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移住先探しの旅は岡山へ。
心揺さぶられた
牛窓町の陶芸家夫妻の暮らし|Page 2

暮らしを考える旅 わが家の移住について
vol.002

Page 2

私の背中を押してくれたもの

は2年前に会社を辞め、
フリーランスのフォトグラファーとして仕事をしている。
『コロカル』や『anan』など、雑誌やウェブの仕事がメインで、
それまでは社員カメラマンとして出版社に18年勤めていた。
2011年に娘が生まれたときに育児休暇をとり、
翌年の春から職場に復帰して2年間フルタイムで働いた。

40歳が目前となったとき、
いったい自分は何をしているんだろう……と、ふと思った。
子育てと仕事に追われ、時間に追われ、
いつもイライラしている自分にようやく気づいた。
40歳といえば人生の折り返し時点、
このままだと死ぬ前にきっと後悔する……。
仕事も含めて、自分が本当にやりたいこと、
やるべきことは何だろうと考え始めた。
家族との時間をもっとゆっくり穏やかに過ごしたい。
この先、自分たちがどんな環境で何をして暮らすのがいいのだろうか。
その答えを探し始めた。

すると、「そういうことだったのか!」と、
自分たちに気づかせてくれる人たちが次々と目の前に現れ始めた。

コロカルの連載で出会ったおばちゃんたちからも、
人生におけるヒントをたくさんもらった。
沖縄で土を耕しながら店を営んでいるおばちゃんからは、
こんな言葉をもらったこともある。
「無理して高収入得なくても半分くらいにしてさ、
地方で何もかも自分で工夫して育ててさ。
やってみたらわかると思うから、土を身近に感じる暮らしのよさがね」
本当に移住に踏み切っていいのか悩んでいた私の背中を押したのは、
おばちゃんの教えだったように思う。

移住したいんだと友人に話すと、「お金どうするの?」と聞かれ
「うーん、どうするんだろ、なんとかなるんじゃない?」と答える。
不安がないわけではないけれど、何となくどうにかなるような
気がしている、漠然と。
でも時々は不安になって、父親に相談したりもした。
すると、「人生は冒険だ。予測がつくことなんて何ひとつない、前に進め!」
というメッセージが返ってきた。
そうだ、人生は一度きり、前に進もう。