〈 この連載・企画は… 〉
毎月コロカル編集部からテーマを出し、
日本各地で活動している地域おこし協力隊の方から集まった写真とメッセージを紹介していきます。
その土地ならではのものだったり、自分の暮らしと変わらないものだったり……。
どんな暮らしをしてどんな景色を見ているのか、ちょっと覗いてみませんか?
text&photo
Saki Kunishige, Itsumi Shigehisa
國重咲季/重久 愛
今や、まちの特色をアピールするのは
自治体だけにとどまりません。
そのまちに住む個人や有志のグループが集まり、
イベント開催、動画配信などを行っていることが増えてきました。
今回はそんなまちのPRについて
〈地域おこし協力隊〉のみなさんに教えてもらいました。
オンライン、オフライン、さまざまなかたちでPRされる
まちの特色をぜひご覧ください。
秋田県にかほ市には、
地元の人たちでつくり上げたミュージックビデオがあります。
数年前、にかほの風景を描いた楽曲を
つくってくれたミュージシャンがいました。
その曲のタイトルは『いちじく忘れない』。
にかほ市の特産物であるいちじくと、
それを甘露煮という保存食にして贈り合うという
まちの文化がモチーフになった曲。
歌詞にはにかほの美しい風景や日常が描かれていて、
にかほの魅力が詰まったすてきな歌です。
その曲のミュージックビデオがつくれないか? という
地元から生まれたアイデアがかたちになった動画です。
プロの振付家、カメラマンと地域の人たちが協力し合い、
半年ほどの月日をかけて完成しました。
「地元があらためて好きになった」などと涙を流すがいるほど、
思いの込もったミュージックビデオになりました。
地域を楽しい場所にするには、地域を誇りに思うことが不可欠。
その力強い一歩になった動画です。
photo & text
國重咲季 くにしげ・さき
京都府出身。秋田県の大学に進学したことを機に、東北各地の1次産業の現場を訪ねるようになる。卒業後は企業に勤めて東京で暮らした後、にかほ市で閉校になった小学校の利活用事業「にかほのほかに」に携わるべく秋田にAターン。地域で受け継がれてきた暮らしを学び、自給力を高めることが日々の目標。夢は食べものとエネルギーの自給自足。
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まちのPR方法はさまざまですが
その土地にある商店街を見れば、まちの特徴がよくわかります。
秋田駅から真っすぐ伸びる商店街、
通称「仲通り」には、閑静でおしゃれなまち並みが続いています。
今から約50年前にたった4軒から始まったこちらの商店街。
比較的新しい歴史のなかで、通勤女性や学生が
駅近でフラッと立ち寄れるようにとかたちづくられました。
おしゃれなカフェ、ブティック、
朝ラーもできるラーメン屋さんに並んで、
品数豊富な食器屋さんもあり、まちブラするには最適です。
「仲通り」では、「街づくりLab☆」という
市民のアイデアをかたちにしたイベントも行われ、
朝活でまちを知ることもできます。
さらに、「巡り傘」という無料の貸し出し傘サービスがあります。
商店や施設など約40か所で傘が貸し出されていて、
返却も違う加盟店に置いても大丈夫なんだそうです。
これがあれば急な雨でも買い物を楽しんで続けられますよね。
アート感あふれる美術館や公共施設もあり、
定期的にイベントも開催されます。
あなたもおしゃれな気分を味わいに散歩に出かけてみませんか?
information
仲通り振興会
Web:木漏れ日とアートの街
photo & text
重久 愛 しげひさ・いつみ
「死ぬまでには一度は行きたい場所」で知られる鹿児島県与論島出身。2019年に縁あって秋田県秋田市にIターン。よそ者から見た秋田市の魅力や移住に至る経験を生かして、秋田市の地域おこし協力隊に着任。YOGAを生かした地域交流を図る事業や、移住者を受け入れる市民団体事業をプロデュース中。山菜採りにすっかり夢中に。自称「立てばタラの芽、座ればバッケ、歩く姿はコシアブラ」。
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