「おいしいビールを届ける」まちづくり 和歌山県有田川町にある 国際色豊かな〈Nomcraft Brewing〉
おいしいビールをつくって、より多くの人に届ける
「クラフトビールでまちづくり」という
ビジョンを掲げて誕生した〈Nomcraft Brewing〉。
「僕たちのまちづくりのスタイルはとてもシンプルです。
それは、おいしいビールをつくって、より多くの人に届けること。
今回『Japan Brewers Cup 2024』に応募したのも
僕たちと、有田川町のことをもっと広く知ってもらいたいと考えたからです」
IPA部門では優勝したものの、〈Nomcraft Brewing〉はある課題を抱えているという。
「創業以来、保育園の給食室をリノベーションして醸造スペースにしているのですが
仕込みに使っているタンクが小さいので
毎日フル稼働で仕込んでも、生産量がニーズに追いついておらず
全国のお取引先様に納品をお待たせすることも多いです。
ということは、“ビールを通してまちのことを知ってもらう”という
僕らのスタイルのまちづくりがまだまだできていないってことだなと思うんです」
醸造では麦を粉砕して麦芽(モルト)にし、お湯を加えて麦汁をつくるのだが、
この作業を行う仕込みタンクは、500リットルまでしか仕込めない。
ここ数年、少しずつタンクを増設してきたが
釜をフル稼働させても年間で生産できるのは7万リットル。
また保育園の給食室をリノベーションした醸造スペースは
増設したタンクですでにいっぱいの状態。
まだ自分たちのビールを飲んだことのない
潜在的な顧客層にビールを届けるには、現状の設備では不十分だ。

創業以来、少しずつタンクを増設してきた醸造所。
そこで7月からは醸造所とオフィスを大規模にリノベーションして
生産体制を整えることにした。
タンクの容量と数を増やして、原材料を備蓄するスペースも拡張する。
リノベーション後は、年間生産量が20万リットルに増える。
現状の約3倍だ。
これから進む道
「まだ日本全国のお客さんにすら僕たちのビールを届けられていないですけど、
量産体制が整ったら今年はアジアにもテスト的に輸出したいなと思います」と話す。
大掛かりな工事のため、リノベーションにかかる費用はかなりの額だが
一部は補助金やクラウドファンディングを活用して募る。
そして品評会で1位をとったIPAに、
ビールと相性抜群の柑橘を用いたビールを仕込んで
日本で唯一無二のビールをつくり、
今年はアジア最大のビール品評会
「2024 Asia Beer Championship」にチャレンジするという。
また来年は世界中の醸造所が頂点を目指す「2025 World Beer Cup」に
エントリーする予定だ。
「僕たちのビールをきっかけに、和歌山と有田川を知ってもらえたら
このまちを訪れたいと思う人も、きっといる」と金子さん。
「クラフトビールシーンを超えてイベントやトラベルなどほかのジャンルと
クロスオーバーしていくのもいいよね」とアダムさん。
有田川の魅力をギュッと詰め込んだゴールドに輝くビールが
世界にどんどん羽ばたいていく。
そんな様子が見えるような気がした。
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Nomcraft Brewing
