も務める吉本英樹氏。

立ち上げの背景について、吉本氏はこのように述べています。

「私はもともと、伝統工芸の収集家でもなければ、それに特別な思いを
寄せるわけでもありませんでしたが、ふとしたきっかけで訪れた
東北の漆塗り工房で、文字通りその職人技に大きな衝撃を受けました。

社会の教科書に載っている日本文化の象徴としての伝統工芸というよりも、
今まさに現場で生み出されている、極めてクオリティの高い、
純粋なものづくりとしての工芸の美しさ。

ひた向きに、伝統を受け継ぎ、当たり前のように更新し続けていく姿。

そういったことに胸を打たれて以来、さまざまな地域の工芸産地の
製作現場を訪れ、職人さんとの会話を重ねるなかで、何か自分の持てる力と、
日本の伝統工芸を重ね合わせるようなプロジェクトを立ち上げたいという
気持ちが、日に日に大きくなっていきました」

建築を通して 東京のエネルギーを感じ、 人を知る〈東京建築祭〉

普段はなかなか見ることができない建物の内部を一般公開し
建築そのものを楽しむ大規模イベントが、いよいよ東京でも
2024年5月25日(土)・26日(日)に初開催。
中央区と千代田区の都心を中心としたエリアの
30軒を超える新旧の建物が参加します。
その見どころや立ち上げの思いを
大阪公立大学教授で東京建築祭実行委員長の倉方俊輔さんに聞きました。

インディペンデントで包括的なお祭り

ロンドンやシカゴなど、海外各地の都市で以前から開催されてきた
建築の公開イベント。
日本でも福岡や広島で10年以上前から始まり、
倉方さんは2014年にスタートした
〈生きた建築ミュージアム大阪(イケフェス大阪)〉、
2022年開始の〈京都モダン建築祭〉、
翌2023年からの〈神戸モダン建築祭〉
などに立ち上げから携わっています。

これらの関西のイベントと〈東京建築祭〉の大きな違いは、
行政も都内の既存の団体も関わらず
まったくインディペンデントであるということ。

「東京は大きすぎて、既存の組織や大学がつながりづらいまち。
そのなかのどこかが主催になると、その色が強くなってしまう。

洋館・レトロ建築が好きな人も、現代建築が好きな人も、
高度成長期のちょっと渋いビルが好きだというような人も
自分たちのイベントだと思える、
そんな枠組みをまずはつくることに専念しました」
と倉方さん。

「どの建築も東京を知る大きな手がかりです。
東京ってこんなにおもしろいんだ、
東京といってもエリアごとにこんなに違うんだということを
建築を通して知ることができるお祭りをつくりたいんです」
と語ります。

実行委員長の倉方俊輔さん

実行委員長の倉方俊輔さんは東京生まれ・東京育ち。

特別公開は基本的に申込不要で無料、
ガイドツアーは有料のものがほとんどとなっていますが、
その料金の差は安全装備や食事代など実費によるもので、
基本的な値段は同じです。

インディペンデントといっても
利益を追求するものではなく、
運営にかかる必要最低限のコストを
参加費やクラウドファンディング、スポンサーからの支援、
アーツカウンシル東京の助成金で賄っています。
関わる人たちそれぞれの思いが積み重なって実現したイベントなのです。