「旅は断片。」 12人の旅人によるユニークな視点。 四国、九州・沖縄編

断片を見つける旅を

旅においてちょっとした出来事が心に残っているのではないだろうか。
さまざまなクリエイターがローカルを旅したときに感じた
そんな「断片」を綴ってもらった。

彼らの持つ旅の視点を参考にして、
おもしろい旅の断片をみつけてみたい。

そこでコロカルのリレー連載『旅からひとつかみ』から、
地域ごとにまとめて再編集していく。
第3回は【四国編】【九州・沖縄編】をお届けする。

四国編、九州・沖縄編の旅先マップ

【四国編】「金毘羅山の歌舞伎舞台」「ひたすら讃岐うどんを食べる」「豊島美術館がすべて」「源泉かけ流しの仏生山温泉」「豊島のヤマネさん」「ブラジリアン柔術の輪」「お遍路で石手寺へ」

蓮沼執太さん

蓮沼執太

音楽家

「舞台や客席だけでなく、劇場の裏側や地下まで見学させていただきました。
そこには、なんと、手動で動かす木の舞台装置がドスン!と鎮座しており、
本番では人間の力のみで舞台装置が動き出すという、
なんともアナログなシステムに思わぬ感銘を受けてしまいました。

熱心に細かく観ている人間が珍しいのか、
そのおじさんからも親切に声をかけていただいて、
いろいろと知ることができました。
江戸時代のキネティック・アートが舞台空間として現在につながっている
素晴らしい場所でした。」

香川県の〈金毘羅山〉を訪れた話。
四国駆け足旅の一貫として登った金毘羅山ですが
現地で知った歌舞伎舞台の仕組みには、とても驚いたようです。
(香川県仲多度郡琴平町)

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「現代まで使用されている
江戸時代のキネティックアート」']

 ユザーンさん

ユザーン

音楽家

「なんだこれは、うますぎる。
はじめてザキール・フセインの生演奏を見たときのような衝撃が口内を襲った。
出汁を飲み干すまでの数分間、僕は我を忘れていた。
放心状態になっている僕を見て、吉澤くんは満足気だった。
彼は前日も〈がもううどん〉を訪れていたのだが、
ここだけはどうしてもリピートしたいと思ったのだそうだ。」

香川で讃岐うどんを食べ歩いた記録。
カレーのイメージが強いユザーンさんが、
どうしてうどん屋をめぐることになったのだろうか。
(香川県坂出市、丸亀市、綾川町、高松市)

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「ひたすら讃岐うどんを食べる旅」']

植本一子さん

植本一子

写真家

「美術館に行くということは能動的な行為であるのに、
あの場所へ行くと不思議と受動態になってしまう。
自分が、そこにいるだけでいい、それはとても不思議な体験でした。
あんな気持ちになれるのは、私は今のところ豊島美術館しか知りません。
何もないように見えて、すべてがある場所。」

書店でのトークショーに合わせて旅を楽しむようになったという植本さんが
大好きになった場所、豊島。
特に「豊島美術館」は心が休まる大切な場所になったといいます。
(香川県小豆郡土庄町)

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「なにもないように見えて
すべてがある〈豊島美術館〉」']

haruka nakamuraさん

haruka nakamura

音楽家

「感動した僕は、仏生山町の方々との宴会で
「仏生山温泉にはいろう〜33度の炭酸泉〜」
などと歌った温泉テーマソングを酔った勢いでギター片手につくり、
まちのみんなと肩を組んで歌った。
その幸せな光景を見て岡さんが何かを勘違いしたのか、
僕に「非常勤番台」という名誉職をくれた。
スタッフであるからには何もしないのも申し訳ないので
館内BGMを担当することになり、
今では僕のピアノが流れるロビーで、
みんな風呂上がりのビールを飲んで座敷で寝ている。
これは、なんとも幸せな光景だ。 
どこかで願っていた風景かもしれない。」

全国を巡ってピアノを弾く理由を
「温泉が好きだから」という音楽家のharuka nakamuraさん。
年間のほとんどを温泉の巡礼にしている彼が出会った
感動的な温泉とは?
(香川県高松市)

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「仏の山から生まれる
源泉かけ流しの旅」']

中川正子さん

中川正子

写真家

「翌朝7時ごろ。台所で誰かがそっと働く音で目が覚めた。
なにやら揚げているようだ。早朝に揚げ物をした経験なんてわたしはない。
いや、朝はおろか、午後だって揚げ物はちょっと面倒だ。
こんな時間に? 台所をのぞくと、三角巾とエプロン姿のヤマネさんがいた。
なんて早いのだ。大量のおいしそうなものがあった。
コロッケ、アジフライ、ソーセージ。
宿泊したのはわたしだけだ。これ、何人前なのだろうか。」

東京から岡山に移住してきてから
豊島美術館に数多く通っていた。
しかし美術館に行かない「豊島」を体感することに。
島の暮らしから何を感じたのだろう?
(香川県小豆郡土庄町)

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「豊島美術館には行かなかった。
民泊で暮らしを旅する」']

宇野薫さん

宇野薫

総合格闘家

「最初はただ家族で遊びに行っただけのつもりが、
気がつけば徳島と格闘技、特に柔術との関係性がぐるぐる回りだし、
不思議なネットワークを築いている。
柔術や格闘技、もちろんほかのスポーツでも、
何かをやっていると、海外でも国内でも「一緒にやりましょう」なんて話になって、
コミュニケーションをとりやすい。すぐ友だちにもなりやすい。
そんなことを徳島に思うのだ。」

徳島に家族で遊びに行った話。
しかしただ遊びに行くだけではなく
格闘技やブラジリアン柔術を経由することで大きく膨れ上がり、
宇野さんを徳島にどんどん引き込んでいったようだ。
(徳島県鳴門市、三好市)

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「徳島とブラジリアン柔術、
不思議なコミュニティの循環」']

堀道広さん

堀道広

金継ぎ師&漫画家

「勇気を出してドームの中に続く階段を上がると、
ぐるり見渡して200体ほどの木彫り仏像が
ライヴハウスのように等間隔で突っ立っている中心にたどり着いた。
ドームの中心にはスナックにあるようなベルベットの赤いソファーが置かれていた。
どういう意味?」

服装は本格的だが、レンタカーで回るという
反則技に近いスタイルでお遍路を回っていたが、
あるお寺に出会う。
この寺に招かれるためにお遍路をやっていたのではないかと感じたという。
(愛媛県松山市)

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「四国八十八ヶ所のお遍路で、
石手寺に招かれた」']

【九州・沖縄編】「二日酔いで糸島」「日本列島を歩く」「別府のジモ銭」「ユタ神様に会う」「多良間島のヤギ」

大橋裕之さん

大橋裕之

漫画家

「瓜生くんが『笑ってコラえて!』の「ダーツの旅」取材班よろしく、
おばあさんに「すみません〜、これ何を干しているんですか?」と笑顔で尋ねた。
おばあさんはこちらを振り向いたが無言だった。
再度大きめの声で聞いてみるも完全に無視された。
我々はその何ともいえない状況に笑いを堪えながら
窓を閉めてゆっくり車を発進させた。
おばあさんは何も悪くない。
そこまで黒い海産物に興味があったわけでもないのに
何となく気になってしまった僕が悪いのだ。
いや、別に誰も悪くはない。」

二日酔いの状態から旅は始まり、一路、糸島へ。
海を見に行くという目的のなかで、
名物を食べ、初めての体験もいくつか。
さまざまなものに出会い、旅の醍醐味を感じたようだ。
(福岡県糸島市)

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「福岡から糸島へのドライブ。
旅の2日目は、大体おもしろい」']

長坂常さん

長坂常

建築家

「でも、このときばかりは少し大きな発見があった。
カブトガニを見つけたのだ。
小学校の頃に「生きた化石」といわれ教科書で見たあれが、目の前にある。
びっくりである。どれだけ希少価値があるかわからないが、ひとりで興奮。
でも、ひとりだし、周りに誰もいないので、その喜びを分かち合う相手もいなく、
寂しくインスタにあげて感動の共有を求めたのは言うまでもない。
こういうときこそインスタの有用性を実感するのだった。」

建築家の長坂常さんによる日本列島を歩く旅。
幕末の世まで歩いて移動していた日本人を倣い、
日本各地を歩く。
歩いたからこその発見には、どんなものがあったのだろうか。
(佐賀県唐津市)

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「幕末の徒歩旅に思いを馳せて
距離感覚の歪みを体感する」']

西野壮平さん

西野壮平

写真家

「あるとき、撮影をさせてくれたおじいさんが、湯からあがり体を拭いたあと、
ももひきとツッカケ、上半身裸のまま帰ろうとしたので、
「このお風呂はおじいさんにとってどういう存在ですか?」と尋ねてみた。
すると、「ここはわしの家の風呂なんや、ほんでここ(道路)は廊下じゃ」と。
ほう、なるほど。
確かに僕も撮影中、毎日、ジモ銭に入っていたのだが、
徐々に顔を覚えられるようになり、なんてことない会話だが話がつきない。
そこでは誰かが必ず誰かと話している。
銭湯特有のよそよそしさや
人と人の距離に少々緊張感を覚える感覚とは確実に違う。
ジモ銭に通うことに
なんともいえない心地良さを感じ始めているときだったので、
そのおじいさんの言葉には納得させられた。」

別府の温泉を撮影して回った話。
自らも地元の銭湯や温泉、通称「ジモ銭」に入りながら、
合計100湯以上で撮影を敢行したことで
エリアごとの小さな特徴を感じ、
ローカルでのコミュニティとしての役割を認識したようだ。
(大分県別府市)

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「別府の温泉に浸かり、声をかけ、
100湯以上を撮影した旅」']

長田佳子さん

長田佳子

菓子研究家

「事前に大まかなスケジュールを考えるなかで、
友人がごく自然に「ユタ神様には会いにいきますか?」と聞くので
「え! なになに!!?? スピリチュアルな感じ!?」
と気後れし「まだ大丈夫かも……」と返事をしてしまった。
まだって一体……、いつならいいんだろうー。
それから数日、
「まだ」と答えたわたしの現在地と
ユタ神様のことが気になりだしたので、
「やっぱり、ユタ神様にお会いしたいので予約をお願いします」と連絡をした。」

自然豊かなイメージのある奄美だが、
長田さんが一番印象に残っているのは
ちょっと違う文化のようだ。
(鹿児島県奄美市)

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「奄美大島で、
人間味あふれるユタ神様に会う」']

冷水希三子さん

冷水希三子

料理家

「ヤギ自体は独特の香りはあるものの臭いわけではなく、
味つけも甘みのある味噌仕立てでスルスルと胃に収まりました。
そして、やはり土地柄からか、おかわりを勧めてくださるので、
3杯も食べてしまい……、
その夜はヤギの滋養強壮の効果で目がギラギラ、
体もほててって一睡もできなかったです(笑)。」

いくつかの離島の特産品から着想して、おみやげものや料理を生み出す活動のなかで
たくさんの人、海、食材との出会いがありった。
特に粟国の塩と多良間のヤギ汁が印象的だった。
(沖縄県宮古郡)

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「沖縄の離島で塩のルーツを知り、
ヤギカレーをつくり上げた」']

●この特集『旅は断片。』は、コロカルの連載『旅からひとつかみ』のvol.001〜038を再編集してまとめたものです。連載本編はこちらから

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