〈久原本家〉創業の地・久山町で 農業を通じて未来を耕す、 〈里山サポリ〉の循環の輪
“朝食イタリアン”という新しい価値観を生み出す
キッキリッキーでの料理はコース仕立て。
この日は最初に「ハロウィンスウィート」というサツマイモを使った
ポタージュが提供された。
続いて運ばれてきたのが、farmer’sプレート。
これは城戸さんたち“サポリチーム”が育てたイタリア野菜が
ふんだんに盛り込まれた一皿で、オイル煮、トマト煮、マリネ、
フリッタータ(イタリア料理でいうオムレツ)、ソテーなど
10種以上の野菜料理に舌鼓が打てる。まさに野菜のメインディッシュだ。

farmer’sプレートの一例。内容は採れる野菜によって日々変わる。
最後に季節のパスタ。
その日は城戸さんが修業した南イタリアのナポリを連想させる
ムール貝とアサリを使った魚介のパスタだった。

ペコリーノロマーノの風味とオリーブオイルのコクを生かした絶妙な塩加減が後を引くひと皿。ズッキーニのスライスが見事な名脇役に。
これらの料理にドリンクまでついて2200円からという価格設定は、
実体験をもとに書かせてもらうなら破格。
リピーターが絶えないという話も頷ける。
ユニークなのはその値づけ。
料理の内容は同じだが、7時の予約だと最も安く2200 円、
8時スタートになると2300円、9時スタートだと2400円というように
少しずつ価格が上がる仕組み。まさに「早起きは三文の徳」なのだ。
最も遅い9時の部でも、食後はまだ10時台。
「さあ、これから何をしよう!」と、
最高にポジティブな気分で1日がスタートできた。
福岡でもふたつとない朝食に特化したイタリアン。
それをまちなかではなく、久山町という郊外で提供する。
こういうと集客は困難そうに思えるが、
そもそも城戸さんの頭ではお客が来る、来ないという観点で考えていなかった。
「“朝食イタリアン”という価値観を提案したい。
この価値観は絶対にこれからみんなにも共感してもらえるだろうと思ったんです。
だからやらないという選択肢はありませんでした」