青森県田舎館村の 〈スノーアーティスト集団It’sOK.〉 逆境から生まれた田んぼの二毛作アート

スノーアーティスト集団It’s OK.の誕生

日本初のスノーアートを公開した翌年、3度目のサイモン氏来日を迎える。

2017年2月、薄暗いなか、スノーアート制作をするサイモン氏

2017年2月のスノーアート制作。薄暗いなか、サイモン氏は作品の完成に向けて足跡を入念につけていく。

前年とはまた違うアートを制作するなか、地元有志メンバーへのレクチャーも行った。
このレクチャーを受けたメンバーを中心に、
スノーアーティスト集団It's OK.が発足する。
その名前は、英語ができない地元メンバーとサイモン氏との会話が、
「It’s OK ?(これでいい?)」
「It’s OK !(それでいいよ!)」
がほとんどだったことに由来する。

サイモン氏とスノーアーティスト集団It's OK.メンバー。

サイモン氏(写真前列左)と地元有志メンバー。サイモン・ベック公認の団体として、スノーアーティスト集団It's OK.を設立。

2017年サイモン・ベック氏制作のスノーアート

2017年サイモン・ベック氏制作のスノーアート。

田んぼアート駅の前に展開したIt's OK.制作のスノーアート

田んぼアート駅の前に展開したIt's OK.制作のスノーアート。

そして自走するIt's OK.

青森県の事業としてサイモン・ベック氏を招聘する期間は終わった。
予定通り2018年のスノーアートからは、
It's OK.のメンバーだけでデザインから制作を行い、
田舎館村がイベントを運営する。
前年の9月頃からデザイン会議を始め、
1月からは毎週岩木山の麓にある岩木山総合公園で練習会を実施した。

「ひとりで制作をするサイモン氏と違って、It's OK.はグループで制作するので、
みんなが同じものを見ていないといけない。
それで毎月のデザイン会議から始めました」
と田澤さんは振り返る。
デザインを描いてから、雪原で実際につくってみると、
考えたときより、線だけでさみしい仕上がりになってしまう。
しつこいぐらいに足跡を刻まないと、密度のあるアートにはならなかった。

スノーアートは足形を等間隔に刻んだ『シェード』で陰影を表現する。

スノーアートは足形を等間隔に刻んだ『シェード』で陰影を表現する。

スノーアート制作に使用するスノーシューとポール。スノーシューの1歩60cmが距離計測の基準になる。

スノーアート制作に使用するスノーシューとポール。スノーシューの1歩60センチが距離計測の基準になる。

オリエンテーリングコンパスで角度をはかりながら制作する。

オリエンテーリングコンパスで角度をはかりながら制作する。

何度も試行錯誤を重ねて、イベント開始直前にようやくデザインが固まった。

冬の田んぼアート2018のデザイン画とタイトル。

冬の田んぼアート2018のデザイン画とタイトル。

そうして公開されたスノーアートが
「煌(きら)めく冬(Glistening Winter)」だった。

2018年、初めてIt’s OK.が単独で制作したスノーアート

2018年、初めてIt’s OK.が単独で制作したスノーアート「煌めく冬(Glistening Winter)」。

アートの端に足形で刻まれたサイン「It’s OK」

アートの端に刻まれたサイン。

writer profile

斎藤美佳子 Mikako Saitou
さいとうみかこ●ブロガー・ライター。北海道出身、青森県弘前市在住。劇団スタッフと並行して'90年代よりインターネットで情報発信を始める。2014年「さいとうサポート」の屋号でフリーランスに。雪かきのたびに「次は雪のない地域に住みたい」とぼやいている。

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