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ミュージックセレクターが
お店の表情を夜な夜な変える
仙台〈Bar Gimme Shelter〉

SOUNDS GOOD!!! 音のいい店ジャパンツアー
vol.017

posted:2023.11.24   from:宮城県仙台市  genre:旅行 / エンタメ・お楽しみ

〈 この連載・企画は… 〉  ジャズ喫茶、ロックバー、レコードバー……。リスニングバーは、そもそも日本独自の文化です。
選曲やオーディオなど、音楽こそチャームな、音のいい店、
そんな日本独自の文化を探しに、コロカルは旅に出ることにしました。

writer profile

Akihiro Furuya

古谷昭弘

フルヤ・アキヒロ●編集者
『BRUTUS』『Casa BRUTUS』など雑誌を中心に活動。5年前にまわりにそそのかされて真空管アンプを手に入れて以来、レコードの熱が再燃。リマスターブームにも踊らされ、音楽マーケットではいいカモといえる。

credit

photographer:深水敬介

illustrator:横山寛多

音楽好きコロンボとカルロスが
リスニングバーを探す巡礼の旅、次なるディストネーションは
宮城県仙台市。

〈Bar Gimme Shelter〉と〈Ribbon in the sky〉、
対を成すふたつのバー

カルロス(以下カル): レコードバーの選曲というと、
主人の嗜好がほぼほぼなんだけど、
ここ〈Bar Gimme Shelter(バー・ギミーシェルター)〉は
ミュージックセレクターが日替わりで、
じっくりお酒が飲めるDJバーって感じなんでしょう。

コロンボ(以下コロ): そうそう、
18人近くいるミュージック・セレクターが回すシステムなんだ。

カル: もちろんスタッフも回すんでしょう。

コロ: お店が温まった20:30〜23:30の時間帯を
ミュージックセレクターが受け持つんだよ。
セレクターには仙台を中心に活動するスカバンド〈ザ・ゴーストシンジケート〉の
セキ・ケンジロウさんがいたり、オーナーの大宮慎司さんがいたりと多士済々。

カル: 週末にやるにはそれなりの鍛錬が必要なのかな?

コロ: 平日にコツコツやって、感じをつかんで、
1~2年経ったら晴れて週末なんだってさ。

システムは〈ALTEC〉に〈McIntosh〉のゴールデンユニット。

システムは〈ALTEC〉に〈McIntosh〉のゴールデンユニット。

カル: オーナーの大宮さんも人気セレクターなんだってね。

コロ: セレクトのツボが老舗レコードバーではあまり聴かない感じで、
それが妙に新鮮なんだよ。

カル: ラウンジ系? それともスカし系?

コロ: 土曜日のプレイリストはこんな感じだったよ。
スタイル・カウンシルの「The Whole Point of No Return」から始まって、「Rollercoaster」Everything But The Girl →
「Rodeo Clowns」G.Love & Special Sauce →
「Echo」Tristan Prettyman →
「It’s Alright, It’s OK」Primal Screamという流れ。

カル: ギターのイントロが心地いい曲しばりかな(笑)。
こんな曲もあったよなー、って感じの趣味のいいセレクトだよね。

コロ: トーンは揃っているものの、年代もまちまち。
キラーチューンでもないけど、まったく耳なじみがない曲でもない。
やれそうでやれない、なかなかの塩梅なんだ。

カル: なるほど、オーナーの選曲が人気なわけだ。
スタカンといえば、ポール・ウェラー、来年、来日公演があって仙台にも行くね。

コロ: 「The Whole Point of No Return」はお店のブログにも、
「大宮さんが生きているうちにライブで聴きたい大好きな曲」って書いてあったけど、
そのオマージュだったのかもよ。

カル: やってくれるといいね。

コロ: 大宮さん、人気なんだけど、お客さんが盛り上がっていても、
時間がくるとやめちゃうのがたまにキズみたいだよ。
「こんなの社長だけですよ」ってスタッフに咎められるんだってさ(笑)。

カル: 淡白? それとも寸止めなのかな。

コロ: 僕らが行ったとき、
大宮さんは〈Ribbon in the sky(リボン・イン・ザ・スカイ)〉という
仙台にあるもう1軒の系列店で回していて、
そのときはシャーデーの「The Sweetest Taboo」とか、
ミスティ・オールドランドの「Got Me a Feeling」をかけていた。
これまた久しぶりに聴いて、かっこよかったなー。

カル: Ribbon in the skyはGimme Shelterとは
対を成すキャラクターのバーなんでしょう。

コロ: Gimme Shelterは仙台の歓楽街の国分町にある
オーセンティックなロックバー。
地下ガレージみたいなので屋号もローリング・ストーンズから拝借。

カル: Ribbon in the skyはスティービー・ワンダーの名バラードからってこと?

コロ: そのとおり。ここはビルの6階にあるので、
夜景も望めるロケーションで、すこぶる艶っぽい。
Gimme Shelterはロック、
Ribbon in the skyはブラックミュージックってことでもないんだけど、
ちょっとは意識しているそうだよ。

カル: 空間構成もそれなりにこだわりがあるんでしょう。

コロ: Gimme Shelterは文字通り、
シェルターに20名は座れる長いカウンターに、
ソファを置いたり、アンディ・ウォーホルのリトグラフがあったりと、
ガレージのアトリエを思わせる妖しい感じ。
一方、Ribbon in the skyはギャラリー風というか、
マイアミのデザインホテルのイメージなんだって。

カル: スピーカーもGimme Shelterは〈ALTEC〉で、
Ribbon in the skyは〈JBL〉というのも、なんともイカしたすみ分けだよね。
どちらもマッキン(マッキントッシュ)のブルーパネルが効いているけど。

コロ: 実はRibbon in the skyのスピーカー、
本当は〈TANNOY〉の「GRF」なんだけど、現在修理中なんだそうだ。

カル: 修理中とはいえ、ちゃんとすみ分けてる、さすが!

コロ: 同じエリアにキャラクターが違った店があるっていうのは、いいもんだよ。
連れや気分によって変えられる。

カル: それにしても、このお店はレコードバーには珍しく、
閉鎖的なところがないみたい。4人くらいで来ても肩身が狭くなさそうだね。

コロ: 静かに飲んでいればノープレッシャーなはずだよ。

カル: 仙台で3軒目っていうのはあるのかな?

コロ: 3軒目は沖縄あたりで考えているんだってさ。

カル: 店名は「Loveland, Island」かな?

コロ: もうちょっと練らない?

ウォーホルのリトグラフなどポップアートとヴィンテージで構成された妖しげな空間。

ウォーホルのリトグラフなどポップアートとヴィンテージで構成された妖しげな空間。

information

map

Bar Gimme Shelter 

住所:宮城県仙台市青葉区一番町4-4-1 村上ビルB1

tel:022-797-5234

営業時間:18:00〜2:00

定休日:日曜

Web:Bar Gimme Shelter

 

SOUND SYSTEM

Speaker:ALTEC 828C

Turn Table:DENON DP-500M

Power Amplifer:McIntosh MC2105

Pre Amplifer:McIntosh C28

Mixer:ALLEN & HEATH Xone:43

旅人

コロンボ

音楽は最高のつまみだと、レコードバーに足しげく通うロックおやじ。レイト60’sをギリギリのところで逃し、青春のど真ん中がAORと、ちとチャラい音楽嗜好だが継続は力なりと聴き続ける。

旅人

カルロス

現場としての〈GOLD〉には間に合わなかった世代だが、それなりの時間を〈YELLOW〉で過ごした音楽現場主義者。音楽を最高の共感&社交ツールとして、最近ではミュージックバーをディグる日々。

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