〈盛岡バスセンター〉 閉鎖されたバス発着拠点を 地域のハブとして再生
スキームをうまくデザインし、公民連携事業を実現
盛岡バスセンターを取材して感じたのは、
パブリック性のある施設を永続的に続けることの難しさだ。
公民連携でよく言われるのは、これからの公共施設は継続性の観点から、
「民間の経営ノウハウ」を導入すべきといった論点だ。
たしかに、主に税金で運営する施設は、サービスの質からも、
民間ベースの視点は必要であり、事業性を確保する仕組みに切り替えないと、
税収が減少していくなかで、立ち行かなくなるのは明白だ。
しかし、民間の経営といっても、経営に失敗することは多々あり、
単に民間と連携すれば解決することではない。
「公民連携のまちづくり」の成功モデルと言われるオガールで岡崎さんが蓄積した
知見やノウハウを、盛岡バスセンターに注入したことは取材でもわかったが、
旧バスセンターは民間企業の経営失敗で閉鎖となったのは事実だ。
閉鎖後に市が土地を買い取り、経営的にうまくいっていた盛岡地域交流センターが
市の代理人である第三セクターとして出資もし、
特別目的会社である盛岡ローカルハブを設立したスキームをデザインしたのが、
盛岡バスセンターが再生できた大きな理由だろう。
おふたりは、「準公共」というワードに対しては関心を示さなかったが、
「市の代理人」や「特別目的会社」といった、
官と民の間にまたがるような機能が存在したこと、
そして行政、事業者、テナント、設計者、地元商店街など、
多くの関係者が相互の立場と役割を尊重し合い、シームレスに連携したことで実現した
共有地そのものが、準公共(セミパブリック)と言えるものではないだろうか。

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